JP6766204B2 - 給水装置及び給水装置の制御方法 - Google Patents

給水装置及び給水装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数のポンプ装置を備える給水装置及び給水装置の制御方法に関する。
給水装置として、複数のポンプ装置を交互並列運転するものが知られている。このような給水装置において、複数のポンプ装置の起動回数及び運転時間を平準化して、部品交換や故障頻度を低減するために、いわゆる先発先停方式により、定速ポンプと変速ポンプとを切替えている。例えば、運転中の先発ポンプの運転周波数が最高運転周波数に到達すると、待機していた後発ポンプを起動させて並列運転に移行し、後発ポンプを最高運転周波数まで増速した後、後発ポンプの運転周波数を固定して定速運転に切替えるとともに、先発ポンプを変速運転に切替える。そして並列運転中に先発ポンプ側の流量が所定の基準を下回る状態(OFF条件)が一定時間継続したら先発ポンプを停止して減台する。
特開平9−217684号公報
増台時に定速ポンプと変速ポンプとを切替える際、給水装置の吐出側の配管長が長い場合や圧端の制御弁の開閉速度が異なる場合には、変速運転する先発ポンプの減速が遅れると、吐出し圧力が上昇する原因となる。一方で、減台時に定速ポンプと変速ポンプとを切替える際、変速運転する後発ポンプの増速が遅れると、吐出し圧力が低下する原因となる。
そこで、増台時または減台時の圧力を適性に維持することができる給水装置及び給水装置の制御方法が求められている。
本発明の実施形態にかかる給水装置は、複数のポンプ装置と、複数の前記ポンプ装置を吐出し圧力一定制御もしくは推定末端圧一定制御により、運転制御する制御部と、を備え、前記制御部は、複数の前記ポンプ装置のいずれかの先発ポンプの変速運転中に運転周波数が所定の増台周波数以上となったら、その時点の流量を増台時流量Q1として記憶し、待機していた後発ポンプを増台し、吐出圧力が目標圧力になるよう増速運転して、前記先発ポンプの流量と前記後発ポンプの流量を加算した値を運転台数で除した平均流量を算出し、前記先発ポンプの運転周波数を、前記増台周波数から一定時間毎に一定の減速ステップ周波数f1で減速するとともに、周波数ステップ毎に、前記先発ポンプの流量を検出し、前記先発ポンプの流量と前記平均流量との差が所定値以下になったら、前記後発ポンプを、その時点の周波数での定速運転に切り替えるとともに、前記先発ポンプを変速運転に切り替える。
本発明によれば、増台時または減台時の圧力を適性に維持することができる給水装置及び給水装置の制御方法を提供できる。
第1実施形態にかかる給水装置の構成を示す説明図。 同給水装置の構成を示す説明図。 同給水装置の構成を示す側面図。 同給水装置の制御方法を示すフローチャート。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施の形態に係る給水装置及び給水装置の制御方法について、図1乃至図4を用いて説明する。図1及び図2は本実施形態に係る給水装置の一部を正面から見た説明図であり、一部を断面で示す。図1はポンプ装置12の構成を示し、図2は吐出側の配管ユニット13の構成を示している。図3は給水装置の側面図である。図4は給水装置10の制御方法を示すフローチャートである。なお、説明のため、各図において適宜構成を省略して示している。
図1乃至図3に示すように、給水装置10は、支持部11と、複数のポンプ装置12と、配管ユニット13と、複数のインバータや制御基板を収容する制御盤14と、を備え、例えば建物などの複数の給水先に送水する。給水装置10の一次側の吸込側配管は、受水槽を介して、あるいは直接、水道配管に接続される直結給水装置である。給水装置10の二次側の吐出側配管32は、複数に分岐して複数の給水先の水道機器に接続される。
支持部11は、所定の設置箇所に配されるベース11aと、ポンプ装置12と配管ユニット13を搭載する防振架台11bと、制御盤14を搭載する制御盤架台11cと、を備える。ベース11aは、防振架台11bと、制御盤架台11cとを、所定の設置箇所に支持する。
ポンプ装置12は、モータ21と、モータ21に接続されたインペラを有する1段または複数段のポンプ部22と、を備え、流体を増圧して二次側に圧送する。本実施形態においては4台のポンプ装置12が防振架台11b上に縦置きで第1方向に並んで設置されている。
モータ21は例えばブラシレスモータである。モータ21はケーブルによって制御盤14に接続される。モータ21はインバータを介して制御基板に接続され、制御基板に搭載された制御部41の制御によって回転数制御される。
ポンプ部22は、例えば1以上のインペラと、ポンプ吸込口及びポンプ吐出口を備えるケーシングと、を備えるタービンポンプである。
ポンプ装置12は、モータ21の回転に伴ってケーシング内のインペラが回転することにより、水道配管に接続されたポンプ吸込口から液体を吸込み、給水先に接続されるポンプ吐出口から吐出する。複数のポンプ装置12は同等の揚水性能を有する。例えば本実施形態において、3台のポンプ装置12として、同じ揚水性能を有する、同機種の立体多段タービンポンプを用いた。
配管ユニット13は、各ポンプ装置12の一次側に接続された複数の吸込側配管31と、各ポンプ装置12の二次側に接続された吐出側配管32と、を備える。
吸込側配管31は、一端が水道配管に接続され、他端側が各ポンプ装置12のポンプ吸込口22aに接続される。
吐出側配管32は、複数の個別吐出管33と、複数の個別吐出管33同士を連結する合流管34と、を備える。
複数の個別吐出管33はそれぞれ、一端側が複数のポンプ装置12のポンプ吐出口に接続され、他端側が共通の合流管34に接続される。個別吐出管33には、連結曲管35a、流量センサ35b、逆止弁36、ボール弁37(開閉弁)がそれぞれ設けられている。複数の個別吐出管33は、合流管34に接続され、他のポンプ装置12の個別吐出管33に連通する。
流量センサ35bは、各ポンプ吐出口22bの二次側における連結曲管35aの所定箇所に設けられている。流量センサ35bは、ポンプ個別に設けられ、上昇流を検出する様に取付けられている。流量センサ35bは回転羽根車式の流量センサを用いる。流量センサ35bは、例えば水流方向に直交する回転軸を有するボディと、水流によって回転可能に設けられた磁石部を有する羽根車と、時期検出素子である交番検知タイプのホールICとが、ボディ内に磁石の外周に対向配置して設けられている。流量センサ35bは、信号線を介して制御部41に接続されている。流量センサ35bは、各ポンプ装置12の流量を検出し、検出流量に比例したパルス信号を制御部41に送信する。流量センサ35bは、検出流量に比例した電圧もしくは電流、パルス信号を出力するカルマン渦式流量センサなど、他の構成を用いてもよい。
逆止弁36は、各個別吐出管33の、流量センサ35bの二次側であって合流管34との合流部よりも一次側に、それぞれ設けられている。逆止弁36は、個別吐出管内の流路の流れを、一次側から二次側に向かう1方向となるように規制する。
ボール弁37は、各個別吐出管の、流量センサ35b及び逆止弁36よりも二次側であって合流管34との合流部よりも一次側に、それぞれ設けられている。ボール弁37は回転により流路を開閉するボールと、ボールを回転させるレバーと、を備え、レバーの回動操作によって、流路を開閉する開閉弁である。
合流管34は、複数の個別吐出管33内の個別吐出流路に連通する連結流路を形成する配管であり、個別吐出管33と交差する第1方向に延びる。合流管は給水先である蛇口等の水道機器に接続される。合流管34には、圧力センサ38及び複数のアキュムレータ39が設けられている。
圧力センサ38は、例えばダイヤフラム式のセンサであり、合流管34内部の流路の圧力を検出する。圧力センサ38は、信号線を介して制御盤14の制御部41に接続され、検出した圧力信号を制御部41に送信する。
アキュムレータ39は、複数、例えば本実施形態においては2つ設けられ、合流管34における二次側に配される2つの各個別吐出管33の、合流管34との合流点に、それぞれ接続される。
制御盤14は、制御ボックスと、制御ボックス内に収容された制御基板、インバータ、を備える。また、制御ボックス内には、漏電遮断器、直流リアクトル、電源端子台、ノイズフィルタ等の、各種制御機器が設けられている。また、拡張基板を増設することも可能である。例えばインバータ、漏電遮断器、直流リアクトル、電源端子台、ノイズフィルタ等の各種制御機器は、必要に応じて各ポンプ装置12に対応して複数個設けられる。
制御基板は、回路基板であり、例えば記憶装置としてのRAM・ROMや、制御部41等の各種制御機器が搭載されている。
記憶装置は、例えばプログラムメモリやRAM、書き換え可能なROMを備える。記憶装置には、例えば、制御に必要な情報として、各種プログラム、算出式、データテーブル、基準値、閾値等が記憶されている。
制御部41は例えば1以上のプロセッサを備える。制御部41は、流量センサ35bや圧力センサ38等の各種検出装置によって検知した情報に基づき、予め記憶装置に記憶された各種プログラムに従って、複数のポンプ装置12の動作を制御する。具体的には、制御部41は、複数のインバータに制御信号を送信し各ポンプ装置12に対応するインバータを制御する。
例えば制御部41は、各種センサによって検出される検出値に基づき、各種の演算処理を行い、インバータの周波数制御により、ポンプ装置12のモータ21を変速運転し、または停止させる。具体的には、制御部41は、圧力センサ38で検出される吐出圧力が所定の目標圧力Hになるように、吐出し圧力一定制御もしくは推定末端圧一定制御を行い、圧力フィードバック制御にて、回転数制御及び運転停止制御をする。
制御部41は、通常運転処理として、流量センサ35bや圧力センサ38等の各種検出装置で検出した圧力値及び流量値を検出し、流量や圧力に基づくフィードバック制御を行う。具体的には、制御部41は、吐出流路にて検出される吐出圧力と、変動値あるいは固定値である所定の目標圧力Hに基づいて、各インバータに制御信号を出力することで、1台以上のポンプ装置12を駆動する。インバータは制御信号に応じた所定の周波数を出力することで、ポンプ装置12のモータ21を所定の回転速度で回転させる。
本実施形態において、制御部41は、複数のポンプ装置12のいずれかの先発ポンプの変速運転中に運転周波数が所定の増台周波数以上となったら、その時点の流量を増台時流量Q1として記憶し、前記先発ポンプを前記増台周波数で定速運転し、待機していた後発ポンプを増台し、増台から所定時間経過したら、先発ポンプの流量と後発ポンプの流量を加算した値を運転台数で除した平均流量を算出し、先発ポンプの運転周波数を、一定時間毎に一定の減速ステップ周波数f1で減速するとともに、周波数ステップ毎に、先発ポンプの流量を検出し、先発ポンプの流量と前記平均流量との差が所定値以下になったら、後発ポンプを、その時点の周波数での定速運転に切り替えるとともに、先発ポンプを変速運転に切り替える。
例えば具体的には、制御部41は、通常運転において、複数の前記ポンプ装置のいずれかのポンプ装置12を変速運転中に、運転中のポンプ装置の周波数が所定の増台周波数、例えば最高運転周波数に到達したら、その時点の流量を、増台時流量Q1として記憶部に記憶するとともに、待機中のポンプ装置12を起動して増台する。
制御部41は、増台した後発のポンプ装置12(後発ポンプ)を、吐出し圧力が目標圧力Hになるよう増速運転する。
制御部41は、増台時に第1定速変速切替処理を行う。第1定速変速切替処理として、制御部41はまず、変速運転していた先発ポンプを所定の周波数(例えば最高運転周波数fmax)での定速運転に切替える。さらに、制御部41は、増台後一定時間t1(例:1s)経過後に、先発ポンプの流量と後発の後発ポンプの流量を検出して、合計流量を台数で除した、増台後の平均流量Qaを算出する。なお、一定時間t1は、後発ポンプが増速して発生圧力が目標圧力に到達し、後発ポンプの流量が増加した時点以降に定めており、目標圧力の高低により1〜3秒程度に調整可能である。
一方、制御部41は、先発ポンプの運転周波数を一定時間毎に一定の減速ステップ周波数f1で減速する。減速は、例えば単位時間あたり一定の周波数f1で段階的に減速する。先発ポンプを減速することにともない、後発ポンプは増速することになる。そして、周波数ステップ毎に、先発ポンプの流量を検出して、先発ポンプの流量が、平均流量Qaに近い値、すなわち平均流量Qaとの差が一定範囲以内となったら、後発ポンプを、その時点の周波数faでの定速運転に切り替えるとともに、先発ポンプを、変速運転に切り替え、吐出し圧力が目標圧力Hになるよう、制御する。以上により第1定速変速切替処理が完了する。すなわち、第1定速変速切替処理によって、後発ポンプを増台して吐出し圧力が目標圧力になるよう変速運転し、先発ポンプを定速運転に切り替えたのちに段階的に減速して、先発ポンプの流量が平均流量に近似した時点で、後発ポンプを定速運転に、先発ポンプを変速運転に切り替えるといった増台動作を実施している。
また、制御部41は、減台時に第2定速変速切替処理を行う。例えば2台以上のポンプ装置の並列運転中に先発ポンプの流量と後発ポンプの流量を加算し、給水量が減少して、増台時流量Q1に一定比率k3を乗じた減台流量Qb以下になった時点で、制御部41は、第2定速変速切替処理を開始する。第2定速変速切替処理として、制御部41は、まず、周波数faで定速運転していた後発ポンプの運転周波数を、一定時間毎に、増速ステップ周波数f2で増速する。そして、周波数ステップ毎に、後発ポンプの流量を検出する。検出した後発ポンプの流量について、上記の流量Qb以下となった時点で、変速運転制御により減速していた先発ポンプを停止して減台するとともに、後発ポンプを変速運転に切替え、吐出圧力が所定の目標圧力Hになるよう出力制御する。以上により第2定速変速切替処理が完了する。
各インバータは、信号線によってポンプ装置12のモータ21に電気的に接続されている。インバータは制御部41からの制御信号に応じた所定の周波数を出力することで、ポンプ装置12のモータ21を所定の回転速度で回転させる。
次に、本実施形態にかかる給水装置10の制御方法について、説明する。本実施形態において、制御部41は、所定の増台条件を検出すると後発ポンプを増台起動し、定速ポンプと変速ポンプを切替える第1定速変速切替処理を行い、所定の減台条件を満たすと先発ポンプを減台停止し、定速ポンプと変速ポンプを切替える第2定速変速切替処理を行う。
制御部41は、最初に、ポンプ運転台数をカウントする。そして、運転ポンプが0台の場合、圧力センサ38により、吐出し圧力が起動圧力以下であることを検出するとポンプ装置12の運転を開始する。例えば通常運転として、吐出し圧力一定制御もしくは推定末端圧一定制御にて吐出し圧力が所定の目標圧力Hになるように、各ポンプ装置の運転周波数を調整する変速運転制御を行う。
制御部41は、例えば一例として、先発のポンプ装置(先発ポンプ)を変速運転しているときに給水量が増加して当該変速運転中の先発ポンプの運転周波数が所定の増台周波数、例えば最高運転周波数fmax(例:60Hz)まで増加したら、その時点での先発ポンプの流量を検出し、増台時流量Q1(例:200L/min)として記憶するとともに、先発ポンプを、最高運転周波数fmaxで定速運転する。
そして、制御部41は、待機していたポンプ装置(後発ポンプ)を起動して、増台する。例えば制御部は、増台した後発ポンプを吐出し圧力が目標圧力Hになるよう運転制御するため、結果的に増速運転することになる。増台に際し、制御部は、第1の定速変速切替処理を開始する。
第1定速変速切替処理として、制御部41は、増台後の平均流量Qaを算出する。例えば、制御部41は、増台動作より一定時間t1(例:1s)経過後に、先発ポンプの流量(例:200L/min)と後発ポンプ(例:20L/min)の流量を検出して、各流量を加算した値を2で除した流量Qa(例:110L/min)を算出する。そして、先発ポンプの運転周波数を、一定時間(例:1s)毎に、一定の減速ステップ周波数f1(例:2.0Hz)で減速するとともに、周波数ステップ毎に、先発ポンプの流量を検出して、先発ポンプの流量と、上記の流量Qa(例:110L/min)との差が一定範囲内となり、ほぼ一致した時点で(確認時間例:0.5s)、後発ポンプを、その時点の周波数faでの定速運転に切り替える。また、制御部41は、先発ポンプを、変速運転に切り替え、吐出し圧力が目標圧力Hになるよう、出力を制御する。例えば、本実施形態においては、流量Qaと先発ポンプの流量の差が一定値以下、例えば10L/min以下の場合に、ほぼ一致したとして、第1の定速変速切替処理をする。
制御部41は、ポンプ運転台数をカウントし、並列運転中の変速運転している先発ポンプの流量と定速運転している後発ポンプの流量を加算し、給水量が減少して、増台時流量Q1(例:200L/min)に、一定比率k3(例:90%)を乗じた減台流量Qb(例:180L/min)以下になった時点で、第2定速変速切替処理をして減台処理を行う。第2定速変速切替処理として、制御部は、周波数faで定速運転していた後発ポンプの運転周波数を、一定時間(例:1s)毎に、増速ステップ周波数f2(例:2.0Hz)で増速するとともに、周波数ステップ毎に、後発ポンプの流量を検出する。そして、後発ポンプの流量が、上記の減台流量Qb(例:180L/min)以下となった時点で、吐出し圧力が目標圧力Hになるよう運転制御され結果的に減速していた先発ポンプを、停止して減台するとともに、後発ポンプを変速運転に切り替え、吐出圧力が目標圧力Hになるよう、制御する。本実施形態においては、一例として、後発ポンプの流量と減台流量Qbの差が、ゼロになった場合に、減台及び後発ポンプの切替えをする。
本実施形態にかかる給水装置10の制御方法の具体例について、図4を参照して説明する。制御部41は、まず、運転台数をカウントする(ST00)。そして、運転台数が0台であって、吐出圧力が起動圧力以下である場合に(ST12)、ポンプ装置12を起動する(ST13)。
制御部41は、ST00において、運転台数が1台である場合(ST21)、給水量が停止流量以下となったら(ST22のYes)、先発ポンプを停止する(ST23)。一方、給水量が停止流量を上回る場合には(ST22のNo)、運転周波数(ST24)が最高周波数となった場合に(ST24)、増台時流量Q1を記憶するとともに、後発ポンプを増台し(ST26)、先発ポンプを定速運転とする(ST27)。その後一定時間経過した後(ST28のYes)、平均流量を算出し(ST29)、先発ポンプを減速する(ST30)。そして、先発ポンプの流量が平均流量Qaに近似したら(ST31のyes)、後発ポンプを定速運転とし(ST32)、先発ポンプを変速運転とする(ST33)。
制御部41は、ST00において運転台数が2台である場合には(ST41)、まず、減台流量Qbを算出する(ST42)。そして、給水量が減台流量Qb以下となった場合に(ST43のYes)、後発ポンプを増速する(ST44)。そして、後発ポンプの流量が減台流量Qb以下となったら(ST45のYes)、減台するとともに(ST46)、後発ポンプを変速運転とする(ST47)。
以上説明したように、本実施形態にかかる給水装置10によれば、先発ポンプと後発ポンプの流量の差が一定値以下でほぼ同じ流量Qa(例:110L/min)になった時点で、定速変速切替処理を行っているため、各ポンプの運転周波数の変動は極めて少なく、定速ポンプと変速ポンプとの切り替えに伴う吐出し圧力の上昇を抑制することが可能となる。
また、本実施形態にかかる給水装置10によれば、後発ポンプの流量が減台流量Qb(例:180L/min)以下となり、先発ポンプの流量がゼロに近い値になった時点で、定速・変速切替を行っているため、後発ポンプの運転周波数は最高運転周波数fmax(例:60Hz)に近い値に到達しており、その運転周波数の変動は極めて少なく、定速運転と変速運転のポンプの切り替えに伴う吐出し圧力の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態にかかる給水装置10によれば、ポンプ個別に回転羽根車式の流量センサ35bを設けることにより、先発ポンプと後発ポンプの流量を検出可能に構成したことにより、増台時に、先発ポンプと後発ポンプの運転周波数を検出して変速運転と定速運転を切り替える構成と比べて、増台時に先発ポンプと後発ポンプの流量の差が一定値以下となって、流量がほぼ同じになった時点で、定速変速切替処理を行っているため、各ポンプの運転周波数の変動は極めて少なく、定速ポンプと変速ポンプとの切り替えに伴う吐出し圧力の上昇を抑制するという効果がある。
また、本実施形態にかかる給水装置10によれば、ポンプ個別に回転羽根車式の流量センサ35bを設けることにより、先発ポンプと後発ポンプの流量を検出可能に構成したことにより、減台時に、先発ポンプと後発ポンプの運転周波数を検出して変速運転と定速運転を切り替える構成と比べて、後発ポンプの流量が減台流量以下となりほぼ一致し、先発ポンプの流量がほぼゼロになった時点で定速・変速切替を行っているため、後発ポンプの運転周波数はほぼ最高運転周波数、すなわち最高運転周波数に近い値に到達している。したがって、運転周波数の変動は極めて少なく、定速運転と変速運転のポンプの切り替えに伴う吐出し圧力の低下を抑制することが可能となる。
一般的に、並列起動時に定速ポンプと変速ポンプとの切り替えを実施した場合、給水装置吐出し側の配管が長い場合や、給水末端の制御弁の開閉速度の違いなどにより、変速運転する先発ポンプの減速が遅れて、吐出し圧力が上昇する場合があり、一方で、減台時に定速ポンプと変速ポンプとの切り替えを実施した場合、変速運転する後発ポンプの増速が遅れて、吐出し圧力が低下する可能性がある。
これに対して、本実施形態によれば、上記のように、増台時には先発ポンプの目標となる増台後の平均流量を設定してステップ減速し、減台時には後発ポンプの目標となる減台流量を設定してステップ増速する構成したことにより、定速運転と変速運転のポンプの切り替えに伴う吐出し圧力の変動を抑制することが可能となる。
なお、本発明は上記第1実施形態に限られるものではなく、各種条件及び具体的な設定値は適宜変更して実施可能である。
例えば、制御部41は、増台または減台における吐出圧力の変動が、所定の許容変動値以上である場合に、増速及び減速の変化量を減らして変動をさらに緩和してもよい。
制御部41は、定速変速切替処理中の圧力変動値△Hに基づいて、増速量または減速量を調整してもよい。すなわち、他の実施形態にかかる給水装置において、制御部は、定速変速切替処理中の圧力変動値△Hに基づいて、増速量または減速量を調整する。具体的には、制御部は、第1及び第2の定速変速切替処理中の吐出し圧力の最高値及び最低値を記録し、目標圧力Hとの差圧が大きい方を圧力変動値△Hとし、圧力変動値△Hが、目標圧力H(例:80m)に、一定比率k1(例:5%)を乗じた第1の許容圧力変動値h1(例:4m)以上であった場合、減速ステップ周波数f1または増速ステップ周波数f2(例:0.5Hz)を一定値、減少するようにしている。
この実施形態によれば、使用現場に適合したステップ周波数に設定することにより、変速運転しているポンプ装置12の運転周波数の単位時間当たりの変動値、すなわち増速量または減速量を減少させて、定速ポンプと変速ポンプとの切り替えに伴う圧力変動を抑制することが可能となる。
また、他の実施形態として制御部41は、第1定速変速切替処理中及び第2定速変速切替処理中の圧力変動値△Hが、目標圧力H(例:80m)に一定比率k1より高い比率k2(例:10%)を乗じた第2の許容圧力変動値h2(例:8m)以上であった場合、以降の定速変速切替処理を禁止してもよい。すなわち、例えば、減速ステップ周波数f1または増速ステップ周波数f2を、あらかじめ定めた所定の下限値まで減少させた状態で、第1定速変速切替処理中及び第2定速変速切替処理中の圧力変動値△Hが、目標圧力Hに一定比率k1より高い比率k2を乗じた第2の許容圧力変動値h2以上であった場合、以降の定速変速切替処理を禁止する。この場合、特殊な使用現場において、定速ポンプと変速ポンプとの切り替えを実施しないことにより、圧力変動を抑制することが可能となる。
さらに、他の実施形態として、制御部41は、定速変速切替処理中に、運転中のポンプの故障を検出・停止した場合、定速変速切替処理を中止して、変速運転していたポンプが故障停止した場合は、ステップ減速または増速していた定速ポンプを変速運転に切り替えるように制御してもよい。この実施形態によれば、ポンプ故障時の吐出し圧力の上昇もしくは低下を防止することが可能となる。
さらに、他の実施形態として、制御部41は、定速変速切替処理中には、増台及び減台を禁止してもよい。すなわち、例えば制御部41は、運転中のポンプ装置12の周波数が所定の増台周波数に到達して後発ポンプを起動した時点より、後発ポンプを定速運転に切り替え、先発ポンプを変速運転に切り替えて吐出し圧力が目標圧力Hになるよう制御するまで、減台動作を禁止する。さらに、2台以上のポンプ装置の並列運転中に先発ポンプの流量と後発ポンプの流量が減台流量以下になり、定速運転していた後発ポンプの運転周波数を増速した時点から先発ポンプを停止して減台して、後発ポンプを変速運転に切替え、吐出圧力が所定の目標圧力Hになるよう制御するまで、増台動作を禁止する。
この実施形態によれば、定速ポンプと変速ポンプとの切り替えを優先して実施することが可能となり、予測しない増台動作や減台動作に伴う圧力変動を回避できる。なお、定速変速切替処理を禁止した場合、各ポンプの起動回数や運転時間の平準化が損なわれるため、全ポンプ停止中からの先発起動時には、積算運転時間の短いポンプを選択して起動するようにしてもよい。この場合、一般的なロータリー運転にしたがって先発ポンプを選択するよりも、積算運転時間の平準化が可能である。
さらに、推定末端圧一定制御方式の場合は、増台時流量Q1を記憶すると同時に、目標圧力Hを、その時点の値に、所定時間固定するようにしてもよい。この場合、変速運転しているポンプの運転周波数の変動を抑制することが可能となる。
上記実施形態において、変速運転している先発ポンプと、追従する後発ポンプの説明をしたが、これに加え、例えば最大周波数で定速運転している他のポンプがあってもよい。その場合にも、最初に起動した先発ポンプと最も後発で起動した最後発ポンプとの間で、変速、定速の切替えを行うことにより、上記実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、制御盤の設定部において、定速変速切替処理の有無を設定可能に構成してもよい。例えば他の実施形態にかかる給水装置において、制御盤に、定速変速切替処理を手動により行える切替えスイッチが設けられていてもよい。この場合、増速及び減速の変化量を減らして圧力変動を緩和しても、増台または減台における吐出圧力の変動が所定の許容変動値以上となった場合に、切替えスイッチにより定速変速切替処理を実施しないモードに切り替えることにより、吐出し圧力の変動を抑制するという効果が得られる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(1)
複数のポンプ装置と、
吐出し圧力一定制御もしくは推定末端圧一定制御により、複数の前記ポンプ装置の運転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、複数の前記ポンプ装置のいずれかの先発ポンプの変速運転中に、当該先発ポンプの運転周波数が所定の増台周波数以上となったら、前記先発ポンプを定速運転し、待機していた後発ポンプを増台し、前記先発ポンプの運転周波数を減速するとともに、増台後の前記先発ポンプの流量と前記後発ポンプの流量の平均流量と、前記先発ポンプの流量との差が所定値以下となったら、前記後発ポンプを定速運転に切り替えるとともに、前記先発ポンプを変速運転に切り替える、給水装置。
(2)
複数のポンプ装置と、
複数の前記ポンプ装置を吐出し圧力一定制御もしくは推定末端圧一定制御により、運転制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、複数の前記ポンプ装置のいずれかの先発ポンプの変速運転中に運転周波数が所定の増台周波数以上となったら、その時点の流量を増台時流量Q1として記憶し、前記先発ポンプを前記増台周波数で定速運転し、待機していた後発ポンプを増台し、増台から所定時間経過したら、前記先発ポンプの流量と前記後発ポンプの流量を加算した値を運転台数で除した平均流量を算出し、
前記先発ポンプの運転周波数を、一定時間毎に一定の減速ステップ周波数f1で減速するとともに、周波数ステップ毎に、前記先発ポンプの流量を検出し、
前記先発ポンプの流量と前記平均流量との差が所定値以下になったら、
前記後発ポンプを、その時点の周波数での定速運転に切り替えるとともに、前記先発ポンプを変速運転に切り替える、給水装置。
(3)
前記制御部は、前記先発ポンプと前記後発ポンプの並列運転中に、前記先発ポンプの流量と前記後発ポンプの流量の合計が、前記増台時流量に一定比率k3(0<k3<1)を乗じた減台流量以下になったら、定速運転していた前記後発ポンプの運転周波数を、一定時間毎に、増速し、前記後発ポンプの流量が前記減台流量以下になったら、減速していた前記先発ポンプを、停止するとともに、前記後発ポンプを、変速運転に切り替える、(2)に記載の給水装置。
(4)
前記制御部は、定速変速切替処理中の吐出し圧力の変動値△Hが、所定の第1の許容圧力変動値h1以上であった場合、減速ステップ周波数f1または増速ステップ周波数f2の減速量、または増速量を、減少する、(1)乃至(3)のいずれかに記載の給水装置。
(5)
前記制御部は、減速量または増速量を、あらかじめ定めた所定値まで減少させた状態で、定速変速切替処理中の圧力変動値△Hが、第1の許容圧力変動値h1より高く設定された所定の第2の許容圧力変動値h2以上であった場合、以降の定速変速切替処理を禁止するよう、制御する(4)の給水装置。
(6)
前記制御部は、定速変速切替処理中に、運転中のポンプの故障を検出・停止した場合、定速変速切替処理を中止して、変速運転していたポンプが故障停止した場合は、ステップ減速または増速していた定速ポンプを変速運転に切り替える(1)乃至(5)のいずれかに記載の給水装置。
(7)
前記制御部は、増台時の定速・変速切替処理中には減台を禁止し、減台時の定速・変速切替処理中には増台を禁止する、(1)乃至(6)のいずれかに記載の給水装置。
(8)
前記制御部は、変動値である目標圧力Hに基づいて推定末端圧一定制御を行うとともに、増台時に、前記目標圧力Hを所定時間固定する、(1)乃至(7)のいずれかに記載の給水装置。
(9)
複数のポンプ装置を吐出し圧力一定制御もしくは推定末端圧一定制御により、運転制御するとともに、
複数の前記ポンプ装置のいずれかの先発ポンプの変速運転中に、前記先発ポンプの運転周波数が増台周波数以上となったら、前記先発ポンプを定速運転し、待機していた後発ポンプを増台し、増台後、前記先発ポンプの流量と前記後発ポンプの流量の平均流量と、前記先発ポンプの流量の差が所定値以下になったら、前記後発ポンプを定速運転に切り替えるとともに前記先発ポンプを変速運転に切り替える、給水装置の制御方法。
10…給水装置、11a…ベース、11b…防振架台、11c…制御盤架台、12…ポンプ装置、13…配管ユニット、14…制御盤、21…モータ、22…ポンプ部、22a…ポンプ吸込口、22b…ポンプ吐出口、31…吸込側配管、32…吐出側配管、33…個別吐出管、34…合流管、35a…連結曲管、35b…流量センサ、36…逆止弁、37…ボール弁、38…圧力センサ、39…アキュムレータ、41…制御部。

Claims (8)

  1. 複数のポンプ装置と、
    複数の前記ポンプ装置を吐出し圧力一定制御もしくは推定末端圧一定制御により、運転制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、複数の前記ポンプ装置のいずれかの先発ポンプの変速運転中に運転周波数が所定の増台周波数以上となったら、その時点の流量を増台時流量Q1として記憶し、待機していた後発ポンプを増台し、吐出圧力が目標圧力になるよう増速運転して、前記先発ポンプの流量と前記後発ポンプの流量を加算した値を運転台数で除した平均流量を算出し、
    前記先発ポンプの運転周波数を、前記増台周波数から一定時間毎に一定の減速ステップ周波数f1で減速するとともに、周波数ステップ毎に、前記先発ポンプの流量を検出し、
    前記先発ポンプの流量と前記平均流量との差が所定値以下になったら、
    前記後発ポンプを、その時点の周波数での定速運転に切り替えるとともに、前記先発ポンプを変速運転に切り替える、給水装置。
  2. 前記制御部は、前記先発ポンプと前記後発ポンプの並列運転中に、前記先発ポンプの流量と前記後発ポンプの流量の合計が、前記増台時流量Q1に一定比率k3(0<k3<1)を乗じた減台流量になったら、定速運転していた前記後発ポンプの運転周波数を、一定時間毎に、増速し、前記後発ポンプの流量が減少して前記減台流量と同じになったら、吐出圧力が目標圧力になるよう制御され減速していた前記先発ポンプを、停止するとともに、前記後発ポンプを、変速運転に切り替える、請求項に記載の給水装置。
  3. 前記制御部は、定速変速切替処理中の吐出し圧力の変動値△Hが、所定の第1の許容圧力変動値h1以上であった場合、減速ステップ周波数f1または増速ステップ周波数f2の減速量、または増速量を、減少する、請求項1または2に記載の給水装置。
  4. 前記制御部は、減速量または増速量を、あらかじめ定めた所定値まで減少させた状態で、定速変速切替処理中の圧力変動値△Hが、第1の許容圧力変動値h1より高く設定された所定の第2の許容圧力変動値h2以上であった場合、以降の定速変速切替処理を禁止するよう、制御する請求項の給水装置。
  5. 前記制御部は、定速変速切替処理中に、運転中のポンプの故障を検出・停止した場合、定速変速切替処理を中止して、変速運転していたポンプが故障停止した場合は、ステップ減速または増速していた定速ポンプを変速運転に切り替える請求項1乃至請求項のいずれかに記載の給水装置。
  6. 前記制御部は、増台時の定速・変速切替処理中には減台を禁止し、減台時の定速・変速切替処理中には増台を禁止する、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の給水装置。
  7. 前記制御部は、変動値である目標圧力Hに基づいて推定末端圧一定制御を行うとともに、増台時に、前記目標圧力Hを所定時間固定する、請求項1乃至のいずれかに記載の給水装置。
  8. 複数のポンプ装置を吐出し圧力一定制御もしくは推定末端圧一定制御により、運転制御するとともに、
    複数の前記ポンプ装置のいずれかの先発ポンプの変速運転中に運転周波数が所定の増台周波数以上となったら、その時点の流量を増台時流量Q1として記憶し、待機していた後発ポンプを増台し、吐出圧力が目標圧力になるよう増速運転して、前記先発ポンプの流量と前記後発ポンプの流量を加算した値を運転台数で除した平均流量を算出し、
    前記先発ポンプの運転周波数を、前記増台周波数から一定時間毎に一定の減速ステップ周波数f1で減速するとともに、周波数ステップ毎に、前記先発ポンプの流量を検出し、
    前記先発ポンプの流量と前記平均流量との差が所定値以下になったら、
    前記後発ポンプを、その時点の周波数での定速運転に切り替えるとともに、前記先発ポンプを変速運転に切り替える、給水装置の制御方法。
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