JP6751879B2 - 鉛蓄電池再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池の電極に付着した硫酸鉛の不導体皮膜を除去して鉛蓄電池の長寿命化を図る鉛蓄電池再生装置に関する。
充電及び放電を繰り返し行うことが可能な二次電池のうち、鉛蓄電池は、比較的安価で安定した性能を有するため、自動車、船舶、建設機械用や、産業用としての商用電源、住宅用電源が途絶えたときの非常用電源等として幅広く使用されている。しかしながら、鉛蓄電池は、鉛蓄電池の充電と放電を繰り返すことによって、電解液中の硫酸と電極板の鉛が化学反応により、負極表面において、結晶化した硫酸鉛(PbSO)の不導体皮膜となって電極板に付着するようになり劣化する(サルフェーション)。
サルフェーションにより形成された不導体皮膜は、電極表面で成長して白色硬化することにより、実効的な電極表面積を減少させる。不導体被膜は、鉛蓄電池の内部抵抗を増大させ、充電容量を大幅に減少させるので、バッテリ性能を著しく低下させる。このような硫酸鉛の不導体皮膜を除去するため、鉛蓄電池の電極にパルス電流を流して電極とその表面に成長した硫酸鉛皮膜との間に電撃ショックを与えることによって、サルフェーションを電極から物理的に剥離する方法が特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許3902212号公報 特開2011−71001号公報
サルフェーションは、鉛蓄電池の放電によって生成する硫酸鉛が負極板上に析出し、次第に成長して白色硬化した不導体皮膜を形成する現象であり、放電条件や当該鉛蓄電池が放置されるときの周囲温度、振動等の諸条件によって影響される。このため、当該諸条件によっては、パルス電流を印加しても、鉛蓄電池を再生できない場合があった。特許文献1及び特許文献2に開示された再生方法は、パルス電流の印加による電極の発熱による悪影響等を考慮して、何れも0.01〜0.10A程度の微弱なパルス電流を電極に印加している。このため、サルフェーションの程度の軽い場合では、鉛蓄電池の再生が可能であるが、サルフェーションの程度によっては、鉛蓄電池を再生できない場合があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、パルス電流の印加による電極の発熱による悪影響を軽減しながら、鉛蓄電池の電極に付着したサルフェーションをより確実に除去して、鉛蓄電池の長寿命化を図ることの可能な、新規かつ改良された鉛蓄電池再生装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、鉛蓄電池の電極に付着したサルフェーションを除去する鉛蓄電池再生装置であって、前記電極に放電パルス電流を供給する放電パルス電流供給部と、前記鉛蓄電池の充電時を検知して、前記充電時のみに該鉛蓄電池の電池容量に対応する所定の大きさ以上のパルスパワーを発生させて、該パルスパワーを前記電極に供給するように前記放電パルス電流供給部を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記電極に供給する前記パルスパワーの基準として、前記電池容量に対する1C放電電流と前記鉛蓄電池の定格電圧を掛けて算出される電力値以上の大きさのパルスパワーを発生させるように、前記放電パルス電流供給部を制御することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、鉛蓄電池の充電時に放電パルス電流供給部から所定の大きさ以上のパルスパワーを発生させる放電パルス電流を電極に印加することによって、電極表面に形成されたサルフェーションを電極の内側からの鉛イオン電流衝撃により確実に破壊できる。
このように、電池容量の大きさに対応したパルスパワーを発生させる放電パルス電流を電極から放電させることによって、過剰な電流印加に伴う電極の発熱による悪影響を軽減しながら、電極表面に形成されたサルフェーションを電極の内側からより確実に破壊できる。
以上説明したように本発明によれば、電池容量の大きさに対応したパルスパワーを発生させる放電パルス電流を充電時に電極に印加し、電池放電時には、パルス放電をしないので、過放電を防止しながら、鉛蓄電池の電極表面に付着したサルフェーションがより確実に除去されるようになる。このため、電池の保護の観点からの実用性も高く、かつ、鉛蓄電池の長寿命化を効率よく確実に図れるようになる。
本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置から印加される放電パルス電流のパルス波形図である。 本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置の性能評価試験における電池電圧と経過時間の関係、及び当該鉛蓄電池再生装置から放電パルス電流を印加するタイミングを示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置が放電パルス電流を印加する実施態様を示すブロック図である。 (a)乃至(c)は、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置によるサルフェーション除去の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置の評価実験における充放電サイクル数とサイクル毎の放電終了電圧との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置の概略構成について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100は、鉛蓄電池10の電極12に向けて放電パルス電流を流すことによって、当該電極12(12a、12b)の表面に付着した硫酸鉛層であるサルフェーションを除去して、当該鉛蓄電池10の長寿命化を図る装置である。本実施形態の鉛蓄電池再生装置100は、図1に示すように、電極12にパルス電流を供給する放電パルス電流供給部102と、当該放電パルス電流供給部102から供給される放電パルス電流Ipのパルス波形や電流値・タイミング等を制御する制御部104を備える。
放電パルス電流供給部102は、例えば、図2に示すようなパルス波形を有する放電パルス電流を電極12に供給する。放電パルス電流供給部102は、例えば、不図示の発振器及び放電パルス電流発生器から構成され、当該発振器から出力された信号波により、放電パルス電流発生器に備わるMOSFET、IGBT等の電子スイッチあるいは電磁リレーを駆動させて、図2に示すように、パルス幅T1、及びパルス周期Tのパルス波形を有する放電パルス電流Ipを発生させる。そして、放電パルス電流供給部102は、当該放電パルス電流Ipを鉛蓄電池10の接続端子15(15a、15b)を介して電極12(12a、12b)に印加する。なお、印加する放電パルス電流Ipは、周期T毎にパルス状に電流値が変動するような所定の周期を有する電流であればよいので、その波形は、図2に示す矩形波以外にも、レイズドコサイン波、三角波、鋸歯状波等の他の波形形状やその合成である複数の孤立的な波形も適用可能である。なお、実際の装置では、パルス電流の繰り返し周期Tは、必ずしも固定である必要はなく、周期そのものが不規則に変化するものであってもよい。
制御部104は、鉛蓄電池再生装置100に備わる各種構成要素等を制御する。本実施形態では、制御部104は、鉛蓄電池10の充電時を検知して、充電時のみに後述する放電パルス電流Ip、パルス幅T1、パルス間隔T2、及びパルス周期Tを調整し、当該放電パルス電流Ipが所定の大きさ以上のパルスパワーを発生させるように、放電パルス電流供給部102を制御することを特徴とする。具体的には、制御部104は、鉛蓄電池10の充電時に当該鉛蓄電池10の電池容量に対応する所定の大きさ以上のパルスパワーを発生させて、当該パルスパワーを電極12に供給するように、放電パルス電流供給部102を制御する。なお、制御部104における放電パルス電流供給部102の制御の詳細については、後述する。
本明細書中で言及する「パルスパワー」とは、放電パルス電流Ipと、定格電池電圧Vに対し、Ip×Vで算出される値を言い、卵の殻がある一定値以上の運動量を加えることによって、破壊できるのと同様に、ある閾値以上の放電パワーを電池に投入させる単位時間当たりの電力[ワット]を意味する。すなわち、本発明者は、従来から行われているような微少パルスパワーでは、決して得られない非線形現象によってサルフェーションを効果的に除去できることと、サルフェーション除去は、電池の放電時ではなく、充電時において放電パルス電流を発生させて供給することによって、効果的にサルフェーション除去がなされることを発見し、それを実現する装置として本発明の創作に至った。
また、ここで言及する「パルス幅T1」とは、図2に示す放電パルス電流Ipの時間幅をいい、「パルス間隔T2」とは、図2に示す放電パルス電流Ipの時間間隔をいう。すなわち、パルス幅T1とパルス間隔T2の和が放電パルス電流Ipの周期Tとなる。なお、多少複雑なパルス波形を用いた場合は、その全体を包含するパルス発生時間をもって、パルス幅T1とみなすことができる。また、「平均パルスパワー」とは、放電パルス電流Ipにより所定の大きさを有する電力[ワット]をいうものとし、放電パルス電流Ip、パルス幅T1、パルス周期T、及び定格電池電圧Vを用いて、下記の式(1)により算出される。この放電パルス電流Ipの下限値は、前述した使用する鉛蓄電池10の電池容量に対応する値である。なお、制御部104による放電パルス電流Ipの制御の詳細については、後述する。
(平均パルスパワー)=V×Ip×T1/T・・・・・・・・・・・・・・・(1)
鉛蓄電池10は、ケーシング11内に電極12として所定の位置に配置された相対向する正極12a及び負極12bがセパレータ14を介して隔てて設けられ、これら正極12a、負極12bが十分に浸漬されるように、希硫酸(HSO)を主成分とする電解液13が充填されている。正極12aは、少なくともその表面に活物質として機能する多孔質の二酸化鉛から構成され、負極12bは、少なくともその表面が活物質として機能する多孔質の鉛から構成されている。
前述した構成の鉛蓄電池10は、下記の反応式(2)及び(3)に従って放電され、下記の反応式(4)及び(5)に従って充電される。すなわち、正極12a、負極12bの双方から電解液13中に硫酸イオンが移動することによって充電され、電解液13中の硫酸イオンが正極12a、負極12bの双方に移動することによって放電が行われる。
(放電時)
正極:PbO + 4H + SO 2− + 2e
→ PbSO + 2HO・・・ (2)
負極:Pb + SO 2− → PbSO + 2e・・・・・・・・・・ (3)
(充電時)
正極:PbSO + 2H
→ PbO + 4H + SO 2− + 2e・・・(4)
負極:PbSO + 2e → Pb + SO 2−・・・・・・・・・・・ (5)
前述したように、放電及び充電を繰り返したり、経時的な自然放電状態、放電状態が所定期間継続されると、化学反応によって正極12a及び負極12bの表面に硫酸鉛(PbSO)が結晶化されたサルフェーションが析出される。特に、鉛蓄電池10の放電時に析出されたサルフェーションが長期間放置されると、結晶化されたサルフェーションが硬質化し、再び充電しても電解液に戻らなくなってしまい、鉛蓄電池10の内部抵抗の増大や、充電効率の低下、蓄電能力の低下及び放電パワーの低下を誘発し、バッテリ性能を著しく低下させる。
本実施形態では、鉛蓄電池再生装置100は、電極12に付着したサルフェーションを除去するために、電極12に所定の大きさ以上の大電流となるような放電パルス電流Ipを鉛蓄電池10の充電時にのみ印加することを特徴とする。本発明者は、前述した本発明の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、鉛蓄電池10の充電時に鉛蓄電池10の電池容量に対応する所定の大きさ以上のパルスパワーを発生させる放電パルス電流Ipを電極12に印加することによって、電流印加に伴う電極12の発熱による悪影響を軽減しながら、サルフェーションを確実に除去して、鉛蓄電池10の長寿命化を図れることを見出した。
また、本発明者は、特に、電解液13から負極12bに電流が向かう充電時にのみ強大な放電パルス電流Ipを流すことによって、電池充電電流に対して逆向きの電流を発生させられ、負極12bの内部からのイオンによる表面サルフェーションの破壊が一層効果的に行えることを見出した。このため、本実施形態では、図3に示すように、充電期間のみに放電パルス電流Ipを電極12に印加することによって、負極内部からのイオンによる電極12の表面に付着したサルフェーションの破壊を効率的に行っている。
本実施形態では、制御部104は、鉛蓄電池10への充電状況の検知結果に基づいて、充電時のみに鉛蓄電池10に放電パルス電流Ipを印加することによって、鉛蓄電池10への過放電を防止しながら、効率的なサルフェーション付着を防止できるようにしている。本実施形態の鉛蓄電池再生装置100は、図4に示すように、電源16に接続された充電器18の鉛蓄電池10への充電状態のオン・オフを検出して、充電器18の鉛蓄電池10への充電状態がオンであることを検知すると、制御部104は、鉛蓄電池10の電極12(図1参照)に放電パルス電流Ipの印加を開始するように、放電パルス電流供給部102を制御する。
例えば、本実施形態の鉛蓄電池再生装置100を自動車搭載スターター用鉛蓄電池に適用した場合では、負荷20となる自動車のエンジンがかかって、充電が行われている場合にのみ放電パルス電流Ipを印加する。これによって、自動車のエンジンが停止した駐車中は、鉛蓄電池10に放電による負担がかからないようにできる。その他の用途でも、充電が行われた場合のみに、放電パルス電流Ipを印加することによって、過放電を防止しながら、サルフェーションを確実に除去できる実用的な装置とすることができる。
さらに、本発明者は、電極12に付着したサルフェーションを除去するために印加する適切な放電パルス電流Ipの値は、著しく鉛蓄電池10の容量に依存する旨を見出した。すなわち、本発明者は、電極12に付着したサルフェーション除去の効果を奏するパルスパワーの好適値が鉛蓄電池10の容量に依存する旨を見出した。本実施形態では、当該パルスパワーの好適値として、鉛蓄電池10の電池容量の大きさに対応したパルスパワーを発生させる放電パルス電流Ipを鉛蓄電池10に印加することによって、過剰な電流印加に伴う電極12の発熱による悪影響を軽減しながら、電極12の表面に形成されたサルフェーションを電極12の内側からより確実に破壊するようにしている。
また、本実施形態では、鉛蓄電池10に放電パルス電流Ipを印加する際に、制御部104が放電パルス電流Ip、パルス幅T1、及びパルス周期Tを調整して、鉛蓄電池10の充電時に当該鉛蓄電池10の電池容量に対応する所定の大きさ以上のパルスパワーを発生させるように、放電パルス電流供給部102を制御することを特徴とする。具体的には、鉛蓄電池再生装置100は、制御部104が電極12に供給するパルスパワーとして、鉛蓄電池10の電池容量に対する1C放電電流と鉛蓄電池12の定格電圧を掛けて算出される電力値以上の大きさのパルスパワーを含む放電パルス電流Ipを発生させるように、放電パルス電流供給部102を制御する。
すなわち、本実施形態では、使用する鉛蓄電池10の電池容量(Ah、アンペアアワー)に対する1C放電電流と当該鉛蓄電池10の定格電圧を掛けた電力値をP0(W)と定義したとき、その電力値P0以上のパルスパワーPが含まれる放電パルス電流Ipを電極12に印加する。
例えば、交渉電圧12Vで電池容量20Ahの鉛蓄電池10を使用した際に、40Aのパルス放電をすれば、パルスパワーPは、480Wが放電印加されたことになる。一方、1C放電での電流は、20Aであることから、当該電力値P0は、240Wとなる。この場合では、鉛蓄電池10の電池容量(Ah)に対する1C放電電流と当該鉛蓄電池10の定格電圧を掛けた電力値P0以上の大きさとなるパルスパワーPを発生させる放電パルス電流Ipを電極12に印加したことになる。なお、放電パルス電流Ipは、図2においては、簡単にピーク値として決められるが、前述したように、より複雑な波形の場合には、その平均値あるいは実効値をもって、ほぼIpと置き換えてみなし、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100に含まれるものとする。
このように、鉛蓄電池10の電池容量の大きさに対応したパルスパワーPを発生させる放電パルス電流Ipを電極12に印加することによって、過剰な電流印加に伴う電極12の発熱による悪影響を軽減しながら、電極12の表面に形成されたサルフェーションを電極12の内側からより確実に破壊できるようになる。
前述したように、従来では、電極12に付着したサルフェーションを除去するために印加するパルス電流は、0.01〜0.10A程度の微弱なパルス電流のものが多かった。このため、鉛蓄電池10の使用条件やサルフェーションの進行程度によっては、サルフェーションが十分に除去されずに、鉛蓄電池10を再生できない場合があった。
これに対して、本実施形態では、鉛蓄電池10に放電パルス電流として、鉛蓄電池10の充電時に鉛蓄電池10の電池容量の大きさに対応した所定の大きさ以上の放電パルス電流を電極12に繰り返し印加して、電極12、特にサルフェーションによる劣化が顕著にみられる負極12bの活性化を行って、サルフェーションを除去するようにしている。
このように、本実施形態では、鉛蓄電池10の充電時に鉛蓄電池10の電池容量の大きさに対応した所定の大きさ以上の放電パルス電流を電極12に印加して、サルフェーションを除去して、バッテリ性能を向上させて鉛蓄電池10の長寿命化を図っている。すなわち、鉛蓄電池10の充電時に電極12に鉛蓄電池10の電池容量の大きさに対応した所定の大きさ以上のパワーを持つ放電パルス電流Ipを印加して、そのパルスパワーを発生させることによって、サルフェーションの除去に必要最小限となる衝撃を電極12に与えられるようになる。
このため、過剰な電流印加に伴う電極12の発熱による悪影響を軽減しながら、電極12の表面の活性化を図って、電極12に付着したサルフェーションをより確実に除去できるようになる。また、電極12に付着したサルフェーションの除去に必要最小限のパルスパワーを含む放電パルス電流Ipを電極12に印加して、確実にサルフェーションを除去するので、過剰電流を電極12に印加するリスクを低減して、鉛蓄電池再生装置100によるサルフェーション除去の省電力化も図れるようになる。
次に、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100によるサルフェーション除去の動作について、図面を使用しながら説明する。図5(a)乃至(c)は、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100によるサルフェーション除去の動作説明図である。
図5(a)に示すように、鉛蓄電池10の放電時に電極12の表面12cに非伝導性の硫酸鉛の結晶皮膜であるサルフェーションSuが発生する。サルフェーションSuは、発生時点では、極めて柔らかい物質であるため、柔軟な態様で電極12の表面12cに付着しているが、時間と共に強固な結晶に成長していく。
しかしながら、鉛蓄電池10の放電と充電を繰り返すことによって、図5(b)に示すように、電極12の表面12cに付着したサルフェーションSuが硬質化して、電極12の表面12cを被覆してしまう。特に、鉛蓄電池10に析出されたサルフェーションSuが自己放電状態で長期間放置されると、結晶化されたサルフェーションSuが著しく硬質化し、再び充電しても電解液13に戻らなくなってしまう。
このため、本実施形態では、図5(c)に示すように、サルフェーションSuが電極12の表面12cに析出された後の充電時において、定期的に所定の大きさ以上のパルスパワーを発生させる放電パルス電流Ipを電極12に印加して、電極12の表面12cに付着したサルフェーションSuを当該表面12cから浮遊させるようにしている。このとき、電極12に印加する放電パルス電流Ipを所定の大きさ以上のパルスパワーを発生させるように、大きな放電パルス電流Ipを電解液13から負極12bに電流が向かう充電時のタイミングに印加するので、逆向きの電流を発生させて、負極12bの内部からのイオンによるサルフェーションSuの破壊が効率的に行えるので、電極12の表面12cから確実にサルフェーションSuを除去することができる。
すなわち、鉛蓄電池10の充電時に所定の大きさ以上のパルスパワーを発生させるような大きさの放電パルス電流Ipを電極12に印加することによって、硬質化したサルフェーションSuを容易に破壊して除去することができる。このため、硬質化したサルフェーションSuによる電極12の劣化を解消して、鉛蓄電池10がより確実にバッテリ性能を回復させることができるので、鉛蓄電池10の長寿命化が図れるようになる。
次に、前述した本発明の一実施形態における効果を実証する実験結果について説明する。本実施例では、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100で試験体となる鉛蓄電池10の電極12に印加する放電パルス電流Ip、パルス幅T1、パルス周期Tを調整して、パルスパワーを変えた場合における充放電サイクル数とサイクル毎の放電終了電圧との関係を調べた。そして、放電パルス電流Ipの電流値I、パルス幅T1、パルス周期T、及びパルスパワーを変えた場合におけるサイクル数の増加に伴う放電終了電圧の経時変化を調べて、当該放電終了電圧の変動を解析して、放電パルス電流Ipの印加による鉛蓄電池10のサルフェーションの除去による鉛蓄電池10の寿命延伸効果を確認した。なお、本発明は、本実施例に限定されるものではない。
本実施例では、試験体となる鉛蓄電池10として、電池容量が12V20Ahのもの5つを使用して、鉛蓄電池1つに対して日本スタビライザー工業製の充電器(SB−15)、及びパルス発生器となる本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池再生装置100を取り付けて試験を行った。また、本実施例における鉛蓄電池10の充電・放電のサイクルは、充電が16時間、放電が8時間の計24時間を1サイクルとして、かかるサイクルを1日あたり1回行った。
本実施例における各試験体P1乃至P5へのパルスパワー印加条件となる放電パルス電流Ipの態様を下記の表1に示す。
表1に示すように、試験体P1は、放電パルス電流Ipを20A、パルス幅T1を0.01秒、パルス周期Tを900秒としたので、発生するパルスパワーが240W、パルス毎のエネルギーが2.4J、平均パルスパワーが0.0027Wとなった。一方、試験体P2は、放電パルス電流Ipを20A、パルス幅T1を0.2秒、パルス周期Tを300秒としたので、発生するパルスパワーが240W、パルス毎のエネルギーが48J、平均パルスパワーが0.160Wとなった。また、試験体P3は、放電パルス電流Ipを20A、パルス幅T1を0.2秒、パルス周期Tを3600秒としたので、発生するパルスパワーが240W、パルス毎のエネルギーが48J、平均パルスパワーが0.013Wとなった。また、試験体P4は、放電パルス電流Ipを60A、パルス幅T1を0.01秒、パルス周期Tを300秒としたので、発生するパルスパワーが720W、パルス毎のエネルギーが7.2J、平均パルスパワーが0.024Wとなった。さらに、試験体P5は、放電パルス電流Ipの印加を行わなかったので、放電パルス電流Ipが0A、パルス幅T1が0秒、パルス周期Tが0秒であり、発生するパルスパワーが0W、パルス毎のエネルギーが0J、平均パルスパワーが0Wであった。
また、各試験体P1乃至P5への充放電サイクル数とサイクル毎の放電終了電圧との関係のグラフを図6に示す。図6に示すように、パルスパワーを電極に印加しない試験体P5では、サイクル数の増加に伴い放電終了電圧の着実な低下が見られるのに対して、パルスパワーを電極に印加した試験体P1乃至P4は、何れもサイクル数が増加しても、放電終了電圧の低下が見られずに、所定の数値範囲内に収まった状態となっていた。
このことから、電極に供給するパルスパワーの基準として、電池容量に対する1C放電電流と鉛蓄電池の定格電圧Vを掛けて算出される電力値以上の大きさのパルスパワーを印加することによって、電極に生成されたサルフェーションを破壊するので、放電終了電圧の降下を抑制していることが分かった。すなわち、使用する鉛蓄電池の電池容量に対する1C放電電流と当該鉛蓄電池の定格電圧Vを掛けた電力値P0以上のパルスパワーPが含まれる放電パルス電流Ipを電極に印加することによって、鉛蓄電池の放電終了電圧の降下を抑制できるので、鉛蓄電池の延命化が図れることが分かった。
なお、上記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、鉛蓄電池再生装置の構成、動作も本発明の各実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 鉛蓄電池、11 ケーシング、12 電極、12a 正極、12b 負極、12c 表面、13 電解液、14 セパレータ、15 端子、16 電源、18 充電器、20 負荷、100 鉛蓄電池再生装置、102 放電パルス電流供給部、104 制御部、Su サルフェーション、Ip 放電パルス電流、I 電流値、T1 パルス幅、T2 パルス間隔、T パルス周期

Claims (1)

  1. 鉛蓄電池の電極に付着したサルフェーションを除去する鉛蓄電池再生装置であって、
    前記電極に放電パルス電流を供給する放電パルス電流供給部と、
    前記鉛蓄電池の充電時を検知して、前記充電時のみに該鉛蓄電池の電池容量に対応する所定の大きさ以上のパルスパワーを発生させて、該パルスパワーを前記電極に供給するように前記放電パルス電流供給部を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記電極に供給する前記パルスパワーの基準として、前記電池容量に対する1C放電電流と前記鉛蓄電池の定格電圧を掛けて算出される電力値以上の大きさのパルスパワーを発生させるように、前記放電パルス電流供給部を制御することを特徴とする鉛蓄電池再生装置。
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