JP6767091B2 - 情報処理装置、外貨の送金方法およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、外貨の送金方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置、外貨の送金方法およびプログラムに関する。
近年、外貨送金が盛んに行われている。外貨送金を扱う金融機関は、当該外貨を扱う銀行(コルレスバンクとも称される)に口座を有している。金融機関間の外貨の送金は、各々の金融機関がコルレスバンクに保有する口座間における外貨の送受金によって行われている。このような外貨送金では、金融機関の情報処理装置によってオンラインで取引が実現されている(例えば、特許文献1から3を参照)。
特開2009−026247号公報 特開2006−127312号公報 特開2004−192587号公報
外貨送金では、例えばコルレスバンクを介して送受金を行うため、外貨送金の指示から宛先の口座に着金するまで原則1営業日かかっていた。また、コルレスバンクの営業日等の影響により、さらに着金までの日数がかかることもあった。そのため、第2の種類の金融機関の口座の外貨資金を基に第1の種類の金融機関で定期預金の預入を行おうとした場合、第2の種類の金融機関の口座から送金される外貨の第1の種類の金融機関の口座への着金が間に合わず、同日の預入が出来ない虞があった。また、第1の種類の金融機関の口座の外貨資金を基に第2の種類の金融機関で有価証券の買い付けを行おうとした場合、第1の種類の金融機関の口座から送金される外貨の第2の種類の金融機関の口座への着金が受渡期日に間に合わない虞もあった。そこで、本発明の1つの側面は、従来よりも外貨送金での着金を早めることができる情報処理装置を提供することを課題とする。
本発明の1つの側面は、次のような情報処理装置によって例示される。本情報処理装置は、第1の種類の金融機関の口座を管理する情報処理装置であって、第2の種類の金融機関の情報処理装置から顧客口座への指定額の外貨の送金の依頼を受け付ける手段と、送金の依頼にしたがって第2の種類の金融機関が第1の種類の金融機関内に有する決済口座から指定額の外貨を顧客口座に記帳によって振り替える手段と、送金の依頼にしたがって送金される外貨を決済口座に入金する手段と、を備える。
このような発明によれば、実際の送金とは別に記帳によって振り替えることで、第2の種類の金融機関から第1の種類の顧客口座に外貨が送金される。そのため、従来よりも外貨送金での着金を早めることが可能となる。
また、本発明は、次の特徴を有してもよい。決済口座は国内通貨による口座と外貨による口座を含み、国内通貨による口座から指定額に対応する国内通貨の支払いを受け取り、支払われた国内通貨によって指定額の外貨を調達する手段をさらに備える。このような発明によれば、第2の種類の金融機関が事前に決済口座に外貨を入金しておかなくとも、指定額の外貨を調達する手段を有することで、顧客口座に外貨を送金する事が可能となる。
また、本発明は、次の特徴を有してもよい。送金の依頼を受け付けた日以降の日であって、外貨取引可能な日を取得する取引可能日取得手段をさらに備え、調達する手段は、外貨の送金を受け付けた日には、国内通貨による口座から指定額に対応する国内通貨の支払いを受け取り、支払われた国内通貨によって指定額の外貨を調達し、かつ、取引可能日取得手段によって取得された日に行われる国内通貨と外貨の交換レートを取得し、取引可能日取得手段によって取得された日には、決済口座に入金された外貨を取得された交換レートで受渡することで国内通貨を調達する為替スワップ取引である。このような発明によれば、指定額の外貨の調達を為替スワップ取引によって行う事で、為替レートの変動によるリスクが低減される。
また、本発明の他の側面は、次のような情報処理装置によって例示される。本情報処理装置は、第2の種類の金融機関の口座を管理する情報処理装置であって、第1の種類の金融機関の情報処理装置から顧客口座への指定額の外貨の送金の依頼を受け付ける手段と、送金の依頼にしたがって第2の種類の金融機関が第2の種類の金融機関内に有する自己勘定口座から指定額の外貨を顧客口座に記帳によって振り替える手段と、送金の依頼にしたがって送金される外貨を自己勘定口座に入金する手段と、を備える。
このような発明によれば、実際の送金とは別に記帳によって振り替えることで、第1の種類の金融機関から第2の種類の顧客口座に外貨が送金される。そのため、従来よりも外貨送金での着金を早めることが可能となる。
また、本発明は、外貨の送金方法およびプログラムの側面から把握する事も可能である。
本発明は、従来よりも外貨送金での着金を早めることが可能となる。
図1は、第1実施形態における証券会社に設けられた口座の一例を示す図である。 図2は、第1実施形態における銀行に設けられた口座の一例を示す図である。 図3は、第1実施形態におけるコルレスバンクに設けられた口座の一例を示す図である。 図4は、第1実施形態に係る情報システムの一例を示す図である。 図5は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図6は、情報処理装置の処理ブロックの一例を示す図である。 図7は、第1実施形態における外貨送金の処理の流れの一例を示す図である。 図8は、第1実施形態における外貨送金の資金の移動の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、一実施形態に係る情報処理装置について説明する。以下に示す実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
<第1実施形態>
第1実施形態では、証券会社および銀行間の外貨送金が例示される。顧客は、証券会社および銀行に口座を保有する。顧客が証券会社に有する口座において余剰資金が発生すると、当該余剰資金は顧客が銀行に保有する口座に振り替えられる。
従来の証券会社および銀行間における外貨送金では、証券会社および銀行の各々がコルレスバンクに保有する口座間における資金の移動によって振替が行われていた。この振替では、実際に口座間において資金の移動が生ずるため、送金が指示されてからコルレスバンクを経由して宛先の口座に着金するまで原則1営業日以上かかっていた。
そこで、第1実施形態では、証券会社および銀行間の外貨送金を振替記帳によって行う。すなわち、第1実施形態では、実際の資金の移動とは別に振替記帳という帳簿上の資金の移動を行う。第1実施形態では、振替記帳によって、証券会社および銀行間における外貨の移動を即日実施可能とする。なお、第1実施形態では、国内通貨として日本国の通貨である「円」を、外貨として米国の通貨である「ドル」を用いた外貨送金を例示する。以下、図面を参照して第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態における証券会社1に設けられた口座の一例を示す図である。証券会社1では、有価証券の売買の取次等が行われる。証券会社1では、口座19および口座11が開設されている。口座11は、証券会社1の自己勘定の口座である。口座19は、顧客9が証券会社1に保有する口座である。顧客9は、口座19を用いて、有価証券の売買等を行う。口座11および口座19は、証券会社1の有する情報処理装置41によって管理されている。情報処理装置41は、例えば、サーバまたはメインフレームである。証券会社1は、本発明の「第2の種類の金融機関」の一例である。
図2は、第1実施形態における銀行2に設けられた口座の一例を示す図である。銀行2では、預金、為替取引または融資等が行われる。銀行2では、口座21、口座22および口座29が開設されている。口座21は、証券会社1が銀行2に保有する口座である。口座21は、国内通貨用口座21aおよび外貨用口座21bを含む。証券会社1は、口座21aに円建てで予め預金をしている。口座22は、銀行2の自己勘定の口座であり、国内通貨用口座および外貨用口座を含む。口座29は、顧客9が銀行2に保有する口座である。顧客9は、口座29を用いて、預金または為替取引等を行う。口座21および口座29は、銀行2が有する情報処理装置42によって管理されている。情報処理装置42は、例えば、サーバまたはメインフレームである。銀行2は、本発明の「第1の種類の金融機関」の一例である。口座21は、本発明の「決済口座」の一例である。口座29は、本発明の「顧客口座」の一例である。
図3は、第1実施形態におけるコルレスバンク3に設けられた口座の一例を示す図である。コルレスバンク3は、外貨送金を行うに当たり、当該外貨送金の中継地点となる銀行である。口座31は、証券会社1がコルレスバンク3に保有する口座である。口座32は、銀行2がコルレスバンク3に保有する口座である。口座31および口座32は、情報処理装置43によって管理されている。情報処理装置43は、例えば、サーバまたはメインフレームである。証券会社1および銀行2間の外貨送金は、口座31および口座32間の資金移動によって実現される。
図4は、第1実施形態に係る情報システムの一例を示す図である。図4では、証券会社1の情報処理装置41および銀行2の情報処理装置42がネットワークNを介して相互に接続されている。また、情報処理装置41および情報処理装置42のそれぞれは、外貨取引に用いられる公知の手段Mによってコルレスバンク3の情報処理装置43と連携している。情報処理装置41および情報処理装置42がネットワークNで相互に接続され、情報処理装置41および情報処理装置42のそれぞれが公知の手段Mによって情報処理装置43と連携していることで、証券会社1、銀行2およびコルレスバンク3間のオンラインによる取引が可能となっている。
ネットワークNは、情報処理装置を相互に接続するコンピュータネットワークである。ネットワークNは、金融機関によって保有される情報処理装置を相互に接続する専用ネットワークを含む。
図5は、情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置100は、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104および接続バスB1を含む。プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103および通信部104は、接続バスB1によって相互に接続されている。情報処理装置100は、情報処理装置41、情報処理装置42および情報処理装置43として利用できる。
情報処理装置100では、プロセッサ101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、情報処理装置100は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102および補助記憶部103は、情報処理装置100が読み取り可能な記録媒体である。
主記憶部102は、プロセッサ101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)およびRead Only Memory(ROM)を含む。
補助記憶部103は、各種のプログラムおよび各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部104を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理装置および外部記憶装置が含まれる。
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッド
ステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk
Drive、HDD)等である。また、補助記憶部103は、例えば、Compact Disc(CD)ドライブ装置、Digital Versatile Disc(DVD)ドライブ装置、Blu-ray(登録商標)Disc(BD)ドライブ装置等である。また、補助記憶部103は、Network Attached Storage(NAS)あるいはStorage Area Network(SAN)によって提供されてもよい。
情報処理装置100が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、情報処理装置100から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうち情報処理装置100から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、情報処理装置100に固定された記録媒体としてハードディスク、SSDあるいはROM等がある。
通信部104は、例えば、ネットワークNまたは公知の手段Mとのインターフェースである。通信部104は、ネットワークNまたは公知の手段Mを介して外部の装置と通信を行う。
情報処理装置100は、例えば、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける入力部をさらに備えてもよい。このような入力部として、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルあるいは音声入力装置といった入力デバイスを例示できる。
情報処理装置100は、例えば、プロセッサ101で処理されるデータや主記憶部102に記憶されるデータを出力する出力部を備えるものとしてもよい。このような、出力部として、Cathode Ray Tube(CRT)ディスプレイ、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパ
ネルあるいはプリンタといった出力デバイスを例示できる。
<情報処理装置41および42の処理ブロック>
図6は、証券会社1の情報処理装置41および銀行2の情報処理装置42の処理ブロックの一例を示す図である。図6では、送金依頼部201、送金受付部202、口座管理部203、記帳処理部204および調達部205の各処理ブロックが例示されている。例えば、図5のプロセッサ101が図6の各ブロックとして主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行する。ただし、図6のいずれかのブロックの少なくとも一部はハードウェア回路を含んでもよい。
プロセッサ101は、送金依頼部201として、ある口座から別の口座への送金依頼を行う。例えば、証券会社1の情報処理装置41の送金処理部201が、証券会社1における顧客9の口座19から銀行2における顧客9の口座29への送金依頼を行う。
プロセッサ101は、送金受付部202として、依頼された送金依頼を受け付ける。送金受付部202は、受け付けられた送金依頼にしたがって、口座管理部203に送金された資金の口座への振替を依頼する。例えば、銀行2の情報処理装置42の送金受付部202は、証券会社1の情報処理装置41の送金依頼部201から送金依頼を受け付ける。受け付けられた送金依頼にしたがって、銀行2の情報処理装置42の送金受付部202は、指定された口座への資金の振替を口座管理部203に依頼する。送金受付部202は、本発明の「送金の依頼を受け付ける手段」の一例である。
プロセッサ101は、口座管理部203として口座を管理する。口座管理部203は、さらに、設定された上限額を保持し、上限額を超えた残高を余剰資金とすることもできる。証券会社1の口座19に余剰資金が発生すると、例えば、証券会社1の情報処理装置41の口座管理部203は、発生した余剰資金を銀行2の口座29に送金する事が可能である。当該送金は、情報処理装置41の口座管理部203が情報処理装置41の送金依頼部に依頼することで実行される。
プロセッサ101は、記帳処理部204として、記帳処理を行う。記帳処理は、口座への入出金状況および残高等を記帳する。記帳された情報は、例えば、図5の補助記憶部103に記憶される。記帳処理部204は、本発明の「記帳によって振り替える手段」の一例である。
プロセッサ101は、調達部205として、外貨を調達する処理を行う。調達部205は、例えば、為替スワップ取引によって、国内通貨を基に外貨を調達する。調達部205は、本発明の「外貨を調達する手段」の一例である。
図7は、第1実施形態における外貨送金の処理の流れの一例を示す図である。図8は、第1実施形態における外貨送金の資金の移動の一例を示す図である。図8は、図7の各ステップでの資金の移動の一例である。すなわち、図8のS2からS7の記載は、図7のS2からS7にそれぞれ対応している。また、図8の実線の矢印は実際の資金移動を例示し、点線の矢印は実際の資金移動を伴わない帳簿上の処理を例示している。図7の処理は、顧客9が証券会社1に保有する口座19において余剰資金が発生し、当該余剰資金を顧客9が銀行2に保有する口座29に振り替える処理の一例である。この処理は、顧客9、証券会社1および銀行2による事前の契約によって、余剰資金発生が発生すると自動的に行
われる。すなわち、口座19から口座29への余剰資金の振替は、あらかじめ顧客9の承認を受けているものとする。以下、図7および図8を参照して、第1実施形態における外貨送金の処理について説明する。なお、第1実施形態では、1万ドルの余剰資金が発生したものとしているが、余剰資金の金額に限定は無い。
ステップS1では、情報処理装置41の口座管理部203は、顧客9が証券会社1に保有する口座19において発生した余剰資金を検出する。余剰資金は、例えば、口座19の残高が顧客9によって口座管理部203に設定された口座19の上限額を超えた場合に発生する。発生した余剰資金は、前述の契約に従い、証券会社1に顧客9が保有する口座19から銀行2に顧客9が保有する口座29に送金されることになる。そこで、余剰資金を検出した口座管理部203は、記帳処理部204にステップS2の処理を依頼する。さらに、ステップS1では、情報処理装置41の送金依頼部201は、コルレスバンク3の情報処理装置43に対し、口座11から口座21への1万ドルの送金を依頼する。送金を依頼されたコルレスバンク3は、宛先の口座に着金する日にちを情報処理装置41の送金依頼部201に通知する。ここでは、着金する着金日として<T+1>日が通知されたものとする。送金依頼部201は、通知された着金日を補助記憶部103に記憶する。なお、ステップS1に記載されている<T>は、送金指示が行われた日を表している。
ステップS2では、証券会社1の情報処理装置41の記帳処理部204は、口座19の余剰資金を証券会社1の口座11へ振り替える振替記帳を行う。この振替記帳の情報は、情報処理装置41および情報処理装置42で共有される。共有される情報は、例えば、振替元の口座情報、振替先の口座情報、振替金額等である。情報処理装置41および情報処理装置42で振替記帳の情報を共有する仕組みに限定は無い。例えば、情報処理装置41の送金依頼部201が情報処理装置42の送金受付部202に通知することで振替記帳の情報を共有可能である。また、例えば、情報処理装置41および情報処理装置42が記憶装置を共有し、共有した記憶装置に振替記帳の情報を記憶させてもよい。また、例えば、振替記帳の情報が、情報処理装置41および情報処理装置42との間でネットワークNを経由して授受されてもよい。ステップS2では、口座19から口座11への資金の移動は行われず、記帳処理のみが行われる。この処理は、<T+0>、すなわち、余剰資金発生と同日に行われる。
ステップS3では、ステップS2による振替記帳を検出した情報処理装置42の記帳処理部204は、証券会社1の口座21bから銀行2の自己勘定の口座22に1万ドルを振り替える。ステップS3では、口座21bから口座22への資金の移動は行われず、記帳処理のみが行われる。この処理は、<T+0>、すなわち、余剰資金発生と同日に行われる。
ステップS4では、銀行2の情報処理装置42の記帳処理部204は、1万ドルを銀行2の自己勘定の口座22から顧客9の口座29に振替記帳によって振り替える。ステップS4では、口座22から口座29への資金の移動は行われず、記帳処理のみが行われる。この処理は、<T+0>、すなわち、余剰資金発生と同日に行われる。ステップS4の処理によって、顧客9は、口座29に入金された1万ドルを用いた取引が可能となる。
ステップS1からS4の処理では、実際の資金の移動は行われず、記帳による帳簿上の処理となっている。そのため、ステップS1からS4の処理を行うと、証券会社1が銀行2に保有する口座21bでは、1万ドルの資金不足が発生する。そこで、発生した資金不足を解消するため、以下のステップS5からS7の処理が行われる。
ステップS5およびステップS7では、情報処理装置42の調達部205は、即日決済の為替スワップ取引によって外貨を調達する。この為替スワップ取引は、証券会社1と銀
行2の間で行われる。この為替スワップ取引では、<T+0>日の決済では、調達部205は、証券会社1が銀行2に保有する口座21aの円資金を基に1万ドルを調達する。この取引は、銀行2内での取引のため、当日の取引が可能である。また、調達部205は、<T+0>日の時点で、調達した1万ドルを受渡す反対取引を行う日、すなわち<T>日以降で外貨取引が可能な最短の日である<T+X>日を取得する。さらに、調達部205は、<T+X>日に行うドルと円の交換レートを取得する。この外貨取引が可能な最短の日である<T+X>日および交換レートを取得する方法には特に限定は無く、様々な公知の方法を適用できる。ステップS5の処理によって、<T+0>日に口座21bで発生する1万ドルの不足を埋め合わせることが可能となる。調達部205は、本発明の「取引可能日取得手段」の一例である。
ステップS6では、ステップS1で1万ドルの送金の依頼を受けたコルレスバンク3によって、証券会社1が銀行2に保有する口座21bに1万ドルが送金される。ステップS6の処理によって、口座21bに1万ドルが実際に入金される。ステップS6の処理は、コルレスバンク3による処理が介在するため、原則余剰資金が発生した翌営業日である<T+1>日に行われる。ステップS6の処理は、本発明の「送金された外貨を決済口座に入金する手段」の一例である。
ステップS7では、調達部205は、ステップS5で取得された交換レートで1万ドルの受渡を行い、円を調達する。調達された円は、口座21aに入金される。この受渡は、外貨取引が可能な最短の日、すなわち<T+X>日に行われる。<T+0>日の時点で円とドルの交換レートを取得しておくことで、為替レートの変動によるリスクが低減される。ステップS5およびステップS7の処理は、「為替スワップ取引」の一例である。ステップS5からS7の処理は、本発明の「外貨を調達する手段」の一例である。
第1実施形態では、実際の送金とは別に振替記帳すなわち帳簿上の処理によって資金を移動した。その結果、第1実施形態では、コルレスバンク3の営業日等の影響を受けることなく、証券会社1の口座19から銀行2の口座29に外貨を送金する事ができる。また、第1実施形態によれば、資金の移動を行った日である<T>日が証券会社1および銀行2の休日であっても、証券会社1の口座19から銀行2の口座29に外貨を送金する事ができる。
第1実施形態では、口座21bから口座22へ1万ドルを振替記帳すると、為替スワップ取引によって1万ドルを調達した。その結果、証券会社1は、事前に口座21bに外貨を入金しておかなくとも口座21bから口座22へ外貨の振替記帳を実施できる。また、外貨の調達を為替スワップ取引によって行う事で、外貨取引に伴う為替リスクが低減される。
第1実施形態では、証券会社1から銀行2への外貨の振替を説明した。しかしながら、本発明は証券会社1から銀行2への外貨の振替に限定されない。本発明は、銀行2から証券会社1への外貨の振替にも適用可能である。この場合、図8のS2、S3、S4、S5、S6およびS7における資金の流れを逆にすることで銀行2から証券会社1への外貨の振替が可能となる。なお、この場合、口座21では、外貨の資金不足が発生しない。そのため、S5およびS7の処理を実行しなくともよい。
第1実施形態では、証券会社1から銀行2への外貨送金を説明した。しかしながら、本発明が適用される金融機関は証券会社および銀行に限定されるわけではない。本発明は、外貨を取り扱う様々な金融機関に対して適用可能である。
第1実施形態では、国内通貨として「円」、外貨として「ドル」を用いた取引が例示さ
れた。しかしながら、第1実施形態では、国内通貨および外貨に限定は無い。たとえば、第1実施形態を欧州で実施する場合、国内通貨として欧州の通貨である「ユーロ」、外貨としてイギリスの通貨である「ポンド」を用いる事も可能である。
第1実施形態では、証券会社1の口座21aにあらかじめ円建てで預金されていた。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されない。証券会社1は、国内通貨であれば当日調達する事も可能である。そのため、本発明は、例えば、口座21aにあらかじめ円建てで預金せず、取引に応じて円を調達する構成を採用することも可能である。
第1実施形態では、顧客9が証券会社1に保有する口座19において余剰資金が発生すると、当該余剰資金は顧客9が銀行2に保有する口座29に自動的に振り替えられた。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されない。本発明は、例えば、顧客9による振替の指示にしたがって振替処理を実行することも可能である。
第1実施形態では、証券会社1から銀行2への外貨送金が実施されるたびに、証券会社1の情報処理装置41はコルレスバンク3の情報処理装置43に送金を依頼した。しかしながら、コルレスバンク3の情報処理装置43への送金依頼は、外貨送金が実施されるたびに行わなくともよい。証券会社1の情報処理装置41は、例えば、1日分の外貨送金による資金の移動を集計し、集計額に応じてコルレスバンク3の情報処理装置43に送金を依頼する事もできる。例えば、1日の外貨送金において、証券会社1から銀行2に1万ドルが送金され、銀行2から証券会社1に1万ドルが送金された場合、送受金の合計が±0となる。そのため、このような場合、証券会社1の情報処理装置41は、コルレスバンク3の情報処理装置43に対して送金を依頼しなくともよい。
第1実施形態では、証券会社1から銀行2へ外貨送金を行う度に為替スワップ取引が行われた。しかしながら、為替スワップ取引は外貨送金の度に行わなくともよい。例えば、外貨送金に用いられる口座が当座口座の場合、当日中の残高不足は許容される。そのため、1日分の外貨送金の過不足金額に応じて、為替スワップ取引を1日1回あるいは任意の回数に分けて随時行う構成とすることも可能である。
第1実施形態では、為替スワップ取引によるドルの受渡は、取引可能な最短の受渡可能日である<T+X>日に行われた。しかしながら、受渡を行う受渡日は、取引可能な最短の受渡可能日である<T+X>日に限定されるわけではない。為替スワップ取引によるドルの受渡は、<T+X>より後の日に実行する事も可能である。この場合、情報処理装置42の調達部205は、ドルの受渡を実行する日のドルと円の交換レートを取得すればよい。さらに、受渡を実行する日は、為替スワップの取引が可能であれば、証券会社1、銀行2またはコルレスバンク3の休日であってもよい。
第1実施形態では、証券会社1から送金された外貨は<T+1>日で銀行2に着金した。しかしながら、送金された外貨が着金する日は<T+1>日に限定されるわけではない。外貨が着金する日は、<T>日以降の日であれば限定はない。
第1実施形態では、図7のステップS6の外貨の着金日と図7のステップS7の受渡を実行する日とは、資金効率の観点から同日であることが好ましい。しかしながら、図7のステップS6の外貨の着金日と図7のステップS7の受渡を実行する日が同日であることに限定されるわけではない。たとえば、図7のステップS6の外貨の着金日が図7のステップS7の受渡を実行する日より前であってもよい。この場合、図7のステップS6の処理が実行されてから、図7のステップS7の処理が実行される。また、例えば、図7のステップS6の外貨の着金日が図7のステップS7の受渡を実行する日より後であってもよい。この場合、ステップS7を実行する際に証券会社1が銀行2に保有する口座21にお
いて、外貨資金不足が生じる虞がある。そこで、図7のステップS6によって外貨が着金するまでの間、図7のステップS5による為替スワップの処理をさらに実行することで、口座21で不足する外貨資金を補う事が可能である。
以上で開示した実施形態は本発明の範囲内で適宜変形する事ができる。
1・・・証券会社
2・・・銀行
3・・・コルレスバンク
11、19、21、21a、21b、22、31、32・・・口座
41、42、43・・・情報処理装置
9・・・顧客

Claims (8)

  1. 第1の種類の金融機関の口座を管理する情報処理装置であって、
    第2の種類の金融機関における第2口座において予め設定された上限額を超えた残高である余剰資金を検出した前記第2の種類の金融機関の情報処理装置から顧客口座への前記余剰資金の額の外貨の送金の依頼を受け付ける手段と、
    前記送金の依頼にしたがって前記第2の種類の金融機関が前記第1の種類の金融機関内に有する決済口座から前記余剰資金の額の外貨を実際の資金移動は行わず、記帳による帳簿上の資金の移動である振替記帳によって前記顧客口座に振り替える手段と、
    前記送金の依頼にしたがって送金される外貨を前記決済口座に入金する手段と、を備え、
    前記振り替える手段は、前記余剰資金を検出した日と同日に前記振替記帳を実行する、
    情報処理装置。
  2. 前記決済口座は国内通貨による口座と外貨による口座を含み、
    前記国内通貨による口座から前記余剰資金の額に対応する国内通貨の支払いを受け取り、前記支払われた国内通貨によって前記余剰資金の額の外貨を調達する手段をさらに備える、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 送金の依頼を受け付けた日以降の日であって、外貨取引可能な日を取得する取引可能日取得手段をさらに備え、
    前記外貨を調達する手段は、
    前記外貨の送金を受け付けた日には、前記国内通貨による口座から前記余剰資金の額に対応する国内通貨の支払いを受け取り、前記支払われた国内通貨によって前記余剰資金の額の外貨を調達し、かつ、前記取引可能日取得手段によって取得された日に行われる国内通貨と外貨の交換レートを取得し、
    前記取引可能日取得手段によって取得された日には、前記決済口座に入金された外貨を前記取得された交換レートで受渡することで国内通貨を調達する為替スワップ取引である、
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 第1の種類の金融機関と第2の種類の金融機関との間における外貨送金の方法であって、前記第1の種類の金融機関の情報処理装置が、
    前記第2の種類の金融機関における第2口座において予め設定された上限額を超えた残高である余剰資金を検出した前記第2の種類の金融機関の情報処理装置から顧客口座への前記余剰資金の額の外貨の送金の依頼を受け付け、
    前記送金の依頼にしたがって前記第2の種類の金融機関が前記第1の種類の金融機関内に有する決済口座から前記余剰資金の額の外貨を実際の資金移動は行わず、記帳による帳簿上の資金の移動である振替記帳によって前記顧客口座に振り替え、
    前記送金された外貨を前記決済口座に入金し、
    前記振替記帳を、前記余剰資金を検出した日と同日に実行する、
    外貨の送金方法。
  5. 第1の種類の金融機関と第2の種類の金融機関との間における外貨送金を行うプログラムであって、前記第1の種類の金融機関の情報処理装置に、
    前記第2の種類の金融機関における第2口座において予め設定された上限額を超えた残高である余剰資金を検出した前記第2の種類の金融機関の情報処理装置から顧客口座への前記余剰資金の額の外貨の送金の依頼を受け付け、
    前記送金の依頼にしたがって前記第2の種類の金融機関が前記第1の種類の金融機関内に有する決済口座から前記余剰資金の額の外貨を実際の資金移動は行わず、記帳による帳簿上の資金の移動である振替記帳によって前記顧客口座に振り替え、
    前記送金された外貨を前記決済口座に入金させ、
    前記振替記帳を、前記余剰資金を検出した日と同日に実行させる、
    プログラム。
  6. 第2の種類の金融機関の口座を管理する情報処理装置であって、
    第1の種類の金融機関における第1口座において予め設定された上限額を超えた残高である余剰資金を検出した前記第1の種類の金融機関の情報処理装置から顧客口座への前記余剰資金の額の外貨の送金の依頼を受け付ける手段と、
    前記送金の依頼にしたがって前記第2の種類の金融機関が前記第2の種類の金融機関内に有する自己勘定口座から前記余剰資金の額の外貨を実際の資金移動は行わず、記帳による帳簿上の資金の移動である振替記帳によって前記顧客口座に振り替える手段と、
    前記送金の依頼にしたがって送金される外貨を前記自己勘定口座に入金する手段と、を備え、
    前記振り替える手段は、前記余剰資金を検出した日と同日に前記振替記帳を実行する、
    情報処理装置。
  7. 第1の種類の金融機関と第2の種類の金融機関との間における外貨送金の方法であって、前記第2の種類の金融機関の情報処理装置が、
    前記第1の種類の金融機関における第1口座において予め設定された上限額を超えた残高である余剰資金を検出した前記第1の種類の金融機関の情報処理装置から顧客口座への前記余剰資金の額の外貨の送金の依頼を受け付け、
    前記送金の依頼にしたがって前記第2の種類の金融機関が前記第2の種類の金融機関内に有する自己勘定口座から前記余剰資金の額の外貨を実際の資金移動は行わず、記帳による帳簿上の資金の移動である振替記帳によって前記顧客口座に振り替え、
    前記送金の依頼にしたがって送金される外貨を前記自己勘定口座に入金し、
    前記振替記帳を、前記余剰資金を検出した日と同日に実行する、
    外貨の送金方法。
  8. 第1の種類の金融機関と第2の種類の金融機関との間における外貨送金を行うプログラ
    ムであって、前記第2の種類の金融機関の情報処理装置に、
    前記第1の種類の金融機関における第1口座において予め設定された上限額を超えた残高である余剰資金を検出した前記第1の種類の金融機関の情報処理装置から顧客口座への前記余剰資金の額の外貨の送金の依頼を受け付け、
    前記送金の依頼にしたがって前記第2の種類の金融機関が前記第2の種類の金融機関内に有する自己勘定口座から前記余剰資金の額の外貨を実際の資金移動は行わず、記帳による帳簿上の資金の移動である振替記帳によって前記顧客口座に振り替え、
    前記送金の依頼にしたがって送金される外貨を前記自己勘定口座に入金させ、
    前記振替記帳を、前記余剰資金を検出した日と同日に実行させる、
    プログラム。
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