JP6764174B2 - 被覆部材付きカート、前記被覆部材付きカートに用いられる被覆部材、及び被覆部材付きカートを用いた梱包材の運搬方法 - Google Patents

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本発明は、梱包材(例えば使用済みのダンボール箱等)を、積み重ねて運搬できる被覆部材付きカート、前記被覆部材付きカートに用いられる被覆部材、及び前記被覆部材付きカートを用いた梱包材の運搬方法に関する。
従来、小売店等の陳列台に商品を陳列する作業として、梱包材に入れられた状態で商品を所定位置まで運搬し、そこで梱包材を開封した後、使用済みの梱包材を畳んでバックヤードまで再度運ぶという工程はよく知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、複数の段ボール箱を運搬する際に、ダンボール箱の大きさが異なることが原因で、カートに積み上げた状態が不安定となることを防止すべく、カート用ネットを用いて安定性を保持する方策もすでに知られている(例えば、特許文献2参照)。
実用新案登録第3045938号公報 実用新案登録第3206643号公報
しかしながら、例えば特許文献1のリサイクル用物品搬送台車にあっては、あくまでも使用済みのダンボール箱を搬送することに主眼が置かれているため、これを商品の陳列作業に使用することはできない。
また特許文献2のカート用ネットにあっては、装着が煩わしいと共に、積載量に限界があるという問題がある。
また、実際の作業現場においては、両側から荷物を出し入れすることができるいわゆる六輪カートと呼ばれる簡易構造でコンパクトなカートが重宝されており、当該カートを用いた場合にも使用済みのダンボール箱を適切に運搬することができることが望まれている。
そこで本発明は、使用済みの梱包材を適切に積み重ねて運搬することができる被覆部材付きカートを提供することを目的とする。
また本発明は、被覆部材付きカートに好適に使用することができる被覆部材を提供することを目的とする。
さらに本発明は、効率良く使用済みの梱包材を運搬できる梱包材の運搬方法を提供することを目的とする。
本発明は、車輪を有した基台と、前記基台の縁部から起立した、互いに向かい合う一対の起立状構造部と、を有し、前記基台の上方における前記一対の起立状構造部間が開放されることで、前記基台上に、前記基台を基準として両側から荷物を出し入れすることを可能とする開口部が一対形成されてなるカート本体と、前記一対の起立状構造部間に差し渡されて前記一対の開口部を被覆する被覆部材と、を具備した被覆部材付きカートであって、前記の各起立状構造部の上端部には、一方の開口部側に配された第一支持部と、他方の開口部側に配された第二支持部とが設けられており、前記被覆部材の外縁部には、固定部が設けられており、前記カート本体に前記被覆部材が装着された使用状態では、前記第一支持部と前記第二支持部とに、それぞれ前記被覆部材の固定部が脱着自在に固定されて、前記被覆部材が一対の前記起立状構造部間で垂れ下がることで前記被覆部材の中央部分が前記基台上面に載置されると共に、前記被覆部材によって前記一方の開口部と前記他方の開口部とが覆われた状態となっていることを特徴とする被覆部材付きカートである。
かかる構成にあっては、前記カート本体には、基台を基準として両側に開口部が形成されているため、作業者は両側から荷物を出し入れすることができる。また、前記開口部を被覆する被覆部材は、前記一対の起立状構造物や基台の外寸に対して弛みをもたせることで、前記基台からはみ出すような大きな梱包材であっても十分に安定して運搬することができる。
また、前記起立状構造部における前記第一支持部と前記第二支持部より下側部分であって、少なくとも一方の開口部側の部位には、補助支持部が設けられており、前記使用状態において前記被覆部材における前記補助支持部に対応する位置に、前記補助支持部に脱着自在に固定可能な補助固定部が設けられている構成が提案される。
かかる構成とすることにより、前記被覆部材が被覆する開口部のうち上側の開口部分を一部開放することができるため、使用済みの梱包材の積載作業において、積載済みの梱包材が崩れ落ちてしまうことを防止しつつ、積み上げ作業を安全に継続することが可能となる。
なお、上述のように前記使用状態で、前記基台上に梱包材が積み上げられる構成にあって、積み上げられた前記梱包材の少なくとも一部は、前記基台上面から外側にはみ出していることが望ましい。
かかる構成にあっては、陳列作業の効率化を図るために、前記基台の横幅(起立状構造部の対向方向に対して直交する方向の外寸)が可及的に幅小となった場合でも、梱包材が基台からはみ出した状態のまま安定して運搬作業が行える。
また本発明は、前記被覆部材付きカートに用いられる被覆部材であって、前記被覆部材が、シート形状であることを特徴とする被覆部材である。
かかる構成にあっては、前記被覆部材付きカートに積載される荷物や使用済み梱包材を安定して積載し、運搬することができる。
さらに本発明は、前記被覆部材付きカートを用いた梱包材の運搬方法であって、内容物を含む梱包材を、前記被覆部材を装着していないカート本体を用いて所要位置まで移送する移送工程と、前記使用状態として、前記被覆部材が載置された前記基台上に、使用済みの前記梱包材を積載していく積載工程と、を備えることを特徴とする被覆部材付きカートを用いた梱包材の運搬方法である。
かかる構成にあっては、内容物を含む梱包材を所定位置まで運んだ同一カートを用いて、使用済みの梱包材を回収する作業を行うことができるため、全体として陳列作業の効率が大幅に向上する。
本発明の被覆部材付きカートは、使用済みの梱包材を適切に積み重ねて運搬することができる効果がある。
また本発明の被覆部材は、被覆部材付きカートに好適に使用することができる効果がある。
さらに本発明の梱包材の運搬方法は、効率良く使用済みの梱包材を運搬できる効果がある。
被覆部材付きカートの斜視図である。 カート本体の斜視図である。 左側の開口部を被覆した状態の被覆部材付きカートを示す斜視図である。 右側の開口部の一部を開放した状態の被覆部材付きカートを示す斜視図である。 使用済みの梱包材を積載した状態を示す説明図である。
本発明の実施形態を、以下に示す実施例に従って説明する。なお、本発明は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜実施形態を変更することができる。
被覆部材付きカート1(以下単にカート1ともいう)は、図1に示すように、カート本体10と、カート本体10に装着される被覆部材としてのシート60と、を備えている。なお、シート60の厚みは、省略して図示している。
まず、カート本体10について説明する。
カート本体10は、図2に示すように、下部に複数の車輪(キャスター)12を有した長方形状の基台11を備えている。また、基台11の両端部からは、上方に向かって起立する起立状構造部30,30が対向状に設けられている。
ここで、起立状構造部30は、基台11の短手方向に並ぶ一対の柱部21,21と、当該一対の柱部21,21間に差し渡された複数段の横杆25とによって構成されている。
また、基台11の上方であって、一対の起立状構造部30,30の間には、開口部35,36が形成されている。さらに詳述すると、基台11の長手方向に沿う側縁は、柵等が設けられずに開放されており、基台11を基準として両側から荷物を出し入れすることが可能となっている。なお、図2等において左側に位置する開口部35により、本発明にかかる一方の開口部が構成され、右側に位置する開口部36により、本発明にかかる他方の開口部が構成される。
さらに、一対の起立状構造部30,30の上端部には、第一支持部41,41と、第二支持部42,42とが形成されている。さらに詳述すると、起立状構造部30,30の柱部21,21のうち、左側の開口部35側に位置した柱部21,21の上端部によって、それぞれ第一支持部41,41が構成され、右側の開口部36側に位置した柱部21,21の上端部によって、それぞれ第二支持部42,42が構成されている。
なお、これまでに述べたカート本体10は、公知のカートが好適に採用されうる。
次に、シート60について詳述する。
シート60は、図1等に示すように、柔らかい可撓性を有した素材からなり、展開した状態で長方形状のシート材で構成されている。
そして、シート60の四隅には、リング状の固定部61が設けられている。具体的には、図3等に示すように、各固定部61は、第一支持部41及び第二支持部42に上側から引っ掛けて装脱自在に係止することが可能な金属製のリング部材からなる。なお、リング部材をシート60の外縁部に固定して固定部61とする構造は、縫製技術等を採用することができるが、他の手段を採用しても勿論よい。
また、シート60の外縁部の所定位置には、いわゆるカラビナ部品で構成された補助固定部62が取り付けられている。具体的には、シート60の外縁部に補助固定部62が取り付けられており、柱部21の中段位置あたりに形成された補助支持部45に引っ掛けて脱着自在に係止することが可能となっている。なお、カラビナ部品をシート60の外縁部に固定して補助固定部62とする構造は、縫製技術等を採用することができるが、他の手段を採用しても勿論よい。
次に、カート1の使用形態について説明する。
まず、図2に示すカート本体10の基台11上に、梱包材(例えば段ボール箱)に梱包された商品を積載して、所定の陳列位置まで運搬する(移送工程)。このとき、カート本体10にシート60は装着されていない。また、カート本体10は、両側に開口部35,36が形成されているため、商品を梱包材から取り出して陳列する作業が極めて行いやすい。
次に、商品の陳列作業を終えたカート本体10に対して、図3に示すようにシート60を装着する。さらに詳述すると、まず、図3において左側の開口部35側に配された第一支持部41,41に、シート60の一対の固定部61,61を各々引っ掛ける。そして、そのままシート60を垂れ下げて、シート60の末端側の部分を基台11上に被せる。またこのとき、起立状構造部30に形成された補助支持部45に、シート60の補助固定部62を係止する。
次に、図4に示したように、開口部36側においても、起立状構造部30に形成された補助支持部45にシート60の補助固定部62を係止する。そうすると、基台11上にシート60が乗載された状態のまま、左側の開口部35が被覆され、かつ右側の開口部36の上部のみが開放された使用状態が得られる。そして、かかる開口部36から、順次、使用済みのダンボール箱を折り畳んで基台11上に積載していく(積載工程)。そして、図5に示すように、使用済みのダンボール箱の積載高さに応じて、シート60の固定部61,61を、起立状構造部30の第二支持部42,42に固定することで、コンパクトな寸法のカート1に対して大量のダンボールを基台11からはみ出した状態で積載していくことが可能となる。
ここで、例えば上述の移送工程は、シート60をカート本体10に装着した状態であっても構わない。
また、起立状構造部30,30は、パネル壁状やフレーム状等の他の形状であっても構わない。
また、被覆部材としては、シート60に限定されず、例えば網状(ネット状)のものであっても構わない。また、シート60は、シート材自体が伸縮性を有していても構わない。
また、固定部61及び補助固定部62の構造は、上記の構造に限られず、他の係止構造が採用されても勿論よい。
また、補助支持部45は、開口部35,36の側縁に複数設けられていてもよく、補助固定部62もそれに対応して複数設けられていて構わない。また、補助支持部45の取り付け高さは適宜変更可能である。特に、シート60に対する補助支持部45の配置は、固定部61,61の引掛作業が容易となる位置に定めることが望ましい。例えば、使用状態における補助支持部45の取付位置を下寄りの位置とすると、補助支持部45への引張力が増して固定部61の引掛作業が容易となる。
また、固定部61及び補助固定部62の係止構造は、容易に係止状態が解除されないような脱離防止構造を有したものであっても構わない。
1 被覆部材付きカート
10 カート本体
11 基台
12 車輪
30 起立状構造部
35,36 開口部
41 第一支持部
42 第二支持部
45 補助支持部
60 シート(被覆部材)
61 固定部
62 補助固定部

Claims (4)

  1. 車輪を有し、上面に荷物が積み上げられる基台と、前記基台の縁部から起立した、互いに向かい合う一対の起立状構造部と、を有し、前記基台の上方における前記一対の起立状構造部間が開放されることで、前記基台上に、前記基台を基準として両側から荷物を出し入れすることを可能とする開口部が一対形成されてなるカート本体と、
    前記一対の起立状構造部間に差し渡されて前記一対の開口部を被覆する被覆部材と、
    を具備した被覆部材付きカートであって、
    前記基台の上面は長手方向と短手方向とを有し、
    前記一対の起立状構造部は、前記基台の長手方向両端部に、向かい合うように設けられており、
    前記一対の起立状構造部間における前記基台の長手方向に沿う側縁は、柵等が設けられずに開放されており、
    前記の各起立状構造部の上端部には、一方の開口部側に配された第一支持部と、他方の開口部側に配された第二支持部とが設けられており、
    前記被覆部材の外縁部には、固定部が設けられており、
    前記カート本体に前記被覆部材が装着された使用状態では、
    前記第一支持部と前記第二支持部とに、それぞれ前記被覆部材の固定部が脱着自在に固定されて、前記被覆部材が一対の前記起立状構造部間で垂れ下がることで前記被覆部材の中央部分が前記基台上面に載置されてなり、当該基台上の被覆部材上に荷物が積み上げ可能となると共に、前記被覆部材によって前記一方の開口部と前記他方の開口部とが覆われた状態となっている
    ことを特徴とする被覆部材付きカート。
  2. 前記起立状構造部における前記第一支持部と前記第二支持部より下側部分であって、少なくとも一方の開口部側の部位には、補助支持部が設けられており、
    前記使用状態において前記被覆部材における前記補助支持部に対応する位置に、前記補助支持部に脱着自在に固定可能な補助固定部が設けられている
    請求項1に記載の被覆部材付きカート。
  3. 前記被覆部材が、シート形状である
    請求項1又は請求項2に記載の被覆部材付きカート。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の被覆部材付きカートを用いた梱包材の運搬方法であって、
    内容物を含む梱包材を、前記被覆部材を装着していないカート本体を用いて所要位置まで移送する移送工程と、
    前記使用状態として、前記被覆部材が載置された前記基台上に、使用済みの前記梱包材を積載していく積載工程と、
    を備えることを特徴とする被覆部材付きカートを用いた梱包材の運搬方法。
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