JP6767938B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明はスパークプラグに関し、特にプレイグニッションを抑制できるスパークプラグに関するものである。
スパークプラグが装着された内燃機関では、スパークプラグの絶縁体と主体金具との間の空間に滞留した混合気が受熱して、プレイグニッション(過早着火)が発生することがある。この種のプレイグニッションを抑制するため、特許文献1には、主体金具のうち軸線方向の先端側の部分の内径を全周に亘って拡大する技術が開示されている。
特開2014−13667号公報
しかし、上記従来の技術ではプレイグニッションの抑制効果が不十分である。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、プレイグニッションの抑制効果を向上できるスパークプラグを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明のスパークプラグは、先端側から後端側へと軸線方向に延び、径方向外側へ張り出す張出部を備える絶縁体と、絶縁体の外周側に配置される筒状の主体金具と、を備える。主体金具は、絶縁体の張出部が直接または他部材を介して係止される係止部を有する棚部を備える。主体金具のうち係止部よりも先端側の部位である先端部と絶縁体との間にできる空間を、軸線を含み軸線に沿う平面で二分したときに、その一方の第1空間の体積は、残りの第2空間の体積よりも大きい。
請求項1記載のスパークプラグによれば、内燃機関の吸気行程における気流の上流側に第1空間を配置すると、吸気行程において、先端部の内側に進入した混合気は第2空間から第1空間へ流れる。第1空間の体積は第2空間の体積よりも大きいので、第1空間に混合気を滞留させ難くできる。その結果、第1空間に滞留した混合気が受熱して生じるプレイグニッションを抑制できるので、プレイグニッションの抑制効果を向上できる。
線と直交し先端部を通る断面において、径方向外側に凹んだ凹部が、先端部の内周に設けられる。また、軸線から凹部の両端に対して引かれた2つの直線のなす角は60〜180°の所定角度に設定される。そのため、先端部の内周に凹部を設けることによって第1空間の体積を簡易に拡大できる。
請求項記載のスパークプラグによれば、主体金具に接合された接地電極は、主体金具のうち、2つの直線および軸線を含み凹部を挟む2つの平面によって切り取られる部分以外の部分に接合されている。これにより、接地電極が、吸気行程における混合気の流れを妨げ難くできるので、請求項の効果に加え、プレイグニッションの抑制効果をさらに向上できる。
請求項記載のスパークプラグによれば、絶縁体のうち先端部に取り囲まれる部分は、先端側へ向かうにつれて外径が縮径する縮径部と、縮径部の先端に連接されると共に外径が一定の第1直線部と、を備えている。第1直線部が設けられているので、第1直線部が設けられていない場合に比べて、先端部と絶縁体との径方向の隙間を大きくできる。一方、第1直線部と先端部との径方向の隙間に比べて、縮径部と先端部との径方向の隙間は小さいので、先端部のうち縮径部を取り囲む部分に凹部を少なくとも設けることにより、縮径部と先端部との間に混合気を滞留させ難くできる。よって、請求項又はの効果に加え、混合気の受熱に起因するプレイグニッションをより生じ難くできる。
請求項記載のスパークプラグによれば、断面は、先端部の任意の断面なので、先端部の軸線方向の一部に凹部が形成されている場合に比べて、混合気を滞留させ難くできる。よって、請求項からのいずれかの効果に加え、混合気の受熱に起因するプレイグニッションをより生じ難くできる。
請求項記載のスパークプラグによれば、絶縁体のうち先端部に取り囲まれる部分は、外径が一定の第2直線部と、第2直線部の先端に連接されると共に先端側へ向かうにつれて外径が縮径する縮径部と、を備えている。断面は、先端部のうち絶縁体の縮径部の後端よりも先端側の部分の任意の断面なので、先端部の一部に凹部が形成されている場合に比べて、混合気を滞留させ難くできる。よって、請求項又はの効果に加え、混合気の受熱に起因するプレイグニッションをより生じ難くできる。
請求項記載のスパークプラグによれば、軸線と直交し先端部を通る断面において、絶縁体のうち先端部に取り囲まれる部分は、先端部の内周との径方向の距離が、他の部位と比較して大きな小径部を備えている。軸線から小径部の両端に対して引かれた2つの直線のなす角は60〜180°の所定角度に設定される。従って、請求項1の効果に加え、絶縁体に小径部を設けることによって第1空間の体積を簡易に拡大できる。
本発明の第1実施の形態におけるスパークプラグの部分断面図である。 スパークプラグの先端側の部分断面図である。 図1のIII−III線におけるスパークプラグの断面図である。 第2実施の形態におけるスパークプラグの断面図である。 第3実施の形態におけるスパークプラグの断面図である。 第4実施の形態におけるスパークプラグの断面図である。 (a)は比較例におけるスパークプラグの断面図であり、(b)は実施例1におけるスパークプラグの断面図であり、(c)は実施例2におけるスパークプラグの断面図であり、(d)は実施例3におけるスパークプラグの断面図である。 実施例1から3及び比較例におけるスパークプラグのクランク角と空間の平均温度との関係を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施の形態におけるスパークプラグ10の部分断面図であり、図2はスパークプラグ10の先端側の部分断面図である。図1及び図2では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という。図1に示す矢印Fは、スパークプラグ10が装着された内燃機関(図示せず)の吸気行程において生じる気流(タンブル流)の向きである。
図1に示すようにスパークプラグ10は、絶縁体11及び主体金具30を備えている。絶縁体11は、高温下の絶縁性や機械的特性に優れるアルミナ等により形成された略円筒状の部材である。絶縁体11は、先端側から後端側へ順に、軸線Oに沿って第1直線部12、縮径部13、第2直線部14、張出部15、係合部16及び後端部17が連接されている。絶縁体11は軸線Oに沿って軸孔18が貫通する。軸孔18の先端側の張出部15の内周には、先端側に向かって縮径する後端向き面19が形成されている。
第1直線部12は、絶縁体11のうち最も先端側に位置する部位である。第1直線部12の外径は、軸線O方向の全長に亘って略同一である。第1直線部12の後端側に、縮径部13を介して、第1直線部12よりも外径の大きい第2直線部14が連接されている。縮径部13は先端側に向かって縮径している。第2直線部14の外径は、軸線O方向の全長に亘って略同一である。
第2直線部14の後端側に、径方向外側へ向かって張り出す張出部15が連接されている。張出部15の外径は、軸線O方向の全長に亘って略同一である。張出部15の先端面15aは、先端側に向かって縮径している。係合部16は、張出部15の後端側に連接されている。係合部16は、絶縁体11のうち外径が最も大きい円環状の部分である。係合部16の後端側に、後端部17が連接されている。後端部17の外径は、軸線O方向の全長に亘って略同一であり、係合部16の外径よりも小さい。
中心電極20は、軸孔18の先端側に配置され軸線Oに沿って絶縁体11に保持される棒状の電極である。中心電極20は、軸孔18に形成された後端向き面19に係止されている。中心電極20は、熱伝導性に優れる芯材が電極母材に埋設されている。電極母材は、Niを主体とする合金またはNiからなる金属材料で形成されており、芯材は銅または銅を主成分とする合金で形成されている。端子金具21は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の部材であり、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成されている。端子金具21は軸孔18に挿入され、軸孔18内で中心電極20に電気的に接続されている。
主体金具30は、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成された略円筒状の部材である。主体金具30は、後端側から先端側へ順に、屈曲部31、工具係合部32、連絡部33、座部34及び胴部35が連接されている。胴部35の外周にはおねじ36が形成されている。屈曲部31は、絶縁体11の係合部16の後端側に配置される部位である。工具係合部32は、内燃機関(図示せず)のねじ穴におねじ36を締め付けるときに、レンチ等の工具を係合させる部位である。連絡部33は、主体金具30を絶縁体11に組み付けるときに、塑性変形(屈曲)させて加締め固定するための部位である。座部34は、内燃機関(図示せず)のねじ穴とおねじ36との隙間を塞ぐための部位であり、胴部35の外径よりも外径が大きく形成されている。
図2に示すように胴部35の内周には、径方向の内側へ突出する棚部37が、全周に亘って形成されている。絶縁体11の張出部15と棚部37との間にパッキン38が介在する。パッキン38は、主体金具30を構成する金属材料よりも軟質の軟鋼板等の金属材料で形成される円環状の板材である。棚部37は、パッキン38を介して張出部15を先端側から係止する係止部39を備えている。係止部39は、棚部37のうちパッキン38が接触する部位である。棚部37の後端面37aは、先端側に向かうにつれて縮径している。胴部35のうち係止部39の先端よりも先端側の部位である先端部40は、径方向の隙間をあけて、絶縁体11の第1直線部12、縮径部13及び第2直線部14を取り囲む。第1直線部12の一部(先端側)は、先端部40から先端側に突出する。
棚部37は、棚部37よりも先端側の先端部40の内周面41と軸線Oとの距離が、棚部37の内周面37bと軸線Oとの距離よりも長くなるように、先端部40の軸線O方向の一部に設けられている。棚部37は、絶縁体11の第2直線部14の径方向の外側に位置する。先端部40のうち棚部37よりも先端側の内周面41と絶縁体11との径方向の隙間は、棚部37と絶縁体11との径方向の隙間よりも大きい。先端部40の内周の一部には、径方向の外側に凹んだ凹部42が形成されている。
本実施の形態では、凹部42の後端面43は、縮径部13の後端13aよりも後端側(図2上側)に位置する。凹部42は、棚部37から先端部40の先端まで軸線O方向に延びている。絶縁体11と先端部40との間にできる空間を、軸線Oを含む平面47(図3参照)で二分したときにできる第1空間44及び第2空間45は、凹部42に臨む第1空間44の体積が、残りの第2空間45の体積よりも大きい。
主体金具30の先端に接地電極46が接合されている。接地電極46は、棒状の金属製(例えばニッケル基合金製)の部材であり、先端部が、中心電極20と間隙(火花ギャップ)を介して対向する。本実施の形態では、接地電極46は屈曲している。
主体金具30の屈曲部31と絶縁体11の係合部16との間に、タルク等の充填材47が介在する。主体金具30は、屈曲部31及び棚部37が、充填材47及びパッキン38を介して係合部16及び張出部15に軸線O方向の荷重を加える。これにより主体金具30は、棚部37と絶縁体11の張出部15との間(第1空間44及び第2空間45の後端側)を密閉し、第1空間44及び第2空間45の先端側を開放した状態で、絶縁体11を保持する。
図3は図1のIII−III線におけるスパークプラグ10の断面図である。図3では、軸線Oと直交し縮径部13及び先端部40を通る切断面によって切断されたスパークプラグ10の断面が図示されている。
本実施の形態では、先端部40(主体金具30)と縮径部13(絶縁体11)との間にできる空間を第1空間44と第2空間45とに二分する平面47は、接地電極46の対称面(軸線Oを含み図3紙面に垂直な面)である。第1空間44の体積を第2空間45の体積より大きくするため、先端部40の内周の一部(第1空間44に臨む部分)に、径方向の外側に凹んだ凹部42が形成される。本実施の形態では、凹部42の径方向の深さは、先端部40の内周の仮想円v(軸線Oを中心とする円)に対して周方向に亘って同一に設定されている。
スパークプラグ10は、内燃機関(図示せず)の吸気行程における気流Fの上流側に第1空間44が位置するように、内燃機関に配置される。内燃機関の吸気行程において、気流F(混合気)は第2空間45を経て第1空間44に進入する。第1空間44の体積は第2空間45の体積より大きいので、第1空間44に混合気が滞留しないようにできる。その結果、第1空間44に滞留した混合気が受熱して生じるプレイグニッション(過早着火)を抑制できる。
凹部42は、先端部40のうち第1空間44に臨む部分に切削等を施すことによって形成される。凹部42の周方向の両端に対して軸線Oから引かれた2つの直線48,49のなす角θは、60〜180°の所定角度に設定される。直線48,49と先端部40の内周とが交わる2点間の沿面距離は、直線48,49と縮径部13(絶縁体11)の外周とが交わる2点間の沿面距離より長いので、先端部40に凹部42を形成することによって、絶縁体11の外径を部分的に小さくする場合に比べて、第1空間44の体積を効率良く拡大できる。
接地電極46は、主体金具30のうち、2つの直線48,49及び軸線Oを含み凹部42を挟む2つの平面48,49(図3紙面に垂直な面)によって切り取られる扇形状の部分(角度θの部分)以外の部分(360°−θの部分)に接合されている。これにより、第1空間44から気流F(混合気)が出やすくなる。よって、プレイグニッションの抑制効果をさらに向上できる。
絶縁体11(図2参照)は、張出部15よりも先端側に、第2直線部14、縮径部13及び第1直線部12が連接されている。棚部37は、第2直線部14の径方向の外側に配置されている。第2直線部14の先端側に縮径部13及び第1直線部12が連接されているので、第2直線部14から絶縁体11の先端までの部分が円錐台状に形成される場合に比べて、先端部40と絶縁体11との径方向の隙間を大きくできる。よって、先端部40と絶縁体11との間の気流(混合気)を流れ易くできる。
第1直線部12と先端部40との径方向の隙間に比べて、縮径部13と先端部40との径方向の隙間は小さいが、凹部42が、先端部40のうち、少なくとも縮径部13の径方向の外側の部分に形成されているので、縮径部13と先端部40との間に混合気を滞留させ難くできる。よって、混合気の受熱に起因するプレイグニッションを生じ難くできる。
凹部42の後端面43(図2参照)は、縮径部13の後端13aよりも後端側に位置するので、第2直線部14の先端側の一部と凹部42との隙間を大きくできる。その結果、第1空間44の軸線O方向の長さを長くできる。なお、凹部42の後端面43の位置は、棚部37の軸線O方向の厚さが薄くなり過ぎないように、棚部37の機械的強度を考慮して設定される。
さらに、凹部42は、棚部37から先端部40の先端まで軸線O方向に延びているので、先端部40の軸線O方向の一部に凹部42が形成される場合に比べて、先端部40の内側に混合気を滞留させ難くできる。よって、第1空間44内の混合気の受熱に起因するプレイグニッションを生じ難くできる。
凹部42の後端面43は、棚部37の先端側の部分を軸線Oに垂直に切断するので、後端面43が棚部37を切断しない場合に比べて、その分だけ第1空間44を軸線O方向に広げることができる。第1空間44の体積を軸線O方向に広げることにより、第1空間44の体積を径方向の外側に広げなくて済むので、その分だけ胴部35の径方向の厚さ(肉厚)を大きくできる。その結果、胴部35の機械的強度を確保できる。
次に図4を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、仮想円vに対する凹部42の径方向の深さが、周方向に亘って同一の場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、仮想円vに対する凹部51の径方向の深さが異なる場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図4は第2実施の形態におけるスパークプラグ50の断面図である。図4では、図3と同様に、軸線Oと直交し縮径部13及び先端部40を通る切断面によって切断されたスパークプラグ50の断面が図示されている(図5から図7においても同じ)。
図4に示すようにスパークプラグ50は、先端部40のうち第1空間44に臨む部分に凹部51が形成されている。凹部51の径方向の深さは、凹部51の周方向の両端から中央へ向かうにつれて、先端部40の内周の仮想円v(軸線Oを中心とする円)に対して次第に増している。これにより、凹部51によって第1空間44の体積を第2空間45の体積より大きくできると共に、凹部51がなめらかに連なるので、凹部51が切り欠きとなって先端部40の機械的強度を低下させないようにできる。
次に図5を参照して第3実施の形態について説明する。第1実施の形態および第2実施の形態では、凹部42,51が先端部40の一か所に形成される場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、先端部40の複数か所に凹部61が形成される場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図5は第3実施の形態におけるスパークプラグ60の軸線Oに垂直な断面図である。
図5に示すようにスパークプラグ60は、先端部40のうち第1空間44に臨む部分に凹部61が形成されている。凹部61は、軸線O方向(図5紙面に垂直な方向)に延びる溝状に各々が形成され、それらが周方向の複数か所(本実施の形態では5か所)に離れて形成されている。凹部61が形成された領域の周方向の両端に対して軸線Oから引かれた2つの直線48,49のなす角θは、60〜180°の所定角度に設定されている。第3実施の形態におけるスパークプラグ60においても、第1実施の形態と同様の作用効果を実現できる。さらに、先端部40の内面の表面積を拡大できるので、先端部40の内面の放熱効果を向上できる。
次に図6を参照して第4実施の形態について説明する。第1実施の形態から第3実施の形態では、先端部40(主体金具30)に凹部42,51,61が形成される場合について説明した。これに対し第4実施の形態では、絶縁体11の外径を小さくする小径部71が形成される場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図6は第4実施の形態におけるスパークプラグ70の軸線Oに垂直な断面図である。
図6に示すようにスパークプラグ70は、絶縁体11のうち第1空間44に臨む部分に小径部71が形成されている。小径部71は、軸線Oと直交する断面(図6参照)において、小径部71と先端部40との径方向の距離が、絶縁体11のうち小径部71以外の他の部位と先端部40との径方向の距離に比べて大きい部分である。軸線Oから小径部71の周方向の両端に対して引かれた2つの直線72,73のなす角θは、60〜180°の所定角度に設定されている。
本実施の形態では、小径部71は、第2直線部14(図2参照)から縮径部13にかけて軸線O方向に延びている。これにより、第1空間44の体積を拡大するために、絶縁体11のうち径方向の厚さ(肉厚)が最も薄い第1直線部12の厚さを薄くしなくて良いので、第1直線部12の機械的強度が低下しないようにできる。
なお、中心角が同じであれば絶縁体11の弧の長さは先端部40の弧の長さより短いので、先端部40に凹部42(図3参照)を形成する方が、小径部71を形成するよりも第1空間44の体積を拡大し易い。しかし、第4実施の形態によれば、それ以外は第1実施の形態と同様の作用効果を実現できる。
図7及び図8を参照して、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図7(a)は比較例におけるスパークプラグ80の断面図であり、図7(b)は実施例1におけるスパークプラグ90の断面図であり、図7(c)は実施例2におけるスパークプラグ100の断面図であり、図7(d)は実施例3におけるスパークプラグ110の断面図である。図7(a)から図7(d)では、図3と同様に、軸線Oと直交し縮径部13及び先端部40を通る切断面によって切断された断面が図示されている。
(比較例)
図7(a)に示す比較例におけるスパークプラグ80は、先端部40に凹部42(図1参照)が形成されていないことを除き、第1実施の形態で説明したスパークプラグ10と同一である。スパークプラグ80は、平面47で二分された第1空間44及び第2空間45の体積が同一である。
(実施例1)
図7(b)に示す実施例1におけるスパークプラグ90は、先端部40に凹部91が形成されている。凹部91は、棚部37から先端部40の先端まで軸線O方向(紙面に垂直な方向)に延びている。軸線O周りの凹部91の角度θ(直線48,49のなす角)は60°である。角度θの二等分線は平面47に垂直である。第1空間44の体積は、凹部91の分だけ第2空間45の体積より大きい。
(実施例2)
図7(c)に示す実施例2におけるスパークプラグ100は、先端部40に凹部101が形成されている。凹部101は、棚部37から先端部40の先端まで軸線O方向(紙面に垂直な方向)に延びている。軸線O周りの凹部101の角度θ(直線48,49のなす角)は90°である。角度θの二等分線は平面47に垂直である。第1空間44の体積は、凹部101の分だけ第2空間45の体積より大きい。
(実施例3)
図7(d)に示す実施例3におけるスパークプラグ110は、先端部40に凹部111が形成されている。凹部111は、棚部37から先端部40の先端まで軸線O方向(紙面に垂直な方向)に延びている。軸線O周りの凹部111の角度θ(直線48,49のなす角)は90°である。凹部111の周方向の端の一方と軸線Oとを通る直線49は平面47に重なり、凹部111の他方の端と軸線Oとを通る直線48は平面47と垂直である。第1空間44の体積は、凹部111の分だけ第2空間45の体積より大きい。
実施例1から3及び比較例におけるスパークプラグ80,90,100,110の平面47と内燃機関の吸気行程における気流F(タンブル流)とが直交するように、気流Fの上流側に第1空間44を配置した内燃機関について、燃焼シミュレーションを行った。各部の寸法などのシミュレーションの条件は以下のとおりであった。内燃機関のクランク軸の回転数2000rpm、内燃機関の吸気圧力200kPa、スパークプラグの第2直線部14の外径5.7mm、第1直線部12の外径3.4mm、第1直線部12の軸線O方向の長さ7.5mm、先端部40の内周面41と軸線Oとの距離3.6mm、凹部91,101,111と軸線Oとの距離3.9mm。
図8は実施例1から3及び比較例におけるスパークプラグ80,90,100,110のクランク角(°BTDC)と空間(第1空間44及び第2空間45)の平均温度(K)との関係を示す図である。図中、aは比較例におけるスパークプラグ80の平均温度の曲線であり、b,c,dはそれぞれ実施例1,2,3におけるスパークプラグ90,100,110の平均温度の曲線である。横軸は上死点前のクランク角であり、平均温度が急激に上昇する部分(各曲線が立ち上がる部分)のクランク角が小さいほどプレイグニッション(過早着火)が発生し難いことを示している。
図8に示すように、aの立ち上がりのクランク角に比べてb,c,dの立ち上がりのクランク角が小さいことから、第1空間44の体積を第2空間45の体積よりも大きくすることにより、プレイグニッションを発生し難くできることがわかった。また、bの立ち上がりのクランク角に比べてcの立ち上がりのクランク角が小さいことから、凹部91,101の角度θが大きい方がプレイグニッションを発生し難くできることがわかった。第1空間44の体積と第2空間45の体積との差が大きい方が、第1空間44に混合気を滞留させ難くできるので、混合気の受熱に起因するプレイグニッションを抑制できると推察される。
さらに、図8に示すように、cの立ち上がりのクランク角に比べてdの立ち上がりのクランク角が小さいことから、凹部111と接地電極46とが離れている方がプレイグニッションを発生し難くできることがわかった。凹部111と接地電極46とが離れている方が、第1空間44の気流を接地電極46が妨げ難くできるので、混合気の受熱に起因するプレイグニッションを抑制できると推察される。
図示はしていないが、図7(d)に示すスパークプラグ110において、凹部111の周方向の端の両端(直線48,49)が平面47に重なるようにすると、直線48,49のなす角θは180°となる。この場合は、第1空間44の体積と第2空間45の体積との差が最も大きくなるので、第1空間44の気流をさらに滞留させ難くできる。よって、混合気の受熱に起因するプレイグニッションをより抑制できる。
また、この実施例によれば、凹部の両端に対して引かれた2つの直線48,49のなす角θは、60〜180°の所定角度に設定されるのが好ましいことがわかった。同様に、絶縁体11に形成される小径部71(図6参照)の両端に対して引かれた2つの直線72,73のなす角θも、60〜180°の所定角度に設定されるのが好ましいと推察される。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施の形態では、絶縁体11と先端部40との間にできる空間を、接地電極46の対称面である平面47で二分して第1空間44と第2空間とを作ったが、必ずしもこれに限られるものではない。空間を第1空間44と第2空間とに二分する平面47は、凹部42,51,61,91,101,111や小径部71の周方向の中心と軸線Oとを含む平面以外の平面であれば、接地電極46と無関係に、任意に設定できる。第2空間45の体積よりも体積の大きい第1空間44を、内燃機関(図示せず)の吸気行程における気流Fの上流側に配置することより、第1空間44に混合気を滞留させ難くすることができ、混合気の受熱に起因するプレイグニッションを抑制できるからである。但し、気流Fに対する接地電極46の位置を考慮すれば、プレイグニッションの抑制効果をさらに高めることができる。
上記各実施の形態では、第1空間44の体積を第2空間45の体積より大きくするために、第1実施の形態から第3実施の形態では先端部40に凹部42,51,61を形成し、第4実施の形態では絶縁体11に小径部71を形成したが、これらを組み合わせることは当然可能である。先端部40に凹部42,51,61を形成すると共に、絶縁体11に小径部71を形成することにより、第1空間44の体積と第2空間45の体積との差をより大きくできる。
上記各実施の形態では、主体金具30の棚部37と絶縁体11の張出部15との間にパッキン38(他部材)が介在する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。パッキン38を省略して、棚部37と張出部15とを密着させ、棚部37が張出部15を直接係止することは当然可能である。この場合、係止部39は、棚部37のうち張出部15が接触する部位である。
上記各実施の形態では、主体金具30の屈曲部31と絶縁体11の係合部16との間に充填材47を配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。充填材47を省略することは当然可能である。
上記各実施の形態では、棚部37よりも先端側の先端部40の内周面41と軸線Oとの距離が、棚部37の内周面37bと軸線Oとの距離よりも長くなるように、先端部40の軸線O方向の一部に棚部37が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。軸線Oを含む断面(図2参照)において、内周面41と棚部37の内周面37bとが同一直線上に位置するように、先端部40の軸線O方向の全長に亘って棚部37を設けることは当然可能である。この場合も、絶縁体11に第1直線部12及び縮径部13が設けられているので、第2空間45を確保できる。
上記各実施の形態では、主体金具30に接合された接地電極46を屈曲させる場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではない。屈曲した接地電極46を用いる代わりに、直線状の接地電極46を用いることは当然可能である。この場合には、主体金具30の先端側を軸線O方向に延ばし、直線状の接地電極46を主体金具30に接合して、接地電極46の先端部を中心電極20と対向させる。
上記各実施の形態では、接地電極46の先端部と中心電極20とを軸線O上で対向するように接地電極46を配置する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、接地電極46と中心電極20との位置関係は適宜設定できる。接地電極46と中心電極20との他の位置関係としては、例えば、中心電極20の側面と接地電極46の先端部とが対向するように接地電極46を配置すること等が挙げられる。
10,50,60,70,90,100,110 スパークプラグ
11 絶縁体
12 第1直線部
13 縮径部
13a 縮径部の後端
14 第2直線部
15 張出部
30 主体金具
37 棚部
38 パッキン(他部材)
39 係止部
40 先端部
42,51,61,91,101,111 凹部
44 第1空間
45 第2空間
46 接地電極
47 平面
48,49 平面(直線)
71 小径部
72,73 直線
O 軸線

Claims (6)

  1. 先端側から後端側へと軸線方向に延び、径方向外側に張り出す張出部を備える絶縁体と、
    前記絶縁体の外周側に配置される筒状の主体金具と、を備え、
    前記主体金具は、前記絶縁体の前記張出部が直接または他部材を介して係止される係止部を有する棚部を備えるスパークプラグであって、
    前記主体金具のうち前記係止部よりも先端側の部位である先端部と前記絶縁体との間にできる空間を、前記軸線を含み前記軸線に沿う平面で二分したときに、その一方の第1空間の体積は、残りの第2空間の体積よりも大きく、
    前記軸線と直交し前記先端部を通る断面において、
    前記先端部は、自身の内周に径方向外側に凹んだ凹部を備え、
    前記軸線から前記凹部の両端に対して引かれた2つの直線のなす角は60〜180°の所定角度に設定されるスパークプラグ。
  2. 前記主体金具に接合された接地電極を備え、
    前記接地電極は、前記主体金具のうち、前記2つの直線および前記軸線を含み前記凹部を挟む2つの平面によって切り取られる部分以外の部分に接合されている請求項記載のスパークプラグ。
  3. 前記絶縁体のうち前記先端部に取り囲まれる部分は、先端側へ向かうにつれて外径が縮径する縮径部と、前記縮径部の先端に連接されると共に外径が一定の第1直線部と、を備え、
    前記凹部は、前記先端部のうち前記縮径部を取り囲む部分に少なくとも設けられている請求項又はに記載のスパークプラグ。
  4. 前記断面は、前記先端部の任意の断面である請求項からのいずれかに記載のスパークプラグ。
  5. 前記絶縁体のうち前記先端部に取り囲まれる部分は、外径が一定の第2直線部と、前記第2直線部の先端に連接されると共に先端側へ向かうにつれて外径が縮径する縮径部と、を備え、
    前記断面は、前記先端部のうち前記絶縁体の前記縮径部の後端よりも先端側の部分の任意の断面である請求項又はに記載のスパークプラグ。
  6. 前記軸線と直交し前記先端部を通る断面において、
    前記絶縁体のうち前記先端部に取り囲まれる部分は、前記先端部の内周との径方向の距離が、他の部位と比較して大きな小径部を備え、
    前記軸線から前記小径部の両端に対して引かれた2つの直線のなす角は60〜180°の所定角度に設定される請求項1記載のスパークプラグ。
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