JP6526469B2 - 掘削装置 - Google Patents

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本発明は、掘削装置に係るものである。
従来、下部に掘削ヘッドを設けた掘削軸の外周に螺旋状にスクリュー翼を設けてスクリューを構成し、スクリュー翼の外周に螺旋状に板部材を設けた構成は公知である(特許文献1参照)。
特許文献1の螺旋状の板部材は、スクリュー翼により排出した土砂がこぼれ落ちるのを防止するものであり、スクリュー翼の外周縁に板部材の上下中間部を螺旋状に固定している。
また、スクリュー翼の外周に螺旋状に板部材を設けた構成も公知である(特許文献2参照)。
特公平7ー72468号公報 特開2014−218817号公報
前記公知例の何れも、スクリュー翼の外周縁に板部材の上下中間部を螺旋状に固定しているので、スクリュー翼の上側の翼面の外周に板部材が存在することになり、スクリュー翼の搬送能力を低下させるという課題がある。
即ち、特許文献1のものは、排出土砂のこぼれ防止を目的とし、掘削性能低下を考慮していない。
また、特許文献2のものは、全周回転圧入機構によりスクリューを圧入するために、スクリュー翼の螺旋状の板部材を全周回転圧入機構の把持部としており、掘削性能低下を考慮していない。
この場合、スクリュー翼による搬送は、通常、スクリュー翼の上側の翼面が搬送面となり、搬送面上の土砂は縦孔の壁面との摩擦により上昇搬送されるが、スクリュー翼の搬送面外側に立ち上がる板部材を設けると、搬送面上に壁面と接触していない土砂が発生し、その分、搬送能力が低下し、その結果、スクリュー翼の掘削能力を低下させることになる。
本願は、スクリューの構成を工夫し、掘削能力を低下させずに、鉛直精度の高い掘削作業を可能にするようにしたものである。
請求項1の発明は、下部に掘削ヘッド13を設けたスクリュー翼12に、掘削ヘッド13を有しないスクリュー翼12を軸方向に複数本連結してスクリュー10を構成し、スクリュー翼12の、少なくとも、中間部は除き、上部または下部の何れか一方または両方に、掘削縦孔の内面に当接してスクリュー10が傾斜するのを阻止するスタビライザ部14を設け、スタビライザ部14は、垂直板状の板部材15を、スクリュー翼12の土砂搬送面16の外周縁から下側に向かって螺旋状に設けた構成とし、前記スタビライザ部14は、少なくとも、スクリュー翼12の一周以上の縦長さに形成した掘削装置としたものである。
請求項1の発明では、上下所定幅を有する垂直の板部材15を、スクリュー翼12の土砂搬送面16の外周縁から下側に向かって螺旋状に設けた構成としたスタビライザ部14を設けているので、掘削能力を低下させずに、鉛直精度を高精度にした掘削作業ができ、掘削能力を低下させずに、スタビライザ部14による鉛直精度を高くするのに十分な形状としている。
掘削装置の側面図。 スクリュー翼単体の側面図。
本発明の一実施形態図により説明する。図1に示したように、1はベースマシンであり、ベースマシン1のステー2により支持するリーダ3に掘削装置4の回転駆動部5を着脱自在および上下自在に取付ける。
掘削装置4は、回転駆動部5にスクリュー10の上部を着脱自在に取付ける。スクリュー10は、掘削軸11の外周に螺旋状にスクリュー翼12を設け、掘削軸11の下部には掘削ヘッド13を設ける。11Aはジョイントであり、スクリュー10は複数のスクリュー翼12を上下に連結して構成することもある。
スクリュー10は、スクリュー翼12および掘削ヘッド13を駆動回転させて地盤の掘削する。
この場合、地盤の性状変化や、掘削縦孔壁面が自立せずに、崩壊しやすい地盤では、スクリュー10が鉛直方向に掘進しているにもかかわらず、スクリュー10の掘削先端が変位し、掘削縦孔が曲がる孔曲がり現象が発生することがあり、孔曲がり現象が起きると、掘削後に孔に杭や芯材等を挿入できず、また、地中止水壁造成施工では、連続ラップした掘削縦孔に隙間ができ、止水壁として機能しないという事態が生じる。
本願では、スクリュー翼12の一部に、スタビライザ部14を設けて、スクリュー10の鉛直方向に掘進するようにし、掘削縦孔の鉛直精度を高めている。スタビライザ部14は、上下方向に所定長さを有する垂直の板部材15を、スクリュー翼12の土砂搬送面16の外周縁から下側に向かって外周に沿うように螺旋状に取付けて構成する。
スクリュー10が掘削縦孔の鉛直線から外れて、傾斜しようとすると、スタビライザ部14が掘削縦孔の内面に当接して、スクリュー10が傾斜するのを阻止して、垂直な掘削縦孔を掘削する。
また、スタビライザ部14の下端17は、下端17の下方のスクリュー翼12の土砂搬送面16との間に隙間18を開けて設ける。
即ち、側面視において、スクリュー翼12のピッチより上下長さが小さい板部材15を、所謂リボン状にスクリュー翼12の土砂搬送面16の外周縁に設けて、スタビライザ部14を構成している。
スタビライザ部14のスクリュー10の軸心方向の長さは、任意であるが、スクリュー10が傾斜したとき、傾斜を修正可能な範囲で掘削縦孔の内面に当接するように構成する。
本例では、少なくとも、掘削軸11をスクリュー翼12が一周以上巻いた状態となる縦長さに、スクリュー翼12にスタビライザ部14を設ける。
即ち、スクリュー翼12のワンピッチより長い縦長さにスタビライザ部14を設ける。
また、スクリュー10は、1乃至複数のスクリュー翼12により構成し、図2は、単独のスクリュー翼12を示しており、また、図1は、複数のスクリュー翼12を連結してスクリュー10を構成している。この場合、スクリュー10は、掘削する深さによって、スクリュー翼12の連結本数を設定している。
(実施形態の作用)
ベースマシン1のリーダー3に掘削装置4の回転駆動部5を装着し、回転駆動部5を駆動させ、スクリュー10のスクリュー翼12および掘削ヘッド13を回転させ、掘削装置4を地盤Gに向けて降下させると、スクリュー翼12および掘削ヘッド13により地盤Gを掘削して、掘削縦孔を形成する。
この場合、地盤の性状変化や、掘削縦孔壁面が自立せずに、崩壊しやすい地盤では、スクリュー10を鉛直方向に掘進させているにもかかわらず、スクリュー10の掘削先端が変位し、掘削縦孔が曲がる孔曲がり現象が発生することがあるが、本願では、スクリュー翼12の一部にスタビライザ部14を設けているので、スクリュー10が掘削縦孔の鉛直線から外れて、傾こうとすると、スタビライザ部14が掘削縦孔の内面に当接して、スクリュー10が傾むくのを阻止して、垂直な掘削縦孔を掘削する。
スタビライザ部14は、所定幅有する垂直の板部材15を、スクリュー翼12の土砂搬送面16の外周縁から下側に向かって外周に沿うように螺旋状に取付けて構成しているので、スクリュー翼12の外周縁が掘削縦孔内面を崩す前に、スタビライザ部14が当接して、スクリュー10の傾斜を修正する。
また、スタビライザ部14は、スクリュー翼12の外周に沿うように螺旋状に取付けて構成しているので、掘削能力を低下させずに、鉛直精度を高くできる。
即ち、スタビライザ部14は、所定幅有する垂直の板部材15を、スクリュー翼12の土砂搬送面16の外周縁から下側に向かって外周に沿うように螺旋状に取付けて構成しているので、スクリュー翼12の上側の土砂搬送面16は掘削縦孔の壁面に対峙しており、土砂搬送面16の全面が搬送作用を奏し、スクリュー翼12の掘削能力を低下させずに、鉛直精度を高く保持できる。
また、スタビライザ部14の下端17は、下端17の下方のスクリュー翼12の土砂搬送面16との間に隙間18を開けて構成しているので、下方のスクリュー翼12の土砂搬送面16と掘削縦孔の壁面の間も開放され、この点でも、土砂搬送面16の搬送作用を確保して、スクリュー翼12の掘削能力を低下させずに、鉛直精度を高く保持できる。
スタビライザ部14は、スクリュー10の軸心方向に所定長さを有して形成しているので、掘削中に掘削縦孔壁面に与える面圧を低減させられ、スタビライザ部14による掘削縦孔壁面の掘削を抑制し、鉛直精度の高い掘削作業を可能にする。
即ち、少なくとも、スクリュー翼12の一周以上の縦長さにスタビライザ部14を形成しているので、掘削中に掘削縦孔壁面に与える面圧を低減させられ、孔曲がり現象発生を防止する。
1…ベースマシン、2…ステー、3…リーダ、4…掘削装置、5…回転駆動部、10…スクリュー、11…掘削軸、12…スクリュー翼、13…掘削ヘッド、14…スタビライザ部、15…板部材、16…土砂搬送面、17…下端、18…隙間。

Claims (1)

  1. 下部に掘削ヘッド13を設けたスクリュー翼12に、掘削ヘッド13を有しないスクリュー翼12を軸方向に複数本連結してスクリュー10を構成し、スクリュー翼12の、少なくとも、中間部は除き、上部または下部の何れか一方または両方に、掘削縦孔の内面に当接してスクリュー10が傾斜するのを阻止するスタビライザ部14を設け、スタビライザ部14は、垂直板状の板部材15を、スクリュー翼12の土砂搬送面16の外周縁から下側に向かって螺旋状に設けた構成とし、前記スタビライザ部14は、少なくとも、スクリュー翼12の一周以上の縦長さに形成した掘削装置。
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