JP7178675B2 - 複合体の製造・解体方法並びにゲル状樹脂組成物 - Google Patents
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当該領域以外に流出又は流入することなく被覆して、
当該部材を複合体に組込み・取外し過程での当該表面の汚染を回避し、
当該部材の表面に必要な加工をする間の当該加工の回避を可能とするゲル状樹脂組成物を使用した複合体の製造・解体方法、及び、当該ゲル状樹脂組成物を提供することを課題とする。
〔1〕表面Sを備える部材の組込み及び/若しくは取外し工程(以下「組込・解体工程」ともいう)、並びに/又は、前記表面Sを加工する部材表面加工工程を有する前記部材が組み込まれた複合体の製造・解体方法であって、
前記組込み及び/若しくは取外し工程、並びに/又は、前記部材表面加工工程において、
前記表面Sの汚染及び/又は加工を回避すべき領域をゲル状樹脂組成物で被覆する部材表面塗膜工程を有し、
前記ゲル状樹脂組成物が、
0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する、及び/又は、
チキソトロピック性を有する複合体の製造・解体方法(以下「本発明1」ともいう)、及び
〔2〕前項〔1〕記載の複合体の製造方法に使用される前項〔1〕記載のゲル状樹脂組成物(以下「本発明2」ともいう)に関する。
なお、以下では、本発明1及び2をまとめて「本発明」ともいう。
当該領域以外に流出又は流入することなく被覆して、
当該部材を複合体に組込み・取外し過程での当該表面の汚染を回避し、
当該部材の表面に必要な加工をする間の当該加工の回避を可能とするゲル状樹脂組成物を使用した、複合体の製造・解体方法、及び、当該ゲル状樹脂組成物を提供することができる。
本発明において、表面Sを備える部材及び当該部材が組み込まれた複合体は、以下を例示できる。
さらに具体的には、液晶表示パネル;有機EL表示パネル;保護パネル;タッチパネル;環境光センサー、近接センサー、指紋センサー、認証センサーなどのセンサー;カメラ;ガラス又はプラスチック板;ラスチックフィルム等の複数の部材を貼合した部材を備える複合体である液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル表示体、等の情報表示装置が挙げられ、さらに、これらの情報表示装置とその他の電子素子を備える複合体である電子手帳、携帯電話、スマートフォン、携帯オーディオプレーヤー、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末等の携帯電子端末、パソコン、TV、カーナビゲーションシステム等の情報処理機器が挙げられる。
<保護膜形成性>
本発明におけるゲル状樹脂組成物(以下「ゲル状樹脂組成物」ともいう)は、本発明1の部材表面塗膜工程で、表面Sの所定領域にゲル状樹脂組成物を塗工した際に、当該所定領域に均一に当該所定領域から流出しないような塗膜形成性と、その後、表面Sに所定の加工がなされる際又は汚染物質が接触する際に、塗膜領域は当該加工がなされない又は汚染物質で損傷しない程度の塗膜耐性が必要である(ゲル状樹脂組成物の塗膜形成性及び塗膜耐性を以下では「保護膜形成性」という)。
0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する、及び/又は、
チキソトロピック性を有する。
ゲル状樹脂組成物が、0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)、及び/又は、チキソトロピック性を有するとは、ゲル状樹脂組成物が物理架橋ゲルであることを意味する。
Tc及びチキソトロピック性の測定は実施例に記載された条件で行う。
ゲル状樹脂組成物がチキソトロピック性を有するとは、ゲル状樹脂組成物の剪断速度vにおける粘度ηvが、
30℃<Tcの場合は25℃で、0℃≦Tc≦30℃の場合はTc-20℃で、
η0.1が、10~10000Pa・s、好ましくは30~5000Pa・s、より好ましくは50~3000Pa・sであり、
η10が、3~500Pa・s、好ましくは5~300Pa・s、より好ましくは5~150Pa・sである性状を有することである。
なお、Tcを有さないゲル状樹脂組成物は30℃<Tcの場合に従う。
粘度ηvの測定は実施例に記載した条件で行う。
η0.1が、10~10000Pa・s、好ましくは30~5000Pa・s、より好ましくは50~3000Pa・sであり、
η1が、好ましくは10~1000Pa・s、より好ましくは20~700Pa・s、更に好ましくは30~500Pa・sであり、
η10が、好ましくは3~500Pa・s、より好ましくは5~300Pa・s、更に好ましくは5~150Pa・sであり、
x1=η0.1/η1が、好ましくは1.1~20、より好ましくは1.2~15、更に好ましくは1.25~10である。
x2=η1/η10が、好ましくは1.1~20、より好ましくは1.2~15、更に好ましくは1.25~10である。
本発明に適用できるゲル状樹脂組成物は、保護膜形成性の観点から、ゲル状態の貯蔵剛性率が、30℃<Tcの場合は25℃で、0℃≦Tc≦30℃の場合はTc-20℃で、0.01~10000kPaであることが好ましい。
貯蔵剛性率の測定は実施例に記載された条件で行う。
硬化後のゲル状樹脂組成物に上述の貯蔵合成率を ゲル状樹脂組成物の貯蔵剛性率が上記好適範囲にするだけでも一定(製造実施例3におけるの剥離性の評価△程度)の剥離性を有するが、本発明1の部材表面塗膜工程で、表面Sの所定領域にゲル状樹脂組成物を塗膜して表面加工前又は表面加工後に硬化させ、表面加工した後で塗膜を(製造実施例3におけるの剥離性の評価〇程度に)容易に剥離して除去できることが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等のシリコーン系化合物;
フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸等のフッ素系化合物;
パーフルオロ変性シリコーン等のシリコーン-フッ素系化合物;
ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテル変性アクリルポリマー、ポリエステル変性アクリルポリマー、パーフルオロアルキル変性アクリルポリマー等のアクリル系化合物等が挙げられ、市販品としてはポリエーテル変性シロキサン(TEGO GLIDE440、エボニック社)が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明におけるゲル状樹脂組成物は、例えば、後述する化合物X、Y又はZのように、溶剤溶解性が良好な有機化合物で構成されていると、例えば、部材表面加工がケミカルエッチング等のエッチング加工の場合、エッチング加工後にゲル状樹脂組成物の塗膜を溶剤で容易に洗浄除去でき、レジスト材を使用する場合に発生する薬剤、アッシング残渣などが残らないため、表面加工前後の工程負荷が軽減される。
メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン、n-ヘキサン、メチルシクロヘキサン、スチレンなどの炭化水素類;
ジエチルエーテルなどのエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸プロピレンなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの窒素類;
ブチルグリコール、メチルジグリコール、ブチルジグリコール、3-メチル-3-メトキシブタノール、テトラヒドロフランなどのグリコールエーテル類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどの塩素類;
ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;ギ酸、酢酸等のカルボン酸類;及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、アルコール類、炭化水素類、エステル類及びケトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
更に好ましくは、アセトン、ヘキサン、イソプロピルアルコール及び炭酸ジエチルからなる群から選ぶことができる。
ゲル状樹脂組成物として、例えば、後述の化合物Yを使用すると、チキソトロピー性と透明性を両立することができる。
本発明に適用できる好適なゲル状樹脂組成物としては、例えば、
Tcを有するゲル状樹脂組成物(以下「組成物X」という);
Tcを有し、かつ、チキソトロピック性を有する組成物(以下「組成物Y」という);及び、
Tcを有さないが、チキソトロピック性を有するゲル状樹脂組成物(以下「組成物Z」という)が挙げられる。
好適な組成物Xとしては以下を例示できる;
(1)特定の(メタ)アクリレート系ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X1」ともいう);
(2)特定のグラフト共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X2」ともいう);及び
(3)特定のスチレン系ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X3」ともいう)
〈組成物X1として好適な相溶性組成物〉
組成物X1としては、
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記ブロック共重合体化合物は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのブロック共重合体であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が50℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が-100℃以上50℃以下であり、
前記ブロック共重合体化合物は、25℃超150℃以下で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
前記相溶組成物は、25℃超150℃以下で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物であり、
より好ましくは、
メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)及びアクリル酸n-ブチル(ブチルアクリレート)の組み合わせであって、
それぞれの化合物が単独で重合物を構成したときに示すTgに基づいて、重合体ブロックa又は重合体ブロックbの構成単位とする。
重合体ブロックbの両末端に前記重合体ブロックaが結合したトリブロック構造を少なくとも1つ有することが好ましく、
トリブロック構造だけで構成されていることがより好ましいが、
0~150℃で、ブロック共重合体化合物が液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
後述する相溶組成物が液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する範囲で、
トリブロック構造以外の構造(例えば、重合体ブロックaと重合体ブロックbが結合するジブロック構造)が含まれてよい。
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、イソデシルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート及び4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル;
アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジイソノニル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル等の多価カルボン酸エステル;
安息香酸アルキル;
トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル;
トリメリット酸エステル;
(水添)ポリイソプレン、水酸基含有(水添)ポリイソプレン、(水添)ポリブタジエン、水酸基含有(水添)ポリブタジエン、ポリブテン等のゴム系ポリマー;
熱可塑性エラストマー;
石油樹脂;
脂環族飽和炭化水素樹脂;
テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;
ロジンフェノール等のロジン系樹脂;
不均化ロジンエステル系樹脂、重合ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂等のロジンエステル系樹脂;
キシレン樹脂;及び
アクリルポリマー、アクリルコポリマー等のアクリル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、多価カルボン酸エステル及びロジンエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン、n-ヘキサン、メチルシクロヘキサン、スチレンなどの炭化水素類;
ジエチルエーテルなどのエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸プロピレンなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの窒素類;
ブチルグリコール、メチルジグリコール、ブチルジグリコール、3-メチル-3-メトキシブタノール、テトラヒドロフランなどのグリコールエーテル類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどの塩素類;
ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;ギ酸、酢酸等のカルボン酸類;及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、アルコール類、炭化水素類、エステル類及びケトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
更に好ましくは、アセトン、ヘキサン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール及び炭酸ジエチルからなる群から選ぶことができる。
ブロック共重合体化合物との相溶組成物を容易に製造する観点から、媒質の粘度は、
好ましくは0.001~10Pa・sであり、より好ましくは0.001~1Pa・sであり、更に好ましくは0.001~0.5Pa・sである。
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物は、0~150℃で、ブロック共重合体化合物は液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、相溶組成物は液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物である。
温度Tc以上(好ましくは温度Tcよりも10℃以上高温、より好ましくは温度Tcよりも15℃以上高温、更に好ましくは温度Tcよりも20℃以上高温)の温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上滴下すると自然流動する液状体であるが、
温度Tc未満(好ましくは温度Tcよりも10℃以上低温、より好ましくは温度Tcよりも15℃以上低温、更に好ましくは温度Tcよりも20℃以上低温)の温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上静置しても流動しないゲル状体である。
重合物aのTgが高い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、媒質の配合比率を少なくすると、高温側に設定でき、
重合物aのTgが低い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、媒質の配合比率を大きくすると、低温側に設定できる。
以下に説明する組成物X1の相溶組成物粘弾性体の好適物性は、組成物X1、X2及びX3並びに組成物Yの相溶組成物粘弾性体の好適物性でもある。
25℃において、好ましくは0.3~1000kPa、より好ましくは0.5~500kPa、更に好ましくは0.5~200kPaであり、
25℃において、弾性率が0.3kPa未満の場合は、温度Tc-20℃において、好ましくは0.5~500kPa、より好ましくは1~200kPaである。
好ましくは10~1000%、より好ましくは30~800%、更に好ましくは50~500%であり、
シートを構成できる程度の破壊強度として、
好ましくは1×102~1×107Pa、より好ましくは1×102~1×106Pa、更に好ましくは1×103~1×105Paである。
25℃で0.3Pa以上の場合は25℃で、
0.3Pa未満の場合は温度Tc-20℃で、以下の条件で測定できる。
(1)相溶組成物粘弾性体を温度Tc+20℃で液状にした後ダンベルの型に流し込み温度Tc未満の温度に冷却(実際は室温)して厚み1mmのダンベル試験片を作製する。
(2)ダンベル試験片を引張試験機(ミネベア製テクノグラフ、TG-2kN)にて10mm/minの引張り速度で引張り、測定結果から伸び率及び破断強度を読み取る。
<組成物X2として好適な相溶組成物>
組成物X2としては、
グラフト共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記グラフト共重合体化合物は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのグラフト共重合体化合物であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が30℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が-100℃以上30℃以下であり、
前記グラフト共重合体化合物は、0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
前記相溶組成物は、0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)。
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物であり、
より好ましくは、少なくともどちらかがメタクリレート化合物である。
例えば、重合体ブロックaは(メタ)アクリレート単位が線状に結合した構造で、重合体ブロックaの構成単位の少なくとも一つが、さらに重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位と結合して重合体ブロックaから枝分かれしたように重合体ブロックbが結合した構造をとる。
この場合、幹中の(メタ)アクリレート単位aeを(メタ)アクリレート単位beに置き換えた(メタ)アクリレート単位beの重合物を重合体ブロックbとみなし、重合体ブロックaから(メタ)アクリレート単位aeを除いた重合体ブロックaの部分を枝とみなす。
枝を構成する予め合成した重合体ブロックaの合計量wa及び数平均分子量(重量平均分子量)maとから、重合体ブロックaの総モル数naをna=wa/maで算出して、
幹1本を構成する重合体ブロックbの数平均分子量(重量平均分子量)mbと幹1本当たりの枝の数nxを、mb+nx・ma=M、nx=na/N と定義して、mbを算出し、これを重合体ブロックbの数平均分子量(重量平均分子量)としてもよい。
組成物X1として好適な相溶組成物と同様に、保護膜形成性及び剥離性の観点から、組成物X2として好適な相溶組成物も、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
相溶組成物は液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物であり、
組成物X1における相溶組成物と同様の性状を有することが好ましい。
重合物aのTgが高い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、化合物Bの配合比率を少なくすると、高温側に設定でき、
重合物aのTgが低い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、化合物Bの配合比率を大きくすると、低温側に設定できる。
〈組成物X3として好適な相溶性組成物〉
組成物X3としては、
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記ブロック共重合体化合物は、
スチレン系化合物単位を主体とする重合体ブロックaと、
アルケン系化合物、ジエン系化合物及びアルキン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素系化合物の単位を主体とする重合体ブロックb1、又は(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックb2とのブロック共重合体構造を有する化合物であり、
前記重合体ブロックb2を構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が-100℃以上50℃以下であり、
前記相溶組成物は、0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
好ましくは、スチレン;α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、4-tert-ブチルスチレン、4-ヘキシルスチレンなどのアルキル基置換スチレン;p-ヒドロキシスチレンなどのヒドロキシル基置換スチレン;p-メトキシスチレン、4-tert-ブトキシスチレンなどのアルコキシ基置換スチレン;4-アミノスチレンなどのアミノ基置換スチレン;及び4-クロロスチレン、4-ブロモスチレンなどのハロゲン置換スチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のスチレン系化合物、
より好ましくは、スチレンである。
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)。
重合体ブロックb1を構成する特定炭化水素系化合物単位は、後述する特定炭化水素系化合物が重合した際に形成される。
アルケン系化合物としては、エチレン、プロピレン等のアルケン及び/又はこれらの(共)重合体並びにこれらの水添化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
ジエン系化合物としては、ブタジエン、イソプレン等のジエン及び/又はこれらの(共)重合体並びにこれらの水添化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
アルキン系化合物としては、アセチレン等のアルキン及び/又はこれらの(共)重合体
並びにこれらの水添化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
なお、本明細書では、重合体又は共重合体を「(共)重合体」と表記する。
ベースとなるアルケンとしては、好ましくはエチレン及び/又はプロピレンであり、
ベースとなるジエンとしては、好ましくはブタジエン及び/又はイソプレンであり、
ベースとなるアルキンとしては、好ましくはアセチレンである。
なお、本明細書では、例えば、「アルケン」、「アルケンの重合体」及び「アルケンの重合体の水添加物」の構成要素のアルケンを「ベースとなるアルケン」という。
好ましくはジエン及び/又はアルキンであり、より好ましくはジエンであり、
更に好ましくはブタジエン、イソプレン及びアセチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素化合物であり、更に好ましくはブタジエン及び/又はイソプレンである。
重合物b2の重量平均分子量は、好ましくは1×105以上、より好ましくは1×105~1×109、更に好ましくは1×105~1×107であり、
重合体ブロックb1中の特定炭化水素系化合物単位のモル比は、好ましくは90~100モル%、より好ましくは95~100モル%、更に好ましくは99~100モル%である。
重合体ブロックb1の両末端に重合体ブロックaが結合したトリブロック体構造又は重合体ブロックaと重合体ブロックb1が結合するジブロック体構造であることが好ましく、トリブロック体構造であることがより好ましい。
重合体ブロックaと重合体ブロックb1の合計質量中の重合体ブロックaの質量%が高い方が好ましい。
Sはスチレンをベース化合物とする単位、Bはブタジエンをベースとする単位、Iはイソプレンをベースとする単位、n-BAはn-ブチルアクリレートをベース化合物とする単位であり、
「a」は重合体ブロックa、「b1」は重合体ブロックb1、「b2」は重合体ブロックb2、「a-b1」は重合体ブロックaと重合体ブロックb1のジブロック共重合体、「a-b1-a」「a-b2-a」はそれぞれ重合体ブロックaと重合体ブロックb1又はb2のトリブロック共重合体をそれぞれ表す。
重合体ブロックb2を構成する(メタ)アクリレート単位は、それ単体で構成される重合物(以下、重合物b2という)のガラス転移温度が-100℃以上50℃以下となる(メタ)アクリレート化合物が重合した際に形成される。なお、ガラス転移温度の安定性の観点から、重合物b2の重量平均分子量は、好ましくは1×105以上、より好ましくは1×105~1×109、更に好ましくは1×105~1×107である。
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる化合物であり、
より好ましくは、アクリル酸n-ブチル(ブチルアクリレート)である。
い。
重合体ブロックb2の両末端に前記重合体ブロックaが結合したトリブロック構造を少なくとも1つ有することが好ましく、
トリブロック構造だけで構成されていることがより好ましいが、
0~150℃で、化合物Aが液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
後述する相溶組成物が液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する範囲で、
トリブロック構造以外の構造(例えば、重合体ブロックaと重合体ブロックb2が結合するジブロック構造)が含まれてよい。
組成物X3における媒質は、化合物A1又はA2と相溶して、0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物X3における相溶組成物(以下、相溶組成物ともいう)を構成する化合物であり、例えば組成物X3における媒質を好適に挙げることができる。
化合物A1又はA2と媒質とが相溶してなる相溶組成物は、
0~150℃で、
化合物A1又はA2は液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
相溶組成物は液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物であり、
組成物X1における相溶組成物と同様の性状を有することが好ましい。
組成物X1として好適な相溶組成物と同様の観点から、組成物X3として好適な相溶組成物も、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、化合物A1又はA2(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A1又はA2)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A1又はA2(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A1又はA2)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
例えば、組成物X1において、相溶組成物を得るためのブロック共重合体化合物および媒質を選択すると、さらにゲル状体においてチキソトロピー性を有する相溶性組成物(以下、チキソトロピック相溶性組成物ともいう)を構成し、さらに光学透明性と両立するチキソトロピック相溶性組成物を構成することができる。
Tcを有さないチキソトロピック性のゲル状樹脂組成物である組成物Zとしては、例えば、チキソトピック性を有しない液状媒質にレオロジー調整剤を添加してチキソトロピック性が付与された組成物が挙げられる。
水、アルコール、酢酸、ギ酸、アセトン、アセトニトリル、エチレングリコール、グリセリン等の水系媒質;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、ヘキサン、酢酸エチル、炭酸ジエチル等の非水系媒質;及び
油脂、鉱油、石油系溶媒等の油系媒質等が挙げられ、
これらに反応性の低いレオロジー調整剤を添加してチキソトロピック性を付与して組成物Zとすることができる。
シリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、石綿粉、酸化銅、水酸化銅、酸化鉄、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉛、マグネシア、酸化スズ等の金属酸化物粒子、炭酸カルシウム、カーボン、シリカ、マイカ、スメクタイト、カーボンブラック等の無機微粒子;
ポリスチレンビーズ、ポリエチレン粒子、アクリル粒子、ポリシロキサン樹脂粒子、イソプレンゴム粒子、ポリアミド粒子等の有機微粒子;
ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、アルキル変性セルロース、ペプチド、ポリペプチド等の高分子化合物;及び
アマイドワックス、水添ひまし油誘導体、1,3,5-トリス(トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレート、変性ポリエステルポリオール、エチルセルロース、メチルセルロース、セルロース誘導体、有機ベントナイト等の有機化合物などを挙げることができる。
特開2017-066278号公報に例示されるアマイドワックス、水添ひまし油、1,3,5-トリス(トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレート等の有機化合物;ヒュームドシリカ、カーボンブラック等の無機化合物;
エチルセルロース、BYK-405、410、411、415、420、425、420、430、431等(ビック・ケミー株式会社)、Disparlonチクソトロピック剤シリーズ(楠本化成)等の市販品;
ポリシロキサン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、アルキル変性セルロース、ペプチド、ポリペプチド、及びこれらのうち2つ以上の構造を有する共重合体;
ポリスチレンビーズ、ポリエチレン粒子、アクリル粒子、ポリシロキサン樹脂粒子、イソプレンゴム粒子、ポリアミド粒子等の有機微粒子;
特開2014-082328号公報に例示される酸化銅、水酸化銅、酸化鉄、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉛、マグネシア、酸化スズ等の金属酸化物粒子、炭酸カルシウム、カーボン、シリカ、マイカ、スメクタイト等の無機微粒子;及び
特開2014-019802号公報に例示される揺変剤とも呼ばれる、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ及び石綿粉等の無機揺変剤;有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤;水添ヒマシ油誘導体、脂肪酸アマイドワックス、ステアリル酸アルミニウム、ステアリル酸バリウム等。
シリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、アマイドワックス、水添ひまし油誘導体、セルロース誘導体が好ましく、
アマイドワックス、水添ひまし油誘導体、セルロース誘導体がより好ましく、
アマイドワックスが更に好ましい。
本発明1及び2に適用されるゲル状樹脂組成物は、例えば、シート状に成形して、シート状ゲル状樹脂組成物を塗膜してから、湿気、熱又は光によって適度に硬化することで、保護膜形成性及び剥離性が向上する。
好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル基、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレイミド及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の、
より好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の、
更に好ましくは、(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル反応性基である。
好ましくは、エポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン反応性基である。
好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル基、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレイミド及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の、
より好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の、
更に好ましくは、(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル反応性基(ラジカル反応の速度と安定性の観点からは好ましくは2官能以上の多官能)を有する反応性化合物である。
好ましくは、エポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン反応性を有する反応性化合物である。
ラジカル反応性基を有する化合物Aとラジカル反応性化合物である化合物Bとの組合せ、
カチオン反応性基を有する化合物Aとカチオン反応性化合物である化合物Bとの組合せ、
アニオン反応性基を有する化合物Aとアニオン反応性化合物である化合物Bとの組合せ、及び、
湿気反応性基を有する化合物Aと湿気反応性化合物である化合物Bとの組合せからなる群から選ばれる少なくとも1の組合せによって相溶性組成物を構成する。
好ましくは、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、ベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン-1、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-メチルチオ]フェニル]-2-モルホリノプロパンー1-オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチル-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2-ヒドロキシ-2-メチル-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、イソプロピルチオキサントン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、[4-(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン、2,4-ジエチルチオキサントン、2ークロロチオキサントン、エチルアントラキノン、ベンゾフェノンアンモニウム塩、チオキサントンアンモニウム塩、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、1,4ジベンゾイルベンゼン、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2,2’ビス(o-クロロフェニル)4,5,4’,5’-テトラキス(3,4,5-トリメトキシフェニル)1,2’-ビイミダゾール、2,2’ビス(o-クロロフェニル)4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2-ベンゾイルナフタレン、4-ベンゾイル ビフェニル、4-ベンゾイルジフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム、o-メチルベンゾイルベンゾエート、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル、活性ターシャリアミン、カルバゾール・フェノン系光反応開始剤化合物、アクリジン系光反応開始剤化合物、及び、トリアジン系光反応開始剤化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
より好ましくは、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン及び/又は2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシドである。
好ましくはアリールジアゾニウム塩、ジアリールハロニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリホスホニウム塩、鉄アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノールアルミニウム錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種のイオン性光酸発生剤化合物、並びに/又は、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、燐酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン及びN-ヒドロキシイミドスルホナートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非イオン性光酸発生剤化合物である。
好ましくは、1,10-ジアミノデカン、4,4’-トリメチレンジピペラジン、カルバメート類化合物及びその誘導体、コバルト-アミン錯体類化合物、アミノオキシイミノ類化合物及びアンモニウムボレート類化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、シラノール縮合触媒としてテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナート及びビスアセチルアセトナトジイソプロポキシチタンからなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジメチルマレエート、ジブチル錫ジエチルマレエート、ジブチル錫ジブチルマレエート、ジブチル錫ジオクチルマレエート、ジブチル錫ジトリデシルマレエート、ジブチル錫ジベンジルマレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジエチルマレエート、ジオクチル錫ジオクチルマレエート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジノニルフェノキサイド、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセトナート、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物及びジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物からなる群から選ばれる少なくとも1種の4価の有機錫化合物、
アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機アルミニウム化合物、
ジルコニウムテトラアセチルアセトナートなどのジルコニウム化合物、
アミン系化合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミン系化合物との反応物、飽和または不飽和の多価カルボン酸またはその酸無水物、カルボン酸化合物とアミン系化合物との塩など反応物、オクチル酸鉛、並びに、
イソシアネート反応触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、N,N´,N´-トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン及びジメチルエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアミン類化合物、
トリエチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類化合物、
ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクトエート及びジブチル錫ジエチルヘキサノレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機スズ化合物、
ジ(2-エチルヘキサン酸)鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、並びに、ナフテン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
(1)組成物X1の実施態様例
表3及び4を参照して説明する。
化合物a1を100g及び化合物b1を400g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例1-1の相溶組成物を得ることができる。
(1-1)化合物A
重合体ブロックaがメチルメタクリレートで構成され、
重合体ブロックbがブチルアクリレートで構成された、
重合体ブロックa-重合体ブロックb-重合体ブロックaのトリブロック共重合体化合物及び重合体ブロックa-重合体ブロックbのジブロック共重合体化合物を使用した。
メチルメタクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移温度は140℃である。
化合物a2:KURARITY LA2250(登録商標、クラレ社)
化合物a3:KURARITY LA2330(登録商標、クラレ社)
化合物a4:KURARITY LA4285(登録商標、クラレ社)
LA2140では約20質量%、LA2250では約30質量%、
LA2330では約20質量%、LA4285は約50質量%、
LA1892では約50質量%、LA1114は約10質量%であり、
LA2140、LA2250、LA2330、LA4285はトリブロック体、
後述するLA1892、LA1114はジブロック体で、
分子量はLA2330>LA2140=LA2250=LA4285=LA1114=LA1892である。
化合物b1:イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
化合物b2:4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート(Rahn社製、genomer1119)
化合物b3:4-ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4-HBA)
化合物b4:ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(BASF社製、DINCH)
化合物b5:安息香酸アルキル(アルキルの炭素原子数12~16)(Lipo Chemicals社製、Liponate NEB)
化合物b6:水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE-311)
化合物b7:エポキシ系エステル(4,5-エポキシ-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2-エチルヘキシル))(DIC社製、W150)
化合物b8:不均化ロジンエステル(荒川化学社製、ME-D)
化合物b9:トリエチレングリコール ビス(2-エチルヘキサノエート)(Proviron社製、Proviplast1783)
化合物b1-1:PPGウレタンアクリレート(KSM社製、UA10000B)
化合物b1-2:脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EB270)
化合物b1-3:1.9-ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製、1,9-NDA)
化合物b1-4:ポリブタジエンウレタンアクリレート(日本曹達、TE-2000)
化合物b2-1:4-ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4-HBA)
化合物b2-2:ラウリルアクリレート(共栄社化学社製、LA)
化合物b2-3:イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
化合物b2-4:イソボルニルアクリレート(日本化薬社製、RM-1002)
化合物b2-5:4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート(Rahn社製genomer1119)
化合物b2-6:ペンタメチルピペリジルメタクリレ-ト(日立化成社製、FA-711MM)
化合物r1:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、I-184)
化合物r2:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルーフォスフィンオキサイド(BASF社製、I-TPO)
表5及び6を参照して説明する。
化合物a1を100g及び化合物b1を200g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例2-1の相溶組成物を得ることができる。
(2-1)化合物A
重合体ブロックaがメチルメタクリレート単位(MMA)で構成され、
重合体ブロックbがn-ブチルアクリレート単位(nBA)で構成され、
幹が重合体ブロックbで、枝が重合体ブロックaであるグラフト共重合体化合物を使用した。
n-ブチルアクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移温度が-25℃である。
化合物a-2:NB5065(三菱レイヨン社)
化合物a-3:NB5066(三菱レイヨン社)
化合物a-4:NB5073(三菱レイヨン社)
化合物a-5:NB5088(三菱レイヨン社)
化合物b-1:ライトアクリレートLA(ラウリルアクリレート、共栄社化学社)
化合物b-2:SR395(イソデシルアクリレート、サートマー社)
化合物b-3:Proviplast1783(トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート、Proviron社)
化合物b-4:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b1-1:水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE-311)
化合物b1-2:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b2-1:TE-2000(ポリブタジエンウレタンアクリレート、日本曹達社)
化合物b2-2:脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EB270)
化合物b2-3:PPGウレタンアクリレート(KSM社製、UA10000B)
化合物b3-1:ライトアクリレートLA(ラウリルアクリレート、共栄社化学社)
化合物b3-2:ペンタメチルピペリジルメタクリレ-ト(日立化成社製、FA-711MM)
化合物b3-3:イソボルニルアクリレート(日本化薬社製、RM-1002)
化合物r-1:I-184(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社)
表7~11を参照して説明する。
化合物A1として化合物a1-1を100g及び化合物Bとして化合物b-4を200g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例3-1-1の相溶組成物を得ることができる。
(3-1)化合物A
表7記載の化合物を使用できる。重合物b2のガラス転移温度は-25℃である。
化合物b-1:サラコス99(イソノナン酸イソノニル、日清オイリオ社)
化合物b-2:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b-3:サラコスP-8(パルミチン酸-2-エチルヘキシル、日清オイリオ社)
化合物b-4:genomer1119(4-tertブチルシクロヘキシルアクリレート、Rahn社)
化合物b-5:SR395(イソデシルアクリレート、サートマー社)
化合物b-6:KE-311(水添ロジンエステル、荒川化学社)
化合物b-7:アルコンP-100(炭化水素樹脂、荒川化学社)
化合物b-8:クリアロンM-105(水添芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社)
化合物b-9:TE-2000(ポリブタジエンウレタンアクリレート、日本曹達社)
化合物b-10:1.9ND-A(ノナンジオールジアクリレート、共栄社)
化合物b-11:エステモールN-01(ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、日清オイリオ社)
化合物b-12:HOB(2-ヒドロキシブチルメタクリレート、共栄社)
化合物r-1:I-184(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社)
A.実施態様例1:表示用デバイスが組込まれた複合体の場合
携帯電話・パソコン・ディスプレイ等の表示用デバイスが組込まれた筐体で構成されている複合体の組込・解体工程では、
最終の複合体組立工程で、曲面形状をした表示デバイスの表面Sの汚れを防ぐために、表面S全体をゲル状樹脂組成物で塗膜する部材表面塗膜工程と、
当該複合体を使用する段階、もしくは修理する段階で、当該塗膜を除去する部材表面塗膜除去工程とを有する。
(1)態様例1
塗膜装置として例えばスリットコートやナイフコート、カーテンコート、スプレーコートなどのコーティング装置、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどの塗布装置、スクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷装置を使用して、
ゲル状樹脂組成物を、好ましくはTc+5℃以上、より好ましくはTc+10℃以上、更に好ましくはTc+15℃以上に加温して、表示デバイスの表面S上に所望の領域・形状に塗膜して、
好ましくはTc-5℃以下、より好ましくはTc-10℃以下、更に好ましくはTc-15℃以下の環境で自然冷却してゲル状樹脂組成物シートにする。
予め剥離性基台上にゲル状樹脂組成物シートを製造し、目的形状にカットして表面Sに転写することで塗膜を形成しても良い。
ゲル状樹脂組成物シートはゲル状樹脂組成物を加温して塗膜装置で塗布しても、ゲル状樹脂組成物を溶剤に希釈して室温で塗布し溶剤を揮発させてゲル状組成物シートにしても良い。
ゲル状樹脂組成物がチキソトロピー性を有すれば、Tc以下の温度でも塗膜することができる。
(1)態様例1
ゲル状樹脂組成物の塗膜は、保護シートとして使用した後、Tc以上に加温したり溶剤に溶解させたりしして液状にして除去することができる。
光硬化されたゲル状樹脂組成物は剥離に耐えうる皮膜性、適度な界面強度を発現することで、表示デバイスの表面S上に形成されたゲル状樹脂組成物の塗膜を物理的に剥離することができる。
半導体部品等の電子部材にメッキ配線する際には、
部材表面加工工程でメッキ加工する領域以外のメッキ加工を回避すべき領域を、ゲル状樹脂組成物で塗膜して保護する部材表面塗膜工程を有する。
透明性と光硬化性を有するゲル状樹脂組成物を使用した塗膜は、硬化後も部材表面のダメージや異物検査に影響を及ぼさないという効果を奏し、保護性を強化するために厚膜にした場合にも塗膜全体が光硬化して良好な保護性、剥離性を維持する。
(1)態様例1
塗膜装置として例えばスリットコートやナイフコート、カーテンコート、スプレーコートなどのコーティング装置、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどの塗布装置、スクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷装置を使用して、
ゲル状樹脂組成物を、好ましくはTc+5℃以上、より好ましくはTc+10℃以上、更に好ましくはTc+15℃以上に加温して、表示デバイスの表面S上に所望の領域・形状に塗膜して、
好ましくはTc-5℃以下、より好ましくはTc-10℃以下、更に好ましくはTc-15℃以下の環境で自然冷却する。
(2)態様例2
予め剥離性基台上にゲル状樹脂組成物シートを製造し、目的形状にカットして表面Sに転写することで塗膜を形成しても良い。
ゲル状樹脂組成物シートはゲル状樹脂組成物を加温して塗膜装置で塗布しても、ゲル状樹脂組成物を溶剤に希釈して室温で塗布し溶剤を揮発させてゲル状組成物シートにしても良い。
ゲル状樹脂組成物がチキソトロピー性を有すれば、Tc以下の温度でも塗膜することができる。
(1)態様例1
ゲル状樹脂組成物の塗膜は、保護シートとして使用した後、Tc以上に加温したり溶剤に溶解させたりして液状にして除去することができる。
光硬化されたゲル状樹脂組成物は剥離に耐えうる皮膜性、適度な界面強度を発現することで、表示デバイスの表面S上に形成されたゲル状樹脂組成物の塗膜を物理的に剥離することができる。
例えば、半導体部品・光学部品に使用されるケイ素系部材の部材表面加工工程として、
シリコン基板としてのウエハー部材ではウエハー表面の研磨、
シリコン部材表面に微細立体パターンを形成させるシリコンエッチング、
シリコン基板上のSiO2膜のエッチング処理などのケミカルエッチング加工が挙げられる。
必要な場合、当該塗膜を除去する部材表面塗膜除去工程とを有する。
(1)態様例1
塗膜装置として例えばスリットコートやナイフコート、カーテンコート、スプレーコートなどのコーティング装置、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどの塗布装置、スクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷装置を使用して、
ゲル状樹脂組成物を、好ましくはTc+5℃以上、より好ましくはTc+10℃以上、更に好ましくはTc+15℃以上に加温して、表示デバイスの表面S上に所望の領域・形状に塗膜して、
好ましくはTc-5℃以下、より好ましくはTc-10℃以下、更に好ましくはTc-15℃以下の環境で自然冷却する。
(2)態様例2
予め剥離性基台上にゲル状樹脂組成物シートを製造し、目的形状にカットして表面Sに転写することで塗膜を形成しても良い。
ゲル状樹脂組成物シートはゲル状樹脂組成物を加温して塗膜装置で塗布しても、ゲル状樹脂組成物を溶剤に希釈して室温で塗布し溶剤を揮発させてゲル状組成物シートにしても良い。
ゲル状樹脂組成物がチキソトロピー性を有すれば、Tc以下の温度でも塗膜することができる。
(1)態様例1
ゲル状樹脂組成物の塗膜は、保護シートとして使用した後、Tc以上に加温したり溶剤に溶解させたりして液状にして除去することができる。
光硬化されたゲル状樹脂組成物は剥離に耐えうる皮膜性、適度な界面強度を発現することで、表示デバイスの表面S上に形成されたゲル状樹脂組成物の塗膜を物理的に剥離することができる。
組成物X1及びYを製造して本発明1の実施例に供した。
(1-1)化合物A
化合物a1:KURARITY LA2270(登録商標、クラレ社製)
化合物a2:KURARITY LA1892(登録商標、クラレ社製)
化合物a3:KURARITY LA2250(登録商標、クラレ社製)
化合物b1:PPGウレタンアクリレート(UA10000B、KSM社製)
化合物b2:ウレタンアクリレートオリゴマー(UN9200A、根上工業)
化合物b3:イソボルニルアクリレート(RM1002、日本触媒社製)
化合物b4:ペンタメチルピペリジルメタクリレ-ト(FA-711MM、日立化成社製)
化合物b5:アクリロイルモルホリン(ACMO、KJケミカルズ社製)
化合物b6:トリペンタエリスリトールオクタアクリレートとトリペンタエリスリトールヘプタアクリレートの混合物(大阪有機化学工業社製、ビスコート#802)
化合物b7:ポリブタジエンウレタンアクリレート(TE-2000、日本曹達社製)
化合物b8:ラウリルアクリレート(LA、共栄社化学社製)
化合物b9:4-ヒドロキシブチルアクリレート(4-HBA、日本化成社製)
化合物b10:水添ロジンエステル(KE-311、荒川化学工業社製)
化合物b11:ビス(2-ブトキシエチル)アジペート(D931、ジェイプラス社製)
化合物b12:ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(DINCH、BASF社)
化合物b13:化合物b16:アクリルポリマー(東亞合成社製、UP1110)
化合物c1:ポリエーテル変性シロキサン(エボニック社製、TEGO GLIDE440)
化合物r1:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(I-184、BASF社製)
表1を参照して説明する。
実施例2及び3では表1記載の化合物に置き換えて、表1記載の配合で同様にして、ゲル状樹脂組成物を製造し、
実施例1の化合物A、B及びr1を、比較例1~3について表1記載の化合物に置き換えて、表1記載の配合で同様にして、液状組成物を製造した。
(2-2-2)液状-ゲル状転移温度(Tc)
(2-2-3)複素粘度(Pa・s)
(2-2-4)25℃における貯蔵剛性率(kPa)
(2-2-5)25℃、剪断速度1(sec-1)における粘度η1(Pa・s)
(2-2-6)25℃、剪断速度10(sec-1)における粘度η10(Pa・s)
(2-2-7)チキソ比(X1=η1/η10)
(3)測定条件
重合物a、重合物b及びブロック共重合体化合物のそれぞれについて、200℃に設定した神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力で0.5mm厚みにシート成形する。その後、動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×0.5mmの短冊片を切り出す。
セイコーインスツルメンツ社製動的粘弾性装置(DMS6100)を使用し、
引っ張りモードにて、-100℃~200℃の温度範囲(昇温速度3℃/分)、周波数11Hzなる条件で測定して得られたチャートにおける、
tanδのピーク温度を読み取って短冊片を構成する重合物a、重合物b及びブロック共重合体化合物それぞれのガラス転移点とする。
ゲル状樹脂組成物の貯蔵剛性率G’と損失剛性率G”を、
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、
150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定し、
25℃超150℃以下の範囲において、貯蔵剛性率G’と損失剛性率G”とが等しくなる温度をTcとする。
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。Tc以上の温度領域で測定された数値を複素粘度とした。
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、
150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。
25℃で測定された貯蔵剛性率の数値を読み取った。ただし、転移温度が0℃≦Tc≦30℃の場合はTc-20℃における貯蔵剛性率とした。
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、
25℃にて、剪断速度を0.01(sec-1)から100(sec-1)まで変化させて剪断速度vにおける粘度ηvを読み取る。
なお、コーンローターにゲル組成物の構造粘性に基づく抵抗が発生せずに測定値が計測できない場合は「測不」とした。
粘度ηvの測定において、剪断速度1(sec-1)および剪断速度10(sec-1)における粘度の比X1=η1/η10を計算しチキソ比とした。
2.5cm×3.8cm×1mmtのガラスの両端に0.3mmtのスペーサーを貼り、硬化性樹脂組成物を挟んでメタルハライドランプ(アイグラフィックス社製、コンベアタイプ)にて、250mW/cm2、3000mJ/cm2で硬化性樹脂組成物を硬化させた。ヘイズメーター(日本電食工業社製、NDH5000)にて測定し、全光透過率と拡散透過率の比を求める。
(保護膜形成性)
実施例1および比較例1記載の組成物について25℃でガラス基板2上にスクリーン印刷装置(ニューロング社製)を用いて、スクリーン厚0.024mm、非印刷部幅1.5mm、塗布速度100mm/secで塗工した。塗布後300秒放置した後、コンベア型紫外線照射装置(アイグフィック社製、メタルハライドランプ)を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm2(オーク社製 波長350nm)、反応率100%で光硬化させて、ガラス基板2上に硬化物保護膜を作製した。
レーザー顕微鏡(オリンバス社製、LEXT OLS4000)を用いて塗布形状を測定し、非印刷部幅を計測した。
非印刷部幅が1.2mm以上保持されているなら○、1.2mm以下なら×とした。
(1)保護膜形成性
塗布層を、コンベア型紫外線照射装置(アイグフィック社製、メタルハライドランプ)を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm2(オーク社製 波長350nm)、反応率100%で光硬化させ、実施例2の組成物については室温に冷却することで、ガラス基板3上に保護層を作製した。
レーザー顕微鏡(オリンバス社製、LEXT OLS4000)を用いて塗布形状を測定し塗布幅を計測して、
塗布幅の距離が1.0mm以下の場合を○、
塗布幅の距離が1.0mm超の場合を ×
とした。
(1)と同様の方法で塗布し、比較例2記載の組成物についてはコンベア型紫外線照射装置(アイグフィック社製、メタルハライドランプ)を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm2(オーク社製 波長350nm)、反応率100%で硬化させるものと、硬化させないものを作製し、それぞれ比較例2-1、2-2とした。
それぞれの保護層をアセトン(関東化学製、特級)に浸漬し、10分間放置後の状態を確認して、
保護層が溶解消失している場合を〇、
保護層が残存している場合を×とした。
(1)保護膜形成
実施例3記載の組成物については80℃で液状相溶組成物とし、比較例1記載の組成物については25℃でガラス基板1上にフラットノズル(ムサシエンジニアリング社製30mm幅、SHOT MASTER 300)を用いて、厚さ0.15mmの厚みに塗工した。塗布後300秒間放置した後、コンベア型紫外線照射装置(アイグフィック社製、メタルハライドランプ)を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm2(オーク社製 波長350nm)、反応率100%で光硬化させて、ガラス基板1上に硬化物保護膜を作製した。
レーザー顕微鏡(オリンバス社製、LEXT OLS4000)を用いて塗布形状を測定し、膜厚均一部分が保護性能を十分発揮できている部分、液ダレ部分を汚染もしくは保護性能が十分でない部分として液ダレ幅を計測した。
液ダレ幅の距離が0.5mm以下なら○、0.5mm以上なら×とした。
(1)の試験で使用したガラス基板1上の硬化物膜の角隅をピンセットで摘み剥がし、
樹脂が破断なく剥離した場合を ○、
界面から剥離できたが樹脂が破断した場合を△、
剥離できなかった場合を ×
とした。
2 表面Sを備える部材
3 ゲル状樹脂組成物
31 光硬化したゲル状樹脂組成物
4 光照射装置
5 めっき
6 レジスト
Claims (6)
- 表面Sを備える部材の組込み及び/若しくは取外し工程、並びに/又は、前記表面Sを加工する部材表面加工工程を有する前記部材が組み込まれた複合体の製造・解体方法であって、
前記組込み及び/若しくは取外し工程、並びに/又は、前記部材表面加工工程において、
前記表面Sの汚染及び/又は加工を回避すべき領域をゲル状樹脂組成物で被覆する部材表面塗膜工程を有し、
前記ゲル状樹脂組成物が、
0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する、及び/又は、
チキソトロピック性を有し、
チキソトロピック性の程度が、前記ゲル状樹脂組成物の剪断速度v(sec -1 )における粘度η v (Pa・s)としたときのチキソ比(η 1 /η 10 )が1.1~20の程度であり、
前記部材表面塗膜工程において、前記領域を、液状又は溶液にした前記ゲル状樹脂組成物を塗膜して被覆する複合体の製造・解体方法(但し、前記複合体の製造・解体方法が以下の態様である場合を除く:
前記表面Sの汚染及び/又は加工を回避すべき領域をゲル状組成物で被覆する場合に、ポリマーフィルム上にゲル状樹脂組成物が担持された状態で被覆する態様)。 - 前記ゲル状樹脂組成物が熱及び/又は光硬化性を有する請求項1記載の複合体の製造・解体方法。
- 前記部材表面加工が、前記表面S上の配線形成加工、メッキ形成加工及びエッチング加工からなる群から選ばれる少なくとも1種の部材表面加工である請求項1又は2記載の複合体の製造・解体方法。
- 前記部材が、表示用パネル、タッチパネル、センサー、レンズ、電池用部品及び半導体用部品からなる群から選ばれる少なくとも1種の部品、並びに/又は前記部品を外装する筐体である請求項1~3のいずれか1項記載の複合体の製造・解体方法。
- 前記複合体が、前記部材が組み込まれた筐体で構成される請求項1~4のいずれか1項記載の複合体の製造・解体方法。
- 請求項1~5のいずれか1項記載の複合体の製造・解体方法に使用されるゲル状樹脂組成物であって、
前記ゲル状樹脂組成物が、
0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する、及び/又は、
チキソトロピック性を有し、
チキソトロピック性の程度が、前記ゲル状樹脂組成物の剪断速度v(sec -1 )における粘度η v (Pa・s)としたときのチキソ比(η 1 /η 10 )が1.1~20の程度であるゲル状樹脂組成。
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