以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るステアリング装置の概略を示す模式図である。図2は、実施形態1に係るステアリング装置の概略を示す斜視図である。図1に示すように、ステアリング装置80は、操作者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール81と、第1ステアリングシャフト82と、操舵力アシスト機構83と、ユニバーサルジョイント84と、第2ステアリングシャフト85と、ユニバーサルジョイント86と、を備え第3ステアリングシャフト87に接合されている。また、ステアリング装置80は、ECU(Electronic Control Unit)90と、トルクセンサ94とを備える。車速センサ95は、車体に備えられ、CAN(Controller Area Network)通信により車速信号VをECU90に出力する。
図1に示すように、第1ステアリングシャフト82は、入力軸82aと、出力軸82bとを備える。入力軸82aの一方の端部がステアリングホイール81に連結され、入力軸82aの他方の端部が出力軸82bに連結される。また、出力軸82bの一方の端部が入力軸82aに連結され、出力軸82bの他方の端部がユニバーサルジョイント84に連結される。実施形態1では、入力軸82a及び出力軸82bは、機械構造用炭素鋼(SC材(Carbon Steel for Machine Structural Use))又は機械構造用炭素鋼鋼管(いわゆるSTKM材(Carbon Steel Tubes for Machine Structural Purposes))等の一般的な鋼材等から形成される。
図1に示すように、第2ステアリングシャフト85は、ユニバーサルジョイント84を介して出力軸82bに連結される。第2ステアリングシャフト85の一方の端部がユニバーサルジョイント84に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント86に連結される。第3ステアリングシャフト87の一方の端部がユニバーサルジョイント86に連結され、第3ステアリングシャフト87の他方の端部がステアリングギヤ88に連結される。また、図2に示すように、第2ステアリングシャフト85は、ダッシュパネル10を貫通している。ダッシュパネル10は、車室とエンジンルームとを隔てる仕切り板である。
図1に示すように、ステアリングギヤ88は、ピニオン88aと、ラック88bとを備える。ピニオン88aは、第3ステアリングシャフト87に連結される。ラック88bは、ピニオン88aに噛み合う。ステアリングギヤ88は、ピニオン88aに伝達された回転運動をラック88bで直進運動に変換する。ラック88bは、タイロッド89に連結される。すなわち、ステアリング装置80は、ラックアンドピニオン式である。
図1に示すように、操舵力アシスト機構83は、減速装置92と、電動モータ93とを備える。電動モータ93は、例えばブラシレスモータであるが、ブラシ(摺動子)及びコンミテータ(整流子)を備えるモータであってもよい。減速装置92は、例えばウォーム減速装置である。電動モータ93で生じたトルクは、減速装置92の内部のウォームを介してウォームホイールに伝達され、ウォームホイールを回転させる。減速装置92は、ウォーム及びウォームホイールによって、電動モータ93で生じたトルクを増加させる。そして、減速装置92は、出力軸82bに補助操舵トルクを与える。すなわち、ステアリング装置80は、コラムアシスト方式である。
トルクセンサ94は、ステアリングホイール81を介して入力軸82aに伝達された操作者(運転者)の操舵力を操舵トルクとして検出する。車速センサ95は、ステアリング装置80が搭載される車体の走行速度(車速)を検出する。電動モータ93、トルクセンサ94及び車速センサ95は、ECU90と電気的に接続される。
ECU90は、電動モータ93の動作を制御する。また、ECU90は、トルクセンサ94及び車速センサ95のそれぞれから信号を取得する。すなわち、ECU90は、トルクセンサ94から操舵トルクTを取得し、且つ車速センサ95から車体の車速信号Vを取得する。ECU90は、イグニッションスイッチ98がオンの状態で、電源装置99(例えば車載のバッテリ)から電力が供給される。ECU90は、操舵トルクTと車速信号Vとに基づいてアシスト指令の補助操舵指令値を算出する。そして、ECU90は、その算出された補助操舵指令値に基づいて電動モータ93へ供給する電力値Xを調節する。ECU90は、電動モータ93から誘起電圧の情報又は電動モータ93に設けられたレゾルバ等から出力される情報を動作情報Yとして取得する。
ステアリングホイール81に入力された操作者の操舵力は、入力軸82aを介して操舵力アシスト機構83の減速装置92に伝わる。この時、ECU90は、入力軸82aに入力された操舵トルクTをトルクセンサ94から取得し、且つ車速信号Vを車速センサ95から取得する。そして、ECU90は、電動モータ93の動作を制御する。電動モータ93が作り出した補助操舵トルクは、減速装置92に伝えられる。
出力軸82bを介して出力された操舵トルク(補助操舵トルクを含む)は、ユニバーサルジョイント84を介して第2ステアリングシャフト85に伝達され、さらにユニバーサルジョイント86を介して第3ステアリングシャフト87に伝達される。第3ステアリングシャフト87に伝達された操舵力は、ステアリングギヤ88を介してタイロッド89に伝達され、車輪を変位させる。
図3は、実施形態1に係るダストカバーの周辺を示す断面図である。図4は、実施形態1に係るダストカバーの正面図である。図5は、図4におけるA−A断面図である。図6は、実施形態1に係る第1ベローズの断面図である。図7は、図6におけるB−B断面図である。図8は、実施形態1に係る第2ベローズの断面図である。図9は、図8におけるC−C断面図である。図10は、実施形態1に係る第1ブッシュの断面図である。図11は、図10におけるD−D断面図である。図12は、第1ブッシュのその他の例を示す断面図である。図6は、第1ブッシュ5に取り付けられる前の第1ベローズ3を示している。図8は、第2ブッシュ6に取り付けられる前の第2ベローズ4を示している。以下の説明において、第2ステアリングシャフト85の回転中心軸Zに沿う方向は軸方向と記載され、軸方向に対する直交方向は径方向と記載され、回転中心軸Zを中心とした円の接線方向は周方向と記載される。また、図3において上側が車室側であり、下側がエンジンルーム側である。
図3に示すように、ダッシュパネル10は、筒状部材101を備える。筒状部材101の内周面は、第2ステアリングシャフト85の外周面と対向する。第2ステアリングシャフト85は、ステアリングホイール81の位置の調整又は走行中の振動等に伴って移動することがある。このため、筒状部材101の内周面と第2ステアリングシャフト85の外周面との間には環状の隙間が設けられている。この隙間を塞ぐために、ステアリング装置80は、ダストカバー1を備える。ダストカバー1は、筒状部材101の内周面に嵌められており、且つ筒状部材101の端部に設けられたフランジ102によって位置決めされている。筒状部材101の外周面に設けられたバンド103によって、ダストカバー1が筒状部材101に固定されている。
図5に示すように、ダストカバー1は、ベローズユニット2と、第1ブッシュ5と、第2ブッシュ6と、第1シールリップ11と、第2シールリップ12と、を備える。ベローズユニット2は、第1ベローズ3と、第2ベローズ4と、を含む。
第1ベローズ3は、ダッシュパネル10の筒状部材101に支持されており、図5に示すように第1本体部31と、第1補強部材32と、を備える。第1本体部31は、筒状部材101から第1ブッシュ5に亘って設けられる部材であって、例えば合成ゴムで形成されている。第1本体部31は、第1ブッシュ5の移動に応じて容易に変形可能である。第1本体部31は、第1支持部311と、第1可撓部312と、第1嵌合部313と、を含む。第1支持部311は、筒状部材101のフランジ102に接する円環状の部材である。第1可撓部312は、第1支持部311と第1嵌合部313とを繋ぐ部材である。図5に示すように、回転中心軸Zを含む断面において、第1可撓部312は略U字状である。第1嵌合部313は、第1ブッシュ5の外周面に嵌まっている。図6及び図7に示すように、第1嵌合部313は、内周面に複数のキー溝3130を備える。例えば、キー溝3130の数は4つである。図7に示すように、4つのキー溝3130が周方向に等間隔に配置されている。
第1補強部材32は、例えば金属であって、第1本体部31と一体成形されている。より具体的には、第1補強部材32は例えば鋼鉄である。第1補強部材32は、第1本体部31の内周面の全周に亘って配置された環状の部材である。図5に示すように、回転中心軸Zを含む断面において、第1補強部材32は略L字状である。第1補強部材32は、第1本体部31のフランジ311の内部と、第1可撓部312の内周面とに配置されている。
図5に示すように、第2ベローズ4は、第1ベローズ3に対して軸方向に重なっており、第2本体部41と、第2補強部材42と、を備える。第2本体部41は、第1本体部31の内周面に対向する部材であって、例えば合成ゴムで形成されている。第2本体部41は、第1ブッシュ5の移動に応じて容易に変形可能である。第2本体部41は、第2支持部411と、第2可撓部412と、第2嵌合部413と、シールリップ415と、を含む。第2支持部411は、第2補強部材42を支持する円環状の部材である。第2可撓部412は、第2支持部411と第2嵌合部413とを繋ぐ部材である。図5に示すように、回転中心軸Zを含む断面において、第2可撓部412は略U字状である。第2嵌合部413は、第2ブッシュ6の外周面に嵌まっている。図8及び図9に示すように、第2嵌合部413は、内周面に複数のキー溝4130を備える。例えば、キー溝3130の数は4つである。図9に示すように、4つのキー溝4130が周方向に等間隔に配置されている。シールリップ415は、第2可撓部412から径方向に突出する突起である。シールリップ415は、第1ベローズ3の第1可撓部312に接する。これにより、第1本体部31と第2本体部41との間の隙間が塞がれる。したがって、第1ベローズ3と第2ベローズ4との間の密封性が向上する。
第2補強部材42は、例えば金属であって、第2本体部41と一体成形されている。より具体的には、第2補強部材42は例えば鋼鉄である。第2補強部材42は、第2支持部411の外周面の全周に亘って配置された環状の部材である。図5に示すように、回転中心軸Zを含む断面において、第2補強部材42は略I字状である。
第2ベローズ4は、例えば圧入によって第1ベローズ3に固定されている。具体的には、第1補強部材32の内周面に第2補強部材42が圧入される。第2補強部材42が第1補強部材32の内周面に嵌まることによって、第2ベローズ4が第1ベローズ3に固定されている。
第1ブッシュ5は、第2ステアリングシャフト85を回転可能に支持する軸受である。ブッ第1ブッシュ5は、環状の部材であって、例えば合成樹脂で形成されている。図10に示すように第1ブッシュ5は、基部50と、外側フランジ51と、内側フランジ52と、複数の溝59とを備える。基部50の内周面が第2ステアリングシャフト85に接しており、基部50の外周面が第1嵌合部313に接している。外側フランジ51は、基部50の第2ブッシュ6から遠い側の端部から径方向外側に突出している。外側フランジ51は、テーパー面511を有する。図10に示す断面において、テーパー面511の径方向内側の端部が径方向外側の端部よりも内側フランジ52側に位置している。内側フランジ52は、基部50の第2ブッシュ6に近い側の端部から径方向外側に突出している。内側フランジ52は、テーパー面511に対向するテーパー面521を有する。図10に示す断面において、テーパー面521の径方向内側の端部が径方向外側の端部よりも外側フランジ51側に位置している。第1嵌合部313が外側フランジ51及び内側フランジ52に接している。外側フランジ51及び内側フランジ52は、第1嵌合部313を軸方向に位置決めしている。溝59は、例えば軸方向に沿う溝であって、第1ブッシュ5の軸方向の全長に亘って設けられている。例えば複数の溝59が周方向に等間隔に配置されている。溝59には、第2ステアリングシャフト85の潤滑剤としてのグリースが充填されている。これにより、第1ブッシュ5と第2ステアリングシャフト85との間の摩擦が抑制される。
図10に示すように、外側フランジ51から内側フランジ52までの軸方向の距離は、径方向外側に向かって大きくなっている。外側フランジ51から内側フランジ52までの軸方向の最小の距離L3は、図6に示す第1嵌合部313の軸方向の長さL1よりも小さい。このため、第1嵌合部313が外側フランジ51と内側フランジ52との間に取り付けられると、第1嵌合部313は外側フランジ51と内側フランジ52の両方に接する。
図11に示すように、第1ブッシュ5は、基部50の外周面に複数のキー500を備える。例えば、キー500の数は4つである。4つのキー500が周方向に等間隔に配置されている。第1嵌合部313が第1ブッシュ5に取り付けられると、キー500が図7に示すキー溝3130に嵌まる。これにより、第1ブッシュ5が第1嵌合部313に対して回転しなくなる。すなわち、第1ブッシュ5が周方向に位置決めされる。
第1シールリップ11は、第1ブッシュ5の内側とエンジンルームとを隔てるための密封部材である。第1シールリップ11は、例えば合成ゴムであって、第1ブッシュ5と一体成形されている。図5に示すように、第1シールリップ11は、第1ブッシュ5の端面からエンジンルーム側に突出している。第2ステアリングシャフト85に接する前における第1シールリップ11の最小内径は、第2ステアリングシャフト85の外径より小さい。このため、第1シールリップ11が第2ステアリングシャフト85に接すると、第1シールリップ11が変形する。第1シールリップ11の弾性により、第1シールリップ11と第2ステアリングシャフト85との間の隙間が生じにくくなっている。このため、第1シールリップ11は、エンジンルームから第1ブッシュ5の内側への異物の侵入を防ぐことができる共に、第1ブッシュ5の内側からエンジンルームへのグリースの漏洩を防ぐことができる。また、第1シールリップ11は、エンジンルームで生じる音の車室への漏洩を抑制することができる。
第2ブッシュ6は、第2ステアリングシャフト85を回転可能に支持する軸受である。ブッ第2ブッシュ6は、環状の部材であって、例えば合成樹脂で形成されている。例えば、第2ブッシュ6は、第1ブッシュ5と同じ形状を有する。図5に示すように第2ブッシュ6は、基部60と、内側フランジ61と、外側フランジ62と、複数の溝69とを備える。基部60の内周面が第2ステアリングシャフト85に接しており、基部60の外周面が第2嵌合部413に接している。内側フランジ61は、基部60の第1ブッシュ5に近い側の端部から径方向外側に突出している。内側フランジ61は、図10に示すテーパー面511に相当するテーパー面を有する。外側フランジ62は、基部60の第1ブッシュ5から遠い側の端部から径方向外側に突出している。外側フランジ62は、図10に示すテーパー面521に相当するテーパー面を有する。第2嵌合部413が内側フランジ61及び外側フランジ62に接している。内側フランジ61及び外側フランジ62は、第2嵌合部413を軸方向に位置決めしている。溝69は、例えば軸方向に沿う溝であって、第2ブッシュ6の軸方向の全長に亘って設けられている。例えば複数の溝69が周方向に等間隔に配置されている。溝69には、第2ステアリングシャフト85の潤滑剤としてのグリースが充填されている。これにより、第2ブッシュ6と第2ステアリングシャフト85との間の摩擦が抑制される。
図10に示す第1ブッシュ5と同様に、内側フランジ61から外側フランジ62までの軸方向の距離は、径方向外側に向かって大きくなっている。内側フランジ61から外側フランジ62までの軸方向の最小の距離は、図8に示す第2嵌合部413の軸方向の長さL2よりも小さい。このため、第2嵌合部413が内側フランジ61と外側フランジ62との間に取り付けられると、第2嵌合部413は軸方向及び径方向外側に向かって変形する。また、第2ブッシュ6は、第1ブッシュ5のキー500に相当する部材を有する。これにより、第2ブッシュ6が第2嵌合部413に対して回転しなくなる。すなわち、第2ブッシュ6が周方向に位置決めされる。
第2シールリップ12は、第1ブッシュ5の内側と車室とを隔てるための密封部材である。第2シールリップ12は、例えば合成ゴムであって、第2ブッシュ6と一体成形されている。図5に示すように、第2シールリップ12は、第2ブッシュ6の端面から車室側に突出している。第2ステアリングシャフト85に接する前における第2シールリップ12の最小内径は、第2ステアリングシャフト85の外径より小さい。このため、第2シールリップ12が第2ステアリングシャフト85に接すると、第2シールリップ12が変形する。第2シールリップ12の弾性により、第2シールリップ12と第2ステアリングシャフト85との間の隙間が生じにくくなっている。このため、第2シールリップ12は、第2ブッシュ6の内側から車室へのグリースの漏洩を防ぐことができる。また、第2シールリップ12は、エンジンルームで生じる音の車室への漏洩を抑制することができる。
図13は、実施形態1に係る第1嵌合部の周辺を拡大して示す図である。第1嵌合部313は、外側フランジ51及び内側フランジ52に挟まれるので、外側フランジ51及び内側フランジ52から反力を受ける。具体的には、図13に示すように、第1嵌合部313は、外側フランジ51から軸方向の反力F51aを受けると共に、外側フランジ51から径方向の反力F51bを受ける。また、第1嵌合部313は、内側フランジ52から軸方向の反力F52aを受けると共に、内側フランジ52から径方向の反力F52bを受ける。このため、第1嵌合部313は、軸方向及び径方向に変形する。したがって、第1嵌合部313が第1ブッシュ5に密着するので、第1嵌合部313と第1ブッシュ5との間の隙間が密封される。
図14は、実施形態1に係る第2嵌合部の周辺を拡大して示す図である。第2嵌合部413は、内側フランジ61及び外側フランジ62に挟まれるので、内側フランジ61及び外側フランジ62から反力を受ける。具体的には、図14に示すように、第2嵌合部413は、内側フランジ61から軸方向の反力F61aを受けると共に、内側フランジ61から径方向の反力F61bを受ける。また、第2嵌合部413は、外側フランジ62から軸方向の反力F62aを受けると共に、外側フランジ62から径方向の反力F62bを受ける。このため、第2嵌合部413は、軸方向及び径方向に変形する。したがって、第2嵌合部413が第2ブッシュ6に密着するので、第2嵌合部413と第2ブッシュ6との間の隙間が密封される。
図15は、実施形態1に係るダストカバーの組み立て方法を示す模式図である。図16は、実施形態1に係るダストカバーの組み立て方法を示す模式図である。図15に示すように、第1ベローズ3に第1ブッシュ5が取り付けられ、第2ベローズ4に第2ブッシュ6が取り付けられる。具体的には、合成ゴムである第1嵌合部313が、径方向外側に変形させられながら第1ブッシュ5の外周面に嵌められる。また、合成ゴムである第2嵌合部413が、径方向外側に変形させられながら第2ブッシュ6の外周面に嵌められる。
次に、図16に示すように、第2ベローズ4が第1ベローズ3に圧入される。これにより、第2補強部材42が第1補強部材32の内周面に嵌まるので、第2ベローズ4が第1ベローズ3に固定される。
なお、ダストカバー1が取り付けられる対象は、必ずしも第2ステアリングシャフト85でなくてもよい。例えば、第1ステアリングシャフト82がダッシュパネル10を貫通している時は、第1ステアリングシャフト82にダストカバー1が適用されてもよい。第3ステアリングシャフト87がダッシュパネル10を貫通している時は、第3ステアリングシャフト87にダストカバー1が適用されてもよい。
なお、第1補強部材32及び第2補強部材42は、必ずしも金属でなくてもよい。例えば、第1補強部材32及び第2補強部材42は、合成樹脂で形成されていてもよい。
なお、キー500の数は4つに限られない。少なくとも1つのキー500があれば、第1ブッシュ5が周方向に位置決めされる。例えば、図12に示すように、5つ以上のキー500が等間隔に配置されていてもよい。キー溝3130の数は、キー500の数に合わせられる。キー500の数が多いほど、第1ベローズ3に第1ブッシュ5が取り付けられる時の位置合わせが容易になる。
なお、必ずしも第1嵌合部313がキー溝3130を備え、第1ブッシュ5がキー500を備えていなくてもよい。例えば、第1ブッシュ5がキー溝を備え、第1ブッシュ5のキー溝に嵌まるキーを第1嵌合部313が備えていてもよい。すなわち、第1ブッシュ5及び第1嵌合部313の一方にキー溝が設けられ、他方に凹部に嵌まるキーが設けられていればよい。また、必ずしも第2嵌合部413がキー溝4130を備え、第2ブッシュ6がキーを備えていなくてもよい。例えば、第2ブッシュ6が凹部を備え、第2ブッシュ6のキー溝に嵌まるキーを第2嵌合部413が備えていてもよい。すなわち、第2ブッシュ6及び第2嵌合部413の一方にキー溝が設けられ、他方にキー溝に嵌まるキーが設けられていればよい。
以上で説明したように、実施形態1に係るダストカバー1は、ダッシュパネル10を貫通するステアリングシャフト(第2ステアリングシャフト85)の外周面に取り付けられる第1ブッシュ5と、第1ブッシュ5とは異なる位置でステアリングシャフト(第2ステアリングシャフト85)の外周面に取り付けられる第2ブッシュ6と、第1ブッシュ5の外周面に嵌まる第1嵌合部313、及び第2ブッシュ6の外周面に嵌まる第2嵌合部413を有し、ダッシュパネル10とステアリングシャフト(第2ステアリングシャフト85)との間に配置される環状のベローズユニット2と、を備える。第1嵌合部313は、第1ブッシュ5からの反力によって変形している。第2嵌合部413は、第2ブッシュ6からの反力によって変形している。
これにより、第1嵌合部313が第1ブッシュ5に密着するので、第1嵌合部313と第1ブッシュ5との間の隙間が密封される。さらに、第1嵌合部313に緩みが生じにくい。このため、第1嵌合部313を第1ブッシュ5に強固に固定するための固定部材が不要であるので、ダストカバー1の組み立てに要する時間が短縮される。また、第2嵌合部413が第2ブッシュ6に密着するので、第2嵌合部413と第2ブッシュ6との間の隙間が密封される。さらに、第2嵌合部413に緩みが生じにくい。このため、第2嵌合部413を第2ブッシュ6に強固に固定するための固定部材が不要であるので、ダストカバー1の組み立てに要する時間が短縮される。したがって、ダストカバー1は、ベローズとブッシュとの間の隙間の密封性を保つことができ且つ組み立てに要する時間を短くすることができる。
また、ダストカバー1において、第1ブッシュ5は、ステアリングシャフト(第2ステアリングシャフト85)に接する環状の基部50と、基部50の一端から径方向外側に突出する外側フランジ51と、基部50の他端から径方向外側に突出する内側フランジ52と、を備える。外側フランジ51から内側フランジ52までの軸方向の距離は、径方向外側に向かって大きくなっている。第1嵌合部313は、外側フランジ51及び内側フランジ52の両方に接している。これにより、第1嵌合部313は、第1ブッシュ5から軸方向及び径方向の反力を受けるので、軸方向及び径方向に変形する。このため、第1嵌合部313と第1ブッシュ5との間の隙間が密封される。
また、ダストカバー1において、第1ブッシュ5の外周面及び第1嵌合部313の内周面の一方にはキー溝3130が設けられ、他方にはキー溝3130に嵌まるキー500が設けられる。これにより、第1ブッシュ5の第1嵌合部313に対する回転が抑制されるので、密封性が向上する。
(実施形態2)
図17は、実施形態2に係るダストカバーの断面図である。図18は、実施形態2に係る第1ベローズの断面図である。図19は、実施形態2に係る第2ベローズの断面図である。図20は、実施形態2に係る第1ブッシュの断面図である。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図17に示すように、実施形態2に係るダストカバー1Aは、ベローズユニット2Aと、第1ブッシュ5Aと、第2ブッシュ6Aと、を備える。ベローズユニット2Aは、第1ベローズ3Aと、第2ベローズ4Aと、を含む。
図18に示すように、第1ベローズ3Aの第1本体部31Aは、上述した第1嵌合部313とは異なる形状の第1嵌合部313Aを備える。第1嵌合部313Aは、第1ブッシュ5Aの外周面に嵌まっている。第1嵌合部313Aは、テーパー面3131と、テーパー面3132とを有する。テーパー面3131は、第1嵌合部313Aのエンジンルーム側の側面である。テーパー面3132は、第1嵌合部313Aの車室側の側面である。図18に示す断面において、テーパー面3131の径方向内側の端部が径方向外側の端部よりも車室側に位置している。また、図18に示す断面において、テーパー面3132の径方向内側の端部が径方向外側の端部よりもエンジンルーム側に位置している。すなわち、第1嵌合部313Aの軸方向の長さは、径方向外側に向かって大きくなっている。
図19に示すように、第2ベローズ4Aの第2本体部41Aは、上述した第2嵌合部413とは異なる形状の第2嵌合部413Aを備える。第2嵌合部413Aは、第2ブッシュ5Aの外周面に嵌まっている。第2嵌合部413Aは、テーパー面4131と、テーパー面4132とを有する。テーパー面4131は、第2嵌合部413Aのエンジンルーム側の側面である。テーパー面4132は、第2嵌合部413Aの車室側の側面である。図19に示す断面において、テーパー面4131の径方向内側の端部が径方向外側の端部よりも車室側に位置している。また、図19に示す断面において、テーパー面4132の径方向内側の端部が径方向外側の端部よりもエンジンルーム側に位置している。すなわち、第2嵌合部413Aの軸方向の長さは、径方向外側に向かって大きくなっている。
図20に示すように、第1ブッシュ5Aは、上述した外側フランジ51及び内側フランジ52とは異なる形状の外側フランジ51A及び内側フランジ52Aを備える。外側フランジ51Aの側面511Aは、内側フランジ52Aの側面521Aと平行である。図20に示す断面において、側面511A及び側面521Aは基部50に対して直交している。第2ブッシュ6Aは、例えば第1ブッシュ5Aと同じ形状を有している。すなわち、第2ブッシュ6Aは、第1ブッシュ5Aと同様に互いに平行な側面を有している。
例えば、図20に示す外側フランジ51Aから内側フランジ52Aまでの軸方向の距離L6は、図18に示す第1嵌合部313Aの軸方向の最小の長さL4よりも小さい。このため、第1嵌合部313Aが外側フランジ51Aと内側フランジ52Aとの間に取り付けられると、第1嵌合部313Aは外側フランジ51Aと内側フランジ52Aの両方に接する。
また、内側フランジ61Aから外側フランジ62Aまでの軸方向の距離は、図19に示す第2嵌合部413Aの軸方向の最小の長さL5よりも小さい。このため、第2嵌合部413Aが内側フランジ61Aと外側フランジ62Aとの間に取り付けられると、第2嵌合部413Aは内側フランジ61Aと外側フランジ62Aの両方に接する。
図21は、実施形態2に係る第1嵌合部の周辺を拡大して示す図である。第1嵌合部313Aは、外側フランジ51A及び内側フランジ52Aに挟まれるので、外側フランジ51A及び内側フランジ52Aから反力を受ける。具体的には、図21に示すように、第1嵌合部313Aは、外側フランジ51Aから軸方向の反力F51cを受けると共に、外側フランジ51Aから径方向の反力F51dを受ける。また、第1嵌合部313Aは、内側フランジ52Aから軸方向の反力F52cを受けると共に、内側フランジ52Aから径方向の反力F52dを受ける。このため、第1嵌合部313Aは、軸方向及び径方向に変形する。したがって、第1嵌合部313Aが第1ブッシュ5Aに密着するので、第1嵌合部313Aと第1ブッシュ5Aとの間の隙間が密封される。
図22は、実施形態2に係る第2嵌合部の周辺を拡大して示す図である。第2嵌合部413Aは、内側フランジ61A及び外側フランジ62Aに挟まれるので、内側フランジ61A及び外側フランジ62Aから反力を受ける。具体的には、図22に示すように、第2嵌合部413Aは、内側フランジ61Aから軸方向の反力F61cを受けると共に、内側フランジ61Aから径方向の反力F61dを受ける。また、第2嵌合部413Aは、外側フランジ62Aから軸方向の反力F62cを受けると共に、外側フランジ62Aから径方向の反力F62dを受ける。このため、第2嵌合部413Aは、軸方向及び径方向に変形する。したがって、第2嵌合部413Aが第2ブッシュ6Aに密着するので、第2嵌合部413Aと第2ブッシュ6Aとの間の隙間が密封される。
上述したように、ダストカバー1Aにおいて、第1ブッシュ5Aは、ステアリングシャフト(第2ステアリングシャフト85)に接する環状の基部50と、基部50の一端から径方向外側に突出する外側フランジ51Aと、基部50の他端から径方向外側に突出する内側フランジ52Aと、を備える。第1嵌合部313Aの軸方向の長さは、径方向外側に向かって大きくなっている。第1嵌合部313Aは、外側フランジ51A及び内側フランジ52Aの両方に接している。これにより、第1嵌合部313Aは、第1ブッシュ5Aから軸方向及び径方向の反力を受けるので、軸方向及び径方向に変形する。このため、第1嵌合部313Aと第1ブッシュ5Aとの間の隙間が密封される。
(実施形態3)
図23は、実施形態3に係るダストカバーの断面図である。図24は、実施形態3に係る第1ベローズの断面図である。図25は、実施形態3に係る第2ベローズの断面図である。図26は、実施形態3に係る第1ブッシュの断面図である。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図23図に示すように、実施形態3に係るダストカバー1Bは、ベローズユニット2Bと、第1ブッシュ5Bと、第2ブッシュ6Bと、を備える。ベローズユニット2Bは、第1ベローズ3Bと、第2ベローズ4Bと、を含む。
図24に示すように、第1ベローズ3Bの第1本体部31Bは、上述した第1嵌合部313とは異なる形状の第1嵌合部313Bを備える。第1嵌合部313Bは、第1ブッシュ5Bの外周面に嵌まっている。第1嵌合部313Bは、テーパー面3131Bと、テーパー面3132Bとを有する。テーパー面3131Bは、第1嵌合部313Bのエンジンルーム側の側面である。テーパー面3132Bは、第1嵌合部313Bの車室側の側面である。図24に示す断面において、テーパー面3131Bの径方向内側の端部が径方向外側の端部よりも車室側に位置している。また、図24に示す断面において、テーパー面3132Bの径方向内側の端部が径方向外側の端部よりもエンジンルーム側に位置している。すなわち、第1嵌合部313Bの軸方向の長さは、径方向外側に向かって大きくなっている。
図25に示すように、第2ベローズ4Bの第2本体部41Bは、上述した第2嵌合部413とは異なる形状の第2嵌合部413Bを備える。第2嵌合部413Bは、第2ブッシュ5Bの外周面に嵌まっている。第2嵌合部413Bは、テーパー面4131Bと、テーパー面4132Bとを有する。テーパー面4131Bは、第2嵌合部413Bのエンジンルーム側の側面である。テーパー面4132Bは、第2嵌合部413Bの車室側の側面である。図25に示す断面において、テーパー面4131Bの径方向内側の端部が径方向外側の端部よりも車室側に位置している。また、図25に示す断面において、テーパー面4132Bの径方向内側の端部が径方向外側の端部よりもエンジンルーム側に位置している。すなわち、第2嵌合部413Bの軸方向の長さは、径方向外側に向かって大きくなっている。
図26に示すように、第1ブッシュ5Bは、上述した外側フランジ51及び内側フランジ52とは異なる形状の外側フランジ51B及び内側フランジ52Bを備える。外側フランジ51Bは、テーパー面511Bを有する。図26に示す断面において、テーパー面511Bの径方向内側の端部が径方向外側の端部よりも内側フランジ52B側に位置している。内側フランジ52Bは、テーパー面511Bに対向するテーパー面521Bを有する。図26に示す断面において、テーパー面521Bの径方向内側の端部が径方向外側の端部よりも外側フランジ51B側に位置している。また、第2ブッシュ6Bは、例えば第1ブッシュ5Bと同じ形状を有している。第2ブッシュ6Bは、第1ブッシュ5Bと同様に、それぞれテーパー面を有する内側フランジ61B及び外側フランジ62Bを備える。
例えば、図26に示す外側フランジ51Bから内側フランジ52Bまでの軸方向の最小の距離L9は、図24に示す第1嵌合部313Bの軸方向の最小の長さL7以下である。また、図24及び図26に示す断面において、テーパー面511Bが回転中心軸Zに対してなす角度θ5(図26参照)は、テーパー面3131Bが回転中心軸Zに対してなす角度θ1(図24参照)よりも大きい。図24及び図26に示す断面において、テーパー面521Bが回転中心軸Zに対してなす角度θ6(図26参照)は、テーパー面3132Bが回転中心軸Zに対してなす角度θ2(図24参照)よりも大きい。例えば、角度θ2は角度θ1に等しく、角度θ5は角度θ6に等しい。第1嵌合部313Bが外側フランジ51Bと内側フランジ52Bとの間に取り付けられると、第1嵌合部313Bは外側フランジ51Bと内側フランジ52Bの両方に接する。
また、内側フランジ61Bから外側フランジ62Bまでの軸方向の最小の距離は、図25に示す第2嵌合部413Bの軸方向の最小の長さL8以下である。また、図25に示す断面において、内側フランジ61Bのテーパー面が回転中心軸Zに対してなす角度は、テーパー面4131Bが回転中心軸Zに対してなす角度θ3(図25参照)よりも大きい。図25に示す断面において、外側フランジ62Bのテーパー面が回転中心軸Zに対してなす角度は、テーパー面4132Bが回転中心軸Zに対してなす角度θ4(図25参照)よりも大きい。例えば、角度θ4は角度θ3に等しい。第2嵌合部413Bが内側フランジ61Bと外側フランジ62Bとの間に取り付けられると、第2嵌合部413Bは内側フランジ61Bと外側フランジ62Bの両方に接する。
図27は、実施形態3に係る第1嵌合部の周辺を拡大して示す図である。第1嵌合部313Bは、外側フランジ51B及び内側フランジ52Bに挟まれるので、外側フランジ51B及び内側フランジ52Bから反力を受ける。具体的には、図27に示すように、第1嵌合部313Bは、外側フランジ51Bから軸方向の反力F51eを受けると共に、外側フランジ51Bから径方向の反力F51fを受ける。また、第1嵌合部313Bは、内側フランジ52Bから軸方向の反力F52eを受けると共に、内側フランジ52Bから径方向の反力F52fを受ける。このため、第1嵌合部313Bは、軸方向及び径方向に変形する。したがって、第1嵌合部313Bが第1ブッシュ5Bに密着するので、第1嵌合部313Bと第1ブッシュ5Bとの間の隙間が密封される。
図28は、実施形態3に係る第2嵌合部の周辺を拡大して示す図である。第2嵌合部413Bは、内側フランジ61B及び外側フランジ62Bに挟まれるので、内側フランジ61B及び外側フランジ62Bから反力を受ける。具体的には、図28に示すように、第2嵌合部413Bは、内側フランジ61Bから軸方向の反力F61eを受けると共に、内側フランジ61Bから径方向の反力F61fを受ける。また、第2嵌合部413Bは、外側フランジ62Bから軸方向の反力F62eを受けると共に、外側フランジ62Bから径方向の反力F62fを受ける。このため、第2嵌合部413Bは、軸方向及び径方向に変形する。したがって、第2嵌合部413Bが第2ブッシュ6Bに密着するので、第2嵌合部413Bと第2ブッシュ6Bとの間の隙間が密封される。
(実施形態4)
図29は、実施形態4に係るダストカバーの断面図である。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図29に示すように、ダストカバー1Bは、上述したベローズユニット2とは異なるベローズユニット2Bを備える。ベローズユニット2Bは、本体部21と、補強部材22と、を備える。本体部21は、例えば合成ゴムで形成されている。本体部21は、第1ブッシュ5の移動に応じて容易に変形可能である。本体部21は、支持部211と、第1可撓部212と、第1嵌合部213と、第2可撓部215と、第2嵌合部216を含む。支持部211、第1可撓部212、第1嵌合部213、第2可撓部215及び第2嵌合部216は、一体成形されている。
支持部211は、筒状部材101のフランジ102に接する円環状の部材である。第1可撓部212は、支持部211と第1嵌合部213とを繋ぐ部材である。図29に示すように、回転中心軸Zを含む断面において、第1可撓部212は略U字状である。第1嵌合部213は、第1ブッシュ5の外周面に嵌められる。第1嵌合部213は、第1ブッシュ5によって軸方向及び径方向に圧縮されている。第2可撓部215は、支持部211と第2嵌合部216とを繋ぐ部材である。図29に示すように、回転中心軸Zを含む断面において、第2可撓部215は略U字状である。第2可撓部215は、第1可撓部212に対して隙間を空けて対向している。第2嵌合部216は、第2ブッシュ6の外周面に嵌められる。第2嵌合部216は、第2ブッシュ6によって軸方向及び径方向に圧縮されている。
補強部材22は、例えば金属であって、本体部21と一体成形されている。より具体的には、補強部材22は例えば鋼鉄である。補強部材22は、本体部21の全周に亘って配置された環状の部材である。図29に示すように、回転中心軸Zを含む断面において、補強部材22は略L字状である。補強部材22は、本体部21の支持部211の内部から第1可撓部212の内部に亘って配置されている。
図30は、実施形態4に係るダストカバーの組み立て方法を示す模式図である。ダストカバー1Bが組み立てられる時、まずベローズユニット2Bに第1ブッシュ5及び第2ブッシュ6が取り付けられる。具体的には、合成ゴムである第1嵌合部213が、径方向外側に変形させられながら第1ブッシュ5の外周面に嵌められる。また、合成ゴムである第2嵌合部216が、径方向外側に変形させられながら第2ブッシュ6の外周面に嵌められる。第1ブッシュ5がベローズユニット2Bに取り付けられた後に第2ブッシュ6がベローズユニット2Bに取り付けられてもよいし、逆であってもよい。
上述したように、第1嵌合部213及び第2嵌合部216が、本体部21の一部として一体に成形されている。このため、実施形態1に示した、第2ベローズ4を第1ベローズ3に取り付ける工程が不要である。したがって、実施形態4に係るダストカバーは、組み立てに要する時間をより短くすることができる。