JP7097582B2 - 複合体の製造方法及び複合体 - Google Patents
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Description
部材1と部材2の間隙に光硬化性樹脂組成物を充填する工程1、
充填された前記光硬化性樹脂組成物を光硬化させて前記部材1及び2を接着する工程2を有する前記部材1及び2を含む複合体の製造方法であって、
前記間隙の幅が30~1000μmであり、
前記光硬化性樹脂組成物が、
0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有するか、
0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有し、さらに温度Tc以下でチキソトロピック性を有し、
HAZE値が1.0以下であり、
前記光硬化性樹脂組成物を温度Tc以上で間隙に充填するか、
前記光硬化性樹脂組成物が温度Tc未満でチキソトロピック性を有する場合は、
前記光硬化性樹脂組成物を温度Tc未満で間隙に充填してもよい複合体の製造方法。
;及び
〔2〕前項〔1〕記載の複合体の製造方法で製造された複合体(以下「本発明2」ともいう)に関する。
なお、以下では、本発明1及び2をまとめて「本発明」ともいう。
本発明において、工程1における部材としては表示用パネル、タッチパネル、センサー、レンズ、電池用部品、半導体用部品、及びこれらの部品を外装する筐体等の部材が例示でき、これらの部材が組み込まれる複合体は、これらの部品を外装する筐体、映像・画像表示装置、撮像装置、通信装置、家庭用電気製品、電池、集積回路等の複合体を例示できる。
(1)ディスプレー(複合体)に組み込まれるカバーレンズ(部材1)と筐体(部材2)でカバーレンズと筐体の50~200μmの間隙に光硬化性樹脂組成物を充填する場合(図1);
(2)カメラモジュール(複合体)に組み込まれるレンズホルダ(部材1)と基板(部材2)でレンズホルダと基板の40~500μmの間隙に光硬化性樹脂組成物を充填する場合;
(3)電子部品(複合体)に組み込まれる半導体パッケージ(部材1)と基板(部材2)で半導体パッケージと基板の30~500μmの間隙に光硬化性樹脂組成物を充填する場合;
(4)電池モジュール(複合体)に組み込まれる電池セル(部材1)とホルダ(部材2)で電池セルとホルダの50~1000μmの間隙に光硬化性樹脂組成物を充填する場合;
(5)ハードディスクドライブ(複合体)に組み込まれるカバー(部材1)とケース(部材2)でカバーとケースの60~1000μmの間隙に光硬化性樹脂組成物を充填する場合。
本発明おける工程1は、部材1と部材2の間隙に光硬化性樹脂組成物を充填する工程であり、部材と部材の間隙に光硬化性樹脂組成物を充填・光硬化して、複合体における防水、気密、部材間空隙形成、ガスケット固定等を目的とする。
工程1が対象とする部材1と部材2の間隙は、対向する部材1の側面と部材2の側面で形成され、光硬化性樹脂組成物を充填する際の充填口となる間隙口が水平方向に広がり、間隙口から鉛直下に対向する側面で充填空間が形成され、間隙口の鉛直下の反対側は封鎖されているか開放されており(好ましくは開放されており)、両部材の水平方向の側面の両端も閉じている場合と開放している場合がある。
工程1では、後述する0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する光硬化性樹脂組成物を間隙口から充填する。
光硬化性樹脂組成物を温度Tc以上(好ましくはTc+10℃以上、より好ましくはTc+20℃以上、更に好ましくはTc+30℃以上、更に好ましくはTc+40℃以上、更に好ましくはTc+50℃以上)でを液状体にして間隙に充填するか、
光硬化性樹脂組成物が温度Tc未満でチキソトロピック性を有する場合は、温度Tc+5℃以下(好ましくはTc未満、より好ましくはTc-5℃以下、更に好ましくはTc-10℃以下、更に好ましくはTc-20℃以下、更に好ましくはTc-30℃以下)で光硬化性樹脂組成物をゲル状体にして間隙に充填してもよい。
本発明おける工程2は、工程1で間隙に充填された光硬化性樹脂組成物を光硬化させて部材1及び部材2を接着する工程である。
好ましくは5~120分後、より好ましくは10~60分後、更に好ましくは20~30分後に、間隙口の上方の好ましくは0.1~50cm、より好ましくは0.5~25cm、更に好ましくは1~5cmから、接着強度が、好ましくは1N以上、より好ましくは1~1000N、更に好ましくは1~500N、更に好ましくは1~300Nの範囲になるように照射量を調整することが好ましい。
本発明で使用される光硬化性樹脂組成物(以下「光硬化性樹脂組成物」ともいう)は、
(物性1)0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有するか、
(物性2)0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有し、さらに温度Tc以下でチキソトロピック性を有する。
物性1及び2の場合の光硬化性樹脂組成物を、温度Tc以上、好ましくはTc+(10~80)℃、より好ましくはTc+(20~70)℃、更に好ましくはTc+(30~60)℃で液状体にしてディスペンサーから吐出して間隙口から充填すると、間隙内で温度が低下するに伴いゲル状体になり、光硬化性樹脂組成物を間隙からそのまま流出させるることなく充填することが可能となる。
物性2の場合の光硬化性樹脂組成物を、温度Tc未満、好ましくは(Tc+5)~(Tc-50)℃、より好ましくはTc未満~(Tc-45)℃、より好ましくはTc-(10~40)℃、更に好ましくはTc-(15~35)℃、より好ましくはTc-(20~30)℃でゲル状体にしてディスペンサーから吐出して間隙口から充填すると、間隙内で吐出時の応力が消失すると共にゲル状体になり、光硬化性樹脂組成物を間隙からそのまま流出させることなく充填することが可能となる。
光硬化性樹脂組成物の間隙充填性は、下記試験条件において、光硬化性樹脂組成物をエアーディスペンサー又はジェットディスペンサーにより充填した場合に10分後の充填距離が50μm以上1000μm未満であることが好ましい:
厚さ1000μmのガラスプレートであって、
前記ガラスプレートの表面から裏面にかけて幅50μm、深さ1000μm、長さ50mmのスリットが設けられているガラスプレートにおいて、
エアーディスペンサーの場合では前記表面のスリット口の上方0.6mmから、光硬化性樹脂組成物3~5mgを、
ジェットディスペンサーの場合では前記表面のスリット口の上方2mmから、光硬化性樹脂組成物6~9mgを、
吐出口径100μmのエアーディスペンサーの場合では吐出圧300kPa、
吐出口径100μmのジェットディスペンサーの場合では吐出圧100kPaで吐出して、
スリット内に光硬化性樹脂組成物を充填し、吐出終了後10分後に、前記スリット口の上方50mmから紫外線照射して、充填された光硬化性樹脂組成物を硬化させ、
スリット口から硬化した光硬化性樹脂組成物の深さ方向先端までの距離を充填距離とする(但し、光硬化性樹脂組成物の粘度が、
エアーディスペンサーでは1Hzにおける複素粘度を6.0~365Pa・sに、
ジェットディスペンサーでは100s-1における粘度を2.5~8.5Pa・sになるように温度調整して、
紫外線照射は、メタルハライドランプで波長350nm、ピーク照度400mW/cm2、積算光量500mJ/cm2の紫外線を10分間照射する。
光硬化性樹脂組成物が、0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有し、さらにチキソトロピック性を有するとは、光硬化性樹脂組成物が物理架橋ゲルであることを意味する。
Tc及びチキソトロピック性の測定は実施例に記載された条件で行う。
光硬化性樹脂組成物がTcを有するとは、光硬化性樹脂組成物はTc以上で液状体となり、温度Tc未満では自然流動しないゲル状体であることを意味する。
ここで自然流動しないとは、光硬化性樹脂組成物が温度Tcよりも10℃低い温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上静置しても流動しないこと(流動性なし)を意味する。なお、光硬化性樹脂組成物が適化されるガラスプレートの表面は、中性洗剤等で油分等が洗浄され清浄であることが好ましい。
光硬化性樹脂組成物がチキソトロピック性を有するとは、光硬化性樹脂組成物の剪断速度vにおける粘度ηvが、
30℃<Tcの場合は25℃で、0℃≦Tc≦30℃の場合はTc-20℃で、
η0.1が、10~10000Pa・s、好ましくは30~5000Pa・s、より好ましくは50~3000Pa・sであり、
η10が、3~500Pa・s、好ましくは5~300Pa・s、より好ましくは5~150Pa・sである性状を有することである。
なお、Tcを有さない光硬化性樹脂組成物は30℃<Tcの場合に従う。
粘度ηvの測定は実施例に記載した条件で行う。
η0.1が、10~10000Pa・s、好ましくは30~5000Pa・s、より好ましくは50~3000Pa・sであり、
η1が、好ましくは10~1000Pa・s、より好ましくは20~700Pa・s、更に好ましくは30~500Pa・sであり、
η10が、好ましくは3~500Pa・s、より好ましくは5~300Pa・s、更に好ましくは5~150Pa・sであり、
x1=η0.1/η1が、好ましくは1.1~20、より好ましくは1.2~15、更に好ましくは1.25~10である。
x2=η1/η10が、好ましくは1.1~20、より好ましくは1.2~15、更に好ましくは1.25~10である。
本発明に適用できる光硬化性樹脂組成物は、間隙充填性の観点から、ゲル状態の貯蔵剛性率が、30℃<Tcの場合は25℃で、0℃≦Tc≦30℃の場合はTc-20℃で、0.01~10000kPaであることが好ましい。
貯蔵剛性率の測定は実施例に記載された条件で行う。
本発明に適用できる好適な光硬化性樹脂組成物としては、例えば、
Tcを有する光硬化性樹脂組成物(以下「組成物X」という);及び
Tcを有し、かつ、チキソトロピック性を有する組成物(以下「組成物Y」という)
が挙げられる。
好適な組成物Xとしては以下を例示できる;
(1)特定の(メタ)アクリレート系ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X1」ともいう);
(2)特定のグラフト共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X2」ともいう);及び
(3)特定のスチレン系ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X3」ともいう)
〈組成物X1として好適な相溶性組成物〉
組成物X1としては、
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記ブロック共重合体化合物は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのブロック共重合体であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が50℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が-100℃以上50℃以下であり、
前記ブロック共重合体化合物は、25℃超150℃以下で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
前記相溶組成物は、25℃超150℃以下で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物であり、
より好ましくは、
メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)及びアクリル酸n-ブチル(ブチルアクリレート)の組み合わせであって、
それぞれの化合物が単独で重合物を構成したときに示すTgに基づいて、重合体ブロックa又は重合体ブロックbの構成単位とする。
重合体ブロックbの両末端に前記重合体ブロックaが結合したトリブロック構造を少なくとも1つ有することが好ましく、
トリブロック構造だけで構成されていることがより好ましいが、
0~150℃で、ブロック共重合体化合物が液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
後述する相溶組成物が液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する範囲で、
トリブロック構造以外の構造(例えば、重合体ブロックaと重合体ブロックbが結合するジブロック構造)が含まれてよい。
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、イソデシルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート及び4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル;
アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジイソノニル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル等の多価カルボン酸エステル;
安息香酸アルキル;
トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル;
トリメリット酸エステル;
(水添)ポリイソプレン、水酸基含有(水添)ポリイソプレン、(水添)ポリブタジエン、水酸基含有(水添)ポリブタジエン、ポリブテン等のゴム系ポリマー;
熱可塑性エラストマー;
石油樹脂;
脂環族飽和炭化水素樹脂;
テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;
ロジンフェノール等のロジン系樹脂;
不均化ロジンエステル系樹脂、重合ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂等のロジンエステル系樹脂;
キシレン樹脂;及び
アクリルポリマー、アクリルコポリマー等のアクリル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、多価カルボン酸エステル及びロジンエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン、n-ヘキサン、メチルシクロヘキサン、スチレンなどの炭化水素類;
ジエチルエーテルなどのエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸プロピレンなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの窒素類;
ブチルグリコール、メチルジグリコール、ブチルジグリコール、3-メチル-3-メトキシブタノール、テトラヒドロフランなどのグリコールエーテル類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどの塩素類;
ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;ギ酸、酢酸等のカルボン酸類;及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、アルコール類、炭化水素類、エステル類及びケトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
更に好ましくは、アセトン、ヘキサン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール及び炭酸ジエチルからなる群から選ぶことができる。
ブロック共重合体化合物との相溶組成物を容易に製造する観点から、媒質の粘度は、
好ましくは0.001~10Pa・sであり、より好ましくは0.001~1Pa・sであり、更に好ましくは0.001~0.5Pa・sである。
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物は、0~150℃で、ブロック共重合体化合物は液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、相溶組成物は液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物である。
温度Tc以上(好ましくは温度Tcよりも10℃以上高温、より好ましくは温度Tcよりも15℃以上高温、更に好ましくは温度Tcよりも20℃以上高温)の温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上滴下すると自然流動する液状体であるが、
温度Tc未満(好ましくは温度Tcよりも10℃以上低温、より好ましくは温度Tcよりも15℃以上低温、更に好ましくは温度Tcよりも20℃以上低温)の温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上静置しても流動しないゲル状体である。
重合物aのTgが高い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、媒質の配合比率を少なくすると、高温側に設定でき、
重合物aのTgが低い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、媒質の配合比率を大きくすると、低温側に設定できる。
以下に説明する組成物X1の相溶組成物粘弾性体の好適物性は、組成物X1、X2及びX3並びに組成物Yの相溶組成物粘弾性体の好適物性でもある。
25℃において、好ましくは0.3~1000kPa、より好ましくは0.5~500kPa、更に好ましくは0.5~200kPaであり、
25℃において、弾性率が0.3kPa未満の場合は、温度Tc-20℃において、好ましくは0.5~500kPa、より好ましくは1~200kPaである。
好ましくは10~1000%、より好ましくは30~800%、更に好ましくは50~500%であり、
シートを構成できる程度の破壊強度として、
好ましくは1×102~1×107Pa、より好ましくは1×102~1×106Pa、更に好ましくは1×103~1×105Paである。
25℃で0.3Pa以上の場合は25℃で、
0.3Pa未満の場合は温度Tc-20℃で、以下の条件で測定できる。
(1)相溶組成物粘弾性体を温度Tc+20℃で液状にした後ダンベルの型に流し込み温度Tc未満の温度に冷却(実際は室温)して厚み1mmのダンベル試験片を作製する。
(2)ダンベル試験片を引張試験機(ミネベア製テクノグラフ、TG-2kN)にて10mm/minの引張り速度で引張り、測定結果から伸び率及び破断強度を読み取る。
<組成物X2として好適な相溶組成物>
組成物X2としては、
グラフト共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記グラフト共重合体化合物は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのグラフト共重合体化合物であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が30℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が-100℃以上30℃以下であり、
前記グラフト共重合体化合物は、0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
前記相溶組成物は、0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)。
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物であり、
より好ましくは、少なくともどちらかがメタクリレート化合物である。
例えば、重合体ブロックaは(メタ)アクリレート単位が線状に結合した構造で、重合体ブロックaの構成単位の少なくとも一つが、さらに重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位と結合して重合体ブロックaから枝分かれしたように重合体ブロックbが結合した構造をとる。
この場合、幹中の(メタ)アクリレート単位aeを(メタ)アクリレート単位beに置き換えた(メタ)アクリレート単位beの重合物を重合体ブロックbとみなし、重合体ブロックaから(メタ)アクリレート単位aeを除いた重合体ブロックaの部分を枝とみなす。
枝を構成する予め合成した重合体ブロックaの合計量wa及び数平均分子量(重量平均分子量)maとから、重合体ブロックaの総モル数naをna=wa/maで算出して、
幹1本を構成する重合体ブロックbの数平均分子量(重量平均分子量)mbと幹1本当たりの枝の数nxを、mb+nx・ma=M、nx=na/N と定義して、mbを算出し、これを重合体ブロックbの数平均分子量(重量平均分子量)としてもよい。
組成物X1として好適な相溶組成物と同様に、保護膜形成性及び剥離性の観点から、組成物X2として好適な相溶組成物も、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
相溶組成物は液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物であり、
組成物X1における相溶組成物と同様の性状を有することが好ましい。
重合物aのTgが高い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、化合物Bの配合比率を少なくすると、高温側に設定でき、
重合物aのTgが低い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、化合物Bの配合比率を大きくすると、低温側に設定できる。
〈組成物X3として好適な相溶性組成物〉
組成物X3としては、
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記ブロック共重合体化合物は、
スチレン系化合物単位を主体とする重合体ブロックaと、
アルケン系化合物、ジエン系化合物及びアルキン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素系化合物の単位を主体とする重合体ブロックb1、又は(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックb2とのブロック共重合体構造を有する化合物であり、
前記重合体ブロックb2を構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が-100℃以上50℃以下であり、
前記相溶組成物は、0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
好ましくは、スチレン;α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、4-tert-ブチルスチレン、4-ヘキシルスチレンなどのアルキル基置換スチレン;p-ヒドロキシスチレンなどのヒドロキシル基置換スチレン;p-メトキシスチレン、4-tert-ブトキシスチレンなどのアルコキシ基置換スチレン;4-アミノスチレンなどのアミノ基置換スチレン;及び4-クロロスチレン、4-ブロモスチレンなどのハロゲン置換スチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のスチレン系化合物、
より好ましくは、スチレンである。
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)。
重合体ブロックb1を構成する特定炭化水素系化合物単位は、後述する特定炭化水素系化合物が重合した際に形成される。
アルケン系化合物としては、エチレン、プロピレン等のアルケン及び/又はこれらの(共)重合体並びにこれらの水添化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
ジエン系化合物としては、ブタジエン、イソプレン等のジエン及び/又はこれらの(共)重合体並びにこれらの水添化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
アルキン系化合物としては、アセチレン等のアルキン及び/又はこれらの(共)重合体
並びにこれらの水添化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
なお、本明細書では、重合体又は共重合体を「(共)重合体」と表記する。
ベースとなるアルケンとしては、好ましくはエチレン及び/又はプロピレンであり、
ベースとなるジエンとしては、好ましくはブタジエン及び/又はイソプレンであり、
ベースとなるアルキンとしては、好ましくはアセチレンである。
なお、本明細書では、例えば、「アルケン」、「アルケンの重合体」及び「アルケンの重合体の水添加物」の構成要素のアルケンを「ベースとなるアルケン」という。
好ましくはジエン及び/又はアルキンであり、より好ましくはジエンであり、
更に好ましくはブタジエン、イソプレン及びアセチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素化合物であり、更に好ましくはブタジエン及び/又はイソプレンである。
重合物b2の重量平均分子量は、好ましくは1×105以上、より好ましくは1×105~1×109、更に好ましくは1×105~1×107であり、
重合体ブロックb1中の特定炭化水素系化合物単位のモル比は、好ましくは90~100モル%、より好ましくは95~100モル%、更に好ましくは99~100モル%である。
重合体ブロックb1の両末端に重合体ブロックaが結合したトリブロック体構造又は重合体ブロックaと重合体ブロックb1が結合するジブロック体構造であることが好ましく、トリブロック体構造であることがより好ましい。
重合体ブロックaと重合体ブロックb1の合計質量中の重合体ブロックaの質量%が高い方が好ましい。
Sはスチレンをベース化合物とする単位、Bはブタジエンをベースとする単位、Iはイソプレンをベースとする単位、n-BAはn-ブチルアクリレートをベース化合物とする単位であり、
「a」は重合体ブロックa、「b1」は重合体ブロックb1、「b2」は重合体ブロックb2、「a-b1」は重合体ブロックaと重合体ブロックb1のジブロック共重合体、「a-b1-a」「a-b2-a」はそれぞれ重合体ブロックaと重合体ブロックb1又はb2のトリブロック共重合体をそれぞれ表す。
重合体ブロックb2を構成する(メタ)アクリレート単位は、それ単体で構成される重合物(以下、重合物b2という)のガラス転移温度が-100℃以上50℃以下となる(メタ)アクリレート化合物が重合した際に形成される。なお、ガラス転移温度の安定性の観点から、重合物b2の重量平均分子量は、好ましくは1×105以上、より好ましくは1×105~1×109、更に好ましくは1×105~1×107である。
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる化合物であり、
より好ましくは、アクリル酸n-ブチル(ブチルアクリレート)である。
い。
重合体ブロックb2の両末端に前記重合体ブロックaが結合したトリブロック構造を少なくとも1つ有することが好ましく、
トリブロック構造だけで構成されていることがより好ましいが、
0~150℃で、化合物Aが液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
後述する相溶組成物が液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する範囲で、
トリブロック構造以外の構造(例えば、重合体ブロックaと重合体ブロックb2が結合するジブロック構造)が含まれてよい。
組成物X3における媒質は、化合物A1又はA2と相溶して、0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物X3における相溶組成物(以下、相溶組成物ともいう)を構成する化合物であり、例えば組成物X3における媒質を好適に挙げることができる。
化合物A1又はA2と媒質とが相溶してなる相溶組成物は、
0~150℃で、
化合物A1又はA2は液状-ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
相溶組成物は液状-ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物であり、
組成物X1における相溶組成物と同様の性状を有することが好ましい。
組成物X1として好適な相溶組成物と同様の観点から、組成物X3として好適な相溶組成物も、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、化合物A1又はA2(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A1又はA2)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A1又はA2(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A1又はA2)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
例えば、組成物X1において、相溶組成物を得るためのブロック共重合体化合物および媒質を選択すると、さらにゲル状体においてチキソトロピー性を有する相溶性組成物(以下、チキソトロピック相溶性組成物ともいう)を構成し、さらに光学透明性と両立するチキソトロピック相溶性組成物を構成することができる。
本発明1及び2に適用される光硬化性樹脂組成物は、例えば、シート状に成形して、シート状光硬化性樹脂組成物を塗膜してから、湿気、熱又は光によって適度に硬化することで、間隙内の光硬化後の間隙壁との密着性(以下「間隙密着性」)が向上する。
好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル基、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレイミド及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の、
より好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の、
更に好ましくは、(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル反応性基である。
好ましくは、エポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン反応性基である。
好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル基、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレイミド及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の、
より好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の、
更に好ましくは、(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル反応性基(ラジカル反応の速度と安定性の観点からは好ましくは2官能以上の多官能)を有する反応性化合物である。
好ましくは、エポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン反応性を有する反応性化合物である。
ラジカル反応性基を有する化合物Aとラジカル反応性化合物である化合物Bとの組合せ、
カチオン反応性基を有する化合物Aとカチオン反応性化合物である化合物Bとの組合せ、
アニオン反応性基を有する化合物Aとアニオン反応性化合物である化合物Bとの組合せ、及び、
湿気反応性基を有する化合物Aと湿気反応性化合物である化合物Bとの組合せからなる群から選ばれる少なくとも1の組合せによって相溶性組成物を構成する。
好ましくは、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、ベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン-1、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-メチルチオ]フェニル]-2-モルホリノプロパンー1-オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチル-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2-ヒドロキシ-2-メチル-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、イソプロピルチオキサントン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、[4-(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン、2,4-ジエチルチオキサントン、2ークロロチオキサントン、エチルアントラキノン、ベンゾフェノンアンモニウム塩、チオキサントンアンモニウム塩、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、1,4ジベンゾイルベンゼン、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2,2’ビス(o-クロロフェニル)4,5,4’,5’-テトラキス(3,4,5-トリメトキシフェニル)1,2’-ビイミダゾール、2,2’ビス(o-クロロフェニル)4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2-ベンゾイルナフタレン、4-ベンゾイル ビフェニル、4-ベンゾイルジフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム、o-メチルベンゾイルベンゾエート、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル、活性ターシャリアミン、カルバゾール・フェノン系光反応開始剤化合物、アクリジン系光反応開始剤化合物、及び、トリアジン系光反応開始剤化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
より好ましくは、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン及び/又は2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシドである。
好ましくはアリールジアゾニウム塩、ジアリールハロニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリホスホニウム塩、鉄アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノールアルミニウム錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種のイオン性光酸発生剤化合物、並びに/又は、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、燐酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン及びN-ヒドロキシイミドスルホナートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非イオン性光酸発生剤化合物である。
好ましくは、1,10-ジアミノデカン、4,4’-トリメチレンジピペラジン、カルバメート類化合物及びその誘導体、コバルト-アミン錯体類化合物、アミノオキシイミノ類化合物及びアンモニウムボレート類化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、シラノール縮合触媒としてテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナート及びビスアセチルアセトナトジイソプロポキシチタンからなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジメチルマレエート、ジブチル錫ジエチルマレエート、ジブチル錫ジブチルマレエート、ジブチル錫ジオクチルマレエート、ジブチル錫ジトリデシルマレエート、ジブチル錫ジベンジルマレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジエチルマレエート、ジオクチル錫ジオクチルマレエート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジノニルフェノキサイド、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセトナート、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物及びジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物からなる群から選ばれる少なくとも1種の4価の有機錫化合物、
アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機アルミニウム化合物、
ジルコニウムテトラアセチルアセトナートなどのジルコニウム化合物、
アミン系化合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミン系化合物との反応物、飽和または不飽和の多価カルボン酸またはその酸無水物、カルボン酸化合物とアミン系化合物との塩など反応物、オクチル酸鉛、並びに、
イソシアネート反応触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
好ましくは、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、N,N´,N´-トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン及びジメチルエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアミン類化合物、
トリエチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類化合物、
ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクトエート及びジブチル錫ジエチルヘキサノレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機スズ化合物、
ジ(2-エチルヘキサン酸)鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、並びに、ナフテン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
(1)組成物X1の実施態様例
表3及び4を参照して説明する。
化合物a1を100g及び化合物b1を400g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例1-1の相溶組成物を得ることができる。
(1-1)化合物A
重合体ブロックaがメチルメタクリレートで構成され、
重合体ブロックbがブチルアクリレートで構成された、
重合体ブロックa-重合体ブロックb-重合体ブロックaのトリブロック共重合体化合物及び重合体ブロックa-重合体ブロックbのジブロック共重合体化合物を使用した。
メチルメタクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移温度は140℃である。
化合物a2:KURARITY LA2250(登録商標、クラレ社)
化合物a3:KURARITY LA2330(登録商標、クラレ社)
化合物a4:KURARITY LA4285(登録商標、クラレ社)
LA2140では約20質量%、LA2250では約30質量%、
LA2330では約20質量%、LA4285は約50質量%、
LA1892では約50質量%、LA1114は約10質量%であり、
LA2140、LA2250、LA2330、LA4285はトリブロック体、
後述するLA1892、LA1114はジブロック体で、
分子量はLA2330>LA2140=LA2250=LA4285=LA1114=LA1892である。
化合物b1:イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
化合物b2:4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート(Rahn社製、genomer1119)
化合物b3:4-ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4-HBA)
化合物b4:ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(BASF社製、DINCH)
化合物b5:安息香酸アルキル(アルキルの炭素原子数12~16)(Lipo Chemicals社製、Liponate NEB)
化合物b6:水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE-311)
化合物b7:エポキシ系エステル(4,5-エポキシ-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2-エチルヘキシル))(DIC社製、W150)
化合物b8:不均化ロジンエステル(荒川化学社製、ME-D)
化合物b9:トリエチレングリコール ビス(2-エチルヘキサノエート)(Proviron社製、Proviplast1783)
化合物b1-1:PPGウレタンアクリレート(KSM社製、UA10000B)
化合物b1-2:脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EB270)
化合物b1-3:1.9-ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製、1,9-NDA)
化合物b1-4:ポリブタジエンウレタンアクリレート(日本曹達、TE-2000)
化合物b2-1:4-ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4-HBA)
化合物b2-2:ラウリルアクリレート(共栄社化学社製、LA)
化合物b2-3:イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
化合物b2-4:イソボルニルアクリレート(日本化薬社製、RM-1002)
化合物b2-5:4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート(Rahn社製genomer1119)
化合物b2-6:ペンタメチルピペリジルメタクリレ-ト(日立化成社製、FA-711MM)
化合物r1:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、I-184)
化合物r2:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルーフォスフィンオキサイド(BASF社製、I-TPO)
表5及び6を参照して説明する。
化合物a1を100g及び化合物b1を200g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例2-1の相溶組成物を得ることができる。
(2-1)化合物A
重合体ブロックaがメチルメタクリレート単位(MMA)で構成され、
重合体ブロックbがn-ブチルアクリレート単位(nBA)で構成され、
幹が重合体ブロックbで、枝が重合体ブロックaであるグラフト共重合体化合物を使用した。
n-ブチルアクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移温度が-25℃である。
化合物a-2:NB5065(三菱レイヨン社)
化合物a-3:NB5066(三菱レイヨン社)
化合物a-4:NB5073(三菱レイヨン社)
化合物a-5:NB5088(三菱レイヨン社)
化合物b-1:ライトアクリレートLA(ラウリルアクリレート、共栄社化学社)
化合物b-2:SR395(イソデシルアクリレート、サートマー社)
化合物b-3:Proviplast1783(トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート、Proviron社)
化合物b-4:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b1-1:水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE-311)
化合物b1-2:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b2-1:TE-2000(ポリブタジエンウレタンアクリレート、日本曹達社)
化合物b2-2:脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EB270)
化合物b2-3:PPGウレタンアクリレート(KSM社製、UA10000B)
化合物b3-1:ライトアクリレートLA(ラウリルアクリレート、共栄社化学社)
化合物b3-2:ペンタメチルピペリジルメタクリレ-ト(日立化成社製、FA-711MM)
化合物b3-3:イソボルニルアクリレート(日本化薬社製、RM-1002)
化合物r-1:I-184(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社)
表7~11を参照して説明する。
化合物A1として化合物a1-1を100g及び化合物Bとして化合物b-4を200g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例3-1-1の相溶組成物を得ることができる。
(3-1)化合物A
表7記載の化合物を使用できる。重合物b2のガラス転移温度は-25℃である。
化合物b-1:サラコス99(イソノナン酸イソノニル、日清オイリオ社)
化合物b-2:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b-3:サラコスP-8(パルミチン酸-2-エチルヘキシル、日清オイリオ社)
化合物b-4:genomer1119(4-tertブチルシクロヘキシルアクリレート、Rahn社)
化合物b-5:SR395(イソデシルアクリレート、サートマー社)
化合物b-6:KE-311(水添ロジンエステル、荒川化学社)
化合物b-7:アルコンP-100(炭化水素樹脂、荒川化学社)
化合物b-8:クリアロンM-105(水添芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社)
化合物b-9:TE-2000(ポリブタジエンウレタンアクリレート、日本曹達社)
化合物b-10:1.9ND-A(ノナンジオールジアクリレート、共栄社)
化合物b-11:エステモールN-01(ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、日清オイリオ社)
化合物b-12:HOB(2-ヒドロキシブチルメタクリレート、共栄社)
化合物r-1:I-184(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社)
光硬化性樹脂組成物はTcを有し、間隙充填性を阻害しない範囲で、例えば、酸化防止剤、濡れ剤、界面活性剤、イオン性液体、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、無機・有機各種フィラー、ポリマー等の添加剤を含めることができる。
但し、深部硬化性の観点からは、光が十分に深部まで到達することが好ましく、光硬化性樹脂組成物の透明性を維持する観点から、無機・有機各種フィラーの添加は、透明性の尺度としてのHAZE値が1.0以下、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.25以下、更に好ましくは0.2以下であるようにすることが好ましい。
組成物X1及びYを製造して本発明1の実施例に供した。
(1-1)化合物A
化合物a1:KURARITY LA2270(登録商標、クラレ社製)
化合物a2:KURARITY LA1892(登録商標、クラレ社製)
LA1892では、重合体ブロックa及び重合体ブロックbの合計質量中、重合体ブロックaが約50質量%である。
化合物b1:PPGウレタンアクリレート(UA10000B、KSM社製)
化合物b2:ウレタンアクリレートオリゴマー(UV3630ID80、日本合成化学工業社製)
化合物b3:ウレタンアクリレートオリゴマー(EB270、ダイセルオルネクス社製)
化合物b4:イソボルニルアクリレート(RM1002、日本触媒社製)
化合物b5:ペンタメチルピペリジルメタクリレ-ト(FA-711MM、日立化成社製)
化合物b6:2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HO-250、共栄社化学社製)
化合物b7:アクリロイルモルホリン(ACMO、KJケミカルズ社製)
化合物b8:ジシクロペンタニルアクリレ-ト(FA-513AS、日立化成社製)
化合物b9:イソステアリルアクリレート(S-1800、新中村工業社製)
化合物b10:4-ヒドロキシブチルアクリレート(4-HBA、日本化成社製)
化合物b11:ラウリルアクリレート(LA、共栄社化学社製)
化合物b12:水添ロジンエステル(KE-311、荒川化学工業社製)
化合物b13:ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(DINCH、BASF社)
化合物r1:シリカ(TG-308F、キャボット社製)
化合物r2:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(I-184、BASF社製)
表11を参照して説明する。
(2-2-2)液状-ゲル状転移温度(Tc)
(2-2-3)複素粘度(Pa・s)
(2-2-4)25℃における貯蔵剛性率(kPa)
(2-2-5)25℃、剪断速度1(sec-1)における粘度η1(Pa・s)
(2-2-6)25℃、剪断速度10(sec-1)における粘度η10(Pa・s)
(2-2-7)チキソ比(X1=η1/η10)
(2-2-8)25℃における貯蔵剛性率(kPa)
(2-2-9)HAZE値
(2-2-10)間隙充填性
(2-2-11)充填均一性
(2-2-12)深部硬化性
(3)測定条件
重合物a、重合物b及びブロック共重合体化合物のそれぞれについて、200℃に設定した神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力で0.5mm厚みにシート成形する。その後、動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×0.5mmの短冊片を切り出す。
セイコーインスツルメンツ社製動的粘弾性装置(DMS6100)を使用し、
引っ張りモードにて、-100℃~200℃の温度範囲(昇温速度3℃/分)、周波数11Hzなる条件で測定して得られたチャートにおける、
tanδのピーク温度を読み取って短冊片を構成する重合物a、重合物b及びブロック共重合体化合物それぞれのガラス転移点とする。
メチルメタクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移点は140℃であった。
[測定条件1]
光硬化性樹脂組成物の貯蔵剛性率G’と損失剛性率G”を、
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、
150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定し、
25℃超150℃以下の範囲において、貯蔵剛性率G’と損失剛性率G”とが等しくなる温度をTcとする。
光硬化性樹脂組成物の貯蔵剛性率G’と損失剛性率G”を、
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、
0℃から80℃に向けて、2℃/分で加温して測定し、
25℃超150℃以下の範囲において、貯蔵剛性率G’と損失剛性率G”とが等しくなる温度をTcとする。
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。Tc以上の温度領域で測定された数値を複素粘度とした。
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、
25℃にて、剪断速度を0.01(sec-1)から100(sec-1)まで変化させて剪断速度vにおける粘度ηvを読み取る。
なお、コーンローターにゲル組成物の構造粘性に基づく抵抗が発生せずに測定値が計測できない場合は「測不」とした。
粘度ηvの測定において、剪断速度1(sec-1)および剪断速度10(sec-1)における粘度の比X1=η1/η10を計算しチキソ比とした。
[測定条件1]
Tcが測定条件1で測定された場合は以下の条件で測定した。
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、
150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。
Tcが測定条件2で測定された場合は以下の条件で測定した。
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、
0℃から80℃に向けて、2℃/分で加温して測定した。
2.5cm×3.8cm×1mmtのガラスの両端に厚さ0.1mm(100μm)のスペーサーを貼り、硬化性樹脂組成物を挟んでメタルハライドランプ(アイグラフィックス社製、コンベアタイプ)にて、250mW/cm2、3000mJ/cm2で硬化性樹脂組成物を硬化させた。ヘイズメーター(日本電食工業社製、NDH5000)にて測定し、全光透過率と拡散透過率の比を求める。
(1)スリットの作成
部材1及び部材2として2枚のスライドガラス(幅26mm、長さ76mm、厚さ1000μm、松浪硝子工業社製)を長さ方向の側面が対向するように並置し、
側面の間に、厚さ50μmのシックネスゲージ(シンワ測定社製)を挟み込み、
側面の両端8mmに比較例1の光硬化性樹脂組成物を塗布して、
塗布された比較例1の光硬化性樹脂組成物をメタルハライドランプ(浜松フォトニクス社製、LC5)で光照射して硬化させ2枚のスライドガラスを固定した後、シックネスゲージを取り外した。
各実施例及び比較例について上記のガラスプレートを4組作成した。
25℃の室内環境で、4組のガラスプレートに対して、スリット口の上方0.6mm(Airディスペンサー)、スリット口の上方2mm(ジェットディスペンサー)から、ディスペンサーでスリット口に向けて実施例1~6及び比較例1~2それぞれの光硬化性樹脂を以下の条件で吐出した。
実施例4~6は、ジェットディスペンサー(ノードソン社製、MV-100-5.0S-F0、ニードル内径=吐出口径=100μm)を使用し、それぞれ6~9mgを表11記載の加熱温度で吐出した。
吐出直後、吐出30秒後、吐出10分後、吐出30分後に、充填された光硬化性樹脂組成物に、スリット口の上方50mmから、メタルハライドランプ(LC5、浜松フォトニクス社製)で光照射して硬化させた。
近似曲線は、Microsoft社のソフトウェア「Microsoft Graph」で選択できる線形近似曲線を使用して作成した。
上記破断面を顕微鏡(オリンパス株式会社、OLS 4000)で観察し(拡大倍率5倍)、スリット長さ方向にわたり、硬化した光硬化性樹脂組成物のスリットの深さ方向の先端からスリット口までの距離を測定する。
拡大倍率5倍で2.6mm×2.6mmの視野において、当該距離の差が、
300μm以上の場合を充填が不均一、
300μm未満の場合を充填が均一であると評価した。
片面全体ががブラックマスク(BM)されたBMベタ硝子基板(30mm×30mm、EHC社製)のBM側面の両端に50μmのスペーサーを貼り、温度Tc以上にして液状にした光硬化性樹脂組成物をスペーサー部分を除くBM側面全体に塗布し、もう一枚のBMベタ硝子基板のBM側面で挟み、
スペーサーのない光硬化性樹脂組成物が外部に露出する開放端部の上方から水銀キセノンランプ(浜松ホトニクス社製、LC6)にて波長365nm、500mW/cm2の光を10秒間照射した。
21 筐体(前部)
22 CL(カバーレンズ)
23 LCD(液晶ディスプレイ)
24 BLU(バックライトユニット)
3 間隙
4 光硬化性樹脂組成物
5 ディスペンサー
61 ガラスプレート(暑さ1000μm)
62 間隙
7 基台
8 紫外線
Claims (2)
- 部材1と部材2の間隙に光硬化性樹脂組成物を充填する工程1、
充填された前記光硬化性樹脂組成物を光硬化させて前記部材1及び2を接着する工程2を有する前記部材1及び2を含む複合体の製造方法であって、
前記間隙の幅が30~1000μmであり、
前記光硬化性樹脂組成物が、
0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有するか、
0~150℃で液状-ゲル状転移温度(Tc)を有し、さらに温度Tc以下でチキソトロピック性を有し、
HAZE値が1.0以下であり、
前記光硬化性樹脂組成物を温度Tc以上で間隙に充填するか、
前記光硬化性樹脂組成物が温度Tc未満でチキソトロピック性を有する場合は、
前記光硬化性樹脂組成物を温度Tc未満で間隙に充填してもよい複合体の製造方法(但し、前記部材1が光学基材で、前記部材2がディスプレイパネルであり、前記複合体が、前記光学基材と前記ディスプレイパネルの光透過領域面の対向する間隙だけに、前記光硬化性樹脂組成物を充填・硬化して得る、前記光学基材、前記光硬化性樹脂組成物の硬化体及び前記ディスプレイパネルが積層してなる光学アセンブリである態様を除く)。 - 請求項1記載の複合体の製造方法で製造された複合体。
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