JP6767180B2 - リチウム二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池及びその製造方法に関する。
リチウム二次電池は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出する活物質を含有する正極及び負極と、リチウム塩を溶解させた電解液とを有する。正極活物質には、安価であることによりマンガン酸リチウムが多用されている。更に負極活物質にはリチウム金属化合物を用い、電解液の電解質として六フッ化リン酸リチウムを用い、電解液の溶媒として非水系溶媒を用いたものが主流である。但し、スピネル構造を有するマンガン酸リチウムを用いた場合、充電に伴う相変化による構造劣化が生じ、電池特性が低下するという問題が報告されている。そこで、マンガン酸リチウムにNiとCoのうち少なくともいずれか1つ以上の元素を含むリチウム遷移金属酸化物を混合して正極を作成することで、高温保存時の自己放電率を小さくする方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
リチウム二次電池は、携帯電話やノート型パソコン等の情報機器の電源として、車載等での回生エネルギーの用途として、またモーター駆動の電気自動車の電源として、広く用いられている。これらの機器の性質上、リチウム二次電池には、高出力が要求され、また急速充電によっても大容量のレート特性が要求されている。しかしながら、マンガン酸リチウムにリチウム遷移金属酸化物を単に添加したとしても、コバルト酸リチウムのような代替物と比べて満足するレート特性を達成することができていない。
特許4518821号公報
そこで、本発明は、正極活物質として安価なリチウムマンガン酸化物を含有するリチウム二次電池のレート特性を向上させることを目的とする。
発明者等は、鋭意研究の結果、レート特性を改善するために有力な三次元網目構造を有する金属化合物粒子を負極活物質として用いつつ、特定の正極活物質をリチウムマンガン酸化物に添加して正極とすると、レート特性において三次元網目構造の金属化合物粒子を負極活物質に用いる以上の相乗効果を生むことがわかった。
そこで、本発明に係るリチウム二次電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属化合物により成る正極活物質層を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属化合物により成る負極活物質層を含む負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、前記正極と前記負極と前記セパレータに含浸する電解液と、を備え、前記正極活物質層は、リチウムマンガン酸化物と他の活物質との混合により成り、前記他の活物質は、リチウムコバルト酸化物、ニッケルコバルトアルミニウム酸化物、ニッケルコバルトマンガン酸化物及びリチウム燐酸化合物の群から選ばれる1種又は2種以上であり、前記負極活物質層は、一次粒子が結合し空隙を有する三次元網目構造の金属化合物粒子により成ること、を特徴とする。
前記三次元網目構造の断面における空隙率が、7〜50%であるようにしてもよい。また、前記金属化合物粒子を窒素ガス吸着測定法にて測定した細孔分布から換算される差分細孔容積において、10〜40nmの範囲の細孔径における差分細孔容積が0.01cm/g以上の値を有するようにしてもよい。
前記正極活物質層のうち、前記リチウムマンガン酸化物と前記他の活物質は、質量比で50:50から90:10の範囲で含有するようにしてもよい。
また、前記負極活物質層を構成する前記金属化合物粒子は、三次元網目構造を有するチタン酸リチウムの粒子であるようにしてもよい。前記チタン酸リチウムの粒子は、チタン酸化物の結晶子が連なって前記三次元網目構造を有し、前記結晶子の表面の一部にマグネリ相を有することが好ましい。マグネリ相の存在により三次元網目構造を有するチタン酸リチウム粒子の導電性は更に向上し、リチウム二次電池のレート特性の向上に更に寄与する。
または、本発明に係るリチウム二次電池の製造方法は、金属化合物粒子の前駆体とカーボン源とを複合化して第一の複合材料を得る第1の工程と、前記第一の複合材料を非酸化雰囲気下で熱処理することによって、金属化合物粒子を生成し、該金属化合物粒子とカーボンとが複合化された第二の複合材料を得る第2の工程と、前記第二の複合材料を酸素雰囲気下で熱処理することによって、カーボンを除去した金属化合物粒子を得る第3の工程と、前記第3の工程で得た、前記カーボンを除去した金属化合物粒子を負極活物質とする負極を作成する第4の工程と、リチウムマンガン酸化物に対して、リチウムコバルト酸化物、ニッケルコバルトアルミニウム酸化物、ニッケルコバルトマンガン酸化物及びリチウム燐酸化合物の群から選ばれる1種又は2種以上を混合した活物質層を含む正極を作製する第5の工程と、前記第4の工程及び前記第5の工程で得られた前記正極と前記正極とをセパレータを介して対向させて電解液を含浸させた素子を形成する第6の工程と、を含むこと、を特徴とする。
本発明によれば、正極活物質として安価なリチウムマンガン酸化物を含有するリチウム二次電池のレート特性を向上させることができる。
負極活物質に用いる金属化合物粒子の構造を示す概念図である。 負極活物質として用いるチタン酸リチウムの構造を示す概念図である。 実施例1の負極活物質の断面を撮影したTEM像であり、倍率は一万倍である。 実施例1の負極活物質に対し、高分解能透過電子顕微鏡により最終結果物の結晶子部分にフォーカスを当てたHRTEM像であり、倍率は10万倍である。 実施例1の負極活物質に対し、高分解能透過電子顕微鏡により最終結果物の結晶子部分にフォーカスを当てたHRTEM像であり、倍率は40万倍である。 実施例1の負極活物質の低倍率の制限視野ED図を示し、低倍率5千倍である。 実施例1の負極活物質の高倍率の制限視野ED図を示し、高倍率40万倍である。 実施例1と比較例2のチタン酸リチウム粒子の差分細孔容積を示した図である。 実施例1乃至3と比較例1の放電電流密度と容量維持率の関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施する形態について、説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものでない。
(リチウム二次電池)
本発明の実施形態について詳細に説明する。リチウム二次電池は、電解液内で正極と負極とをセパレータを介して対向させて成り、正負極のリチウムイオンの吸蔵及び放出の方向に応じて充放電する。正極及び負極は、それぞれ活物質の層を集電体に一体化させて成る。正極活物質及び集電体、並びに負極活物質及び集電体は、各々圧着又はドクターブレード法等を用いてバインダーを介して接合される。正極活物質層は、必要に応じて導電助剤となるカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイトなどの導電性カーボンを加えて混練して成型される。
(正極)
正極活物質の層は、リチウムマンガン酸化物を主体とし、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な1種以上の他の金属化合物とが活物質として含有される。リチウムマンガン酸化物としては、LiMn、LiMnO、LiMnOが挙げられる。リチウムマンガン酸化物と他の活物質との混合割合は、質量比で50:50から90:10の範囲が好ましい。他の活物質は、次の1種又は2種以上の混合である。
すなわち、他の活物質としては、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、ニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)、ニッケルコバルトマンガン酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)及びリチウム燐酸化合物(例えばリン酸鉄リチウム:LiFePO)の群から選ばれる1種又は2種以上である。
また、さらには、LiNiO、LiNi4/5Co1/5、LiNi1/2Mn1/2、LiFeO、LiMnO−LiCoO、LiMnO−LiNiO、LiMnO−LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO−LiNi1/2Mn1/2、LiMnO−LiNi1/2Mn1/2−LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMn3/2Ni1/2、LiFe1/2Mn1/2PO、LiMnPO、Li(POなどを他の活物質として使用することもできる。
(負極)
負極活物質の層は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属化合物粒子を含有し、この金属化合物粒子は、図1に示すように、三次元網目構造1を有する。三次元網目構造1は、ナノサイズの一次粒子2が結合して網目状に連なり、ナノサイズの空隙3が存在する。一次粒子2の結合界面には粒界が無く、一方で一次粒子2間に微小の細孔が多数存在する。この負極活物質において、三次元網目構造1は電子パスを形成し、空隙3は電解液の貯蔵地となり、一次粒子2間の細孔はイオンのパスになると考えられ、これらの相乗効果により負極活物質層の内部抵抗が減少するものと考えられる。
負極活物質としての金属化合物粒子は、FeO、Fe、Fe、MnO、MnO、Mn、Mn、CoO、Co、NiO、Ni、TiO、TiO、TiO(B)、CuO、NiO、SnO、SnO、SiO、RuO、WO、WO、WO3、MoO、ZnO等の酸化物、Sn、Si、Al、Zn等の金属、LiVO、LiVO、LiTi12、ScTiO、FeTiOなどの複合酸化物、Li2.6Co0.4N、Ge、Zn、CuNなどの窒化物、YTi、MoS、が挙げられる。なかでも、チタン酸リチウム(LiTi12)が好ましい。
三次元網目構造1の断面における空隙率は好ましくは7〜50%の範囲である。空隙率が7%未満では、電解液と接する面積が少なく、電解液中のイオンの移動に影響を与える。また空隙率が50%を超えると、一次粒子2同士の結合が粗くなり三次元網目構造1を形成しづらくなる。
一次粒子2の平均粒子径は5〜300nmの範囲である。平均粒子径の算出方法は次の通りとする。すなわち、走査電子顕微鏡を用いて一次粒子2を観察し、少なくとも一次粒子が150個以上含まれる画像を撮影し、撮影した一枚の視野(画像)に含まれる一次粒子2の楕円形の像の長径と短径を測定し、当該長径と短径の平均値を各一次粒子2について算出し、各一次粒子2の平均値を加算するとともに、測定した一次粒子2の個数で其の加算値を除算する。この結果が5〜300nmの範囲に収まる。
この範囲の一次粒子2が結合して三次元網目構造を形成すると、金属化合物粒子はナノサイズの細孔を多く獲得し、電解液と接する金属化合物粒子の面積が増加し、電解液中のイオンの移動が円滑となる。また、この金属化合物粒子の細孔を測定したところ、微細な細孔が多く存在する。特に40nm以下の微細な細孔も多く含む。
三次元網目構造1を有する金属化合物粒子を窒素ガス吸着測定法にて測定した細孔分布から換算される差分細孔容積においては、10〜40nmの範囲の細孔径における差分細孔容積が0.01cm/g以上の値を有し、特には、0.02cm/g以上の値を有するものであり、電解液との接する面積が増え、電解液との接する面積が多いほど、負極に用いられた際の放電レート特性が向上する。
この三次元網目構造1を採る金属化合物粒子には、後述の製造方法に従えば付着カーボンが残存する。付着カーボン量は、金属化合物粒子に対して5重量%未満とすることが好ましい。この範囲とすることで、カーボンの存在に起因するエネルギー密度の低下を抑制できる。特に、付着カーボン量は、金属化合物粒子に対して1重量%未満とすることが好ましい。カーボンを極少量に制限することで、負極内でのカーボンと電解液との反応が抑制され放置特性が向上する。
ここで、負極活物質となる金属化合物粒子をチタン酸リチウムとした場合、金属化合物粒子の一次粒子2は、図2に示すように、表面の一部にマグネリ相2aが存在する結晶子であると良い。結晶子は、金属化合物の単結晶とみなせる最大の集まりである。結晶子は、ランダムに配向して互いに卓面や端面などの表面で結合し、所々に細孔4を有する。結晶子が平板形状の場合、三次元網目構造はカードハウス構造である。結晶子の表面とは、結晶子が平板や多面体の場合、縁表面であり、ファセット面の辺部又は端部である。また、結晶子の表面とは、結晶子が曲面で形成される形状の場合、表面の単数又は複数の一部領域である。
結晶子は、三角形、四角形又はその他の多角形形状の平板形状、厚みを持った多面体、若しくは球体、楕円体、その他の曲面で形成される形状を有する。マグネリ相を有する結晶子により三次元網目構造を構成する金属化合物粒子としては、Li4+wTi12(0≦w≦3)で表されるスピネル型のチタン酸リチウム、又はLi2+yTi(0≦y≦3)で表されるラムスデライト型のチタン酸リチウムを用いることができる。
マグネリ相は、結晶子の辺部又は端部の1つ又は複数が変質して成り、また結晶子の辺部又は端部の全長の一部分又は全長が変質して成る。辺部又は端部のみならず、ファセット面の中央側の一部領域にマグネリ相が含まれていてもよい。マグネリ相は、一般式Ti2n−1(3≦n≦10)で表されるチタン酸化物である。このマグネリ相2aは、例えばTi、TiとTiの混相、若しくは一般式Ti2n−1(3≦n≦10)で表される化合物から選ばれる何れか単体又は2以上の混相である。
チタン酸リチウムにより成る負極活物質は、チタン酸リチウムの特性とマグネリ相の特性とを併せ持つ。チタン酸リチウムは、リチウムイオンの挿入・脱離によるエネルギー貯蔵機能を有する。その挿入・脱離の体積変化が約1%であるため、容量劣化が少ない。充放電電位が約1.55V(vs. Li/Li)であるため、電解液の分解や急速充放電によるリチウム金属の析出などの副反応が生じにくく、サイクル特性に優れる。マグネリ相は、電気伝導性が高く、Tiは、電気伝導性がカーボンの約2.75倍を有する。すなわち、この負極活物質は、チタン酸リチウムとして活物質の性能を維持しながら、マグネリ相による高電気伝導性が更に付与された特性を有する。
また、この負極活物質は、高電気伝導性のマグネリ相が結晶子の表面に存在し、結晶子が卓面や端面などの表面で連なって三次元網目構造1を有する。そのため、各結晶子は部分的にはマグネリ相2aを介して接続されている。接続態様としては、マグネリ相同士が接続されるケース、マグネリ相2aとマグネリ相2a以外の表面とが接続されるケース、又はこれらの混在とがある。従って、負極活物質にはマグネリ相2aを含む電子パスが形成され、負極活物質全体としても高電気伝導性を有する。
(集電体)
集電体は、典型的には、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、鋼、カーボン等の導電材料である。特に、高い熱伝導性と電子伝導性とを有しているアルミニウム又は銅が好ましい。集電体の形状は、膜状、箔状、板状、網状、エキスパンドメタル状、円筒状等の任意の形状を採用することができる。
(バインダー)
集電体と一体化させるためのバインダーとしては、例えばフッ素系ゴム、ジエン系ゴム、スチレン系ゴム等のゴム類、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース、その他、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらのバインダーは、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
(セパレータ)
セパレータとしては、クラフト、マニラ麻、エスパルト、ヘンプ、レーヨン等のセルロースおよびこれらの混合紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、それらの誘導体などのポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ビニロン系樹脂、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂等の樹脂を単独で又は混合して用いることができる。
(電解液)
電解液は、リチウムイオン源となるリチウム塩を電解質として含有する非水電解液が挙げられる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOCF、LiN(SO、CFSO、LiC(SOCF、およびLiPF(C、またはこれらの混合物である。リチウム塩の濃度は、一般には0.1〜2.5mol/L、好ましくは0.5〜2mol/Lの範囲である。
電解質として、リチウム塩に加えて第4級アンモニウムカチオン又は第4級ホスホニウムカチオンを有する第4級アンモニウム塩又は第4級ホスホニウム塩を使用することができる。例えば、カチオンとしてテトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、メチルエチルピロリジニウム、スピロビピロリジニウム、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等を挙げることができ、アニオンとしては、BF 、PF 、ClO 、AsF 、SbF 、AlCl 、またはRfSO 、(RfSO、RfCO (Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基)等を挙げることができ、これらの塩又は混合物を使用することができる。
電解液の溶媒としては、以下に挙げるものが用いられる。なお、これらの溶媒はそれぞれ単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。例えば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、リン酸エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ラクトン化合物、鎖状エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン化合物等を挙げることができる。環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられ、好ましくは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートである。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルn−プロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルn−プロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、ジn−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジn−ブチルカーボネート、フルオロエチルメチルカーボネート、ジフルオロエチルメチルカーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネートなどが挙げられ、好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートである。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチルなどが挙げられる。環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。鎖状エーテルとしては、ジメトキシエタンなどが挙げられる。ラクトン化合物としては、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。 鎖状エステルとしては、メチルプロピオネート、メチルアセテート、エチルアセテート、メチルホルメートなどが挙げられる。ニトリル化合物としては、アセトニトリルなどが挙げられる。アミド化合物としては、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。スルホン化合物としては、スルホラン、メチルスルホラン、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、イソプロピルスルホンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(負極活物質の製造方法)
(概略)
三次元網目構造1を有する負極活物質の製造方法を説明する。この負極活物質の製造方法は、以下に限定されるものではないが、次の3工程を経て製造することができる。まず、第1工程として、金属化合物粒子の前駆体とカーボン源とを複合化して第一の複合材料を得る。第1工程に続き第2工程として、第一の複合材料を非酸化雰囲気下で熱処理することによって、カーボン源からカーボンを生成するとともに、カーボンに担持された金属化合物粒子の前駆体を起点に金属化合物粒子を生成し、金属化合物粒子とカーボンとが複合化された第二の複合材料を得る。第2工程に続き第3工程として、第二の複合材料を酸素雰囲気下で熱処理することによって、金属化合物粒子の一次粒子を互いに結合させるとともに、カーボンを除去することで、三次元網目構造1の金属化合物粒子を得る。
(第1工程)
金属化合物粒子の前駆体とカーボン源とを複合化して第一の複合材料を得る。金属化合物粒子の前駆体は、熱処理工程によって金属化合物粒子が生成される前の物質を言う。例えば、Mn、Co、Ni、V、Fe、Ti、Sn、Si、Ru、W、Zn、Al、Ge、Cu、Mo、Zn、Sc、Y、S及びNのうちの何れか1種以上の物質を含む金属化合物である。この構成化合物にリチウム源を加えたものを含むものである。
金属化合物粒子の材料源としては、粉体であっても溶液に溶けた状態であってもよい。チタン酸リチウムの場合は、例えば、チタンアルコキシドや酸化チタン等のチタン源、酢酸リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウムなどのリチウム源を材料源として、金属化合物粒子の前駆体を生成する。
カーボン源は、カーボン自体、若しくは熱処理でカーボンとなりうる材料である。カーボン自体は、例えば紛体であり、種類としては導電性を有する炭素材料であれば特に限定なく使用できる。例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、無定形炭素、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化ケッチェンブラック、メソポーラス炭素、気相法炭素繊維等を挙げることができる。なかでも粒子径がナノサイズの炭素材料が好ましい。
熱処理でカーボンとなりうる材料としては、有機物で、金属化合物粒子の前駆体の表面に堆積するものであり、後の熱処理工程においてカーボンに転化するものである。有機物としては、多価アルコール(エチレングリコールなど)、ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなど)、糖類(グルコースなど)、アミノ酸(グルタミン酸など)などである。
この金属化合物粒子の材料源とカーボン源との複合化の手法としては、メカノケミカル処理、スプレードライ処理又は攪拌処理が挙げられる。何れの複合化手法も、溶媒に、金属化合物粒子の材料源の少なくとも1種とカーボン源とを添加し、溶媒に材料源を溶解させることで溶液を得る。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好適に使用できる。2種以上の溶媒を混合して使用しても良い。金属化合物粒子の前駆体反応が加水分解反応である場合には、その材料源は、金属アルコキシドM(OR)xが挙げられる。
メカノケミカル処理では、溶液にずり応力と遠心力を加えてカーボン粉体の表面に金属化合物粒子の前駆体を結合させる。旋回する反応器内で溶液にずり応力と遠心力とを印加する処理をする。反応器としては、外筒と内筒の同心円筒からなり、旋回可能な内筒の側面に貫通孔が設けられ、外筒の開口部にせき板が配置されている反応器が好適に使用される。上記反応器において、内筒外壁面と外筒内壁面との間隔は、5mm以下であるのが好ましく、2.5mm以下であるのがより好ましい。なお、この薄膜上を生成するために必要な遠心力は1500N(kgms−2)以上、好ましくは70000N(kgms−2)以上である。
スプレードライ処理では、溶媒にカーボン粉体を分散させ、その後に金属化合物粒子の材料源を分散させるとよい。分散手法としては、超遠心処理(溶液中で粉体にずり応力と遠心力を加える処理)、ビーズミル、ホモジナイザーなどによってカーボン粉体を溶媒中に高分散させるとよい。スプレードライ処理は、0.1Mpa程度の圧力でカーボン粉体が焼失しない温度で処理される。スプレードライ処理によって一次粒子の平均粒子径が5〜300nmの範囲の金属化合物粒子の前駆体が得られる。
攪拌処理では、金属化合物粒子の材料源となる粉体は、予め粉砕等を行いナノレベルの微小粒子とすることが好ましい。熱処理でカーボンになりうる材料として、ポリマーを用いる場合は、予めポリマーを添加した溶媒に金属化合物粒子の材料源を添加し、この溶液を攪拌するとよい。ポリマーは、金属化合物粒子の材料源となる粉体の重量を1とした場合に、0.05〜5の範囲となるように調整するとよい。また、微小粒子の平均二次粒子径としては、500nm以下、好ましくは100nm以下とすることで、粒子径の小さな金属化合物粒子を得ることができる。なお、この攪拌処理では、ポリマーが金属化合物粒子の材料源の表面を効率的に覆うことができるため、後述の第2工程での金属化合物粒子の過度の成長を抑制し、ナノサイズの微小粒子を生成しやすいものとなる。
(第2工程)
第二の複合材料を得る工程では、前記第一の複合材料を非酸化雰囲気下で熱処理することによって、金属化合物粒子を生成し、該金属化合物粒子とカーボンとが複合化された第二の複合材料を得る。非酸化雰囲気下とするのは、カーボン源の燃失を抑制するためであり、非酸化雰囲気としては不活性雰囲気と飽和水蒸気雰囲気が挙げられる。典型的には、非酸化雰囲気は真空中、窒素もしくはアルゴン雰囲気である。
この熱処理によって金属化合物粒子の前駆体が成長し、カーボン源と複合化された状態で金属化合物粒子が生成される。カーボン源として熱処理でカーボンとなりうる材料を用いた場合には、この非酸化雰囲気下での熱処理によって、金属化合物粒子の前駆体の表面上で該材料が炭化されてカーボンが生成され、このカーボンと熱処理によって成長した金属化合物粒子とが複合化された第二の複合材料が生成される。
また非酸化雰囲気下での熱処理のため、カーボン源は燃失されにくく金属化合物粒子と複合化した状態として存在し、金属化合物粒子とカーボンとが複合化された第二の複合材料が得られる。第二の複合材料は、カーボン(例えばカーボンナノファイバ:CNF)上に金属化合物粒子(例えばチタン酸リチウム:LTO)が担持された複合材料であり、CNF上に、LTOがナノサイズの粒子となって分散して存在しているものと考えられる。
不活性雰囲気下で熱処理を行う場合は、カーボン源の燃失を防止するためにその温度は、600〜950℃の範囲で、1分〜20分間保持される。尚、後述の予備加熱処理を行わない場合には同温度範囲で3〜7時間保持されるとよい。この範囲であると良好な金属化合物粒子が得られ、良好な容量、レート特性が得られる。また、窒素雰囲気下であると、金属化合物粒子に窒素がドープされて金属化合物粒子の導電性が高まる。非酸化雰囲気下での熱処理として、飽和水蒸気雰囲気下で熱処理を行う場合は、カーボン源の焼失を防止するためにその温度は、110〜300℃の範囲で、1〜8時間保持される。
この第二の複合材料を得る工程で得られた金属化合物粒子の一次粒子の平均粒子径は、5〜300nmの範囲を含むことが好ましい。このようなナノサイズの微小粒子とすることで後述する金属化合物粒子群の空隙率を増加させることができると共に、金属化合物粒子群に存在する微細な孔の数を増やすことができる。また、得られた第二の複合材料は、金属化合物粒子とカーボンとの質量比で95:5〜30:70の範囲が好ましく、このような範囲とすることで、最終的に得られた金属化合物粒子群の空隙率を増加させることができる。なお、このような範囲にするには、予め金属化合物粒子の材料源とカーボン源の混合比を調整しておけばよい。
なお、この第二の複合材料を得る工程の前に、第一の複合材料を200〜500℃の温度範囲で、1〜300分間保持する予備加熱処理を施すとよい。この予備加熱処理では非酸化雰囲気下が望ましいが、カーボン源が焼失しない300℃未満であれば、酸素雰囲気下で行っても良い。この予備加熱処理によって得られる金属化合物粒子によっては、第一の複合材料に存在する不純物を除去することができ、また金属化合物粒子の前駆体がカーボン源に均一に付着された状態を得ることができる。また、第一の複合材料に含まれる金属化合物粒子の前駆体の生成を促進させる効果もある。
(第3工程)
この金属化合物粒子を得る工程では、第二の複合材料を酸素雰囲気下で熱処理することによって、カーボンを焼失させ、カーボンの部位に空隙を発生させる。また、この熱処理によって金属化合物粒子同士が反応して結合する。これによって、カーボン由来の空隙と、金属化合物粒子同士の結合とが相まって、金属化合物粒子が三次元網目構造となる。
カーボンを除去するため、また金属化合物粒子同士を結合させるために、熱処理の温度は、350以上800℃以下、好ましくは400以上600℃以下の範囲で、1〜24時間保持することが好ましい。特に、不活性雰囲気下の場合は、第二の複合材料を得る工程の熱処理温度よりも低い温度に設定することが好ましい。350℃未満の温度は、第二の複合材料に含まれるカーボンの除去が不十分となり、800℃を超える温度では、一次粒子の凝集が進んで空隙が減少する。また、400以上600℃以下の温度範囲であると、一次粒子の平均粒子径が5〜300nmに維持され、この熱処理前の金属化合物粒子の一次粒子の平均粒子径からの粒子成長が抑制される。
また、この熱処理温度は、予備加熱工程の温度以上で処理することが好ましい。酸素雰囲気下としては、窒素などとの混合雰囲気でもよく、大気中など酸素が15%以上存在する雰囲気下が好ましい。この酸素雰囲気下での熱処理においては、カーボンの消失によって酸素量が減少するため、熱処理炉内に適宜酸素を供給してもよい。
このように、三次元網目構造1を有する負極活物質は、複合体からカーボンを焼失させ、また結晶子同士が焼結することにより、生成されるものと考えられる。金属化合物粒子がチタン酸リチウムの場合は、更に、この酸素雰囲気下での複合体の熱処理によって、チタン酸リチウムの結晶子の表面がマグネリ相2aへ変質するものと考えられる。従って、カーボンと結晶子の質量比に基づく配合比、酸素濃度、焼成温度及び焼成時間は、チタン酸リチウムの粒子の大きさ、カーボン除去の程度、マグネリ相2aへの変質の有無、及び変質割合を決定し得る。例えば、300℃以上、400℃未満の温度では、マグネリ相2aへの変質が進行し難いかもしれず、温度調整によりマグネリ相2aの有無及び割合を制御できる。
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
(負極)
カーボンナノファイバ20gとテトライソプロポキシチタン245gとをイソプロピルアルコール1300gに添加して、テトライソプロポキシチタンをイソプロピルアルコールに溶解させた。チタンアルコキシドとカーボンナノファイバの質量比は、第二の複合材料においてチタン酸リチウムとカーボンナノファイバの質量比が約8:2となるように選択した。得られた液を、外筒と内筒の同心円筒からなり、内筒の側面に貫通孔が設けられ、外筒の開口部にせき板が配置されている反応器の内筒内に導入し、35000kgms−2の遠心力が液に印加されるように内筒を300秒間旋回させて、カーボンナノファイバを液に高分散させた。
酢酸165gと酢酸リチウム50gとを、イソプロピルアルコール145gと水150gとの混合溶媒に溶解した。得られた液を上記反応器の内筒内に導入し、溶液を調製した。この溶液に35000kgms−2の遠心力が印加されるように内筒を300秒間旋回させて、外筒の内壁に溶液の薄膜を形成させると共に、溶液にずり応力と遠心力を加えて化学反応を促進させ、チタン酸リチウムの前駆体を高分散状態でカーボンナノファイバ上に担持させた。
次いで、上記反応器の内容物を回収し、大気中で溶媒を蒸発させ、さらに100℃で17時間乾燥した。得られたチタン酸リチウムの前駆体を担持させたカーボンナノファイバを、窒素中、400℃で30分の予備熱処理を行い、その後窒素中、900℃で3分間熱処理を行い、一次粒子の平均粒子径が5〜20nmのチタン酸リチウムのナノ粒子がカーボンナノファイバ上に高分散状態で担持された第二の複合材料を得た。
得られた第二の複合材料100gを、500℃で6時間の熱処理を施し、カーボンナノファイバを燃失して除去するとともに、一次粒子を結合させて三次元網目構造のチタン酸リチウム粒子を得た。
次いで、負極活物質の層において、得られた三次元網目構造のチタン酸リチウム粒子が98重量%となり、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)が2重量%となるように、PVDFを量り取った。得られた三次元網目構造のチタン酸リチウム粒子とPVDFを溶媒に投入し、十分に混練してスラリーを形成した。溶媒は、N−メチル−2−ピロリドンを用いた。そして、アルミニウム箔を集電体とし、スラリーをアルミニウム箔上に塗布して乾燥し、負極電極を得た。
(リチウム二次電池)
リチウムマンガン酸化物であるLiMnを7g量り取り、他の活物質としてリチウムコバルト酸化物であるLiCoOを3g量り取った。量り取ったリチウムマンガン酸化物とリチウムコバルト酸化物を正極活物質とし、正極活物質の層におけるリチウムマンガン酸化物とリチウムコバルト酸化物の質量比は70:30とした。また、導電助剤としてアセチレンブラックを0.45g量り取り、バインダーとしてPVDFを固形分重量が0.21gとなるように量り取った。正極活物質の層における2種の正極活物質の合計とアセチレンブラックとPVDFの質量比は、94:4:2となる。
次に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用い、量り取ったリチウムマンガン酸化物とリチウムコバルト酸化物とアセチレンブラックとPVDFを溶媒に投入し、十分に混練してスラリーを形成した。アルミニウム箔を集電体として用い、スラリーをエッチング処理したアルミニウム箔上に塗布して乾燥し、負極電極を得た。
得られた正極電極と負極電極との間にレーヨンを主材料とするセルロースのセパレータを介在させて素子を形成し、素子に電解液を含浸させた。電解液において、溶質として1.0モル濃度のLiBFと0.5モル濃度のLiPFを用い、体積比で1:1のプロピレンカーボネート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合液を溶媒として用いた。そして、電解液を含浸させた素子をラミネートフィルムを用いて熱封止し、評価用のリチウム二次電池を作製した。
このように、実施例1のリチウム二次電池では、三次元網目構造のチタン酸リチウムを負極活物質とし、正極活物質としてリチウムマンガン酸化物とリチウムコバルト酸化物の2種の混合とした。正極活物質の混合比は、リチウムマンガン酸化物とリチウムコバルト酸化物とが70:30となるようにした。
(実施例2)
実施例2のリチウム二次電池では、リチウムマンガン酸化物であるLiMnを7g量り取り、他の活物質としてニッケルコバルトアルミニウム酸化物であるLiNi0.8Co0.15Al0.05を3g量り取り、正極活物質としてリチウムマンガン酸化物とニッケルコバルトアルミニウム酸化物の2種の混合とした。その他、三次元網目構造のチタン酸リチウムを負極活物質とする点、アセチレンブラックを正極における導電助剤とする点、ポリフッ化ビニリデンをバインダーとする点、正極活物質の混合比、及び正極活物質の層の組成比等、実施例1と同じ条件でリチウム二次電池を作製した。
(実施例3)
実施例3のリチウム二次電池では、リチウムマンガン酸化物としてLiMnを7g量り取り、他の活物質としてニッケルコバルトマンガン酸化物であるLiNi1/3Co1/3Mn1/3を3g量り取り、正極活物質としてリチウムマンガン酸化物とニッケルコバルトマンガン酸化物の2種の混合とした。その他、三次元網目構造のチタン酸リチウムを負極活物質とする点、アセチレンブラックを正極における導電助剤とする点、ポリフッ化ビニリデンをバインダーとする点、正極活物質の混合比、及び正極活物質の層の組成比等、実施例1と同じ条件でリチウム二次電池を作製した。
(比較例1)
比較例1のリチウム二次電池では、正極活物質をリチウムマンガン酸化物であるLiMnのみとした。その他、三次元網目構造のチタン酸リチウムを負極活物質とする点、アセチレンブラックを正極における導電助剤とする点、ポリフッ化ビニリデンをバインダーとする点、及び正極活物質の層の組成比等、実施例1と同じ条件でリチウム二次電池を作製した。
(負極活物質の観察)
実施例1で得られた負極活物質について、最終結果物の構造解析を行った。第1に、走査型電子顕微鏡により最終結果物の粒子全体像と結晶子を撮影し、粒子構造を解析した。図3は、最終結果物の断面を撮影したTEM像であり、倍率は一万倍である。図4は、高分解能透過電子顕微鏡により最終結果物の結晶子部分にフォーカスを当てたHRTEM像であり、倍率は10万倍である。図5は、高分解能透過電子顕微鏡により最終結果物の結晶子部分にフォーカスを当てたHRTEM像であり、倍率は40万倍である。
図3に示すように、最終結果物は、その大きさが約1.7μmであり、全体として三次元網目構造を有し、ナノサイズの多くの空隙3が存在していることがわかる。また、図4に示すように、一次粒子は、薄片形状を有し、一次粒子同士が卓面や端面で結合していることが分かる。更に、図5に示すように、結晶子の卓面に対して2辺の縁E1、E2は全体的に黒ずんでおり、結晶子の卓面と縁とが異なる物質の結晶であることがわかる。
結晶子の卓面と縁の物質を特定すべく、最終結果物を制限視野電子回折法により確認した。図6は、最終結果物の低倍率の制限視野ED図を示し、低倍率5千倍である。図7は、最終結果物の高倍率の制限視野ED図を示し、高倍率40万倍である。図6に示す低倍率5000倍の回折図形に基づく実測値と実測値を面間隔d値(Å)に換算した結果と、図7に示す高倍率40万倍の回折図形に基づく実測値と実測値を面間隔d値(Å)に換算した結果、結晶子の多くは、チタン酸リチウムで構成されているものの、高倍率で観察すると、Tiが多く含有していることがわかる。
次に、実施例1のチタン酸リチウム粒子の細孔分布を測定した。この測定に先立って、実施例1のチタン酸リチウム粒子と対比され得るチタン酸リチウム粒子を比較例2として作成した。比較例2として、水酸化リチウム38g、水800gの水溶液に、ナノサイズ(200nm程度)となるように粉砕した酸化チタン(TiO)87gを添加して攪拌して溶液を得た。この溶液をスプレードライ装置に導入し噴霧乾燥して乾燥物を得た。得られた乾燥造粒物を大気中で700℃の温度で3時間熱処理を行いチタン酸リチウムの造粒体を得た。この造粒体は、カーボン未使用であるため、熱処理に伴うカーボンとリチウムの結びつきがなく、カーボンとリチウムのそれぞれのガス化に伴う酸素脱離はないものと思われ、マグネリ相2aは形成されていない。また、製造工程中にカーボンが存在しないために、カーボンが除去された空間そのものが存在しない。
測定方法としては、窒素ガス吸着測定法を用いる。具体的には、金属酸化物粒子表面及び、金属酸化物粒子表面と連通した内部に形成された細孔に窒素ガスを導入し、窒素ガスの吸着量を求める。次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットし、吸着等温曲線を得る。この実施例では、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置 BELSORP-max-N(日本ベル株式会社製)を用いて測定した。図8は、横軸に細孔径を取り、測定ポイント間の細孔容積の増加分を縦軸に取った差分細孔容積分布である。
図8から分かるように、実施例1のチタン酸リチウム粒子は、比較例2のチタン酸リチウム粒子に対して、差分細孔容積が大きいことが分かる。このような細孔径の小さい範囲(100nm)において差分細孔容積が大きいため、チタン酸リチウム粒子の内部に電解液が侵入し、電解液と接するチタン酸リチウム粒子の面積が大きいことが分かる。特に10〜40nmの範囲の細孔径における差分細孔容積が0.01cm/g以上の値を有し、さらには、0.02cm/g以上の値が得られている。尚、図3のTEM像上において空隙3の径を計測すると、最大直径が500nm程度であった。すなわち、最大直径が500nm程度の空隙3も更に差分細孔容積で示される微細な空隙も備えていることが確認された。
また、実施例1のチタン酸リチウム粒子は、TG−DTA測定(示唆熱-熱重量同時測定)によれば、カーボン残存量が1%未満であった。
以上より、最終結果物の金属化合物粒子は、全体としてはLiTi12の結晶子が積層されてカードハウス構造を有し、LiTi12の結晶子の縁表面がTiに変質したチタン酸化物粒子であることが確認された。
(レート特性の評価)
実施例1乃至3と比較例1のリチウム二次電池についてレート特性を評価した。レート特性は、放電電流密度と容量維持率との関係をいう。図9に、実施例1乃至3と比較例1の放電電流と容量維持率との関係を示す。図9において、横軸に放電電流密度を取り、0.5mA・cm−2の放電電流密度でリチウム二次電池を放電させたときの放電容量を100%として、各放電電流密度に対する容量の百分率を縦軸に取った。
図9に示すように、実施例1乃至3は、比較例1よりも低放電電流から大放電電流に至るまで放電容量が高く保たれていることがわかる。すなわち、負極活物質に三次元網目構造を採る金属化合物粒子を用い、正極活物質にリチウムマンガン酸化物を用いたリチウム二次電池において、更に正極活物質にリチウムマンガン酸化物とは異なるリチウムコバルト酸化物、ニッケルコバルトマンガン酸化物及びニッケルコバルトアルミニウム酸化物の群から選ばれる1種又は2種以上の他の金属化合物を添加すると、リチウム二次電池のレート特性が向上することが確認された。

Claims (6)

  1. リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属化合物を含んで成る正極活物質層を含む正極と、
    リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属化合物を含んで成る負極活物質層を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、
    前記正極と前記負極と前記セパレータに含浸する電解液と、
    を備え、
    前記正極活物質層は、リチウムマンガン酸化物と他の活物質との混合を含んで成り、
    前記他の活物質は、リチウムコバルト酸化物、ニッケルコバルトアルミニウム酸化物、ニッケルコバルトマンガン酸化物及びリチウム燐酸化合物の群から選ばれる1種又は2種以上であり、
    前記負極活物質層は、一次粒子が結合し空隙を有する三次元網目構造の金属化合物粒子を含んでり、
    前記金属化合物粒子を窒素ガス吸着測定法にて測定した細孔分布から換算される差分細孔容積において、10〜40nmの範囲の細孔径における差分細孔容積が0.01cm /g以上の値を有すること、
    を特徴とするリチウム二次電池。
  2. リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属化合物を含んで成る正極活物質層を含む正極と、
    リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属化合物を含んで成る負極活物質層を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、
    前記正極と前記負極と前記セパレータに含浸する電解液と、
    を備え、
    前記正極活物質層は、リチウムマンガン酸化物と他の活物質との混合を含んで成り、
    前記他の活物質は、リチウムコバルト酸化物、ニッケルコバルトアルミニウム酸化物、ニッケルコバルトマンガン酸化物及びリチウム燐酸化合物の群から選ばれる1種又は2種以上であり、
    前記負極活物質層は、一次粒子が結合し空隙を有する三次元網目構造のチタン酸リチウムの粒子を含んで成ること、
    を特徴とするリチウム二次電池。
  3. 前記三次元網目構造の断面における空隙率が、7〜50%であること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記正極活物質層のうち、前記リチウムマンガン酸化物と前記他の活物質は、質量比で50:50から90:10の範囲で含有すること、
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のリチウム二次電池。
  5. 前記チタン酸リチウムの粒子は、
    チタン酸化物の結晶子が連なって前記三次元網目構造を有し、
    前記結晶子の表面の一部にマグネリ相を有すること、
    を特徴とする請求項記載のリチウム二次電池。
  6. 金属化合物粒子の前駆体とカーボン源とを複合化して第一の複合材料を得る第1の工程と、
    前記第一の複合材料を非酸化雰囲気下で熱処理することによって、金属化合物粒子を生成し、該金属化合物粒子とカーボンとが複合化された第二の複合材料を得る第2の工程と、
    前記第二の複合材料を酸素雰囲気下で熱処理することによって、カーボンを除去した金属化合物粒子を得る第3の工程と、
    前記第3の工程で得た、前記カーボンを除去した金属化合物粒子を負極活物質とする負極を作製する第4の工程と、
    リチウムマンガン酸化物に対して、リチウムコバルト酸化物、ニッケルコバルトアルミニウム酸化物、ニッケルコバルトマンガン酸化物及びリチウム燐酸化合物の群から選ばれる1種又は2種以上を含む活物質層を含む正極を作成する第5の工程と、
    前記第4の工程及び前記第5の工程で得られた前記正極と前記負極とをセパレータを介して対向させて電解液を含浸させた素子を形成する第6の工程と、
    を含むこと、
    を特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
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