JP6460574B2 - ダストシール - Google Patents

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Description

本発明は、ダストや雨水等の異物の侵入を防ぐためのダストシールであって、特に、自動車等の車両のステアリング装置において、ステアリングシャフトに用いられるステアリングダストシールに関する。
車両、例えば自動車のステアリング装置において、ステアリングシャフトは、車室とエンジンルームとを隔てるダッシュパネルに開口するコラムホールに挿通されており、ステアリングシャフトとコラムホールとの間の間隙は、ステアリングダストシールによって密封されている。ステアリングダストシールは、ダスト、雨水等の異物が車室内に侵入することの防止を図っている。
図6は、従来のダストシールの構造を概略的に示すための断面図である。図6に示すように、従来のステアリングダストシールとしてのダストシール100は、低摩擦材料製の円筒状のブッシュ101と、ゴム製のダストシール本体102と、ブッシュ101のエンジンルーム側の端部に設けられた環状のシールリップ103と、取付部材104とを備える。
ブッシュ101にはステアリングシャフト130が挿通され、ブッシュ101はステアリングシャフト130に対して摺動可能になっている。ダストシール本体102は、エンジンルーム側に凸の第1のベローズ(蛇腹部)105及び第2のベローズ106を備え、また、第1及び第2のベローズ105,106の外周側端部が接続する円筒状の取付部107を備える。取付部107には、取付部107の形状に対応した補強部材としての円筒状の金属製の補強環108が埋設されている。第1のベローズ105の内側端部105a及び第2のベローズ106の内側端部106aは、ブッシュ101の車室側の端部101aの外周面に嵌めこまれている。
取付部材104は、断面形状が略L字状の環状の金属製の部材であり、その内側において第1のベローズ105の内側端部105aを覆うように内側端部105aに嵌め込まれている。このように取付部材104が第1のベローズ105の内側端部105aに嵌め込まれていることにより、第1のベローズ105の内側端部105aが車室側方向において係止され、また、内周方向に向かって押圧されて、第1のベローズ105は内側端部105aにおいてブッシュ101の車室側の端部101aに固定されている。また、図6に示すように、第2のベローズ106の内側端部106aは、上記のように固定された第1のベローズ105の内側端部105aによって、車室側方向において係止され、また、内周方向に向かって押圧されて、ブッシュ101の車室側の端部101aに固定されている。
シールリップ103は、ゴム製の環状の部材であり、ブッシュ101のエンジンルーム側の端部101bに配設されており、ステアリングシャフト130の表面に摺動可能に当接している。シールリップ103は、ステアリングシャフト130とブッシュ101との間に雨水やダスト等の異物が侵入することの防止を図っており、また、ブッシュ101の内周面に塗布された潤滑材の流出の防止を図っている。
図6に示すように、ダストシール100は、ダストシール本体102の取付部107がダッシュパネル131のコラムホール132内に密接して嵌合されて、ダッシュパネル131のコラムホール132に固定されている。これにより、ダストシール100とコラムホール132との間に雨水やダスト等の異物が侵入することの防止が図られている(例えば、特許文献1参照)。
このような構成により、従来のダストシール100において、ブッシュ101は、第1及び第2のベローズ105,106によって、ダッシュパネル131(コラムホール132)に対して相対運動可能となっている。ハンドルの高さ調整や、自動車の走行中に発生する振動等により、ステアリングシャフト130は傾斜したり変位して、コラムホール132に対して相対的に移動するが、上記のようにブッシュ101はコラムホール132に対して相対運動可能となっているので、ブッシュ101はステアリングシャフト130の移動に追従することができる。このため、シールリップ103の姿勢を維持して、エンジンルームから車室内に雨水やダスト等の異物が侵入することのより確実な防止が図られている。
特許第4987300号公報
しかしながら、従来のダストシール100においては、ブッシュ101と、第1のベローズ105及び第2のベローズ106とは夫々別体であり、従来のダストシール100は部品点数が多く、組み立て作業が煩雑となっていた。また、第1のベローズ105及び第2のベローズ106は、取付部材104による嵌合によって、ブッシュ101に取り付けられているため、その取付強度は十分に強くなく、ステアリングシャフト130の偏心や振動により、取付部材104が外れて、第1のベローズ105及び第2のベローズ106とブッシュ101との間の固定が解除されてしまうことがあった。また。取付部材104が外れることはなくとも、第1のベローズ105及び第2のベローズ106とブッシュ101との間の固定が緩むことにより、ブッシュ101ひいてはシールリップ103が適切な姿勢を維持することが困難となり、シールリップ103とステアリングシャフト130との間の密封性が低下する問題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、組み立て作業を容易にすることができ、ブッシュと蛇腹部との間の接合強度を高めることができるダストシールを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るダストシールは、被取付部材に設けられた開口と該開口に挿通されるシャフトとの間を密封するためのダストシールであって、軸線を中心とする環状のダストシール本体と、前記シャフトが摺動可能に挿通される前記軸線を中心とする環状のブッシュと、該ブッシュの前記軸線方向の端に設けられており前記シャフトの外周面に摺動可能に当接する前記軸線を中心とする環状のシールリップとを備えるダストシールにおいて、前記ブッシュは、第1の係合部を備える第1のブッシュ部分と、該第1のブッシュ部分に前記軸線方向において続く第2の係合部を備える第2のブッシュ部分とを備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とは互いに係合可能となっており、前記ダストシール本体は、前記被取付部の開口に嵌合される前記軸線を中心とする環状の弾性材製の取付部と、弾性材製の蛇腹を有する前記軸線を中心とする環状の第1の蛇腹部と、弾性材製の蛇腹を有する前記軸線を中心とする環状の第2の蛇腹部とを備え、前記第1の蛇腹部と前記第2の蛇腹部とは前記軸線方向において互いに並んで配設されており、前記第1の蛇腹部は、前記取付部と一体であり、外周において前記取付部の内周面に接続しており、内周において前記第1のブッシュ部分の外周に加硫接着されており、前記第2の蛇腹部は、外周において前記取付部の内周面に固定されており、内周において前記第2のブッシュ部分の外周に加硫接着されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係るダストシールにおいて、前記第1の係合部と前記第2の係合部との係合はスナップフィットによりなされている。
本発明の一態様に係るダストシールにおいて、前記第1のブッシュ部分は前記第1の係合部を、前記第2のブッシュ部分に対向する前記軸線方向における端部に備え、前記第2のブッシュ部分は前記第2の係合部を、前記第1のブッシュ部分に対向する前記軸線方向における端部に備える。
本発明の一態様に係るダストシールにおいて、前記第1の係合部及び第2の係合部は、前記第1のブッシュ部分の内周面及び第2のブッシュ部分の内周面から夫々離れて配設されている。
本発明の一態様に係るダストシールにおいて、前記第1の係合部及び第2の係合部は、前記第1のブッシュ部分及び第2のブッシュ部分の内周側の表面の一部を夫々形成する。
本発明の一態様に係るダストシールにおいて、前記第2の蛇腹部は、前記外周において前記取付部の内周面に嵌合されて前記取付部に固定されている。
本発明に係るダストシールによれば、組み立て作業を容易にすることができ、ブッシュと蛇腹部との間の接合強度を高めることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るダストシールの概略構成を示すための軸線に沿う断面図である。 図1に示すダストシールにおける第1のブッシュ部分と第2のブッシュ部分とを拡大して示すための断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るダストシールの使用状態を示すための部分断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るダストシールの概略構成を示すための部分断面図である。 図4に示すダストシールにおけるブッシュを拡大して示すための断面図である。 従来のダストシールの構造を概略的に示すための断面図である。
以下、本発明に実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るダストシールの概略構成を示すための軸線に沿う断面図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るダストシール1は、軸線xを中心とする環状の形状を呈しており、ブッシュ10と、ダストシール本体20と、シールリップ30とを備える。以下、図1に示すように、軸線x方向において矢印a方向を外側若しくはエンジンルーム側と、軸線x方向において矢印b方向を内側若しくは車室側という。また、軸線xに垂直な方向(以下、径方向ともいう。)において軸線xに近づく方向(矢印c)を内周側と、軸線xに垂直な方向において軸線xから遠ざかる方向(矢印d)を外周側という。
ブッシュ10は、軸線xを中心とする環状の、より具体的には円筒状の形状を有しており、低摩擦材から形成されている。ブッシュ10には、後述するように、使用状態においてシャフトが摺動可能に挿通されるため、ブッシュ10は、挿通されるシャフトの外径に対応した内径を有している。ブッシュ10は、図1に示すように、第1のブッシュ部分11と第2のブッシュ部分12の2つの部分から成っており、第1のブッシュ部分11と第2のブッシュ部分12とは、互いに軸線x方向に並んで接合されている。軸線x方向において、第1のブッシュ部分11は外側に、第2のブッシュ部分12は内側に位置している。
また、第1のブッシュ部分11は第1の係合部13を、第2のブッシュ部分12は第2の係合部14を夫々有しており、第1のブッシュ部分11と第2のブッシュ部分12とは、第1の係合部13と第2の係合部14とが互いに係合して、接合されて、軸線x方向に長く延びるブッシュ10を形成している。
図2は、第1のブッシュ部分11と第2のブッシュ部分12とを拡大して示すための断面図である。図2に示すように、第1のブッシュ部分11は、第2のブッシュ部分12に対向する、内側の端部である端部11aの軸線x方向(内側方向)に面する面である端面11bに、第1の係合部13を有している。また、第2のブッシュ部分12は、第1のブッシュ部分11に対向する、外側の端部である端部12aの軸線x方向(外側方向)に面する面である端面12bに、第2の係合部14を有している。
第1及び第2の係合部13,14は、スナップフィット形状を有しており、スナップフィットによって互いに係合可能になっている。図2に示すように、第1の係合部13は、軸線xを中心として環状に第1のブッシュ部分11の端面11bに全周に亘って延びており、端面11bから内側方向に突き出した軸線xに沿う断面(以下、単に断面ともいう。)の形状がフック状の形状を呈する部分である。第1の係合部13は、端面11bにおいて、第1のブッシュ部分11の内周面である内周面11cから離れて設けられている。
第2の係合部14は、図2に示すように、軸線xを中心として環状に第2のブッシュ部分12の端面12bに全周に亘って延びており、内側方向に凹む部分であり、第1の係合部13に対応した断面形状を有している。第2の係合部14は、端面12bにおいて、第2のブッシュ部分12の内周面である内周面12cから離れて設けられている。つまり、第2の係合部14は、内周側において内周面12cに覆われている。
なお、第1の係合部13及び第2の係合部14の構造は上記ものに限るものではなく、他のスナップフィット構造であってよい。また、第1の係合部13及び第2の係合部14は、端面11b、12bに夫々全周に亘って設けられていなくてもよく、周方向に全周の一部の範囲に円弧状に延び、周方向に等角度間隔で複数個配設されているものであってもよい。
第1の係合部13が、第2の係合部14に挿入されると、第1の係合部13の段部13aが第2の係合部14の段部14aに当接し、第1の係合部13は内周側に弾性変形する。第1の係合部13が更に挿入され続け、内周側に更に弾性変形し、段部13aが段部14aを超えると、第1の係合部13が元の形状に戻り、軸線x方向において段部13a,14aが重なって引っ掛かり、第1の係合部13が第2の係合部14に係合される。このとき、第1のブッシュ部分11の端面11bと第2のブッシュ部分12の端面12bとは当接し、また、第1のブッシュ部分11の内周面11cと第2のブッシュ部分12の内周面12cとは面一になる。
第1の係合部13が第2の係合部14に係合された状態において、図1に示すように、第1の係合部13と第2の係合部14とは径方向外周側において互いに密着し、また、段部13aと段部14aとは軸線x方向において互いに密着している。このため、ブッシュ10において、第1のブッシュ部分11と第2のブッシュ部分12とは、軸線x方向及び径方向に互いに相対的に移動することがなく、強固に係合されている。
また、図1,2に示すように、第1のブッシュ部分11は、端部11aにおいて外周側に環状の凹部11dを備える。同様に、第2のブッシュ部分12は、端部12aにおいて外周側に環状の凹部12dを備える。
図示しないシャフトが摺接するブッシュ10の内周面である内周面10aには、グリース等の潤滑剤が塗布されるが、この潤滑剤を保持するために、軸線x方向に延びる複数の溝15が周方向に等角度間隔に設けられている。溝15は、直線の溝に限らず、例えば、螺旋状、波状、環状のものであってもよい。また、溝15は、1つであってもよい。この溝15により、ブッシュ10の内周面10aに潤滑剤が保持され、シャフトを長期間に亘って円滑に摺動可能にできる。なお、ブッシュ10は溝15を有していなくてもよい。
ブッシュ10は、上述のように、低摩耗材から形成されており、低摩耗材としては、例えば、硬質の樹脂材料や金属材料がある。樹脂材料としては、ポリアミド樹脂やポリテトラフルオロエチレン樹脂等があり、金属材料としては、アルミニウム等がある。
ダストシール本体20は、取付部21と、第1のベローズ(第1の蛇腹部)22と、第2のベローズ(第2の蛇腹部)23とを備える。取付部21は、軸線xを中心とする環状の、より具体的には円筒状の形状を有しており、後述するように被取付部材の開口に嵌合される。第1のベローズ22は、軸線xを中心とする環状の、より具体的には中空の略円盤状の形状を呈しており、軸線x方向に凹凸を有する形状であり、同様に、第2のベローズ23は、軸線xを中心とする環状の、より具体的には中空の略円盤状の形状を呈しており、軸線x方向に凹凸を有する形状である。第1のベローズ22と第2のベローズ23とは、軸線x方向において互いに並んで配置されており、第1のベローズ22が第2のベローズ23に対して外側に配置されている。第1,2のベローズ22,23は、ブッシュ10を移動可能にすると共に、並列の配置により遮音機能を備えている。取付部21、第1のベローズ22、及び第2のベローズ23は、同一の弾性材、例えばゴムから一体に形成されている。また、ダストシール本体20は、軸線xを中心とする環状の金属製の補強環24を備える。
取付部21は、図1に示すように、取付部21の内側の端部にフランジ21aが形成されている。フランジ21aの内周側には、軸線x方向において内側から外側に向かうに連れて縮径するテーパ面21bが形成されている。また、外側の端部である端部21cにおいて露出する外周面である外周面21dが形成されている。テーパ面21bには、取付部21の内周面21eが続いている。内周面21eは、内側から、軸線x方向に延びる円筒面状の円筒面21fと、テーパ面21bと同様に縮径するテーパ面21gと、テーパ面21gに続く、軸線x方向に延びる円筒面状の保持面21hとを有する。保持面21hは、径方向に延びる段部21iまで延びている。
補強環24は、例えばステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)等の金属製であり、取付部21に対応した形状を有しており、取付部21が外周側において取り付られている。補強環24は、少なくとも部分的に取付部21に埋設されていてもよい。本実施の形態においては、補強環24は、取付部21の外周側に埋設されており、外側の端部が取付部21の外側の端部21cの内部に埋設されて覆われており、他の部分の外周側の表面は露出されている。
取付部21の外側の端部21cの外周面21dと、補強環24の外周面である外周面24aとは、後述するようにダストシール1が被取付部の開口に嵌合された際に、開口の内周面に密接して当接し、被取付部とダストシール1との間を密封する。
第1のベローズ22は、軸線x方向に凹凸を有しており、これらの凹凸は夫々軸線xを中心とする環状に延びて、軸線x方向から径方向に亘って伸縮可能な蛇腹を形成している。具体的には、第1のベローズ22は、外側方向に凸の環状の凸部22aを備え、凸部22aが上述の蛇腹を形成している。また、第1のベローズ22は、その外周側の端部において、つまり、凸部22aの外周側の端部である端部22bにおいて、取付部21の内周面21eに接続している。
また、第1のベローズ22は、その内周側の端部に、つまり、凸部22aの内周側の端部である端部22cに、当接部25を有している。当接部25は、図1,2に示すように、軸線xを中心とする環状の部分であり、第1のブッシュ部分11の凹部11dに対応した形状を有している。当接部25は、図1,2に示すように、第1のブッシュ部分11の凹部11dに収容されており、凹部11dの表面に密着している。また、当接部25は、凹部11dにおいて第1のブッシュ部分11に加硫接着されている。つまり、後述するように、第1のベローズ22は、加硫成形によって成形されているが、この加硫成形の際に、第1のブッシュ部分11は成形型の中に配置されており、第1のベローズ22は、上述のように当接部25が第1のブッシュ部分11の凹部11dに密着して当接した状態に成形されて、当接部25及び凹部11dが加硫接着される。
第2のベローズ23は、第1のベローズ22と同様に、軸線x方向に凹凸を有しており、これらの凹凸は夫々軸線xを中心とする環状に延びて、軸線x方向及び径方向に伸縮可能な蛇腹を形成している。具体的には、第2のベローズ23は、内周側から順に、内側方向に凹む環状の凹部23aと、凹部23aに外周側で接続する外側方向に凸の環状の凸部23bとを備え、これら凹部23a及び凸部23bが上述の蛇腹を形成している。
第2のベローズ23は、第1のベローズ22と同様に、その内周側の端部に、つまり、凹部23aの内周側の端部である端部23cに、当接部26を有している。当接部26は、図1,2に示すように、軸線xを中心とする環状の部分であり、第2のブッシュ部分12の凹部12dに対応した形状を有している。当接部26は、図1,2に示すように、第2のブッシュ部分12の凹部12dに収容されており、凹部12dの表面に密着している。また、当接部26は、凹部12dにおいて第2のブッシュ部分12に加硫接着されている。つまり、後述するように、第2のベローズ23は、加硫成形によって成形されているが、この加硫成形の際に、第2のブッシュ部分12は成形型の中に配置されており、第2のベローズ23は、上述のように当接部26が第2のブッシュ部分21の凹部12dに密着して当接した状態に成形されて、当接部26及び凹部12dが加硫接着される。
また、第2のベローズ23は、その外周側の端部において、つまり、凸部23bの外周側の端部である端部23dに嵌合部27を備える。嵌合部27は、軸線xを中心とする環状の、断面がL字型の嵌合環28を備え、嵌合環28は、図1に示すように、外周側に円筒状の面である嵌合面28aを有する。嵌合環28は、後述するように、嵌合面28aにおいて、取付部21の保持面21hに嵌合されて保持、固定されるようになっている。また、嵌合部27は、嵌合環28を保持する保持部29を備える。保持部29の形状は、嵌合環28を保持可能な形状であればいずれの形状であってもよい。嵌合環28は、例えばステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)等の金属製である。
ダストシール1において、第2のベローズ23は、外周側において、嵌合部27が取付部21の保持面21hに嵌合して保持さて固定されている。嵌合部27の嵌合環28の嵌合面28aは、保持面21hに密接に当接している。また、嵌合環28は取付部21の段部21iに当接しており、軸線x方向において位置決めされている。
第1のベローズ22及び第2のベローズ23は、後述するように、使用状態において、シャフトの動きにブッシュ10が追従するように、軸線x方向から径方向に亘る方向に伸縮運動を繰り返す。このため、取付部21、第1のベローズ22、及び第2のベローズ23には、柔軟性に加えて耐疲労性が求められている。また、第1のベローズ22及び第2のベローズ23には、耐オゾン性も求められている。取付部21、第1のベローズ22、及び第2のベローズ23のゴム材料としては、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM)やクロロプレンゴム(CR)がある。
なお、第1のベローズ22の蛇腹の形状(凸部22a)は、上記の形状に限るものではなく、軸線x方向から径方向に亘る方向に伸縮可能な形状であればよい。また、同様に、第2のベローズ23の蛇腹の形状(凹部23a及び凸部23b)は、上記の形状に限るものではなく、軸線x方向から径方向に亘る方向に伸縮可能な形状であればよい。
シールリップ30は、第1のブッシュ部分11の外側の端部である端部11eの軸線x方向(外側)に面する面である端面11fに設けられた第1のシールリップ31と、第2のブッシュ部分12の内側の端部である端部12eの軸線x方向(内側)に面する面である端面12fに設けられた第2のシールリップ32とを備える。
第1のシールリップ31は、軸線xを中心とする環状のゴム製の部材であり、内側の端部である端部33が、第1のブッシュ部分11の端面11fにおいて加硫接着により接合されている。第1のシールリップ31は、内側から外側に向かうに連れて、縮径する略円錐筒状の形状を呈しており、外側の端部である端部34に、内側に向かって凸の断面楔形の環状のリップ先端部35を有している。リップ先端部35は、後述するように、ブッシュ10に挿通されるシャフトの外周面と摺動可能に密接に接触するように形成されており、使用状態においてブッシュ10の内部を密封するようになっている。
第1のシールリップ31には、このように、耐摩耗性や耐熱性、追従性等の、シャフトとの間の密封性能が求められている。また、第1のシールリップ31には、泥水等に対する耐久性(耐泥水性)やシャフトが偏心した際に鳴きの発生を抑制できる性能(耐鳴き性)が求められている。このため、第1のシールリップ31のゴム材料としては、上記取付部21並びに第1及び第2のベローズ22,23のゴム材料とは異なり、摺動部分に対する密封に好適なゴム材料が用いられる。第1のシールリップ31のゴム材料としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR),アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムがある。
また、第2のシールリップ32は、軸線xを中心とする環状のゴム製の部材であり、外側の端部である端部36が、第2のブッシュ部分12の端面12fにおいて加硫接着により接合されている。第2のシールリップ32は、外側から内側に向かうに連れて、縮径する円錐筒状の形状を呈しており、外側の端部がリップ先端部37を形成している。リップ先端部37は、後述するように、ブッシュ10に挿通されるシャフトの外周面と摺動可能に密接に接触するように形成されており、使用状態においてブッシュ10の内部を密封するようになっている。第2のシールリップ32は、第1のシールリップ31と同様の特性が求められており、第1のシールリップ31と同じ材料から形成される。
上述のように、本発明の第1の実施の形態に係るダストシール1において、第1のベローズ22と第1のブッシュ部分11とが当接部25及び凹部11dにおいて加硫接着により互いに接合されている。このため、第1のベローズ22と第1のブッシュ部分11との間の接合強度を高くすることができる。また、同様に、第2のベローズ23と第2のブッシュ部分12とが当接部26及び凹部12dにおいて加硫接着により互いに接合されている。このため、第2のベローズ23と第2のブッシュ部分12との間の接合強度を高くすることができる。
また、ダストシール本体20において、取付部21と第1のベローズ22とが同一の材料から一体に成形されている。このため、第1のベローズ22と取付部21との接合部(端部22b)の強度を高くすることができる。
また、取付部21と、第1のベローズ22と、第2のベローズ23とは、シールリップ30(第1のシールリップ31及び第2のシールリップ32)とは別体となっており、シールリップ30に要求される密封性能とは異なる耐疲性能の高い材料を選択することができる。
このため、本発明の第1の実施の形態に係るダストシール1において、取付部21、第1のベローズ22、及び第2のベローズ23は、上記伸縮運動に対する強度が高く、ブッシュ10の移動に伴う繰り返しの伸縮運動に対する耐疲労性を向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係るダストシール1において、シールリップ30は加硫接着によりブッシュ10に接合されているので、シールリップ30のブッシュ10への接合強度を高くすることができる。また、シールリップ30のゴム材料としては、ダストシール本体20におけるゴム材料とは異なる、摺動部分に対する密封に好適なゴム材料を用いることができるので、シールリップ30の密封性能を向上させることができる。また、シールリップ30の耐久性能を向上させることができる。
また、ブッシュ10は、第1のブッシュ部分11とこれに軸方向において続く第2のブッシュ部分12とにより形成されているので、ブッシュ10の軸線x方向の長さを長くすることができる。このため、使用状態においてブッシュ10は軸線x方向に長く広がる領域においてシャフトを保持することができ、シャフトが大きく偏心した場合でも、シャフトの動きに追従してシャフトに対して安定した姿勢を保持することができる。これにより、シールリップ30のシャフトへの当接姿勢を適切に保持することができ、シールリップ30の密封性を向上させることができる。また、ブッシュ10に対するシャフトの偏当りを抑制することができ、ブッシュ10の偏磨耗を抑制し、ブッシュ10の耐久性を向上させることができる。
次いで、上記構造を有するダストシール1の製造方法を説明する。なお、従来公知の製造方法によって製造される部位については、その説明を省略する。
ダストシール本体20において、取付部21及び第1のベローズ22は、同一のゴム材料から一体に成形される。具体的には、取付部21及び第1のベローズ22は、同一のゴム材料から加硫成形により一体に成形される。また、この加硫成形の際、公知の方法により上記の形状に成形された第1のブッシュ部分11及び補強環24が、成形型の中に配置され、補強環24が取付部21に、第1のブッシュ部分11が第1のベローズ22に、夫々加硫接着される。具体的には、補強環24は、外側の端部が取付部21の端部21cに覆われて、他の部分の外周側の表面は露出されて、取付部21に埋設されて加硫接着される。また、第1のベローズ22の当接部25は、第1のブッシュ部分11の凹部11dに収容された状態に加硫成形されて加硫接着される。
第2のベローズ23は、ゴム材から成形され、具体的には加硫成形により成形される。この加硫成形の際、予め公知の方法で形成された第2のブッシュ部分12及び嵌合環28は成形型の中に配置されて、第2のブッシュ部分12が当接部26に、嵌合環28が保持部29に夫々加硫接着される。具体的には、保持部29が嵌合環28を保持した状態に加硫成形されて嵌合環28に加硫接着される。また、第2のベローズ23の当接部26は、第2のブッシュ部分12の凹部12dに収容された状態に加硫成形されて加硫接着される。
第1のシールリップ31は、加硫成形により、第1のブッシュ部分11の端面11fに加硫接着されて形成される。第1のシールリップ31の成形は、取付部21及び第1のベローズ22の成形と同時になされるようにしてもよく、取付部21及び第1のベローズ22の成形より前に、若しくは、取付部21及び第1のベローズ22の成形の後に成形されるようにしてもよい。第1のシールリップ31のゴム材料は、取付部21及び第1のベローズ22のゴム材料とは異なるので、ダストシール本体20及び第1のシールリップ31の成形型は夫々連通していない。
第2のシールリップ32は、第1のシールリップ31の成形と同様に、加硫成形により、第2のブッシュ部分12の端面12fに加硫接着されて形成される。第2のシールリップ32の成形は、第2のベローズ23の成形と同時になされるようにしてもよく、第2のベローズ23の成形より前に、若しくは、第2のベローズ23の成形の後に成形されるようにしてもよい。
第2のブッシュ部分12と一体に成形された第2のベローズ23は、上述のように、第1のブッシュ部分11の第1の係合部13と第2のブッシュ部分12の第2の係合部14とが互いに係合され、ブッシュ10が形成される。同時に、第2のベローズ23の嵌合部27が取付部21の保持面21hに嵌合されて固定される。これにより、ダストシール1が完成する。この嵌合の際、上述のように、取付部21に2つのテーパ面21b,21gが形成されているため、嵌合部27をテーパ面21b,21gに滑らせて滑らかに保持面21hまで摺動させることができ嵌合部27の嵌合作業を容易にすることができる。
上述のように、本発明の第1の実施の形態に係るダストシール1は、第1のブッシュ部分11、取付部21、第1のベローズ22、及び第1のシールリップ31が一つの部品となっており、また、第2のブッシュ部分12、第2のベローズ23、及び第2のシールリップ32が一つの部品となっているので、2つの部品を組み立てるだけでダストシール1を製造することができる。また、組み立て作業は、第1のブッシュ部分11の第1の係合部13と第2のブッシュ部分12の第2の係合部14とを互いに係合させるだけである。このように、本発明の実施の形態に係るダストシール1によれば、組み立てる部品数が少なく、煩わしい組み立て作業が排除されており、ダストシール1の組み立て作業は容易になっている。
次いで、上述の構造を有するダストシール1の使用状態について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態に係るダストシール1の使用状態を示すための部分断面図である。本実施の形態に係るダストシール1は、車両、例えば自動車のステアリング装置において、ステアリングダストシールとして使用される。
図3に示すように、ダストシール1は、車室とエンジンルームとを隔てるダッシュパネル40に開口するコラムホール41に取り付けられており、コラムホール41に挿通されているステアリングシャフト42とコラムホール41との間の間隙を密封している。ダストシール1は、ダスト、雨水等の異物が車室内に侵入することを防止している。
ダストシール1は、取付部21がコラムホール41に嵌め込まれて所定の締め代を持って嵌合されて、ダッシュパネル40に固定されている。取付部21の端部21cの外周面21dと、補強環24の外周面24aとは、コラムホール41に密接に当接しており、ダッシュパネル40とダストシール1との間が密封されている。また、取付部21のフランジ21aは、ダッシュパネル40の車室側の面である車室側面40aに当接しており、軸線x方向においてダストシール1が位置決めされている。
また、ブッシュ10にはステアリングシャフト42が挿通されており、ステアリングシャフト42は、ブッシュ10の内周面10aに摺動可能に支持されている。ブッシュ10は、軸線x方向に長く延びた内周面10aによってステアリングシャフト42を支持しているので、ステアリングシャフト42が大きく偏心した場合でも、ステアリングシャフト42の動きに追従してステアリングシャフト42に対して安定した姿勢を保持することができる。このため、第1のシールリップ31及び第2のシールリップ32のステアリングシャフト42への当接姿勢を適切に保持することができる。ブッシュ10の内周面10aには、図示しない潤滑剤が塗布されており、ステアリングシャフト42の摺動を滑らかにしている。ステアリングシャフト42の外周面42aには第1のシールリップ31のリップ先端部35及び第2のシールリップ32のリップ先端部37が夫々密接に当接しており、ステアリングシャフト42とブッシュ10との間をエンジンルームから密閉している。
このように、取付部21及び第1のシールリップ31によって、コラムホール41とステアリングシャフト42との間は密封されており、ダスト、雨水等の異物が車室内に侵入することが防止されている。また、第1のシールリップ31及び第2のシールリップ32によって、ブッシュ10の内周面10aに塗布された潤滑剤がブッシュ10とステアリングシャフト42との間に保持され、漏れが防止されている。
また、ハンドルの高さ調整や、自動車の走行中に発生する振動等により、ステアリングシャフト42は傾斜したり変位して、コラムホール41に対して相対的に移動する。このため、ステアリングシャフト42の移動に伴ってブッシュ10もコラムホール41に対して相対運動する。ブッシュ10の運動に伴って、第1のベローズ22及び第2のベローズ23は伸縮運動をし、この第1,2のベローズ22,23の伸縮運動により、第1のベローズ22とブッシュ10との接合部には繰り返しの負荷が掛かる。上述のように、第1のベローズ22と第1のブッシュ部分11とが当接部25と凹部11dにおいて、第2のベローズ23と第2のブッシュ部分12とが当接部26と凹部12dにおいて加硫接着により互いに強固に接合されている。このため、第1及び第2のベローズ22,23と第1及び第2のブッシュ部分11,12との夫々の接合部におけるこの繰り返しの負荷に対する耐久性は高くなっており、第1及び第2のベローズ22,23と第1及び第2のブッシュ部分11,12との夫々の間の接合が解けることを抑制することができる。
また、取付部21と第1のベローズ22とが同一の材料から一体に成形されているため、第1のベローズ22と取付部21との接合部(端部22b)の強度が高くなっており、この接合部に加わる繰り返しの負荷に対するダストシール1の耐久性を高めることができる。
また、ダストシール本体20において、取付部21と、第1のベローズ22と、第2のベローズ23には、耐疲性能の高い材料が選択されており、取付部21、第1のベローズ22、及び第2のベローズ23に加わる繰り返しの負荷に対して、取付部21と、第1のベローズ22と、第2のベローズ23の耐久性を高くすることができる。
このように、本実施の形態に係るダストシール1においては、第1のベローズ22及び第2のベローズ23と第1のブッシュ部分11及び第2のブッシュ部分12との間の夫々の接合部の接合強度、及び、第1のベローズ22と取付部21との間の接合部の接合強度が高められており、また、ダストシール本体20の材料の選択により耐疲労性が高められている。このため、ブッシュ10の移動に伴うダストシール本体20の繰り返しの伸縮運動に対する耐疲労性を向上させることができ、ブッシュ10の運動によるダストシール本体20の損傷を抑制することができる。
このため、ブッシュ10に衝撃が加わった場合でも、ブッシュ10がダストシール本体20から外れることを十分に抑制でき、ブッシュ10のステアリングシャフト42への追従性を維持することができ、第1及び第2のシールリップ31,32のステアリングシャフト42に対する姿勢を適切な姿勢に維持することができる。従って、第1及び第2のシールリップ31,32の密封性を向上させ、長期に亘り維持させることができる。
上述のように、本実施の形態に係るダストシール1は、その組み立て作業を容易にすることができ、ブッシュ10と第1及び第2のベローズ22,23との間の接合強度を高めることができる。
次いで、本発明の第2の実施の形態に係るダストシールについて説明する。本発明の第2の実施の形態に係るダストシール50は、上記本発明の第1の実施の形態に係るダストシール1に対して、ブッシュ60の第1及び第2の係合部の構造が異なる。以下、上述の本発明の第1の実施の形態に係るダストシール1と同一の構成要素についてはその説明を省略し、同一の符号を付す。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るダストシール50の概略構成を示すための部分断面図であり、図5は、図4のダストシール50におけるブッシュ60を拡大して示すための断面図である。
図4,5に示すように、ダストシール50のブッシュ60は、上記ブッシュ10の第1のブッシュ部分11及び第2のブッシュ部分12と同様に、第1のブッシュ部分61及び第2のブッシュ部分62を備える。第1のブッシュ部分61は、第1のブッシュ部分11の端部11a、端面11b、内周面11c、及び凹部11dと同様に、端部61a、端面61b、内周面61c、及び凹部61dを夫々備える。また、第2のブッシュ部分62は、第2のブッシュ部分12の端部12a、端面12b、内周面12c、及び凹部12dと同様に、端部62a、端面62b、内周面62c、及び凹部62dを夫々備える。
第1のブッシュ部分61は、上述の第1のブッシュ部分11の第1の係合部13と同様の環状のフック状の第1の係合部63を端面61bに備える。但し、第1のブッシュ部分61の第1の係合部63は、図4,5に示すように、第1のブッシュ部分11の第1の係合部13とはその配設位置が異なり、第1の係合部63は、端面61bにおいて、内周側の端部から延びている。つまり、第1の係合部63の内周側の面である内周面63bは、第1のブッシュ部分61の内周面61cと面一になっている。
また、第2のブッシュ部分62は、上述の第2のブッシュ部分12の第2の係合部14と同様の第1の係合部63に対応する環状の凹部である第2の係合部64を端面62bに備える。但し、第2のブッシュ部分62の第2の係合部64は、図4,5に示すように、第2のブッシュ部分12の第2の係合部14とはその配設位置が異なり、第2の係合部64は、端面62bにおいて、内周側の端部に形成されている。つまり、第2の係合部64は、内周側の面である内周面62c上に形成されており、第2の係合部64の外周側の表面は露出されており、第2のブッシュ部分62の内周面62cに続いている。
第1の係合部63が、第2の係合部64に挿入されると、第1の係合部63の段部63aが第2の係合部64の段部64aに当接し、内周側に弾性変形する。第1の係合部63が更に挿入され続け、内周側に更に弾性変形し、段部63aが段部64aを超えると、第1の係合部63が元の形状に戻り、軸線x方向において段部63a,64aが重なって引っ掛かり、第1の係合部63が第2の係合部64に係合される。このとき、第1のブッシュ部分61の端面61bと第2のブッシュ部分62の端面62bとは当接し、また、第1のブッシュ部分61の内周61c及び第1の係合部63の内周面63bと第2のブッシュ部分62の内周面62cとは面一になる。
第1の係合部63が第2の係合部64に係合された状態において、図4に示すように、第1の係合部63と第2の係合部64とは径方向(外周側)において互いに密着し、また、段部63aと段部64aとは軸線x方向において互いに密着している。このため、ブッシュ60において、第1のブッシュ部分61と第2のブッシュ部分62とは、軸線x方向及び径方向に互いに相対的に移動することがなく、強固に接合されている。
本発明の第2の実施の形態に係るダストシール50は、上記本発明の第1の実施の形態に係るダストシール1と同様の効果を奏することができ、その組み立て作業を容易にすることができ、ブッシュ60と第1及び第2のベローズ22,23との間の接合強度を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。具体的には、取付部21、補強環24、シールリップ30(第1,2のシールリップ31,32)、第1,2のベローズ22,23の蛇腹等の形状は上述の形状に限るものではない。
また、第1のブッシュ部分11が第2の係合部14を、第2のブッシュ部分12が第1の係合部13を夫々有していてもよく、同様に、第1のブッシュ部分61が第2の係合部64を、第2のブッシュ部分62が第1の係合部63を夫々有していてもよい。
また、ダストシール1、50において、第1のベローズ22と第1のブッシュ部分11,61の接合部の形態(当接部25及び凹部11d,61d)は上記のものに限るものではなく、第1のベローズ22が内周側において第1のブッシュ部分11,61に加硫接着される形状であればよい。また、第2のベローズ23と第2のブッシュ部分12,62の接合部の形態(当接部26及び凹部12d,62d)は上記のものに限るものではなく、第2のベローズ23が内周側において第2のブッシュ部分12,62に加硫接着される形状であればよい。
また、ダストシール1,50において、第2のベローズ23の嵌合部27の形状は上述の形状に限るものではなく、また、取付部21の内周面21e(保持部21h等)の形状は上記の形状に限るものではなく、第2のベローズ23の嵌合部27が取付部21の内周面21eに嵌合可能な形状であればよい。また、第2のベローズ23は外周において取付部21の内周面に嵌合されるものではなく、他の係合や係止形態等によって固定可能な形状であってもよい。
また、ダストシール1,50において、シールリップ30は第1のシールリップ31と第2のシーリップ32とを備えるものとしたが、シールリップ30は、エンジンルーム側に設けられた第1のシールリップ31のみを有していてもよい。
また、本発明の第1及び第2の実施の形態に係るダストシール1,50は、車両のステアリングダストシールとして使用されるものとしたが、本発明に係るダストシールの適用対象はこれに限られるものではなく、産業機械等、本発明の奏する効果を利用し得るすべての構成に対して、本発明は適用可能である。
1,50,100 ダストシール
10,60,101 ブッシュ
10a 内周面
11,61 第1のブッシュ部分
11a,12a,11e,12e,61a,62a,101a,101b 端部
11b,12b,11f,12f,61b,62b 端面
11c,12c,61c,62c,63b 内周面
11d,12d,61d,62d 凹部
12,62 第2のブッシュ部分
13,63 第1の係合部
13a,14a,63a,63b 段部
14,64 第2の係合部
15 溝
20,102 ダストシール本体
21,107 取付部
21a フランジ
21b,21g テーパ面
21c 端部
21d 外周面
21e 内周面
21f 円筒面
21h 保持面
21i 段部
22,105 第1のベローズ
22a,23b 凸部
22b,22c,23c,23d 端部
23,106 第2のベローズ
23a 凹部
24,108 補強環
24a 外周面
25,26 当接部
27 嵌合部
28 嵌合環
28a 嵌合面
29 保持部
30,103 シールリップ
31 第1のシールリップ
32 第2のシールリップ
33,34,36 端部
35,37 リップ先端部
40,131 ダッシュパネル
40a 車室側面
41,132 コラムホール
42,130 ステアリングシャフト
42a 外周面
104 取付部材
105a,106a 内側端部
x 軸線

Claims (6)

  1. 被取付部材に設けられた開口と該開口に挿通されるシャフトとの間を密封するためのダストシールであって、軸線を中心とする環状のダストシール本体と、前記シャフトが摺動可能に挿通される前記軸線を中心とする環状のブッシュと、該ブッシュの前記軸線方向の端に設けられており前記シャフトの外周面に摺動可能に当接する前記軸線を中心とする環状のシールリップとを備えるダストシールにおいて、
    前記ブッシュは、第1の係合部を備える第1のブッシュ部分と、該第1のブッシュ部分に前記軸線方向において続く第2の係合部を備える第2のブッシュ部分とを備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とは互いに係合可能となっており、
    前記ダストシール本体は、前記被取付部の開口に嵌合される前記軸線を中心とする環状の取付部と、弾性材製の蛇腹を有する前記軸線を中心とする環状の第1の蛇腹部と、弾性材製の蛇腹を有する前記軸線を中心とする環状の第2の蛇腹部とを備え、前記第1の蛇腹部と前記第2の蛇腹部とは前記軸線方向において互いに並んで配設されており、
    前記第1の蛇腹部は、前記取付部と一体であり、外周において前記取付部の内周面に接続しており、内周において前記第1のブッシュ部分の外周に加硫接着されており、
    前記第2の蛇腹部は、外周において前記取付部の内周面に固定されており、内周において前記第2のブッシュ部分の外周に加硫接着されていることを特徴とするダストシール。
  2. 前記第1の係合部と前記第2の係合部との係合はスナップフィットによりなされていることを特徴とする請求項1記載のダストシール。
  3. 前記第1のブッシュ部分は前記第1の係合部を、前記第2のブッシュ部分に対向する前記軸線方向における端部に備え、前記第2のブッシュ部分は前記第2の係合部を、前記第1のブッシュ部分に対向する前記軸線方向における端部に備えることを特徴とする請求項2記載のダストシール。
  4. 前記第1の係合部及び第2の係合部は、前記第1のブッシュ部分の内周面及び第2のブッシュ部分の内周面から夫々離れて配設されていることを特徴とする請求項3記載のダストシール。
  5. 前記第1の係合部及び第2の係合部は、前記第1のブッシュ部分及び第2のブッシュ部分の内周側の表面の一部を夫々形成することを特徴とする請求項3記載のダストシール。
  6. 前記第2の蛇腹部は、前記外周において前記取付部の内周面に嵌合されて前記取付部に固定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のダストシール。
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