JP6766858B2 - ねじ込み式鋼管杭 - Google Patents
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Description
ねじ込み式鋼管杭は、杭体を回転させることにより、回転翼の下方の土砂を回転翼の上部に押し上げ、その反力を推進力として土中に食い込んでいくようにしたものであり、土に食い込む際の翼刃先の抵抗と回転に伴う回転翼上面の摩擦抵抗が主な回転抵抗となり、硬い地盤で土中へ食い込むためには大きな回転トルクが必要となる。また、施工完了後は、回転翼により大きな支持力を得ることができる。
杭先端が閉塞されているものは、杭径分を含む翼下面全面で支持力を発揮できるが、杭径より内側の土砂については、上部に押し上げるだけでなく杭径の外側に押し出すことが必要であり、非常に大きな回転トルクを要する。そのため、径が大きい場合には施工性に問題が生じる恐れがある。
もっとも、施工中に杭体内に土砂が詰まって開口部を塞いでしまうことがあるが、その場合には上述した杭先端が閉塞されたものと同様になる。
非常に硬い地盤においては、回転抵抗が大きくなりすぎて、杭体の許容ねじり強度を超えてしまい、施工時に杭体が破損してしまうことがある。それを防止するために一定の回転トルクに達した場合、一旦回転を停止し、逆回転で杭体を引き上げた後にもう一度正回転させるということを繰り返すことにより地盤を緩めて、回転翼刃先の抵抗を小さくし、少しずつ貫入させるということが行われている。
まず、回転停止、逆回転での引き上げ、正回転を繰り返すため、多大な時間を要して施工能率が低下してしまう。また、上記のような施工を行っても、回転翼の上面の土が常に存在しているので、回転に伴う翼上面の摩擦抵抗には影響なく、回転抵抗の減少には限界がある。さらに、繰り返しの回数が多くなりすぎた場合には、支持力が低下してしまう恐れがある。
しかし、回転トルクが大きすぎる場合に対応するために回転翼を小さくすると必要な支持力が得られなくなる。他方、推進力が不足する場合に対応するために回転翼を大きくすると製作コストが上昇することや、隣接する杭との間隔が狭くなり、回転翼が接触したり支持力へ悪影響を与える恐れがある。
このように、回転翼の大きさの変更は必ずしも実用的ではない。
したがって、特許文献3に開示された土砂掻込み突起は、杭の施工性の向上に等に資するもではない。
回転貫入中に前記回転翼の上面に移動した土砂が、前記回転翼の回転に伴い外方及び/又は内方へ移動するように土砂の移動を制御する土砂移動制御部材を、前記回転翼における前記傾斜部の上面に設けたことを特徴とするものである。
回転貫入中に前記回転翼の上面に移動した土砂が、前記回転翼の回転に伴い外方及び/又は内方へ移動するように土砂の移動を制御する土砂移動制御部材を、前記回転翼における前記傾斜部の上面に設けたことにより、硬い地盤や粘性土地盤であっても、支持力が低下したり、大きな製作コストの上昇を招いたりすることなく、施工性を向上させることができる。
本実施の形態に係るねじ込み式鋼管杭1は、硬い地盤で回転貫入時の回転抵抗が大きい場合に好適なものであって、図1に示すように、推進力を得るために鋼管3の先端又は先端近傍に周方向に傾斜した傾斜部を有する回転翼5を設けたものであって、回転翼5における前記傾斜部の上面に、回転貫入中に回転翼5の上面に移動した土砂を外側に移動させる土砂移動制御部材としての外動突起7(図1(a)参照)を設けたことを特徴とするものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
鋼管3は杭の主な構成要素であり、先端は閉塞していても、開口していてもよい。
回転翼5は、回転によって、推進力を得るためのものであり、鋼管3の先端又は先端近傍に取り付けられている。なお、実施の形態の回転翼5は地盤を掘削する機能も備えている。
本実施の形態の回転翼5は、図1に示されるように、円周の一か所が切り欠いた螺旋状のドーナツ板からなる。ドーナツ板は、鋼管3の周囲に、施工時において深度の深い側(図中のA点)から、深度の浅い側(図中のB点)に向かって螺旋状に巻き付いて取り付けられている。したがって、回転翼5は、その全体が周方向で高低差のある傾斜した傾斜部となっている。もっとも、本発明の回転翼は全体が周方向に傾斜していることは必須ではなく、例えば一部に平坦な部分があるものを排除するものではない。
なお、図1は説明に必要な限りにおいて翼面等を図示した説明図であり、回転翼5の螺旋を正確に図示したものではない。この点は、図2以降の図面においても同様である。
外動突起7は、本発明の土砂移動制御部材の一態様であり、回転貫入中に回転翼5の上面に移動した土砂を、回転翼5の回転に伴って、土砂が下方に推進力を与えつつ外側に移動、換言すれば積極的に押し出す機能を有している。
上記の機能を有する外動突起7は、回転翼5の傾斜部の上面における深度の深い側の近傍に設けられた筋状の突起状体からなる。外動突起7は、回転翼5の径方向に対して傾斜して配置され、より具体的には、一端側が回転翼5における回転方向で深度の深い側に配置され、他端側が深度の浅い側に配置されている。そして、杭中心と外動突起7の深度が深い側の端部を繋ぐ線分の長さをLa、杭中心と突起の深度が浅い側の端部を繋ぐ線分の長さをLbとすれば、La<Lbとなる。つまり、外動突起7における鋼管杭に近い側の端(内端)が深度の深い側に配置され、回転翼5の外周側の端(外端)が深度の浅い側に配置されている。
外動突起7は、溶接、篏合、あるいはボルト固定等により回転翼5に取り付けるが、着脱可能にすることで、地盤の状況に応じて取り付け取り外しができて好ましい。
なお、これらの点は、後述の実施の形態2における内動突起13についても同様である。
図2は回転翼5に外動突起7を設けていないねじ込み式鋼管杭9を示しており、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図である。また、図2における回転翼5の上部に描いた2つの黒丸は回転前に回転翼5の上側に存在した土砂を表している。そして、図3(a)はこの状態の矢視a−a図であり、回転翼5の下方に描いた白丸は回転翼5の下側に存在する土砂を表している。図2、図3において、図1と同一部分には同一の符号を付してある。
まず、図2、図3に基づいて、外動突起7が取り付けられていない従来例のねじ込み式鋼管杭9を地盤に回転貫入する際の土砂の動きを説明する。
しかし、回転翼5の回転によって回転翼5の上側に移動する土砂を成り行き任せではなく、回転翼5の上側の土砂の量を積極的に制御すれば、推進力と回転抵抗を制御することができる。
また、図4に示すように、外動突起7を複数個所に設けてもよい。
本実施の形態のねじ込み式鋼管杭11は、施工時の回転抵抗が上がらず、十分な推進力が得られない地盤の場合に好適なものであって、図5に示すように、回転翼5における傾斜部の上面の土砂を回転に伴い回転翼5の内方に移動させる筋状の内動突起13を設けたものである。図5において、実施の形態1と同一部分には同一の符号を付してある。
また、図6に示すように、内動突起13は複数個所に設けてもよい。
地盤の状況は様々であり、同じ地盤において、抵抗が上がらない深度と、抵抗が大きくなりすぎる深度が存在する場合もある。
また、回転翼5における土砂移動制御部材を設ける位置によってその効果も違ってくる。一般的には、土砂を外側に押し出す場合には、回転翼5における深度の深い側に設けるほうが深度の浅い側に設けるよりも効果が高くなる。何故なら、回転翼5の回転によって回転翼5の上面に移動した土砂を早期に外側に押し出すことができるからである。
逆に、土砂を内側に移動させる場合には、一般的には回転翼5における深度の浅い側に設けるほうが深度の深い側に設けるよりも効果が高くなる。何故なら、土砂移動制御部材が回転翼5の深度の浅い側で土砂をせき止めるように作用するので、回転翼5の広い領域に土砂が留まりやすくなるからである。
本実施の形態は、このような場合のねじ込み式鋼管杭15であり、図7に示すように、回転翼5における深度の深い側に土砂を外側に押し出す外動突起7を設け、回転翼5における深度の浅い側に土砂を内側に移動させる内動突起13を設けたものである。
粘性土層では、外動突起7が土砂を外側に押し出そうとするため、外動突起7は粘性土層ではマイナスに作用するが、粘性土は外動突起7を乗り越えて、深度の浅い側に取り付けている内動突起13によって内側に移動する傾向が強く、粘性土層では全体として外動突起7のマイナス面越えてプラスに作用する。
また、支持層では、硬い土砂が深度の深い側に取り付けられている外動突起7によって早期に外側に押し出されることで、回転貫入時の回転抵抗が小さくなり、円滑な貫入を可能にする。
さらに言えば、外動突起7と内動突起13を設ける最適な位置や数等は最適施工する地盤の状況によって異なるので、外動突起7と内動突起13を着脱可能とし、かつ外動突起7と内動突起13の取り付け可能位置を複数設けておき、現場の地盤状況に応じて、効果が期待される外動突起7及び/又は内動突起13を効果が期待できる箇所に適宜取り付け、あるいは取り外すようにすればよい。
しかし、本発明にかかるねじ込み式鋼管杭における回転翼はこれに限られるものではなく、前述したように特許文献1に開示されたような2枚の平板翼を組み合わせたものや、平板翼と螺旋翼を組み合わせたものも含む。
平板翼を組み合わせたものを例示すれば、図9に示すように、周方向で傾斜するように取り付けた2枚の平板翼17a、17bからなる回転翼17が挙げられる。図9には土砂移動制御部材としての外動突起や内動突起は図示していないが、これらは実施の形態1〜3で示したのと同様に取り付けられる。
さらに言えば、本発明の回転翼は、周方向に傾斜した傾斜部を有するもので、回転に際して傾斜面によって推進力を発揮するものであれば、その形状や翼の枚数等は特に限定されるものではない。
3 鋼管
5 回転翼
7 外動突起
9 ねじ込み式鋼管杭(従来例)
11 ねじ込み式鋼管杭(実施の形態2)
13 内動突起
15 ねじ込み式鋼管杭(実施の形態3)
17 回転翼(他の態様)
17a、17b 平板翼
Claims (5)
- 鋼管の先端又は先端近傍に、周方向に傾斜した傾斜部を有する回転翼を設けたねじ込み式鋼管杭であって、
回転貫入中に前記回転翼の上面に移動した土砂が、前記回転翼の回転に伴い外方及び/又は内方へ移動するように土砂の移動を制御する土砂移動制御部材を、前記回転翼における前記傾斜部の上面に設けたことを特徴とするねじ込み式鋼管杭。 - 前記土砂移動制御部材は、前記回転翼における前記傾斜部の上面の土砂を回転に伴い前記回転翼の外側に押し出すように移動させることを特徴とする請求項1記載のねじ込み式鋼管杭。
- 前記土砂移動制御部材は、前記回転翼における前記傾斜部の上面の土砂を回転に伴い前記回転翼の内方に移動させることを特徴とする請求項1記載のねじ込み式鋼管杭。
- 前記土砂移動制御部材は、前記回転翼における前記傾斜部の上面の土砂を回転に伴い前記回転翼の外側に押し出すように移動させる外側移動部材と、前記回転翼における前記傾斜部の上面の土砂を回転に伴い前記回転翼の内方に移動させる内側移動部材とを備えてなることを特徴とする請求項1記載のねじ込み式鋼管杭。
- 前記土砂移動制御部材が着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のねじ込み式鋼管杭。
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