JP6765649B1 - ハンマーヘッド - Google Patents
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Abstract
Description
このような破砕機は、破砕または粉砕対象物を内部に投入する投入口を有し、内部に破砕または粉砕スペースを形成するケーシングと、ケーシング内に設けられ、回転可能なロータと、ロータの外周部に一端が固定されるハンマーアームと、ハンマーアームの他端部に固定されるハンマーヘッドとを有するハンマーと、ハンマーヘッドの回転軌跡に対して、所定間隔を確保可能なようにハンマーに対して相対移動可能に設けられた反撥固定刃と、ハンマーを回転させる回転駆動手段とを有し、ハンマーヘッドと反撥固定刃とが協働して破砕または粉砕を行うようにしている。
本発明者は、特許文献1において、破砕あるいは粉砕の際の衝撃に対する摩耗特性を調整可能であり、ハンマーヘッドの摩耗に係らず、破砕あるいは粉砕対象物の粒度管理が可能なハンマーヘッドを提案している。
さらに、反撥固定刃は、ロータを挟んで、ロータの各側に配置され、それぞれの反撥固定刃は、ロータの外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなすことから、ハンマーヘッドの先端部と反撥固定刃とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕を行う際、衝撃荷重受け面による破砕あるいは粉砕対象物の打撃のみならず、破砕あるいは粉砕対象物がハンマーヘッドの先端部、すなわち本体部の反撥固定刃側の上面と反撥固定刃との間に位置して破砕あるいは粉砕される割合も高いことから、本体部の反撥固定刃側の上面には、軟鋼部端面より回転方向遅れ側に、溝を設け、溝には、追加硬化肉盛部を上面とほぼ面一となるように設けることにより、ハンマーヘッドの先端部と反撥固定刃とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕することによって、本体部の反撥固定刃側の上面の耐摩耗性を向上させることが可能である。
より詳細には、反撥固定刃は、ハンマーヘッドの回転軌跡に対して、所定間隔を確保可能なようにハンマーに対して相対移動可能に設けられており、ハンマーヘッドの摩耗進行とともに、反撥固定刃をハンマーヘッドに対して近づけるように相対移動させることにより、反撥固定刃とハンマーヘッドの先端との間隔は調整可能である。
このような反撥固定刃とハンマーヘッドの先端との初期間隔調整は、まず、ハンマーヘッドの先端を反撥固定刃に当てた状態、すなわち、反撥固定刃とハンマーヘッドの先端との間隔をなしにした状態で、ロータを回転し、反撥固定刃をハンマーヘッドから遠ざけるように相対移動させることにより、間隔調整を行うのが通常である。
ロータの回転により、ハンマーヘッドの先端は反撥固定刃に繰り返し衝突し、それによる繰り返しの衝撃荷重の負荷により、ハンマーヘッドの先端、特に、第1エッジにチッピング(欠け)が発生することがある。破砕あるいは粉砕対象物の粒度調整後、このようなチッピング(欠け)が発生した第1エッジを有するハンマーヘッドを用いて、破砕あるいは粉砕を行うと、チッピング(欠け)がない状態のハンマーヘッドであれば、上述の第1エッジが鋭く立った状態で摩耗する意味で摩耗特性を向上することが可能であるが、このようなチッピング(欠け)が原因で、優れた摩耗特性を奏することが困難となり、場合によっては、チッピング(欠け)が原因で2層プレート自体が、本体部から脱落する事態も生じていた。
このような第1エッジのチッピング(欠け)と、摩耗性とは、前者は破壊靭性に深く関係する一方、後者はねばりに深く関連することから、両者の両立は困難であった。
より具体的には、粒度調整は、従来、ロータの回転数の調整あるいはハンマーヘッドと反撥固定刃との間隔の調整により行われてきたところ、前者は、ハンマーヘッドの衝撃荷重受け面による打撃による粒度調整であり、粗調整であり、後者は、それに比して、微調整であり、粒度管理の厳格に伴い、後者による調整に重点が置かれるようになってきた。
この場合、ロータの回転数の調整による粒度調整に比べ、ハンマーヘッドと反撥固定刃との間隔の調整による粒度調整の場合には、ハンマーヘッドの破砕側先端の短辺平面および回転方向進み側の第1エッジ部がより苛酷な摩耗条件に晒される。
この点において、この摩耗特性を調整することが可能なハンマーヘッド、およびこのようなハンマーヘッドにより、粉砕または破砕対象物の粒度管理が可能な破砕機の実現が業界内で要望されている。
回転可能なロータの外周部に固定され、ロータのまわりに配置された反撥固定刃との間で破砕または粉砕を行うハンマーヘッドにおいて、
反撥固定刃は、前記ロータを挟んで、前記ロータの各側に、前記ロータに対して遠近移動可能に配置され、
それぞれの反撥固定刃は、前記ロータの外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなし、
該ハンマーヘッドは、該ロータから該反撥固定刃に向かって所定長さに亘って延びる本体部を有し、
該本体部は、反撥固定刃側の端部の回転方向進み側に、衝撃荷重受け面を構成する硬化肉盛部と、該硬化肉盛部の内側かつ回転方向遅れ側に設けられた、該硬化肉盛部より軟質の軟鋼部とを有し、
該硬化肉盛部は、前記衝撃荷重受け面と、前記衝撃荷重受け面と前記端部側で交差する端面とにより第1エッジを形成し、
該軟鋼部は、破砕または粉砕に伴う前記硬化肉盛部の該第1エッジの摩耗に追従して摩耗するように、前記端面に隣接して前記端面と面一の軟鋼部端面を有し、
前記第1エッジは、前記衝撃荷重受け面から前記端面に向かって斜め上方に面取され、
面取深さおよび/又は面取角度は、前記第1エッジまわりの、所望摩耗特性および所望チッピング耐性の両立が可能なように定められる、構成としている。
特に、第1エッジは、衝撃荷重受け面から端面に向かって斜め上方に面取され、面取深さおよび/又は面取角度は、第1エッジまわりの、所望摩耗特性および所望チッピング耐性の両立が可能なように定められることから、被破砕物または被粉砕物の粒度の微調整として、反撥固定刃とハンマーヘッドの先端との初期間隔調整を行う際、ハンマーヘッドの先端を反撥固定刃に当てた状態、すなわち、反撥固定刃とハンマーヘッドの先端との間隔をなしにした状態で、ロータを回転し、その位置を基準に、反撥固定刃をハンマーヘッドから遠ざけるように相対移動させることにより、初期間隔調整を行うとしても、ロータの回転によるハンマーヘッドの先端の反撥固定刃に対する繰り返しの衝撃荷重の負荷に係わらず、第1エッジまわりのチッピング(欠け)を抑制することが可能であり、粒度の微調整後の粉砕または破砕中に、このようなチッピング(欠け)に起因するハンマーヘッドの摩耗特性への影響を抑制することが可能であり、硬化肉盛部より軟質の軟鋼部を硬化肉盛部のエッジ部の内側に設けた場合、軟鋼部が、破砕または粉砕に伴う衝撃荷重による硬化肉盛部の摩耗に追従して摩耗していくという性質を利用した、ハンマーヘッドの摩耗特性を有効に生かすことが可能である。
なお、多数組のハンマーアーム20の各組において、ロータ18の長手方向図面上表裏方向)に互いに適宜の間隔を隔てて、ハンマーアーム20が複数設けられる。
より詳細には、反撥固定刃27は、ロータ18を挟んで、ロータ18の各側に配置され、それぞれの反撥固定刃27は、ロータ18の外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなす。
磨砕板26、すなわち反撥固定刃27の円弧の長さは、粉砕あるいは破砕対象物の種類、目標粒度、ロータ18の回転数、ハンマー4の設置数等に応じて適宜決定すればよい。
以上より、石炭投入口14からケーシング12内に投入された石炭は、回転するハンマーヘッド24による衝撃と磨砕板26の表面における磨砕とによって粉砕され、コークス用原料炭となって排出口16から排出されるようにしている。
本体部32は、図7に示すように、端部13の回転方向進み側に、衝撃荷重受け面34を構成する硬化肉盛部36と、硬化肉盛部36の内側に設けられた硬化肉盛部36より軟質の軟鋼部38とを有する。
ここに、硬化肉盛り部とは、アーク溶接部を意味し、硬化肉盛とは、アーク溶接により、耐摩耗性向上を目的として硬い金属層を母材表面に溶着させることをいう。硬化肉盛り部の材質としては、耐摩耗性および耐衝撃性に優れる観点から、パーライト系、マルテンサイト系、13%クロムステンレス鋼系、セミ・オーステナイト系、および高マンガン・オーステナイト系が好ましい。
本体部32は同様に、端部13の回転方向遅れ側に、衝撃荷重受け面34を構成する硬化肉盛部36と、硬化肉盛部36の内側に設けられた硬化肉盛部36より軟質の軟鋼部38とをさらに有し、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛部36の摩耗度合に応じて、回転方向遅れ側の衝撃荷重受け面34が回転方向進み側となるように本体部32の配置向きを変えるようにしている。
軟鋼部38は、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛部36の第1エッジ42の摩耗に追従して摩耗するように、端面40に隣接して端面40と面一の軟鋼部端面を有するとともに、破砕または粉砕に伴う硬化肉盛部36の第2エッジ46および第3エッジ48の摩耗に追従して摩耗するように、対向側面44それぞれに隣接して対向側面44と面一の軟鋼部対向側面を有する。
軟鋼部38の材質としては、溶接のしやすさ、および硬化肉盛部36に比べて軟質であればよく、炭素含有率0.13%ないし0.20%の軟鋼が好ましいが、それより炭素含有率の低い特別極軟鋼、極軟鋼、あるいはそれより炭素含有率の高い半軟鋼のいずれでもよく、破砕対象との関係で定まる軟鋼部の耐摩耗性を考慮して、適宜選択すればよい。
鋳造本体部32は、たとえば、Cr―Mn低合金鋳鋼製であり、互いに対向する一対の対向側面66、および、それぞれ衝撃荷重受け面34が設けられる、互いに対向する一対の対向正面62および上面64を有し、ロータ18側には、ハンマーアーム20の先端が内嵌し、ピン穴53が設けられた中空部があり、磨砕板側、すなわち、先端部は、断面亀の子状の中実部67であり、中空部と一体である。なお、89(図7参照)は、重量調整用の突起部である。
中実部67は、2層プレート50に対する帯状の突合せ面52を有し、突合せ面52の各側に、突合せ面52を挟む形態で、2層プレート50を鋳造本体部32に対して溶接固定するための凹状溶接部54(図7参照)が設けられる。
摩耗性向上の観点から、上面64において、鋳造本体部32の部分が露出しないように、矩形状溝200は、上面64の全体に亘って設けられるのが好ましい。
いずれにせよ、矩形状溝200の深さは、耐摩耗性の観点から、追加硬化肉盛部201の量に応じて決定すればよく、矩形状溝200AないしDの間で、溝の深さを異ならせてもよい。
これは、特に、粒度管理について、摩破板26の移動による鋳造本体部32の反撥固定刃27側の上面64と反撥固定刃27との間隔調整による微調整により行う場合には、上面64および回転方向進み側の第1エッジ42が苛酷な摩耗条件に晒されることから、技術的に有利である。
凹状溶接部54それぞれの幅D1は、鋳造本体部32の幅D2の10分の1ないし5分の1が好ましく、凹状溶接部54それぞれの深さW2は、2層プレート50の高さhの2分の1以上であるのが好ましい。10分の1以下であれば、突合せ面52の幅が拡がり、その分、溶接の際、2層プレート50の鋳造本体部32に対する位置決めが容易となるが、溶接の領域が狭まり、2層プレート50の鋳造本体部32に対する固定性が劣化し、逆に、5分の1以上であれば、溶接の領域が広がり、2層プレート50の鋳造本体部32に対する固定性が良好であるが、逆に、突合せ面52の幅が狭まり、その分、溶接の際、2層プレート50の鋳造本体部32に対する位置決めが困難となり、また2分の1以下であれば、2層プレート50の鋳造本体部32に対する固定性が劣化する。この点、後に説明するように、2層プレート50の下端部を鋳造本体部32の正面62に対して外部から溶接することにより、凹状溶接部54それぞれの深さW2を2層プレート50の高さhの2分の1程度としてもよい。
それに対して、軟鋼層38の厚みが厚いほど、硬化肉盛層36の厚みがその分薄くなることから、耐摩耗性は低下するものの、いったん摩耗が進行すると、軟鋼層38の摩耗が硬化肉盛層36の摩耗に追従する度合いが上がり、エッジの立った状態での摩耗が発生しやすくなるとともに、母材である軟鋼層38に対して硬化肉盛36を溶接により設ける際、母材に対する熱影響により、母材に対して熱ひずみ等が生じにくくなる。
以上の観点から、硬化肉盛層36および軟鋼層38それぞれの厚みを決定すればよく、特に硬化肉盛層36の厚みは、軟鋼層38の厚み以下であるのが好ましい。
より具体的には、被粉砕または被破砕物の粒度の微調整を反撥固定刃27とハンマーヘッド24の先端との初期間隔調整により行う場合、まず、ハンマーヘッド24の先端を反撥固定刃27に当てた状態、すなわち、反撥固定刃27とハンマーヘッド24の先端との間隔をなしにした状態で、ロータ18を回転し、反撥固定刃27をハンマーヘッド24から遠ざけるように相対移動させることにより(例えば、約3ミリ)、初期間隔調整を行うのが通常である。ロータ18の回転により、ハンマーヘッド24の先端は反撥固定刃27に繰り返し衝突し、繰り返し衝撃荷重の負荷により、ハンマーヘッド24の先端、特に、第1エッジ42にチッピング(欠け)が発生することがある。このようなチッピング(欠け)の発生は、硬化肉盛層36の衝撃荷重に対する耐性として、破壊靭性に関係する。
よって、面取角度Θが一定のもとで、面取深さd1を大きくすることにより、距離d2は小さくなり、チッピング(欠け)耐性よりも摩耗特性を重視する場合に有効であり、面取深さd1が一定のもとで、面取角度Θを大きくすることにより、距離d2は大きくなり、摩耗特性よりもチッピング(欠け)を重視する場合に有効であり、ロータ18の回転速度に応じて、1エッジ部42のチッピング(欠け)耐性および摩耗特性の観点から定めればよい。
面取部90は、面が平面状のC面取、曲面状のR面取いずれでもよいが、面取部90と衝撃荷重受け面34および端面部79それぞれとの境界部が角張らないことから、曲面状のR面取が好ましい。R面取の場合の面取角度Θは、衝撃荷重受け面34に対する接線の角度である。
なお、反対側の2層プレート50にも同様に、第1エッジ42が面取されている。
変形例として、ハンマーヘッド24により、面取部90の態様、すなわち、衝撃荷重受け面34における面取深さd1、面取角度Θおよび端面部79における硬化肉盛層36と軟鋼層38との境界面までの距離d2を変えてもよい。これにより、ロータ18に取り付けるハンマーヘッド24全体として、チッピング(欠け)耐性と摩耗特性との両立を図ることが可能である。
より具体的には、ロータ18の外周面に、互いに等角度間隔で設けられている多数組のハンマーアーム20について、組ごとに、衝撃荷重受け面34における面取深さd1、面取角度Θおよび端面部79における硬化肉盛層36と軟鋼層38との境界面までの距離d2のいずれかを変えてもよいし、ロータ18の長手方向に互いに適宜の間隔を隔てて設けられている複数のハンマーアーム20について、ハンマーアーム20ごとに、衝撃荷重受け面34における面取深さd1、面取角度Θおよび端面部79における硬化肉盛層36と軟鋼層38との境界面までの距離d2のいずれかを変えてもよい。
試験荷重:8.8キログラム
試験時間:25分
回転速度:120RPM
ラバーホイール円盤寸法:厚さ 15ミリ、外形 250ミリ
粉体:珪砂6号
粉体落下量:300グラム/分
摩耗減量について、軟鋼材(SS400)が1.5911、ALCOPLATEが0.1117であることから、耐摩耗比(軟鋼材を1とする)としては、ALCOPLATEは。14.2である。また、ALCOPLATEの硬度について、ロックウェル硬さは、60ないし65、ショア―硬さは、80ないし91、ビッカース硬さは、690ないし830である。
まず、硬化肉盛層36および軟鋼層38からなる2層プレート50を準備するとともに、2層プレート50に対する突合せ面52および2層プレート50との凹状溶接部54を設けるとともに、上面64に矩形状溝200を設けた鋳造本体部32を準備する。
この場合、2層プレート50の準備段階は、所定厚さの軟鋼プレートを準備する段階と、軟鋼プレートの一方の平面部全体に亘って、所定厚さの硬化肉盛りを行う段階と、硬化肉盛りの行われた軟鋼プレートを所定の矩形形状に切り出し、硬化肉盛層の縁部をエッジが立った状態に仕上げる段階とを、有する。
切り出しは、2層プレート50の周側面において、硬化肉盛層36の周側面と軟鋼層38の周側面とが隣接しかつ面一となるように、たとえばプラズマ切断により行えば、従来のような衝撃荷重受け面のエッジが鈍い状態での仕上がりに比べ、エッジが鋭く立った状態で仕上げることが可能である。
硬化肉盛層36の第1エッジ42の面取は、通常の機械加工により行えばよく、たとえば、面取カッターや傾斜付エンドミルを用いるのでもよい。研磨用の砥石を接着したベルト状の布を電動で回転させることにより研磨する工具でもよい。面取は、硬化肉盛層36および軟鋼層38からなる2層プレート50を鋳造本体部32に溶接する前に行ってもよいし、鋳造本体部32に溶接後に行ってもよい。特に、後者の場合、ハンマーヘッド24を破砕機10に取り付けて試験する現場において、前者に対する微調整として行うのでもよい。
次いで、2層プレート50を鋳造本体部32の突合せ面52に対して軟鋼層側を突き合せて、軟鋼層38を介して溶接固定し、それにより、2層プレート50の硬化肉盛層36を衝撃荷重受け面34として形成する。
より詳細には、斜め開先面である傾斜面68および傾斜面63を利用して、ワイヤを利用したトーチを凹状溶接部54内部および2層プレート50の下面と傾斜面63との間それぞれに差し込んで、アーク溶接により溶接を行う。
これにより、2層プレート50それぞれについて、軟鋼層側のプレート内面と下面とにおいて鋳造本体部32に対して溶接固定することから、破砕の際の衝撃荷重により、2層プレート50が鋳造本体部32から脱落することなく、強固に固定することが可能である。
次いで、上面64に設けた矩形状溝200に対して、追加硬化肉盛りを行って、肉盛り部が上面64と面一となるようにして、ハンマーヘッド24が完成する。
上述のように、このような摩耗特性を有効に生かすのに、第1エッジ42を面取しており、これにより、被破砕物または被粉砕物の粒度の微調整として、反撥固定刃27とハンマーヘッド24の先端との初期間隔調整を行う際、ハンマーヘッド24の先端を反撥固定刃27に当てた状態、すなわち、反撥固定刃27とハンマーヘッド24の先端との間隔をなしにした状態で、ロータ18を回転し、その位置を基準に、反撥固定刃27をハンマーヘッド24から遠ざけるように相対移動させることにより、初期間隔調整を行うとしても、ロータ18の回転によるハンマーヘッド24の先端の反撥固定刃27に対する繰り返しの衝撃荷重の負荷に係わらず、第1エッジ42まわりのチッピング(欠け)を抑制することが可能であり、粒度の微調整後の粉砕または破砕中に、このようなチッピング(欠け)に起因するハンマーヘッド24の摩耗特性への影響を抑制することが可能である。
さらに、反撥固定刃27は、ロータ18を挟んで、ロータ18の各側に配置され、それぞれの反撥固定刃27は、ロータ18の外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなすことから、ハンマーヘッド24の先端部と反撥固定刃27とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕を行う際、衝撃荷重受け面34による破砕あるいは粉砕対象物の打撃のみならず、破砕あるいは粉砕対象物がハンマーヘッド24の先端部、すなわち本体部の反撥固定刃27側の上面64と反撥固定刃27との間に位置して破砕あるいは粉砕される割合も高いことから、本体部の反撥固定刃27側の上面64には、軟鋼部端面41より回転方向遅れ側に、溝200を設け、溝200には、追加硬化肉盛部201を上面64とほぼ面一となるように設けることにより、ハンマーヘッド24の先端部と反撥固定刃27とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕することによって、本体部の反撥固定刃27側の上面64の耐摩耗性を向上させることが可能である。
より具体的には、第1エッジ42の摩耗状況に応じて、反撥固定刃27を移動させることにより、長期間にわたり破砕粒度を一定に維持することが可能であり、あるいはロータ18の回転速度を従来より上げることにより、破砕効率を確保しつつ、それに伴う第1エッジ42の摩耗状況に対して反撥固定刃27を移動させることにより対処可能である。
さらに、反撥固定刃27は、ロータ18を挟んで、ロータ18の各側に配置され、それぞれの反撥固定刃27は、ロータ18の外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなすことから、ハンマーヘッド24の先端部と反撥固定刃27とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕を行う際、衝撃荷重受け面34による破砕あるいは粉砕対象物の打撃のみならず、破砕あるいは粉砕対象物がハンマーヘッド24の先端部、すなわち本体部の反撥固定刃27側の上面64と反撥固定刃27との間に位置して破砕あるいは粉砕される割合も高いことから、本体部の反撥固定刃27側の上面64には、軟鋼部端面41より回転方向遅れ側に、溝200を設け、溝200には、追加硬化肉盛部201を上面64とほぼ面一となるように設けることにより、ハンマーヘッド24の先端部と反撥固定刃27とで協働して破砕あるいは粉砕対象物を破砕または粉砕することによって、本体部の反撥固定刃27側の上面64の耐摩耗性を向上させることが可能であり、以て、破砕あるいは粉砕対象物の粒度管理をさらに向上させることが可能である。
たとえば、本実施形態において、破砕対象物を製鉄用の石炭として説明したが、それに限定されることなく、粉砕または破砕に伴いハンマーヘッド24の衝撃荷重受け面の摩耗が問題とされる限り、たとえば廃棄プラスチック、廃材や廃棄物、コンクリート塊でもよい。
たとえば、本実施形態において、2層プレート50を鋳造本体部32に対して溶接する場合として説明したが、それに限定されることなく、衝撃荷重受け面を構成する硬化肉盛部36の内側に軟鋼部38を設ける限り、硬化肉盛部36および軟鋼部38をそれぞれ別途に、鋳造本体部に対して設けてもよい。
たとえば、本実施形態において、鋳造本体部について従来と同様に、Cr―Mn低合金鋳鋼製として説明したが、従来より、耐衝撃摩耗性が低いものを採用可能であることから、ハンマーアームとのピン連結部の耐摩擦摩耗性が確保可能な範囲で、より安価な鋳造品を採用してもよい。
d1 面取深さ
d2 軟鋼部までの距離
T1 硬化肉盛部の肉厚
T2 軟鋼部の肉厚
H 張出量
D1 突合せ面の幅
D2 凹状溶接部の幅
W 凹状溶接部の深さ
H 凹状溶接部の高さ
X―X 中心線
S 固定刃とハンマーヘッドとの間隔
10 破砕機
12 ケーシング
14 投入口
16 排出口
18 ロータ
20 ハンマーアーム
22 アームピン
24 ハンマーヘッド
25 破砕スペース
26 摩砕板
28 シリンダ
32 鋳造本体部
34 衝撃荷重受け面
36 硬化肉盛部
38 軟鋼部
40 端面
40 軟鋼端面
42 第1エッジ
43 内面
44 軟鋼対向側面
44 対向側面
44 対向側面
46 第2エッジ
48 第3エッジ
50 2層プレート
52 突き合わせ面
53 ピン穴
54 凹状溶接部
57 縁
59 縁
62 対向側面
63 傾斜面
64 上面
66 対向正面
67 中実部
68 傾斜面
70 軟鋼溶接部
72 追加硬化肉盛部
77 硬化肉盛部の端面部
79 軟鋼部の端面部
80 ハンマーヘッド部
81 硬化肉盛部の側面部
82 ピン穴
83 軟鋼部の側面部
85 軟鋼部の側面部
87 硬化肉盛部の側面部
89 突起部
90 面取部
200 溝
201 追加硬化肉盛部
Claims (2)
- 回転可能なロータの外周部に固定され、ロータのまわりに配置された反撥固定刃との間で破砕または粉砕を行うハンマーヘッドにおいて、
反撥固定刃は、前記ロータを挟んで、前記ロータの各側に、前記ロータに対して遠近移動可能に配置され、
それぞれの反撥固定刃は、前記ロータの外周部に沿って同心円状に、所定長さの円弧状をなし、
該ハンマーヘッドは、該ロータから該反撥固定刃に向かって所定長さに亘って延びる本体部を有し、
該本体部は、反撥固定刃側の端部の回転方向進み側に、衝撃荷重受け面を構成する硬化肉盛部と、該硬化肉盛部の内側かつ回転方向遅れ側に設けられた、該硬化肉盛部より軟質の軟鋼部とを有し、
被破砕または被粉砕物の粒度調整は、前記本体部の前記端部を前記反撥固定刃に当てた状態で、前記ロータを回転させることにより、前記本体部の前記端部を前記反撥固定刃に繰り返し衝突させることにより、行われ、
該硬化肉盛部は、前記衝撃荷重受け面と、前記衝撃荷重受け面と前記端部側で交差する端面とにより第1エッジを形成し、
該軟鋼部は、破砕または粉砕に伴う前記硬化肉盛部の該第1エッジの摩耗に追従して摩耗するように、前記端面に隣接して前記端面と面一の軟鋼部端面を有し、
前記第1エッジは、前記衝撃荷重受け面から前記端面に向かって斜め上方に面取された面取部を有し、
前記第1エッジまわりの、所望摩耗特性および所望チッピング耐性の両立が可能なように定められる、前記端面部における前記硬化肉盛層と前記軟鋼層との境界面までの距離が確保可能なように、前記面取部の面取深さおよび/又は面取角度が、調整されている、
ことを特徴とするハンマーヘッド。 - 前記面取角度が一定のもとで、前記面取深さを大きくすることにより、前記端面部における前記硬化肉盛層と前記軟鋼層との境界面までの前記距離が小さく設定 可能であり、前記面取深さが一定のもとで、前記面取角度を大きくすることにより、前記距離が大きく設定可能である、請求項1に記載のハンマーヘッド。
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JP2019144902A JP6765649B1 (ja) | 2019-07-22 | 2019-07-22 | ハンマーヘッド |
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JP2019144902A JP6765649B1 (ja) | 2019-07-22 | 2019-07-22 | ハンマーヘッド |
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