JP6766387B2 - 管楽器 - Google Patents
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Description
特許文献1には、鍵盤を有する楽器本体と、楽器本体に連結されたマウスピースと、を備える鍵盤式吹奏楽器において、マウスピースと楽器本体との間に、フィルタを設けた構成が開示されている。フィルタは、通風性を有するが、唾液や不純物の通過を阻止する。
また、本発明は、管体と、前記管体の内周面よりも内側に延びる凸部と、を備え、前記凸部が、前記管体の開口端の外側に配されている管楽器を提供する。
また、本発明は、管体と、前記管体の内周面よりも内側に延びる凸部と、を備え、前記凸部が、突起状に形成されている管楽器を提供する。
以下、図1〜3を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態の管楽器1は、管体2を備える。管体2は、例えば木材材料、金属材料、樹脂材料のいずれか一つの材料によって形成されてもよいし、例えばこれらの材料を適宜組み合わせた材料によって形成されてもよい。
管体2は、例えば複数の音孔5を有する主管3のみ備えてもよいが、本実施形態では、主管3と、主管3から分岐して延びる副管4と、を備える。
図示例において、主管3の音孔5は、湾曲管部12に形成され、主管3の開口端9をなす直線管部11には形成されていないが、例えば直線管部11にも形成されてよい。
本実施形態において、管体2や主管3の長手方向は、管楽器1を演奏する演奏者から見てマウスピース7から主管3の開口端9に向かう真っ直ぐな方向に対応している。以下の説明では、演奏者から見た左右方向を管体2、主管3等の幅方向(Y軸方向)と呼び、演奏者から見た上下方向を管体2等、主管3等の高さ方向(Z軸方向)と呼ぶことがある。
このため、本実施形態では、主管3の形状を、主管3の幅方向の中央を基準として左右対称の形状とすることができる。これにより、主管3は、左右対称の形状に形成された一対の分割構成体を、各々成形した上で互いに貼り合わせることで製造することができる。
本実施形態において、凸部20は主管3の内周面13に配されている。凸部20は、主管3の軸方向において湾曲管部12よりも主管3の開口端9側に配されている。すなわち、凸部20は主管3の開口端9をなす直線管部11の内周面13に配されている。また、本実施形態において、凸部20は、主管3の開口端9から最も近くに位置する音孔5よりも主管3の開口端9側に配されている。
本実施形態の凸部20は、所定のサイズ以上の異物Oが、主管3内のうち主管3の軸方向において凸部20が配された位置(以下、凸部位置と呼ぶ。)を通過することを防ぐ。例えば、管楽器1が凸部20を有さない場合と比較して、より小さな径寸法を有する球形状の異物Oが凸部位置を通過することを防ぐ。
具体的に説明すれば、主管3内に挿入可能な範囲内で異物Oのサイズ(球形状の異物Oの径寸法)が大きいほど、また、湾曲管部12の曲率が大きい(曲率半径が小さい)ほど、異物Oは湾曲管部12において通り難くなる。すなわち、異物Oは湾曲管部12に留まりやすくなる。これに対し、凸部20の高さ寸法は、湾曲管部12において通りやすいサイズの異物Oだけが凸部位置を通過可能となるように設定されている。
また、本実施形態の管楽器1によれば、凸部20を設けても、主管3内を手入れするための布(スワブ)は凸部位置を容易に通過できる。すなわち、主管3の手入れを容易に行うことができる。
また、本実施形態の管楽器1によれば、凸部位置を通過可能なサイズの異物Oは、湾曲管部12内を通りやすい。このため、仮に異物Oが湾曲管部12内に入り込んでも、容易に異物Oを主管3から抜き出すことができる。したがって、異物Oが主管3内に留まることを防いで、管楽器1の演奏が異物Oによって阻害されることを防止できる。
図5(a)に例示する棒状の凸部20Aは、主管3の内周面13の周方向の所定位置から主管3の内側に延びて内周面13の別の位置に到達している。図示例では、棒状の凸部20Aが主管3の軸線に交差しているが、これに限ることはない。図5(a)に例示する棒状の凸部20Aは一つだけ設けられているが、棒状の凸部20Aは例えば複数設けられてもよい。この場合、複数の棒状の凸部20Aは、例えば交差してもよいし、交差しなくてもよい。
棒状の凸部20Aの場合には、突起状の凸部20Aの場合と比較して、凸部位置を通過する異物のサイズをより小さく設定することが可能となる。
棒状の凸部20Aの数は、任意であってよいが、主管3の手入れのしやすさ(主管3内におけるスワブの通しやすさ)を考慮すると、少ない方がより好ましい。
次に、図6を参照して本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態の管楽器は、第一実施形態の管楽器1と比較して、主管の一部構成及び凸部の配置のみが異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図示例において、テーパ管部14Bには、湾曲管部12が接続されているが、例えば直線管部が接続されてもよい。図示しないが、主管3Bの音孔は、例えば湾曲管部12のみに形成されてもよいし、湾曲管部12及びテーパ管部14Bの両方に形成されてもよい。
また、本実施形態の管楽器1Bでは、凸部20がテーパ管部14Bのうち内径寸法が最小となる位置に配されている。このため、開口端9から主管3B内に入り込んだ異物が、テーパ管部14Bに接続された主管3Bの別の管部(湾曲管部12)に入り込むことを効果的に抑制できる。
次に、図7を参照して本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態の管楽器は、第一実施形態の管楽器1と比較して、凸部の配置のみが異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
本実施形態の凸部20Cは、主管3の開口端9(フランジ部8)から主管3の内周面13の内側に延びる棒状に形成されている。図示例において、棒状の凸部20Cは、主管3の径方向において主管3の内側に向かうにしたがって主管3の軸方向において開口端9から離れるように延びているが、これに限ることはない。
また、本実施形態の管楽器1Cによれば、凸部20Cが主管3内に設けられる場合と比較して、管楽器1Cの音響特性への影響を小さく抑えることができる。
本実施形態の凸部20Cは、例えば第一、第二実施形態の管楽器1,1Bにも適用可能である。例えば、第一、第二実施形態の管楽器1,1Bにおいて、本実施形態の凸部20Cが第一、第二実施形態の凸部20,20Aと別個に設けられてもよい。
Claims (8)
- 管体と、
前記管体の内周面よりも内側に延びる凸部と、を備え、
前記凸部が、突起状に形成されている管楽器。 - 前記凸部は、半球状である請求項1に記載の管楽器。
- 管体と、
前記管体の内周面よりも内側に延びる凸部と、を備え、
前記管体が、前記管体の開口端に向かうにしたがって内径寸法が大きくなるテーパ管部を有し、
前記凸部が、前記テーパ管部のうち内径寸法が最小となる位置に配されている管楽器。 - 管体と、
前記管体の内周面よりも内側に延びる凸部と、を備え、
前記凸部が、前記管体の開口端の外側に配されている管楽器。 - 前記凸部が、前記管体の周方向に間隔をあけて複数配列されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の管楽器。
- 複数の前記凸部が、前記管体の軸線を中心として互いに対称となる位置に配されている請求項5に記載の管楽器。
- 前記管体が音孔を有し、
前記凸部が、前記音孔よりも前記管体の開口端側に配されている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の管楽器。 - 前記管体が、前記管体の軸線の向きを変えるように曲がっている湾曲管部を有し、
前記凸部が、前記管体のうち前記湾曲管部よりも前記管体の開口端側に配されている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の管楽器。
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