JP6765233B2 - エレベータードアのドアシュー - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータードアのドアシューに関する。
エレベーターの乗降口を構成する乗りかごの開口部と乗場の開口部を開閉するエレベータードアは、上吊り構造であり、ドアの下端部にはドアシューが取り付けられている。ドアシューは、エレベータードアの開閉に伴って乗降口に設けられた敷居溝に沿ってスライド移動することでドアの開閉時の揺れを低減する機能を有する。また、ドアシューには、敷居溝に入り込んだ小石や砂等の異物を除去してドアの開閉異常を防止する機能が求められる場合がある。例えば、特許文献1には、スライド方向の前後両端面を底面に対して鋭角に傾斜させることにより、敷居溝に入り込んだ異物を当該傾斜面ですくい上げて取り除くようにしたエレベータードアのドアシューが開示されている。
特開平9−301659号公報
ところで、敷居溝に嵌り込んだ異物にドアシューが衝突すると、敷居溝の側壁にドアシューが強く接触して大きな摩擦力が生じ、ドアの開閉が困難になる、異音が発生するといった不具合を招く場合がある。特許文献1のドアシューによっても、かかる不具合を防止することは困難である。
本発明の目的は、上記不具合の発生を防止できるエレベータードアのドアシューを提供することである。
本発明に係るエレベータードアのドアシューは、上吊構造のエレベータードアの下端部に取り付けられ、前記エレベータードアの開閉に伴って敷居溝をスライド移動するドアシューであって、前記敷居溝に挿入されるシュー本体と、前記敷居溝の側壁と対向する前記シュー本体の各側面にそれぞれ設けられたブラシ状部材とを備えることを特徴とする。
本発明に係るエレベータードアのドアシューにおいて、前記ブラシ状部材は、前記各側面において、前記エレベータードアのスライド方向に沿う第1方向の両端部にそれぞれ設けられていることが好適である。また、前記ブラシ状部材は、前記シュー本体に対して着脱自在に設けられていることが好ましい。さらに、前記第1方向に向いた前記シュー本体の前面及び後面は、前記第1方向及び上下方向に直交する第2方向の中央部が内側に凹んで湾曲していることが好ましい。
本発明に係るドアシューによれば、シュー本体の各側面にそれぞれ設けられたブラシ状部材によって、敷居溝の側壁に対するシュー本体の接触が防止される。敷居溝の側壁にはブラシ状部材のみが当接するため、側壁にシュー本体が接触する場合と比べて摩擦力が大幅に低減され、敷居溝に嵌り込んだ異物にドアシューが衝突することで生じ得る、ドアの開閉が困難になる、異音が発生するといった不具合が防止される。
ブラシ状部材は、例えば、ドアシューのセンター(横方向中央)を敷居溝のセンター(幅方向中央)に維持して、敷居溝の側壁にシュー本体が接触することを防止する。ブラシ状部材は、敷居溝の側壁の汚れを除去するために、常時敷居溝の側壁に当接していてもよい。
実施形態の一例である乗りかごを示す図である。 実施形態の一例であるドアシュー及びその近傍を示す図である。 実施形態の一例であるドアシューの斜視図である。 実施形態の一例であるドアシューの機能を説明するための図である。 実施形態の他の一例であるドアシューの斜視図である。
以下、実施形態の一例について詳細に説明する。実施形態の説明で参照する図面は模式的に記載されたものであるから、実施形態の各構成要素の寸法等は以下の説明を参酌して判断されるべきである。また、実施形態の各構成要素を適宜組み合わせて他の実施形態を構築することは当初から想定されている。
以下で説明する実施形態では、乗りかご11に設置されたかごドア12のドアシュー30を例示するが、本発明に係るドアシューは、乗場ドアに適用することもできる。また、本発明に係るドアシューは、センターオープン型のエレベータードア(かごドア・乗場ドア)に限定されず、サイドオープン型のエレベータードアに適用されてもよい。
本明細書において、ドアシューの第1方向とは、エレベータードアがスライド移動するスライド方向に沿った方向を意味するが、以下では、縦方向とし、また縦方向及び上下方向に直交する第2方向を横方向とする。なお、縦方向に向いたドアシューの側面のうち、ドアが閉じられるときにドアの進行方向に向いた側面が前面、進行方向と反対側に向いた側面が後面である。
図1は、実施形態の一例であるエレベーター10の乗りかご11を乗場側から見た図である。図1に例示するように、エレベーター10は、昇降路内において各階床に設置された乗場間を昇降する乗りかご11を備える。乗りかご11は、利用者が乗り込むことのできる室内スペースを有し、例えば、巻上げ機の駆動により昇降路内を昇降する。乗りかご11の乗場と対向する側壁には、乗降口を構成する開口部(図示せず)が形成されている。そして、乗りかご11には、当該開口部を開閉する2枚のかごドア12が設置されている。なお、乗降口とは、乗りかご11が乗場に停止しているときに、乗りかご11と乗場との間に形成される乗りかご11の出入口である。
かごドア12は、センターオープン型の上吊構造の扉である。かごドア12の上端部にはハンガープレート13が、下端部にはドアシュー30がそれぞれ取り付けられている。かごドア12は、ハンガープレート13のハンガーローラー14によってドアレール15に吊り下げられると共に、ドアシュー30が敷居16に形成された敷居溝17に嵌ることで、安定したスライド移動が可能である。開口部が形成された乗りかご11の側壁において、ドアレール15は開口部より上方に、敷居16は開口部より下方に、それぞれ設置されている。
かごドア12は、開閉装置20によって開閉される。開閉装置20は、モーター21、プーリー22、及びアーム23を有し、乗りかご11の上部に設けられている。かごドア12は、モーター21の駆動力がプーリー22とアーム23を介してハンガープレート13に取り付けられた連結バー24に伝達されることで開閉される。かごドア12には、乗場の開口部を開閉する乗場ドアと係合するベーン25が設置されており、乗場ドアはかごドア12と連動する。
かごドア12は、ドアレール15及び敷居16に沿ってスライド移動する。ドアレール15と敷居16はいずれも、水平方向に沿って互いに平行に配置される長尺状部材である。敷居16は、一般的に天面が開口部の下端と同じ高さとなるように設けられる。敷居16に形成される敷居溝17は、ドアシュー30をガイドするための溝である。本実施形態では、1つの敷居溝17が敷居16の全長にわたって真っ直ぐに形成されている。
敷居溝17の底部17bには、敷居溝17に入り込んだ小石や砂等の異物を昇降路に落下させるための貫通孔18が複数形成されている。貫通孔18は、敷居溝17の長手方向中央部と長手方向両端部にそれぞれ形成されることが好ましい。例えば、かごドア12が閉じられた状態と全開状態でドアシュー30と上下方向に重なる位置に貫通孔18が形成される。
ドアシュー30は、2枚のかごドア12の下端部において、縦方向両端部にそれぞれ取り付けられている。各ドアシュー30は、敷居溝17に挿入され、かごドア12の開閉に伴って敷居溝17内を移動することで、かごドア12の開閉時の揺れを低減する。また、ドアシュー30は、例えば、敷居溝17に入り込んだ異物を貫通孔18が形成された位置まで運び、敷居溝17から除去する。
以下、図2〜図4をさらに参照しながら、実施形態の一例であるドアシュー30について詳説する。図2はドアシュー30及びその近傍を示す図、図3はドアシュー30の斜視図である。図4は、ドアシュー30の機能を説明するための図であって、敷居溝17に挿入されたドアシュー30を上から見た状態を示す。
図2及び図3に示すように、ドアシュー30は、敷居溝17に挿入されるシュー本体31と、敷居溝17の側壁17aと対向するシュー本体31の各側面31aにそれぞれ設けられた側面ブラシ33とを備える。ドアシュー30は、さらに、シュー本体31をかごドア12に取り付けるための支持板32を備える。支持板32は、例えば、ボルト(図示せず)を用いてかごドア12に固定される。支持板32は、上部にボルトが挿し込まれる貫通孔32aが形成された板状の部材であって、シュー本体31の天面31dから上方に突出している。
シュー本体31は、支持板32よりも縦方向及び横方向に長いブロック状の部材である。シュー本体31は、一般的にゴム製の部材であるが、敷居溝17に入り込んだ異物と接触し得る前面31bと後面31cを金属製の材料で構成してもよい。図2に示す例では、シュー本体31の全体と、支持板32の一部が敷居溝17に挿入されている。なお、ドアシューの形状は図2及び図3に例示する形状に限定されず、例えば、支持板がシュー本体よりも縦方向に長く延びた形状であってもよい。
シュー本体31は、支持板32を介してかごドア12に固定され、敷居溝17の底部17bに接触しない状態で敷居溝17内に配置される。シュー本体31は、横方向より縦方向に長く、後述の保持部37が形成された部分を除き、縦方向に沿って一定の横方向長さ(幅)を有する。シュー本体31の幅は、敷居溝17の幅よりも小さく、シュー本体31の側面31aと敷居溝17の側壁17aとの間には所定の隙間が形成される。所定の隙間は、シュー本体31の横方向両側で略同一であることが好ましく、シュー本体31の横方向中央は敷居溝17の幅方向中央に位置する。
シュー本体31の前面31b及び後面31cは、底面31eに対して鋭角に傾斜している。換言すると、前面31bと後面31cは、天面31dに対して鈍角に傾き、斜め上方を向いている。図3に示す例では、前面31bと後面31cがいずれも平坦に形成されている。側面31aは、上底が下底よりも長い台形形状を有する。敷居溝17に入り込んだ異物は、例えば、前面31b又は後面31cに押されるが、前面31bと後面31cをこのように傾斜させることで、異物をすくい上げて敷居溝17から除去し易くなる。或いは、異物が敷居溝17に強く嵌り込んでいる場合であっても、異物をすくい上げて動かし、貫通孔18から落下させることができる。
ドアシュー30は、上述の通り、シュー本体31の各側面31aにそれぞれ設けられた側面ブラシ33を備える。側面ブラシ33は、シュー本体31の各側面31aから横方向両側に突出したブラシ状部材であって、その突出長さは横方向両側で互いに略同一であることが好ましい。詳しくは後述するが、側面ブラシ33は、敷居溝17の側壁17aにシュー本体31の側面31aが接触することを防止する機能を有する。
側面ブラシ33は、シュー本体31の各側面31aにおいて、縦方向両端部にそれぞれ設けられている。側面ブラシ33は、側面31aの全体に設けることもできるが、側壁17aとの摩擦力を低減するために、側面31aの一部に設けることが好適である。各側面31aの縦方向中央よりも両端寄りに局所的に側面ブラシ33を設けることで、側壁17aとの摩擦力を低減しながら、側壁17aと側面31aの接触を効率良く防止できる。本実施形態では、互いに同じ形状、寸法を有する4つの側面ブラシ33が各側面31aの縦方向両端部に1つずつ設けられている。
側面ブラシ33は、上下方向に細長い形状を有し、側面31aの上端から下端近傍にわたって設けられている。側面ブラシ33は、シュー本体31に保持される基部34と、シュー本体31の側面31aから横方向に突出するブラシ35とで構成されている。基部34は、略H字の幅方向断面形状を有し、後述する保持部37によってシュー本体31に保持されている。ブラシ35は、例えば、基部34に毛材を取り付けて構成される。
側面ブラシ33は、シュー本体31に対して着脱自在に設けられている。本実施形態では、各側面31aの縦方向両端部に、側面ブラシ33の基部34を収容する保持部37が形成されている。保持部37は、上下方向に細長い形状を有する凹部であって、側面31aの上端から下端近傍にわたり、基部34を天面31dから挿し込み可能に形成されている。側面ブラシ33の着脱を容易にするため、基部34の上端には上方に突出したピン36が設けられている。ピン36は、例えば、保持部37から側面ブラシ33を引き抜くときに摘みとして使用される。
側面ブラシ33が設けられた部分のドアシュー30の幅は、例えば、敷居溝17の幅と略同一である。この場合、側面ブラシ33のブラシ35は、敷居溝17の側壁17aに常時当接した状態となり、側壁17aに付着した汚れを除去する。例えば、敷居溝17の側壁17aにはジュース類等の汁汚れが付着する場合があり、ブラシ35によって当該汁汚れを拭き取ることができる。シュー本体31の横方向両側から突出する各側面ブラシ33は、例えば、ドアシュー30の横方向に並んで設けられている。
図4では、敷居溝17に小石100が嵌り込んだ状態を示している。図4に示すように、ドアシュー30は、敷居溝17に嵌り込んだ小石100を貫通孔18が形成された位置まで押して運び、貫通孔18から落下させて除去する。或いは、傾斜した前面31bによって小石100をすくい上げて敷居溝17から除去する。
ドアシュー30が敷居溝17に強く嵌り込んだ小石100に衝突すると、その衝撃力で横方向一方側にズレるような力が作用することがあるが、このような場合でも側面ブラシ33によってドアシュー30のセンターが敷居溝17のセンターに維持される。つまり、シュー本体31の横方向両側に側面ブラシ33が敷居溝17の側壁17aに当接した状態で配置されているため、ドアシュー30の横ズレが抑制される。
また、小石100との衝突によりシュー本体31の側面31aが敷居溝17の側壁17aに接近したとしても、側面ブラシ33によって側壁17aに対する側面31aの接触が防止される。側壁17aには側面ブラシ33のみが当接するため、側壁17aにシュー本体31が接触する場合と比べて摩擦力が大幅に低減され、かごドア12の開閉が困難になる、異音が発生するといった不具合が防止される。
さらに、側面ブラシ33によって敷居溝17の側壁17aに付着した汁汚れ等を拭き取ることができる。側面ブラシ33は、シュー本体31に対して着脱自在に設けられているため、側面ブラシ33が汚れた場合には側面ブラシ33を容易に取り替えることができる。
なお、上述の実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、ブラシ状部材はシュー本体の側面から外すことができないものであってもよく、側面に毛材を取り付けて構成されてもよい。また、シュー本体の前面及び後面は、上下方向に沿って形成されていてもよい。
図5は、実施形態の他の一例であるドアシュー40の斜視図である。ドアシュー40は、前面41bと後面41cの横方向中央部が内側に凹んで湾曲している点で、ドアシュー30と異なる。前面41bと後面41cは、底面41eに対して鋭角に傾斜すると共に、全体が湾曲している。この場合、前面41b又は後面41cに当接する小石等の異物が、シュー本体31の横方向中央部に集まり易くなり、異物を貫通孔18が形成された位置まで押して運ぶことが容易になる。
10 エレベーター、11 乗りかご、12 かごドア、13 ハンガープレート、14 ハンガーローラー、15 ドアレール、16 敷居、17 敷居溝、17a 側壁、17b 底部、18 貫通孔、20 開閉装置、21 モーター、22 プーリー、23 アーム、24 連結バー、25 ベーン、30 ドアシュー、31 シュー本体、31a 側面、31b 前面、31c 後面、31d 天面、31e 底面、32 支持板、32a 貫通孔、33 側面ブラシ、34 基部、35 ブラシ、36 ピン、37 保持部、100 小石

Claims (3)

  1. 上吊構造のエレベータードアの下端部に取り付けられ、前記エレベータードアの開閉に伴って敷居溝をスライド移動するドアシューであって、
    前記敷居溝に挿入されるシュー本体と、
    前記敷居溝の側壁と対向する前記シュー本体の各側面にそれぞれ設けられたブラシ状部材と、
    を備え、
    前記エレベータードアのスライド方向に沿う第1方向に向いた前記シュー本体の前面及び後面は、前記第1方向及び上下方向に直交する第2方向の中央部が内側に凹んで湾曲している、エレベータードアのドアシュー。
  2. 前記ブラシ状部材は、前記シュー本体の前記各側面において、前記エレベータードアのスライド方向に沿う第1方向の両端部にそれぞれ設けられている、請求項1に記載のエレベータードアのドアシュー。
  3. 前記ブラシ状部材は、前記シュー本体に対して着脱自在に設けられている、請求項1又は2に記載のエレベータードアのドアシュー。
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