JP2020000975A - 複合体の製造・解体方法並びにゲル状樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】部材の表面の汚染及び/又は加工を回避すべき領域を、当該領域以外に流出又は流入することなく被覆して、当該部材を複合体に組込み・取外し過程での当該表面の汚染を回避し、当該部材の表面に必要な加工をする間の当該加工の回避を可能とするゲル状樹脂組成物を使用した複合体の製造・解体方法、及び、当該ゲル状樹脂組成物の提供。【解決手段】表面S1を備える部材2の組込み及び/若しくは取外し工程、並びに/又は、表面S1を加工する部材表面加工工程を有する部材2が組み込まれた複合体の製造・解体方法であって、組込み及び/若しくは取外し工程、並びに/又は、部材表面加工工程において、表面S1の汚染及び/又は加工を回避すべき領域をゲル状樹脂組成物3で被覆する部材表面塗膜工程を有し、ゲル状樹脂組成物3が、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する、及び/又は、チキソトロピック性を有する複合体の製造・解体方法。【選択図】図1

Description

本発明は、部材が組み込まれた複合体の製造・解体方法並びに当該複合体の製造・解体方法に使用されるゲル状樹脂組成物に関する。
表示用パネル、タッチパネル、センサー、レンズ、電池用部品、半導体用部品、及びこれらの部品を外装する筐体等の部材は、これらの部材が組み込まれる映像・画像表示装置、撮像装置、通信装置、家庭用電気製品、電池、集積回路等の複合体を製造する工程で、その表面の汚染及び/又は加工を回避すべき領域がある。
例えば、表示用パネル、タッチパネル等の光学部材は、曲面構造を有するなどデザイン性の多様化、筐体部材のガラスへの移行、部品の配置・配線構造の複雑化が進行しているため、これらの部材が組み込まれる光学製品を製造する工程で、各部材の表面の汚染を回避すべき領域に保護フィルムを貼付したり液状樹脂で被覆したりして、表面の傷や汚れ等の汚染を防いでいる(例えば、特許文献1及び2)。
例えば、太陽電池等の電池用部品、半導体部品等の電子部材にめっき配線する際には、各部材表面のメッキ加工する領域以外のメッキ加工を回避すべき領域をレジスト材で保護する必要があり、スクリーン印刷可能なレジスト材が広く使用されている(例えば、特許文献3)。
例えば、半導体の製造工程において、例えば、シリコンウエハー製造工程でシリコンウエハー表面の研磨加工、シリコン表面のエッチング加工、Si基板上のSiO膜のエッチング加工等のケミカルエッチング加工がなされることがあり、ケミカルエッチング加工したい領域以外のケミカルエッチング加工を回避すべき領域をレジスト材で保護する必要がある(例えば、特許文献4)。
例えば、表示用パネル、タッチバネル、センサー、レンズ、電池用部品、半導体用部品などは部品の製造工程、組み立て工程、使用時、分解工程で表面の傷や汚れ等の汚染を防ぐ必要の他に、さらに修理や分解交換時の安全性確保のために表面の傷を防いだり、部材再利用のために汚染や傷を防いだりする必要がある(例えば、特許文献5)。
特開2013−237171号公報 特開2009−289717号公報 特開2005−138299号公報 特開2003−045783号公報 特開2013−141761号公報
しかし、複合体を製造する工程で、組み込まれる部材の表面の汚染及び/又は加工を回避すべき領域の従来の保護技術では、例えば、以下のような課題がある。
フィルムを使用した保護技術では、部材の曲面形状など複雑な形状に対応することは困難で作業性、歩留まりの点で課題がある。
液状樹脂を使用した保護技術では、汚染を回避すべき領域以外への流出や部材隙間などへの樹脂の流入があるため、液状樹脂が汚染源になりうるため、工程管理負荷が大きくなるという点で課題がある。
スクリーン印刷可能な液状レジスト材は、除去又は洗浄工程を組み込むことによる作業負荷及びコストの増加が想定される。さらに、従来の液状レジスト材ではスクリーン印刷の際に狙った開口幅、細線精度などが出せないなど、印刷性に課題がある。
エッチング加工時に使用されるレジスト材は、エッチング加工前に部材の表面で硬化させる工程、物理的に剥離又は薬液を使用して剥離する方法、ガスと化学反応させることでアッシング(灰化)する方法等で除去又は洗浄する工程での工程負荷が大きい。
本発明は、部材の表面の汚染及び/又は加工を回避すべき領域を、
当該領域以外に流出又は流入することなく被覆して、
当該部材を複合体に組込み・取外し過程での当該表面の汚染を回避し、
当該部材の表面に必要な加工をする間の当該加工の回避を可能とするゲル状樹脂組成物を使用した複合体の製造・解体方法、及び、当該ゲル状樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明は、
〔1〕表面Sを備える部材の組込み及び/若しくは取外し工程(以下「組込・解体工程」ともいう)、並びに/又は、前記表面Sを加工する部材表面加工工程を有する前記部材が組み込まれた複合体の製造・解体方法であって、
前記組込み及び/若しくは取外し工程、並びに/又は、前記部材表面加工工程において、
前記表面Sの汚染及び/又は加工を回避すべき領域をゲル状樹脂組成物で被覆する部材表面塗膜工程を有し、
前記ゲル状樹脂組成物が、
0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する、及び/又は、
チキソトロピック性を有する複合体の製造・解体方法(以下「本発明1」ともいう)、及び
〔2〕前項〔1〕記載の複合体の製造方法に使用される前項〔1〕記載のゲル状樹脂組成物(以下「本発明2」ともいう)に関する。
なお、以下では、本発明1及び2をまとめて「本発明」ともいう。
本発明によれば、部材の表面の汚染及び/又は加工を回避すべき領域を、
当該領域以外に流出又は流入することなく被覆して、
当該部材を複合体に組込み・取外し過程での当該表面の汚染を回避し、
当該部材の表面に必要な加工をする間の当該加工の回避を可能とするゲル状樹脂組成物を使用した、複合体の製造・解体方法、及び、当該ゲル状樹脂組成物を提供することができる。
部材表面塗膜工程の実施態様例1 製造実施例3のゲル状樹脂組成物シートを基台から剥離する態様例 部材表面塗膜工程の実施態様例2 部材表面塗膜工程の実施態様例3
〔表面Sを備える部材及び当該部材が組み込まれた複合体〕
本発明において、表面Sを備える部材及び当該部材が組み込まれた複合体は、以下を例示できる。
(1)表示用パネル、タッチパネル、センサー、レンズ、電池用部品、半導体用部品、及びこれらの部品を外装する筐体等の部材が組み込まれる、映像・画像表示装置、撮像装置、通信装置、家庭用電気製品、電池、集積回路等の複合体。
(2)表示用パネル、タッチパネル等の光学部材、好ましくは、表面Sが曲面構造を有する及び/又はガラス素材である光学部材が組み込まれる複合体である光学製品。
さらに具体的には、液晶表示パネル;有機EL表示パネル;保護パネル;タッチパネル;環境光センサー、近接センサー、指紋センサー、認証センサーなどのセンサー;カメラ;ガラス又はプラスチック板;ラスチックフィルム等の複数の部材を貼合した部材を備える複合体である液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル表示体、等の情報表示装置が挙げられ、さらに、これらの情報表示装置とその他の電子素子を備える複合体である電子手帳、携帯電話、スマートフォン、携帯オーディオプレーヤー、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末等の携帯電子端末、パソコン、TV、カーナビゲーションシステム等の情報処理機器が挙げられる。
(3)めっき配線が施される部材が組み込まれる複合体である太陽電池、半導体等の電子部品、シリコンウエハー部材が組み込まれる複合体である半導体が挙げられる。
上記例示した部材に備わる表面Sは、例えば、樹脂、シリコン、金属、ガラス、セラミックス等で構成されており、さらに具体的には、ガラス、PET、TAC、COP、ポリイミド、PMMA、ポリカーボネート、塩化ビニル、PVA、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン、グラファイト、アルミニウム、銅、銀、SUS等が好ましく、部材の表面に有機ハードコート層や無機ハードコート層が処理されていても良く、導電性を持たせるためにITOやIZO、カーボンナノチューブなどの透明導電性材料が処理されていても良く、電極や配線材料として表面に銀、銅などの金属がパターニングされていても良い。
(4)本発明の対象となる表面Sを備える部材としては、表示用パネル、タッチパネル、センサー、レンズ、電池用部品及び半導体用部品からなる群から選ばれる少なくとも1種の部品、並びに/又は前記部品を外装する筐体が好ましく、本発明の対象となる複合体は、表面Sを備える部材が組み込まれた筐体で構成されていることが好ましい。
(5)表面Sを備える部材及び当該部材が組み込まれた複合体が、表面Sを備える部材の組込み及び/若しくは取外し工程、並びに/又は、表面Sを加工する部材表面加工工程を有する前記部材が組み込まれた複合体の製造・解体方法に供される場合、本発明の対象となる部材表面加工としては、後述するような配線形成加工、メッキ形成加工及びエッチング加工からなる群から選ばれる少なくとも1種の部材表面加工が好ましい。
〔ゲル状樹脂組成物〕
<保護膜形成性>
本発明におけるゲル状樹脂組成物(以下「ゲル状樹脂組成物」ともいう)は、本発明1の部材表面塗膜工程で、表面Sの所定領域にゲル状樹脂組成物を塗工した際に、当該所定領域に均一に当該所定領域から流出しないような塗膜形成性と、その後、表面Sに所定の加工がなされる際又は汚染物質が接触する際に、塗膜領域は当該加工がなされない又は汚染物質で損傷しない程度の塗膜耐性が必要である(ゲル状樹脂組成物の塗膜形成性及び塗膜耐性を以下では「保護膜形成性」という)。
ゲル状樹脂組成物は、保護膜形成性の観点から、
0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する、及び/又は、
チキソトロピック性を有する。
<液状−ゲル状転移温度(Tc)>
ゲル状樹脂組成物が、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)、及び/又は、チキソトロピック性を有するとは、ゲル状樹脂組成物が物理架橋ゲルであることを意味する。
Tc及びチキソトロピック性の測定は実施例に記載された条件で行う。
物理架橋ゲルは、水素結合、疎水性凝集、イオン結合などの非共有結合で架橋されているゲルで,温度変化や外力により架橋が生成消滅するため、前者ではTcを有し(熱可逆ゲルとも呼ばれる)、後者ではチキソトロピック性を有することになる。
一般に、ゲル状樹脂組成物とは、組成物を構成する化合物が架橋されて個々の化合物の熱運動が抑制されるため、組成物全体の流動性が大きく低減した物質であり、架橋の構造・寿命により、化学架橋ゲルと物理架橋ゲルに分類される。
化学架橋ゲルは共有結合で架橋されたゲルで、構成化合物の熱運動では結合が切れず、架橋寿命は実質的に無限大である。化学架橋ゲルの連結構造(トポロジカルな3次元構造)は、ゲルが生成した時点のまま不変に保たれる。
物理架橋ゲルは、水素結合、疎水性凝集、イオン結合などの非共有結合で架橋されているゲルで,温度変化や外力により架橋が生成消滅するため、前者ではTcを有し(熱可逆ゲルとも呼ばれる)、後者ではチキソトロピック性を有することになる。
本発明に適用できる好適なゲル状樹脂組成物は、保護膜形成性の観点から、一部化学架橋されていても、全体が物理架橋ゲルであることが好ましく、化学架橋されていない物理架橋ゲルであることがより好ましい。
ゲル状樹脂組成物がTcを有するとは、ゲル状樹脂組成物はTc以上で液状となり、温度Tc未満では自然流動しないゲル状態(即ち、ゲル状樹脂組成物)であることを意味する。
ゲル状樹脂組成物は、保護膜形成性の観点から、好ましくは10〜100℃の間で、より好ましくは20〜90℃の間で、更に好ましくは30〜80℃の範囲でTcを有する。
<チキソトロピック性>
ゲル状樹脂組成物がチキソトロピック性を有するとは、ゲル状樹脂組成物の剪断速度vにおける粘度ηが、
30℃<Tcの場合は25℃で、0℃≦Tc≦30℃の場合はTc−20℃で、
η0.1が、10〜10000Pa・s、好ましくは30〜5000Pa・s、より好ましくは50〜3000Pa・sであり、
η10が、3〜500Pa・s、好ましくは5〜300Pa・s、より好ましくは5〜150Pa・sである性状を有することである。
なお、Tcを有さないゲル状樹脂組成物は30℃<Tcの場合に従う。
粘度ηの測定は実施例に記載した条件で行う。
部材表面塗膜工程での保護膜形成性の観点を考慮すると、
η0.1が、10〜10000Pa・s、好ましくは30〜5000Pa・s、より好ましくは50〜3000Pa・sであり、
ηが、好ましくは10〜1000Pa・s、より好ましくは20〜700Pa・s、更に好ましくは30〜500Pa・sであり、
η10が、好ましくは3〜500Pa・s、より好ましくは5〜300Pa・s、更に好ましくは5〜150Pa・sであり、
=η0.1/ηが、好ましくは1.1〜20、より好ましくは1.2〜15、更に好ましくは1.25〜10である。
=η/η10が、好ましくは1.1〜20、より好ましくは1.2〜15、更に好ましくは1.25〜10である。
及びxが1より大きい(好ましくは1.2以上大きい)と、ゲル状樹脂組成物を例えばシート状に成形する際に、塗布装置を使用して所定の範囲に塗布したときに、塗布装置から押出されているときは適度に流動し、押出された後は流動が止まるため、所定の範囲からの流出や糸引きなどによる汚染が生じ難く、所定の範囲に均一に塗付することが可能となる。
<貯蔵剛性率>
本発明に適用できるゲル状樹脂組成物は、保護膜形成性の観点から、ゲル状態の貯蔵剛性率が、30℃<Tcの場合は25℃で、0℃≦Tc≦30℃の場合はTc−20℃で、0.01〜10000kPaであることが好ましい。
貯蔵剛性率の測定は実施例に記載された条件で行う。
部材表面塗膜工程で、温度Tc未満で、表面Sの所定領域にゲル状樹脂組成物で塗工した際に、ゲル状樹脂組成物を表面Sの所定領域を均一な厚みで被覆する程度に液状であるが、当該所定領域外に流出して当該所定領域外の部分をゲル状樹脂組成物自身で汚染させるほど流動性はないことになるため、保護膜形成性の観点から好ましい。
<剥離性>
効果後のゲル状樹脂組成物に上述の貯蔵合成率を ゲル状樹脂組成物の貯蔵剛性率が上記好適範囲にするだけでも一定(製造実施例3におけるの剥離性の評価△程度)の剥離性を有するが、本発明1の部材表面塗膜工程で、表面Sの所定領域にゲル状樹脂組成物を塗膜して表面加工前又は表面加工後に硬化させ、表面加工した後で塗膜を(製造実施例3におけるの剥離性の評価〇程度に)容易に剥離して除去できることが好ましい。
良好な剥離性を有すると、図2に示すように、硬化後のゲル状樹脂組成物を塗膜は物理的にフィルム形態を維持したまま樹脂が破断することなく剥離できる。
例えば、部材表面加工がケミカルエッチング等のエッチング加工の場合、エッチング加工後に、ゲル状樹脂組成物を硬化させることで剥離時に破断しない皮膜性となることで物理的に剥離でき、レジスト材を使用する場合に発生する薬剤、アッシング残渣などが発生しないため、表面加工前後の工程負荷が軽減される。
ゲル状樹脂組成物に剥離性を付与するには、液状−ゲル状転移温度(Tc)及びチキにチソトロピック性に影響を及ぼさない範囲で、ゲル状樹脂組成物の塗膜の剥離性を向上させる化合物を配合することができる。
ゲル状樹脂組成物の剥離性を向上する化合物としては、
ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等のシリコーン系化合物;
フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸等のフッ素系化合物;
パーフルオロ変性シリコーン等のシリコーン−フッ素系化合物;
ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテル変性アクリルポリマー、ポリエステル変性アクリルポリマー、パーフルオロアルキル変性アクリルポリマー等のアクリル系化合物等が挙げられ、市販品としてはポリエーテル変性シロキサン(TEGO GLIDE440、エボニック社)が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
剥離性を向上する化合物の配合量は、ゲル状樹脂組成物を構成する化合物A及び化合物Bの合計100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.5〜3重量部である。
<溶剤溶解性>
本発明におけるゲル状樹脂組成物は、例えば、後述する化合物X、Y又はZのように、溶剤溶解性が良好な有機化合物で構成されていると、例えば、部材表面加工がケミカルエッチング等のエッチング加工の場合、エッチング加工後にゲル状樹脂組成物の塗膜を溶剤で容易に洗浄除去でき、レジスト材を使用する場合に発生する薬剤、アッシング残渣などが残らないため、表面加工前後の工程負荷が軽減される。
溶剤としては、好ましくは、
メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン、n−ヘキサン、メチルシクロヘキサン、スチレンなどの炭化水素類;
ジエチルエーテルなどのエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸プロピレンなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの窒素類;
ブチルグリコール、メチルジグリコール、ブチルジグリコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラヒドロフランなどのグリコールエーテル類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどの塩素類;
ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;ギ酸、酢酸等のカルボン酸類;及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、アルコール類、炭化水素類、エステル類及びケトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
更に好ましくは、アセトン、ヘキサン、イソプロピルアルコール及び炭酸ジエチルからなる群から選ぶことができる。
<透明性>
ゲル状樹脂組成物として、例えば、後述の化合物Yを使用すると、チキソトロピー性と透明性を両立することができる。
透明性は、ゲル状樹脂組成物の全光線透過率における、拡散透過率の割合であるHAZE値で評価することができる。
例えば、光学材料用にチキソトピー性を有するゲル状樹脂組成物を使用する場合、従来の硬化性樹脂組成物では、チキソトピー性を付与するのに、樹脂組成物にフィラーを添加していたが、添加されたフィラーによって光散乱を生じるため、HAZE値が増大し、樹脂組成物を構成する樹脂の全光線透過性に基づく透明性を低下させる。
ゲル状樹脂組成物では、フィラーを添加しなくても、例えば、後述する化合物X1は、化合物A1及び/又はA2と化合物Bとが相溶してなるゲル状樹脂組成物だけでチキソトピー性を確保できるので、HAZE値を増大させる要因がなく、樹脂組成物を構成する樹脂の全光線透過性に基づく透明性をあまり損なわずに活かすことができる。
従って、ゲル状樹脂組成物は、表示検査が必要なディスプレイを塗膜する場合等、(例えば、表示検査時に)透明性が必要な場合、HAZE値が好ましくは1.0以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.2以下の透明性を確保できるように構成することが好ましい。
<ゲル状樹脂組成物の例>
本発明に適用できる好適なゲル状樹脂組成物としては、例えば、
Tcを有するゲル状樹脂組成物(以下「組成物X」という);
Tcを有し、かつ、チキソトロピック性を有する組成物(以下「組成物Y」という);及び、
Tcを有さないが、チキソトロピック性を有するゲル状樹脂組成物(以下「組成物Z」という)が挙げられる。
(組成物X)
好適な組成物Xとしては以下を例示できる;
(1)特定の(メタ)アクリレート系ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X1」ともいう);
(2)特定のグラフト共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X2」ともいう);及び
(3)特定のスチレン系ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X3」ともいう)
(1)組成物X1
〈組成物X1として好適な相溶性組成物〉
組成物X1としては、
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記ブロック共重合体化合物は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのブロック共重合体であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が50℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が−100℃以上50℃以下であり、
前記ブロック共重合体化合物は、25℃超150℃以下で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
前記相溶組成物は、25℃超150℃以下で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
組成物X1の好適な態様は、特開2017−66368号公報に詳細が記載されているが、本発明1においてより好ましい態様を説明する。なお、特開2017−66368号公報と同一の用語は特開2017−66368号公報記載と同じ内容を意味し、特開2017−66368号公報では上記ブロック共重合体化合物は化合物A、媒質は化合物Bと記載されており、本明細書でも同様に記載する。
重合体ブロックa又は重合体ブロックbを構成可能な(メタ)アクリレート化合物としては、
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物であり、
より好ましくは、
メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)及びアクリル酸n−ブチル(ブチルアクリレート)の組み合わせであって、
それぞれの化合物が単独で重合物を構成したときに示すTgに基づいて、重合体ブロックa又は重合体ブロックbの構成単位とする。
重合体ブロックaは、(メタ)アクリレート単位だけで構成されていることが好ましいが、0〜150℃で、ブロック共重合体化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、後述する相溶化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体構造である。
重合体ブロックa中の(メタ)アクリレート単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
重合体ブロックbは、(メタ)アクリレート単位だけで構成されていることが好ましいが、0〜150℃で、ブロック共重合体化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、後述する相溶化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体構造である。
重合体ブロックb中の(メタ)アクリレート単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
ブロック共重合体化合物中の重合体ブロックa及びbは、それぞれ重合物a及びbとほぼ同等の重合構造を有すると考えられので、ブロック共重合体化合物のガラス転移点は、重合物a及びbのガラス転移点が含まれる温度範囲、即ち、50℃超180℃以下の温度範囲と、−100℃以上50℃以下の温度範囲とにガラス転移温度を有することが好ましい。ガラス転移点の測定は実施例に記載した条件で行う。
ブロック共重合体化合物は、後述する相溶組成物の液状−ゲル状転移性の観点から、
重合体ブロックbの両末端に前記重合体ブロックaが結合したトリブロック構造を少なくとも1つ有することが好ましく、
トリブロック構造だけで構成されていることがより好ましいが、
0〜150℃で、ブロック共重合体化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
後述する相溶組成物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する範囲で、
トリブロック構造以外の構造(例えば、重合体ブロックaと重合体ブロックbが結合するジブロック構造)が含まれてよい。
上記観点から、ブロック共重合体化合物中のトリブロック構造のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
ブロック共重合体化合物としては、市販品である「KURARITY」(登録商標、クラレ社)(例えば、LA2140、LA2250、LA4285、LA2330、LA2270、LA1114、LA1892)を使用することができる。
ブロック共重合体化合物は、後述するゲル状の相溶組成物及び相溶組成物粘弾性体の弾性と粘着性を向上する観点から、重合体ブロックaと重合体ブロックbとのブロック共重合体の末端又は側鎖に、ラジカル反応性基、カチオン反応性基、アニオン反応性基及び湿気反応性基からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有することによって反応性がさらに付与されていることが好ましい。これらの反応性基の好適な態様は特開2017−66368号公報に記載されている。
組成物X1における媒質は、ブロック共重合体化合物と相溶して、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する本発明の相溶組成物(以下、相溶組成物ともいう)を構成する化合物である。
媒質としては、ブロック共重合体化合物との相溶組成物が流動性を有することができる化合物を目安として選択するとよく、(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマー等のラジカル重合性不飽和結合含有モノマー、可塑剤、溶剤などであってよい。
ブロック共重合体化合物との相溶組成物が流動性を有することができるモノマー化合物としては、
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、イソデシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート及び4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
ブロック共重合体化合物との相溶組成物が流動性を有することができる可塑剤としては、
好ましくは、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル;
アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジイソノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル等の多価カルボン酸エステル;
安息香酸アルキル;
トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル;
トリメリット酸エステル;
(水添)ポリイソプレン、水酸基含有(水添)ポリイソプレン、(水添)ポリブタジエン、水酸基含有(水添)ポリブタジエン、ポリブテン等のゴム系ポリマー;
熱可塑性エラストマー;
石油樹脂;
脂環族飽和炭化水素樹脂;
テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;
ロジンフェノール等のロジン系樹脂;
不均化ロジンエステル系樹脂、重合ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂等のロジンエステル系樹脂;
キシレン樹脂;及び
アクリルポリマー、アクリルコポリマー等のアクリル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、多価カルボン酸エステル及びロジンエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
ブロック共重合体化合物に対して溶剤として作用する媒質としては、
好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン、n−ヘキサン、メチルシクロヘキサン、スチレンなどの炭化水素類;
ジエチルエーテルなどのエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸プロピレンなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの窒素類;
ブチルグリコール、メチルジグリコール、ブチルジグリコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラヒドロフランなどのグリコールエーテル類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどの塩素類;
ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;ギ酸、酢酸等のカルボン酸類;及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、アルコール類、炭化水素類、エステル類及びケトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
更に好ましくは、アセトン、ヘキサン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール及び炭酸ジエチルからなる群から選ぶことができる。
媒質の粘度は、ブロック共重合体化合物と相溶して、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する本発明の相溶組成物を製造できる範囲であればよいが、
ブロック共重合体化合物との相溶組成物を容易に製造する観点から、媒質の粘度は、
好ましくは0.001〜10Pa・sであり、より好ましくは0.001〜1Pa・sであり、更に好ましくは0.001〜0.5Pa・sである。
なお、媒質がオリゴマー等の場合で温度Tcよりも低温環境で高粘度又は固体の場合でも、温度Tcよりも高温環境では低粘度になったり、低粘度の他の媒質には溶解したり、溶剤に溶解したりするので、これらを組合せてブロック共重合体化合物と混錬して相溶組成物を製造できる。
<組成物X1として好適な相溶組成物の物性>
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物は、0〜150℃で、ブロック共重合体化合物は液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、相溶組成物は液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物である。
相溶組成物は、
温度Tc以上(好ましくは温度Tcよりも10℃以上高温、より好ましくは温度Tcよりも15℃以上高温、更に好ましくは温度Tcよりも20℃以上高温)の温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上滴下すると自然流動する液状体であるが、
温度Tc未満(好ましくは温度Tcよりも10℃以上低温、より好ましくは温度Tcよりも15℃以上低温、更に好ましくは温度Tcよりも20℃以上低温)の温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上静置しても流動しないゲル状体である。
相溶組成物は、温度Tcの前後(好ましくはTc±10℃の温度範囲、より好ましくはTc±15℃の温度範囲、更に好ましくはTc±20℃の温度範囲)の温度で、ゲル状体と液状体に可逆的に変化する。
相溶組成物をゲル状で使用できる温度範囲が広く、あまり高温で液状にする必要がないという観点から、温度Tcは、好ましくは10〜100℃、より好ましくは20〜90℃、更に好ましくは30〜80℃である。
温度Tcは、
重合物aのTgが高い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、媒質の配合比率を少なくすると、高温側に設定でき、
重合物aのTgが低い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、媒質の配合比率を大きくすると、低温側に設定できる。
相溶性組成物は、保護膜形成性の観点から、化合物A100質量部に対して、化合物Bの質量部は、好ましくは200〜1000質量部、より好ましくは250〜800質量部である。
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、保護膜形成性に好適な粘弾性特性の観点から、化合物B中の反応性化合物の含有割合は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは30〜60質量%である。
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、加える重合開始剤は、少なくとも化合物A及び化合物Bの合計に対して、好ましく1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、更に好ましくは2.5〜7.5質量%である。
〈組成物X1として好適な相溶組成物粘弾性体〉
以下に説明する組成物X1の相溶組成物粘弾性体の好適物性は、組成物X1、X2及びX3並びに組成物Yの相溶組成物粘弾性体の好適物性でもある。
相溶性組成物は、保護膜形成性及び剥離性の観点から、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
以下に説明する組成物X1の相溶組成物粘弾性体の好適物性は、組成物X1、X2及びX3並びに組成物Yの相溶組成物粘弾性体の好適物性でもある。
シートを構成できる程度の弾性率としては、
25℃において、好ましくは0.3〜1000kPa、より好ましくは0.5〜500kPa、更に好ましくは0.5〜200kPaであり、
25℃において、弾性率が0.3kPa未満の場合は、温度Tc−20℃において、好ましくは0.5〜500kPa、より好ましくは1〜200kPaである。
なお、相溶組成物粘弾性体の弾性率は実施例に記載した測定条件で測定する。
シートを構成できる程度の伸びとして、
好ましくは10〜1000%、より好ましくは30〜800%、更に好ましくは50〜500%であり、
シートを構成できる程度の破壊強度として、
好ましくは1×10〜1×107Pa、より好ましくは1×10〜1×10Pa、更に好ましくは1×10〜1×10Paである。
なお、相溶組成物粘弾性体の伸びと破断強度は、ダンベル引張試験によって測定することができる。具体的には、相溶組成物粘弾性体の弾性率が、
25℃で0.3Pa以上の場合は25℃で、
0.3Pa未満の場合は温度Tc−20℃で、以下の条件で測定できる。
《ダンベル試験》
(1)相溶組成物粘弾性体を温度Tc+20℃で液状にした後ダンベルの型に流し込み温度Tc未満の温度に冷却(実際は室温)して厚み1mmのダンベル試験片を作製する。
(2)ダンベル試験片を引張試験機(ミネベア製テクノグラフ、TG−2kN)にて10mm/minの引張り速度で引張り、測定結果から伸び率及び破断強度を読み取る。
相溶組成物粘弾性体はこの粘着性によって、部材表面塗膜工程において表面S上の所定領域に安定して塗膜できる。
さらに、相溶組成物粘弾性体の層に加熱、光照射及び加湿からなる群から選ばれる少なくとも1の処理をして、相溶組成物粘弾性体の層を熱硬化、光硬化及び湿硬化からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化をさせて、液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さない硬化体にすることで、硬化した相溶組成物粘弾性体の層が温度Tc以上の高温環境でも流動性のない粘弾性体のままとなり、耐久性のある保護膜を形成できる。
(2)組成物X2
<組成物X2として好適な相溶組成物>
組成物X2としては、
グラフト共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記グラフト共重合体化合物は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのグラフト共重合体化合物であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が30℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が−100℃以上30℃以下であり、
前記グラフト共重合体化合物は、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
前記相溶組成物は、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位は、それ単体で構成される重合物(以下、重合物aという)のガラス転移温度が30℃超180℃以下となる(メタ)アクリレート化合物が重合した際に形成される。なお、ガラス転移温度の安定性の観点から、重合物aの重量平均分子量は、好ましくは1×10以上、より好ましくは1×10〜1×10、更に好ましくは1×10〜1×10である。
重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位は、それ単体で構成される重合物(以下、重合物bという)のガラス転移温度が−100℃以上30℃以下となる(メタ)アクリレート化合物が重合した際に形成される。なお、ガラス転移温度の安定性の観点から、重合物bの重量平均分子量は、好ましくは1×10以上、より好ましくは1×10〜1×10、更に好ましくは1×10〜1×10である。
なお、重量平均分子量は、GPCに基づいて測定されたものであり、好ましくは、以下の条件で測定される:
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)。
重合体ブロックa又は重合体ブロックbを構成可能な(メタ)アクリレート化合物としては、
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物であり、
より好ましくは、少なくともどちらかがメタクリレート化合物である。
それぞれの化合物が単独で重合物を構成したときに示すTgに基づいて、重合体ブロックa又は重合体ブロックbの構成単位とする。
重合体ブロックaは、(メタ)アクリレート単位だけで構成されていることが好ましいが、0〜150℃で、化合物Aが液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、後述する相溶化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体構造である。
重合体ブロックa中の(メタ)アクリレート単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
重合体ブロックbは、(メタ)アクリレート単位だけで構成されていることが好ましいが、0〜150℃で、化合物Aが液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、後述する相溶化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体構造である。
重合体ブロックb中の(メタ)アクリレート単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
化合物A中の重合体ブロックa及びbは、それぞれ重合物a及びbとほぼ同等の重合構造を有すると考えられので、化合物Aのガラス転移点は、重合物a及びbのガラス転移点が含まれる温度範囲、例えば、30℃超180℃以下の温度範囲と、−100℃以上30℃以下の温度範囲とにガラス転移温度を有することが好ましい。
グラフト共重合体化合物は、重合体ブロックaと重合体ブロックbとのグラフト共重合体であり、
例えば、重合体ブロックaは(メタ)アクリレート単位が線状に結合した構造で、重合体ブロックaの構成単位の少なくとも一つが、さらに重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位と結合して重合体ブロックaから枝分かれしたように重合体ブロックbが結合した構造をとる。
重合体ブロックaの複数の構成単位のそれぞれに重合体ブロックbが結合している場合、重合体ブロックaを幹、それぞれの重合体ブロックbを枝と呼ぶ。
グラフト共重合体化合物は、重合体ブロックaを幹、重合体ブロックbを枝とするグラフト共重合体でもよいし、重合体ブロックbを幹、重合体ブロックaを枝とするグラフト共重合体でもよい。
グラフト共重合体化合物は、例えば、重合体ブロックaを予め製造し、重合体ブロックaの末端を構成するアクリレート単位aと(メタ)アクリレート単位bとを共重合して、(メタ)アクリレート単位bと(メタ)アクリレート単位aとの共重合体で幹が構成される場合がある。
この場合、幹中の(メタ)アクリレート単位aを(メタ)アクリレート単位bに置き換えた(メタ)アクリレート単位bの重合物を重合体ブロックbとみなし、重合体ブロックaから(メタ)アクリレート単位aを除いた重合体ブロックaの部分を枝とみなす。
枝を重合体aで構成する場合、後述する相溶組成物が液状−ゲル状転移性の観点から、GPC法による数平均分子量が好ましくは3000〜100000、好ましくは5000〜50000であり、ガラス転移温度は30℃超180℃以下、好ましくは40℃超180℃以下、より好ましくは50℃超180℃以下、更に好ましくは枝の片末端が好ましくは60℃超180℃以下であり、(メタ)アクリロイル基を有する、好ましくはメタクリレート単位、より好ましくはメチルメタクリレート単位(MMA)等のメタクリレート単位であり(但し、メタクリル酸、アクリル酸エステル、アクリロニトリルなどのビニルモノマ−単位が少量含まれていてもよい)で構成される。
幹を重合体bで構成する場合、後述する液相溶組成物が液状−ゲル状転移性の観点から、GPC法による数平均分子量が好ましくは5000〜200000、好ましくは10000〜150000であり、ガラス転移温度は−100℃以上30℃以下、好ましくは−100℃以上20℃以下、より好ましくは−100℃以上10℃以下、更に好ましくは−100℃以上0℃以下であり、好ましくはてエチルアクリレート単位(EA)、n−ブチルアクリレート単位(nBA)及びラウリルメタクリレート単位(LMA)からなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリレート単位、より好ましくはエチルアクリレート単位(EA)及び/又はn−ブチルアクリレート単位(n−BA)で構成される。
グラフト共重合体化合物の合計量W及び数平均分子量(重量平均分子量)Mとからグラフト共重合体化合物の総モル数NをN=W/Mで算出し、
枝を構成する予め合成した重合体ブロックaの合計量w及び数平均分子量(重量平均分子量)mとから、重合体ブロックaの総モル数nをn=w/mで算出して、
幹1本を構成する重合体ブロックbの数平均分子量(重量平均分子量)mと幹1本当たりの枝の数nを、m+n・m=M、n=n/N と定義して、mを算出し、これを重合体ブロックbの数平均分子量(重量平均分子量)としてもよい。
後述する相溶組成物の液状−ゲル状転移性の観点から、グラフト共重合体化合物を構成する重合体ブロックaと重合体ブロックbの質量比(a/b)は、好ましくは5〜95/95〜5、より好ましくは10〜90/90〜10、更に好ましくは15〜85/85〜15である。
後述する液相溶組成物が液状−ゲル状転移性の観点から、グラフト共重合体化合物の重量平均分子量は好ましくは8000〜300000、より好ましくは15000〜280000、更に好ましくは30000〜250000である。
グラフト共重合体化合物は、例えば、特開平5−170838号公報、特開平6−234822号公報に記載された製造方法で得ることができ、例えば、表1に記載した三菱レイヨン社の市販品を使用できる。
〈組成物X2として好適な相溶組成物粘弾性体〉
組成物X1として好適な相溶組成物と同様に、保護膜形成性及び剥離性の観点から、組成物X2として好適な相溶組成物も、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
組成物X2における媒質は、グラフト共重合体化合物と相溶して、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する本発明の相溶組成物(以下、相溶組成物ともいう)を構成する化合物であり、例えば組成物X1における媒質を好適に挙げることができる。
グラフト共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物は、0〜150℃で、化合物Aは液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
相溶組成物は液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物であり、
組成物X1における相溶組成物と同様の性状を有することが好ましい。
なお、温度Tcは、
重合物aのTgが高い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、化合物Bの配合比率を少なくすると、高温側に設定でき、
重合物aのTgが低い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、化合物Bの配合比率を大きくすると、低温側に設定できる。
相溶性組成物は、液状時の部材への塗付性及び相転移性の観点から、グラフト共重合体化合物100質量部に対して、媒質の質量部は、好ましくは200〜1000質量部、より好ましくは250〜800質量部である。
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、耐久性、応力緩和性に適した粘弾性特性の観点から、媒質の反応性化合物の含有割合は、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは25〜95質量%、更に好ましくは30〜90質量%である。
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、加える重合開始剤は、少なくともグラフト共重合体化合物及び媒質の合計に対して、好ましく1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、更に好ましくは2.5〜7.5質量%である。
(3)組成物X3
〈組成物X3として好適な相溶性組成物〉
組成物X3としては、
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記ブロック共重合体化合物は、
スチレン系化合物単位を主体とする重合体ブロックaと、
アルケン系化合物、ジエン系化合物及びアルキン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素系化合物の単位を主体とする重合体ブロックb、又は(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのブロック共重合体構造を有する化合物であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が−100℃以上50℃以下であり、
前記相溶組成物は、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
以下、重合体ブロックaと重合体ブロックbとのブロック共重合体構造を有する化合物を化合物Aといい、重合体ブロックaと(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのブロック共重合体構造を有する化合物を化合物Aという。
重合体ブロックaを構成するスチレン系化合物単位は、スチレン系化合物であるスチレン及び/又はビニル基と芳香環構造を維持したスチレンの誘導体が重合した際に形成される。以下、重合に使用するスチレン又はスチレンの誘導体をベース化合物と呼ぶ。
重合体ブロックaを構成可能なスチレン系化合物としては、後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、
好ましくは、スチレン;α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−ヘキシルスチレンなどのアルキル基置換スチレン;p−ヒドロキシスチレンなどのヒドロキシル基置換スチレン;p−メトキシスチレン、4−tert−ブトキシスチレンなどのアルコキシ基置換スチレン;4−アミノスチレンなどのアミノ基置換スチレン;及び4−クロロスチレン、4−ブロモスチレンなどのハロゲン置換スチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のスチレン系化合物、
より好ましくは、スチレンである。
重合体ブロックaは、スチレン系化合物単位だけで構成されていることが好ましいが、後述する硬化性樹脂組成物が相溶性と液状−ゲル状転移性を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、スチレン系化合物単位を主体とする重合体構造である。
重合体ブロックa中のスチレン系化合物単位のモル比は、後述する硬化性樹脂組成物の液状−ゲル状転移性の観点から、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
なお、重量平均分子量は、GPCに基づいて測定されたものであり、好ましくは、以下の条件で測定される(以下、同様である):
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)。
(3.1)化合物A
重合体ブロックbを構成する特定炭化水素系化合物単位は、後述する特定炭化水素系化合物が重合した際に形成される。
重合体ブロックbを構成可能な特定炭化水素系化合物としては、後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、
アルケン系化合物としては、エチレン、プロピレン等のアルケン及び/又はこれらの(共)重合体並びにこれらの水添化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
ジエン系化合物としては、ブタジエン、イソプレン等のジエン及び/又はこれらの(共)重合体並びにこれらの水添化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
アルキン系化合物としては、アセチレン等のアルキン及び/又はこれらの(共)重合体
並びにこれらの水添化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
なお、本明細書では、重合体又は共重合体を「(共)重合体」と表記する。
重合体ブロックbを構成可能な特定炭化水素系化合物としては、後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、上述の化合物の中では、水添化合物の態様であることが好ましい。
上述の好適な特定炭化水素系化合物において、同様の観点から、
ベースとなるアルケンとしては、好ましくはエチレン及び/又はプロピレンであり、
ベースとなるジエンとしては、好ましくはブタジエン及び/又はイソプレンであり、
ベースとなるアルキンとしては、好ましくはアセチレンである。
なお、本明細書では、例えば、「アルケン」、「アルケンの重合体」及び「アルケンの重合体の水添加物」の構成要素のアルケンを「ベースとなるアルケン」という。
上述の好適な特定炭化水素系化合物において、同様の観点から、ベースとなる炭化水素としては、
好ましくはジエン及び/又はアルキンであり、より好ましくはジエンであり、
更に好ましくはブタジエン、イソプレン及びアセチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素化合物であり、更に好ましくはブタジエン及び/又はイソプレンである。
重合体ブロックbは、特定炭化水素系化合物単位だけで構成されていることが好ましいが、後述する硬化性樹脂組成物が相溶性と液状−ゲル状転移性を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、特定炭化水素系化合物単位を主体とする重合体構造である。
後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、
重合物bの重量平均分子量は、好ましくは1×10以上、より好ましくは1×10〜1×10、更に好ましくは1×10〜1×10であり、
重合体ブロックb中の特定炭化水素系化合物単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、化合物Aの重量平均分子量は、好ましくは10000〜500000、より好ましくは30000〜400000、更に好ましくは50000〜300000である。
硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、化合物Aは、
重合体ブロックbの両末端に重合体ブロックaが結合したトリブロック体構造又は重合体ブロックaと重合体ブロックbが結合するジブロック体構造であることが好ましく、トリブロック体構造であることがより好ましい。
後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、
重合体ブロックaと重合体ブロックbの合計質量中の重合体ブロックaの質量%が高い方が好ましい。
後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、化合物A中の重合体ブロックa及び重合体ブロックbの合計のモル%は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
化合物Aの重合体ブロックaと重合体ブロックbの各構造と結合形態は、後述する硬化性樹脂組成物が相溶性と液状−ゲル状転移性を有するように選択すればよく、例えば表1に挙げた市販品から選択することができる。
なお、表2において、ハイブラー、セプトン、クレイトン及びタフテックは登録商標であり、
Sはスチレンをベース化合物とする単位、Bはブタジエンをベースとする単位、Iはイソプレンをベースとする単位、n−BAはn−ブチルアクリレートをベース化合物とする単位であり、
「a」は重合体ブロックa、「b」は重合体ブロックb、「b」は重合体ブロックb、「a−b」は重合体ブロックaと重合体ブロックbのジブロック共重合体、「a−b−a」「a−b−a」はそれぞれ重合体ブロックaと重合体ブロックb又はbのトリブロック共重合体をそれぞれ表す。
(3.2)化合物A
重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位は、それ単体で構成される重合物(以下、重合物bという)のガラス転移温度が−100℃以上50℃以下となる(メタ)アクリレート化合物が重合した際に形成される。なお、ガラス転移温度の安定性の観点から、重合物bの重量平均分子量は、好ましくは1×10以上、より好ましくは1×10〜1×10、更に好ましくは1×10〜1×10である。
重合体ブロックbを構成可能な(メタ)アクリレート化合物としては、
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる化合物であり、
より好ましくは、アクリル酸n−ブチル(ブチルアクリレート)である。
後述する硬化性樹脂組成物が相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、重合体ブロックbは、(メタ)アクリレート単位だけで構成されていることが好ましいが、0〜150℃で、化合物Aが液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、後述する相溶化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体構造である。
後述する硬化性樹脂組成物が相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、重合体ブロックb中の(メタ)アクリレート単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
化合物A中の重合体ブロックbは、重合物bとほぼ同等の重合構造を有すると考えられので、化合物Aのガラス転移点は、重合物bのガラス転移点が含まれる温度範囲、即ち、−100℃以上50℃以下の温度範囲にガラス転移温度を有することが好ましい。
い。
化合物Aは、後述する液相溶組成物が液状−ゲル状転移性の観点から、
重合体ブロックbの両末端に前記重合体ブロックaが結合したトリブロック構造を少なくとも1つ有することが好ましく、
トリブロック構造だけで構成されていることがより好ましいが、
0〜150℃で、化合物Aが液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
後述する相溶組成物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する範囲で、
トリブロック構造以外の構造(例えば、重合体ブロックaと重合体ブロックbが結合するジブロック構造)が含まれてよい。
上記観点から、化合物A中のトリブロック構造のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
化合物Aとしては、アルケマ社から市販されるスチレンを単位とする重合体ブロックaとn−ブチルアクリレートを単位とする重合体ブロックbとするトリブロック構造物(重合体ブロックa−重合体ブロックb−重合体ブロックa)を使用することができる。
硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、化合物Aの重量平均分子量は、好ましくは10000〜500000、より好ましくは30000〜400000、更に好ましくは50000〜300000である。
(3.3)媒質
組成物X3における媒質は、化合物A又はAと相溶して、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物Xにおける相溶組成物(以下、相溶組成物ともいう)を構成する化合物であり、例えば組成物X3における媒質を好適に挙げることができる。
(3.4)相溶組成物
化合物A又はAと媒質とが相溶してなる相溶組成物は、
0〜150℃で、
化合物A又はAは液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
相溶組成物は液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物であり、
組成物X1における相溶組成物と同様の性状を有することが好ましい。
相溶性組成物は、液状時の部材への塗付性及び相転移性の観点から、化合物A又はA100質量部に対して、媒質の質量部は、好ましくは200〜1000質量部、より好ましくは250〜800質量部である。
〈組成物X3として好適な相溶性組成物粘弾性体〉
組成物X1として好適な相溶組成物と同様の観点から、組成物X3として好適な相溶組成物も、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、化合物A又はA(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A又はA)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A又はA(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A又はA)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、粘弾性特性の観点から、媒質中の反応性化合物の含有割合は、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは25〜95質量%、更に好ましくは30〜90質量%である。
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、加える重合開始剤は、少なくとも化合物A又はA及び媒質の合計に対して、好ましく1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、更に好ましくは2.5〜7.5質量%である。
組成物X1、X2又はX3における相溶組成物は、液状−ゲル状転移温度(Tc)を有するという性状を阻害しない範囲で、後述するような媒質以外の添加剤を任意に配合することができ、その場合の媒質以外の添加剤の配合量は、配合物の全質量中、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜30質量%である。
相溶組成物は、相転移性及び/又は粘弾性特性を阻害しない範囲で、例えば、酸化防止剤、濡れ剤、界面活性剤、イオン性液体、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、無機、有機各種フィラー、ポリマー等の添加剤を含めることができる。
なお、相溶組成物中の添加剤とは、相溶組成物中に配合される添加剤と、相溶組成物と共に配合される添加剤を併せたものをいう。
組成物X1、X2及びX3は、フィラーのような光を散乱させる化合物を添加させなければ、透明にすることができ、好ましくは0.3mmの厚みにおけるHAZE値1.0以下にすることができるので、光硬化性を利用する場合に効率のよい光照射をすることができる。
HAZE値は、相溶性組成物の全光線透過率における、拡散透過率の割合を表し、効率のよい光照射の観点から、HAZE値は、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.2以下にするとよい。
(組成物Y)
例えば、組成物X1において、相溶組成物を得るためのブロック共重合体化合物および媒質を選択すると、さらにゲル状体においてチキソトロピー性を有する相溶性組成物(以下、チキソトロピック相溶性組成物ともいう)を構成し、さらに光学透明性と両立するチキソトロピック相溶性組成物を構成することができる。
相溶性組成物が相溶性とチキソトロピー性を有するという観点から、相溶性組成物中、ブロック共重合体化合物100質量部に対して、媒質は好ましくは100〜1000質量部、より好ましくは120〜600質量部を配合する。
(組成物Z)
Tcを有さないチキソトロピック性のゲル状樹脂組成物である組成物Zとしては、例えば、チキソトピック性を有しない液状媒質にレオロジー調整剤を添加してチキソトロピック性が付与された組成物が挙げられる。
組成物Zを調整する際に使用できる媒質としては、
水、アルコール、酢酸、ギ酸、アセトン、アセトニトリル、エチレングリコール、グリセリン等の水系媒質;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、ヘキサン、酢酸エチル、炭酸ジエチル等の非水系媒質;及び
油脂、鉱油、石油系溶媒等の油系媒質等が挙げられ、
これらに反応性の低いレオロジー調整剤を添加してチキソトロピック性を付与して組成物Zとすることができる。
レオロジー調整剤としては、例えば、
シリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、石綿粉、酸化銅、水酸化銅、酸化鉄、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉛、マグネシア、酸化スズ等の金属酸化物粒子、炭酸カルシウム、カーボン、シリカ、マイカ、スメクタイト、カーボンブラック等の無機微粒子;
ポリスチレンビーズ、ポリエチレン粒子、アクリル粒子、ポリシロキサン樹脂粒子、イソプレンゴム粒子、ポリアミド粒子等の有機微粒子;
ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、アルキル変性セルロース、ペプチド、ポリペプチド等の高分子化合物;及び
アマイドワックス、水添ひまし油誘導体、1,3,5−トリス(トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレート、変性ポリエステルポリオール、エチルセルロース、メチルセルロース、セルロース誘導体、有機ベントナイト等の有機化合物などを挙げることができる。
レオロジー調整剤として、さらに具体的には、以下を挙げることができる:
特開2017-066278号公報に例示されるアマイドワックス、水添ひまし油、1,3,5−トリス(トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレート等の有機化合物;ヒュームドシリカ、カーボンブラック等の無機化合物;
エチルセルロース、BYK−405、410、411、415、420、425、420、430、431等(ビック・ケミー株式会社)、Disparlonチクソトロピック剤シリーズ(楠本化成)等の市販品;
ポリシロキサン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、アルキル変性セルロース、ペプチド、ポリペプチド、及びこれらのうち2つ以上の構造を有する共重合体;
ポリスチレンビーズ、ポリエチレン粒子、アクリル粒子、ポリシロキサン樹脂粒子、イソプレンゴム粒子、ポリアミド粒子等の有機微粒子;
特開2014-082328号公報に例示される酸化銅、水酸化銅、酸化鉄、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉛、マグネシア、酸化スズ等の金属酸化物粒子、炭酸カルシウム、カーボン、シリカ、マイカ、スメクタイト等の無機微粒子;及び
特開2014-019802号公報に例示される揺変剤とも呼ばれる、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ及び石綿粉等の無機揺変剤;有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤;水添ヒマシ油誘導体、脂肪酸アマイドワックス、ステアリル酸アルミニウム、ステアリル酸バリウム等。
組成物Zにおけるチキソトピック性を有しない液状媒質としては、組成物X、Yで挙げた好適な媒質が使用できる。
組成物Zにおけるレオロジー調整剤としては、
シリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、アマイドワックス、水添ひまし油誘導体、セルロース誘導体が好ましく、
アマイドワックス、水添ひまし油誘導体、セルロース誘導体がより好ましく、
アマイドワックスが更に好ましい。
なお、チキソトピック性を有しない液状媒質にレオロジー調整剤を添加してチキソトロピック性が付与された組成物では、液状媒質中のレオロジー調整剤の配列の規則性が温度によっても急激に転移する場合は、Tcを有するに至る場合があり、このような組成物は組成物Yに属することになる。
(5)より好適なゲル状樹脂組成物
本発明1及び2に適用されるゲル状樹脂組成物は、例えば、シート状に成形して、シート状ゲル状樹脂組成物を塗膜してから、湿気、熱又は光によって適度に硬化することで、保護膜形成性及び剥離性が向上する。
例えば、組成物X1、X2及びX3並びに組成物Yにおける化合物A及び化合物Bについていえば、以下のような態様が好適である。
化合物Aは、保護膜形成性及び剥離性の観点から、重合体ブロックaと重合体ブロックbとのブロック共重合体の末端又は側鎖に、ラジカル反応性基、カチオン反応性基、アニオン反応性基及び湿気反応性基からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有することによって反応性がさらに付与されていることが好ましい。
なお、本明細書では空気中の水分(湿気)によって重合反応する反応性基のことを湿気反応性基といい、硬化性組成物中の湿気反応性基の重合反応による硬化性組成物の硬化を湿硬化という。
保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上するため、前述のラジカル反応性基としては、
好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル基、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレイミド及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の、
より好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の、
更に好ましくは、(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル反応性基である。
保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上するため、前述のカチオン反応性基としては、
好ましくは、エポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン反応性基である。
保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上するため、前述のアニオン反応性基としては、好ましくはエポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオン反応性基である。
保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上するため、前述の湿気反応性基としては、好ましくはイソシアネート基及び/又はアルコキシシリル基である。
化合物Bは、保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上するため、ラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物を使用することが好ましい。
保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上するため、化合物Bにおけるラジカル反応性化合物としては、
好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル基、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレイミド及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の、
より好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の、
更に好ましくは、(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル反応性基(ラジカル反応の速度と安定性の観点からは好ましくは2官能以上の多官能)を有する反応性化合物である。
保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上するため、化合物Bにおけるカチオン反応性化合物としては、
好ましくは、エポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン反応性を有する反応性化合物である。
保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上するため、アニオン反応性化合物としては、好ましくはエポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオン反応性化合物である。
保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上するため、化合物Bにおける湿気反応性化合物としては、好ましくはイソシアネート基及び/又はアルコキシシラン基である。
保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上するため、好ましくは、
ラジカル反応性基を有する化合物Aとラジカル反応性化合物である化合物Bとの組合せ、
カチオン反応性基を有する化合物Aとカチオン反応性化合物である化合物Bとの組合せ、
アニオン反応性基を有する化合物Aとアニオン反応性化合物である化合物Bとの組合せ、及び、
湿気反応性基を有する化合物Aと湿気反応性化合物である化合物Bとの組合せからなる群から選ばれる少なくとも1の組合せによって相溶性組成物を構成する。
保護膜形成性及び剥離性の観点から、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上するため、相溶組成物は、反応性化合物の種類に応じて適切な重合開始剤を含有していることが好ましい。
反応性化合物がラジカル反応性化合物の場合は、重合開始剤としては、
好ましくは、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−メチルチオ]フェニル]−2−モルホリノプロパンー1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン、2,4−ジエチルチオキサントン、2ークロロチオキサントン、エチルアントラキノン、ベンゾフェノンアンモニウム塩、チオキサントンアンモニウム塩、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、1,4ジベンゾイルベンゼン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2,2’ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)1,2’−ビイミダゾール、2,2’ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイル ビフェニル、4−ベンゾイルジフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、o−メチルベンゾイルベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル、活性ターシャリアミン、カルバゾール・フェノン系光反応開始剤化合物、アクリジン系光反応開始剤化合物、及び、トリアジン系光反応開始剤化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
より好ましくは、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン及び/又は2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシドである。
反応性化合物がカチオン反応性化合物の場合は、重合開始剤としては、
好ましくはアリールジアゾニウム塩、ジアリールハロニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリホスホニウム塩、鉄アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノールアルミニウム錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種のイオン性光酸発生剤化合物、並びに/又は、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、燐酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン及びN−ヒドロキシイミドスルホナートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非イオン性光酸発生剤化合物である。
反応性化合物がアニオン反応性化合物の場合は、重合開始剤としては、
好ましくは、1,10−ジアミノデカン、4,4’−トリメチレンジピペラジン、カルバメート類化合物及びその誘導体、コバルト−アミン錯体類化合物、アミノオキシイミノ類化合物及びアンモニウムボレート類化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
反応性化合物が湿気反応性化合物の場合は、重合開始剤としては、
好ましくは、シラノール縮合触媒としてテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナート及びビスアセチルアセトナトジイソプロポキシチタンからなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジメチルマレエート、ジブチル錫ジエチルマレエート、ジブチル錫ジブチルマレエート、ジブチル錫ジオクチルマレエート、ジブチル錫ジトリデシルマレエート、ジブチル錫ジベンジルマレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジエチルマレエート、ジオクチル錫ジオクチルマレエート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジノニルフェノキサイド、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセトナート、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物及びジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物からなる群から選ばれる少なくとも1種の4価の有機錫化合物、
アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機アルミニウム化合物、
ジルコニウムテトラアセチルアセトナートなどのジルコニウム化合物、
アミン系化合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミン系化合物との反応物、飽和または不飽和の多価カルボン酸またはその酸無水物、カルボン酸化合物とアミン系化合物との塩など反応物、オクチル酸鉛、並びに、
イソシアネート反応触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
イソシアネート反応触媒としては、
好ましくは、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン及びジメチルエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアミン類化合物、
トリエチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類化合物、
ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクトエート及びジブチル錫ジエチルヘキサノレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機スズ化合物、
ジ(2−エチルヘキサン酸)鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、並びに、ナフテン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
相溶性組成物が硬化性である場合、耐久性、及び応力緩和性の観点から、化合物B中の反応性化合物の含有割合は、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは25〜95質量%、更に好ましくは30〜90質量%である。
相溶性組成物が硬化性である場合、加える重合開始剤は、少なくともブロック共重合体化合物及び媒質の合計に対して、好ましく1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、更に好ましくは2.5〜7.5質量%である。
湿気硬化する化合物としては、例えば、イソシアネート基、アルコキシシリル基、又はケイ素原子に結合した水酸基若しくは加水分解性基を有しシロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基等の湿気反応性基を有する有機化合物が挙げられ、湿気反応性基の加水分解反応等によって架橋することで硬化物が得られる。
熱硬化する成分化合物としては、硬化剤及び/又は熱重合開始剤の存在下で加熱することにより反応するエポキシ系、オキセタン系、ビニルエーテル系、フェノール系、熱硬性ポリウレタン系、不飽和ポリエステル系、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリルアミド系、(メタ)アクリロニトリル系、ビニル系化合物、アリルエーテル系、マレイミド及び無水マレイン酸、エポキシアリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のモノマー及び/又はオリゴマーが挙げられる。
光硬化する成分化合物としては、例えば光重合開始剤及び/又は光増感剤の存在下で紫外線照射により反応するエポキシ系、オキセタン系、ビニルエーテル系、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリルアミド系、(メタ)アクリロニトリル系、ビニル系、ビニルエーテル系、アリルエーテル系、マレイミド及び無水マレイン酸、エポキシアリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のモノマー及び/又はオリゴマーが挙げられる。
ゲル状樹脂組成物の硬化体は、保護膜形成の観点から、弾性率の範囲が、25℃おいて、好ましくは0.1〜10000000kPa、より好ましくは1〜1000000kPa、更に好ましくは10〜100000kPaである。
上述したようにゲル状樹脂組成物は、部材1及び部材2の貼合材として使用する際にシート状であることが好ましいので、容易にシート化できるという観点から組成物X1、X2又はX3であることが好ましい。
組成物X1、X2、X3又はYは、保護膜形成性及び剥離性の観点から、好ましくは湿気、熱又は光等により、より好ましくは熱又は光により、更に好ましくは光により硬化する硬化性を有し、硬化後の組成物が特開2017-066368段落0062に説明される相溶組成物粘弾性体であることが好ましい。
<ゲル状樹脂組成物の実施態様例>
(1)組成物X1の実施態様例
表3及び4を参照して説明する。
化合物a1を100g及び化合物b1を400g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例1−1の相溶組成物を得ることができる。
化合物a1及び化合物b1を、表3及び4記載の化合物に置き換えて、表3及び4記載の配合で、実施態様例1−1と同様にして実施例1−2〜23の相溶組成物を得ることできる。
〈組成物X1の化合物原料〉
(1−1)化合物A
重合体ブロックaがメチルメタクリレートで構成され、
重合体ブロックbがブチルアクリレートで構成された、
重合体ブロックa-重合体ブロックb-重合体ブロックaのトリブロック共重合体化合物及び重合体ブロックa-重合体ブロックbのジブロック共重合体化合物を使用した。
ブチルアクリレートの重合物(重合物a)のガラス転移温度は−25℃、
メチルメタクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移温度は140℃である。
化合物a1:KURARITY LA2140(登録商標、クラレ社)
化合物a2:KURARITY LA2250(登録商標、クラレ社)
化合物a3:KURARITY LA2330(登録商標、クラレ社)
化合物a4:KURARITY LA4285(登録商標、クラレ社)
重合体ブロックa及び重合体ブロックbの合計質量中、重合体ブロックaが、
LA2140では約20質量%、LA2250では約30質量%、
LA2330では約20質量%、LA4285は約50質量%、
LA1892では約50質量%、LA1114は約10質量%であり、
LA2140、LA2250、LA2330、LA4285はトリブロック体、
後述するLA1892、LA1114はジブロック体で、
分子量はLA2330>LA2140=LA2250=LA4285=LA1114=LA1892である。
(1−2)化合物B
化合物b1:イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
化合物b2:4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート(Rahn社製、genomer1119)
化合物b3:4−ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4−HBA)
化合物b4:ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(BASF社製、DINCH)
化合物b5:安息香酸アルキル(アルキルの炭素原子数12〜16)(Lipo Chemicals社製、Liponate NEB)
化合物b6:水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE−311)
化合物b7:エポキシ系エステル(4,5−エポキシ−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2−エチルヘキシル))(DIC社製、W150)
化合物b8:不均化ロジンエステル(荒川化学社製、ME−D)
化合物b9:トリエチレングリコール ビス(2−エチルヘキサノエート)(Proviron社製、Proviplast1783)
(1−3)化合物B1(ラジカル反応性2官能化合物及び多官能化合物)
化合物b1-1:PPGウレタンアクリレート(KSM社製、UA10000B)
化合物b1-2:脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EB270)
化合物b1-3:1.9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製、1,9−NDA)
化合物b1-4:ポリブタジエンウレタンアクリレート(日本曹達、TE−2000)
(1−4)化合物B2(ラジカル反応性モノマー化合物)
化合物b2-1:4−ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4−HBA)
化合物b2-2:ラウリルアクリレート(共栄社化学社製、LA)
化合物b2-3:イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
化合物b2-4:イソボルニルアクリレート(日本化薬社製、RM−1002)
化合物b2-5:4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート(Rahn社製genomer1119)
化合物b2-6:ペンタメチルピペリジルメタクリレ−ト(日立化成社製、FA−711MM)
(1−5)その他の化合物
化合物r1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、I−184)
化合物r2:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルーフォスフィンオキサイド(BASF社製、I−TPO)
(2)組成物X2の実施態様例
表5及び6を参照して説明する。
化合物a1を100g及び化合物b1を200g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例2−1の相溶組成物を得ることができる。
実施態様例2−1における化合物a1及び化合物b1を、表5及び6記載の化合物に置き換えて、表5及び6記載の配合で、実施例態様例2−1と同様にして実施態様例2−2〜14を得ることができる。
〈組成物X2の化合物原料〉
(2−1)化合物A
重合体ブロックaがメチルメタクリレート単位(MMA)で構成され、
重合体ブロックbがn−ブチルアクリレート単位(nBA)で構成され、
幹が重合体ブロックbで、枝が重合体ブロックaであるグラフト共重合体化合物を使用した。
メチルメタクリレートの重合物(重合物a)のガラス転移温度は140℃、
n−ブチルアクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移温度が−25℃である。
化合物a-1:NB5015(三菱レイヨン社)
化合物a-2:NB5065(三菱レイヨン社)
化合物a-3:NB5066(三菱レイヨン社)
化合物a-4:NB5073(三菱レイヨン社)
化合物a-5:NB5088(三菱レイヨン社)
(2−2)化合物B
化合物b-1:ライトアクリレートLA(ラウリルアクリレート、共栄社化学社)
化合物b-2:SR395(イソデシルアクリレート、サートマー社)
化合物b-3:Proviplast1783(トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート、Proviron社)
化合物b-4:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b1-1:水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE−311)
化合物b1-2:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b2-1:TE−2000(ポリブタジエンウレタンアクリレート、日本曹達社)
化合物b2-2:脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EB270)
化合物b2-3:PPGウレタンアクリレート(KSM社製、UA10000B)
化合物b3-1:ライトアクリレートLA(ラウリルアクリレート、共栄社化学社)
化合物b3-2:ペンタメチルピペリジルメタクリレ−ト(日立化成社製、FA−711MM)
化合物b3-3:イソボルニルアクリレート(日本化薬社製、RM−1002)
(2−3)その他の化合物
化合物r-1:I−184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社)
(3)組成物X3の実施態様例
表7〜11を参照して説明する。
化合物Aとして化合物a1−1を100g及び化合物Bとして化合物b−4を200g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例3−1−1の相溶組成物を得ることができる。
実施例3−1−1における化合物Aを表8〜10記載の化合物A又はAに置き換え、化合物Bを表8〜10記載の他の化合物Bに置き換え、さらにその他の化合物を加えて、表8〜10記載の配合で、実施例3−1−1と同様にして実施例3−1−2〜16及び3−2−1〜3の相溶組成物を得ることができる。
〈組成物X3の化合物原料〉
(3−1)化合物A
表7記載の化合物を使用できる。重合物bのガラス転移温度は−25℃である。
(3−2)化合物B
化合物b-1:サラコス99(イソノナン酸イソノニル、日清オイリオ社)
化合物b-2:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b-3:サラコスP−8(パルミチン酸−2−エチルヘキシル、日清オイリオ社)
化合物b-4:genomer1119(4−tertブチルシクロヘキシルアクリレート、Rahn社)
化合物b-5:SR395(イソデシルアクリレート、サートマー社)
化合物b-6:KE−311(水添ロジンエステル、荒川化学社)
化合物b-7:アルコンP−100(炭化水素樹脂、荒川化学社)
化合物b-8:クリアロンM−105(水添芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社)
化合物b-9:TE−2000(ポリブタジエンウレタンアクリレート、日本曹達社)
化合物b-10:1.9ND−A(ノナンジオールジアクリレート、共栄社)
化合物b-11:エステモールN−01(ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、日清オイリオ社)
化合物b-12:HOB(2−ヒドロキシブチルメタクリレート、共栄社)
(3−3)その他の化合物
化合物r-1:I−184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社)
〔部材表面塗膜工程の実施態様例〕
A.実施態様例1:表示用デバイスが組込まれた複合体の場合
携帯電話・パソコン・ディスプレイ等の表示用デバイスが組込まれた筐体で構成されている複合体の組込・解体工程では、
最終の複合体組立工程で、曲面形状をした表示デバイスの表面Sの汚れを防ぐために、表面S全体をゲル状樹脂組成物で塗膜する部材表面塗膜工程と、
当該複合体を使用する段階、もしくは修理する段階で、当該塗膜を除去する部材表面塗膜除去工程とを有する。
ゲル状樹脂組成物を用いることで、塗膜時は液状樹脂として取り扱え、塗膜形成後は温度低下又は吐出応力が消滅して流動性が抑制され、塗膜部分以外への流出を防ぐことができる。さらに光硬化後の特性をフィルムとして取り扱い可能な皮膜物性、剥離できる程度の表面密着性に調整することで従来使用されてきた保護フィルム代替シート(以下「ゲル状樹脂組成物シート」ともいう)として取り扱うことが出来る。
必要に応じて、部材表面塗膜工程と部材表面塗膜除去工程の間に、塗膜を光等で硬化させる塗膜硬化工程を有してよく、硬化した塗膜は物理的に容易に剥離することができる(図2)。
透明性と光硬化性を有するゲル状樹脂組成物を使用した塗膜は、硬化後も表示体の検査工程や異物検査に影響を及ぼさないという効果を奏し、保護性を強化するために厚膜にした場合にも塗膜全体が光硬化して良好な保護性、剥離性を維持する。
以下、図1及び2を参照して説明する。
<部材表面塗膜工程>
(1)態様例1
塗膜装置として例えばスリットコートやナイフコート、カーテンコート、スプレーコートなどのコーティング装置、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどの塗布装置、スクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷装置を使用して、
ゲル状樹脂組成物を、好ましくはTc+5℃以上、より好ましくはTc+10℃以上、更に好ましくはTc+15℃以上に加温して、表示デバイスの表面S上に所望の領域・形状に塗膜して、
好ましくはTc−5℃以下、より好ましくはTc−10℃以下、更に好ましくはTc−15℃以下の環境で自然冷却してゲル状樹脂組成物シートにする。
(2)態様例2
予め剥離性基台上にゲル状樹脂組成物シートを製造し、目的形状にカットして表面Sに転写することで塗膜を形成しても良い。
ゲル状樹脂組成物シートはゲル状樹脂組成物を加温して塗膜装置で塗布しても、ゲル状樹脂組成物を溶剤に希釈して室温で塗布し溶剤を揮発させてゲル状組成物シートにしても良い。
ゲル状樹脂組成物がチキソトロピー性を有すれば、Tc以下の温度でも塗膜することができる。
ゲル状樹脂組成物が光硬化性であれば、当該塗膜の後に、例えば光照射装置から紫外線を照射して当該塗膜を光硬化させる塗膜硬化工程を設けることができる。
塗膜厚は、保護膜形成性及び剥離性の観点から、好ましくは1〜3000μm、より好ましくは5〜1000μm、更に好ましくは10〜500μmである。
<部材表面塗膜除去工程>
(1)態様例1
ゲル状樹脂組成物の塗膜は、保護シートとして使用した後、Tc以上に加温したり溶剤に溶解させたりしして液状にして除去することができる。
(2)態様例2
光硬化されたゲル状樹脂組成物は剥離に耐えうる皮膜性、適度な界面強度を発現することで、表示デバイスの表面S上に形成されたゲル状樹脂組成物の塗膜を物理的に剥離することができる。
B.実施態様例2:配線形成部材が組込まれた複合体の場合
半導体部品等の電子部材にメッキ配線する際には、
部材表面加工工程でメッキ加工する領域以外のメッキ加工を回避すべき領域を、ゲル状樹脂組成物で塗膜して保護する部材表面塗膜工程を有する。
透明性と光硬化性を有するゲル状樹脂組成物を使用した塗膜は、硬化後も部材表面のダメージや異物検査に影響を及ぼさないという効果を奏し、保護性を強化するために厚膜にした場合にも塗膜全体が光硬化して良好な保護性、剥離性を維持する。
以下、図3を参照して説明する。
<部材表面塗膜工程>
(1)態様例1
塗膜装置として例えばスリットコートやナイフコート、カーテンコート、スプレーコートなどのコーティング装置、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどの塗布装置、スクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷装置を使用して、
ゲル状樹脂組成物を、好ましくはTc+5℃以上、より好ましくはTc+10℃以上、更に好ましくはTc+15℃以上に加温して、表示デバイスの表面S上に所望の領域・形状に塗膜して、
好ましくはTc−5℃以下、より好ましくはTc−10℃以下、更に好ましくはTc−15℃以下の環境で自然冷却する。
(2)態様例2
予め剥離性基台上にゲル状樹脂組成物シートを製造し、目的形状にカットして表面Sに転写することで塗膜を形成しても良い。
ゲル状樹脂組成物シートはゲル状樹脂組成物を加温して塗膜装置で塗布しても、ゲル状樹脂組成物を溶剤に希釈して室温で塗布し溶剤を揮発させてゲル状組成物シートにしても良い。
ゲル状樹脂組成物がチキソトロピー性を有すれば、Tc以下の温度でも塗膜することができる。
ゲル状樹脂組成物が光硬化性であれば、当該塗膜の後に、例えば光照射装置から紫外線を照射して当該塗膜を光硬化させる塗膜硬化工程を設けることができる。
塗膜厚は、保護膜形成性及び剥離性の観点から、好ましくは1〜3000μm、より好ましくは5〜1000μm、更に好ましくは10〜500μmである。
光硬化後も透明性を有するチキソトロ―性を奏するゲル状樹脂組成物を使用すると、スクリーン印刷が可能で、光硬化後も透明性を維持するため、例えば、検査工程が必要な部材に用いた場合には、除去工程の必要がないめっき保護膜として使用することが可能である。
<部材表面塗膜除去工程>
(1)態様例1
ゲル状樹脂組成物の塗膜は、保護シートとして使用した後、Tc以上に加温したり溶剤に溶解させたりして液状にして除去することができる。
(2)態様例2
光硬化されたゲル状樹脂組成物は剥離に耐えうる皮膜性、適度な界面強度を発現することで、表示デバイスの表面S上に形成されたゲル状樹脂組成物の塗膜を物理的に剥離することができる。
C.実施態様例3:ケミカルエッチング加工される部材を組込んだ複合体の場合
例えば、半導体部品・光学部品に使用されるケイ素系部材の部材表面加工工程として、
シリコン基板としてのウエハー部材ではウエハー表面の研磨、
シリコン部材表面に微細立体パターンを形成させるシリコンエッチング、
シリコン基板上のSiO膜のエッチング処理などのケミカルエッチング加工が挙げられる。
ケミカルエッチング加工工程で、表面Sのエッチング対象箇所以外をゲル状樹脂組成物で塗膜する部材表面塗膜工程と、
必要な場合、当該塗膜を除去する部材表面塗膜除去工程とを有する。
保護膜として温度応答性ゲルを使用することで、ゲル状樹脂組成物は、塗膜対象の箇所にのみ塗膜が可能で、ゲル状樹脂組成物として、例えば溶剤溶解性を有する相溶組成物粘弾性体を使用すれば硬化工程が不要な保護膜を作製することが可能であり、物理的な除去工程を経ることなく溶解洗浄で除去可能となり、従来のレジスト塗膜に比べて工程負荷を低減することができる。
以下、図4を参照して説明する。
<部材表面塗膜工程>
(1)態様例1
塗膜装置として例えばスリットコートやナイフコート、カーテンコート、スプレーコートなどのコーティング装置、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどの塗布装置、スクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷装置を使用して、
ゲル状樹脂組成物を、好ましくはTc+5℃以上、より好ましくはTc+10℃以上、更に好ましくはTc+15℃以上に加温して、表示デバイスの表面S上に所望の領域・形状に塗膜して、
好ましくはTc−5℃以下、より好ましくはTc−10℃以下、更に好ましくはTc−15℃以下の環境で自然冷却する。
(2)態様例2
予め剥離性基台上にゲル状樹脂組成物シートを製造し、目的形状にカットして表面Sに転写することで塗膜を形成しても良い。
ゲル状樹脂組成物シートはゲル状樹脂組成物を加温して塗膜装置で塗布しても、ゲル状樹脂組成物を溶剤に希釈して室温で塗布し溶剤を揮発させてゲル状組成物シートにしても良い。
ゲル状樹脂組成物がチキソトロピー性を有すれば、Tc以下の温度でも塗膜することができる。
ゲル状樹脂組成物が光硬化性であれば、当該塗膜の後に、例えば紫外線を照射して当該塗膜を光硬化させる塗膜硬化工程を設けることができる。
塗膜厚は、保護膜形成性及び剥離性の観点から、好ましくは1〜3000μm、より好ましくは5〜1000μm、更に好ましくは10〜500μmである。
必要に応じて、光硬化性のゲル状樹脂組成物を使用でき、当該塗膜の後に、例えば紫外線を照射して当該塗膜を光硬化させる。
<部材表面塗膜除去工程>
(1)態様例1
ゲル状樹脂組成物の塗膜は、保護シートとして使用した後、Tc以上に加温したり溶剤に溶解させたりして液状にして除去することができる。
(2)態様例2
光硬化されたゲル状樹脂組成物は剥離に耐えうる皮膜性、適度な界面強度を発現することで、表示デバイスの表面S上に形成されたゲル状樹脂組成物の塗膜を物理的に剥離することができる。
〔実施例〕
組成物X1及びYを製造して本発明1の実施例に供した。
(1)化合物原料
(1−1)化合物A
化合物a1:KURARITY LA2270(登録商標、クラレ社製)
化合物a2:KURARITY LA1892(登録商標、クラレ社製)
化合物a3:KURARITY LA2250(登録商標、クラレ社製)
LA2270では、重合体ブロックa及び重合体ブロックbの合計質量中、重合体ブロックaが約40質量%である。
(1−2)化合物B
化合物b1:PPGウレタンアクリレート(UA10000B、KSM社製)
化合物b2:ウレタンアクリレートオリゴマー(UN9200A、根上工業)
化合物b3:イソボルニルアクリレート(RM1002、日本触媒社製)
化合物b4:ペンタメチルピペリジルメタクリレ−ト(FA−711MM、日立化成社製)
化合物b5:アクリロイルモルホリン(ACMO、KJケミカルズ社製)
化合物b6:トリペンタエリスリトールオクタアクリレートとトリペンタエリスリトールヘプタアクリレートの混合物(大阪有機化学工業社製、ビスコート#802)
化合物b7:ポリブタジエンウレタンアクリレート(TE−2000、日本曹達社製)
化合物b8:ラウリルアクリレート(LA、共栄社化学社製)
化合物b9:4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA、日本化成社製)
化合物b10:水添ロジンエステル(KE−311、荒川化学工業社製)
化合物b11:ビス(2−ブトキシエチル)アジペート(D931、ジェイプラス社製)
化合物b12:ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(DINCH、BASF社)
化合物b13:化合物b16:アクリルポリマー(東亞合成社製、UP1110)
(1−3)剥離性を向上させる化合物
化合物c1:ポリエーテル変性シロキサン(エボニック社製、TEGO GLIDE440)
(1−4)その他の化合物
化合物r1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(I−184、BASF社製)
(2)ゲル状樹脂組成物
表1を参照して説明する。
(2−1)化合物Aとして化合物a2を300g、化合物Bとして化合物b1、b3〜10及びb12並びにr1を表11記載の重量部になるように評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施例1の相溶組成物を得た。
表1記載の実施例1の化合物A、B及びr1を、
実施例2及び3では表1記載の化合物に置き換えて、表1記載の配合で同様にして、ゲル状樹脂組成物を製造し、
実施例1の化合物A、B及びr1を、比較例1〜3について表1記載の化合物に置き換えて、表1記載の配合で同様にして、液状組成物を製造した。
(2−2)それぞれの実施例及び比較例に対して、以下の物性を測定した。
(2−2−1)ブチルアクリレートの重合物(重合物a)及びメチルメタクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移点。
(2−2−2)液状−ゲル状転移温度(Tc)
(2−2−3)複素粘度(Pa・s)
(2−2−4)25℃における貯蔵剛性率(kPa)
(2−2−5)25℃、剪断速度1(sec−1)における粘度η(Pa・s)
(2−2−6)25℃、剪断速度10(sec−1)における粘度η10(Pa・s)
(2−2−7)チキソ比(X=η/η10
(3)測定条件
〈ガラス転移点〉
重合物a、重合物b及びブロック共重合体化合物のそれぞれについて、200℃に設定した神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力で0.5mm厚みにシート成形する。その後、動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×0.5mmの短冊片を切り出す。
セイコーインスツルメンツ社製動的粘弾性装置(DMS6100)を使用し、
引っ張りモードにて、−100℃〜200℃の温度範囲(昇温速度3℃/分)、周波数11Hzなる条件で測定して得られたチャートにおける、
tanδのピーク温度を読み取って短冊片を構成する重合物a、重合物b及びブロック共重合体化合物それぞれのガラス転移点とする。
〈液状−ゲル状転移温度Tc及び貯蔵剛性率〉
ゲル状樹脂組成物の貯蔵剛性率G’と損失剛性率G”を、
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、
150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定し、
25℃超150℃以下の範囲において、貯蔵剛性率G’と損失剛性率G”とが等しくなる温度をTcとする。
<複素粘度>
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。Tc以上の温度領域で測定された数値を複素粘度とした。
<貯蔵剛性率>
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、
150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。
25℃で測定された貯蔵剛性率の数値を読み取った。ただし、転移温度が0℃≦Tc≦30℃の場合はTc−20℃における貯蔵剛性率とした。
〈粘度η
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、
25℃にて、剪断速度を0.01(sec−1)から100(sec−1)まで変化させて剪断速度vにおける粘度ηを読み取る。
なお、コーンローターにゲル組成物の構造粘性に基づく抵抗が発生せずに測定値が計測できない場合は「測不」とした。
〈チキソ比〉
粘度ηの測定において、剪断速度1(sec−1)および剪断速度10(sec−1)における粘度の比X=η/η10を計算しチキソ比とした。
(HAZE値の測定条件)
2.5cm×3.8cm×1mmtのガラスの両端に0.3mmtのスペーサーを貼り、硬化性樹脂組成物を挟んでメタルハライドランプ(アイグラフィックス社製、コンベアタイプ)にて、250mW/cm2、3000mJ/cmで硬化性樹脂組成物を硬化させた。ヘイズメーター(日本電食工業社製、NDH5000)にて測定し、全光透過率と拡散透過率の比を求める。
〔製造実施例1及び製造比較例1〕
(保護膜形成性)
実施例1および比較例1記載の組成物について25℃でガラス基板2上にスクリーン印刷装置(ニューロング社製)を用いて、スクリーン厚0.024mm、非印刷部幅1.5mm、塗布速度100mm/secで塗工した。塗布後300秒放置した後、コンベア型紫外線照射装置(アイグフィック社製、メタルハライドランプ)を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm(オーク社製 波長350nm)、反応率100%で光硬化させて、ガラス基板2上に硬化物保護膜を作製した。
レーザー顕微鏡(オリンバス社製、LEXT OLS4000)を用いて塗布形状を測定し、非印刷部幅を計測した。
非印刷部幅が1.2mm以上保持されているなら○、1.2mm以下なら×とした。
〔製造実施例2及び製造比較例2-1及び2-2〕
(1)保護膜形成性
(1−1)実施例2記載の組成物:80℃で液状相溶組成物。
(1−2)比較例2記載の組成物:25℃で液状の組成物。
(1−3)実施例2記載の組成物は80℃で、比較例2記載の組成物は25℃でガラス基板3上にエアーディスペンサ(ムサシエンジニアリング社製、SHOT MASTER 300)を用いて、内径0.61mmのニードルを用いて塗布して、塗布後300秒間放置した
塗布層を、コンベア型紫外線照射装置(アイグフィック社製、メタルハライドランプ)を用いてピーク照度400mW/cm、積算光量6000mJ/cm(オーク社製 波長350nm)、反応率100%で光硬化させ、実施例の組成物については室温に冷却することで、ガラス基板3上に保護層を作製した。
レーザー顕微鏡(オリンバス社製、LEXT OLS4000)を用いて塗布形状を測定し塗布幅を計測して、
塗布幅の距離が1.0mm以下の場合を○、
塗布幅の距離が1.0mm超の場合を ×
とした。
(2)溶剤溶解性
(1)と同様の方法で塗布し、比較例2記載の組成物についてはコンベア型紫外線照射装置(アイグフィック社製、メタルハライドランプ)を用いてピーク照度400mW/cm、積算光量6000mJ/cm(オーク社製 波長350nm)、反応率100%で硬化させるものと、硬化させないものを作製し、それぞれ比較例2-1、2-2とした。
それぞれの保護層をアセトン(関東化学製、特級)に浸漬し、10分間放置後の状態を確認して、
保護層が溶解消失している場合を〇、
保護層が残存している場合を×とした。
〔製造実施例3及び製造比較例3〕
(1)保護膜形成
実施例3記載の組成物については80℃で液状相溶組成物とし、比較例1記載の組成物については25℃でガラス基板1上にフラットノズル(ムサシエンジニアリング社製30mm幅、SHOT MASTER 300)を用いて、厚さ0.15mmの厚みに塗工した。塗布後300秒間放置した後、コンベア型紫外線照射装置(アイグフィック社製、メタルハライドランプ)を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量6000mJ/cm2(オーク社製 波長350nm)、反応率100%で光硬化させて、ガラス基板1上に硬化物保護膜を作製した。
レーザー顕微鏡(オリンバス社製、LEXT OLS4000)を用いて塗布形状を測定し、膜厚均一部分が保護性能を十分発揮できている部分、液ダレ部分を汚染もしくは保護性能が十分でない部分として液ダレ幅を計測した。
液ダレ幅の距離が0.5mm以下なら○、0.5mm以上なら×とした。
(2)剥離性
(1)の試験で使用したガラス基板1上の硬化物膜の角隅をピンセットで摘み剥がし、
樹脂が破断なく剥離した場合を ○、
界面から剥離できたが樹脂が破断した場合を△、
剥離できなかった場合を ×
とした。
以上の実施例及び比較例の結果を表11にまとめた。
1 表面S
2 表面Sを備える部材
3 ゲル状樹脂組成物
31 光硬化したゲル状樹脂組成物
4 光照射装置
5 めっき
6 レジスト

Claims (7)

  1. 表面Sを備える部材の組込み及び/若しくは取外し工程、並びに/又は、前記表面Sを加工する部材表面加工工程を有する前記部材が組み込まれた複合体の製造・解体方法であって、
    前記組込み及び/若しくは取外し工程、並びに/又は、前記部材表面加工工程において、
    前記表面Sの汚染及び/又は加工を回避すべき領域をゲル状樹脂組成物で被覆する部材表面塗膜工程を有し、
    前記ゲル状樹脂組成物が、
    0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する、及び/又は、
    チキソトロピック性を有する複合体の製造・解体方法。
  2. 前記ゲル状樹脂組成物が熱及び/又は光硬化性を有する請求項1記載の複合体の製造・解体方法。
  3. 前記ゲル状樹脂組成物が有機溶剤溶解性及び/又は前記表面Sに対して剥離性を有する請求項1又は2記載の複合体の製造・解体方法。
  4. 前記部材表面加工が、前記表面S上の配線形成加工、メッキ形成加工及びエッチング加工からなる群から選ばれる少なくとも1種の部材表面加工である請求項1〜3のいずれか1項記載の複合体の製造・解体方法。
  5. 前記部材が、表示用パネル、タッチパネル、センサー、レンズ、電池用部品及び半導体用部品からなる群から選ばれる少なくとも1種の部品、並びに/又は前記部品を外装する筐体である請求項1〜4のいずれか1項記載の複合体の製造・解体方法。
  6. 前記複合体が、前記部材が組み込まれた筐体で構成される請求項1〜5のいずれか1項記載の複合体の製造・解体方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の複合体の製造・解体方法に使用される請求項1〜3のいずれか1項記載のゲル状樹脂組成物。

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