JP6769615B2 - 硝酸性窒素の除去方法及び硝酸性窒素除去剤 - Google Patents

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Description

本発明は、硝酸性窒素の除去方法及び硝酸性窒素除去剤に関し、特に、硝酸性窒素を含む環境水又は土壌中に含まれる硝酸性窒素を、その安全性が既に認められている菌株であるロドトルーラ属、ピヒア属又はロドスポリジウム属に属する酵母を用いて除去できる、硝酸性窒素の除去方法及び硝酸性窒素除去剤に関する。
近年、全国的に広がる地下水等の環境水の硝酸性窒素による汚染は、近代集約農業の副作用によるものであると言われている。
これは、不適切に処理された家畜排せつ物あるいは過剰に施用された肥料や生活用水に含まれる窒素が、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素や硝酸性窒素になって地下に浸透するためである。
アンモニア性窒素は、土壌に固定されやすく、亜硝酸は不安定であり、すぐに酸化されて硝酸に変化するため、主として硝酸性窒素のみが地下水に移行して、地下水の硝酸性窒素の汚染につながっている。
具体的には、農業等で散布する施肥料の使用窒素量が土壌微生物による適正な天然の窒素循環処理能力を上回り、堆肥の流通使用の促進で過剰に蓄積した硝酸性窒素が、土壌中の浸透水に溶脱し、地下水に移行する。その結果、各地域等で設定されている環境基準値以上の硝酸性窒素が、地下水に含まれてしまい、地下水を汚染してしまう現象が起きている。
また、硝酸性窒素が過剰に含まれる地下水を利用して生育された農作物や牧草等には、結果として、過剰に硝酸塩が含有されることとなり、将来の人畜等の飲食材としての安全性の低下を招く懸念となっている。
従って、地下水中の硝酸性窒素の除去対策に有効な手段を構築することの社会的意義は大きい。
従来から検討されている排水中に含まれる窒素の脱窒素処理法としては、イオン交換法と微生物法とに大別される。
イオン交換法による脱窒素は強塩基性イオン交換樹脂に硝酸イオンを吸着したに過ぎず、イオン交換樹脂の再生時にNO を含む高塩濃度廃液を生じるため、その処理が問題となり、環境に対する配慮が十分な方法ではなく、処理に設備等の投入が必要となる。
例えば、特開2003−205289号公報(特許文献1)には、被処理水の(亜)硝酸イオンを電気化学反応によって還元し、生成したアンモニアを窒素ガスに代えて被処理水から除去する一連の脱窒素処理工程を効率よく行なうことのできる方法と、当該脱窒素処理に用いる処理装置とが開示されている。
一方、微生物による脱窒素法は、アンモニウムイオン(NH4 )を硝酸イオン(NO )まで酸化する硝化反応を行う硝化菌と、生じた硝酸イオンを嫌気的に還元して最終的に窒素ガス(N)とする脱窒菌を組み合わせる処理プロセス、あるいはアンモニアを亜硝酸イオン(NO )の電子供与体とする嫌気的アンモニア酸化により、窒素ガスとするアナモックス菌による処理プロセスの研究が活発に行われている。
しかし、これらの方法では、NH あるいはNO の存在が必須条件であるため、地下水中の脱窒素には適用することが困難な課題を含んでいる。
これは、NH は比較的強固に土壌中に保持され、NH が酸化されたNO として地下水へ溶脱するので、地下水中の窒素は、NO に顕著に偏っているためである。
この点に鑑み、微生物による脱窒素法として、例えば、特開2016−77954号公報(特許文献2)には、アナモックス菌による嫌気的アンモニア酸化反応を阻害する物質を含むアンモニア性窒素含有廃水を処理する生物学的窒素除去方法として、アンモニア性窒素含有廃水をアンモニア酸化細菌と接触させてアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素に酸化する亜硝酸化工程で、槽内に、担体表面積あたりの生物汚泥量が1.6〜8.0g−VSS/m2である固定床又は流動床を有する亜硝酸化槽を用い、該亜硝酸化槽内で、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に酸化するとともに、担体に保持された生物汚泥によって阻害物質を除去する生物学的窒素除去方法が開示されている。
しかし、地下水や土壌中の硝酸性窒素を有効に脱窒素あるいは脱硝酸する簡便な方法が期待されている。
特開2003−205289号公報 特開2016−77954号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、地下水等の環境水中や土壌中の硝酸性窒素を有効に安全に効率良く除去することができる、硝酸性窒素の除去方法及び硝酸性窒素除去剤を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の微生物菌株が、地下水等の環境水中や土壌中に含まれるNO を直接除去できることを見出し、本発明に到ったものである。
請求項1記載の硝酸性窒素の除去方法は、ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)、ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)又はロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)に属し、硝酸性窒素を同化する能力のある酵母、その培養物又はその抽出物を、硝酸性窒素を含む環境水又は土壌と接触させて除去することを特徴とする、硝酸性窒素の除去方法である。
請求項2記載の硝酸性窒素の除去方法は、上記硝酸性窒素の除去方法において、ロドトルーラ属グラミニスに属する酵母は、ロドトルーラ グラミニス(Rhodotorula graminis)NBRC 0190であり、ピヒア属カプシュラータに属する酵母は、ピヒア カプシュラータ(Pichia capsulata)NBRC 1770であり、ロドスポリジウム属スファエロカルパムに属する酵母は、ロドスポリジウム スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)NBRC1939であることを特徴とする、硝酸性窒素の除去方法である。
請求項3記載の硝酸性窒素の除去方法は、上記硝酸性窒素の除去方法において、上記ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)、ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)又はロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)に属する酵母、その培養物またはその抽出物を担体に担持させて固定化して、硝酸性窒素を含む環境水又は土壌と接触させることを特徴とする、硝酸性窒素の除去方法である。
請求項4載の硝酸性窒素の除去方法は、上記硝酸性窒素の除去方法において、硝酸性窒素を含む環境水又は土壌には、炭素がC/N比(質量比)で15〜30で含まれていることを特徴とする、硝酸性窒素の除去方法である。
請求項5記載の硝酸性窒素除去剤は、ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)、ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)又はロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)に属し、硝酸性窒素を同化する能力のある酵母、その培養物又はその抽出物からなることを特徴とする、環境水又は土壌中の硝酸性窒素除去剤である。
請求項6記載の環境水又は土壌中の硝酸性窒素除去剤は、上記硝酸性窒素除去剤において、ロドトルーラ属グラミニスに属する酵母は、ロドトルーラ グラミニス(Rhodotorula graminis)NBRC 0190であり、ピヒア属カプシュラータに属する酵母は、ピヒア カプシュラータ(Pichia capsulata)NBRC 1770であり、ロドスポリジウム属スファエロカルパムに属する酵母は、ロドスポリジウム スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)NBRC1939であることを特徴とする、硝酸性窒素除去剤である。
請求項7記載の硝酸性窒素除去剤は、上記硝酸性窒素除去剤において、上記ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)、ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)又はロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)に属する酵母、その培養物またはその抽出物は、担体に担持されて固定化されていることを特徴とする、硝酸性窒素除去剤である。
本発明の硝酸性窒素の除去方法により、地下水や河川、池、湖沼、海洋水等の環境水および土壌中に含有される硝酸性窒素を有効に除去することが可能となる。
特に、本発明による硝酸同化作用は、NO のみを直接除去できるため、地下水等の環境水等の好気性条件での脱窒素処理法として有効に機能することができる。
また、本発明においては、硝酸性窒素除去剤は、硝酸性窒素を含む酸性雨及びクヌギやスギ等の樹幹雨流とその根圏土壌中に端を発した天然由来の既知の菌であり、かつ菌体の安全性にも問題はないため、地下水中等の環境水や土壌中の硝酸性窒素の除去に極めて有効に適することができる。
一例の培地中に含まれる塩化ナトリウム濃度を変化させた場合の、培地中の硝酸イオンの経時的な減少割合を示す線図である。 他の一例の培地中に含まれる塩化ナトリウム濃度を変化させた場合の、培地中の硝酸イオンの経時的な減少割合を示す線図である。 一例の培地中のpHを変化させた場合の、培地中に含まれる硝酸イオンの経時的な減少割合を示す線図である。 他の一例の培地中のpHを変化させた場合の、他の一例の培地中に含まれる硝酸イオンの経時的な減少割合を示す線図である。 培地中の炭素窒素含有量を変化させた場合の、培地中に含まれる硝酸イオンの経時的な減少割合を示す線図である。 3種の酵母を用いた場合の、一例の淡水中に含まれる硝酸イオンの経時的な減少割合を示す線図である。 3種の酵母を用いた場合の、一例の人工海水中に含まれる硝酸イオンの経時的な減少割合を示す線図である。 培地中に含まれる硝酸性窒素の濃度を変化させた場合の、培地中に含まれる硝酸イオンの経時的な減少割合を示す線図である。 培地中に含まれる硝酸性窒素の濃度を変化させた場合の、培地中に含まれる硝酸イオンの経時的な減少割合を示す線図である。 固体化した硝酸性同化性酵母を担体に固定化して用いた場合の、培地中に含まれる硝酸イオンの経時的な現象を示す線図である。 地下水中に含まれる硝酸イオンの経時的な減少割合を示す線図である。 地下水中に含まれる残糖濃度の経時的な減少割合を示す線図である。
本発明は、次の実施形態により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の硝酸性窒素の除去方法は、ロドトルーラ属に属し、硝酸性窒素を同化する能力のある酵母、その培養物又はその抽出物を、硝酸性窒素を含む地下水等の環境水又は土壌と接触させて除去する、硝酸性窒素の除去方法であり、具体的には、ロドトルーラ属グラミニス、ピヒア属カプシュラータ又はロドスポリジウム属スファエロカルパムに属し、硝酸性窒素を同化する能力のある酵母、その培養物又はその抽出物を、硝酸性窒素を含む環境水又は土壌と接触させて除去する、硝酸性窒素の除去方法である。
本発明の硝酸性窒素を同化できる能力のある酵母としては、ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)、ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)又はロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)に属する酵母であり、好適には、ロドトルーラ属グラミニスに属する酵母はとしては、ロドトルーラ グラミニスとして、ロドトルーラ グラミニス NBRC 0190、NBRC 10747、ピヒア属カプシュラータに属する酵母としては、ピヒア カプシュラータ NBRC 1770、NBRC 0721、NBRC 0974、NBRC 1768、NBRC 1769、NBRC 100352、ロドスポリジウム属スファエロカルパに属する酵母は、ロドスポリジウム スファエロカルパム NBRC1939、NBRC 1438、NBRC 1937、NBRC 1938等を例示することができる。
上記酵母は公知の酵母であり、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター(NBRC)より分譲されることが可能で、安全性が確認されている酵母であるため、容易に入手できるとともに、好適に用いることができる。
これらの酵母は、好気性下で硝酸を取り込み、酵母のアミノ酸やたんぱく質として同化できる能力を有する酵母であるため、硝酸性窒素を有効に同化することが可能となる。
本発明においては、上記硝酸性窒素を同化する能力のある酵母、その培養物又はその抽出物(以下、「酵母」等)を、硝酸性窒素を同化する硝酸性窒素除去剤として適用することが可能である。
上記硝酸性窒素を同化することができる酵母等を、硝酸性窒素による汚染環境水中と接触させることにより、また、硝酸性窒素による汚染土壌と混合等することにより、これらの環境水や土壌中の硝酸性窒素を低減する。
本発明の硝酸性窒素の除去方法と適用する対象となる環境水としては、硝酸態窒素による汚染地下水および河川、池、湖沼、海洋水等を例示することができ、また土壌としては、農地、住宅地、山地等の土壌を対象とすることができる。
本発明は、上記酵母を、硝酸性窒素の含有する地下水等の環境水と混合することにより、当該地下水等の環境水中に含有される硝酸性窒素を除去することができる方法である。
硝酸性窒素を含有する地下水等の環境水中に、酵母等をそのまま投入しても、また担体に固定化等して用いても、地下水等の環境水と十分に接触できれば、いずれの方法を適用してもよく、固定床で用いても流動状態で用いてもいずれの方法であってもよい。
また、上記酵母等を包括又は吸着し固定化する担体としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンカリウム、木炭、竹炭、ポリウレタン等の市場で入手し得る任意の各種多孔質体素材等を用いることができる。
一例としての固体化の方法としては、高分子球状ゲル中に封入しての固定化や、多孔質体上に担持するといった公知の任意の方法を適用することが可能であるが、例えば、前者の場合の一例としては、イオン交換水に溶解して調製したアルギン酸ナトリウムの1.5w/w%水溶液(150mL)をオートクレーブ滅菌し(例えば121℃,15分間)、冷却した後に、50mLの前培養菌を加えて均一に混和し、注射筒で一定量を吸引し、別途準備した1w/w%塩化カルシウム水溶液(滅菌済み)に1滴ずつ(30〜50μL程度)滴下し、15〜30分放置してビーズ状に固化させる。この固定化ビーズを集め、滅菌水で洗浄して、付着している塩化カリウム溶液を除去することで、本発明の硝酸性窒素除去剤を固定化することが可能となる。
本発明は、硝酸性窒素を含有する地下水等の環境水や土壌であれば、通常の地下水等に適用が可能であり、そのpHとしては、約4.0〜9.0の範囲内であれば、含有される硝酸性窒素を有効に除去することができ、例えば98%以上を除去することも可能である。
また、処理対象となる環境水には、塩化ナトリウムが含有される場合があることから、その含有濃度は0〜3.0w/w%程度であれば問題はなく、含有される硝酸性窒素を98%以上除去することも可能である。
更に硝酸性窒素を除去する上では、炭素源の存在を必須とすることが望ましく、地下水に炭素源となる有機物が含まれれば窒素と炭素との割合は、特に限定されないが、好ましくはC/Nの比が15〜30、より好ましくは18〜25、更に好ましくは約20前後で、本発明の効果を、短期間でより有効に発揮することができる。
また、本発明の硝酸性窒素剤や除去方法は、畑地、牧草地などの土壌圏における脱硝酸用の土壌改良剤としても使用することが可能である。
例えば、本発明の硝酸性窒素除去剤を、硝酸塩過剰の土壌に添加し、更に必要に応じて土壌と混合して、土壌中に含まれる硝酸性窒素を除去するものである。土壌と上記酵母とを直接散布混合しても、また担体に固定化されたものを用いても、土壌と十分に接触できれば、いずれの方法でもかまわない。
本発明の硝酸性窒素除去剤を硝酸塩過剰の土壌に添加して、経時的に土壌中の硝酸態窒素の減少量を測定し、農耕地の土壌中の過剰の硝酸性窒素が低減化されれば、安心に農作物を栽培することが可能となる。このように、土壌改質剤として機能することで、地下水等の環境水の硝酸態窒素汚濁の根源を防止することが可能となる。
本発明を次の実施例及び試験例により具体的に説明する。
(使用試薬)
・Glucose(式量=180.16)和光純薬工業(株)
・Peptone 和光純薬工業(株)
・Yeast extract 和光純薬工業(株)
・Malt extract 和光純薬工業(株)
・硫酸マグネシウム(式量=246.47)(試薬) 片山化学工業(株)
・塩化カリウム(式量=74.55)(試薬)片山化学工業(株)
・硫酸第一鉄・7水塩(式量=278.02)(試薬) 関東化学(株)
・硫酸マグネシウム・7水塩 (式量=246.47)(試薬)片山化学工業(株)
・塩化ナトリウム (式量=58.44)(試薬)ナカライテスク(株)
・硝酸ナトリウム (式量=84.99)(試薬)和光純薬工業(株)
・リン酸二水素カリウム(式量=141.96)(試薬)ナカライテスク(株)
・リン酸水素二カリウム(式量=174.18)(試薬)和光純薬工業(株)
・ソモギー銅液 和光純薬工業(株)
・ネルソン液 和光純薬工業(株)
・滅菌イオン交換水(CPW−200 アドバンテック(株)製)
・アクアリウム用人工海水の素(製品名 レッドシーソルト、レッドシー(株)製)
・ポリビニルアルコール(PVA) 和光純薬工業(株) [160-11485](ケン化度;約98%、重合度;1600〜1800)
(使用菌株)
酵母:ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)NBRC 0190
酵母:ロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)
NBRC 1939
酵母:ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)NBRC 1770
(硝酸イオン濃度の測定)
各実施例中、硝酸イオン濃度は、イオン分析計(IA−100、東亜DKK(株)製またはIA−200、東亜DKK(株)製)を用い、イオンクロマトグラフ法により測定した。
まず、[NO-]=1、2、5、10、20ppmの各標準溶液を調製し、サンプル注入量が20μLになるようイオン分析計に注入し、得られるクロマトグラムの硝酸イオンの保持時間における導電率値より検量線を作成した。
次いで、評価対象の培養液中の硝酸イオン濃度の測定を、前記検量線を用いて評価した。
具体的には、評価対象の培養液サンプルをメンブレンフィルターでろ過後、注射器で適量分取し、上記イオン分析計に上記と同様に注入した。
硝酸イオンの保持時間における導電率値と前記作成した検量線より、培養液サンプル中の硝酸イオン濃度を求めた。
(残糖(グルコース)濃度測定)
培養液に含まれるグルコース(残糖)濃度の測定は、吸光光度計(UVmini 1240 島津製作所(株))を用い、ソモギー・ネルソン法による吸光光度分析法にて測定した。具体的には、以下のとおりである。
まず、グルコース濃度が0.01、0.05、0.10、0.15、0.20g/Lの各標準溶液を調製し、前記各溶液1mLをそれぞれ試験管に入れ、ソモギー銅液1mLを添加してビー玉で蓋をし、沸騰水浴中で10分間加熱した。
次いで、流水で5分間急冷し、ネルソン液を1mL添加して発色させ、8分間静置した後、メスフラスコを用いて全量で25mLとなるよう希釈し、15分間静置した。
前記吸光光度計を用いて、波長:660nm、対照液:イオン交換水、光路長:1cmにおける吸光度を測定し、各グルコース濃度に対する吸光度の値にて検量線を作成した。
各評価対象の培養液中のグルコース濃度の測定は、作成した検量線を用いて評価した。
具体的には、評価対象の培養液サンプルをメンブレンフィルターでろ過し、ろ液をグルコース濃度が検量線濃度範囲内になるよう滅菌イオン交換水で希釈した。
この希釈サンプル1mLを、上記標準溶液と同様に発色させ、吸光度測定を行った。
得られた吸光度の値を前記作成した検量線に照らし合わせると共に希釈倍率を乗じて、培養液サンプル中のグルコース(残糖)濃度を求めた。
(1)酵母の復元
独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター(NBRC)より分譲された上記3種の酵母(酵母:ロドトルーラ属グラミニス NBRC 0190、酵母:ロドスポリジウム属スファエロカルパム NBRC1939、酵母:ピヒア属カプシュラータ NBRC1770)の凍結乾燥標品を復元して用いた。
復元方法は、公知の方法を適用して復元することができるが、具体的には例えば、以下のようにして復元した。
各凍結乾燥標品アンプルに封入された綿栓の中央部に両刃平型ヤスリで傷をつけ、傷をつけたアンプルを75w/w%アルコールを含んだガーゼで消毒した後、滅菌ガーゼに包み、アンプルを折って開封した。
開封後直ちに滅菌したパスツールピペットを用いて、下記表1に示す復水液(下記表1の各試薬を添加してイオン交換水で1Lとなるように希釈し、121℃で15分間オートクレーブ滅菌後に放冷したYM液体培地)約0.2mLを、各アンプルに添加した。
その後十分に攪拌して、各菌体を懸濁させた後、YM培養基(下記表2中の粉末寒天を除いた各試薬を添加してイオン交換水で1Lとなるように希釈して調製したYM液体培地)、またはYM寒天斜面培地及びYM寒天平板培地(下記表2の各試薬を添加してイオン交換水で1Lとなるように希釈して調製)に接種し、25℃の水浴中80rpmの条件で振とう(液体の場合)又は静置して、一定期間(2〜7日程度)培養し、該菌の増殖を確認後5〜8℃の冷蔵庫内に保存した。
Figure 0006769615
Figure 0006769615
(2)本培養に用いる種菌酵母
前培養培地として、上記(1)で調製したYM液体培地又は、滅菌イオン交換水1Lあたり下記表3に示す無機塩とグルコースとを溶解させ、オートクレーブ滅菌(121℃、15分)と放冷を行ったツァペック液体培地を用い、これらの培地に、上記(1)で復元された各酵母をそれぞれ適量(液体であれば1%体積量程度)接種し、25℃で数日間、80rpmで振とう培養した各培養液を3000rpmで15分間遠心分離して、上澄み液を除去し、沈殿した菌体を滅菌イオン交換水で懸濁させた。
遠心分離による液相の除去と滅菌イオン交換水による懸濁の操作を、更に1回から2回程度繰り返して、培地の除去と菌体の洗浄を行った。得られた最終懸濁液を本培養の種菌(酵母)として用いた。
Figure 0006769615
(3)塩化ナトリウム濃度の影響
下記表6に示すように、イオン交換水1Lあたりに各種無機塩を溶解して調製した(炭素及び窒素を含まない)ツァペック液体培地を模した液体培地に、硝酸態窒素濃度([NO ‐N])が25.5ppm又は99.8ppmとなるように硝酸ナトリウムを添加し、更にC/N比が20となるように炭素源となるグルコースを添加するとともに、塩化ナトリウム濃度が0〜3.0w/w%となるように塩化ナトリウムをそれぞれ添加して、各液体培地を調製した。
塩化ナトリウム濃度がそれぞれ異なる前記各液体培地60mLに、上記(2)で得られたロドトルーラ(Rhodotorula)属酵母の種菌懸濁液を、各液体培地の1%体積量でそれぞれ植菌し、約20℃、65rpmで振とう培養すると共に、各液体培地中の硝酸イオンを上記イオン分析計を用いて分析し、硝酸イオン除去能を評価した。
その結果を図1及び図2に示す。
図1では当初、[NO ‐N]が25.5ppmであったのが、全ての塩濃度で速やかに低下し、3日間でイオンクロマトグラフの定量限界である0.5ppm未満になった。
また図2より、[NO ‐N]が高濃度の112ppmの場合では、海水レベルの塩濃度である塩化ナトリウム濃度が3.0w/w%であっても除去速度は緩やかであるが硝酸イオンが低下することが認められ、他の濃度においては9日目において硝酸イオン除去率は95%以上となり、本菌が広い塩濃度の環境水中で硝酸イオン除去能を発現することが明らかとなった。
(4)pHの影響
下記表6のようにイオン交換水1Lあたりに各種無機塩を溶解して調製した(炭素及び窒素を含まない)ツァペック液体培地を模した液体培地に、硝酸性窒素濃度([NO ‐N])が25.5ppm又は99.8ppmとなるように硝酸ナトリウムを添加し、更にC/N比が20となるように炭素源となるグルコースを添加し、各培地のpHが4.5〜8.5となるようにリン酸二水素カリウムとリン酸水素二カリウムより調製したpH緩衝溶液を添加して、各液体培地を調製した。
pHがそれぞれ異なる前記液体培地60mLに、上記(2)で得られたロドトルーラ(Rhodotorula)属酵母の種菌懸濁液を、各液体培地の1%体積量でそれぞれ植菌し、約20℃、65rpmで振とう培養すると共に、各液体培地中の硝酸イオンを上記イオン分析計を用いて分析し、硝酸イオン除去能を評価した。
その結果を図3及び図4に示す。
図3及び図4より、当初[NO ‐N]が25.5ppmである場合では3日間、[NO ‐N]が112ppmの高濃度の場合でも8日間で、検討した全ての範囲のpHにおいて、硝酸イオンの除去率が98%以上となっており、一般的な環境水として想定される幅広いpHで、硝酸イオン除去能が有効に発揮されることが明らかとなった。
(5)炭素窒素(C/N)比(質量比)の影響
下記表6のようにイオン交換水1Lあたりに各種無機塩を溶解して調製した(炭素及び窒素を含まない)ツァペック液体培地を模した液体培地に、硝酸性窒素濃度([NO ‐N])が25、50、100、200ppmとなるように硝酸ナトリウムを、炭素濃度が500、1000、2000、4000ppmとなるようにグルコースを添加して、各液体培地を調製した。
上記の硝酸性窒素濃度およびグルコース炭素濃度が各種異なる液体培地100mLに、上記(2)で得られたロドトルーラ(Rhodotorula)属酵母の種菌懸濁液を、各液体培地の1%体積量でそれぞれ植菌し、約20℃、65rpmで振とう培養すると共に、各液体培地中の硝酸イオンを上記イオン分析計を用いて分析し、硝酸イオン除去能を評価した。
その結果を図5に示す。
図5より、全ての炭素・窒素の含有範囲において、硝酸イオン除去能が有効に発揮されること、硝酸性窒素濃度が同じ場合でもグルコース濃度が高く硝酸イオンに対して大過剰に用いる方が本菌の初期増殖度が高まるために硝酸イオンの初期低下は高まる傾向が認められる。ただし増殖密度に上限があるので硝酸イオン濃度が高い所では、炭素窒素比の差ほどには硝酸イオン除去効果が向上しないことがわかった。
これらの結果に基づき、当初培地中に含まれた硝酸性窒素濃度とグルコース炭素濃度と、硝酸イオン除去率90%前後を達成した点での硝酸性窒素濃度とグルコース炭素濃度との差から、同化窒素量と消費炭素量およびこれらの炭素窒素質量比(C/N比)のそれぞれを表4に示した。C/N比はほぼ20前後に収束していることから、硝酸同化反応に必要な有機炭素量としてC/N比が好ましくは18〜30、特に20前後とすることが好適であることがわかる。
Figure 0006769615
(6)上記ロドトルーラ(Rhodotorula)属、上記ロドスポリジウム属 (Rhodosporidium)及び上記ピヒア属 (Pichia)硝酸同化性酵母を用いた淡水および人工海水中の硝酸イオンの同化
滅菌イオン交換水1Lに、上記(2)で調製した表3のツァペック改変液体培地(C/N比=32、pH≒6.9)を調製し、これを淡水培地とした。
アクアリウム用人工海水の素33.4gを、滅菌イオン交換水に溶解した溶液1Lに、下記表5に示すように硝酸ナトリウムとグルコースを溶解させ、これを人工海水培地(C/N比=32、pH≒6.9)とした。
Figure 0006769615
上記淡水培地及び人工海水培地の各液体培地60mLをオートクレーブ滅菌し、次いで放冷した後、滅菌イオン交換水で洗浄した上記(2)で得られた各種酵母懸濁液600μLを、それぞれ植菌した。
次いで、25℃、65rpmで振とう培養すると共に、培地の硝酸イオン濃度の経時変化を上記イオン分析計を用いてイオンクロマトグラフで分析した。
これらの結果を、淡水培地の場合を図6に、また人工海水培地の場合を図7にそれぞれ示す。
図6及び図7より、3種の酵母ともに高い硝酸同化性を示すことがわかる。
特にRhodosporidium属は淡水中での硝酸同化速度が優れており、Rhodotorula属では硝酸同化速度の変化が淡水及び海水でほとんど差はない。また、Pichia属は、淡水及び海水でも硝酸同化能を発現することが可能であるが、Rhodotorula属のほうが、より硝酸同化速度に優れ、かつ硝酸イオン除去する程度も高いことがわかる。
これらの結果より、地下水中の硝酸性窒素の同化に、上記3種の酵母を用いることが可能であることがわかった。
特にRhodotorula属のRhodotorula graminis NBRC 0190の適用が好適である。
(7)上記ロドトルーラ(Rhodotorula)属硝酸同化性酵母を用いた硝酸イオンの同化
i)ツァペック液体培地の組成
イオン交換水1Lに下記表6のように無機塩を溶解し、硝酸イオン、有機成分および寒天質を含まない液体培地を調製した。この液体培地に、硝酸イオン濃度が所望の濃度([NO ]=885、443、221、111、44.3、22.1ppm)となるようにそれぞれNaNOを添加し、さらに硝酸性窒素と有機体炭素のモル比が、C/N=20となるようにグルコースを添加して、各ツァペック培地を調製した(pH≒6.7〜7.0)。
Figure 0006769615
ii)このようにして調製した各ツァペック培地60mLをオートクレーブ滅菌し、次いで放冷した後、滅菌イオン交換水で洗浄した上記(2)で得られたロドトルーラ(Rhodotorula)属酵母懸濁液600μLを植菌した。
25℃、65rpmで振とう培養すると共に、培地の硝酸イオン濃度の経時変化を、上記イオン分析計を用いて分析した。
その結果を図8及び図9に示す。
図8及び9より、上記ロドトルーラ(Rhodotorula)属酵母は、汚濁廃水レベルの高硝酸イオン濃度から汚濁地下水レベルを想定した低硝酸イオン濃度においても99%以上の除去率で高度に硝酸イオンを除去できたことがわかる。
(8)ロドトルーラ(Rhodotorula)属固定化硝酸同化性酵母による硝酸イオンの同化
i)ツァペック液体培地の組成
上記(2)で調製した表3と同様のツァペック液体培地を調製した。
ii)酵母を固定化する担体
上記(2)で得られたロドトルーラ(Rhodotorula)属酵母を固定化するための担体として、ポリビニルアルコール(PVA)を用いた。
iii)固定化PVAディスクの製造と硝酸イオンの同化
上記(2)で得られたロドトルーラ(Rhodotorula)属酵母懸濁液を、上記表3のツァペック液体培地に添加して、振とう培養(25℃、100rpm)した。
115℃で15分間、オートクレーブ滅菌したPVAの10w/w%水溶液に、培養したRhodotorula属酵母懸濁液を、前記PVA水溶液の20v/v%量で添加して混和した後、96穴マイクロプレート(well径5mm)に200μLずつ分注した。
次いで、マイクロプレートの酵母懸濁液含有上記PVA溶液を、96穴マイクロプレートに分注したまま−20℃で2時間凍結した後、1時間かけて室温で解凍した。
凍結と解凍の操作を5回反復して、弾力性のある上記Rhodotorula属酵母固定化PVAディスク(約φ5mm×8mm,円柱状)を製造した。
かかるPVAディスク25個を、上記i)のツァペック液体培地100mLを入れた300mL容三角フラスコに投入し、振とう培養(25℃、100rpm)して、当該培地(C/N比=32、pH≒6.9)中の硝酸イオン濃度の経時変化を、イオン分析計を用いて測定した。
その結果を図10に示す。
図10より、Rhodotorula属酵母はPVAに固定されていることが確認できるとともに、硝酸性窒素の低減に有効であり、95%以上の除去率が得られた。
(9)地下水中の硝酸性窒素の同化
地下水(熊本県、井戸水)を2種類採取して、地下水中に含まれる硝酸性窒素の除去試験を行った。
地下水2種類(地下水A、地下水B)の水質は以下の表7に示すとおりである。
なお、各地下水のpHは、ガラス電極pH計(D−71 堀場製作所(株)製)を用いて測定し、陽イオン濃度は原子吸光分析装置(AA−6200 島津製作所(株)製)を、陰イオン濃度はイオン分析計(IA−100、東亜DKK(株)製)用いて測定した。またTOC(有機体炭素)はTOC計(TOC−5000A 島津製作所(株)製)を用いて測定した。
Figure 0006769615
硝酸性窒素を同化する酵母として、ロドトルーラ(Rhodotorula)属酵母を用いた。
前培養培地としては上記表3のツァペック液体培地に、上記(2)で得られたロドトルーラ(Rhodotorula)属酵母懸濁液を、当該培地の1%体積量で接種し、20℃で4日間程度振とう培養した培養液を3000rpmで15分間遠心分離した。次いで、上澄み液を除去し、沈殿した菌体を滅菌イオン交換水に懸濁した。遠心分離による液相の除去と滅菌イオン交換水による懸濁の操作を、1乃至2回繰り返して、培地の除去と菌体の洗浄を行った。その最終懸濁菌液を本培養の種菌として用いた。
本培養においては、地下水Aと地下水Bの100mLに、以下の1)〜3)の処理を行った後、種菌懸濁液1mLをそれぞれ植菌した。
1)各地下水をオートクレーブ滅菌(121℃,15分間)して、その後放冷した。
2)グルコースを各地下水の硝酸イオン濃度に対して、C/N=20となるように量り入れた後、オートクレーブ滅菌(121℃,15分間)し、その後放冷した。
3)他方、グルコースを各地下水の硝酸イオン濃度に対してC/N=20となるように量り入れ、滅菌せずに、解放状態とした。
上記1)〜3)の処理を行った各地下水A及びB100mLについて、ロドトルーラ(Rhodotorula)属酵母種菌懸濁液1mLをそれぞれ植菌して、約20℃、65rpmで振とう培養すると共に、各地下水中の硝酸イオン濃度の経時変化を、上記イオン分析計で分析した。その結果を表8(数値はppm)及び図11に示す。
また、ソモギー・ネルソン法で残糖濃度を分析し、その結果を表9(数値はppm)及び図12に示す。
Figure 0006769615
Figure 0006769615
表8及び図11より、A−1及びB−1で示されるように、炭素源であるグルコースを積極的に添加しない場合であっても、前培養時における菌体内部の炭素源の持ち越し分が若干存在するため、硝酸イオン濃度の低下は起こるが、結果として炭素源が徐々に不足してくるため、硝酸イオン除去速度は遅くなってくる。
一方、C/N=20の割合でグルコースを添加することで、1〜2日間で硝酸イオン濃度が0.5ppm未満まで低減していることがわかる。
更に本菌の硝酸同化は好気性反応であるので、無滅菌の解放状態でも遜色ない効果を示しており、地下水浄化システムへの転用が簡易になるものである。
また、表9及び図12より、C/N=20で仕込んだグルコースも硝酸イオンの除去に伴いほぼ消費され、残糖濃度を有機体炭素濃度(TOC値)に換算しても3ppm未満になっていることがわかる。
本発明は、硝酸態窒素による汚染地下水および河川、池、湖沼、海洋水等の浄化に有効に使用することができるとともに、硝酸態窒素により汚染された土壌中への散布により土壌中の硝酸態窒素の低減にも適用することが可能である。

Claims (7)

  1. ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)、ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)又はロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)に属し、硝酸性窒素を同化する能力のある酵母、その培養物又はその抽出物を、硝酸性窒素を含む環境水又は土壌と接触させて、硝酸性窒素を除去することを特徴とする、硝酸性窒素の除去方法。
  2. 請求項1記載の硝酸性窒素の除去方法において、ロドトルーラ グラミニス(Rhodotorula graminis)に属する酵母はロドトルーラ グラミニス NBRC 0190であり、ピヒア カプシュラータ(Pichia capsulata)の属する酵母はピヒア カプシュラータ NBRC 1770であり、ロドスポリジウム スファエロカルパ(Rhodosporidium sphaerocarpum)はロドスポリジウム スファエロカルパム NBRC1939であることを特徴とする、硝酸性窒素の除去方法。
  3. 請求項1又は2記載の硝酸性窒素の除去方法において、上記ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)、ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)又はロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)に属する酵母、その培養物またはその抽出物を担体に固定化させて、硝酸性窒素を含む環境水又は土壌と接触させることを特徴とする、硝酸性窒素の除去方法。
  4. 請求項1乃至3いずれかの項記載の硝酸性窒素の除去方法において、硝酸性窒素を含む環境水又は土壌には、炭素がC/N比(質量比)で15〜30で含まれていることを特徴とする、硝酸性窒素の除去方法。
  5. ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)、ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)又はロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)に属し、硝酸性窒素を同化する能力のある酵母、その培養物又はその抽出物からなることを特徴とする、環境水又は土壌用硝酸性窒素除去剤。
  6. 請求項5記載の硝酸性窒素除去剤において、ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)に属する酵母はロドトルーラ グラミニス NBRC 0190であり、ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)に属する酵母はピヒア カプシュラータ NBRC 1770であり、ロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)に属する酵母はロドスポリジウム スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)NBRC1939であることを特徴とする、環境水又は土壌用硝酸性窒素除去剤。
  7. 請求項5又は6記載の硝酸性窒素除去剤において、上記ロドトルーラ属グラミニス(Rhodotorula graminis)、ピヒア属カプシュラータ(Pichia capsulata)又はロドスポリジウム属スファエロカルパム(Rhodosporidium sphaerocarpum)に属する酵母、その培養物またはその抽出物は、担体に担持されて固定化されていることを特徴とする、環境水又は土壌用硝酸性窒素除去剤。

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