JP6766592B2 - 定着装置、画像形成装置及び定着回転部材 - Google Patents
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Description
図1には、本実施形態の画像形成装置10が示されている。なお、以下の説明では、図1に矢印Yで示す方向を装置高さ方向、矢印Xで示す方向を装置幅方向とする。また、装置高さ方向及び装置幅方向のそれぞれに直交する方向(Zで示す)を装置奥行き方向とする。そして、画像形成装置10を正面視して、装置高さ方向、装置幅方向、装置奥行き方向をY方向、X方向、Z方向と記載する。さらに、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視して、上側をY側、下側を−Y側、右側をX側、左側を−X側、奥側をZ側、前側を−Z側と記載する。
次に、定着装置20について説明する。
定着ロール22は、軸部材の一例としての芯金23と、芯金23に積層されている弾性層27と、弾性層27に積層されている離型層28とを有する構成とされている。また、定着ロール22は、用紙Pの搬送経路Aに対して、トナー像G側(X側)にZ方向を軸方向として、該軸周りに回転可能に配置されている。つまり、定着ロール22は、用紙Pの搬送方向と直交するZ方向を軸方向として回転して、用紙P上のトナー像Gと接触するようになっている。なお、定着ロール22は、芯金23のZ側端部が図示しないモータにより回転駆動される。
図2に示す芯金23は、一例として、Z方向を軸方向として延びているアルミニウム製の円筒体で構成されている。また、芯金23は、詳細は後述するが、接地されている。さらに、芯金23は、Z方向に区分された軸部24と、拡径部25と、接触部26とを備えており、Z方向に沿った中心軸K周りに回転可能に設けられている。
図3(B)に示す弾性層27は、一例として、シリコーンゴム製であり、芯金23の軸部24の外周に積層されている。弾性層27は、拡径部25には形成されていない。また、弾性層27は、Z方向に見たときの断面が円環状に形成されている。さらに、弾性層27の径方向の厚さは、Z方向の各部においてほぼ同じ厚みに揃えられている。弾性層27のZ方向の両端面の一部は、拡径部25の両内側面と接触している。なお、本実施形態では、一例として、弾性層27の径方向の一部が拡径部25の外周面25Aよりも径方向の外側に突出されている。
離型層28は、弾性層27の外周に積層されている。また、離型層28は、弾性層27よりも抵抗(体積抵抗率)が高い材料で構成されており、一例として、PFA(パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)により構成されている。離型層28は、拡径部25には形成されていない。また、離型層28は、Z方向に見たときの断面が円環状に形成されている。さらに、離型層28の径方向の厚みは、Z方向の各部においてほぼ同じ厚みに揃えられている。離型層28のZ方向の両側端面は、一例として、拡径部25の両内側面と接触していない。
図3(A)に示す加圧部材32は、一例として、加圧ベルト34と、パッド部材36とを有する。
図2に示す加圧ベルト34は、一例として、Z方向両端部の外径dBが中央部の外径dAとほぼ等しい形状(フラット形状)のエンドレスベルトとされている。また、加圧ベルト34は、用紙Pの搬送経路A(図3(A)参照)に対して定着ロール22側とは反対側(−X側)にZ方向を軸方向として、該軸周りに回転(周回移動)可能に配置されている。加圧ベルト34は、一例として、定着ロール22とX方向に並んでいる。
パッド部材36は、一例として、PET(ポリエチレンテレフタレート)製であり、Z方向の幅が加圧ベルト34のZ方向の幅とほぼ同じ長さで、Z方向に長い長尺状の部材である。また、図3(A)に示すように、パッド部材36は、X−Y断面がX方向に長い矩形状とされている。パッド部材36の−Y側部分は、定着ロール22に向けて凸となるR形状とされている。さらに、パッド部材36は、加圧ベルト34の内側でZ方向両端部が図示しないホルダに固定されることにより、加圧ベルト34の内側に設けられている。このホルダは、後述するニップ部Nを形成するときに、図示しないバネを含むリトラクト機構部により定着ロール22側に向けて押し付けられるようになっている。
図3(A)に示すハロゲンヒータ42は、一例として、芯金23の内側にZ方向を軸方向として芯金23とは非接触状態で設けられている。また、ハロゲンヒータ42は、画像形成装置10(図1参照)の図示しない電源からの通電により発熱し、芯金23を加熱することで、定着ロール22全体を加熱するようになっている。ハロゲンヒータ42への通電の有無は、定着ロール22の外周面の温度を検知する図示しない温度センサの検知結果に基づいて行われる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
次に、本実施形態の定着ロール22と比較例の定着ロールとを用いた各種評価について説明する。
以下の方法により、本実施形態の定着ロール22と比較例の定着ロールとを作製した。
厚み1〔mm〕、外径φ29〔mm〕、軸方向長さ350〔mm〕のアルミニウム製(モリタ興産製A−5052)の芯金の軸方向中央部に、切削加工機(Roland社製SRM−20)を用いて、350〔mm〕全周に亘って切削加工を施し、段差部を形成した。
段差部が形成された芯金を弾性層塗布工程用の金型に挿入し、金型の軸方向を略水平方向に保ちながら芯金を周方向に回転させる回転台に設置した。そして、芯金を回転させた状態で、ノズルを軸方向に移動させながら、ノズルから外径の小さい軸部の外周に向けて塗布液を吐出させた。このように、塗布方式としてフローコート法を用いた。塗布液としては、溶媒ヘプタン中にシリコーンゴムを50〔質量%〕含む液状シリコーンゴム塗布液を用いた。軸部に塗布した液状シリコーンゴム塗布液を、ノズル移動に伴って、平板状SUS(ステンレス鋼)板でならした後、回転乾燥炉内にて乾燥させた。続いて、加熱炉内において加硫を行った。軸部の外周に積層された弾性層の膜厚は、300〔μm〕であった。
弾性層まで形成した管状体の外径よりも2〔%〕小径である厚み30〔μm〕のPFAチューブを準備して、このPFAチューブを、内径がこの管状体の外径よりも0.8〔%〕大径である外型の内周に配置した。そして、このPFAチューブの内側に、弾性層まで形成した管状体を挿入した状態で、このPFAチューブを外型から外して、弾性層の外周に被覆した(積層させた)。さらに、室温(25〔℃〕)で24時間放置した後で加熱し、厚み30〔μm〕の離型層を形成した。
富士ゼロックスオフィスサプライ社製P紙(A4サイズ)に黒色トナーを用いたベタ画像を形成して定着を行った。そして、定着後の定着ロールの外周面を目視確認して、トナーの残留が顕著な場合をNG、トナーの残留が見られない又はトナーの残留が僅かである場合をOKと判定した。
画質評価は、静電気オフセット評価において排出されたP紙のベタ画像を目視で確認して、画像ムラの発生度合でランク分けした。目視レベルで画像ムラが見られないものをAランク、かすかに画像ムラが見られるものをBランク、明確に画像ムラが見られるものをCランク、顕著に画像ムラが見られるものをDランクと判定した。なお、Aランク又はBランクが実使用レベルでOKであり、Cランク、Dランクについては実使用レベルでNGである。
図4(A)には、離型層28の外周面28Aの非加圧状態における突出高さh(図3(B)参照)と、加圧ベルト34(図2参照)の表面電位との関係を示すグラフが示されている。また、図4(B)には、図4(A)の突出高さhについて、150〔μm〕から190〔μm〕までを10〔μm〕間隔で設定した場合の加圧ベルト34の表面電位が示されている。なお、図4(A)、(B)では、各プロットを既述の画質評価のランクで区別して示している。表面電位〔V〕の測定については、トレック・ジャパン社製の表面電位計(Model344)を用いて測定した。
14 画像形成部(現像剤像形成手段の一例)
20 定着装置
22 定着ロール(定着回転部材の一例)
23 芯金(軸部材の一例)
24 軸部
25 拡径部
26 接触部
27 弾性層
28 離型層
32 加圧部材
35 外周部
42 ハロゲンヒータ(加熱源の一例)
44 接地端子
N1 第1ニップ部
N2 第2ニップ部
Claims (4)
- 軸部と該軸部の軸方向の両端部よりも外側で該軸部の径方向に拡大されている拡径部とを備えた軸部材と、前記軸部の外周に積層されている弾性層と、外周面が前記拡径部の外周面よりも径方向に突出するように該弾性層に積層され該弾性層よりも抵抗が高い離型層と、を有し、前記軸部材において接地された状態で回転しながら加熱源により加熱され、記録媒体上の現像剤と接触する定着回転部材と、
導電性を有し前記離型層の外周面と接触して第1ニップ部を形成すると共に前記拡径部の外周面と接触して第2ニップ部を形成する外周部を備え、前記定着回転部材と共に記録媒体を加圧する加圧部材と、
を有する定着装置。 - 前記拡径部の外周面に対する前記離型層の外周面の径方向の突出高さは、前記定着回転部材の非加圧状態において、10μm以上160μm以下である請求項1に記載の定着装置。
- 現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、
前記現像剤像形成手段で形成された現像剤像を前記記録媒体に定着する請求項1又は請求項2に記載の定着装置と、
を有する画像形成装置。 - 軸部と該軸部の軸方向の両端部よりも外側で該軸部の径方向に拡大されている拡径部とを備えた軸部材と、前記軸部の外周に積層されている弾性層と、外周面が前記拡径部の外周面よりも径方向に突出するように該弾性層に積層され該弾性層よりも抵抗が高い離型層と、前記軸部材に設けられ接地端子が接触する接触部と、を有し、前記軸部材において接地された状態で回転しながら加熱源により加熱され、記録媒体上の現像剤を定着させる定着回転部材。
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