JP6772445B2 - チューブ容器用積層体、チューブ容器およびチューブ容器用積層体の製造方法 - Google Patents

チューブ容器用積層体、チューブ容器およびチューブ容器用積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、偽造防止性および意匠性に優れたチューブ容器を形成可能なチューブ容器用積層体に関するものである。
チューブ容器は、内容物を充填包装し、使用時に必要とする量を任意に押し出して使用することができる。このため、チューブ容器は、食品、化粧品、医薬品など容器として幅広く使用されている。
このようなチューブ容器には、通常、内容物に関連する表示事項や絵柄などの画像を表示する印刷層が形成される。
また、製品間の差別化のため、ホログラム等を印刷と組み合わせて意匠性等が向上されたチューブ容器が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平3−31941号公報
しかしながら、近年の技術進歩により、ホログラムに近似またはホログラム自体の偽造品を容易に作製可能となりつつある。このため、ホログラム等と印刷の組み合わせのみでは、製品間の差別化を可能とするような十分な意匠性を得ることができないといった問題がある。
また、ホログラム等を用いることによる偽造防止効果を付与することも考えられるが、暗所では真贋判断が困難であるといった問題や、意匠性と同様の理由により十分な偽造防止効果を得ることが困難になりつつあるといった問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、偽造防止性および意匠性に優れたチューブ容器を形成可能なチューブ容器用積層体を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、内面側シーラント層と、上記内面側シーラント層の一方の表面に形成された基材と、上記基材の上記内面側シーラント層とは反対側の表面に形成された外面側シーラント層と、上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の間に配置され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有することを特徴とするチューブ容器用積層体を提供する。
本発明によれば、上記チューブ容器用積層体(以下、単に積層体と称する場合がある。)が応力発光層を有することにより、応力を加えた際に発光可能なチューブ容器を形成可能となる。
このため、上記積層体は、偽造防止性および意匠性に優れたチューブ容器を形成可能となる。
本発明においては、上記応力発光層がパターン状に形成されていることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、本発明の積層体を用いて形成されたチューブ容器に応力を加えた際に応力発光層をパターン状に発光可能なものとすることができる。
このため、上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、上記積層体は、偽造防止性および意匠性により優れたチューブ容器を形成可能となるからである。
本発明においては、上記チューブ容器用積層体が、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を有することが好ましい。パターン状に形成されている応力発光層の存在を目立たなくすることができ、上記積層体は、偽造防止性および意匠性により優れたチューブ容器を形成可能となるからである。
本発明は、内面側シーラント層と、上記内面側シーラント層の一方の表面に形成された基材と、上記基材の上記内面側シーラント層とは反対側の表面に形成された外面側シーラント層と、を有するチューブ容器用積層体の上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の端部同士が融着した筒状胴体部と、上記筒状胴体部の一方の開口部に接合され、肩部および口頸部を含む頭部と、を有し、上記チューブ容器用積層体は、上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の間に配置され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有することを特徴とするチューブ容器を提供する。
本発明によれば、上記積層体が応力発光層を有することにより、応力を加えた際に発光可能なチューブ容器となる。
このため、上記チューブ容器は、偽造防止性および意匠性に優れたものとなる。
本発明は、基材の一方の表面に、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を形成する応力発光層形成工程と、上記基材および上記応力発光層を内面側シーラント層および外面側シーラント層により挟持するシーラント層形成工程と、を有することを特徴とするチューブ容器用積層体の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記応力発光層形成工程およびシーラント層形成工程を有することにより、応力を加えた際に発光可能なチューブ容器を形成可能な積層体を容易に得ることができる。
本発明は、偽造防止性および意匠性に優れたチューブ容器を形成可能なチューブ容器用積層体を提供できるという効果を奏する。
本発明のチューブ容器用積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明のチューブ容器用積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のチューブ容器用積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のチューブ容器用積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のチューブ容器用積層体の他の例を示す概略平面図である。 図5のA−A線断面図である。 本発明のチューブ容器用積層体の他の例を示す概略平面図である。 図7のB−B線断面図である。 本発明のチューブ容器用積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のチューブ容器用積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のチューブ容器用積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のチューブ容器用積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のチューブ容器用積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のチューブ容器の一例を示す概略図である。 本発明のチューブ容器用積層体の製造方法の一例を示す工程図である。
本発明は、チューブ容器用積層体、チューブ容器およびチューブ容器用積層体の製造方法に関するものである。
以下、本発明のチューブ容器用積層体、チューブ容器およびチューブ容器用積層体の製造方法について詳細に説明する。
A.チューブ容器用積層体
本発明のチューブ容器用積層体は、内面側シーラント層と、上記内面側シーラント層の一方の表面に形成された基材と、上記基材の上記内面側シーラント層とは反対側の表面に形成された外面側シーラント層と、上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の間に配置され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明の積層体について図面を参照して説明する。図1は、本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の積層体10は、内面側シーラント層3aと、上記内面側シーラント層3aの一方の表面に形成された基材1と、上記基材1の上記内面側シーラント層3aとは反対側の表面に形成された外面側シーラント層3bと、上記内面側シーラント層3aおよび上記外面側シーラント層3bの間に配置され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層2と、を有するものである。
なお、この例において、応力発光層2は、基材1および内面側シーラント層3aの間に配置されるものである。
本発明によれば、上記積層体が応力発光層を有することにより、応力を加えた際に発光可能なチューブ容器を形成可能となる。
したがって、上記積層体は、内容物を取り出す際に加わる応力、商品を手に取った際に加わる応力等により発光可能であり、商品の使用時等において意匠性を発揮できるチューブ容器を形成可能となる。
また、応力を加えた際にチューブ容器を発光可能とすることで、真贋判定を行うことができるチューブ容器を得ることができる。また、真贋判定の方法としては、例えば、明所で行う方法であっても良いが、応力発光層として暗所においてのみ発光を確認できる低輝度のものを用いることで、暗所でしか発光を確認できないことを知っている観察者のみが発光を確認して真贋判定を行う方法も用いることができる。
さらに、暗所であっても別途光源等を準備することなく、偽造防止性および意匠性を発揮できる。
このようなことから、上記積層体は、偽造防止性および意匠性に優れたチューブ容器を形成可能となる。
また、上記応力発光層が内面側シーラント層および外面側シーラント層の間に配置されることにより、上記積層体は、内面側シーラント層および外面側シーラント層が相互に融着してチューブ容器の筒状胴体部を形成した際に、両シーラント層の融着面間に応力発光層が配置されないものとすることができる。このため、上記積層体は、筒状胴体部を形成した際に、両シーラント層の融着面間に応力発光粒子のような無機材料を含む応力発光層が配置される場合と比較して、両シーラント層間の接着強度が強くかつ均一なものとなる。
また、上記配置箇所であることで、上記積層体は、応力発光層の剥離の少ないものとなる。したがって、上記積層体は、応力を加えた際に安定的に発光可能なチューブ容器を形成できる。
本発明の積層体は、内面側シーラント層、基材、外面側シーラント層および応力発光層を有するものである。
以下、本発明の積層体の各構成について説明する。
1.応力発光層
本発明における応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(1)応力発光層の構成材料
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(a)応力発光粒子
上記応力発光粒子としては、外部から加えられた歪みエネルギーによって、粒子自体が発光するという性質を有し、かつその歪みエネルギーに比例して発光強度を変化させるという性質を有するものであればよい。
本発明においては、上記応力発光粒子からの発光光の波長(以下、所定の波長と称する場合がある。)が、可視光の範囲内に含まれることが好ましい。観察者が目視にて応力発光層からの発光光を視認でき、偽造防止効果等に優れるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
可視光の波長範囲としては、具体的には、400nm〜800nmの範囲内とすることができる。
また、上記所定の波長は、可視光以外の領域を有するものとし、例えば、応力発光層が蛍光材料を含有する蛍光層の発光に用いられるものであっても良い。
なお、上記所定の波長とは、波長200nm〜1000nmの範囲内での応力発光粒子の発光スペクトルの最大ピーク波長をいうものである。
上記応力発光粒子の発光輝度としては、例えば、観察者が目視にて視認可能とするとの観点からは、1.0mcd/cm以上であることが好ましく、なかでも、10mcd/cm以上であることが好ましく、特に、100mcd/cm以上であることが好ましい。発光輝度が上記範囲内であることにより、屋外において、高輝度と認識させ、さらに、応力発光層からの発光を用いた真贋判定の信頼性に優れたものとすることができるからである。
このような応力発光粒子を構成する応力発光材料としては、例えば、高度に構造を制御した無機結晶骨格の中に、発光中心となる元素を添加した材料(セラミックス)を挙げることができる。ここで、無機材料および発光中心となる元素の種類を選択することにより、紫外〜可視〜赤外の様々な波長で発光する材料を用いることができる。
上記応力発光材料は、与えられたエネルギーによる発光の減衰時間により応力発光蛍光材料と応力発光リン光材料とに分けることができる。
上記蛍光発光材料としては、例えば発光中心としてユウロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl:Eu、緑色に発光)、マンガンを発光中心として添加した硫化亜鉛(ZnS:Mn、黄緑色に発光)などが挙げられる。
上記応力発光粒子を構成する応力発光材料の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであっても良い。
本発明においては、なかでも、上記応力発光材料の種類が2種類以上であることが好ましい。応力発光層を発光色の異なる領域を有するものとすることが可能となる。例えば、図2に示される応力発光層2を、xで示される領域が第1の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第1の発光色の領域であり、yで示される領域が第2の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第2の発光色の領域とすることができる。このようなことから、本発明の積層体を偽造防止効果等に優れたものとすることができる。
なお、図2中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、応力発光材料を2種類以上用いる場合に、各応力発光材料からなる応力発光粒子を混合して用いるもの、例えば、第1の応力発光粒子からの発光色と第2の応力発光粒子からの発光色とが混合された、1色の発光色の応力発光層とするものであっても良い。
上記応力発光粒子の形状としては、従来公知の形状とすることができる。上記形状は、例えば、略球状、回転楕円体状、多面体状、鱗片状、円盤状、繊維状及び針状等を挙げることができる。
本発明においては、さらに、上記応力発光粒子の表面がランダムに形成された微細凹凸形状を有することが好ましい。応力発光粒子の微細凹凸が形成された箇所に応力が伝わりやすいものとすることができ、応力発光粒子を効率的に発光可能なものとすることができるからである。
上記凹凸形状は、凹凸の周期および深さがナノサイズから数ミクロンメートルサイズのものとすることができる。
上記応力発光粒子の平均一次粒径は、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜50μmの範囲内とすることができ、なかでも、5.0μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記粒径であることにより発光強度に優れた応力発光層とすることができるからである。
上記平均一次粒径は、レーザー回折散乱法を用いて測定する方法で求めることができる。レーザー回折散乱法は、粒子を分散媒に均一に分散し、次いで、粒子にレーザー光を照射することによる光の回析/散乱現象を利用するもので、その回折/散乱光の強度パターンが、粒子の大きさに依存しており、回析/散乱光の角度により異なる強度パターン(強度分布)が観測されて、フランホーファ回折理論や、ミー散乱理論を用いて、粒子径分布を求める方法である。レーザー回折散乱法を用いて上記平均一次粒径を求める場合、乾式でも湿式でも測定することができる。湿式で測定する場合は水またはエタノールを分散体として測定することができる。
また、レーザー回折散乱法に用いるレーザー光としては、半導体レーザー(波長680nm)等を用いることができる。
上記応力発光粒子は、耐水性向上のための耐水性材料を用いて形成された耐水性被膜によって被覆されていることが好ましい。水による応力発光材料の結晶構造の崩壊や、発光性の喪失を防ぐことができるからである。また、上記積層体の耐水性および耐候性等の向上を図ることができるからである。
なお、耐水性の評価方法として、例えば、JIS K 6404−3:2015における、所定の調整をした積層体を用いて、指定温度の温水を用いて、水浸試験を行う方法を用いることができる。なお、上記のJIS規格においては、水浸試験を4時間実施することとなっているが、本試験においては、積層体に含まれる応力発光層からの発光の発光強度が半減するまで、水浸試験を続け、その試験時間(水に浸す時間)を、応力発光粒子の発光強度が半減する時間と設定することで評価する方法を用いることができる。
また、耐水性が向上するとは、耐水性被膜が形成された応力発光粒子を用いた積層体の半減時間と、耐水性被膜が形成されていない応力発光粒子を用いた積層体の半減時間とを比較し、その半減時間が、2.0倍以上となることを意味する。
なお、耐水性被膜の形成回数を増やして、形成される耐水性被膜の厚さを厚くすればするほど、耐水性を向上させることができるが、その作業の煩雑さや、耐水性の向上効果が飽和することを考慮し、目的とする半減時間としては、2.0倍以上10倍以下であることが好ましい。
上記耐水性材料としては、応力発光粒子の耐水性を向上できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、シランカップリング剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属アルコキシド、金属酸化物等を挙げることができる。
これらの耐水性材料については、それぞれ単独で用いても良く、混合して用いても良い。混合して用いる場合、耐水性被膜は、複数の耐水性材料の混合物を用いて形成された1層のみからなるものであっても良く、耐水性材料の異なる層を複数層含むものであっても良い。
上記シランカップリング剤としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するもの、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ基を有するもの、P−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するもの、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有するもの、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリル基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するもの、さらには、トリメチルシリルクルロライド、ヘキサメチルジシラザン、BSTFA(N、O―ビスートリメチルシリルートリフルオロアセトアミド)、トリエチルシリルクロライド、クロロメチルトリメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、ヘキサメチルジシラン、N、N´−ビストリメチルシリル尿素等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート等のアクリル酸エステル樹脂、硝酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、アクリルアミド樹脂、およびポリスチレン樹脂等を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、およびフッ素化樹脂等が挙げられる。
上記金属アルコキシドを構成する金属元素としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、および、ケイ素を挙げることができる。
上記アルコキシドの種類としては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、オキシイソプロポキシド、ブトキシド等を用いることができる。
上記金属アルコキシドとしては、具体的には、テトラエトキシシランまたはテトラメトキシシランを部分的に加水分解および縮合することにより得られるエチルシリケートおよびメチルシリケート等を用いることができる。
本発明においては、上記金属アルコキシドが、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエチルシリケート、テトラメチルシリケート、アルミニウムトリイソプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド等であることが好ましい。応力発光粒子を耐水性に優れたものとすることができるからである。
上記金属酸化物としては、アルミナ、二酸化チタン等を挙げることができる。
上記耐水性被膜の厚みは、所望の耐水性を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜10μmの範囲内とすることができる。
上記耐水性被膜の形成方法としては、応力発光粒子の表面を覆う耐水性被膜を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記形成方法は、上記耐水性材料と、応力発光粒子とを混合する方法を用いることができる。
上記形成方法は、必要に応じて有機溶媒中で混合するものであっても良い。
上記形成方法は、上記耐水性材料が金属酸化物である場合には、化学的気相成長法(CVD法等)を用いることができる。
上記有機溶媒としては、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン、オキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等を好ましく用いることができ、なかでも、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤等を好ましく用いることができる。
上記有機溶媒の水分含有量としては、応力発光粒子への耐水性被膜の被覆が可能なものであれば特に限定されるものではないが、0.5質量%未満であることが好ましい。有機溶媒中の水分による応力発光粒子の発光特性の低下を抑制できるからである。
上記応力発光粒子の含有量としては、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、応力発光粒子の種類等によっても異なるものである。
上記含有量は、例えば、応力発光層中に1質量%〜50質量%の範囲内とすることができる。
上記応力発光粒子の含有量の種類が、1種類であること、すなわち、応力発光粒子の含有量が応力発光層内で均一であっても良いが、2種類以上であること、すなわち、上記応力発光層が上記応力発光粒子の含有量の異なる部位を有することが好ましい。応力発光層を発光強度の異なる領域を有するものとすることで、積層体を偽造防止効果等に優れたものとすることができるからである。
より具体的には、既に説明した図2における応力発光層2を、xで示される領域とyで示される領域とで応力発光粒子の含有量が異なるものとすることができる。
上記応力発光粒子の形成方法としては、所望の形状の応力発光粒子を形成できる方法であればよい。上記形成方法は、例えば、応力発光材料を構成する成分を含む応力発光材料組成物を焼成して、シート状の応力発光材料を形成し、次いで、粉砕および分級等することにより、応力発光粒子を得る方法を用いることができる。
シート状の応力発光材料の粉砕方法としては、ボールミル、ロッドミル、自生粉砕ミル、SAG(準自生粉砕)ミル、高圧粉砕ロール、縦軸インパクタ(VSI)ミル等の粉砕機を用いる方法を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、上記粉砕方法が縦軸インパクタ(VSI)ミルを用いる方法であることが好ましい。応力発光粒子の形状が複雑な形となりやすく、また、応力発光粒子の表面に粗い凹凸形状を形成し易いからである。
上記縦軸インパクタ(VSI)ミルは、衝撃歯を高速回転させ、衝撃力によって原料を粉砕する微粉砕機であり、例えば、直径100mm〜1000mmの回転盤を500回転/分〜10000回転/分で高速回転させるものを用いることができる。
なお、上記応力発光材料組成物の焼成方法等については、応力発光材料の形成に一般的に用いられる方法を使用できる。
(b)バインダ樹脂
上記バインダ樹脂としては、上記応力発光粒子を安定的に分散および固定でき、応力発光粒子から発光した光を透過可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂としては、例えば、上記「(a)応力発光粒子」の項に記載の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等と共重合させたもの、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の分子内にシロキサン結合やフッ素原子を導入したものも用いることができる。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用でき、さらに、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよい。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルトもしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができる。
上記電離放射線硬化性樹脂は、架橋構造を導入するかもしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
上記バインダ樹脂は、1種類のみを用いるものであっても良く、2種類以上を組み合わせて用いるものであっても良い。
例えば、上記バインダ樹脂が、応力発光粒子を覆うように配置された第1バインダ樹脂と、第1バインダ樹脂により覆われた応力発光粒子を分散する第2バインダ樹脂とを有するものとすることができる。
上記バインダ樹脂および上記応力発光粒子の屈折率差としては、応力発光粒子からの発光光をバインダ樹脂が透過できるものであれば特に限定されるものではないが、0.3以下であることが好ましく、なかでも、0.1以下であることが好ましい。上記屈折率差が上述の範囲内であることで、バインダ樹脂および応力発光粒子の界面における応力発光粒子からの発光光の反射率を小さくすることができる。このため、応力発光層を応力発光粒子からの発光光を効率よく透過可能なものとすることができるからである。
また、上記バインダ樹脂が第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂を含む場合には、上記第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂の間の屈折率差も小さいことが好ましい。第1バインダ樹脂と第2バインダ樹脂との界面における応力発光粒子からの発光光の反射率を小さくすることができるからである。具体的には、上記第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂の屈折率差は、上記バインダ樹脂および上記応力発光粒子屈折率の屈折率差と同様とすることができる。
上記バインダ樹脂の体積弾性率は、上記応力発光粒子の体積弾性率より大きいことが好ましい。積層体に応力を加えた際に、応力発光層に付加された変形を応力発光粒子に効果的に伝えることができ、応力発光層を発光効率に優れたものとすることができるからである。
(c)その他の成分
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を有するものであるが、必要に応じて他の材料を含有するものであっても良い。
上記他の材料としては、顔料等の着色材、硬化促進剤、滑剤、光安定剤、酸化安定剤、香料、紫外線吸収剤等の添加剤を挙げることができる。
また、上記他の材料は、上記バインダ樹脂が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である場合には、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、シリコーンオイル、シリコーンパウダー微粒子、フッ素パウダー微粒子を含むことができる。
上記フッ素化樹脂としては、完全フッ素化樹脂として四フッ素化樹脂、部分フッ素化樹脂として三フッ素化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ素化樹脂共重合体としてペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などを用いることができる。
なお、上記他の材料の含有量は、応力発光層を応力発光粒子から発光した光を透過可能なものとすることができる範囲内で調整することができる。
(2)レリーフホログラム
本発明における応力発光層は、応力が加えられた際に発光する機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、他の機能を有するものであっても良い。
例えば、上記応力発光層は、応力発光層にレリーフホログラムが記録されているものであり、表面に凹凸のレリーフを有するものとすることができる。応力発光層からの発光および応力発光層に記録されたレリーフホログラムによる偽造防止を図ることができ、さらに、上記応力発光層からの発光によって応力発光層に記録されたホログラム像を再生可能なものとすることもできる。
また、応力発光層の表面にレリーフホログラムが記録されていることにより、応力発光層の発光を直接凹凸のレリーフに到達させることができ、レリーフホログラムをより高精細に再生することができる。
このため、積層体は、偽造防止性および意匠性により優れたものとなるからである。
図3および図4は、本発明の積層体の他の例を示す概略断面図であり、積層体10が、レリーフホログラムが記録され、表面に凹凸のレリーフ12が形成された応力発光層2を有する例を示すものである。
なお、図3および図4中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記凹凸のレリーフの深さ、すなわち、隣接する凹部の底部および凸部の頂部の距離としては、所望のレリーフホログラム像が記録可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.01μm程度とすることができる。
また、上記凹凸のレリーフのピッチ、すなわち、隣接する凹部の底部間または隣接する凸部の頂部間の周期としては、所望のレリーフホログラム像が記録可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、1.0μm前後とすることができる。
なお、凹凸のレリーフの深さは、具体的には、図3中のgで示されるものであり、上記凹凸のレリーフのピッチは、具体的には、図3中のhで示されるものである。
上記応力発光層のレリーフホログラムの記録面、すなわち、凹凸のレリーフの形成面は、通常、上記応力発光層の一方の表面上のみである。
上記レリーフホログラムの上記応力発光層内の記録箇所は、例えば、応力発光層の全面であっても良く、応力発光層の一部であってもよい。
既に説明した図3および図4では、応力発光層2の基材1が形成されている面と反対側の表面に凹凸のレリーフ12が形成されるものであり、図3では、レリーフホログラムの記録箇所が応力発光層2の全面であり、図4では、レリーフホログラムの記録箇所が応力発光層2の一部の領域である例を示すものである。
上記応力発光層に記録されるレリーフホログラムの種類は、1種類のみ、すなわち、応力発光層に記録されたレリーフホログラムが1つの像を示すものであっても良いが、2種類以上含まれるもの、すなわち、応力発光層に記録されたレリーフホログラムが2以上の像を示すものであっても良い。
例えば、既に説明した図3においてxで示される領域とyで示される領域とにそれぞれ異なる種類のレリーフホログラムが記録されるものとすることができる。
上記応力発光層へのレリーフホログラムの記録方法としては、所望のホログラム像を再生可能な凹凸のレリーフを形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、従来既知の方法を用いることができる。
上記記録方法は、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型として用い、上記応力発光粒子およびバインダ樹脂等を含む応力発光層形成用層に上記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸のレリーフを応力発光層形成用層表面に転写することで、表面に凹凸のレリーフを有する応力発光層を形成する方法を挙げることができる。
また、上記積層体が、パターン状に形成された応力発光層と同一平面上に形成され、かつ、レリーフホログラムが記録された充填層を有する場合には、応力発光層および充填層に同時にレリーフホログラムの記録を行うものであっても良い。工程の簡略化を図ることができるからである。具体的には、上記記録方法は、同一平面上に形成された応力発光層形成用層および充填層形成用層に対して、原版を重ねて加熱圧着する方法等を用いることができる。
(3)その他
上記応力発光層は、パターン状に形成されていないもの、すなわち、応力発光層が基材の全面を覆うように形成されるものであっても良いが、パターン状に形成されることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、積層体に応力を加えた際に、応力発光層を平面視上パターン状に発光可能なものとすることができる。このため、上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、積層体は偽造防止効果等により優れたものとなるからである。
図5は本発明の積層体の他の例を示す概略平面図であり、図6は図5のA−A線断面図である。
既に説明した図1は、応力発光層2が基材1の全面に形成される例を示すものであり、図5および図6は、応力発光層2がパターン状に形成される例を示すものである。また、図5および図6では、応力発光層2がパターン状に形成されている領域以外には、応力発光層2と同一平面上に他の層が形成されていない例を示すものである。
なお、図5および図6中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、図5は、積層体10を内面側シーラント層3a側から観察した図であり、さらに、説明の容易のため、内面側シーラント層および外面側シーラント層の記載を省略するものである。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の平面視形状としては、本発明の積層体の種類および用途等に応じて適宜設定することができる。
例えば、応力発光層の平面視形状は、ドット状、ライン状等とすることができる。また、ドット状の応力発光層の平面視形状は、円形状、四角形状等の任意の形状とすることができる。
また、応力発光層の平面視形状は、記号、文字等を表わすものとすることができる。上記応力発光層の平面視形状は、例えば、ライン状の応力発光層を用いて文字等を表わすものとしたり、ドット状の応力発光層を用いて文字等を表わすものであっても良い。また、文字等を用いて所定の情報を表わすものであっても良い。
既に説明した図5および図6は、応力発光層2の平面視形状がライン状である場合の例を示すものである。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の幅としては、所望のパターン形状に発光可能なものであれば特に限定されるものではなく、本発明の積層体の種類および用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記応力発光層の厚みは、所望の発光強度の応力発光層とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜6μmの範囲内とすることができ、なかでも0.1μm〜4μmの範囲内であることが好ましい。
上記応力発光層は、応力発光粒子が発する所定の波長の光に対して透明性があればよい。
上記応力発光層の全光線透過率は、20%以上であることが好ましく、60%以上であることが好ましく、特に、90%以上であることが好ましい。応力発光層を発光強度に優れたものとすることが容易だからである。
ここで、上記応力発光層の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記応力発光層の形成数としては、1つの積層体に1層以上であればよいが、2層以上であること、すなわち、本発明の積層体が2層以上積層された応力発光層を有するものであっても良い。応力発光粒子の種類および含有量、応力発光層の平面視形状等の異なる応力発光層の形成を容易に行うことが可能となり、積層体は偽造防止効果等に優れたものとなるからである。
なお、既に説明した図2、図5および図6のように、同一平面上に形成された複数の応力発光層は、1層の応力発光層とみなすものである。
上記応力発光層は、上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の間に配置されるものである。このような応力発光層の厚み方向の配置箇所は、上記基材および上記内面側シーラント層の間、または、上記基材および上記外面側シーラント層の間とすることができる。
本発明においては、なかでも、上記配置箇所が、上記基材および上記内面側シーラント層の間であることが好ましい。上記配置箇所は、本発明の積層体を用いてチューブ容器の筒状胴体部を形成する際に、内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の融着ムラを抑制できるからである。また、上記配置箇所は、内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の融着の際に、応力発光層が剥離することを抑制できるからである。
また、上記応力発光層は、外面側シーラント層と直接接するように形成されるものであっても良く、他の層を介して外面側シーラント層の表面に形成されるものであっても良い。
なお、既に説明した図1〜図6は、上記配置箇所が、基材1および内面側シーラント層3aの間である例を示すものである。
上記応力発光層の形成方法としては、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有されているものとすることができる方法であれば特に限定されるものではない。
上記形成方法としては、例えば、応力発光層の構成材料である応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に分散または溶解することで応力発光インキを形成し、この応力発光インキを基材の表面に塗布し、その応力発光インキの塗膜から溶媒を乾燥により応力発光層を形成する方法を挙げることができる。
また、上記応力発光層がパターン状に形成される場合、上記形成方法は、応力発光インキを印刷法等を用いてパターン状に塗布する方法を用いることができる。
上記印刷法としては、所望のパターン形状の応力発光層を形成できる印刷法であれば特に限定されるものではないが、例えば、凹版、凸版、オフセット、スクリーン、グラビア、フレキソによる印刷若しくはインクジェット印刷、スプレー印刷またはコーティング等の印刷法を挙げることができる。
上記溶媒としては、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、t−ブチルセルソルブ等)、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン等)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチル−3−エトキシプロピオネート等)等を挙げることができる。
また、上記バインダ樹脂として、水溶性樹脂を用いた場合には、溶媒として、水および/または、メタノール、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール等の低級アルコール、グリコール類、セルソルブ類等を用いることができる。
上記応力発光インキの形成方法としては、応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に安定的に分散または溶解できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、バインダ樹脂を溶媒中に分散または溶解させた後、応力発光粒子を添加して撹拌する方法を挙げることができる。
上記乾燥の方法としては、溶媒を十分に除去できる方法であれば特に限定されるものではないが、自然乾燥、40℃〜80℃の接触加熱乾燥、40℃〜200℃の熱風乾燥、真空乾燥等の方法を用いることができる。また、上記乾燥の方法は、紫外線照射や、電子線照射による硬化反応を利用する乾燥等を単独で用いても、併用してもよい。
2.内面側シーラント層および外面側シーラント層
本発明における内面側シーラント層および外面側シーラント層(以下、両者を合わせて単に、シーラント層と称する場合がある。)は、基材および応力発光層を挟持するように形成されるものである。
内面側シーラント層および外面側シーラント層は、両シーラント層が相互に融着することにより、上記内面側シーラント層が内面側に配置され、上記外面側シーラント層が外面側に配置されたチューブ容器の筒状胴体部を形成するものである。
なお、シーラント層が内面側または外面側であることの確認方法としては、積層体に含まれる応力発光層、印刷層等により表示される画像の向き等を確認する方法を挙げることができる。
このようなシーラント層を構成する樹脂材料は、加熱によって溶融して、両シーラント層が相互に融着し得るものであればよい。
上記樹脂材料としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、上記樹脂材料が、線状低密度ポリエチレンであることが好ましい。線状低密度ポリエチレンは、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるからである。
上記樹脂材料は1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記内面側シーラント層および外面側シーラント層の厚みは、それぞれ、100μm〜210μmの範囲内とすることができる。
上記シーラント層の厚み方向の配置箇所は、基材および応力発光層の両者を挟持するように形成されるものであり、基材の応力発光層とは反対側の表面および応力発光層の基材とは反対側の表面にそれぞれ内面側シーラント層および外面側シーラント層が形成されるものとすることができる。
ここで、表面に形成されるとは、表面に直接接するように形成される態様に限定されず、他の層を介して形成される態様も含むものである。したがって、上記シーラント層は、上記基材または応力発光層と直接接するように配置されるものでも、他の層を介して配置されるものであっても良い。
上記シーラント層の基材または応力発光層の表面への形成方法としては、所望の厚みのシーラント層を形成可能な方法であればよい。
上記形成方法は、例えば、基材等の表面に接着層を介して上記構成材料をフィルム状に成型したシーラント層を配置し、次いで、シーラント層に対して加圧、加熱等を加える方法、基材等の表面に溶融状態の上記構成材料を塗布し、その塗膜を冷却固化することでシーラント層を形成する方法等を挙げることができる。
3.基材
本発明における基材は、内面側シーラント層の一方の表面に形成されるものである。
また、上記基材は、応力発光層およびシーラント層を支持するものである。
このような基材としては、二軸延伸ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂のフィルムないしシートを使用できる。
上記基材の厚みは10μm〜50μmの範囲内とすることができる。
4.その他の構成
本発明の積層体は、シーラント層、基材および応力発光層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
(1)充填層
本発明の積層体は、応力発光層がパターン状に形成されている場合に、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を含むことができる。パターン状に形成されている応力発光層の存在を目立たなくすることができ、積層体は、偽造防止効果等により優れたものとなるからである。
図7は、本発明の積層体の他の例を示す概略断面図であり、図8は図7のB−B線断面図である。図7および図8では、応力発光層2がパターン状に形成され、上記積層体10が応力発光層2と同一平面上に形成された充填層4を有する例を示すものである。
なお、図7および図8中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記充填層は、上記応力発光層と同一平面上に形成されるものである。
ここで、同一平面上に形成されるとは、応力発光層が形成されている平面と同一平面上に形成されることをいうものであり、平面視上、応力発光層が形成されていない箇所に形成されることをいうものである。
例えば、既に説明した図7および図8において、応力発光層2および充填層4の両者が上記基材1の同一表面上に基材1と接するように形成されるように、充填層4は、応力発光層2と共に、同一の部材の同一表面上に形成されるものとすることができる。
また、充填層は、上記応力発光層の存在を目立たなくするために用いられるものであり、充填層の形成により、充填層の形成前より応力発光層の存在を目立たないものとするものである。
上記充填層の色は、応力発光層の存在を目立たなくすることができるものであれば良く、単色であっても、多色であっても良いが、充填層の色を応力発光層の色と同系色、さらには同色とするとの観点からは、単色であることが好ましい。
上記充填層の色は、単色である場合、上記応力発光層の色と同系色であることが好ましく、なかでも、上記応力発光層の色と同色であることが好ましい。上記色が上述の色であることにより、上記充填層の色がパターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に目立たなくすることが可能となる等、積層体は偽造防止効果等により優れたものとなるからである。
同系色であるとは、JISZ8730に規定されるL表色系における色差が20以内の色であることをいうものである。また、同色であるとは、上記色差が0.5以内の色であることをいうものである。また、応力発光層の色は、発光していない状態での色をいうものである。
また、充填層の色は、充填層により絵柄を表わすものとし、応力発光層が形成された領域を絵柄の一部として認識されるもの等とするものであっても良い。積層体を意匠性に優れたものとしつつ、かつ、パターン状に形成された応力発光層の存在を目立たなくすることが可能となるからである。
上記充填層の構成材料は、所望の色の充填層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、樹脂材料を含むものとすることができる。また、上記構成材料は、必要に応じて、白色顔料およびその他の成分を含むものとすることができる。
本発明においては、なかでも、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点から、上記構成材料が白色顔料を有することが好ましい。応力発光層に含まれる応力発光粒子は、一般的に、白色であることから、白色顔料を有することで、充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に目立たなくすることができるからである。
上記白色顔料としては、応力を加えた際にも発光しない性質を有するものであればよく、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等を挙げることができる。
上記白色顔料の粒子径および含有量としては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることができるものであれば特に限定されるものではない。上記粒子径および含有量は、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の応力発光粒子の粒子径および含有量の内容と同様とすることができる。
上記樹脂材料は、一般的な樹脂材料を用いることができ、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載のバインダ樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
本発明においては、なかでも、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記樹脂材料が応力発光層に含まれるバインダ樹脂と同一であることが好ましい。充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に目立たなくすることができるからである。
また、上記その他の成分としては、樹脂材料と共に一般的に用いられる添加剤等を挙げることができ、上記「1.応力発光層」の項に記載の他の材料と同様の材料を用いることができる。
本発明においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記その他の成分が、上記応力発光層に含まれる他の材料と同一であることが好ましく、なかでも、上記その他の成分の上記樹脂材料に対する含有比率が、上記応力発光層に含まれる他の材料の上記応力発光層に含まれるバインダ樹脂に対する含有比率と同一であることが好ましい。
より具体的には、例えば上記応力発光層が着色材を含む場合、上記充填層は、上記応力発光層に含まれる着色材と同一の着色材を含むことが好ましく、さらに充填層における着色材の樹脂材料に対する含有比率は、上記応力発光層における着色材の上記バインダ樹脂に対する含有比率と同一であることが好ましい。充填層を応力発光層と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に目立たなくすることができるからである。
上記充填層は、上記応力発光層を目立たなくすることができるものであれば特に限定されるものではない。上記充填層の全光線透過率は、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。本発明においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記応力発光層と同一であることが好ましい。
上記充填層の厚みは、上記応力発光層を目立たなくすることができるものであれば特に限定されるものではない。上記厚みは、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。本発明においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記厚みは上記応力発光層の厚みと同一であることが好ましい。充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に目立たなくすることができるからである。
上記充填層の平面視上の形成箇所は、応力発光層が形成されていない箇所であれば特に限定されるものではなく、例えば、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含むものであって良く、応力発光層が形成されていない箇所の一部を含むものであっても良い。
既に説明した図7および図8は、応力発光層2および充填層4が直接接するように形成されるものであり、充填層4の平面視上の形成箇所が、応力発光層2が形成されていない箇所の全てを含む例を示すものである。
上記充填層の形成方法としては、上記充填層を上記応力発光層と同一平面上に安定的に形成できる方法であればよく、例えば、上記応力発光層の形成方法と同様の方法を用いることができる。
上記形成方法としては、例えば、充填層形成用インクを調製し、印刷法等を用いて充填層形成用インクの塗膜を形成し、次いで、塗膜を乾燥すること等により充填層を得る方法を挙げることができる。
また、応力発光層および充填層の形成順は特に限定されるものではなく、いずれを先に形成するものであっても良く、同時に形成するものであっても良い。
(2)ホログラム層
本発明の積層体は、ホログラムが記録されたホログラム層を含むことができる。応力発光層からの発光およびホログラム層に記録されたホログラムによる偽造防止を図ることができる。また、上記応力発光層からの発光によってホログラム層に記録されたホログラム像を再生可能なものとすることもできる。このため、積層体は、偽造防止性および意匠性により優れたものとなるからである。
図9は、本発明の積層体の他の例を示す概略断面図であり、基材1、ホログラム層5および応力発光層2がこの順で積層したものを示すものである。
本発明におけるホログラム層は、ホログラムが記録されたものである。
このようなホログラム層としては、本発明の積層体の種類および用途等に応じて適宜選択することができ、例えば、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層またはレリーフホログラムが記録されたレリーフホログラム層を用いることができる。
このような体積ホログラム層およびレリーフホログラム層としてはホログラム層として一般的に用いられるものと同様とすることができる。
具体的には、上記体積ホログラム層を構成する材料としては、光重合性材料を用いることができる。上記光重合性材料としては、所定の光が照射されることによって重合反応を進行させることができ、体積ホログラム層に干渉縞を形成することが可能なものであれば特に限定されるものではない。上記光重合性材料は、例えば、少なくともラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物の少なくとも一方が用いられることが好ましく、コントラストの高いホログラム像を記録することが可能になるという観点から、特にラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物とを併用することが好ましい。
また、上記体積ホログラム層への体積ホログラムの記録方法としては、上記材料等を含む体積ホログラム層形成用層に所定の干渉縞を記録できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、体積ホログラム層形成用層の一方の表面側から参照光を入射し、体積ホログラム層形成用層の他方の表面側から物体光を入射し、上記体積ホログラム層形成用層内においてこれらの光を干渉させることにより体積ホログラム層を形成する方法や、体積ホログラム層形成用層上にホログラム原版を配置し、体積ホログラム層形成用層のホログラム原版が配置された側とは反対側から光を入射することによって、当該入射光と上記ホログラム原版によって反射された反射光とを上記体積ホログラム層形成用層内において干渉させることにより体積ホログラム層を形成する方法等を挙げることができる。
上記体積ホログラム層の厚みは、所望のホログラム像を記録できる程度であれば特に限定されるものではないが、通常、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、なかでも3μm〜40μmの範囲内であることが好ましく、さらに5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
上記レリーフホログラム層を構成する材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂等を含むものを挙げることができる。
このような熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂については上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。また、上記材料は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂等をそれぞれ単独で、または混合して用いることもできる。
また、上記レリーフホログラム層へのレリーフホログラムの記録方法としては、上記の材料を用いて、従来既知の方法を用いることができる。上記記録方法は、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記凹凸のレリーフの深さおよびピッチは、所望のレリーフホログラムを記録できるものであれば特に限定されるものではなく、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記レリーフホログラム層の厚さは、所望のホログラム像を記録できる程度であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜6μmの範囲内とすることができ、なかでも0.1μm〜4μmの範囲内であることが好ましい。
上記レリーフの形成面は、ホログラム層の応力発光層側表面であっても良く、応力発光層が形成された面とは反対側表面であっても良い。
上記ホログラム層は、可視光を透過可能なものとすることができる。
上記ホログラム層の全光線透過率は、20%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
なお、透過率の測定方法は、上記「1.応力発光層」の項に記載の方法と同様とすることができる。
上記ホログラム層は、必要に応じて、顔料等の着色材を含むものであっても良い。
上記ホログラム層の厚み方向の配置箇所は、内面側シーラント層および外面側シーラント層の間とすることができるが、基材および内面側シーラント層の間であることが好ましい。上記配置箇所は、本発明の積層体を用いてチューブ容器の筒状胴体部を形成する際に、内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の融着の容易なものとすることができるからである。また、上記配置箇所は、内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の融着の際に、ホログラム層が剥離することを抑制できるからである。
上記配置箇所は、応力発光層および内面側シーラント層の間、および、応力発光層および外面側シーラント層の間のいずれであっても良い。
なお、既に説明した図9は、上記配置箇所が、基材1および内面側シーラント層3aの間であり、かつ、応力発光層2および内面側シーラント層3aの間である例を示すものである。
上記ホログラム層の平面視上の形成箇所は、ホログラムを再生でき、チューブ容器の形成を妨げないものであれば特に限定されるものではない。
上記形成箇所は、パターン状に形成されていないもの、すなわち、ホログラム層が基材の全面を覆うものであっても良く、基材の一部を覆うものであっても好ましい。
(3)蒸着層
本発明の積層体は、レリーフホログラムが記録された応力発光層または上記ホログラム層の凹凸のレリーフの形成面に接するように形成される蒸着層等を含むことができる。蒸着層を有することにより、応力発光層等のレリーフの形成面との間に屈折率差を容易に設けることができ、ホログラム像の再生をより容易に行うことができるからである。
図10は、本発明の積層体の他の例を示す概略断面図であり、基材1、蒸着層6、ホログラム層5および応力発光層2がこの順で積層する例を示すものである。また、図10では、ホログラム層5がレリーフホログラム層であり、ホログラム層5の応力発光層2が形成された面とは反対側の表面に凹凸のレリーフが形成され、レリーフの凹凸に沿って蒸着層6が形成されるものである。
上記蒸着層を構成する材料としては、レリーフホログラムが形成された応力発光層およびホログラム層との間で屈折率差を生じる材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Rb、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Au、Pb、もしくはBi等の金属、これらの金属の酸化物、もしくはこれらの金属の窒化物を単独でまたはこれらの材料を組み合わせたものを挙げることができる。
上記蒸着層の厚みは、所望の反射性、色調、デザイン、用途等の観点から適宜に設定でき、例えば、50Å〜1μmの範囲内であることが好ましく、なかでも100Å〜1000Åの範囲内であることが好ましい。
また、上記厚みは、蒸着層に透明性を持たせるとの観点からは、200Å以下であることが好ましく、蒸着層に隠ぺい性を持たせるとの観点からは、200Åを超える厚みであることが好ましい。
上記蒸着層の形成方法としては、一般的な蒸着層の形成方法を用いることができ、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を挙げることができる。
(4)バリア層
本発明の積層体は、金属膜または無機酸化物蒸着膜を有するバリア層を有するものであっても良い。
上記積層体が、上記バリア層が金属膜層または無機酸化物蒸着膜層を有するものであることにより、各種香料等の内容物の成分の漏出防止、酸素ガスおよび水蒸気等による内容物の劣化の防止、太陽光等による内容物の劣化の防止等を図ることができるからである。また、バリア層が金属膜を有するものである場合には、バリア層は上記積層体に金属光沢による意匠性を容易に付与できるからである。
図11は、本発明の積層体の他の例を示す概略断面図であり、基材1、応力発光層2およびバリア層7がこの順で積層したものを示すものである。
上記金属膜としては、金属材料を箔状とした金属箔、金属材料を膜状に蒸着した金属蒸着膜等を用いることができる。
上記金属膜を構成する金属材料としては、アルミニウム等を挙げることができる。
上記金属箔または金属蒸着膜の厚みとしては、9μm〜15μmの範囲内とすることができる。
上記無機酸化物蒸着膜を構成する無機酸化物材料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム等を挙げることができる。
上記無機酸化物蒸着膜の厚みとしては、例えば、10Å〜3000Åの範囲内とすることができ、なかでも、60Åv1000Åの範囲内であることが好ましい。
上記バリア層は、上記金属膜として金属蒸着膜を含む場合および上記無機酸化物蒸着膜を含む場合には、通常、支持用基材を有するものである。
支持用基材の構成材料としては、上記金属蒸着膜を安定的に形成可能なものであればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アセタ−ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等を挙げることができる。
支持用基材の厚みは、12μm〜20μmの範囲内とすることができる。
本発明において、上記支持用基材は、上記基材と別体であっても良く、上記基材と一体であるもの、すなわち、上記基材が支持用基材としても用いられるものであっても良い。上記基材が支持用基材としても用いられるものとすることで、積層体の構成を簡略化できるからである。
蒸着方法としては、所望の厚みの金属蒸着膜または無機酸化物蒸着膜を形成できる方法であればよく、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法クラスタ−イオンビ−ム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical VaporDeposition法、CVD法)等を挙げることができる。
上記バリア層は、応力発光層の発光を透過可能な透過性を有するものであっても、遮光性を有するものであっても良い。
上記バリア層が透過性を有する場合、上記バリア層の全光線透過率としては、上記「1.応力発光層」の項に記載の応力発光層の全光線透過率と同様とすることができる。
上記バリア層の厚み方向の配置箇所は、内面側シーラント層および外面側シーラント層の間とすることができる。例えば、上記配置箇所は、バリア層が透過性を有するものである場合には、応力発光層、ホログラム層および後述する印刷層より外面側シーラント層側であっても、内面側シーラント層側であっても良い。また、上記配置箇所は、上記バリア層が金属膜を含むものであり、遮光性を有するものである場合には、通常、応力発光層、ホログラム層および印刷層より内面側シーラント層側である。
本発明においては、なかでも、上記配置箇所が、基材および内面側シーラント層の間であることが好ましく、特に、応力発光層、ホログラム層および印刷層より内面側シーラント層側であること、すなわち、応力発光層、ホログラム層および印刷層のうち最も内面側シーラント層側の部材と内面側シーラント層との間であることが好ましい。上記配置箇所であることにより、上記積層体は、内容物の保護性に優れたものとなるからである。
なお、既に説明した図11は、バリア層7が基材1および内面側シーラント層3aの間に形成され、かつ、バリア層7が応力発光層2および内面側シーラント層3aの間に形成される例を示すものである。
(5)印刷層
本発明の積層体は、通常、文字や絵柄等の画像を表示する印刷層を有するものである。
本発明においては、上記印刷層を有することにより、上記積層体は、偽造防止性および意匠性に優れたものとなる。
図12および図13は、本発明の積層体の他の例を示す概略断面図であり、積層体10が印刷層8を有する例を示すものである。
このような印刷層としては、上記積層体に一般的に用いられるものを使用でき、例えば、着色材および樹脂材料を有するものとすることができる。
上記樹脂材料としては、例えばポリカーボネート類、ポリエステル類、セルロース誘導体、ノルボルネン系樹脂、ポリ塩化ビニル類、ポリ酢酸ビニル類、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリプロピレン系類、ポリエチレン系類、スチレン系類等の樹脂を用いることができる。
上記着色材としては、印刷層として一般的に用いられるものを使用でき、無機顔料および有機顔料等の顔料、酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属油溶性染料、および昇華性色素等の染料等を挙げることができる。
また、上記着色材としては、紫外線または赤外線を吸収することにより蛍光を発する紫外線発光材料および赤外線発光材料等の蛍光発光材料、偏光コレステリック高分子液晶顔料、ガラスビーズなど反射鏡となる粒子も用いることができる。
上記印刷層により表示される画像としては、本発明の積層体の用途等に応じて、適宜設定することができ、例えば、パターン、線画、文字、図形、記号等のみならず、単に全面が着色された態様も含むものである。
上記印刷層は、応力発光層の発光を透過可能な透過性を有するものであっても、遮光性を有するものであっても良い。
上記印刷層の厚み方向の配置箇所は、内面側シーラント層および外面側シーラント層の間とすることができるが、なかでも、基材および内面側シーラント層の間であることが好ましい。上記配置箇所は、本発明の積層体を用いてチューブ容器の筒状胴体部を形成する際に、内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の融着の容易なものとすることができるからである。また、上記配置箇所は、内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の融着の際に、印刷層が剥離することを抑制できるからである。
上記配置箇所は、応力発光層および内面側シーラント層の間、および、上記応力発光層および外面側シーラント層の間のいずれであっても良い。上記配置箇所が応力発光層および内面側シーラント層の間である場合には、上記印刷層は、応力発光層からの発光により照らし出されるものとすることができる。また、上記配置箇所が応力発光層および外面側シーラント層の間である場合には、上記印刷層として遮光性を有するものを使用することで、印刷層は、応力発光層をパターニングすることなく、応力発光層をパターン状に発光可能とすることができる。また、上記印刷層として透過性を有するものを使用することで、印刷層は、応力発光層からの発光の色合いを変えることができる。
なお、既に説明した図12および図13は、上記配置箇所が基材1および内面側シーラント層3aの間である例を示すものである。
また、既に説明した図12は、上記配置箇所が、応力発光層2および外面側シーラント層3bの間である例を示し、図13は、上記配置箇所が、応力発光層2および内面側シーラント層3bの間である例を示すものである。
上記印刷層の形成方法、すなわち、印刷方法としては、活版印刷法、フレキソ印刷法、シルク印刷法などの通常の印刷方法を用いることができるが、中でも活版印刷法が製造コストが安価であり、印刷した文字や絵柄が美麗である点で好ましい。
(6)接着層
本発明の積層体は、上記各構成間を接着する接着層を有するものとすることができる。
このような接着層を構成する接着剤としては、上記積層体に一般的に用いられるものを使用でき、例えば、圧力を付与することで接着効果を発揮する感圧接着剤、加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤等を挙げることができる。
また、上記接着剤としては、2液硬化型ウレタン系接着剤等の2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤等の公知の接着剤を用いることができる。
上記感熱接着剤としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポエイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、あるいはエチレン−アクリル酸共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、あるいはそれらを変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
また、上記感圧接着剤としては、例えば、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエ−テルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エボキシ系接着剤、ゴム系接着剤、その他等を使用することができる。
上記接着層の厚みについては、用いる接着剤の種類等に応じて適宜設定されるものである。
上記接着層の各部材間に配置する方法については、上記接着層を構成する接着剤の種類によっても異なるものであるが、上記接着剤を用いて予めフィルム状に成型したフィルム状接着層を接着させる部材間に配置する方法、接着する一方の部材の表面に流動状態の接着剤を塗布し、硬化させる方法等を挙げることができる。
上記接着剤が感熱接着剤である場合、上記接着層を配置する方法としては、接着剤を加熱し溶融状態として塗布し冷却固化する方法を挙げることができる。
5.製造方法
本発明の積層体の製造方法としては、上記各構成を所望の積層順で積層できる方法であればよく、例えば、後述する「C.チューブ容器用積層体の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができる。
B.チューブ容器
次に、本発明のチューブ容器について説明する。
本発明のチューブ容器は、内面側シーラント層と、上記内面側シーラント層の一方の表面に形成された基材と、上記基材の上記内面側シーラント層とは反対側の表面に形成された外面側シーラント層と、を有するチューブ容器用積層体の上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の端部同士が融着した筒状胴体部と、上記筒状胴体部の一方の開口部に接合され、肩部および口頸部を含む頭部と、を有し、上記チューブ容器用積層体は、上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の間に配置され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有することを特徴とするものである。
このような本発明のチューブ容器について図面を参照して説明する。図14は、本発明のチューブ容器の一例を示す概略図である。図14に例示するように、本発明のチューブ容器20は、内面側シーラント層と、上記内面側シーラント層の一方の表面に形成された基材と、上記基材の上記内面側シーラント層とは反対側の表面に形成された外面側シーラント層と、を有する積層体の上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の端部同士が融着し、上記内面側シーラント層が内面側に配置され、上記外面側シーラント層が外面側に配置された筒状胴体部21と、上記筒状胴体部21の一方の開口部に接合され、肩部22および口頸部23を含む頭部と、を有し、上記積層体は、上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の間に配置され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有するものである。
本発明によれば、上記積層体が応力発光層を有することにより、応力を加えた際に発光可能なチューブ容器となる。
このため、上記チューブ容器は、偽造防止性および意匠性に優れたものとなる。
本発明のチューブ容器は、筒状胴体部および頭部を有するものである。
以下、本発明のチューブ容器の各構成について説明する。
1.筒状胴体部
本発明における筒状胴体部は、内面側シーラント層と、上記内面側シーラント層の一方の表面に形成された基材と、上記基材の上記内面側シーラント層とは反対側の表面に形成された外面側シーラント層と、を有するチューブ容器用積層体の上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の端部同士が融着したものである。
上記筒状胴体部は、上記内面側シーラント層が内面側に配置され、上記外面側シーラント層が外面側に配置されるものである。
また、上記チューブ容器用積層体は、上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の間に配置され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有するものである。
なお、上記筒状胴体部を構成する積層体は、上記「A.チューブ容器用積層体」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記筒状胴体部は、上記積層体の上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の端部同士が融着した筒状の部材である。
上記シーラント層の端部の幅、すなわち、シール領域の幅については、本発明のチューブ容器のサイズおよび用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記筒状胴体部は両端に2つの開口部を有し、その内の一方の開口部に頭部が接合され、他方の開口部(以下、反対側開口部と称する場合がある。)は開口状態のままであり、内容物の充填口として用いられる。
上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層を融着する方法としては、上記内面側シーラント層および上記外面側シーラント層の端部同士、すなわち、シール領域同士を、重ね合わせた状態で融着できる方法であればよく、例えば、ヒートシール法、高周波シール法等を挙げることができる。
2.頭部
本発明における頭部は、上記筒状胴体部の一方の開口部に接合されているものである。
上記頭部は、肩部および口頸部を含むものである。
上記肩部および口頸部の構成材料としては、樹脂材料等の一般的なチューブ容器に用いられるものを用いることができ、より具体的には、高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
上記頭部の上記筒状胴体部との接合は、上記筒状胴体部の一方の開口部を封止可能なものであればよく、例えば、筒状胴体部に含まれる内面側シーラント層と頭部の外表面とが融着したものとすることができる。
上記頭部の筒状胴体部との接合方法としては、一般的なチューブ容器の製造方法と同様とすることができ、筒状胴体部および頭部を接触させた状態で両者の接触部を加熱および加圧する方法を挙げることができる。
また、上記接合方法は、予め成型した頭部を筒状胴体部に接合する方法であっても良いが、頭部を射出成型等の成型法により成型すると同時に筒状胴体部に接合する方法であっても良い。
3.チューブ容器
本発明のチューブ容器は、上記筒状胴体部と頭部とを有するものである。
上記チューブ容器は、通常、頭部に含まれる口頸部がキャップにより封止された状態で、反対側開口部から内容物が筒状胴体部内に充填され、次いで、反対側開口部がヒートシール等によりシールされることにより、内容物入りチューブ容器として販売されるものである。
C.チューブ容器用積層体の製造方法
次に、本発明のチューブ容器用積層体の製造方法について説明する。
本発明のチューブ容器用積層体の製造方法は、基材の一方の表面に、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を形成する応力発光層形成工程と、上記基材および上記応力発光層を内面側シーラント層および外面側シーラント層により挟持するシーラント層形成工程と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明の積層体の製造方法について図面を参照して説明する。図15は、本発明の積層体の製造方法の一例を示す工程図である。図15に例示するように、本発明の積層体の製造方法は、基材1を準備し、基材1の一方の表面に応力発光層を形成可能な応力発光インキ2aを塗布し(図15(a))、次いで、応力発光インキの塗膜から溶媒を乾燥により除去することにより、応力発光層2を形成し(図15(b))、次いで、上記基材1および応力発光層2を挟持するように接着層(図示せず)を形成、すなわち、上記基材1の応力発光層2とは反対側の表面および上記応力発光層2の上記基材1とは反対側の表面に接着層(図示せず)を形成し、次いで、上記接着層を介して予めフィルム状に成型された内面側シーラント層3aおよび外面側シーラント層3bを接着することにより、上記基材1および応力発光層2が内面側シーラント層3aおよび外面側シーラント層3bにより挟持された積層体10を得る方法である(図15(c))。
なお、図15(a)および(b)が応力発光層形成工程であり、図15(c)がシーラント層形成工程である。
本発明によれば、上記応力発光層形成工程およびシーラント層形成工程を有することにより、応力を加えた際に発光可能なチューブ容器を形成可能な積層体を得ることができる。
本発明のチューブ容器用積層体の製造方法は、応力発光層形成工程およびシーラント層形成工程を有するものである。
以下、本発明のチューブ容器用積層体の製造方法の各工程について説明する。
1.応力発光層形成工程
本発明における応力発光層形成工程は、基材の一方の表面に、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を形成する工程である。
本工程における基材の一方の表面に、応力発光層を形成する方法については、上記「A.チューブ容器用積層体」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、本工程により形成される応力発光層についても、上記「A.チューブ容器用積層体」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.シーラント層形成工程
本発明におけるシーラント層形成工程は、上記基材および上記応力発光層を内面側シーラント層および外面側シーラント層により挟持する工程である。
本工程における上記基材および上記応力発光層を内面側シーラント層および外面側シーラント層により挟持する方法については、基材の応力発光層とは反対側の表面および応力発光層の基材とは反対側の表面にそれぞれ内面側シーラント層および外面側シーラント層を形成する方法を挙げることができる。
また、上記基材等の表面にシーラント層を形成する方法については、上記「A.チューブ容器用積層体」の項に記載のシーラント層の形成方法と内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程において用いられる基材およびシーラント層についても、上記「A.チューブ容器用積層体」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.チューブ容器用積層体の製造方法
本発明の積層体の製造方法は、上記応力発光層形成工程およびシーラント層形成工程を有するものであるが、必要に応じて、その他の工程を有するものであっても良い。
上記その他の工程としては、例えば、上記シーラント層形成工程前に、ホログラム層、蒸着層、バリア層、充填層、印刷層および接着層等を形成する工程を挙げることができる。
なお、上記ホログラム層等のその他の構成の形成方法については、各構成の一般的な形成方法を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
以下の手順により本発明の積層体及びチューブ容器を作製した。
(1)基材となる厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、フレキソ印刷法により、応力発光インキを星柄の絵柄に10μmの厚さで印刷し、パターン状の応力発光層を形成した。
(2)次に、応力発光層の絵柄をポジとしたときにネガとなるような絵柄を大日精化製KR−V02ハーフマット(NT)で印刷することにより、充填層を形成した。応力発光インキとKR−V02ハーフマット(NT)は同系色である。
(3)次に、この応力発光層の基材とは反対側の表面上に2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ15μmのアルミ箔をラミネートしバリア層を形成した。
(4)次に、上記アルミ箔上に2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚さ130μmの線状低密度ポリエチレンフィルムをラミネートし、内面側シーラント層を形成した。
(5)次に、基材の応力発光層が形成された側とは反対側の表面に、2液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を介して厚み130μmの線状低密度ポリエチレンフィルムをラミネートし、外面側シーラント層を形成し、本発明の積層体を作製した。
(6)次に、外面側シーラント層が外側になるように、積層体の端部で、外面側シーラント層および内面側シーラント層を重ね合わせ、対向面をインパルスシールして筒状胴体部を構成した。
(7)最後に、筒状胴体部の一方の開口部に高密度ポリエチレンをコンプレッション成型し、肩部および口頸部を含む頭部を接合して本発明のチューブ容器を作製した。
(評価)
実施例1で製造したチューブ容器について、目視により評価を行ったところ、チューブ容器に応力を付与していない状態では筒状胴体部の全面が乳白色に見え、星柄の絵柄は観察されなかった。
チューブ容器を湾曲させて目視により観察したところ、チューブ容器の湾曲部分に星柄の絵柄の発光が観察された。
1 … 基材
2 … 応力発光層
3a … 内面側シーラント層
3b … 外面側シーラント層
4 … 充填層
5 … ホログラム層
6 … 蒸着層
7 … バリア層
8 … 印刷層
10 … チューブ容器用積層体
12 … 凹凸のレリーフ
20 … チューブ容器
21 … 筒状胴体部
22 … 肩部
23 … 口頸部

Claims (3)

  1. 内面側シーラント層と、
    前記内面側シーラント層の一方の表面に形成された基材と、
    前記基材の前記内面側シーラント層とは反対側の表面に形成された外面側シーラント層と、
    前記内面側シーラント層および前記外面側シーラント層の間に配置され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、
    を有し、
    前記応力発光層が、前記基材と前記内面側シーラント層との間に配置されているチューブ容器用積層体であって、
    前記応力発光層がパターン状に形成されており、前記チューブ容器用積層体が、前記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を有することを特徴とするチューブ容器用積層体。
  2. 内面側シーラント層と、前記内面側シーラント層の一方の表面に形成された基材と、前記基材の前記内面側シーラント層とは反対側の表面に形成された外面側シーラント層と、を有するチューブ容器用積層体の前記内面側シーラント層および前記外面側シーラント層の端部同士が融着した筒状胴体部と、
    前記筒状胴体部の一方の開口部に接合され、肩部および口頸部を含む頭部と、
    を有し、
    前記チューブ容器用積層体は、前記内面側シーラント層および前記外面側シーラント層の間に配置され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有し、
    前記応力発光層が、前記基材と前記内面側シーラント層との間に配置されており、
    前記応力発光層がパターン状に形成されており、前記チューブ容器用積層体が、前記応力発光層と同一平面上に形成された充填層をさらに有することを特徴とするチューブ容器。
  3. 基材の一方の表面に、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を形成する応力発光層形成工程と、
    前記応力発光層が前記基材と前記内面側シーラント層との間に配置されるように、前記基材および前記応力発光層を内面側シーラント層および外面側シーラント層により挟持するシーラント層形成工程と、
    を有するチューブ容器用積層体の製造方法であって、
    前記応力発光層形成工程では、前記応力発光層をパターン状に形成し、
    前記応力発光層工程および前記シーラント層形成工程の間に、前記応力発光層と同一平面上に充填層を形成する充填層形成工程をさらに有することを特徴とするチューブ容器用積層体の製造方法。
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