JP6771715B2 - 相溶組成物、接着剤組成物、複合構造物並びに複合構造物の製造方法及び解体方法 - Google Patents
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Description
高温と低温の間で、その状態が液状とゲル状とに可逆的に変化する相溶組成物、
高温下で液状となり容易に部材に塗工でき、低温下でゲル状となり部材同士を接着でき、再度高温にすると液状となって部材同士の接着を容易に解除できる接着剤組成物、
ゲル状となった接着剤組成物で接着された部材を含む複合構造物及びその製造方法、
並びに、
ゲル状となった接着剤組成物を、高温下で液状化して除去する前記複合構造物の解体方法を提供することを課題とする。
〔1〕ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記ブロック共重合体化合物は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのブロック共重合体であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が50℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が−100℃以上50℃以下であり、
前記ブロック共重合体化合物は、0〜150℃の間で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
前記相溶組成物は、0〜150℃の間で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物、
〔2〕前項〔1〕記載の相溶組成物を配合してなる接着剤組成物、
〔3〕部材1及び部材2を含む複合構造物であって、
前記部材1及び前記部材2が前項〔2〕記載の接着剤組成物を介して接着している複合構造物、
〔4〕部材1及び部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
前項〔1〕記載の温度Tcよりも高温の温度環境で、
前記部材1と前記部材2を、前記接着剤組成物を介して貼り合わせる工程1と、
前記工程1の後、前記温度環境を前記温度Tcよりも低温にして前項〔3〕記載の複合構造物を得る工程2とを有する複合構造物の製造方法、
〔5〕前記温度環境を前記温度Tcよりも高温にして、前記部材1及び前記部材2の前記接着剤組成物を介しての接着を解除して、前記部材1と前記部材2とを離隔する、前項〔3〕記載の複合構造物の解体方法、
〔6〕部材1及び部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
前記製造方法が、
前項〔1〕記載の温度Tcよりも低温の温度環境で、
前記部材1と前記部材2を、ゲル状の前記相溶組成物が粘着性を有する弾性体で、かつ
熱硬化性、光硬化性及び湿硬化性からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性を有する相溶組成物を配合してなる前項〔2〕記載の接着剤組成物を介して貼り合わせる工程1’と、
前記工程1’の後、前記接着剤組成物を熱硬化、光硬化及び湿硬化からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化をさせて前項〔3〕記載の複合構造物を得る工程2’とを有する複合構造物の製造方法、及び、
〔7〕部材1及び部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
前記製造方法が、
前項〔1〕記載の相溶組成物であって、ゲル状の前記相溶組成物が粘着性を有する弾性体であり、熱硬化性、光硬化性及び湿硬化性からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性を有する相溶組成物を配合してなる前項〔2〕記載の接着剤組成物を熱硬化、光硬化及び湿硬化からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化をさせて粘着硬化体を得る工程1”と、
前記部材1と前記部材2を、前記粘着硬化体を介して貼り合わせて前項〔3〕記載の複合構造物を得る工程2”とを有する複合構造物の製造方法である。
高温と低温の間で、その状態が液状とゲル状とに可逆的に変化する相溶組成物、
高温下で液状となり容易に部材に塗工でき、低温下でゲル状となり部材同士を接着でき、再度高温にすると液状となって部材同士の接着を容易に解除できる接着剤組成物、
ゲル状となった接着剤組成物で接着された部材を含む複合構造物及びその製造方法、
並びに、
ゲル状となった接着剤組成物を、高温下で液状化して除去する前記複合構造物の解体方法を提供することができる。
(化合物A)
本発明におけるブロック共重合体化合物(以下、化合物Aという)は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのブロック共重合体であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が50℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が−100℃以上50℃以下であり、
前記ブロック共重合体化合物は、0〜150℃の間で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さない。
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物であり、
より好ましくは、メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)及びアクリル酸n−ブチル(ブチルアクリレート)の組み合わせであって、
それぞれの化合物が単独で重合物を構成したときに示すTgに基づいて、重合体ブロックa又は重合体ブロックbの構成単位とする。
重合物a、重合物b及び化合物Aのそれぞれについて、200℃に設定した神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力で0.5mm厚みにシート成形する。その後、動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×0.5mmの短冊片を切り出す。
セイコーインスツルメンツ社製動的粘弾性装置(DMS6100)を使用し、
引っ貼りモードにて、−100℃〜200℃の温度範囲(昇温速度3℃/分)、周波数11Hzなる条件で測定して得られたチャートにおける、
tanδのピーク温度を読み取って短冊片を構成する重合物a、重合物b及び化合物Aそれぞれのガラス転移点とする。
重合体ブロックbの両末端に前記重合体ブロックaが結合したトリブロック構造を少なくとも1つ有することが好ましく、
トリブロック構造だけで構成されていることがより好ましいが、
0〜150℃の間で、化合物Aが液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
後述する相溶組成物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する範囲で、
トリブロック構造以外の構造(例えば、重合体ブロックaと重合体ブロックbが結合するジブロック構造)が含まれてよい。
化合物Aは、後述するゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、重合体ブロックaと重合体ブロックbとのブロック共重合体の末端又は側鎖に、ラジカル反応性基、カチオン反応性基、アニオン反応性基及び湿気反応性基からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有することによって反応性がさらに付与されていることが好ましい。
好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル基、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレイミド及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の、
より好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の、
更に好ましくは、(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル反応性基である。
好ましくは、エポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン反応性基である。
(化合物B)
本発明における媒質(以下、化合物Bという)は、化合物Aと相溶して、温度0〜150℃の間で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する本発明の相溶組成物(以下、相溶組成物ともいう)を構成する化合物である。
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、イソデシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート及び4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル基、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレイミド及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の、
より好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の、
更に好ましくは、(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル反応性基(ラジカル反応の速度と安定性の観点からは好ましくは2官能以上の多官能)を有する反応性化合物である。
好ましくは、エポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン反応性を有する反応性化合物である。
ラジカル反応性基を有する化合物Aとラジカル反応性化合物である化合物Bとの組合せ、
カチオン反応性基を有する化合物Aとカチオン反応性化合物である化合物Bとの組合せ、
アニオン反応性基を有する化合物Aとアニオン反応性化合物である化合物Bとの組合せ、及び、
湿気反応性基を有する化合物Aと湿気反応性化合物である化合物Bとの組合せからなる群から選ばれる少なくとも1の組合せによって相溶性組成物を構成する。
好ましくは、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−メチルチオ]フェニル]−2−モルホリノプロパンー1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン、2,4−ジエチルチオキサントン、2ークロロチオキサントン、エチルアントラキノン、ベンゾフェノンアンモニウム塩、チオキサントンアンモニウム塩、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、1,4ジベンゾイルベンゼン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2,2’ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)1,2’−ビイミダゾール、2,2’ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイル ビフェニル、4−ベンゾイルジフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、o−メチルベンゾイルベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル、活性ターシャリアミン、カルバゾール・フェノン系光反応開始剤化合物、アクリジン系光反応開始剤化合物、及び、トリアジン系光反応開始剤化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
より好ましくは、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン及び/又は2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシドである。
好ましくはアリールジアゾニウム塩、ジアリールハロニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリホスホニウム塩、鉄アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノールアルミニウム錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種のイオン性光酸発生剤化合物、並びに/又は、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、燐酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン及びN−ヒドロキシイミドスルホナートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非イオン性光酸発生剤化合物である。
好ましくは、1,10−ジアミノデカン、4,4’−トリメチレンジピペラジン、カルバメート類化合物及びその誘導体、コバルト−アミン錯体類化合物、アミノオキシイミノ類化合物及びアンモニウムボレート類化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、シラノール縮合触媒としてテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナート及びビスアセチルアセトナトジイソプロポキシチタンからなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジメチルマレエート、ジブチル錫ジエチルマレエート、ジブチル錫ジブチルマレエート、ジブチル錫ジオクチルマレエート、ジブチル錫ジトリデシルマレエート、ジブチル錫ジベンジルマレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジエチルマレエート、ジオクチル錫ジオクチルマレエート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジノニルフェノキサイド、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセトナート、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物及びジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物からなる群から選ばれる少なくとも1種の4価の有機錫化合物、
アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機アルミニウム化合物、
ジルコニウムテトラアセチルアセトナートなどのジルコニウム化合物、
アミン系化合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミン系化合物との反応物、飽和または不飽和の多価カルボン酸またはその酸無水物、カルボン酸化合物とアミン系化合物との塩など反応物、オクチル酸鉛、並びに、
イソシアネート反応触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン及びジメチルエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアミン類化合物、
トリエチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類化合物、
ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクトエート及びジブチル錫ジエチルヘキサノレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機スズ化合物、
ジ(2−エチルヘキサン酸)鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、並びに、ナフテン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
化合物Aとの相溶組成物が流動性を有することができる可塑剤としては、
好ましくは、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル;
アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジイソノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル等の多価カルボン酸エステル;
安息香酸アルキル;
トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル;
トリメリット酸エステル;
(水添)ポリイソプレン、水酸基含有(水添)ポリイソプレン、(水添)ポリブタジエン、水酸基含有(水添)ポリブタジエン、ポリブテン等のゴム系ポリマー;
熱可塑性エラストマー;
石油樹脂;
脂環族飽和炭化水素樹脂;
テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;
ロジンフェノール等のロジン系樹脂;
不均化ロジンエステル系樹脂、重合ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂等のロジンエステル系樹脂;
キシレン樹脂;及び
アクリルポリマー、アクリルコポリマー等のアクリル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、多価カルボン酸エステル及びロジンエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン、n−ヘキサン、メチルシクロヘキサン、スチレンなどの炭化水素類;
ジエチルエーテルなどのエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸プロピレンなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの窒素類;
ブチルグリコール、メチルジグリコール、ブチルジグリコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラヒドロフランなどのグリコールエーテル類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどの塩素類;
ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;ギ酸、酢酸等のカルボン酸類;及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、アルコール類、炭化水素類、エステル類及びケトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
更に好ましくは、アセトン、ヘキサン、イソプロピルアルコール及び炭酸ジエチルからなる群から選ぶことができる。
化合物Aとの相溶組成物を容易に製造する観点から、化合物Bの粘度は、
好ましくは0.001〜10Pa・sであり、より好ましくは0.001〜1Pa・sであり、更に好ましくは0.001〜0.5Pa・sである。
好ましくは0.1〜100Pa・sであり、より好ましくは0.3〜50Pa・sであり、更に好ましくは0.5〜10Pa・sである。
化合物Aと化合物Bとが相溶してなる相溶組成物は、温度0〜150℃の間で、
化合物Aは液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
相溶組成物は液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物である。
相溶組成物の貯蔵剛性率G‘と損失剛性率G“は、
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、
150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。
実施例1の場合、貯蔵剛性率G‘と損失剛性率G“とが等しくなる温度(貯蔵剛性率G‘曲線と損失剛性率G“曲線とが交わる温度)39℃が、相溶組成物についての温度Tcとなる。
温度Tc以上(好ましくは温度Tcよりも10℃以上高温、より好ましくは温度Tcよりも15℃以上高温、更に好ましくは温度Tcよりも20℃以上高温)の温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上滴下すると自然流動する液状体であるが、
温度Tc未満(好ましくは温度Tcよりも10℃以上低温、より好ましくは温度Tcよりも15℃以上低温、更に好ましくは温度Tcよりも20℃以上低温)の温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上静置しても流動しないゲル状体である。
重合物aのTgが高い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、化合物Bの配合比率を少なくすると、高温側に設定でき、
重合物aのTgが低い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、化合物Bの配合比率を大きくすると、低温側に設定できる。
温度Tcより高温で液状の相溶組成物を部材上に塗工し、相溶組成物を介して部材同士を貼合せて、温度Tcより低温にすると、部材同士は、ゲル状の相溶組成物を介して安定に接着されるが、再び、温度Tcより高温にすると、相溶組成物がゲル状から液状に変化するため、部材同士を容易に分離した状態にすることができる。
相溶性組成物は、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
室温(25℃)おいて、弾性率が0.3kPa未満の場合は、温度Tc−20℃において、好ましくは0.5〜500kPa、より好ましくは1〜200kPaである。
好ましくは10〜1000%、より好ましくは30〜800%、更に好ましくは50〜500%であり、
シートを構成できる程度の破壊強度として、
好ましくは1×102〜1×107Pa、より好ましくは1×102〜1×106Pa、更に好ましくは1×103〜1×105Paである。
(2)ダンベル試験片を引張試験機(ミネベア製テクノグラフ、TG−2kN)にて10mm/minの引張り速度で引張り、測定結果から伸び率及び破断強度を読み取る。
(1−1)破損したガラスの飛散を防止するための飛散防止フィルムと保護ガラスを粘着シートで貼り合わせた積層体;
(1−2)液晶パネルの破損防止および光反射防止のための保護パネルと液晶パネルを粘着シートまたは硬化性液状接着剤で貼り合わせた積層体;
(1−3)機能性部材を粘着シートまたは硬化性液状接着剤で貼り合わせて積層したタッチセンサーパネル(フィルム);
(1−4)複数の光学フィルムを粘着シートで貼り合わせて積層したバックライト。
(3)破損ガラスの飛散防止および衝撃強度改善のために粘着シートまたは硬化性液状接着剤で貼り合わせた建築用の防犯ガラスや安全ガラス。
(4)受光面材と裏面材の封止のために粘着シートまたは硬化性液状接着剤で貼り合わせた太陽電池モジュール。
(5)強度改善のために粘着シートまたは硬化性液状接着剤で貼り合わせた包装用フィルム。
(A)基材に段差がある場合に気泡が残りやすい。
(B)リペアが困難である。
(C)薄いシートの取り扱いが困難である。
(D)溶剤型粘着剤は厚いシートの作成が困難であるため、耐衝撃性が必要な車載用途での使用に対応が困難である。
(E)粘着シートの厚みに対して部材側の段差が相対的に大きい、例えば、貼り合わせ厚みが薄い場合や段差が大きい場合に積層体の貼り合わせの困難性が解消しない。
(F)段差吸収のために低弾性化すると粘着シートの取り扱いが困難になる。
(G)貼り合わせた時に接着範囲から流れ出すため他部材への汚染や搬送時のアライメントズレの管理がし難い。
(a)硬化性液状接着剤の塗工域の外周にダムを形成樹脂の流れ出しを抑止する。
(b)流れてきた硬化性液状接着剤を光で硬化して止める。
(c)外周を封止された基板間に、例えば真空引きで液硬化性液状接着剤を注入する。
(d)チキソ性を付与した硬化性液状接着剤を用いる(ステンシル方式)。
(e)部材上に均一に硬化性液状接着剤の層を形成したあとUVを照射して流動性を制御してから貼り合せる。
(f)基材の段差を硬化性液状接着剤でキャンセルした後、粘着シートで貼り合せる。
(g)粘着シート上に硬化性液状接着剤を滴下してから貼り合せる。
(H)工法(a)は、ダムの形状が半円状となるためダムの外側に樹脂欠損(空隙)ができる、用いたダムと硬化性液状接着剤によっては境界線が発生して、ダムと硬化性液状接着剤の界面で剥離しやすい。
(I)工法(b)は、流れてきた樹脂を光で硬化して止める方法は、光が照射できない箇所の流れ出しを止めることができないため、基材の形状や材質に制限がある。
(J)工法(c)はプロセスが複雑な上に注入工程のタクトタイムの管理が困難である。
(K)工法(d)は工程が複雑になり、チキソ付与剤にフィラーを使用する場合が多く、外観不良(フィラー凝集、気泡)による歩留まり低下する。
(L)工法(e)は、流れ出しと気泡と強度を考慮した流動性の制御が困難である。
例えば、以下の困難が発生しうる:
・基材に形成した液状の層は表面張力の影響を受けて端部に盛り上がりが発生するため、貼りあわせ前に層の流動性を低下(硬化)させすぎると、貼り合せた時に盛り上りの段差箇所に気泡が発生する;
・貼りあわせる時、端部の盛り上りがキャンセルされるまで厚み方向に押し込んで貼り合せる必要があるが、層の流動性を低下させすぎた場合はプレスバックによる強度低下が生じ、反対に流動性を残しすぎた場合は流れ出しが発生する;
・ダム方式と同様に樹脂端部が半円状となるため、基材構造によっては外側に樹脂欠損(空隙)が生じうる。
(M)工法(f)は、液状樹脂組成物および粘着シートが必要であり、工程が複雑なうえ液状樹脂組成物と粘着シートの界面での剥離が発生しやすい。
(N)工法(g)は、液状樹脂組成物および粘着シートが必要であり、工程が複雑で、液状で貼り合わせるためはみ出しも発生しやすく、さらに液状樹脂組成物と粘着シートの界面での剥離が発生しやすい。
(O)デザイン形状に追従し、気泡がなく、樹脂の流れ出しなく貼り合わせることが困難である。
温度Tc未満の低温環境のまま、相溶組成物粘弾性体の層で被覆された一方の部材と他方の部材とを貼り合せれば、相溶組成物粘弾性体の層はゲル状であるため流れ出しの少ない積層体を得ることができる。
液晶表示体及び光学レンズ等の光学系デバイスの構成部材や、電子ペーパ及び電池等の電子系デバイスの構成部材を接着剤で固定する際に、接着剤の流出や糸引きなどによる汚染が生じないことと、特定の枠内に均一に塗付されることとが要請される場合がある。
チキソトロピック相溶性組成物がチキソトロピー性を有するとは、チキソトロピック相溶性組成物が剪断応力を受けると(剪断速度を速くすると)粘度が低下し、剪断応力が解除されると(剪断速度を遅くすると)粘度が回復し流動が抑制される粘弾性特性を有することをいう。
基準となる剪断速度0.1(sec−1)におけるチキソトロピック相溶性組成物の粘度η0.1(Pa・s)と、剪断速度1(sec−1)におけるチキソトロピック相溶性組成物の粘度η1(Pa・s)との比x1=η0.1/η1と、
基準となる剪断速度1(sec−1)におけるチキソトロピック相溶性組成物の粘度η1(Pa・s)と、剪断速度10(sec−1)におけるチキソトロピック相溶性組成物の粘度η10(Pa・s)との比x2=η1/η10とを尺度にすることができる。
η0.1は、好ましくは10〜10000Pa・s、より好ましくは30〜5000Pa・s、更に好ましくは50〜3000Pa・sであり、
η1は、好ましくは10〜1000Pa・s、より好ましくは20〜700Pa・s、更に好ましくは30〜500Pa・sであり、
η10は、好ましくは3〜500Pa・s、より好ましくは5〜300Pa・s、更に好ましくは5〜150Pa・sであり、
x1は、好ましくは1.1〜20、より好ましくは1.2〜15、更に好ましくは1.25〜10である。
x2は、好ましくは1.1〜20、より好ましくは1.2〜15、更に好ましくは1.25〜10である。
チキソトロピック相溶性組成物は、チキソトロピー性を有するように化合物Aと化合物Bとが相溶してなるだけでなく、0.3mmの厚みにおけるHAZE値1.0以下である。
相溶組成物を溶解する溶剤を選ぶことができる。
溶剤に溶解する相溶組成物は、例えば、相溶組成物を後述する接着剤組成物として使用した場合、温度Tcよりも高温にしなくても、ゲル状の相溶組成物を介して接着された部材同士を、ゲル状の相溶組成物に溶剤を接触させて相溶組成物を溶解して、固形分を残すことなくゲル状の相溶組成物を除去することで、部材同士を分離した状態にすることができる。
好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン、n−ヘキサン、メチルシクロヘキサン、スチレンなどの炭化水素類;
ジエチルエーテルなどのエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸プロピレンなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの窒素類;
ブチルグリコール、メチルジグリコール、ブチルジグリコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラヒドロフランなどのグリコールエーテル類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどの塩素類;
ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;ギ酸、酢酸等のカルボン酸類;及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、アルコール類、炭化水素類、エステル類及びケトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
更に好ましくは、アセトン、ヘキサン、イソプロピルアルコール及び炭酸ジエチルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、である。
本発明の相溶組成物は、液状で部材に塗工して、ゲル状にすると部材への付着力に優れるため、部材同士を接着するための接着剤組成剤として好適に使用できる。
好ましくは100Pa・s以下であり、より好ましくは50Pa・s以下であり、更に好ましくは10Pa・s以下である。
好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%である。
本発明の複合構造物(以下、複合構造物ともいう)は、部材1及び部材2を含み、部材1及び部材2が接着剤組成物を介して接着している構造物である。
好ましくは部材1及び部材2の厚み方向の面が接着剤組成物を介して接着又は仮固定されるか、より好ましくは部材1及び部材2のプレート面が接着剤組成物を介して接着又は仮固定されるかして、
部材1及び部材2が前記接着剤組成物を介して接着して、部材1及び部材2が積層体を構成していてもよい。
(1)各種フィルム等の光学部材を備える液晶表示体であって、光学部材が接着又は仮固定されて積層体等を構成している液晶表示体。
(7−1)破損したガラスの飛散を防止するための飛散防止フィルムと保護ガラスを粘着シートで貼り合わせた積層体;
(7−2)液晶パネルの破損防止および光反射防止のための保護パネルと液晶パネルを粘着シートまたは硬化性液状接着剤で貼り合わせた積層体;
(7−3)機能性部材を粘着シートまたは硬化性液状接着剤で貼り合わせて積層したタッチセンサーパネル(フィルム);
(7−4)複数の光学フィルムを粘着シートで貼り合わせて積層したバックライト。
(9)破損ガラスの飛散防止および衝撃強度改善のために粘着シートまたは硬化性液状接着剤で貼り合わせた建築用の防犯ガラスや安全ガラス。
(10)受光面材と裏面材の封止のために粘着シートまたは硬化性液状接着剤で貼り合わせた太陽電池モジュール。
(11)強度改善のために粘着シートまたは硬化性液状接着剤で貼り合わせた包装用フィルム。
(製造方法1)
複合構造物は、
温度Tcよりも高温の温度環境で、
部材1と部材2を、接着剤組成物を介して貼り合わせる工程1と、
工程1の後、温度環境を温度Tcよりも低温にして複合構造物を得る工程2とを含む製造方法(以下、製造方法1ともいう)で得ることができる。
部材1及び部材2の接着部位に液状になった接着剤組成物を容易に塗工でき、
工程2では、塗工された接着剤組成物はゲル状になって、部材1及び部材2を接着又はあり固定できる。
相溶組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、複合構造物は、
温度Tcよりも低温の温度環境で、
部材1と部材2を、相溶組成物粘弾性体を配合してなる接着剤組成物を介して貼り合わせる工程1’と、
工程1’の後、当該接着剤組成物を熱硬化、光硬化及び湿硬化からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化をさせて粘着弾性体を介して貼り合わされた部材1及び部材2を含む複合構造物を得る工程2’とを含む製造方法で得ることができる(以下、製造方法2ともいう)。
相溶組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、複合構造物は、
前記製造方法が、
本発明の相溶組成物粘弾性体を含む接着剤組成物を熱硬化、光硬化及び湿硬化からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化をさせて粘着硬化体を得る工程1”と、
部材1と部材2を、粘着硬化体を介して貼り合わされた部材1及び部材2を含む複合構造物を得工程2”とを有する複合構造物の製造方法でも得ることができる(以下、製造方法3ともいう)。
従来は、製造方法2における工程1’と工程2’の間において、相溶組成物粘弾性体の代わりに従来の粘着シートを使用していたために、部材の段差由来の気泡が残り易く、この気泡を除去するために工程1’と工程2’の間でリペアする必要が生じる場合があったが、製造方法2によれば、例えば、段差が存在する基材上にTc温度以上で相溶組成物粘弾性体を塗布することで段差をキャンセルすることができ、相溶組成物粘弾性体シートを形成したものを段差が存在する基材に貼り合わせた場合においては、相溶組成物粘弾性体シートの粘着性、強度及び弾性により、組成物粘弾性体シートが部材の段差を有する形状に追従するため、部材の段差由来の気泡が残り難くなり、リペアの頻度を大幅に減らすことが可能となる。
工程2で得られた複合構造物は、接着剤組成物に溶剤を接触させて、及び/又は、温度環境を前記温度Tcよりも高温にして、部材1及び部材2の接着剤組成物を介しての接着を解除して、前記部材1と前記部材2とを離隔することで、複合構造物の解体を容易にすることができる。
(1)化合物A
重合体ブロックaがメチルメタクリレートで構成され、
重合体ブロックbがブチルアクリレートで構成された、
重合体ブロックa-重合体ブロックb-重合体ブロックaのトリブロック共重合体化合物及び重合体ブロックa-重合体ブロックbのジブロック共重合体化合物を使用した。
(1−1)化合物a1:KURARITY LA2140(登録商標、クラレ社)
(1−2)化合物a2:KURARITY LA2250(登録商標、クラレ社)
(1−3)化合物a3:KURARITY LA2330(登録商標、クラレ社)
(1−4)化合物a4:KURARITY LA4285(登録商標、クラレ社)
(1−5)化合物a5:KURARITY LA1892(登録商標、クラレ社製)
(1−6)化合物a6:KURARITY LA1114(登録商標、クラレ社製)
LA2140では約20質量%、LA2250では約30質量%、
LA2330では約20質量%、LA4285は約50質量%、
LA1892では約50質量%、LA1114は約10質量%であり、
LA2140、LA2250、LA2330、LA4285はトリブロック体、
LA1892、LA1114はジブロック体で、
分子量はLA2330>LA2140=LA2250=LA4285=LA1114=LA1892である。
(2−1)ブチルアクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移温度:−25℃
(2−2)メチルメタクリレートの重合物(重合物a)のガラス転移温度:140℃
(3−1)化合物b1:イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
(3−2)化合物b2:4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート(Rahn社製、genomer1119)
(3−3)化合物b3:4−ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4−HBA)
(3−4)化合物b4:ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(BASF社製、DINCH)
(3−5)化合物b5:安息香酸アルキル(アルキルの炭素原子数12〜16)(Lipo Chemicals社製、Liponate NEB)
(3−6)化合物b6:水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE−311)
(3−7)化合物b7:エポキシ系エステル(4,5−エポキシ−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2−エチルヘキシル))(DIC社製、W150)
(3−8)化合物b8:不均化ロジンエステル(荒川化学社製、ME−D)
(3−9)化合物b9:トリエチレングリコール ビス(2−エチルヘキサノエート)(Proviron社製、Proviplast1783)
(4−1)化合物b1−1:PPGウレタンアクリレート(KSM社製、UA10000B)
(4−2)化合物b1−2:脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EB270)
(4−3)化合物b1−3:1.9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製、1,9−NDA)
(4−4)化合物b1−4:ポリブタジエンウレタンアクリレート(日本曹達、TE−2000)
(4−5)化合物b1−5:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、A−TMMT)
(4−6)化合物b1−6:ウレタンアクリレート(日本合成社製、UV7605B)
(5−1)化合物b2−1:4−ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4−HBA)
(5−2)化合物b2−2:ラウリルアクリレート(共栄社化学社製、LA)
(5−3)化合物b2−3:イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
(5−4)化合物b2−4:イソボルニルアクリレート(日本化薬社製、RM−1002)
(5−5)化合物b2−5:4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート(Rahn社製genomer1119)
(5−6)化合物b2−6:ペンタメチルピペリジルメタクリレ−ト(日立化成社製、FA−711MM)
(6−1)化合物r1(b1−4):ポリブタジエンウレタンアクリレート(日本曹達社製、TE−2000)
(6−2)化合物r2:ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成社製、FA512M)
(6−3)化合物r3:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学社製、HO−250)
(6−4)化合物r4:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、I−184)
(6−5)化合物r5:アクリルポリマー(東亞合成社製、UP1110)
(6−6)化合物r6:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルーフォスフィンオキサイド(BASF社製、I−TPO)
(6−7)化合物r7:ポリウレタンアクリレート(日本合成社製、UV3630ID80)
(6−8)化合物r8(b4):ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(BASF社製、DINCH)
(6−9)化合物r9(b6):水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE−311)
(6−10)化合物r10(b2−1):4−ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4−HBA)
(6−11)化合物r11(b2−3):イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
(1)実施例1
化合物a1を100g及び化合物b1を400g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、相溶組成物を得た。
(2)実施例2〜23及び34〜39
化合物a1及び化合物b1を、表1、2及び4記載の化合物に置き換えて、表1、2及び4記載の配合で、実施例1と同様にして実施例2〜23及び34〜39の相溶組成物を製造した。
実施例1〜23及び34〜39の相溶組成物に対して、以下の物性を測定した。
(1)ブチルアクリレートの重合物(重合物b)及びメチルメタクリレートの重合物(重合物a)のガラス転移点。
(2)相溶組成物の液状−ゲル状転移温度(Tc)
(3)相溶組成物の粘度が1Pa・s以下となる温度。
(4)溶剤溶解性
(5)25℃、剪断速度1(sec−1)における粘度η1(Pa・s)
(6)25℃、剪断速度10(sec−1)における粘度η10(Pa・s)
(7)HAZE値
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。Tc以上の温度領域で測定された複素粘度の数値を粘度とした。
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、25℃にて、せん断速度を0.01(sec−1)から100(sec−1)まで変化させて測定した。
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。25℃で測定された貯蔵剛性率の数値を弾性率とした。ただし、25℃において弾性率が0.3kPa以下の場合は温度Tc−20℃における貯蔵剛性率を弾性率とした。
(1)Tcより20℃高い温度で液状相溶組成物とし、離型処理されたPETフィルム(ニッパ社製、J0L、50μm)上に、後述するディスペンサー1を用いて、幅3cm、長さ4cm、厚さ0.15mmの液層にして室温(25℃)、又は25℃において弾性率が0.3kPa以下の場合は温度Tc−20℃まで冷却して成形粘弾性体としてのシートを製造する。
(2)湿度40〜60%、室温(25℃)又は25℃において弾性率が0.3kPa以下の場合は温度Tc−20℃で、後述するガラス基板2上に密着させて貼り合わせた後、PETフィルムを剥離する。
(3)湿度40〜60%、室温(25℃)又は25℃において弾性率が0.3kPa以下の場合は温度Tc−20℃で、シートが貼られたガラス基板2を、シートが下側になるように空中に水平に静置する。
水平に静置して5分経過後に、粘着シートが落下しなければ○、
水平に静置して5分経過後に、粘着シートが落下すればば×、
とした。
(4)なお、ガラス基板2の表面は、試験前にアセトンに浸漬して清浄後、乾燥してから使用する。
実施例1〜23及び34〜39の相溶組成物のそれぞれに、
溶剤としてアセトン(関東化学社製、特級)を使用して、
ゲル状の相溶組成物0.02gに溶剤を0.78g加え、25℃、遮光環境下で24時間静置する処理をして、以下のように判断した:ゲル状の相溶組成物の残留物の有無を目視で確認し、
ゲル状の組成物の残留物がないと確認された場合、溶剤溶解性は○;
ゲル状の組成物の残留物があると確認された場合、溶剤溶解性は×。
実施例34〜39の相溶組成物のそれぞれについて、
2.5cm×3.8cm×1mmtのガラスの両端に0.3mmtのスペーサーを貼り、相溶組成物を挟んでメタルハライドランプ(アイグラフィックス社製、コンベアタイプ)にて、250mW/cm2、3000mJ/cm2で相溶組成物を硬化させた。ヘイズメーター(日本電食工業社製、NDH5000)にて測定し、全光透過率と拡散透過率の比を求めた。
(1)複合構造物の製造
図2を参照しながら説明する。
スライドガラス1(プレート状の部材1)(1)のプレート面上に厚さ200μmのスペーサー(3)を設置したものを14組用意して(図2(2−1(平面図))(2−2(正面図))、
14枚のスライドガラス1上に、実施例1〜14のゲル状相溶組成物(4)のそれぞれを、スパーテルを用いて0.015g採取、設置し(図2(2−3))、
Tcより20℃高い温度に設定されたホットプレート上で30秒加温後、スライドガラス1上で相溶組成物が液状相溶組成物(5)になったことを目視で確認し(図2(2−4))、
もう一枚のスライドガラス2(プレート状の部材2)(2)のプレート面を貼り合わせ(工程1)、さらに30秒そのまま放置してから(図2(2−5))、
ホットプレートから取り外すことで温度環境(25℃)まで温度を下げて、
スライドガラス1とスライドガラス2がそれぞれの組成物を介して積層する積層体(複合構造物)を得た(工程2)(図2(2−6))。
複合構造物の製造の工程1で、比較組成物を介して貼り合わされたスライドガラス1とスライドガラス2に、紫外線を3000mJ/cm2照射し、比較組成物を硬化させ、スライドガラス1とスライドガラス2が相溶組成物の硬化体を介して積層する積層体(比較構造物)を得た。
複合構造物の製造で得たスライドガラス1とスライドガラス2がそれぞれの相溶組成物を介して積層する積層体を、Tcより20℃高い温度に設定したホットプレートに載せ、1分間放置後、積層体のスライドガラス1とスライドガラス2とは手指による軽い剥離操作で離隔でき、積層体を解体することができた(剥離した際に、相溶組成物はいずれも液状だった)。
複合構造物の製造で得たスライドガラス1とスライドガラス2がそれぞれの相溶組成物を介して積層する積層体を、アセトンに浸漬し、60分間放置した。
その後、積層体を剥離したら、積層体は容易に剥離し解体することができた(剥離した際に、相溶組成物はいずれも溶解して液状だった)。
(1)用具
(1−1)ガラス基板1(プレート状の部材1)
外周2mm、厚み50μmの遮光印刷(帝国インク社製 GLS−HF)を施した縦60×横80×厚み0.8mmのガラス基板を使用した。
(1−2)ガラス基板2(プレート状の部材2)
縦60×横80×厚み0.8mmの透明なガラス基板を使用した。
(1−3)ディスペンサー1
フラットノズル(ムサシエンジニアリング社製、SHOT MASTER 300)を使用した。
(1−5)ディスペンサー2
ノードソン社製 PICOJET PVバルブを使用した。
(1−6)紫外線照射装置
コンベア型紫外線照射装置(アイグフィック社製、メタルハライドランプ)を使用した。
(2−1)実施例24〜33(図3を参照)
表2記載の実施例15〜23の相溶組成物粘弾性体(接着剤組成物)を、
Tcより20℃高い温度で液状相溶組成物(10)とし、それぞれ、ガラス基板1(6)上にディスペンサー1(9)を用いて、厚さ0.15mmの液層にして室温(25℃)まで冷却して成形粘弾性体(11)の層に成形した。
Tcよりも低温である室温(25℃)で、それぞれの成形粘弾性体(11)が形成されたガラス基板1(6)をガラス基板2(7)上に載せて、ガラス基板1(6)及びガラス基板2(7)を成形粘弾性体(11)を介して貼り合わせた硬化前の積層体を製造した(工程1’)。
硬化前の積層体を、紫外線照射装置(15)を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm2(オーク社製 波長350nm)、反応率100%で光硬化させて、ガラス基板1及びガラス基板2を粘着硬化体(12)の層(粘着硬化体)を介して貼り合わせて実施例24〜32の積層体(複合構造物)(13)を得た(工程2’)。
実施例24において、実施例15の相溶組成物粘弾性体(接着剤組成物)を、実施例34のチキソトロピック相溶性組成物に置き換えて、同様にして実施例40の積層体(複合構造物)を得た。
表2記載の実施例15〜23の相溶組成物粘弾性体(接着剤組成物)を、表2記載の比較例2の比較組成物に置き換えて、室温(25℃)で塗布した以外は実施例15〜23と同様の条件で比較例3の積層体を得た。
表2記載の実施例23の相溶組成物粘弾性体(接着剤組成物)を、Tcより20℃高い温度で液状相溶組成物(10)とし、ガラス基板1(6)上にディスペンサー1(9)を用いて、厚さ0.15mmの液層にして室温(25℃)まで冷却して成形粘弾性体(11)の層に成形した。
室温(25℃)で、成形粘弾性体(11)が形成されたガラス基板1(6)を、紫外線照射装置(15)を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm2(オーク社製350nm)、反応率は95%で成形粘弾性体を光硬化させて粘着硬化体(12)にする(工程1”)。
室温(25℃)減圧下で、粘着硬化体(12)が形成されているガラス基板1(6)をガラス基板2(7)と粘着硬化体(12)を介して貼り合わされた実施例33の積層体(複合構造物)(14)を得た(工程2”)。
ガラス基板1上にディスペンサー1を用いて、室温(25℃)で、表2記載の比較例2の比較組成物を厚さ0.15mmに形成した後、365LEDランプ(HOYA社製)を用いて照度100mW/cm2、照射時間2sec、反応率30%で光硬化し、流動性を低下させた一次硬化体を得た。
減圧下で、一次硬化体を形成したガラス基板1を、一次硬化体を介してガラス基板2と貼り合わせた積層体を得た。
積層体に、さらに、紫外線照射装置を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm2(オーク社製 波長350nm)で硬化させて比較例4の積層体を得た。
比較例4における一次硬化体製造時の光硬化条件を、照度100mW/cm2、照射時間5sec、反応率60%に変更し、比較例4と同手順で比較例5の積層体を得た。評価用試験片を作成した。
比較例4における一次硬化体製造時の光硬化条件を、照度100mW/cm2、照射時間10sec、反応率95%に変更し、比較例4と同手順で比較例5の積層体を得た。評価用試験片を作成した。
ガラス基板の外周にジェットディスペンサー2を用いて、表2記載の比較例2の比較組成物を幅1mm×高さ0.2mmに描画し、365LEDランプ(Panasonic社製)を用いて照度100mW/cm2、照射時間5secで硬化し、ダムを形成した。
ガラス基板1上にディスペンサー1を用いて、表2記載の比較例2の比較組成物を塗布した後、減圧下で、ガラス基板1上の比較例2の比較組成物を介してガラス基板2と貼り合わせ、組成物の厚みを0.15mmになるように圧力をかけて調整して硬化前の比較積層体を得た。
硬化前の比較積層体を、紫外線照射装置を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm2(オーク社製 波長350nm)で光硬化させて比較例7の積層体を得た。
表2記載の比較例2の比較組成物をPET製離型フィルム上に塗布し、別のPET製離型フィルムを貼り合わせ、0.15mmのスペーサーを用いて、粘着組成物の厚みが0.15mmになるように調整して硬化前の積層物を得た。
硬化前の積層物を紫外線照射装置を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm2(オーク社製 波長350nm)で硬化させた後、60×80mmにカットして粘着シートとした。
ガラス基板1上に粘着シートを貼り付けた後、減圧下で、ガラス基板1上の粘着シートを介してガラス基板2を貼り合わせた試験片を、さらにオートクレーブ(東都テック社製PBD−20)にて気圧0.5MPa、温度50℃、時間30分処理して比較例8の積層体を得た。
実施例24〜33及び40の積層体と、比較例3〜8の積層体について、目視および顕微鏡を使用して以下の基準で評価した。
実施例24〜33については、
積層体中の粘着硬化体又は比較組成物硬化体の最短位置が、
ガラス基板1上に形成した相溶組成物粘弾性体又は比較組成物液槽の最端位置から、
変化していない場合に○、外側に広がっている場合に× とした。
実施例40の積層体の場合は、工程1’で塗布した部分から樹脂組成物が流動して外側へ流れることなく貼り合わされていた。
積層体中の粘着硬化体又は比較組成物硬化体の領域に気泡が、
存在しない場合に○、存在している場合に× とした。
それぞれの積層体を80℃のオーブンに250時間入れたのち、印刷段差の気泡有無を観察し、印刷段差上に気泡が、存在しない場合に○、存在している場合に× とした。
2 スライドガラス2(部材2)
3 スペーサー
4 ゲル状相溶組成物
5 液状相溶組成物
6 ガラス基板1(部材1)
7 ガラス基板2(部材2)
8 遮光印刷部分
9 ディスペンサー1
10 液状相溶組成物
11 成形粘弾性体
12 粘着硬化体
13 硬化前の積層体
14 実施例33の積層体
15 紫外線照射装置
Claims (13)
- ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記ブロック共重合体化合物は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのブロック共重合体であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が50℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が−100℃以上50℃以下であり、
前記ブロック共重合体化合物は、0〜150℃の間で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
前記相溶組成物は、0〜150℃の間で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有し、さらに、ゲル状の前記相溶組成物がチキソトロピック性を有し、
前記ブロック共重合体化合物と前記媒質とだけが相溶してなる相溶組成物1が、0〜150℃の間で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有し、さらに、ゲル状の前記相溶組成物1がチキソトロピック性を有し、
前記相溶組成物の、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)によって25℃、剪断速度0.01(sec −1 )から100(sec −1 )の範囲で測定された粘度であって、剪断速度10(sec −1 )の粘度が3〜500Pa・sであり、
前記相溶組成物1のHAZE値が1.0以下である相溶組成物。 - さらに、ゲル状の前記相溶組成物が溶剤に溶解する請求項1記載の相溶組成物。
- さらに、ゲル状の前記相溶組成物が弾性体である請求項1又は2記載の相溶組成物。
- さらに、熱硬化性、光硬化性及び湿硬化性からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の相溶組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の相溶組成物を配合してなる接着剤組成物。
- 部材1及び部材2を含む複合構造物であって、
前記部材1及び前記部材2が請求項5記載の接着剤組成物を介して接着している複合構造物。 - 前記部材1及び前記部材2がプレートであり、
前記部材1及び前記部材2が請求項5記載の接着剤組成物を介して接着して、前記部材1及び前記部材2が積層体を構成している請求項6記載の複合構造物。 - 前記部材1及び前記部材2の一方の部材が、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、保護パネル、タッチパネル、ガラス又はプラスチック板であり、他の一方の部材が光透過性部材である請求項6又は7の複合構造物。
- 部材1及び部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
請求項1記載の温度Tcよりも高温の温度環境で、
前記部材1と前記部材2を、前記接着剤組成物を介して貼り合わせる工程1と、
前記工程1の後、前記温度環境を前記温度Tcよりも低温の温度環境にして請求項6〜8のいずれか1項記載の複合構造物を得る工程2とを有する複合構造物の製造方法。 - さらに、前記接着剤組成物に請求項2記載の溶剤を接触させて、前記部材1及び前記部材2の前記接着剤組成物を介しての接着を解除する工程3を含む、請求項9記載の複合構造物の製造方法。
- 前記接着剤組成物に請求項2記載の溶剤を接触させて、及び/又は、前記温度環境を前記温度Tcよりも高温の温度環境にして、前記部材1及び前記部材2の前記接着剤組成物を介しての接着を解除して、前記部材1と前記部材2とを離隔する、請求項6〜8のいずれか1項記載の複合構造物の解体方法。
- 部材1及び部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
前記製造方法が、
請求項1記載の温度Tcよりも低温の温度環境で、
前記部材1と前記部材2を、請求項3又は4記載の相溶組成物を配合してなる請求項5記載の接着剤組成物を介して貼り合わせる工程1’と、
前記工程1’の後、前記接着剤組成物を熱硬化、光硬化及び湿硬化からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化をさせて請求項6〜8のいずれか1項記載の複合構造物を得る工程2’とを有する複合構造物の製造方法。 - 部材1及び部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
前記製造方法が、
請求項3又は4記載の相溶組成物を配合してなる請求項5記載の接着剤組成物を熱硬化、光硬化及び湿硬化からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化をさせて粘着硬化体を得る工程1”と、
前記部材1と前記部材2を、前記粘着硬化体を介して貼り合わせて請求項6〜8のいずれか1項記載の複合構造物を得る工程2”とを有する複合構造物の製造方法。
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