JP6765649B1 - ハンマーヘッド - Google Patents

ハンマーヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP6765649B1
JP6765649B1 JP2019144902A JP2019144902A JP6765649B1 JP 6765649 B1 JP6765649 B1 JP 6765649B1 JP 2019144902 A JP2019144902 A JP 2019144902A JP 2019144902 A JP2019144902 A JP 2019144902A JP 6765649 B1 JP6765649 B1 JP 6765649B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mild steel
hammer head
repulsive
rotor
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019144902A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021016852A (ja
Inventor
賢次 根本
賢次 根本
Original Assignee
根本 秀平
根本 秀平
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 根本 秀平, 根本 秀平 filed Critical 根本 秀平
Priority to JP2019144902A priority Critical patent/JP6765649B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6765649B1 publication Critical patent/JP6765649B1/ja
Publication of JP2021016852A publication Critical patent/JP2021016852A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crushing And Pulverization Processes (AREA)

Abstract

【課題】初期粒度微調整の際、回転方向進み側の衝撃荷重受け面と交差する端面で構成される第1エッジと、反発固定刃との衝撃荷重に伴うチッピングを抑制しつつ、摩耗特性向上可能なハンマーヘッドを提供する。【解決手段】回転可能なロータ18の外周部に固定され、ロータ18のまわりに配置された反撥固定刃27との間で破砕または粉砕を行うハンマーヘッド24において、反撥固定刃27側の端部の回転方向進み側に、衝撃荷重受け面を構成する硬化肉盛部と、該硬化肉盛部の内側かつ回転方向遅れ側に設けられた、該硬化肉盛部より軟質の軟鋼部とを有し、該軟鋼部は、破砕または粉砕に伴う前記硬化肉盛部の該第1エッジの摩耗に追従して摩耗するように、前記端面に隣接して前記端面と面一の軟鋼部端面を有し、面取深さおよび/又は面取角度は、所望摩耗特性および所望チッピング耐性の両立が可能なように定められる、ことを特徴とするハンマーヘッド24。【選択図】図1

Description

本発明は、ハンマーヘッドに関し、より詳細には、初期粒度微調整の際、回転方向進み側の衝撃荷重受け面と交差する端面とにより構成される第1エッジと、反発固定刃との衝撃荷重に伴う第1エッジのチッピングを抑制しつつ、破砕または粉砕を行う間の第1エッジの摩耗特性を向上することが可能なハンマーヘッドに関する。
従来から、コークス用の石炭、廃棄プラスチック、廃材や廃棄物、コンクリート塊等を対象として、破砕または粉砕する破砕機または粉砕機が用いられている。
このような破砕機は、破砕または粉砕対象物を内部に投入する投入口を有し、内部に破砕または粉砕スペースを形成するケーシングと、ケーシング内に設けられ、回転可能なロータと、ロータの外周部に一端が固定されるハンマーアームと、ハンマーアームの他端部に固定されるハンマーヘッドとを有するハンマーと、ハンマーヘッドの回転軌跡に対して、所定間隔を確保可能なようにハンマーに対して相対移動可能に設けられた反撥固定刃と、ハンマーを回転させる回転駆動手段とを有し、ハンマーヘッドと反撥固定刃とが協働して破砕または粉砕を行うようにしている。
本発明者は、特許文献1において、破砕あるいは粉砕の際の衝撃に対する摩耗特性を調整可能であり、ハンマーヘッドの摩耗に係らず、破砕あるいは粉砕対象物の粒度管理が可能なハンマーヘッドを提案している。
このハンマーヘッドは、回転可能なロータの外周部に固定され、ロータのまわりに配置された反撥固定刃との間で破砕または粉砕を行うハンマーヘッドにおいて、反撥固定刃は、前記ロータを挟んで、前記ロータの各側に配置され、それぞれの反撥固定刃は、前記ロータの外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなし、該ハンマーヘッドは、該ロータから該反撥固定刃に向かって所定長さに亘って延びる本体部を有し、該本体部は、反撥固定刃側の端部の回転方向進み側に、衝撃荷重受け面を構成する硬化肉盛部と、該硬化肉盛部の内側かつ回転方向遅れ側に設けられた、該硬化肉盛部より軟質の軟鋼部とを有し、該硬化肉盛部は、前記衝撃荷重受け面と、前記衝撃荷重受け面と前記端部側で交差する端面とにより第1エッジを形成し、該軟鋼部は、破砕または粉砕に伴う前記硬化肉盛部の該第1エッジの摩耗に追従して摩耗するように、前記端面に隣接して前記端面と面一の軟鋼部端面を有し、前記本体部の反撥固定刃側の上面には、該軟鋼部端面より回転方向遅れ側に、溝が設けられ、該溝には、追加硬化肉盛部が前記上面とほぼ面一となるように設けられ、前記硬化肉盛部および前記軟鋼部は、硬化肉盛層および軟鋼層よりなる2層プレートを構成し、硬化肉盛層と軟鋼層との境界面は、該2層プレートのプレート面と平行となるように設けられ、前記2層プレートは、硬化肉盛層側のプレート面が前記衝撃荷重受け面となる向きに設けられる。
このような構成のハンマーヘッドによれば、ロータを回転させることによりハンマーヘッドを回転させて、ハンマーヘッドの先端部と反撥固定刃とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕を行う際、回転方向進み側の衝撃荷重受け面、特に衝撃荷重受け面と交差する端面とにより構成される第1エッジが時間経過とともに摩耗していくところ、硬化肉盛部の内側に設けられた硬化肉盛部より軟質の軟鋼部を、端面に隣接して端面と面一の軟鋼部端面を形成するように設けることにより、軟鋼部が、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛部の第1エッジの摩耗に追従して摩耗するようにすることが可能であり、それにより、従来のように、第1エッジにアールが生じる態様で摩耗することなく、第1エッジを鋭く立った状態で摩耗させていくことが可能である。
さらに、反撥固定刃は、ロータを挟んで、ロータの各側に配置され、それぞれの反撥固定刃は、ロータの外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなすことから、ハンマーヘッドの先端部と反撥固定刃とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕を行う際、衝撃荷重受け面による破砕あるいは粉砕対象物の打撃のみならず、破砕あるいは粉砕対象物がハンマーヘッドの先端部、すなわち本体部の反撥固定刃側の上面と反撥固定刃との間に位置して破砕あるいは粉砕される割合も高いことから、本体部の反撥固定刃側の上面には、軟鋼部端面より回転方向遅れ側に、溝を設け、溝には、追加硬化肉盛部を上面とほぼ面一となるように設けることにより、ハンマーヘッドの先端部と反撥固定刃とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕することによって、本体部の反撥固定刃側の上面の耐摩耗性を向上させることが可能である。
しかしながら、本発明者は、破砕あるいは粉砕対象物の粒度調整を行う際、ハンマーヘッドの第1エッジまわりにチッピング(欠け)を生じ、それに起因して、第1エッジの摩耗性を向上させることが困難であるという技術的課題に直面した。
より詳細には、反撥固定刃は、ハンマーヘッドの回転軌跡に対して、所定間隔を確保可能なようにハンマーに対して相対移動可能に設けられており、ハンマーヘッドの摩耗進行とともに、反撥固定刃をハンマーヘッドに対して近づけるように相対移動させることにより、反撥固定刃とハンマーヘッドの先端との間隔は調整可能である。
このような反撥固定刃とハンマーヘッドの先端との初期間隔調整は、まず、ハンマーヘッドの先端を反撥固定刃に当てた状態、すなわち、反撥固定刃とハンマーヘッドの先端との間隔をなしにした状態で、ロータを回転し、反撥固定刃をハンマーヘッドから遠ざけるように相対移動させることにより、間隔調整を行うのが通常である。
ロータの回転により、ハンマーヘッドの先端は反撥固定刃に繰り返し衝突し、それによる繰り返しの衝撃荷重の負荷により、ハンマーヘッドの先端、特に、第1エッジにチッピング(欠け)が発生することがある。破砕あるいは粉砕対象物の粒度調整後、このようなチッピング(欠け)が発生した第1エッジを有するハンマーヘッドを用いて、破砕あるいは粉砕を行うと、チッピング(欠け)がない状態のハンマーヘッドであれば、上述の第1エッジが鋭く立った状態で摩耗する意味で摩耗特性を向上することが可能であるが、このようなチッピング(欠け)が原因で、優れた摩耗特性を奏することが困難となり、場合によっては、チッピング(欠け)が原因で2層プレート自体が、本体部から脱落する事態も生じていた。
このような第1エッジのチッピング(欠け)と、摩耗性とは、前者は破壊靭性に深く関係する一方、後者はねばりに深く関連することから、両者の両立は困難であった。
この点、特に、製鉄に用いられるコークス用の石炭は、その粒度管理が厳しく(たとえば、粒径約3ミリ前後)、破砕対象物の粒度を一定に管理するためには、上述の態様のハンマーヘッドの摩耗が生じた場合、ハンマーヘッドを交換せざるを得ない。
より具体的には、粒度調整は、従来、ロータの回転数の調整あるいはハンマーヘッドと反撥固定刃との間隔の調整により行われてきたところ、前者は、ハンマーヘッドの衝撃荷重受け面による打撃による粒度調整であり、粗調整であり、後者は、それに比して、微調整であり、粒度管理の厳格に伴い、後者による調整に重点が置かれるようになってきた。
この場合、ロータの回転数の調整による粒度調整に比べ、ハンマーヘッドと反撥固定刃との間隔の調整による粒度調整の場合には、ハンマーヘッドの破砕側先端の短辺平面および回転方向進み側の第1エッジ部がより苛酷な摩耗条件に晒される。
この点において、この摩耗特性を調整することが可能なハンマーヘッド、およびこのようなハンマーヘッドにより、粉砕または破砕対象物の粒度管理が可能な破砕機の実現が業界内で要望されている。
特開2014−226645号
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、初期粒度微調整の際、回転方向進み側の衝撃荷重受け面と交差する端面とにより構成される第1エッジと、反発固定刃との衝撃荷重に伴う第1エッジのチッピングを抑制しつつ、破砕または粉砕を行う間の第1エッジの摩耗特性を向上することが可能なハンマーヘッドを提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明のハンマーヘッドは、
回転可能なロータの外周部に固定され、ロータのまわりに配置された反撥固定刃との間で破砕または粉砕を行うハンマーヘッドにおいて、
反撥固定刃は、前記ロータを挟んで、前記ロータの各側に、前記ロータに対して遠近移動可能に配置され、
それぞれの反撥固定刃は、前記ロータの外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなし、
該ハンマーヘッドは、該ロータから該反撥固定刃に向かって所定長さに亘って延びる本体部を有し、
該本体部は、反撥固定刃側の端部の回転方向進み側に、衝撃荷重受け面を構成する硬化肉盛部と、該硬化肉盛部の内側かつ回転方向遅れ側に設けられた、該硬化肉盛部より軟質の軟鋼部とを有し、
該硬化肉盛部は、前記衝撃荷重受け面と、前記衝撃荷重受け面と前記端部側で交差する端面とにより第1エッジを形成し、
該軟鋼部は、破砕または粉砕に伴う前記硬化肉盛部の該第1エッジの摩耗に追従して摩耗するように、前記端面に隣接して前記端面と面一の軟鋼部端面を有し、
前記第1エッジは、前記衝撃荷重受け面から前記端面に向かって斜め上方に面取され、
面取深さおよび/又は面取角度は、前記第1エッジまわりの、所望摩耗特性および所望チッピング耐性の両立が可能なように定められる、構成としている。
以上の構成を有するハンマーヘッドによれば、ロータを回転させることによりハンマーヘッドを回転させて、ハンマーヘッドの先端部と反撥固定刃とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕を行う際、回転方向進み側の衝撃荷重受け面、特に衝撃荷重受け面と交差する端面とにより構成される第1エッジが時間経過とともに摩耗していくところ、硬化肉盛部の内側に設けられた硬化肉盛部より軟質の軟鋼部を、端面に隣接して端面と面一の軟鋼部端面を形成するように設けることにより、軟鋼部が、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛部の第1エッジの摩耗に追従して摩耗するようにすることが可能であり、それにより、従来のように、第1エッジにアールが生じる態様で摩耗することなく、第1エッジを鋭く立った状態で摩耗させていくことが可能である。
特に、第1エッジは、衝撃荷重受け面から端面に向かって斜め上方に面取され、面取深さおよび/又は面取角度は、第1エッジまわりの、所望摩耗特性および所望チッピング耐性の両立が可能なように定められることから、被破砕物または被粉砕物の粒度の微調整として、反撥固定刃とハンマーヘッドの先端との初期間隔調整を行う際、ハンマーヘッドの先端を反撥固定刃に当てた状態、すなわち、反撥固定刃とハンマーヘッドの先端との間隔をなしにした状態で、ロータを回転し、その位置を基準に、反撥固定刃をハンマーヘッドから遠ざけるように相対移動させることにより、初期間隔調整を行うとしても、ロータの回転によるハンマーヘッドの先端の反撥固定刃に対する繰り返しの衝撃荷重の負荷に係わらず、第1エッジまわりのチッピング(欠け)を抑制することが可能であり、粒度の微調整後の粉砕または破砕中に、このようなチッピング(欠け)に起因するハンマーヘッドの摩耗特性への影響を抑制することが可能であり、硬化肉盛部より軟質の軟鋼部を硬化肉盛部のエッジ部の内側に設けた場合、軟鋼部が、破砕または粉砕に伴う衝撃荷重による硬化肉盛部の摩耗に追従して摩耗していくという性質を利用した、ハンマーヘッドの摩耗特性を有効に生かすことが可能である。
また、前記本体部は、反撥固定刃側の上面を備えた鋳造本体部からなり、前記硬化肉盛部と前記軟鋼部とが、前記軟鋼部を介して前記鋳造本体部に溶接固定され、前記硬化肉盛部および前記軟鋼部は、硬化肉盛層および軟鋼層よりなる2層プレートを構成し、硬化肉盛層と軟鋼層との境界面は、該2層プレートのプレート面と平行となるように設けられ、前記2層プレートは、硬化肉盛層側のプレート面が前記衝撃荷重受け面となる向きに設けられるのがよい。
破砕対象としてコークス用の石炭を例として、本発明に係るハンマーヘッド、ハンマーヘッドを有する破砕機、ハンマーヘッド製造方法それぞれの実施形態を図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1は、破砕機10の概念的な断面図であり、破砕機10は、内部に破砕または粉砕スペースを形成するケーシング12と、ケーシング内に設けられ、回転可能なロータ18と、ロータ18の外周部に一端が固定されるハンマーアーム20と、ハンマーアーム20の他端部に固定されるハンマーヘッド24とを有するハンマーと、ハンマーヘッド24の回転軌跡に対して、所定間隔を確保可能なようにハンマーに対して相対移動可能に設けられた反撥固定刃27と、ハンマーを回転させる回転駆動手段とを有し、ハンマーヘッド24と反撥固定刃27とが協働して破砕または粉砕を行うようにしている。
箱型のケーシング12には、その上部に、石炭を内部に投入するための投入口14、その下部には、破砕した石炭を排出するための排出口16が設けられている。ケーシング12の内部において、その中央には、水平軸を中心として回転するロータ18が設けられており、回転駆動手段であるモータ(図示せず)によって回転される。ロータ18の回転速度及び回転方向は、石炭の種類に応じて可変となっている。
ロータ18の外周には、多数のハンマーアーム20がアームピン22により枢着されており、各ハンマーアーム20の先端にはハンマーヘッド24が取り付けられている。より詳細には、多数のハンマーアーム20の組が、ロータ18の外周面に、互いに等角度間隔で設けられており、設置するハンマーアーム20、すなわちハンマーの数は、破砕機10に要求される処理の能力、モーターの回転数等に応じて、決定すればよい。
図1に示すように、ロータ18が回転することにより、ハンマーアーム20は遠心力により回転するが、ハンマーヘッド24の回転軌跡に近接させて、ロータ18の両側には、凹円弧状の断面を持つ磨砕板26が、上下のシリンダ28によって進退可能(図面上左右方向)に設けられている。
なお、多数組のハンマーアーム20の各組において、ロータ18の長手方向図面上表裏方向)に互いに適宜の間隔を隔てて、ハンマーアーム20が複数設けられる。
より具体的には、磨砕板26は、ロータ18に設けたハンマーの両側方に取囲む様に位置し、移動可能(図面上左右方向)に設け、内部(ロータ18と対向する面)を凹ませて曲成されて、反撥固定刃27が複数形成され、ケーシング12に基部を固着したうえで、磨砕板26には、シリンダーロッドのヘッドを設けたシリンダ28が連結し、シリンダ28により、ハンマーヘッド24と磨砕板26の間隙を調整するようにしてある。
より詳細には、反撥固定刃27は、ロータ18を挟んで、ロータ18の各側に配置され、それぞれの反撥固定刃27は、ロータ18の外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなす。
磨砕板26、すなわち反撥固定刃27の円弧の長さは、粉砕あるいは破砕対象物の種類、目標粒度、ロータ18の回転数、ハンマー4の設置数等に応じて適宜決定すればよい。
以上より、石炭投入口14からケーシング12内に投入された石炭は、回転するハンマーヘッド24による衝撃と磨砕板26の表面における磨砕とによって粉砕され、コークス用原料炭となって排出口16から排出されるようにしている。
次に、ハンマーヘッド24について説明すれば、図2および図3に示すように、ハンマーヘッド24は、一端がロータ18の外周部に固定されるハンマーアーム20の他端に固定され、ロータ18から反撥固定刃27に向かって所定長さに亘って延びる本体部32を有する。
本体部32は、図7に示すように、端部13の回転方向進み側に、衝撃荷重受け面34を構成する硬化肉盛部36と、硬化肉盛部36の内側に設けられた硬化肉盛部36より軟質の軟鋼部38とを有する。
ここに、硬化肉盛り部とは、アーク溶接部を意味し、硬化肉盛とは、アーク溶接により、耐摩耗性向上を目的として硬い金属層を母材表面に溶着させることをいう。硬化肉盛り部の材質としては、耐摩耗性および耐衝撃性に優れる観点から、パーライト系、マルテンサイト系、13%クロムステンレス鋼系、セミ・オーステナイト系、および高マンガン・オーステナイト系が好ましい。
本体部32は同様に、端部13の回転方向遅れ側に、衝撃荷重受け面34を構成する硬化肉盛部36と、硬化肉盛部36の内側に設けられた硬化肉盛部36より軟質の軟鋼部38とをさらに有し、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛部36の摩耗度合に応じて、回転方向遅れ側の衝撃荷重受け面34が回転方向進み側となるように本体部32の配置向きを変えるようにしている。
硬化肉盛部36は、衝撃荷重受け面34と、衝撃荷重受け面34と交差する端面40とにより第1エッジ42を形成するとともに、衝撃荷重受け面34と、衝撃荷重受け面34と交差する対向側面44とにより、それぞれ第2エッジ46および第3エッジ48をさらに形成する。衝撃荷重受け面34と端面40、および衝撃荷重受け面34と対向側面44とはそれぞれ、互いに直交しており、それにより、第1エッジ42、および第2エッジ46および第3エッジ48は、鋭く立った状態で形成されている。
軟鋼部38は、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛部36の第1エッジ42の摩耗に追従して摩耗するように、端面40に隣接して端面40と面一の軟鋼部端面を有するとともに、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛部36の第2エッジ46および第3エッジ48の摩耗に追従して摩耗するように、対向側面44それぞれに隣接して対向側面44と面一の軟鋼部対向側面を有する。
軟鋼部38の材質としては、溶接のしやすさ、および硬化肉盛部36に比べて軟質であればよく、炭素含有率0.13%ないし0.20%の軟鋼が好ましいが、それより炭素含有率の低い特別極軟鋼、極軟鋼、あるいはそれより炭素含有率の高い半軟鋼のいずれでもよく、破砕対象との関係で定まる軟鋼部の耐摩耗性を考慮して、適宜選択すればよい。
図4および図5に示すように、本体部32は、鋳造本体部32からなり、硬化肉盛部36および軟鋼部38は、硬化肉盛層および軟鋼層よりなる2層プレート50を構成する。2層プレート50は、後に説明するように、鋳造本体部32に対して、軟鋼部38を介して溶接固定される。
鋳造本体部32は、たとえば、Cr―Mn低合金鋳鋼製であり、互いに対向する一対の対向側面66、および、それぞれ衝撃荷重受け面34が設けられる、互いに対向する一対の対向正面62および上面64を有し、ロータ18側には、ハンマーアーム20の先端が内嵌し、ピン穴53が設けられた中空部があり、磨砕板側、すなわち、先端部は、断面亀の子状の中実部67であり、中空部と一体である。なお、89(図7参照)は、重量調整用の突起部である。
中実部67は、2層プレート50に対する帯状の突合せ面52を有し、突合せ面52の各側に、突合せ面52を挟む形態で、2層プレート50を鋳造本体部32に対して溶接固定するための凹状溶接部54(図7参照)が設けられる。
図4および図5に示すように、鋳造本体部32の反撥固定刃27側の上面64には、端部13の回転方向遅れ側に設けられる軟鋼部端面41Aと端部13の回転方向進み側に設けられる軟鋼部端面41Bとの間に溝200が設けられ、溝200には、追加硬化肉盛部201(図8参照)が上面64とほぼ面一となるように設けられる。
より具体的には、鋳造本体部32の反撥固定刃27側の上面64は、矩形状であり、上面64の外周縁により区画される矩形状溝200が設けられ、矩形状溝200には、追加硬化肉盛部201が上面64とほぼ面一となるように設けられる。
摩耗性向上の観点から、上面64において、鋳造本体部32の部分が露出しないように、矩形状溝200は、上面64の全体に亘って設けられるのが好ましい。
図9に示すように、変形例として、矩形状溝200は、鋳造本体部32の壁により複数に区画されてもよい。図9(A)に示すように、互いに直交に交差する、鋳造本体部32の壁203により2区画としてもよいし、図9(B)に示すように、鋳造本体部32の壁203および壁204により4区画としてもよい。
いずれにせよ、矩形状溝200の深さは、耐摩耗性の観点から、追加硬化肉盛部201の量に応じて決定すればよく、矩形状溝200AないしDの間で、溝の深さを異ならせてもよい。
以上の構成によれば、第1エッジ42が立った状態で硬化肉盛り部36の摩耗を確保することが可能であるとともに、上面64を追加硬化肉盛り部201により保護することにより、破砕あるいは粉砕対象物がハンマーヘッド24の先端部、すなわち鋳造本体部32の反撥固定刃27側の上面64と反撥固定刃27との間に位置して破砕あるいは粉砕されることに伴う上面64の耐摩耗性を向上することが可能である。
これは、特に、粒度管理について、摩破板26の移動による鋳造本体部32の反撥固定刃27側の上面64と反撥固定刃27との間隔調整による微調整により行う場合には、上面64および回転方向進み側の第1エッジ42が苛酷な摩耗条件に晒されることから、技術的に有利である。
突合せ面52は、鋳造本体部32の中心軸線X−X上に設けられ、凹状溶接部54は、中心軸線に関して対称に設けられる。凹状溶接部54はそれぞれ、2層プレート50を突合せ面52に対して突き合せることにより、軟鋼層側のプレート面と鋳造本体部32の傾斜面68により構成され、突合せ面52の縁から鋳造本体部32の対向側面66に向かって広がり、対向側面66に抜けるように設けられる。
凹状溶接部54それぞれの幅D1は、鋳造本体部32の幅D2の10分の1ないし5分の1が好ましく、凹状溶接部54それぞれの深さW2は、2層プレート50の高さhの2分の1以上であるのが好ましい。10分の1以下であれば、突合せ面52の幅が拡がり、その分、溶接の際、2層プレート50の鋳造本体部32に対する位置決めが容易となるが、溶接の領域が狭まり、2層プレート50の鋳造本体部32に対する固定性が劣化し、逆に、5分の1以上であれば、溶接の領域が広がり、2層プレート50の鋳造本体部32に対する固定性が良好であるが、逆に、突合せ面52の幅が狭まり、その分、溶接の際、2層プレート50の鋳造本体部32に対する位置決めが困難となり、また2分の1以下であれば、2層プレート50の鋳造本体部32に対する固定性が劣化する。この点、後に説明するように、2層プレート50の下端部を鋳造本体部32の正面62に対して外部から溶接することにより、凹状溶接部54それぞれの深さW2を2層プレート50の高さhの2分の1程度としてもよい。
次に、2層プレート50について説明すれば、図6および図7に示すように、硬化肉盛層36と軟鋼層38との境界面は、2層プレート50のプレート面と平行となるように設けられ、2層プレート50は、鋳造本体部32に溶接固定する際、硬化肉盛層36側のプレート面が衝撃荷重受け面34となる向きに設けられる。2層プレート50の大きさ、特に高さhは、破砕対象物である石炭の破砕量、ロータ18の回転数等により影響を受ける衝撃荷重の大きさに応じて決定すればよく、破砕または粉砕の際に生じる衝撃荷重に対する耐衝撃性を確保可能なように、2層プレート50が鋳造本体部32に対して溶接固定する必要があり、この観点から、凹状溶接部54の大きさを決定する必要がある。
2層プレート50の厚みが一定の場合、硬化肉盛層36の厚みが厚いほど、軟鋼層38の厚みがその分薄くなることから、耐摩耗性は向上するものの、いったん摩耗が進行すると、軟鋼層38の摩耗が硬化肉盛層36の摩耗に追従する度合いが下がり、エッジの立った状態での摩耗が発生しにくくなるとともに、母材である軟鋼層38に対して硬化肉盛36を溶接により設ける際、母材に対する熱影響により、母材に対して熱ひずみ等が生じやくなる。
それに対して、軟鋼層38の厚みが厚いほど、硬化肉盛層36の厚みがその分薄くなることから、耐摩耗性は低下するものの、いったん摩耗が進行すると、軟鋼層38の摩耗が硬化肉盛層36の摩耗に追従する度合いが上がり、エッジの立った状態での摩耗が発生しやすくなるとともに、母材である軟鋼層38に対して硬化肉盛36を溶接により設ける際、母材に対する熱影響により、母材に対して熱ひずみ等が生じにくくなる。
以上の観点から、硬化肉盛層36および軟鋼層38それぞれの厚みを決定すればよく、特に硬化肉盛層36の厚みは、軟鋼層38の厚み以下であるのが好ましい。
図6(図7および図8においては、面取は図示を省略している)に示すように、硬化肉盛層36の第1エッジ42は、面取されている。より詳細には、衝撃荷重受け面34から端面部79に向かって斜め上方に面取されて、面取部90が形成されている。図6に示すように、衝撃荷重受け面34における面取深さd1、面取角度Θおよび端面部79における硬化肉盛層36と軟鋼層38との境界面までの距離d2は、第1エッジ42のチッピング(欠け)耐性および摩耗特性の観点から定めればよい。図6においては、明瞭性のために、面取部を誇張して図示している。
より具体的には、被粉砕または被破砕物の粒度の微調整を反撥固定刃27とハンマーヘッド24の先端との初期間隔調整により行う場合、まず、ハンマーヘッド24の先端を反撥固定刃27に当てた状態、すなわち、反撥固定刃27とハンマーヘッド24の先端との間隔をなしにした状態で、ロータ18を回転し、反撥固定刃27をハンマーヘッド24から遠ざけるように相対移動させることにより(例えば、約3ミリ)、初期間隔調整を行うのが通常である。ロータ18の回転により、ハンマーヘッド24の先端は反撥固定刃27に繰り返し衝突し、繰り返し衝撃荷重の負荷により、ハンマーヘッド24の先端、特に、第1エッジ42にチッピング(欠け)が発生することがある。このようなチッピング(欠け)の発生は、硬化肉盛層36の衝撃荷重に対する耐性として、破壊靭性に関係する。
一方、反撥固定刃27とハンマーヘッド24の先端との間隔調整後、ハンマーヘッド24により被粉砕または被破砕物を粉砕または破砕していくと、時間経過とともに、上述のように、第1エッジ42は摩耗するが、硬化肉盛層36の内側に位置する軟鋼層38により、第1エッジ42の摩耗が立った状態で摩耗する傾向となり、これは、第1エッジ42の摩耗による軟鋼層38の露出の程度、すなわち、距離d2により影響を受ける。
よって、面取角度Θが一定のもとで、面取深さd1を大きくすることにより、距離d2は小さくなり、チッピング(欠け)耐性よりも摩耗特性を重視する場合に有効であり、面取深さd1が一定のもとで、面取角度Θを大きくすることにより、距離d2は大きくなり、摩耗特性よりもチッピング(欠け)を重視する場合に有効であり、ロータ18の回転速度に応じて、1エッジ部42のチッピング(欠け)耐性および摩耗特性の観点から定めればよい。
たとえば、面取深さd1および面取角度Θはそれぞれ、数ミリおよび45度前後である。
面取部90は、面が平面状のC面取、曲面状のR面取いずれでもよいが、面取部90と衝撃荷重受け面34および端面部79それぞれとの境界部が角張らないことから、曲面状のR面取が好ましい。R面取の場合の面取角度Θは、衝撃荷重受け面34に対する接線の角度である。
なお、反対側の2層プレート50にも同様に、第1エッジ42が面取されている。
変形例として、ハンマーヘッド24により、面取部90の態様、すなわち、衝撃荷重受け面34における面取深さd1、面取角度Θおよび端面部79における硬化肉盛層36と軟鋼層38との境界面までの距離d2を変えてもよい。これにより、ロータ18に取り付けるハンマーヘッド24全体として、チッピング(欠け)耐性と摩耗特性との両立を図ることが可能である。
より具体的には、ロータ18の外周面に、互いに等角度間隔で設けられている多数組のハンマーアーム20について、組ごとに、衝撃荷重受け面34における面取深さd1、面取角度Θおよび端面部79における硬化肉盛層36と軟鋼層38との境界面までの距離d2のいずれかを変えてもよいし、ロータ18の長手方向に互いに適宜の間隔を隔てて設けられている複数のハンマーアーム20について、ハンマーアーム20ごとに、衝撃荷重受け面34における面取深さd1、面取角度Θおよび端面部79における硬化肉盛層36と軟鋼層38との境界面までの距離d2のいずれかを変えてもよい。
2層プレートは、たとえば、(株)ハードフェースウェルドカンパニーの製品名 ALCOPLATE として入手可能であり、炭素鋼板(SS400相当)の上に所定の溶接材料で表面をノンガス溶接法により硬化肉盛りした平板板のプレートをたとえばプラズマ切断機により矩形状に切断したものであり、溶接時の冷却速度が大であることからその耐摩耗性に優れる。
硬化肉盛部の成分は、30%Cr+5ないし6%Cの鋳鉄であり、下記の試験条件のいわゆるラバーホイール試験による耐摩耗性は、以下のようである。
試験荷重:8.8キログラム
試験時間:25分
回転速度:120RPM
ラバーホイール円盤寸法:厚さ 15ミリ、外形 250ミリ
粉体:珪砂6号
粉体落下量:300グラム/分
摩耗減量について、軟鋼材(SS400)が1.5911、ALCOPLATEが0.1117であることから、耐摩耗比(軟鋼材を1とする)としては、ALCOPLATEは。14.2である。また、ALCOPLATEの硬度について、ロックウェル硬さは、60ないし65、ショア―硬さは、80ないし91、ビッカース硬さは、690ないし830である。
鋳造本体部32の対向正面62同士の幅は、反撥固定刃27に向かって太くなるようにテーパ付けられており、硬化肉盛層36の衝撃荷重受け面34は、鋳造本体部32の対応する正面62に対して10mm以下の範囲で外側に突出するのがよい。また、硬化肉盛層36の衝撃荷重受け面34の下端部は、鋳造本体部32に対して外側から溶接固定されるのでもよい。
次に、以上の構成を有するハンマーヘッド24の製造方法について、以下に説明する。
まず、硬化肉盛層36および軟鋼層38からなる2層プレート50を準備するとともに、2層プレート50に対する突合せ面52および2層プレート50との凹状溶接部54を設けるとともに、上面64に矩形状溝200を設けた鋳造本体部32を準備する。
この場合、2層プレート50の準備段階は、所定厚さの軟鋼プレートを準備する段階と、軟鋼プレートの一方の平面部全体に亘って、所定厚さの硬化肉盛りを行う段階と、硬化肉盛りの行われた軟鋼プレートを所定の矩形形状に切り出し、硬化肉盛層の縁部をエッジが立った状態に仕上げる段階とを、有する。
切り出しは、2層プレート50の周側面において、硬化肉盛層36の周側面と軟鋼層38の周側面とが隣接しかつ面一となるように、たとえばプラズマ切断により行えば、従来のような衝撃荷重受け面のエッジが鈍い状態での仕上がりに比べ、エッジが鋭く立った状態で仕上げることが可能である。
硬化肉盛層36の第1エッジ42の面取は、通常の機械加工により行えばよく、たとえば、面取カッターや傾斜付エンドミルを用いるのでもよい。研磨用の砥石を接着したベルト状の布を電動で回転させることにより研磨する工具でもよい。面取は、硬化肉盛層36および軟鋼層38からなる2層プレート50を鋳造本体部32に溶接する前に行ってもよいし、鋳造本体部32に溶接後に行ってもよい。特に、後者の場合、ハンマーヘッド24を破砕機10に取り付けて試験する現場において、前者に対する微調整として行うのでもよい。
次いで、2層プレート50を鋳造本体部32の突合せ面52に対して軟鋼層側を突き合せて、軟鋼層38を介して溶接固定し、それにより、2層プレート50の硬化肉盛層36を衝撃荷重受け面34として形成する。
より詳細には、斜め開先面である傾斜面68および傾斜面63を利用して、ワイヤを利用したトーチを凹状溶接部54内部および2層プレート50の下面と傾斜面63との間それぞれに差し込んで、アーク溶接により溶接を行う。
これにより、2層プレート50それぞれについて、軟鋼層側のプレート内面と下面とにおいて鋳造本体部32に対して溶接固定することから、破砕の際の衝撃荷重により、2層プレート50が鋳造本体部32から脱落することなく、強固に固定することが可能である。
次いで、上面64に設けた矩形状溝200に対して、追加硬化肉盛りを行って、肉盛り部が上面64と面一となるようにして、ハンマーヘッド24が完成する。
以上のハンマーヘッド24の製造方法によれば、硬化肉盛層36および硬化肉盛層36より軟質の軟鋼層38からなる2層プレート50の軟鋼層側のプレート面を鋳造本体部32の突合せ面54に突合せて位置決めした状態で、凹状溶接部54を利用して軟鋼層38を介して2層プレート50を鋳造本体部32に対して溶接固定することにより、2層プレート50の鋳造本体部32に対する位置決めを迅速に行いつつ、溶接が容易な軟鋼層38を利用することにより、ハンマーヘッド24を容易かつ効率的に製造が可能であるとともに、2層プレート50の硬化肉盛層36を衝撃荷重受け面34として形成しつつ、2層プレート50の周側面において、硬化肉盛層36の周側面と軟鋼層38の周側面とが隣接しかつ面一となるようにすることにより、衝撃荷重受け面34と交差する端面40および対向側面44とにより構成される第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジ48が時間経過とともに摩耗していくところ、軟鋼層38が、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛層36の第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジ48の摩耗に追従して摩耗するようにすることが可能であり、それにより耐摩耗性を向上可能なハンマーヘッド24を製造することが可能である。
以上の構成を有するハンマーヘッド24は、図8(摩耗の進行を線で示す)に示すように、硬化肉盛部36より軟質の軟鋼部38を硬化肉盛部36のエッジ部の内側に設けた場合、軟鋼部38が、破砕または粉砕に伴う衝撃荷重による硬化肉盛部36の摩耗に追従して摩耗していくという性質を利用して、ハンマーヘッド24の摩耗特性を調整可能とするものである。
上述のように、このような摩耗特性を有効に生かすのに、第1エッジ42を面取しており、これにより、被破砕物または被粉砕物の粒度の微調整として、反撥固定刃27とハンマーヘッド24の先端との初期間隔調整を行う際、ハンマーヘッド24の先端を反撥固定刃27に当てた状態、すなわち、反撥固定刃27とハンマーヘッド24の先端との間隔をなしにした状態で、ロータ18を回転し、その位置を基準に、反撥固定刃27をハンマーヘッド24から遠ざけるように相対移動させることにより、初期間隔調整を行うとしても、ロータ18の回転によるハンマーヘッド24の先端の反撥固定刃27に対する繰り返しの衝撃荷重の負荷に係わらず、第1エッジ42まわりのチッピング(欠け)を抑制することが可能であり、粒度の微調整後の粉砕または破砕中に、このようなチッピング(欠け)に起因するハンマーヘッド24の摩耗特性への影響を抑制することが可能である。
すなわち、以上の構成を有するハンマーヘッド24によれば、ロータ18を回転させることによりハンマーヘッド24を回転させて、ハンマーヘッド24の先端部と反撥固定刃27とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕を行う際、回転方向進み側の衝撃荷重受け面34、特に衝撃荷重受け面34と交差する端面40および対向側面44とにより構成される第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジ48が時間経過とともに摩耗していくところ、硬化肉盛部36の内側に設けられた硬化肉盛部36より軟質の軟鋼部38を、端面40に隣接して端面40と面一の軟鋼部端面、および対向側面44それぞれに隣接して対向側面44と面一の軟鋼部対向側面それぞれを形成するように設けることにより、軟鋼部38が、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛部36の第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジ48の摩耗に追従して摩耗するようにすることが可能であり、それにより、従来のように、第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジ48それぞれにアールが生じる態様で摩耗することなく、第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジ48それぞれを鋭く立った状態で摩耗させていくことが可能である。
さらに、反撥固定刃27は、ロータ18を挟んで、ロータ18の各側に配置され、それぞれの反撥固定刃27は、ロータ18の外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなすことから、ハンマーヘッド24の先端部と反撥固定刃27とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕を行う際、衝撃荷重受け面34による破砕あるいは粉砕対象物の打撃のみならず、破砕あるいは粉砕対象物がハンマーヘッド24の先端部、すなわち本体部の反撥固定刃27側の上面64と反撥固定刃27との間に位置して破砕あるいは粉砕される割合も高いことから、本体部の反撥固定刃27側の上面64には、軟鋼部端面41より回転方向遅れ側に、溝200を設け、溝200には、追加硬化肉盛部201を上面64とほぼ面一となるように設けることにより、ハンマーヘッド24の先端部と反撥固定刃27とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕することによって、本体部の反撥固定刃27側の上面64の耐摩耗性を向上させることが可能である。
以上の構成を有する破砕機10によれば、ロータ18を回転させることによりハンマーヘッド24を回転させて、ハンマーヘッド24の先端部と反撥固定刃27とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕を行う際、回転方向進み側の衝撃荷重受け面34、特に衝撃荷重受け面34と交差する端面40および対向側面44とにより構成される第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジ48が時間経過とともに摩耗していくところ、硬化肉盛部36の内側に設けられた硬化肉盛部36より軟質の軟鋼部38を、端面40に隣接して端面40と面一の軟鋼部端面、および対向側面44それぞれに隣接して対向側面44と面一の軟鋼部対向側面それぞれを形成するように設けることにより、軟鋼部38が、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛部36の第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジ48それぞれの摩耗に追従して摩耗するようにすることが可能であるとともに、第1エッジ42に設けた面取部90により、反撥固定刃27とハンマーヘッド24の先端との初期間隔調整に伴うハンマーヘッド24の先端の反撥固定刃27に対する繰り返しの衝撃荷重の負荷に係わらず、第1エッジ42まわりのチッピング(欠け)を抑制することが可能であり、それにより、第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジ48それぞれを鋭く立った状態で摩耗させていくことが可能であることから、このような摩耗状況に応じて、反撥固定刃27をハンマーに対して近づける向きに相対移動させることにより、ハンマーヘッド24の回転軌跡に対する間隔を調整することにより、ハンマーヘッド24の摩耗に係らず、破砕あるいは粉砕対象物の粒度管理が可能である。
より具体的には、第1エッジ42の摩耗状況に応じて、反撥固定刃27を移動させることにより、長期間にわたり破砕粒度を一定に維持することが可能であり、あるいはロータ18の回転速度を従来より上げることにより、破砕効率を確保しつつ、それに伴う第1エッジ42の摩耗状況に対して反撥固定刃27を移動させることにより対処可能である。
さらに、反撥固定刃27は、ロータ18を挟んで、ロータ18の各側に配置され、それぞれの反撥固定刃27は、ロータ18の外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなすことから、ハンマーヘッド24の先端部と反撥固定刃27とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕を行う際、衝撃荷重受け面34による破砕あるいは粉砕対象物の打撃のみならず、破砕あるいは粉砕対象物がハンマーヘッド24の先端部、すなわち本体部の反撥固定刃27側の上面64と反撥固定刃27との間に位置して破砕あるいは粉砕される割合も高いことから、本体部の反撥固定刃27側の上面64には、軟鋼部端面41より回転方向遅れ側に、溝200を設け、溝200には、追加硬化肉盛部201を上面64とほぼ面一となるように設けることにより、ハンマーヘッド24の先端部と反撥固定刃27とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕することによって、本体部の反撥固定刃27側の上面64の耐摩耗性を向上させることが可能であり、以て、破砕あるいは粉砕対象物の粒度管理をさらに向上させることが可能である。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、破砕対象物を製鉄用の石炭として説明したが、それに限定されることなく、粉砕または破砕に伴いハンマーヘッド24の衝撃荷重受け面の摩耗が問題とされる限り、たとえば廃棄プラスチック、廃材や廃棄物、コンクリート塊でもよい。
たとえば、本実施形態において、2層プレート50を鋳造本体部32に対して溶接する場合として説明したが、それに限定されることなく、衝撃荷重受け面を構成する硬化肉盛部36の内側に軟鋼部38を設ける限り、硬化肉盛部36および軟鋼部38をそれぞれ別途に、鋳造本体部に対して設けてもよい。
たとえば、本実施形態において、軟鋼部について、軟鋼層38としてプレート状のものとして説明したが、それに限定されることなく、硬化肉盛部36の第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジ48について、エッジが立った状態で摩耗することが可能である限り、硬化肉盛部36の第1エッジ42、第2エッジ46および第3エッジまわりにのみ、コの字状あるいは環状の軟鋼部38を設けてもよい。
たとえば、本実施形態において、鋳造本体部について従来と同様に、Cr―Mn低合金鋳鋼製として説明したが、従来より、耐衝撃摩耗性が低いものを採用可能であることから、ハンマーアームとのピン連結部の耐摩擦摩耗性が確保可能な範囲で、より安価な鋳造品を採用してもよい。
本発明の第1実施形態に係る破砕機10の概略図である。 本発明の第1実施形態に係るハンマーヘッド24の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るハンマーヘッド24の側面図である。 本発明の第1実施形態に係る鋳造本体部32の斜視図である。 図3の線A−Aに沿う断面図である。 本発明の第1実施形態に係る2層プレート50の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る鋳造本体部32に対して2層プレート50を突き合せた状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る鋳造本体部32の摩耗状況を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る鋳造本体部32の上面に設ける溝の変形例を示す図である。
θ 面取角度
d1 面取深さ
d2 軟鋼部までの距離
T1 硬化肉盛部の肉厚
T2 軟鋼部の肉厚
H 張出量
D1 突合せ面の幅
D2 凹状溶接部の幅
W 凹状溶接部の深さ
H 凹状溶接部の高さ
X―X 中心線
S 固定刃とハンマーヘッドとの間隔
10 破砕機
12 ケーシング
14 投入口
16 排出口
18 ロータ
20 ハンマーアーム
22 アームピン
24 ハンマーヘッド
25 破砕スペース
26 摩砕板
28 シリンダ
32 鋳造本体部
34 衝撃荷重受け面
36 硬化肉盛部
38 軟鋼部
40 端面
40 軟鋼端面
42 第1エッジ
43 内面
44 軟鋼対向側面
44 対向側面
44 対向側面
46 第2エッジ
48 第3エッジ
50 2層プレート
52 突き合わせ面
53 ピン穴
54 凹状溶接部
57 縁
59 縁
62 対向側面
63 傾斜面
64 上面
66 対向正面
67 中実部
68 傾斜面
70 軟鋼溶接部
72 追加硬化肉盛部
77 硬化肉盛部の端面部
79 軟鋼部の端面部
80 ハンマーヘッド部
81 硬化肉盛部の側面部
82 ピン穴
83 軟鋼部の側面部
85 軟鋼部の側面部
87 硬化肉盛部の側面部
89 突起部
90 面取部
200 溝
201 追加硬化肉盛部

Claims (2)

  1. 回転可能なロータの外周部に固定され、ロータのまわりに配置された反撥固定刃との間で破砕または粉砕を行うハンマーヘッドにおいて、
    反撥固定刃は、前記ロータを挟んで、前記ロータの各側に、前記ロータに対して遠近移動可能に配置され、
    それぞれの反撥固定刃は、前記ロータの外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなし、
    該ハンマーヘッドは、該ロータから該反撥固定刃に向かって所定長さに亘って延びる本体部を有し、
    該本体部は、反撥固定刃側の端部の回転方向進み側に、衝撃荷重受け面を構成する硬化肉盛部と、該硬化肉盛部の内側かつ回転方向遅れ側に設けられた、該硬化肉盛部より軟質の軟鋼部とを有し、
    被破砕または被粉砕物の粒度調整は、前記本体部の前記端部を前記反撥固定刃に当てた状態で、前記ロータを回転させることにより、前記本体部の前記端部を前記反撥固定刃に繰り返し衝突させることにより、行われ、
    該硬化肉盛部は、前記衝撃荷重受け面と、前記衝撃荷重受け面と前記端部側で交差する端面とにより第1エッジを形成し、
    該軟鋼部は、破砕または粉砕に伴う前記硬化肉盛部の該第1エッジの摩耗に追従して摩耗するように、前記端面に隣接して前記端面と面一の軟鋼部端面を有し、
    前記第1エッジは、前記衝撃荷重受け面から前記端面に向かって斜め上方に面取された面取部を有し、
    前記第1エッジまわりの、所望摩耗特性および所望チッピング耐性の両立が可能なように定められる、前記端面部における前記硬化肉盛層と前記軟鋼層との境界面までの距離が確保可能なように、前記面取部の面取深さおよび/又は面取角度が、調整されている
    ことを特徴とするハンマーヘッド。
  2. 前記面取角度が一定のもとで、前記面取深さを大きくすることにより、前記端面部における前記硬化肉盛層と前記軟鋼層との境界面までの前記距離が小さく設定 可能であり、前記面取深さが一定のもとで、前記面取角度を大きくすることにより、前記距離が大きく設定可能である、請求項1に記載のハンマーヘッド。
JP2019144902A 2019-07-22 2019-07-22 ハンマーヘッド Active JP6765649B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019144902A JP6765649B1 (ja) 2019-07-22 2019-07-22 ハンマーヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019144902A JP6765649B1 (ja) 2019-07-22 2019-07-22 ハンマーヘッド

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020157882A Division JP2021016859A (ja) 2020-09-03 2020-09-03 ハンマーヘッドの製造方法および該ハンマーヘッドを具備する破砕機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6765649B1 true JP6765649B1 (ja) 2020-10-07
JP2021016852A JP2021016852A (ja) 2021-02-15

Family

ID=72706640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019144902A Active JP6765649B1 (ja) 2019-07-22 2019-07-22 ハンマーヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6765649B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115283061A (zh) * 2022-08-29 2022-11-04 烟台大学 碳化硅超细粉制备设备

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3622117B2 (ja) * 2002-08-28 2005-02-23 川崎重工業株式会社 衝撃式粉砕機
MX2011008943A (es) * 2009-02-26 2011-12-12 Esco Corp Martillos trituradores que incluyen un enganche mejorado entre el pasador de martillo y el martillo.
JP5750139B2 (ja) * 2013-05-27 2015-07-15 株式会社根本鉄工所 ハンマーヘッド

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115283061A (zh) * 2022-08-29 2022-11-04 烟台大学 碳化硅超细粉制备设备
CN115283061B (zh) * 2022-08-29 2024-02-23 烟台大学 碳化硅超细粉制备设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021016852A (ja) 2021-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10471435B2 (en) Hammer for shredding machines
US8016219B2 (en) Impact crusher wear components including wear resistant inserts bonded therein
JP5048965B2 (ja) ハンマーヘッド
JPH04231164A (ja) バイメタル鋳物の製造方法と、この方法で製造される摩耗部品
AU2016352428B2 (en) Tool for working abrasive materials
JP6765649B1 (ja) ハンマーヘッド
US3929296A (en) Striking tool
JP5258126B1 (ja) ハンマーヘッドおよびその製造方法、並びに該ハンマーヘッドを有する破砕機
CN205167260U (zh) 一种斜护齿金刚石圆锯片
US7100651B1 (en) Stump grinding disk and wear strips therefor
JP5750139B2 (ja) ハンマーヘッド
JP2021016859A (ja) ハンマーヘッドの製造方法および該ハンマーヘッドを具備する破砕機
US5131601A (en) Vertical impact crusher
JP2015051433A (ja) ハンマーヘッドおよび該ハンマーヘッドを有する破砕機
CN203663912U (zh) 锤头以及具有该锤头的破碎机
JP6125944B2 (ja) 回転処理機用パドル及びその補修方法
JP4118136B2 (ja) ジョークラッシャの歯板
CN218423237U (zh) 一种可更换耐磨环的高耐磨制砂机叶轮
JP5281547B2 (ja) 刃物およびその製造方法
JPH0331408Y2 (ja)
RU204671U1 (ru) Размольный быстроизнашиваемый элемент
CN207222046U (zh) 一种破碎机锤头
JPH0420504Y2 (ja)
CN207342786U (zh) 锤式破碎机的锤头及锤式破碎机
JP2022070629A (ja) 切断刃

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191018

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20191127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200218

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200903

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6765649

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150