JP2007177837A - ころ軸受用保持器及びころ軸受 - Google Patents

ころ軸受用保持器及びころ軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】ころ軸受の軌道輪又はころとの間にすべり摩擦が発生することを防止することのできるころ軸受用保持器を提供する。
【解決手段】環状側板17の回転方向に対してV字状またはU字状に形成された複数の動圧発生溝19を環状側板17の案内面17aに設け、ころ軸受の内輪外周面と環状側板17との間に動圧を発生させて内輪外周面と環状側板17との間に潤滑油を保持するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受などのころ軸受に用いられる保持器に関する。また、本発明は転動体であるころを保持する保持器を備えたころ軸受に関する。
一般に、ころ軸受は円筒状または円錐状に形成された複数個のころを軌道輪の周方向に一定間隔で保持する保持器を備えており、このような保持器としては、ころ軸受の内輪外周面または外輪内周面により周方向に案内される案内面を内径側または外径側に有する一対の環状側板と、これら環状側板の間に横設された複数本の支柱とからなるものが知られている。
このような保持器が内輪と外輪との間に組み込まれたころ軸受を例えば圧延ロール用軸受、工作機械主軸用軸受、旋盤用軸受、製紙機械用軸受として使用する場合、ころ軸受に要求される項目としては、高速回転化、高定格荷重化、長寿命化などがあり、この中でも高速回転化は現在、最も重要視されている項目である。高速回転化については、ころ軸受の軌道輪と保持器との間に、摩擦熱の発生原因となるすべり摩擦や潤滑不良が発生したりすることを抑制することが検討課題として挙げられる。
ころ軸受に使用される保持器には、外輪案内形式のもの(図5参照)と内輪案内形式のもの(図1参照)とがあり、内輪または外輪が高速で回転すると、外輪案内形式の保持器では環状側板の外周面(案内面)と外輪内周面との間にすべり摩擦が発生しやすくなる。一方、内輪案内形式の保持器では環状側板の内周面(案内面)と内輪外周面との間にすべり摩擦が発生しやすくなり、高速回転域での異常摩耗や摩擦熱発生の原因となる。
すべり摩擦に起因する異常摩耗や摩擦熱発生を防止するためには、外輪内周面または内輪外周面と環状側板案内面との間に潤滑油が安定的に供給されて潤滑不良にならないようにすると共に、案内面となる環状側板外周面あるいは環状側板内周面上に潤滑油膜が全周にわたって安定的に形成されることが望まれる。
保持器まわりの潤滑性を改善した例としては、保持器の軸方向両端面のみに連通する切欠き溝を外輪内周面と対向する保持器支柱部の外側面に凹設したころ軸受(特許文献1)や、保持器ポケットを形成する保持器支柱部に螺旋状の溝を形成したもの(特許文献2)などがある。また、動圧溝の効果を利用した転がり軸受としては、主軸とその保持器の間を動圧流体軸受の構成にして高速回転化を図ったスピンドル軸受(特許文献3)や、軌道輪に動圧発生溝を形成して摩擦力を軽減させたスラスト軸受(特許文献4)などがある。
ところで、保持器がころ案内形式であるころ軸受では、ころのスキューが発生しやすく、このスキューによってころ周面部と保持器のころ案内面との間で接触、衝突あるいは高い面圧の摺動が起こりやすい。特に、高速回転時にはすべり摩擦が大きくなって、ころ周面部と保持器のころ案内面との間のPV値も上昇するため、ころのスキューが摩擦熱や摩耗の発生原因となりやすい。
ころのスキューを防止したころ軸受としては、自動調心ころ軸受において、案内輪を省略して案内形式をころ案内にすることにより、案内輪による摩擦熱を軽減して軸受の温度上昇を抑制すると共に、二つの保持器の軸方向端面を当接させてころのスキューを防止したもの(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7参照)や、自動調心ころ軸受の案内輪に軸方向の弾性を持たせることによってころのスキューを防止したもの(例えば、特許文献8参照)などがある。
特開2003−42163号公報 特開2004−316670号公報 特開平11−13753号公報 特開平11−7742号公報 特開2000−81036号公報 特開2001−165158号公報 特開2004−19781号公報 特開2001−82467号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されたものでは、ころ軸受の内輪または外輪が高速で回転したときに内輪外周面と環状側板内周面または外輪内周面と環状側板外周面との間に潤滑不良が発生し、異常摩耗や摩擦熱発生の原因となるすべり摩擦が内輪外周面と環状側板内周面または外輪内周面と環状側板外周面との間に発生するおそれがあった。また、特許文献5〜8に記載のものでは、ころのスキューを防止できるものの、ころ軸受の内輪または外輪が高速で回転したときに支柱のころ案内面ところ周面部との間に潤滑不良が発生し、異常摩耗や摩擦熱発生の原因となるすべり摩擦が支柱のころ案内面ところ周面部との間に発生するおそれがあった。
本発明は上述した問題点に着目してなされたものであり、その目的は、ころ軸受の軌道輪又はころとの間にすべり摩擦が発生することを防止することのできるころ軸受用保持器を提供することにある。また、本発明の他の目的は、異常摩耗や摩擦熱発生の原因となるすべり摩擦が軌道輪と保持器あるいは転動体と保持器との間に発生することを防止することのできるころ軸受を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のうち請求項1の発明に係るころ軸受用保持器は、ころ軸受の内輪外周面または外輪内周面と近接して対向する案内面を有する一対の環状側板と、該一対の環状側板の間に横設された複数の支柱とからなるころ軸受用保持器において、前記内輪外周面または外輪内周面と前記案内面との間に動圧を発生させる動圧発生溝を前記案内面に複数設け、前記内輪外周面または外輪内周面と前記案内面との間に発生した動圧の圧力分布が前記環状側板の周方向に対して連続した波形の圧力分布となり、かつ前記環状側板の厚さ方向に対して山形の圧力分布となる形状に前記動圧発生溝の溝形状が形成されていることを特徴とする。
本発明のうち請求項2の発明に係るころ軸受用保持器は、請求項1記載のころ軸受用保持器において、前記動圧発生溝が前記環状側板の回転方向に対してV字状またはU字状またはヘリングボーン状に形成されていることを特徴とする。
本発明のうち請求項3の発明に係るころ軸受用保持器は、請求項2記載のころ軸受用保持器において、前記内輪外周面または外輪内周面と前記案内面との間に潤滑油膜を形成する潤滑油が前記内輪または外輪の回転時に前記環状側板の外側から内側に流れるように、前記動圧発生溝が前記環状側板の回転方向に対してヘリングボーン状に形成されていることを特徴とする。
本発明のうち請求項4の発明に係るころ軸受用保持器は、ころ軸受のころ周面部と近接して対向するころ案内面を有する複数の支柱と、該支柱の両端部を支持する一対の環状側板とからなるころ軸受用保持器において、前記支柱の間に保持されたころの自転方向に対してV字状またはヘリングボーン状に形成された動圧発生溝を前記ころ案内面に複数設けたことを特徴とする。
本発明のうち請求項5の発明に係るころ軸受用保持器は、請求項4記載のころ軸受用保持器において、前記ころ周面部と前記ころ案内面との間に発生する動圧の圧力分布が前記支柱の軸方向中央部に谷部を持つ波形の圧力分布となるように、前記動圧発生溝が前記ころの自転方向に対してV字状に形成されていることを特徴とする。
本発明のうち請求項6の発明に係るころ軸受用保持器は、請求項4記載のころ軸受用保持器において、前記ころ周面部と前記ころ案内面との間に発生する動圧の圧力分布が前記支柱の軸方向中央部に平坦な頂部を持つ山形の圧力分布となるように、前記動圧発生溝が前記ころの自転方向に対してヘリングボーン状に形成されていることを特徴とする。
本発明のうち請求項7の発明に係るころ軸受は、請求項1〜6のいずれか一項記載の保持器を備えたことを特徴とする。
請求項1及び請求項2の発明に係るころ軸受用保持器では、内輪外周面または外輪内周面と環状側板の案内面との間に発生した動圧の圧力分布が環状側板の周方向に対しては連続した波形の圧力分布となり、環状側板の厚さ方向に対しては山形の圧力分布となる。これにより、内輪外周面または外輪内周面と案内面との間に潤滑油を保持することが可能となるので、異常摩耗や摩擦熱発生の原因となるすべり摩擦が内輪外周面または外輪内周面と案内面との間に発生することを抑制することができる。
また、内輪外周面または外輪内周面と案内面との間に発生した動圧により保持器の環状側板が軸方向の二点で支持されることになり、軸方向における保持器のモーメント剛性が高くなるので、保持器の振動や接触に起因するトラブルを回避することができる。さらに、内輪外周面または外輪内周面と環状側板の案内面との間から潤滑油が流れ出ることを防止することができる。
請求項3の発明に係るころ軸受用保持器では、内輪外周面または外輪内周面と環状側板の案内面との間に潤滑油膜を形成する潤滑油が内輪または外輪の回転時に環状側板の外側から内側に流れるため、上述した効果に加え、潤滑油が環状側板の外側に流れ出てしまうことを防止することができる。
請求項4〜6の発明に係るころ軸受用保持器では、ころ周面部ところ案内面との間に発生した動圧の圧力分布が支柱の軸方向に対して波形または山形の圧力分布となるので、ころ周面部ところ案内面との間に潤滑油を保持することが可能となる。したがって、異常摩耗や摩擦熱発生の原因となるすべり摩擦がころ周面部ところ案内面との間に発生することを抑制することができる。
また、ころ周面部ところ案内面との間に発生した動圧によりころが軸方向の二点で支持されることになり、これにより、軸方向におけるころのモーメント剛性が向上するので、ころのスキューが抑制され、ころのスキューによるすべり摩擦や摺動摩擦を大幅に軽減できる。さらに、衝撃荷重や変動荷重などによりモーメント負荷がころに作用した場合でもころのスキューが抑制されるため、ころの端面が環状側板の内側面に衝突したり接触したりすることによって発生する摩耗や摩擦を抑制することができる。
請求項7の発明に係るころ軸受では、異常摩耗や摩擦熱発生の原因となるすべり摩擦が軌道輪と保持器あるいは転動体と保持器との間に発生することを防止することができる。
以下、図1〜図3を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
図1において符号10はころ軸受であって、このころ軸受10は、内輪11および外輪12を備えている。上記内輪11の外周面には、平面状の転動体軌道13が内輪11の全周にわたって形成されている。この転動体軌道13は外輪12の内周面に形成された平面状の転動体軌道14と対向しており、転動体軌道13と転動体軌道14との間に設けられた複数個の円筒ころ15は、内輪案内形式の保持器16により内輪11及び外輪12の周方向に一定間隔で保持されている。
保持器16は、互いに対向する一対の環状側板17,17と、これら環状側板17,17の間に横設された複数の支柱18とからなり、ころ軸受10の円筒ころ15は隣り合う二つの支柱18,18の間に転動自在に保持されている。
環状側板17,17はころ軸受の内輪外周面と近接して対向する案内面(内周面)17a(図2参照)をそれぞれ有しており、この案内面17aには、環状側板17,17の回転方向(図2中矢印方向)に対してV字状(またはU字状)に形成された動圧発生溝19が複数設けられている。
このように構成される本発明の第1の実施形態では、内輪11または外輪12の回転運動に伴って環状側板17,17が回転すると、ころ軸受の内輪外周面と案内面17aとの間に介在する潤滑油が環状側板17,17の周方向に流動することによって、内輪外周面と案内面17aとの間に動圧が発生する。このとき発生した動圧の圧力分布は、図3に示すように、環状側板17の周方向に対しては連続した波形の圧力分布となり、環状側板17の厚さ方向に対しては山形の圧力分布となるため、内輪外周面と案内面17aとの間に潤滑油を保持することが可能となる。
したがって、上述した第1の実施形態では、環状側板17,17の回転方向に対してV字状またはU字状に形成された動圧発生溝19を環状側板17,17の案内面17aに複数設けたことにより、内輪11の外周面と環状側板17,17の案内面17aとの間に潤滑油を保持することが可能となるので、異常摩耗や摩擦熱発生の原因となるすべり摩擦が内輪11の外周面と環状側板17,17の案内面17aとの間に発生することを抑制することができる。
また、内輪外周面と案内面17aとの間に発生した動圧により保持器の環状側板17,17が軸方向の二点で支持されることになり、軸方向における保持器のモーメント剛性が高くなるので、保持器の振動や接触に起因するトラブルを回避することができる。さらに、内輪外周面と環状側板17,17の案内面17aとの間から潤滑油が流れ出ることを防止することができる。
上述した第1の実施形態では、環状側板17,17の回転方向に対してV字状またはU字状に形成された動圧発生溝19を環状側板17,17の案内面17aに複数設けたものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、第2の実施形態として、図4に示すように、環状側板17,17の回転方向に対してヘリングボーン状に形成された動圧発生溝19を環状側板17,17の案内面17aに複数設けてもよい。
この場合、図4に示す矢印のように、内輪外周面と案内面17aとの間に潤滑油膜を形成する潤滑油が内輪または外輪の回転時に環状側板17,17の外側から内側に流れるように、動圧発生溝19を環状側板17,17の回転方向に対してヘリングボーン状に形成すると、潤滑油が環状側板17,17の外側に流れ出てしまうことも防止することができる。
上述した第1及び第2の実施形態では、内輪案内形式のころ軸受用保持器に本発明を適用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、外輪案内形式のころ軸受用保持器についても本発明を適用することが可能である。さらに、第1及び第2の実施形態では本発明を円筒ころ軸受に適用した場合を例示したが、これに限定されるものではなく、円錐ころ軸受、自動調芯ころ軸受、さらにはスラストころ軸受についても本発明を適用することが可能である。
次に、図5〜図9を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。
図5において符号20はころ軸受であって、このころ軸受20は、内輪11および外輪12を備えている。上記内輪11の外周面には、平面状の転動体軌道13が内輪11の全周にわたって形成されている。この転動体軌道13は外輪12の内周面に形成された平面状の転動体軌道14と対向しており、転動体軌道13と転動体軌道14との間に設けられた複数個の円筒ころ15は、転動体案内形式の保持器21により内輪11及び外輪12の周方向に一定間隔で保持されている。
保持器21は、図6に示すように、ころ軸受のころ周面部と近接して対向するころ案内面22a,22b(図7参照)を有する複数の支柱22と、これら支柱22の両端部を支持する一対の環状側板23,23とからなり、支柱22のころ案内面22a,22bには、円筒ころ15の自転方向に対してV字状に形成された動圧発生溝24(図8参照)が複数設けられている。
このように構成される本発明の第3の実施形態では、隣り合う二本の支柱22,22間に保持された円筒ころ15が例えば図7に示す矢印方向に自転すると、円筒ころ15の周面部と支柱22のころ案内面22a,22bとの間に動圧が発生する。このとき発生した動圧の圧力分布は、図9に示すように、支柱22の軸方向中央部に谷を持つ波形の圧力分布となるため、円筒ころ15の周面部と支柱22のころ案内面22a,22bとの間に潤滑油を保持することが可能となる。
したがって、上述した第3の実施形態では、隣り合う二本の支柱22,22間に保持された円筒ころ15の自転方向に対してV字状に形成された動圧発生溝24を支柱22のころ案内面22a,22bに複数設けたことにより、円筒ころ15の周面部と支柱22のころ案内面22a,22bとの間に潤滑油を保持することが可能となるので、異常摩耗や摩擦熱発生の原因となるすべり摩擦が円筒ころ15の周面部と支柱22のころ案内面22a,22bとの間に発生することを抑制することができる。
また、円筒ころ15の周面部と支柱22のころ案内面22a,22bとの間に発生した動圧により円筒ころ15が軸方向の二点で支持されることになり、これにより、軸方向における円筒ころ15のモーメント剛性が向上するので、円筒ころ15のスキューが抑制され、円筒ころ15のころのスキューによるすべり摩擦や摺動摩擦を大幅に軽減できる。さらに、衝撃荷重や変動荷重などによりモーメント負荷が円筒ころ15に作用した場合でも円筒ころ15のスキューが抑制されるため、円筒ころ15の端面が環状側板23,23の内側面に衝突したり接触したりすることによって発生する摩耗や摩擦を抑制することができる。
上述した第3の実施形態では、円筒ころ15の周面部と支柱22のころ案内面22a,22bとの間に発生する動圧の圧力分布が支柱22の軸方向中央部に谷を持つ波形の圧力分布となるように、円筒ころ15の自転方向に対してV字状に形成された動圧発生溝24を支柱22のころ案内面22a,22bに複数設けたものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、第4の実施形態として、図10に示すように、円筒ころ15の周面部と支柱22のころ案内面22a,22bとの間に発生する動圧の圧力分布が支柱22の軸方向中央部に平坦な頂部を持つ山形の圧力分布となるように、円筒ころ15の自転方向に対してヘリングボーン状に形成された動圧発生溝24を支柱22のころ案内面22a,22bに複数設けてもよい。
このような構成によると、第3の実施形態と同様の効果を得ることができ、さらに第3の実施形態と比較して、支柱22のころ案内面22a,22bに動圧発生溝24を容易に形成できるため、加工コストの大幅な上昇も招くことがない。
上述した第3及び第4の実施形態では内輪案内形式の保持器に本発明を適用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、外輪案内形式の保持器にも本発明を適用することが可能である。さらに、第3及び第4の実施形態では本発明を円筒ころ軸受に適用した場合を例示したが、これに限定されるものではなく、円錐ころ軸受、自動調芯ころ軸受、さらにはスラストころ軸受についても本発明を適用することが可能である。
なお、上述した第1〜第4の実施形態では、保持器の回転方向によって性能が異なるため、保持器の動圧発生溝により発生する圧力が大きくなるように軸受を組立てる必要がある。このため、保持器に回転方向を特定できるマークを付設しておくと、軸受に保持器を組込むときに保持器の回転方向を容易に特定することができる。たとえば、保持器端面の一方のみにマークを付けておくことにより、回転方向を特定することができる。同様に、ころ軸受をハウジング及び軸に取付ける場合も、軸受の回転方向を特定できるマークを付けておくことにより、ハウジング及び軸への軸受の取付方向の確認が容易となる。通常、ころ軸受には軸受端面の一方に軸受名番等の識別符号が刻印やエッチング等で記載されているため、それらを回転方向が特定できるマークとして用いることもできる。
内輪案内形式の保持器を備えた円筒ころ軸受の概略構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態であるころ軸受用保持器の径方向に沿う断面図である。 図2に示すころ軸受用保持器の作用を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態であるころ軸受用保持器の径方向に沿う断面図である。 転動体案内形式の保持器を備えた円筒ころ軸受の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態であるころ軸受用保持器の平面図である。 図6のVII−VII線に沿う断面図である。 図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。 図6に示すころ軸受用保持器の作用を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態を説明するための図である。
符号の説明
10,20 ころ軸受
11 内輪
12 外輪
13,14 転動体軌道
15 円筒ころ
16,21 保持器
17,23 環状側板
17a 案内面
18,22 支柱
22a,22b ころ案内面
18,24 動圧発生溝

Claims (7)

  1. ころ軸受の内輪外周面または外輪内周面と近接して対向する案内面を有する一対の環状側板と、該一対の環状側板の間に横設された複数の支柱とからなるころ軸受用保持器において、
    前記内輪外周面または外輪内周面と前記案内面との間に動圧を発生させる動圧発生溝を前記案内面に複数設け、前記内輪外周面または外輪内周面と前記案内面との間に発生した動圧の圧力分布が前記環状側板の周方向に対して連続した波形の圧力分布となり、かつ前記環状側板の厚さ方向に対して山形の圧力分布となる形状に前記動圧発生溝の溝形状が形成されていることを特徴とするころ軸受用保持器。
  2. 請求項1記載のころ軸受用保持器において、前記動圧発生溝が前記環状側板の回転方向に対してV字状またはU字状またはヘリングボーン状に形成されていることを特徴とするころ軸受用保持器。
  3. 前記内輪外周面または外輪内周面と前記案内面との間に潤滑油膜を形成する潤滑油が前記内輪または外輪の回転時に前記環状側板の外側から内側に流れるように、前記動圧発生溝が前記環状側板の回転方向に対してヘリングボーン状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のころ軸受用保持器。
  4. ころ軸受のころ周面部と近接して対向するころ案内面を有する複数の支柱と、該支柱の両端部を支持する一対の環状側板とからなるころ軸受用保持器において、
    前記支柱の間に保持されたころの自転方向に対してV字状またはヘリングボーン状に形成された動圧発生溝を前記ころ案内面に複数設けたことを特徴とするころ軸受用保持器。
  5. 前記ころ周面部と前記ころ案内面との間に発生する動圧の圧力分布が前記支柱の軸方向中央部に谷部を持つ波形の圧力分布となるように、前記動圧発生溝が前記ころの自転方向に対してV字状に形成されていることを特徴とする請求項4記載のころ軸受用保持器。
  6. 前記ころ周面部と前記ころ案内面との間に発生する動圧の圧力分布が前記支柱の軸方向中央部に平坦な頂部を持つ山形の圧力分布となるように、前記動圧発生溝が前記ころの自転方向に対してヘリングボーン状に形成されていることを特徴とする請求項4記載のころ軸受用保持器。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載の保持器を備えたことを特徴とするころ軸受。
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