JP6762796B2 - スラストころ軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、軌道面を転動する複数のころが保持器によって放射状に保持されて構成されるスラストころ軸受に関する。
スラスト荷重を受けるスラストころ軸受は、放射状に配置された複数のころ(転動体)を備え、例えば車両のトランスミッションや風車装置において非回転部材と回転部材との間に介挿され、回転軸方向のスラスト力を受けながら回転部材の回転を円滑にするために用いられる。スラストころ軸受は、例えば、軌道面に放射状に配列される複数のころと、ころを収納するポケットを有する保持器と、を備える(特許文献1参照)。
特開2010−281406号公報
スラストころ軸受においては、使用時に軌道輪における内周側と外周側の間での周速度の差異(周速差)が生じ、これに起因して、外周側において軌道輪ところとの間で滑りが発生する特性が有る。滑りが発生すると、滑り摩擦により軌道輪ところとの間の回転抵抗が増加したり、外周側においてころや軌道輪の摩耗が多くなるという不具合が発生する。
本発明は、ころの滑りに起因する各種不具合を抑制することができるスラストころ軸受を提供することを目的とする。
本発明は、少なくともスラスト荷重を受けるスラストころ軸受であって、軌道面に放射状に配列される複数のころから構成されるころ群であって、前記ころの放射方向に複数列配列されるころ群と、前記ころ群を構成する前記ころを収納する複数列のポケットを有する保持器と、を備え、前記放射方向の外側の前記ころ群を構成する前記ころの個数は、前記放射方向の内側の前記ころ群を構成する前記ころの個数よりも多い、スラストころ軸受に関する。
また、前記保持器は、前記放射方向に配列される複数の保持器要素から構成され、前記保持器要素は、1列の前記ころ群に対応する1列の前記ポケットを有してもよい。
また、前記複数の保持器要素は、前記放射方向に連結又は分離が自在であってもよい。
また、前記複数の保持器要素は、前記放射方向に連結されていなくてもよい。
また、前記ポケットは、前記放射方向に延びており、前記放射方向の外側に開放し且つ前記放射方向の内側には閉じており、また、前記保持器の厚さ方向に開放しており、前記ころは、前記ポケットに収納された状態において、前記ポケットにおける前記保持器の厚さ方向の開放部を介して、前記保持器よりも前記保持器の厚さ方向に突出しており、前記ポケットは、前記ポケットにおける前記保持器の厚さ方向の開放部からの前記ころの抜けを規制していてもよい。
また、前記放射方向の内側の前記保持器要素の前記ポケットにおける前記放射方向の外側の開放した端部は、前記放射方向の外側の前記保持器要素により塞がれ、前記放射方向の内側の前記保持器要素の前記ポケットに収納されている前記ころが前記放射方向の外側へ抜けることが規制されてもよい。
本発明は、少なくともスラスト荷重を受けるスラストころ軸受であって、軌道面に放射状に配列される複数のころから構成されるころ群と、前記ころ群を構成する前記ころを収納するポケットを有する保持器と、を備え、前記ポケットは、前記放射方向に延びており、前記放射方向の外側に開放し且つ前記放射方向の内側には閉じており、また、前記保持器の厚さ方向に開放しており、前記ころは、前記ポケットに収納された状態において、前記ポケットにおける前記保持器の厚さ方向の開放部を介して、前記保持器よりも前記保持器の厚さ方向に突出しており、前記ポケットは、前記ポケットにおける前記保持器の厚さ方向の開放部からの前記ころの抜けを規制している、スラストころ軸受に関する。
また、スラストころ軸受は、スラスト荷重及びラジアル荷重を受けるスラストころ軸受であり、前記軌道面は、円錐状であってもよい。
また、前記ころは、前記ころの放射方向の内側に向けて窄まった略円錐形状を有していてもよい。
また、前記ころ及び/又は前記保持器は、フッ素樹脂から形成されていてもよい。
本発明によれば、ころの滑りに起因する各種不具合を抑制することができるスラストころ軸受を提供することができる。
本発明の第1実施形態のスラストころ軸受1を、軌道輪を省略した状態で示す平面図である。 図1Aにおける底面図である。 図1Aにおける正面図である。 図1AにおけるA−B−C線断面図である。 内側の保持器要素33Aを示す平面図である。 図3Aにおける正面図である。 図3Bの向きを変えた図である。 仮想的にころ22Aをポケット32Aから出した状態を示す、図3A対応図である。 仮想的にころ22Aをポケット32Aから出した状態を示す、図3C対応図である。 外側の保持器要素33Bを示す底面図である。 図5Aにおける正面図である。 図5Bの向きを変えた図である。 仮想的にころ22Bをポケット32Bから出した状態を示す、図5A対応図である。 仮想的にころ22Bをポケット32Bから出した状態を示す、図5C対応図である。 図2Bの分解断面図であり、外側の保持器要素33Bを示す図である。 図2Bの分解断面図であり、内側の保持器要素33Aを示す図である。 本発明の第1実施形態のスラストころ軸受1を、軌道輪6,7を含む状態で示す、図2A対応図である。 本発明の第1実施形態のスラストころ軸受1を、軌道輪6,7を含む状態で示す、図2B対応図である。 本発明の第2実施形態のスラストころ軸受1Aを、軌道輪を省略した状態で示す平面図である。 本発明の第3実施形態のスラストころ軸受101を、軌道輪を省略した状態で示す正面図である。 図10Aにおける平面図である。 仮想的にころ122をポケット132から出した状態を示す、図10B対応図である。 本発明の第3実施形態のスラストころ軸受101を、軌道輪106,107を含む状態で示す断面図である。 図12に示す状態から軌道輪106,107及びころ122を省略した状態を示す断面図である。 本発明の第4実施形態のスラストころ軸受201を、軌道輪を省略した状態で示す正面図である。 図14Aにおける平面図である。 仮想的にころ222Bをポケット232Bから出した状態を示す図であり、外側の保持器要素233Bを示す平面図である。 仮想的にころ222Aをポケット232Aから出した状態を示す図であり、内側の保持器要素233Aを示す平面図である。 本発明の第4実施形態のスラストころ軸受201を、軌道輪206,207を含む状態で示す断面図である。 図16Aを展開した断面図である。 図16Bに示す状態から軌道輪206,207及びころ222A、222Bを省略した状態を示す断面図である。 第1変形例を示す斜視図であり、アウタレース6Aを示す。 第1変形例を示す斜視図であり、インナレース7Aを示す。 第1変形例を示す断面図であり、図8B対応図である。 第2変形例を示す平面図であり、図1A対応図である。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態のスラストころ軸受1について、図面を参照して説明する。図1Aは、本発明の第1実施形態のスラストころ軸受1を、軌道輪を省略した状態で示す平面図である。図1Bは、図1Aにおける底面図である。図2Aは、図1Aにおける正面図である。図2Bは、図1AにおけるA−B−C線断面図である。図3Aは、内側の保持器要素33Aを示す平面図である。図3Bは、図3Aにおける正面図である。図3Cは、図3Bの向きを変えた図である。図4Aは、仮想的にころ22Aをポケット32Aから出した状態を示す、図3A対応図である。図4Bは、仮想的にころ22Aをポケット32Aから出した状態を示す、図3C対応図である。図5Aは、外側の保持器要素33Bを示す底面図である。図5Bは、図5Aにおける正面図である。図5Cは、図5Bの向きを変えた図である。図6Aは、仮想的にころ22Bをポケット32Bから出した状態を示す、図5A対応図である。図6Bは、仮想的にころ22Bをポケット32Bから出した状態を示す、図5C対応図である。図7Aは、図2Bの分解断面図であり、外側の保持器要素33Bを示す図である。図7Bは、図2Bの分解断面図であり、内側の保持器要素33Aを示す図である。図8Aは、本発明の第1実施形態のスラストころ軸受1を、軌道輪6,7を含む状態で示す、図2A対応図である。図8Bは、本発明の第1実施形態のスラストころ軸受1を、軌道輪6,7を含む状態で示す、図2B対応図である。
第1実施形態のスラストころ軸受1は、実質的にスラスト荷重のみを受けるスラストころ軸受である。図1A〜図8Bに示すように、第1実施形態のスラストころ軸受1は、ころ群2と、保持器3と、外側の軌道輪(外輪)としてのアウタレース6(図8A、図8B参照)と、内側の軌道輪(内輪)としてのインナレース7(図8A、図8B参照)と、を備える。
図8A、図8Bに示すように、保持器3は、アウタレース6とインナレース7との間に配置されている。図1A〜図6Bに示すように、ころ群2を構成する複数のころ22は、保持器3に形成されたポケット32に転動可能に保持されている。
スラストころ軸受1は、例えば車両のトランスミッションや風車装置に用いられ、図8A、図8Bに示すように、インナレース7の内周側に挿通された段付き軸状の回転部材75と、アウタレース6に面したハウジング65との間に介挿される。保持器3に保持された複数のころ22の転動により、スラストころ軸受1は、回転部材75の軸方向のスラスト力を受けながら回転部材75の回転を円滑に支持する。
アウタレース6は、複数のころ22が転動する軌道面61aが形成された環状の軌道部61と、軌道部61の外周端から軌道面61aに直交して延出された短円筒状の外周壁部62と、を一体に有している。軌道面61aは、回転軸J1に対して直交する平面上にあり、インナレース7の軌道面71aに対向して配置される。
インナレース7は、複数のころ22が転動する軌道面71aが形成された環状の軌道部71と、軌道部71の内周端から軌道面71aに直交して延出された短円筒状の内周壁部72と、を一体に有している。軌道面71aは、アウタレース6の軌道面61aに平行となるように対向して配置される。
段付き軸状の回転部材75は、その段差部において、インナレース7の軌道部71と内周壁部72とに跨がって突き当てられて、圧入されている。
図1A〜図8Bに示すように、ころ群2は、軌道面61a、71aに放射状に延び且つ周方向DRに間隔をおいて配列される複数のころ22から構成される。ころ群2(2A,2B)は、ころ22の放射方向DDに複数列(本実施形態においては2列)配列される。ころ22は、外周が円筒状の円筒ころである。
保持器3は、平面視で円環板状である。アウタレース6の外周壁部62は、保持器3の外周よりもわずかに大きくなっている。そのため、アウタレース6の軌道部61に配置された保持器3は、外周壁部62の内側において、滑らかに回転することができる。
保持器3は、ころ群2を構成するころ22を収納する複数列のポケット群31を有する。ポケット群31は、周方向DRに間隔をおいて配列する複数のポケット32から構成される。ポケット群31(31A,31B)は、ころ22の放射方向DDに複数列(本実施形態においては2列)配列される。ポケット32は、放射状に配置された複数のころ22を転動可能に保持するように、複数のころ22と同数、放射状に設けられている。
保持器3は、放射方向DDに配列する複数の保持器要素33から構成される。本実施形態においては、保持器3は、放射方向DDの内側の(第1の)保持器要素33A(図3A、図4A参照)と、放射方向DDの外側の(第2の)保持器要素33B(図5A、図6A参照)と、から構成される。保持器要素33(33A,33B)は、それぞれ、1列のころ群2に対応する1列のポケット群31(ポケット32)を有する。具体的には、内側の第1の保持器要素33Aは、内側の第1のころ群2Aに対応する内側のポケット群31A(ポケット32A)を有する。外側の第2の保持器要素33Bは、外側の第2のころ群2Bに対応する外側のポケット群31B(ポケット32B)を有する。
ポケット32は、円筒状のころ22の外周形状に対応して、ころ22を収納可能な円筒状の内周形状を有している。各保持器要素33においては、ポケット32は、放射方向DDに延びており、放射方向DDの外側の外側開放端部41において開放している。ポケット32は、放射方向DDの内側には底部42を有し、閉じている。各保持器要素33においては、ころ22は、ポケット32に収納された状態において、ポケット32における外側開放端部41から放射方向DDの外側には、突出していないか、又は略面一である。
ポケット32は、保持器3の厚さ方向DTの両側で、厚さ方向開放部43,43において開放している。ころ22は、ポケット32に収納された状態において、ポケット32における厚さ方向開放部43を介して、保持器3よりも保持器3の厚さ方向に突出している。
ポケット32は、ポケット32における厚さ方向開放部43からのころ22の抜けを規制している。詳細には、図3C及び図5Cに示すように、厚さ方向開放部43は、ポケット32及びころ22を延びる方向(放射方向DD)に視た場合に、円筒状のころ22の幅(直径)よりも狭くなっている。そのため、ころ22は、ポケット32における厚さ方向開放部43から抜けることはない。
また、前述したように、各保持器要素33においては、ポケット32は、放射方向DDの外側の外側開放端部41において開放しており、また、放射方向の内側には底部42を有し、閉じている。そのため、各保持器要素33においては、ころ22は、ポケット32に、外側開放端部41を介して(のみ)放射方向DDの内側に向けて挿入されることができ、ポケット32に挿入されているころ22は、外側開放端部41を介して(のみ)放射方向DDの外側に向けて抜き出されることができる。
放射方向DDに隣接する複数の保持器要素33は、連結係合部35により放射方向DDに連結又は分離が自在となっている。本実施形態においては、連結係合部35は、第1係合部35Aと第2係合部35Bとを備える。第1係合部35Aは、内側の(第1の)保持器要素33Aの外周部に、周方向DRに離間して複数、設けられている。第2係合部35Bは、放射方向DDの外側の(第2の)保持器要素33Bの内周部に、周方向DRに離間して複数、設けられている。第1係合部35Aと第2係合部35Bとは、互いに係合可能な位置に配置され、互いに係合されることができる。第1係合部35Aと第2係合部35Bとが係合された状態において、内側の(第1の)保持器要素33Aと外側の(第2の)保持器要素33Bとは、連結される。
放射方向DDに隣接する保持器要素33(33A,33B)が連結された状態において、放射方向DDの内側の保持器要素33Aのポケット32Aにおける放射方向DDの外側開放端部41は、放射方向DDの外側の保持器要素33Bの内周部により塞がれている。これにより、放射方向DDの内側の保持器要素33Aのポケット32Aに収納されているころ22が放射方向DDの外側へ抜けることは、規制される。
放射方向DDの外側のころ群2Bを構成するころ22Bの個数(本実施形態においては12個)は、放射方向DDの内側のころ群2Aを構成するころ22Aの個数(本実施形態においては8個)よりも多い。放射方向DDに隣接する保持器要素33における、ころ群2を構成するころ22の個数の差は、例えば、2〜10個であり、好ましくは3〜8個である。
本実施形態においては、ころ22、保持器3、アウタレース6及びインナレース7はフッ素樹脂から形成される。フッ素樹脂としては、PTFE、PFA、FEPが例示される。フッ素樹脂は、耐化学薬品性、電気絶縁性、耐熱性、低摩擦性(自己潤滑性)、切削加工性などの各種特性が優れており、金属や一般的な樹脂と比べて、スラスト軸受のころ等として適している。なお、ころ等を形成する樹脂は、フッ素樹脂以外の樹脂であってもよい。また、ころ等は金属から形成されてもよい。
第1実施形態のスラストころ軸受1によれば、例えば、次のような効果を奏する。
第1実施形態のスラストころ軸受1は、軌道面61a,71aに放射状に配列される複数のころ22から構成されるころ群2であって、ころ22の放射方向DDに複数列配列されるころ群2と、ころ群2を構成するころ22を収納する複数列のポケット32を有する保持器3と、を備える。また、放射方向DDの外側のころ群2Bを構成するころ22Bの個数は、放射方向DDの内側のころ群2Aを構成するころ22Aの個数よりも多い。
そのため、第1実施形態によれば、1列のころ群で長いころを用いる場合と比べて、ころ22の長さを短くすることができ、放射方向DDにおけるころ22の周速差を小さくすることができ、ころ22の滑りを低減することができる。その結果、ころ22の滑りに起因する各種不具合(滑り摩擦により軌道面61a,71aところ22との間の回転抵抗が増加したり、外周側においてころ22や軌道面61a,71aの摩耗が多くなる等)を抑制することができる。
また、各ころ群2において、周方向DRのころ22の間隔を均一化することができ、1個のころ22が受ける荷重の大きさを均一化することができる。そのため、荷重の集中によるころ22の変形を抑制することができる。
第1実施形態においては、保持器3は、放射方向DDに連結又は分離が自在な複数の保持器要素33から構成される。保持器要素33は、1列のころ群2に対応する1列のポケット32を有する。
そのため、第1実施形態によれば、1列のころ群2に対応する1列のポケット32を有する保持器要素33を連結することにより、複数列のころ群2を収納する複数列のポケット群31を容易に形成することができる。
第1実施形態においては、各保持器要素33において、ポケット32は、放射方向DDに延びており、放射方向DDの外側に開放し且つ放射方向DDの内側には閉じており、また、保持器3の厚さ方向DTに開放している。ころ22は、ポケット32に収納された状態において、ポケット32における保持器3の厚さ方向DTの開放部43を介して、保持器3よりも保持器3の厚さ方向DTに突出している。ポケット32は、ポケット32における保持器3の厚さ方向DTの開放部43からのころ22の抜けを規制している。
そのため、第1実施形態によれば、削り加工(例えば、エンドミル加工)や射出成型により、ポケット32を有する保持器3(保持器要素33)を容易に形成することができる。
第1実施形態においては、放射方向DDに隣接する保持器要素33が連結された状態において、放射方向DDの内側の保持器要素33のポケット32における放射方向DDの外側の開放した端部41は、放射方向DDの外側の保持器要素33により塞がれ、放射方向DDの内側の保持器要素33のポケット32に収納されているころ22が放射方向DDの外側へ抜けることが規制される。
そのため、第1実施形態によれば、放射方向DDの内側の保持器要素33Aのポケット32Aにおける開放した端部41を塞ぐための構成を別途設ける必要が無く、隣接する保持器要素33A,33Bを連結すれば、ポケット32における開放した端部41を塞ぐことができる。
第1実施形態においては、ころ22及び保持器3は、フッ素樹脂から形成される。特に、ころ22、保持器3、アウタレース6及びインナレース7はフッ素樹脂から形成される。
そのため、第1実施形態によれば、保持器3に対するころ22の回転や、アウタレース6及びインナレース7に対するころ22の転動を円滑に行うことができる。金属製のころ等と比べて、回転部分に錆が発生することが無いため、非常用の設備などに設けられるスラストころ軸受において、長時間の未使用状態が続いたときから非常時に使用する場合であっても、ころ22の転動などを円滑に行うことができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態のスラストころ軸受1Aについて、図9を参照しながら説明する。図9は、本発明の第2実施形態のスラストころ軸受1Aを、軌道輪を省略した状態で示す平面図である。第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。第2実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が奏される。
第2実施形態のスラストころ軸受1Aは、第1実施形態のスラストころ軸受1と比べて、放射方向DDに隣接する複数の保持器要素33(33A,33B)を連結する連結係合部35を備えていない。つまり、複数の保持器要素33(33A,33B)は連結されていない。そのため、放射方向DDの内側の(第1の)保持器要素33Aと、放射方向DDの外側の(第2の)保持器要素33Bとは、独立して、異なる回転速度(回転数)で回転することができる。第2実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態と同様である。
そのため、第2実施形態のスラストころ軸受1Aによれば、放射方向DDの外側の(第2の)保持器要素33Bは、放射方向DDの内側の(第1の)保持器要素33Aよりも速い周速度で回転することができる。
第2実施形態においては、保持器3がアウタレース6とインナレース7との間に配置されている状態においては、放射方向DDの内側の保持器要素33Aのポケット32Aにおける外側開放端部41は、放射方向DDの外側の保持器要素33Bにより塞がれ、放射方向DDの内側の保持器要素33Aのポケット32Aに収納されているころ22Aが放射方向DDの外側へ抜けることが規制される、
第2実施形態のスラストころ軸受1Aによれば、第1実施形態のスラストころ軸受1と同様の効果が奏される。また、放射方向DDの外側の(第2の)保持器要素33Bの周速度が、放射方向DDの内側の(第1の)保持器要素33Aの周速度よりも大きい(速い)ため、回転運動におけるトルクの損失負荷を低減させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について、図10A〜図13を参照しながら説明する。図10Aは、本発明の第3実施形態のスラストころ軸受101を、軌道輪を省略した状態で示す正面図である。図10Bは、図10Aにおける平面図である。図11は、仮想的にころ122をポケット132から出した状態を示す、図10B対応図である。図12は、本発明の第3実施形態のスラストころ軸受101を、軌道輪106,107を含む状態で示す断面図である。図13は、図12に示す状態から軌道輪106,107及びころ122を省略した状態を示す断面図である。
第3実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成については符号に+100をしている。第3実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第3実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が奏される。
第3実施形態のスラストころ軸受101は、スラスト荷重及びラジアル荷重を受けるスラストころ軸受であり、図10A〜図13に示すように、軌道面161a,171aに放射状に配列される複数のころ122から構成されるころ群102と、ころ群102を構成するころ122を収納するポケット132を有する保持器103と、外側の軌道輪106と、内側の軌道輪107と、を備える。
第3実施形態においては、図10A〜図13に示すように、転動体としてのころ122は、ころ122の放射方向DDの内側に向けて窄まった略円錐形状を有する「円錐ころ」であり、詳細には、図12に示すように、外側の軌道輪106の軌道面161aと内側の軌道輪107の軌道面171aとの間において、外周側から内周側に向かう放射方向DDにしたがって縮径する円錐台形状の「円錐ころ」である。外側の軌道輪106及び内側の軌道輪107は、それぞれ円錐ころ122の傾斜面に対応したテーパ面を有する。
外側の軌道輪106及び内側の軌道輪107は、軸方向DJに所定間隔をあけて同軸に且つ対向した状態で配置されている。外側の軌道輪106及び内側の軌道輪107は、互いに回転軸J1を中心にして相対的に回転可能に設けられる。外側の軌道輪106と内側の軌道輪107との間には、円錐ころ122が周方向DRに一定の間隔をあけて配置されている。複数の円錐ころ122は、底部が開口した円錐台状の保持器3によって、円錐ころ122の中心軸を中心に回転自在に支持されている。周方向に隣り合う円錐ころ122同士の間隔は、一定に保持される。
図12に示すように、外側の軌道輪106と内側の軌道輪107とは、それぞれの離間間隔が外周側から内周側に向かうにしたがって同じ割合で漸次小さくなるようなテーパ状に形成されている。すなわち、外側の軌道輪106は、内周縁端から外周縁端に向かうにしたがって内側の軌道輪107から離れる方向に傾斜するテーパ面状の軌道面161aを有する。一方、内側の軌道輪107は、内周縁端から外周縁端に向かうにしたがって外側の軌道輪106から離れる方向に傾斜するテーパ面状の軌道面171aを有する。軌道面161a,171aは、円錐状であり、円錐ころ122に当接した状態となっている。
複数の円錐ころ122は、外側の軌道輪106と内側の軌道輪107とに挟持された状態で、それら軌道輪106、107の周方向DRの全周にわたって一定間隔をあけて複数、配置されている。そして、各円錐ころ122は、外側の軌道輪106の径方向で外周縁端から内周縁端に向かうにしたがって縮径する円錐台形状をなしている。円錐ころ122のテーパ状の傾斜面は、外側の軌道輪106のテーパ状の軌道面161a及び内側の軌道輪107のテーパ状の軌道面171aの傾斜角度に一致している。そのため、円錐ころ122は、外側の軌道輪106のテーパ状の軌道面161aに当接するとともに、内側の軌道輪107のテーパ状の軌道面171aに当接する。
第3実施形態における保持器103は、外側の軌道輪106のテーパ状の軌道面161a及び内側の軌道輪107のテーパ状の軌道面171aに接触しないような円錐台形状を有しており、軌道面161aと軌道面171aとの間の空間に配置されている。
ポケット132は、円錐台状のころ122の外周形状に対応して、ころ122を収納可能な円錐台状の内周形状を有している。ころ122は、ポケット132に収納された状態において、ポケット132における外側開放端部141から放射方向DDの外側には、突出していないか、又は略面一である。
ポケット132は、保持器103の厚さ方向DTの両側で、厚さ方向開放部143,143において開放している。ころ122は、ポケット132に収納された状態において、ポケット132における厚さ方向開放部143を介して、保持器103よりも保持器103の厚さ方向DTに突出している。
ポケット132は、ポケット132における厚さ方向開放部143からのころ22の抜けを規制している。詳細には、図10B及び図12に示すように、厚さ方向開放部143は、ポケット132及びころ122を延びる方向(放射方向DD)に視た場合に、円錐台状のころ122の幅よりも狭くなっている。そのため、ころ122は、ポケット132における厚さ方向開放部143から抜けることはない。
また、ポケット132は、放射方向DDに延びており、放射方向DDの外側の外側開放端部141において開放しており、また、放射方向の内側には底部142を有し、閉じている。そのため、ころ122は、ポケット132に、外側開放端部141を介して(のみ)放射方向DDの内側に向けて挿入されることができ、ポケット132に挿入されているころ122は、外側開放端部141を介して(のみ)放射方向DDの外側に向けて抜き出されることができる。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が奏される。また、第3実施形態においては、ころ122は、ころ122の放射方向DDの内側に向けて窄まった略円錐形状を有する。また、ころ122は、フッ素樹脂から形成される。そのため、放射方向DDにおけるころ122の周速差を小さくすることができ、ころ122の滑りを低減することができる。その結果、ころ122の滑りに起因する各種不具合(滑り摩擦により軌道面161a,171aところ122との間の回転抵抗が増加したり、外周側においてころ122や軌道面161a,171aの摩耗が多くなる等)を抑制することができる。ころ122は、フッ素樹脂から形成されるため、耐化学薬品性、電気絶縁性、耐熱性、低摩擦性(自己潤滑性)、切削加工性などの各種特性が優れている。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について、図14A〜図17を参照しながら説明する。図14Aは、本発明の第4実施形態のスラストころ軸受201を、軌道輪を省略した状態で示す正面図である。図14Bは、図14Aにおける平面図である。図15Aは、仮想的にころ222Bをポケット232Bから出した状態を示す図であり、外側の保持器要素233Bを示す平面図である。図15Bは、仮想的にころ222Aをポケット232Aから出した状態を示す図であり、内側の保持器要素233Aを示す平面図である。図16Aは、本発明の第4実施形態のスラストころ軸受201を、軌道輪206,207を含む状態で示す断面図である。図16Bは、図16Aを展開した断面図である。図17は、図16Aに示す状態から軌道輪206,207及びころ222A、222Bを省略した状態を示す断面図である。
第4実施形態については、主として、第3実施形態と異なる点を中心に説明し、第3実施形態と同様な構成については符号に+100をしている。第4実施形態において、特に説明しない点は、第3実施形態についての説明及び第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第4実施形態においても、第3実施形態及び第1実施形態と同様な効果が奏される。
第4実施形態のスラストころ軸受201は、スラスト荷重及びラジアル荷重を受けるスラストころ軸受であり、図14A〜図17に示すように、軌道面261a,271aに放射状に配列される複数のころ222から構成されるころ群202と、ころ群202を構成するころ222を収納するポケット232を有する保持器203と、外側の軌道輪206と、内側の軌道輪207と、を備える。
第4実施形態においては、図14A、図14B、図16A、図16Bに示すように、ころ群202(202A,202B)は、ころ222の放射方向DDに複数列(本実施形態においては2列)配列される。転動体としてのころ222は、ころ222の放射方向DDの内側に向けて窄まった略円錐形状を有する「円錐ころ」である。
図16A、図16Bに示すように、外側の軌道輪206は、ころ(円錐ころ)222を支える側の軌道面261aを有し、内側の軌道輪207は、ころ(円錐ころ)222により支えられる側の軌道面271aを有する。軌道面261aと271aとの離間間隔は、ころ222の略円錐形状に対応して、放射方向DDの外周側から内周側に向かうにしたがって同じ割合で漸次小さくなるようなテーパ状に形成されている。
図16A、図16Bに示すように、放射方向DDの内側のころ群202Aの各ころ222Aの外側端の直径は、放射方向DDの外側のころ群202Bの各ころ222Bの内側端の直径よりも小さい。放射方向DDの内側の保持器要素233Aの厚さは、放射方向DDの外側の保持器要素233Bの厚さよりも薄い。
内側の保持器要素233Aのポケット232Aは、内側のころ222Aに対応した大きさである。すなわち、ころ222Aは、ポケット232Aに収納された状態において、ポケット232Aにおける外側開放端部241から放射方向DDの外側には、突出していないか、又は略面一である。ころ222Aは、ポケット232Aに収納された状態において、ポケット232Aにおける厚さ方向開放部243を介して、内側の保持器要素233Aよりも保持器要素233Aの厚さ方向DTに突出している。ポケット232Aは、ポケット232Aにおける厚さ方向開放部243からのころ222Aの抜けを規制している。そのため、ころ222Aは、ポケット232Aにおける厚さ方向開放部243から抜けることはない。ころ222Aは、ポケット232Aに、外側開放端部241を介してのみ放射方向DDの内側に向けて挿入されることができ、ポケット232Aに挿入されているころ222Aは、外側開放端部241を介してのみ放射方向DDの外側に向けて抜き出されることができる。
外側の保持器要素233Bのポケット232Bは、外側のころ222Bに対応した大きさである。すなわち、ころ222Bは、ポケット232Bに収納された状態において、ポケット232Bにおける外側開放端部241から放射方向DDの外側には、突出していないか、又は略面一である。ころ222Bは、ポケット232Bに収納された状態において、ポケット232Bにおける厚さ方向開放部243を介して、外側の保持器要素233Bよりも保持器要素233Bの厚さ方向DTに突出している。ポケット232Bは、ポケット232Bにおける厚さ方向開放部243からのころ222Bの抜けを規制している。そのため、ころ222Bは、ポケット232Bにおける厚さ方向開放部243から抜けることはない。ころ222Bは、ポケット232Bに、外側開放端部241を介してのみ放射方向DDの内側に向けて挿入されることができ、ポケット232Bに挿入されているころ222Bは、外側開放端部241を介してのみ放射方向DDの外側に向けて抜き出されることができる。
放射方向DDの外側のころ群202Bを構成するころ222Bの個数(本実施形態においては8個)は、放射方向DDの内側のころ群202Aを構成するころ222Aの個数(本実施形態においては6個)よりも多い。
図16Aに示すように、放射方向DDの内側のころ群202Aの任意の第1のころ222Amの中心軸と、放射方向DDの外側のころ群202Bの任意の第2のころ222Bnの中心軸とが一致したときに、第1のころ222Am及び第2のころ222Bnは、両者を連ねる仮想の略円錐形状の長尺ころ222Cの別々の部分をそれぞれ構成する。
第4実施形態によれば、第3実施形態と同様の効果が奏される。第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果も奏される。また、第4実施形態によれば、1列のころ群で長いころを用いる場合と比べて、ころ222の長さを短くすることができ、放射方向DDにおけるころ222の周速差を小さくすることができ、ころ222の滑りを低減することができる。その結果、ころ222の滑りに起因する各種不具合(滑り摩擦により軌道面261a,271aところ222との間の回転抵抗が増加したり、外周側においてころ222や軌道面261a,271aの摩耗が多くなる等)を抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
第1実施形態及び第2実施形態においてころ群2及びポケット群31の列数は、3列以上であってもよい。その場合、放射方向DDに隣接する保持器要素33毎に、ころ群2を構成するころ22の個数が多くなっていることが好ましい。第1実施形態及び第2実施形態においてころ群2及びポケット群31の列数は、1列であってもよい。
ころ群2を構成するころ22の個数は、制限されない。1個のポケット32に複数のころ22を軸方向に並べて収納させることができる。
保持器要素33毎に又は保持器3全体において、複数のころ22の径は等しくてもよく、あるいは異なっていてもよい。
ポケット32の構造は、前記実施形態におけるポケット32の構造に制限されない。ポケット32は、ポケット32における放射方向DDの外側開放端部41からのころ22の抜けを規制する構造を有していてもよい。
〔第1変形例〕
第1変形例について図18A、図18B及び図19を参照しながら説明する。図18Aは、第1変形例を示す斜視図であり、アウタレース6Aを示す。図18Bは、第1変形例を示す斜視図であり、インナレース7Aを示す。図19は、第1変形例を示す断面図であり、図8B対応図である。
図18A、図14B及び図19に示すように、第1変形例においては、アウタレース6Aは、複数のころ22が転動する軌道面61aが形成された環状の軌道部61と、軌道部61の外周端から軌道面61aに直交して延出された短円筒状の外周壁部62と、軌道部61の内周端から軌道面61aに直交して延出された円筒状の支持周壁部63と、第1抜け止め係合部64と、を一体に有している。支持周壁部63は、軌道部61に対して外周壁部62とは反対側に延出されている。第1抜け止め係合部64は、放射方向DDの外側に凹んだ凹部であり、外周壁部62の内周部に周方向DRに延びるように環状に設けられている。
インナレース7Aは、複数のころ22が転動する軌道面71aが形成された環状の軌道部71と、軌道部71の内周端から軌道面71aに直交して延出された円筒状の内周壁部72Aと、第2抜け止め係合部74と、を一体に有している。第2抜け止め係合部74は、放射方向DDの外側に突出する凸部であり、軌道部71の外周部に周方向DRに延びるように環状に設けられている。
図19に示すように、保持器3がアウタレース6Aとインナレース7Aとの間に配置された状態において、第1抜け止め係合部64に第2抜け止め係合部74が配置されて、第1抜け止め係合部64と第2抜け止め係合部74とは係合する。
この状態において、インナレース7Aがアウタレース6Aから抜けることは防止される。また、第1抜け止め係合部64及び第2抜け止め係合部74は、いずれも周方向DRに延びる環状であるため、アウタレース6Aに対するインナレース7Aの回転は、実質的に阻害されない。つまり、このような構成によれば、インナレース7Aがアウタレース6Aから抜けることの防止と、アウタレース6Aに対するインナレース7Aの円滑な回転と、を両立することができる。また、アウタレース6Aの軌道面61aとインナレース7Aの軌道面71aとの間隔を維持できるため、アウタレース6A及びインナレース7Aに対するころ22の円滑な転動を実現することができる。
図19に示すように、インナレース7Aの内周壁部72Aは、アウタレース6Aの支持周壁部63に内挿される。そのため、インナレース7Aは、アウタレース6Aに対して円滑に回転することができる。
〔第2変形例〕
第2変形例について図20を参照しながら説明する。図20は、第2変形例を示す平面図であり、図1A対応図である。
図20に示すように、ころ群2は、ころ22の放射方向DDに1列配列される。保持器3Aは、その外周部に環状の抜け防止部材36を備える。抜け防止部材36の内周部は、保持器3Aのポケット32の外側開放端部41に対向しており、そのため、ポケット32の外側開放端部41からのころ22の抜け止めとして機能する。
なお、抜け防止部材36を、図1Aに示すようなころ群2がころ22の放射方向DDに複数列配列される態様に、設けることもできる。
前述又は後述する各構成は適宜に組み合わせることができる。例えば、第3実施形態における、円錐ころ122を保持する保持器103と、円錐ころ122に対応する外側の軌道輪106及び内側の軌道輪107に代えて、第1実施形態又は第2実施形態における、円筒状のころ22から構成されるころ群2が放射方向DDに複数列配列される構成を組み合わせることができる。その場合、外側の軌道輪と内側の軌道輪との間は、円筒状のころ22の外周面に対応して、平行に配置される。
第3実施形態に、第1変形例及び第2変形例の構成を適用することができる。例えば、第3実施形態における外側の軌道輪106及び内側の軌道輪107に相当する部分を、それぞれハウジング及び軸状の回転部材に設けることができる。
1,1A,101、201 スラストころ軸受
2,2A,2B,102、202、202A、202B ころ群
3,103、203 保持器
22,22A,22B,122、222,222A,222B ころ
32,32A,32B,132、232,232A,232B ポケット
33,33A,33B、233,233A,233B 保持器要素
41,141、241 外側開放端部(外側の開放した端部)
43,143、243 厚さ方向開放部(厚さ方向の開放部)
61a,71a,161a,171a、261a,271a 軌道面
DD 放射方向
DT 保持器の厚さ方向

Claims (8)

  1. ラスト荷重及びラジアル荷重を受けるスラストころ軸受であって、
    軌道面に放射状に配列される複数のころから構成されるころ群であって、前記ころの放射方向に複数列配列されるころ群と、
    前記ころ群を構成する前記ころを収納する複数列のポケットを有する保持器と、を備え、
    前記放射方向の外側の前記ころ群を構成する前記ころの個数は、前記放射方向の内側の前記ころ群を構成する前記ころの個数よりも多
    前記保持器は、前記放射方向に配列される複数の保持器要素から構成され、
    前記保持器要素は、1列の前記ころ群に対応する1列の前記ポケットを有し、
    前記軌道面は、円錐状であり、
    前記ころは、前記ころの放射方向の内側に向けて窄まった略円錐形状を有し、
    前記軌道面は、前記ころを支える側の軌道面と、前記ころにより支えられる側の軌道面との離間間隔が、前記ころの略円錐形状に対応して前記放射方向の内側に向けて漸次小さくなるようなテーパ状に形成され、
    前記放射方向の内側の前記ころ群の各ころの外側端の直径は、前記放射方向の外側の前記ころ群の各ころの内側端の直径よりも小さく、
    前記放射方向の内側の前記保持器要素の厚さは、前記放射方向の外側の前記保持器要素の厚さよりも薄い、
    スラストころ軸受。
  2. 前記複数の保持器要素は、前記放射方向に連結又は分離が自在である、
    請求項に記載のスラストころ軸受。
  3. 前記複数の保持器要素は、前記放射方向に連結されていない、
    請求項に記載のスラストころ軸受。
  4. 前記ポケットは、前記放射方向に延びており、前記放射方向の外側に開放し且つ前記放射方向の内側には閉じており、また、前記保持器の厚さ方向に開放しており、
    前記ころは、前記ポケットに収納された状態において、前記ポケットにおける前記保持器の厚さ方向の開放部を介して、前記保持器よりも前記保持器の厚さ方向に突出しており、
    前記ポケットは、前記ポケットにおける前記保持器の厚さ方向の開放部からの前記ころの抜けを規制している、
    請求項のいずれかに記載のスラストころ軸受。
  5. 前記放射方向の内側の前記保持器要素の前記ポケットにおける前記放射方向の外側の開放した端部は、前記放射方向の外側の前記保持器要素により塞がれ、前記放射方向の内側の前記保持器要素の前記ポケットに収納されている前記ころが前記放射方向の外側へ抜けることが規制される、
    請求項のいずれかに記載のスラストころ軸受。
  6. ラスト荷重及びラジアル荷重を受けるスラストころ軸受であって、
    軌道面に放射状に配列される複数のころから構成されるころ群と、
    前記ころ群を構成する前記ころを収納するポケットを有する保持器と、を備え、
    前記ポケットは、放射方向に延びており、前記放射方向の外側に開放し且つ前記放射方向の内側には閉じており、また、前記保持器の厚さ方向に開放しており、
    前記ころは、前記ポケットに収納された状態において、前記ポケットにおける前記保持器の厚さ方向の開放部を介して、前記保持器よりも前記保持器の厚さ方向に突出しており、
    前記ポケットは、前記ポケットにおける前記保持器の厚さ方向の開放部からの前記ころの抜けを規制してい
    前記軌道面は、円錐状であり、
    前記ころは、前記ころの放射方向の内側に向けて窄まった略円錐形状を有し、
    前記軌道面は、前記ころを支える側の軌道面と、前記ころにより支えられる側の軌道面との離間間隔が、前記ころの略円錐形状に対応して前記放射方向の内側に向けて漸次小さくなるようなテーパ状に形成される、
    スラストころ軸受。
  7. 前記放射方向の内側の前記ころ群の任意の第1のころの中心軸と、前記放射方向の外側の前記ころ群の任意の第2のころの中心軸とが一致したときに、前記第1のころ及び前記第2のころは、両者を連ねる仮想の略円錐形状の長尺ころの別々の部分をそれぞれ構成する、
    請求項1〜5のいずれかに記載のスラストころ軸受。
  8. 前記ころ及び/又は前記保持器は、フッ素樹脂から形成される、
    請求項1〜のいずれかに記載のスラストころ軸受。
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