JP6774700B2 - 鉛蓄電池再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池の電極に付着した硫酸鉛の不導体皮膜を除去して鉛蓄電池の長寿命化を図る鉛蓄電池再生装置に関する。
充電及び放電を繰り返し行うことが可能な二次電池のうち、鉛蓄電池は、比較的安価で安定した性能を有するため、自動車、船舶、建設機械等のバッテリや、産業用としての商用電源、住宅用電源が途絶えた時の非常用電源等として幅広く使用されている。しかしながら、鉛蓄電池は、鉛蓄電池の充電と放電を繰り返すことによって、電解液中の硫酸と電極板の鉛が化学反応により、負極表面において、結晶化した硫酸鉛(PbSO)の不導体皮膜となって電極板に付着するようになる(サルフェーション)。
サルフェーションにより形成された不導体皮膜は、放電条件や放置されるときの周囲温度の上下、振動等によって電極表面で成長して白色硬化することにより、実効的な電極表面積を減少させる。不導体被膜は、鉛蓄電池の内部抵抗を増大させ、充電容量を大幅に減少させるので、バッテリ性能を著しく低下させる。このような硫酸鉛の不導体皮膜を除去する方法として、鉛蓄電池の電極にパルス電流を流して電極とその表面に成長した硫酸鉛皮膜との間に電撃ショックを与えることによって、サルフェーションを電極から物理的に剥離する方法が特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許3902212号公報 特開2011−71001号公報
サルフェーションは、鉛蓄電池の放電によって生成する硫酸鉛が負極板上に析出し、次第に成長して白色硬化した不導体皮膜を形成する現象であり、放電条件や当該鉛蓄電池が放置されるときの周囲温度、振動等の諸条件によって影響される。このため、当該諸条件によっては、パルス電流を印加しても、鉛蓄電池を再生できない場合があった。特許文献1及び特許文献2に開示された再生方法は、パルス電流の印加による電極の発熱による悪影響等を考慮して、何れも0.01〜0.10A程度の微弱なパルス電流を電極に印加している。このため、サルフェーションの程度の軽い場合では、鉛蓄電池の再生が可能であるが、サルフェーションの程度によっては、鉛蓄電池を再生できない場合があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、鉛蓄電池の電極に付着したサルフェーションをより確実に除去して、鉛蓄電池の長寿命化を図ることの可能な、新規かつ改良された鉛蓄電池再生装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、鉛蓄電池の電極に付着したサルフェーションを除去する鉛蓄電池再生装置であって、前記鉛蓄電池から放電する放電パルス電流のみを生じさせるパルス電流供給部と、前記放電パルス電流発生時に少なくとも前記放電パルス電流の電流値、パルス幅、及びパルス間隔を調整し、前記放電パルス電流の前記電流値をI、前記パルス幅をT1、及び前記パルス間隔をT2と定義した場合に、下記の式で表される大パルスエネルギーを少なくとも1A 以上の大きさを発生させるように、前記放電パルス電流供給部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記パルス電流供給部により前記放電パルス電流が前記電極に繰り返し流れるように制御することを特徴とする。
(大パルスエネルギー)=I ×T1/T2 ・・・(式)
本発明の一態様によれば、鉛蓄電池の放電時にパルス電流供給部から所定の大きさ以上の大パルスエネルギーを発生させる放電パルス電流を電極に印加することによって、電極表面に形成されたサルフェーションを電極の内側からより確実に破壊できる。
また、本発明の一態様では、前記制御部は、前記鉛蓄電池の電池容量が12Ahの時、前記放電パルス電流の前記電流値を少なくとも40アンペア以上に、かつ前記パルス幅及び前記パルス間隔を調整して、該放電パルス電流が少なくとも1.7A以上の大パルスエネルギーを発生させるように前記パルス電流供給部を制御することとしてもよい。
このように、少なくとも40アンペア以上の放電パルス電流を1.7 以上の大パルスエネルギーを発生させるように電極に印加することによって、電極表面に形成されたサルフェーションを電極の内側からより確実に破壊できる。
以上説明したように本発明によれば、鉛蓄電池の電極表面に付着したサルフェーションがより確実に除去されるようになる。このため、鉛蓄電池の長寿命化を効率よく確実に図れるようになる。
本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置から印加される放電パルス電流のパルス波形図である。 (a)乃至(c)は、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置によるサルフェーション除去の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置による入力大パルスエネルギーと鉛蓄電池の寿命との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置の概略構成について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100は、鉛蓄電池10の電極12に向けてパルス電流を流すことによって、当該電極12(12a、12b)の表面に付着した硫酸鉛層であるサルフェーションを除去して、当該鉛蓄電池10の長寿命化を図る装置である。本実施形態の鉛蓄電池再生装置100は、図1に示すように、電極12にパルス電流を供給するパルス電流供給部102と、当該パルス電流供給部102を制御する制御部104とを備える。
パルス電流供給部102は、例えば、図2に示すようなパルス波形を有する放電パルス電流を電極12に供給する。パルス電流供給部102は、例えば、不図示の発振器及びパルス電流発生器から構成され、当該発振器から出力された信号波により、パルス電流発生器に備わるMOSFET等の電子スイッチを駆動させて、図2示すように、所定の大きさの電流値Iと周期Tのパルス波形を有する放電パルス電流Ipを発生させる。そして、パルス電流供給部102は、当該放電パルス電流Ipを鉛蓄電池10の接続端子15(15a、15b)を介して電極12(12a、12b)に印加する。なお、印加する放電パルス電流Ipは、周期的に電流値が変動するような所定の周期を有する交流電流であればよいので、その波形は、図2に示す矩形波以外にも、正弦波、三角波、鋸歯状波等の他の波形形状でも適用可能である。
制御部104は、鉛蓄電池再生装置100に備わる各種構成要素等を制御する。本実施形態では、制御部104は、鉛蓄電池10の放電時に少なくとも放電パルス電流Ipの電流値I、パルス幅T1、及びパルス間隔T2を調整し、当該パルス電流Ipが所定の大きさ以上の大パルスエネルギーを発生させるようにパルス電流供給部102を制御することを特徴とする。
なお、ここで言及する「大パルスエネルギー」とは、卵の殻がある一定値以上の運動量を加えることによって、破壊できるのと同様に、ある閾値以上の放電エネルギーを電池に投入させる単位時間当たりのエネルギー量を意味する。すなわち、本発明者は、従来から行われているような微少パルスエネルギーでは、決して得られない非線形現象によってサルフェーションを除去できることと、サルフェーション除去が充電電流ではなく、放電パルス電流によって可能になることを発見し、それを実現する装置として本発明の創作に至った。
ここで「パルス幅T1」とは、図2に示すパルス電流Ipの時間幅をいい、「パルス間隔T2」とは、図2に示す放電パルス電流Ipの時間間隔をいう。すなわち、パルス幅T1とハルス間隔T2の和がパルス電流の周期Tとなる。また、本明細書中で「大パルスエネルギー」とは、放電パルス電流Ipにより生成される少なくとも1 以上の大きさを有する単位時間当たりに変換・使用・消費されるエネルギーをいうものとし、放電パルス電流Ipの電流値I、パルス幅T1、及びパルス間隔T2を用いて、下記の式(1)により算出される。なお、制御部104による放電パルス電流Ipの制御の詳細については、後述する。
(大パルスエネルギー)=I×T1/T2・・・・・・・・・・・・・・・(1)
鉛蓄電池10は、ケーシング11内に電極12として所定の位置に配置された相対向する正極12a及び負極12bがセパレータ14を介して隔てて設けられ、これら正極12a、負極12bが十分に浸漬されるように、希硫酸(HSO)を主成分とする電解液13が充填されている。正極12aは、少なくともその表面に活物質として機能する多孔質の二酸化鉛から構成され、負極12bは、少なくともその表面が活物質として機能する多孔質の鉛から構成されている。また、ケーシング11は、希硫酸に対する耐腐食性を有する樹脂等で形成される。
前述した構成の鉛蓄電池10は、下記の反応式(2)及び(3)に従って放電され、下記の反応式(4)及び(5)に従って充電される。すなわち、正極12a、負極12bの双方から電解液13中に硫酸イオンが移動することによって充電され、電解液13中の硫酸イオンが正極12a、負極12bの双方に移動することによって放電が行われる。
(放電時)
正極:PbO + 4H + SO 2− + 2e
→ PbSO + 2HO・・・ (2)
負極:Pb + SO 2− → PbSO + 2e・・・・・・・・・・ (3)
(充電時)
正極:PbSO + 2H
→ PbO + 4H + SO 2− + 2e・・・(4)
負極:PbSO + 2e → Pb + SO 2−・・・・・・・・・・・ (5)
前述したように、放電及び充電を繰り返したり、経時的な自然放電状態、自己放電状態が所定期間継続されると、化学反応によって正極12a及び負極12bの表面に硫酸鉛(PbSO)が結晶化されたサルフェーションが析出される。特に、鉛蓄電池10の放電時に析出されたサルフェーションが長期間放置されると、結晶化されたサルフェーションが硬質化し、再び充電しても電解液に戻らなくなってしまい、鉛蓄電池10の内部抵抗の増大や、充電効率の低下、蓄電能力の低下及び放電パワーの低下を誘発し、バッテリ性能を著しく低下させる。
本実施形態では、鉛蓄電池再生装置100は、電極12に付着したサルフェーションを除去するために、電極12に所定の大きさ以上の大電流となるような放電パルス電流Ipを印加することを特徴とする。本発明者は、前述した本発明の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、鉛蓄電池10の放電時に所定の大きさ以上の大パルスエネルギーを発生させる放電パルス電流Ipを電極12に印加することによって、サルフェーションを確実に除去して、鉛蓄電池10の長寿命化を図れることを見出した。また、鉛蓄電池10の放電パルス電流Ipを印加する際に、放電パルス電流Ipの電流値I、パルス幅T1、及びパルス間隔T2を調整し、当該放電パルス電流Ipが所定の大きさ以上の大パルスエネルギーを発生させることが必要である旨を見出した。
具体的には、鉛蓄電池再生装置100は、制御部104が放電パルス電流Ipの電流値I、パルス幅T1、及びパルス間隔T2を調整して、放電パルス電流Ipが少なくとも1 以上の大パルスエネルギーを発生させるようにパルス電流供給部102を制御する。例えば、電池容量60V12Ahの鉛電池を使用した場合では、1時間当たりの放電パルスエネルギーとして、60×12×3600=2592(KJ)から約2000kJ以上を発生させることが有効であることがわかった。
また、その際に、放電パルス電流Ipの電流値Iを少なくとも40アンペア以上とした上でパルス幅T1及びパルス間隔T2を調整して、当該放電パルス電流Ipが少なくとも1.7 以上の大パルスエネルギーを発生させるようにパルス電流供給部102を制御することが好ましいことがわかった。特に、放電パルス電流Ipの電流値Iが少なくとも200アンペア以上となるような大パルス電流を電極12に印加するように、制御部104がパルス電流供給部102を制御すると、当該大パルス電流の衝撃によって硬質化したサルフェーションが効果的に内側から破壊され、電極12の表面に付着したサルフェーションが確実に除去されるようになることがわかった。
前述したように、従来では、電極12に付着したサルフェーションを除去するために印加するパルス電流は、0.01〜0.10A程度の微弱なパルス電流のものが多かった。このため、鉛蓄電池10の使用条件やサルフェーションの進行程度によっては、サルフェーションが十分に除去されずに、鉛蓄電池10を再生できない場合があった。これに対して本実施形態では、鉛蓄電池10に放電パルス電流として、当該鉛蓄電池10の蓄積エネルギーの20000分の1以上のパルスエネルギーの放電パルス電流を電極12に繰り返し印加して、電極12、特にサルフェーションによる劣化が顕著にみられる負極12bの活性化を行って、サルフェーションを除去するようにしている。
このように、本実施形態では、鉛蓄電池10の放電時に所定の大きさ以上の放電パルス電流を電極12に印加して、サルフェーションを除去して、バッテリ性能を向上させて鉛蓄電池10の長寿命化を図っている。すなわち、鉛蓄電池10の放電時に電極12に所定の大きさ以上のエネルギーを持つ放電パルス電流Ipを印加して、その大パルスエネルギーを発生させることによって、より大きな衝撃を電極12に与えられるので、当該電極12の表面の活性化を図ってサルフェーションをより確実に除去できるようになる。
次に、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100によるサルフェーション除去の動作について、図面を使用しながら説明する。図3(a)乃至(c)は、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100によるサルフェーション除去の動作説明図である。
図3(a)に示すように、鉛蓄電池10の放電時に電極12の表面12cに非伝導性の硫酸鉛の結晶皮膜であるサルフェーションSuが発生する。サルフェーションSuは、発生時点では、極めて柔らかい物質であるため、柔軟な態様で電極12の表面12cに付着している。このように、サルフェーションSuが柔らかい段階で充電を開始すれば、理論上は、かかるサルフェーションSuが電解液13に溶解して、硬質化したサルフェーションSuが電極12の表面12cに付着しない。
しかしながら、鉛蓄電池10の放電と充電を繰り返すことによって、図3(b)に示すように、電極12の表面12cに付着したサルフェーションSuが硬質化して、電極12の表面12cを被覆してしまう。特に、鉛蓄電池10に析出されたサルフェーションSuが自己放電状態で長期間放置されると、結晶化されたサルフェーションSuが著しく硬質化し、再び充電しても電解液13に戻らなくなってしまう。
このため、本実施形態では、図3(c)に示すように、サルフェーションSuが電極12の表面12cに析出される放電時のタイミングに、定期的に所定の大きさ以上の大パルスエネルギーを発生させる放電パルス電流Ipを電極12に印加して、電極12の表面12cに付着したサルフェーションSuを当該表面12cから浮遊させるようにしている。このとき、電極12に印加する放電パルス電流Ipを所定の大きさ以上の大パルスエネルギーを発生させるように、大きな放電パルス電流Ipを強引に印加するので、サルフェーションSuが進行して著しく硬質化した場合でも、大パルス電流Ipの衝撃によって当該硬質化したサルフェーションSuを内側から破壊して、電極12の表面12cから確実に除去することができる。
すなわち、鉛蓄電池10の放電時に所定の大きさ以上の大パルスエネルギーを発生させるような大きさの放電パルス電流Ipを電極12に印加することによって、硬質化したサルフェーションSuを容易に破壊して除去することができる。このため、硬質化したサルフェーションSuによる電極12の劣化を解消して、鉛蓄電池10がより確実にバッテリ性能を回復させることができるので、鉛蓄電池10の長寿命化が図れるようになる。
次に、前述した本発明の一実施形態における効果を実証する実験結果について説明する。 本実施例では、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100で試験体となる鉛蓄電池10の電極12に印加する放電パルス電流Ipの電流値I、パルス幅dt(T1)、パルス間隔t(T2)を調整して、大パルスエネルギーを変えた場合における寿命サイクルをカウントした。そして、放電パルス電流Ipの電流値I、パルス幅dt(T1)、パルス間隔t(T2)、及び大パルスエネルギーを変えた場合における寿命サイクルの変化を調べて、パルス電流の印加による鉛蓄電池10の延命効果を確認した。なお、本発明は、本実施例に限定されるものではない。
本実施例では、試験体となる鉛蓄電池10として、製品が三菱電機(株)製の三菱FW−VBT−2.0K、電池容量が12V12Ahのもの5つを使用して、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100を取り付けて試験を行った。また、本実施例における鉛蓄電池10の充電・放電のサイクルは、充電が2時間、放電が4時間の計6時間を1サイクルとして、かかるサイクルを1日あたり4回行って、寿命サイクルをカウントした。なお、本実施例における「寿命サイクル」とは、前述した鉛蓄電池10の充電・放電のサイクルの繰り返し可能な回数をカウントしたものである。
本実施例における各試験体V1乃至V15の試験結果を下記の表1に示す。試験体V1乃至V8は、放電パルス電流の電流値を40アンペアとした場合、試験体V9乃至V12は、放電パルス電流の電流値を200アンペアとした場合、試験体V13は、パルス電流の電流値を10アンペアとした場合、試験体V14及びV15は、放電パルス電流の印加をしない場合の鉛蓄電池10であり、これらの試験体V1乃至V15の寿命サイクルをカウントした。また、放電パルス電流を印加した試験体V1乃至V13の延命効果の指標として、放電パルス電流を印加しない場合の試験体V14及びV15の寿命サイクルの平均値393に対する各試験体V1乃至V13の寿命サイクルの比を求めて、かかる比を「延命倍率」と定義した。
また、本実施例における各試験体V1乃至V13の入力大パルスエネルギーと寿命サイクル数の関係を図4に示す。なお、図4に示すNmaxは、放電パルス電流の印加をしない場合の試験体の寿命サイクルの最大値であり、Nminは、放電パルス電流の印加をしない場合の試験体の寿命サイクルの最小値を示す。




















Figure 0006774700
表1に示すように、試験体V1、V4、V6、V7、V9乃至V12の試験結果より、少なくとも1 以上の大パルスエネルギーを発生させるように放電パルス電流を電極12に印加した場合に、延命倍率が1倍より大きくなることから、鉛蓄電池10の長寿命化が図れることが分かる。特に、試験体V6、V7、V9乃至V12の試験結果より、放電パルス電流の電流値を少なくとも40アンペア以上として、かつパルス幅及びパルス間隔を調整して、少なくとも1.7 以上の大パルスエネルギーを発生させるような放電パルス電流を電極12に印加した場合に、延命倍率が1.35倍以上と大幅に大きくなることが分かる。
すなわち、放電パルス電流の電流値を少なくとも40アンペア以上として、かつパルス幅及びパルス間隔を調整して、少なくとも1.7 以上の大パルスエネルギーを発生させるような放電パルス電流を電極12に印加すると、図4に示すように、高い寿命サイクル数が確保され、鉛蓄電池10の長寿命化が確実に図れることが分かる。これは、所定の大きさ以上の大パルスエネルギーを発生させるような放電パルス電流を電極12に印加することによって、当該電極12の表面12cに付着したサルフェーションSuに大きな衝撃を与えられるので、より確実に当該サルフェーションSuを内側から破壊して、電極12の表面12cから除去できることがその理由として考えられる。
また、試験体V9乃至V12の試験結果より、電極12に印加する放電パルス電流の電流値を200アンペアとした場合に、何れも延命倍率が1.35倍以上と大幅に大きくなることから、鉛蓄電池10の長寿命化が確実に図れることが分かる。これは、電極12に印加する放電パルス電流の電流値を200アンペアと大きくした場合、より大きな衝撃を電極12の表面12cに硬質化して付着したサルフェーションSuに与えられることから、より確実に当該サルフェーションSuを内側から破壊できることがその理由として考えられる。なお、200アンペア以上の放電パルス電流を印加しても、鉛蓄電池10の放電時のタイミングに印加するので、当該パルス電流による大パルスエネルギーを発生させても、当該電極12の発熱による悪影響も特に見られなかった。
さらに、試験体V1乃至V8の試験結果より、電極12に印加する放電パルス電流の電流値を40アンペアとした場合でも、試験体V6及びV7のように、パルス幅を1.00秒と大きくした場合では、何れも1.4倍以上の高い延命倍率が確保され、鉛蓄電池10の長寿命化が確実に図れることが分かる。これは、電極12に印加する放電パルス電流の電流値を少なくとも40アンペア以上にして、かつパルス幅を1.00秒と大きな値とすることにより、電極12の表面12cに硬質化して付着したサルフェーションSuを確実に破壊できる程度の大パルスエネルギーが確保されることがその理由として考えられる。ただし、試験体V8の試験結果より、パルス幅を1.00秒と大きくしても、パルス間隔が3600秒と大きい場合には、サルフェーションSuを確実に破壊できる程度の大パルスエネルギーが確保されないので、延命倍率が1.03倍と若干の延命効果が見られるものの、大幅な延命効果が見られなかった。
また、前述した式(1)に示すように、大パルスエネルギーは、電流値の2乗とパルス幅に比例し、パルス間隔に反比例することから、大パルスエネルギーの値は、パルス幅とパルス間隔の値よりも、電流値の値による変動の影響が大きい。このことから、鉛蓄電池10の長寿命化を図るためには、鉛蓄電池再生装置100から印加する放電パルス電流の電流値を少なくとも40アンペア以上の大電流値とすることが好ましいことが分かる。
なお、上記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、鉛蓄電池再生装置の構成、動作も本発明の各実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 鉛蓄電池、11 ケーシング、12 電極、12a 正極、12b 負極、12c 表面、13 電解液、14 セパレータ、15 端子、100 鉛蓄電池再生装置、102 パルス電流供給部、104 制御部、Su サルフェーション、Ip 放電パルス電流、I 電流値、T1 パルス幅、T2 パルス間隔

Claims (2)

  1. 鉛蓄電池の電極に付着したサルフェーションを除去する鉛蓄電池再生装置であって、
    前記鉛蓄電池から放電する放電パルス電流のみを生じさせるパルス電流供給部と、
    前記放電パルス電流発生時に少なくとも前記放電パルス電流の電流値、パルス幅、及びパルス間隔を調整し、前記放電パルス電流の前記電流値をI、前記パルス幅をT1、及び前記パルス間隔をT2と定義した場合に、下記の式で表される大パルスエネルギーを少なくとも1A 以上の大きさを発生させるように、前記放電パルス電流供給部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記パルス電流供給部により前記放電パルス電流が前記電極に繰り返し流れるように制御することを特徴とする鉛蓄電池再生装置。
    (大パルスエネルギー)=I ×T1/T2 ・・・(式)
  2. 前記制御部は、前記鉛蓄電池の電池容量が12Ahの時、前記放電パルス電流の前記電流値を少なくとも40アンペア以上に、かつ前記パルス幅及び前記パルス間隔を調整して、該放電パルス電流が少なくとも1.7A以上の大パルスエネルギーを発生させるように前記パルス電流供給部を制御することを特徴とする請求項に記載の鉛蓄電池再生装置。
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