JP6762193B2 - 背負い式電源システム - Google Patents

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Description

本発明は、背負い式電源システムに関する。
電動式のブロワや刈込機などの作業機では、バッテリの容量を大きくして、駆動時間を長くすることが望まれている。そこで、大容量のバッテリを有する背負い式電源システムが存在している。この背負い式電源システムを作業者が背負って持ち運ぶことで、作業機の駆動時間を長くすることができる。
前記した背負い式電源システムとしては、バッテリが内蔵されたバッテリケースと、肩ベルトを有する搬送用具と、を備え、バッテリケースが複数のねじによって搬送用具に取り付けられているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−29660号公報
前記した背負い式電源システムでは、移動時や作業時に地面に落下したときの衝撃からバッテリを保護するために、バッテリケース内に空洞を形成したり、バッテリケースの壁部の厚さを大きくしたりしている。したがって、従来の背負い式電源システムでは、バッテリケースが大きく、また重くなるという問題がある。
これに対して、作業性の観点から、バッテリケースを小型化および軽量化することが求められている。このように、背負い式電源システムの耐衝撃性能の向上と、バッテリケースの小型化および軽量化とが相反しているという課題がある。
また、従来の背負い式電源システムでは、搬送用具とバッテリケースとが複数のねじによって連結されているため、搬送用具を交換するときや作業によって汚れた搬送用具を洗浄するときに、バッテリケースの着脱が煩雑になるという問題がある。
本発明は、前記した問題を解決し、背負い式電源システムの耐衝撃性能を高めつつ、バッテリケースを小型化および軽量化するとともに、バッテリケースを簡単に着脱することができる背負い式電源システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、背負い式電源システムであって、バッテリを内蔵したバッテリケースと、前記バッテリケースを着脱自在な搬送用具と、を備えている。前記搬送用具は、背当てプレートと、前記背当てプレートに連結された肩ベルトと、前記背当てプレートに連結されたカバー部材と、を備えている。また、前記カバー部材は、前記バッテリケースの上部を覆う上部カバーと、前記バッテリケースの下部を覆う下部カバーと、を備えている。前記上部カバーおよび前記下部カバーは、弾性体によって形成され、前記上部カバーおよび前記下部カバーは、上下方向に間隔を空けて配置されている。
本発明の背負い式電源システムでは、搬送用具の背当てプレートを作業者の背中に当てて、肩ベルトを作業者の肩に掛けることで、作業者が大容量のバッテリを背負って持ち運ぶことができる。
本発明の背負い式電源システムでは、上下に分割したカバー部材によって、バッテリケースを効果的に保護しており、バッテリケースの強度を最小限にすることができる。したがって、背負い式電源システムの耐衝撃性能を高めつつ、バッテリケースを小型化および軽量化することができる。
また、バッテリケース全体をカバー部材で覆った場合に比べて、カバー部材の重量を低減するとともに、製造コストを低減することができる。
本発明の背負い式電源システムでは、上部カバーおよび下部カバーをバッテリケースの上部および下部に被せる構造であるため、搬送用具に対してバッテリケースを簡単に着脱することができる。
前記した背負い式電源システムにおいて、前記背当てプレートに落下防止用ベルトを設け、前記落下防止用ベルトを前記バッテリケースの上部に着脱自在に取り付けることが好ましい。
この構成では、バッテリケースから上部カバーを外したときや、上部カバーと下部カバーとを連結しているベルトが外れたときに、バッテリケースが地面に落下するのを防ぐことができる。
また、前記落下防止用ベルトが前記上部カバーに覆われているように構成することで、移動時や作業時に周囲の部材が落下防止用ベルトに引っ掛かるのを防ぐことが好ましい。
前記した背負い式電源システムにおいて、前記上部カバーに設けられた上部ベルトと、前記下部カバーに設けられた下部ベルトとを着脱自在に連結した場合には、前記バッテリケースの外面に、前記上部ベルトおよび前記下部ベルトが入り込む溝部を形成することが好ましい。
この構成では、上部ベルトおよび下部ベルトによって上部カバーと下部カバーとを連結することで、カバー部材によってバッテリケースを確実に保持することができる。
また、移動時や作業時に周囲の部材が上部ベルトおよび下部ベルトに引っ掛かるのを防ぐことができる。さらに、背負い式電源システムが地面に落下したときに、上部ベルトと下部ベルトとの連結部が破損するのを防ぐことができる。
本発明の背負い式電源システムでは、上下に分割されたカバー部材によってバッテリケースを保護することにより、背負い式電源システムの耐衝撃性能を高めつつ、バッテリケースを小型化および軽量化することができる。また、本発明の背負い式電源システムでは、カバー部材が上下に分割されているため、搬送用具に対してバッテリケースを簡単に着脱することができる。
本発明の実施形態に係る背負い式電源システムを後方右上から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る背負い式電源システムを後方左上から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るバッテリケースを示した図で、(a)は後方左上から見た斜視図、(b)は背面図である。 本発明の実施形態に係るバッテリケースを示した図で、(a)は電源コードを右側に出した構成の斜視図、(b)は電源コードを左側に出した構成の斜視図である。 本発明の実施形態に係る搬送用具を後方右上から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る落下防止用ベルトを示した図で、(a)は左側の落下防止用ベルトの斜視図、(b)は右側の落下防止用ベルトの斜視図である。 本発明の実施形態に係る上部カバーを示した図で、(a)は電源コードを右側に出した構成の斜視図、(b)は電源コードを左側に出した構成の斜視図である。 本発明の実施形態に係る収納ホルダを示した図で、(a)は右側から見た斜視図、(b)は左側から見た斜視図、(c)は下側から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る収納ホルダを示した図で、(a)は平面図、(b)は折り畳んだ状態の平面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向とは、本実施形態の背負い式電源システムを説明する上で便宜上設定したものであり、本発明の背負い式電源システムの構成を限定するものではない。
[背負い式電源システムの全体構成]
本実施形態の背負い式電源システム1は、図1に示すように、電動式のブロワや刈込機などの作業機(図示せず)に電力を供給するものであり、作業者が背負って持ち運ぶことができる。
背負い式電源システム1は、バッテリ2(図3(b)参照)を内蔵したバッテリケース10と、バッテリケース10が取り付けられた搬送用具50と、を備え、搬送用具50に対してバッテリケース10は着脱自在である。
[バッテリケースの構成]
バッテリケース10は、図3(b)に示すように、ケース本体20と、ケース本体20の上面20cに設けられた端子ケース30と、を備えている。
ケース本体20は、図3(a)に示すように、プラスチック製の直方体の箱である。ケース本体20内には、大容量のバッテリ2(図3(b)参照)および制御回路(図示せず)が収納されている。
ケース本体20の後面20bの中央部には、上下方向に延びている溝部21が形成されている。溝部21は、図1に示すように、後記する搬送用具50の上部ベルト63aおよび下部ベルト63bが入り込む部位である。
ケース本体20の左右の側面20e,20eの高さ方向の中央部には、図3(b)に示すように、内側に窪んだ窪み部22,22が形成されている。
右側の側面20eの窪み部22の底面には、図1に示すように、電力の供給および停止を切り替えるスイッチ23と、電力の残量を表示する残量表示パネル24と、が設けられている。
この構成では、スイッチ23が側面20eよりも内側に入り込んでいるため、移動時や作業時に周囲の部材がスイッチ23に接触し難くなる。
ケース本体20の左右の側面20e,20eの上部には、図6(a)および(b)に示すように、前後方向に延びている固定用溝26,26が形成されている。固定用溝26の前後方向の略中央部には、後記する落下防止用ベルト54が取り付けられる固定部25が形成されている。
固定用溝26および固定部25は、図1および図2に示すように、後記する上部カバー61をバッテリケース10の上部に被せたときに、上部カバー61によって覆われる領域に配置されている。
固定部25は、図6(a)および(b)に示すように、上下方向に延びている直線状の部位である。固定部25は、上下の端部が固定用溝26の上下の縁部に接続されている。固定部25と固定用溝26の底面とは離れており、固定部25と固定用溝26の底面との間に落下防止用ベルト54を挿通可能となっている。
ケース本体20の上面20cには、図4(a)に示すように、ケース本体20内の制御回路(図示せず)に対して電気的に接続された差し込み式のバッテリ側コネクタ2aが配置されている。バッテリ側コネクタ2aには、後記する電源コード40のコード側コネクタ42が連結されている。
ケース本体20の上面20cには、端子ケース30が取り付けられている。端子ケース30は、プラスチック製の容器であり、下面が開口している。
端子ケース30は、複数のねじによってケース本体20の上面20cに固定されている。端子ケース30によってケース本体20の上面20cが覆われている。端子ケース30の内部には、バッテリ側コネクタ2aおよびコード側コネクタ42が収納されている。
端子ケース30の前面30aの左右方向の中央部には、コード挿通穴31が開口しており、コード挿通穴31には、電源コード40が挿通されている。
電源コード40は、図1に示すように、一端が作業機(図示せず)に取り付けられ、他端はバッテリケース10に取り付けられるコードであり、バッテリケース10から作業機に送電するための電線である。
電源コード40の一端には、作業機に取り付けられる端子アダプタ41が設けられている。端子アダプタ41は、作業機のバッテリ取付部に着脱自在である。
電源コード40の他端には、図4(a)に示すように、差し込み式のコード側コネクタ42が設けられている。
コード側コネクタ42は、端子ケース30内において、バッテリ側コネクタ2aに連結されている。
なお、電源コード40が破損した場合には、ケース本体20から端子ケース30を取り外し、バッテリ側コネクタ2aからコード側コネクタ42を取り外すことで、電源コード40を交換することができる。
本実施形態の背負い式電源システム1では、バッテリ側コネクタ2aおよびコード側コネクタ42を端子ケース30内に収納することで、両コネクタ2a,42が防水や防塵されている。このようにすると、防水構造のコネクタを用いた場合に比べて、両コネクタ2a,42を小型化することができるため、バッテリケース10を小型化することができる。
端子ケース30の前面30aの上縁部には、左右のガイド部32,32が前方に向けて突出している。左右のガイド部32,32は、コード挿通穴31の左右両側に配置されている。
ガイド部32の下面と、ケース本体20の上面20cの前端部との間には隙間が形成されている。この隙間には電源コード40が挿入されている。つまり、ガイド部32とケース本体20の上面20cとの間に電源コード40が挟まれている。このようにして、ガイド部32とケース本体20の上面20cとの間に電源コード40が保持されている。
図4(a)の電源コード40は、コード挿通穴31から前方に延びており、ケース本体20の上面20cで右側に向けて折り曲げられ、上面20cの前縁部に沿って電源コード40が右方に延びている。つまり、図4(a)では、バッテリケース10の右側に電源コード40を出している。
このように、電源コード40をバッテリケース10の右側に出す場合には、右側のガイド部32とケース本体20の上面20cとの間に電源コード40を挟むことで、電源コード40を右側に向けて案内することができる。
なお、図4(b)に示すように、電源コード40をバッテリケース10の左側に出す場合には、左側のガイド部32とケース本体20の上面20cとの間に電源コード40を挟むことで、電源コード40を左側に向けて案内することができる。
[搬送用具の構成]
搬送用具50は、図5に示すように、背当てプレート51と、背当てプレート51に連結された左右の肩ベルト52,52および腰ベルト53と、背当てプレート51に連結されたカバー部材60と、を備えている。
背当てプレート51は、作業者が搬送用具50を背負うときに、作業者の背中に重なる略長方形の板であり、プラスチック製の平板を布で覆ったものである。背当てプレート51の高さおよび左右方向の幅は、バッテリケース10(図1参照)の高さおよび左右方向の幅よりも僅かに大きく形成されている。
左右の肩ベルト52,52は、作業者が搬送用具50を背負うときに、作業者の両肩に掛けるものである。肩ベルト52の上端部は、背当てプレート51の前面51aの上部に固定され、肩ベルト52の下端部は、背当てプレート51の前面51aの下部に固定されている。左右の肩ベルト52,52は、左右方向に間隔を空けて配置されている。
腰ベルト53は、作業者が搬送用具50を背負うときに、作業者の腰に巻き付けられるものである。腰ベルト53は、背当てプレート51の前面51aの下部に固定されている。腰ベルト53には、差し込み式のバックル53aが設けられている。
背当てプレート51の左右の縁部の上部には、図7(a)および(b)に示すように、固定用ベルト55,55の基部が固定されている。
両固定用ベルト55,55の先端部は、後記するカバー部材60の上部カバー61に対して面ファスナーによって着脱自在に取り付けられる。
背当てプレート51の左右の縁部の上部には、図6(a)および(b)に示すように、落下防止用ベルト54,54の基部が固定されている。
落下防止用ベルト54は、ケース本体20の側面20eに形成された固定部25に着脱自在に取り付けられている。
落下防止用ベルト54は、固定用溝26に対して前方から後方に向けて入り込んでおり、固定部25と固定用溝26の底面との間に挿通されている。また、落下防止用ベルト54は、固定部25の後方で前方に向けて折り返されており、落下防止用ベルト54の先端部は、落下防止用ベルト54の基部に面ファスナーによって着脱自在に固定されている。このように、落下防止用ベルト54は、固定部25を巻き込んでいる。
なお、上部カバー61(図1参照)をバッテリケース10の上部に被せたときには、左右の落下防止用ベルト54,54は、上部カバー61によって覆われる。
カバー部材60は、図1に示すように、バッテリケース10を保持するものであり、バッテリケース10の上部を覆う上部カバー61と、バッテリケース10の下部を覆う下部カバー62と、を備えている。
下部カバー62は、図5に示すように、背当てプレート51の後面51bの下部に固定されている。下部カバー62は、底板62aと、底板62aの左右の縁部に立ち上げられた側板62b,62bと、底板62aの後縁部に立ち上げられた後板62cと、を有している。
下部カバー62の底板62a,側板62bおよび後板62cは、発泡ポリエチレンなどの弾性体の板を布で覆うことで形成されている。したがって、下部カバー62全体が弾性を有する柔軟な部材である。そして、下部カバー62は、衝撃を吸収することができる緩衝部材である。
下部カバー62の底板62aおよび両側板62b,62bの前縁部は、背当てプレート51の後面51bに固定されている。
そして、下部カバー62および背当てプレート51に囲まれた収容空間が形成されている。この収容空間は、上面が開口しており、バッテリケース10(図1参照)の下部が嵌め合わされる。
上部カバー61は、背当てプレート51の後面51bの上部に固定されている。上部カバー61は、頂板61aと、頂板61aの左右の縁部に垂れ下げられた側板61b,61bと、頂板61aの後縁部に垂れ下げられた後板61cと、を有している。
上部カバー61は、下部カバー62と同様に、発泡ポリエチレンなどの弾性体を用いて形成された緩衝部材である。
上部カバー61の頂板61aの前縁部は、背当てプレート51の後面51bに固定されている。
上部カバー61の左右の側板61b,61bの前縁部は、背当てプレート51の後面51bに当接している。両側板61b,61bの外面には、図7(a)および(b)に示すように、左右の固定用ベルト55,55が面ファスナーによって着脱自在に取り付けられている。これにより、上部カバー61の左右の側板61b,61bは、左右の固定用ベルト55,55によって背当てプレート51に固定されている。
そして、図5に示すように、上部カバー61および背当てプレート51に囲まれた収容空間が形成されている。この収容空間は、下面が開口しており、バッテリケース10(図1参照)の上部が嵌め合わされる。
上部カバー61の両側板61b,61bから両固定用ベルト55,55(図7(a)および(b)参照)を取り外すと、頂板61aの前縁部のみが背当てプレート51に取り付けられた状態となる。これにより、背当てプレート51に対して上部カバー61を上向きに傾動可能となる。そして、背当てプレート51に対して上部カバー61を上向きに傾動させると、両側板61b,61bの前縁部が背当てプレートの後面から離れる。
このようにして、背当てプレート51に対して上部カバー61を上下方向に傾動させることで、上部カバー61をバッテリケース10の上部に着脱させることができる。
図7(a)および(b)に示すように、上部カバー61の両側板61b,61bの前縁部と、背当てプレート51の後面51bとの間には、左右のガイド穴61d,61dが形成されている。ガイド穴61dは、電源コード40が挿通される部位である。
ガイド穴61dは、固定用ベルト55の上方に形成されている。ガイド穴61dは、上部カバー61、背当てプレート51の後面51bおよび固定用ベルト55の上縁部によって囲まれた開口部である。
上部カバー61の両側板61b,61bから両固定用ベルト55,55を取り外して、上部カバー61を上向きに傾動させると、両側板61b,61bの前縁部が背当てプレートの後面から離れて、両ガイド穴61d,61dが開かれた状態となる。このようにして、ガイド穴61dに対して電源コード40を着脱させることができる。
電源コード40をバッテリケース10の右側に出す場合には、図7(a)に示すように、右側のガイド穴61dに電源コード40を挿通させる。また、電源コード40をバッテリケース10の左側に出す場合には、図7(b)に示すように、左側のガイド穴61dに電源コード40を挿通させる。
本実施形態のカバー部材60は、図1に示すように、上部カバー61および下部カバー62に分割されており、上部カバー61および下部カバー62は、上下方向に間隔を空けて配置されている。したがって、上部カバー61と下部カバー62との間には、バッテリケース10が露出している。上部カバー61と下部カバー62との間には、バッテリケース10のスイッチ23および残量表示パネル24が露出している。
上部カバー61の後板61cの下縁部には、下方に向けて延びている上部ベルト63aが設けられている。上部ベルト63aは、後板61cの左右方向の中央部に設けられている。
下部カバー62の後板62cの上縁部には、上方に向けて延びている下部ベルト63bが設けられている。下部ベルト63bは、後板62cの左右方向の中央部に設けられている。
上部ベルト63aの下端部と、下部ベルト63bの上端部とは、面ファスナーによって着脱自在に連結されている。
上部ベルト63aおよび下部ベルト63bは、バッテリケース10のケース本体20の後面20bに形成された溝部21に入り込んでいる。
[搬送用具へのバッテリケースの着脱方法]
次に、本実施形態の背負い式電源システム1において、図1に示すように、搬送用具50にバッテリケース10を取り付ける手順について説明する。
まず、作業者が作業機を持ったときに、作業者に対して作業機が配置される左右の側に合わせて、バッテリケース10から電源コード40を出す方向を定める。
そして、図4(a)に示すように、電源コード40をバッテリケース10の右側に出す場合には、右側のガイド部32とケース本体20の上面20cとの間に電源コード40を挟んで電源コード40を右側に向けて案内する。
また、図4(b)に示すように、電源コード40をバッテリケース10の左側に出す場合には、左側のガイド部32とケース本体20の上面20cとの間に電源コード40を挟んで電源コード40を左側に向けて案内する。
続いて、上部ベルト63aと下部ベルト63bとの連結部を切り離した状態で、下部カバー62内にバッテリケース10の下部を挿入する。
また、図6(a)および(b)に示すように、左右の落下防止用ベルト54,54をバッテリケース10の左右の固定部25,25に取り付ける。
なお、図6(a)および(b)では、上部カバー61(図1参照)の図示を省略しているが、落下防止用ベルト54をバッテリケース10の固定部25に取り付けるときには、上部カバー61を上向きに傾けておく。
さらに、図7(a)および(b)に示すように、上部カバー61をバッテリケース10の上部に被せて、左右の固定用ベルト55,55を上部カバー61の左右の側板61b,61bに取り付ける。
このとき、電源コード40をバッテリケース10の右側に出す場合には、図7(a)に示すように、電源コード40を右側のガイド穴61dに挿通させる。
また、電源コード40をバッテリケース10の左側に出す場合には、図7(b)に示すように、電源コード40を左側のガイド穴61dに挿通させる。
図1に示すように、上部カバー61および下部カバー62にバッテリケース10を取り付けた後に、上部ベルト63aと下部ベルト63bとを連結すると、搬送用具50にバッテリケース10が保持された状態となる。
そして、バッテリケース10が取り付けられた搬送用具50の背当てプレート51を作業者の背中に当てて、左右の肩ベルト52,52を作業者の両肩に掛けることで、作業者が背負い式電源システム1を背負うことができる。このようにして、作業者が大容量のバッテリ2(図3参照)を持ち運ぶことができる。
搬送用具50にバッテリケース10を取り付けた状態で、電源コード40を出す方向を変更する場合には、図7(a)および(b)に示す左右の固定用ベルト55,55を上部カバー61から取り外す。
そして、上部カバー61を上向きに傾動させると、バッテリケース10の上部から上部カバー61を取り外すことができる。これにより、図4(a)および(b)に示すように、端子ケース30および電源コード40が露出した状態となるため、電源コード40の向きを変更することができる。
なお、バッテリケース10の上部から上部カバー61(図1参照)を取り外したときに、図6(a)および(b)に示すように、バッテリケース10の上部は、左右の落下防止用ベルト54,54によって背当てプレート51に支持されているため、バッテリケース10が搬送用具50から落下するのを防ぐことができる。
このような背負い式電源システム1において、搬送用具50からバッテリケース10を取り外す場合には、図7(a)および(b)に示す左右の固定用ベルト55,55を左右の固定部25,25から取り外し、バッテリケース10の上部から上部カバー61を取り外す。
さらに、図6(a)および(b)に示す落下防止用ベルト54,54をバッテリケース10の左右の固定部25,25から取り外すと、バッテリケース10を下部カバー62から取り外すことができる。このようにして、搬送用具50からバッテリケース10を取り外すことができる。
[収納ホルダの構成]
本実施形態の背負い式電源システム1では、図8(a)および(b)に示すように、腰ベルト53に対して、収納ホルダ70を取り付けることができる。
収納ホルダ70は、作業機から取り外した端子アダプタ41(図1参照)を収納するための容器である。
収納ホルダ70は、角筒状の胴部71と、胴部71に取り付けられた第一ベルト75および第二ベルト76と、を備えている。
胴部71は、左右一対の第一側板71a,71aと、前後一対の第二側板71b,71bと、を備えている。第一側板71aおよび第二側板71bは、発泡ポリエチレンなどの弾性体の板を布で覆うことで形成されている。
第二側板71bの左右方向の中央部には、上下方向に延びている折れ線71cが形成されている。両第二側板71b,71bは、図9(b)に示すように、左右方向に折り畳み自在となるように、左右方向に二分割された部材によって構成されている。つまり、胴部71全体が左右方向に折り畳み自在である。
第一ベルト75は、図8(b)および(c)に示すように、収納ホルダ70の底部72および取付部74を構成する布製の帯状部材である。
第一ベルト75は、右側の第一側板71aの外面の下端部、胴部71の下面、左側の第一側板71aの外面、左側の第一側板71aの内面の上端部に亘って延設されている。
第一ベルト75は、右側の第一側板71aの下端部と、左側の第一側板71aの外面の下端部に縫合されている。
これにより、図8(c)に示すように、胴部71の下面の左右の縁部に亘って第一ベルト75が架け渡されており、第一ベルト75によって底部72が形成されている。
第一ベルト75の前後方向の幅は、前後の第二側板71b,71bの内面の間隔よりも小さく形成されている。したがって、底部72の前後の縁部と、前後の第二側板71b,71bの内面との間には隙間が形成されている。このように、収納ホルダ70の下面(底面)には、前後に開口部70b,70bが形成されている。
第一ベルト75の上端部は、図8(b)に示すように、左側(腰ベルト53側)の第一側板71aの内面の上端部に面ファスナーによって着脱自在に取り付けられている。
これにより、左側の第一側板71aの外面には、第一ベルト75によって取付部74が形成されている。
取付部74において、第一ベルト75と左側の第一側板71aの外面との間に腰ベルト53を挿通させることで、腰ベルト53に収納ホルダ70を取り付けることができる。このようにして、腰ベルト53に収納ホルダ70を取り付けると、収納ホルダ70が腰ベルト53の延長方向にスライド自在となる。
第二ベルト76は、図8(a)に示すように、収納ホルダ70の蓋部73を構成する布製の帯状部材である。
第二ベルト76は、左端部が第一ベルト75の上端部に縫合され、右端部は、図8(a)に示すように、右側の第一側板71aの外面の上部に第一面ファスナー76aによって着脱自在に取り付けられている。
これにより、胴部71の上面の左右の縁部に亘って第二ベルト76が架け渡されており、第二ベルト76によって蓋部73が形成されている。
第二ベルト76の前後方向の幅は、第一ベルト75の前後方向の幅と同じ大きさであり、前後の第二側板71b,71bの内面の間隔よりも小さく形成されている。したがって、図9(a)に示すように、蓋部73の前後の縁部と、前後の第二側板71b,71bの内面との間には隙間が形成されている。このように、収納ホルダ70の上面には、前後に開口部70a,70aが形成されている。
また、第二ベルト76において、左右の第一側板71a,71aの間に対応する位置の下面には、第二面ファスナー76bが設けられている。
収納ホルダ70に端子アダプタ41(図1参照)を収納するときには、第二ベルト76の第一面ファスナー76aを第一側板71aから取り外して、蓋部73を開くことで、胴部71の上面全体を開口させる。
そして、端子アダプタ41を胴部71内に挿入した後に、第二ベルト76の第一面ファスナー76aを第一側板71aの外面に取り付けて、蓋部73を閉じることで、胴部71の上面を塞ぐことができる。このとき、蓋部73と第二側板71bとの間の開口部70aに電源コード40(図1参照)を挿通させる。
なお、収納ホルダ70の底部に切断片や金属片などの塵や水滴が入っていると、端子アダプタ41(図1参照)の金属端子に塵や水滴が付着して、短絡や接触不良が生じる可能性がある。
本実施形態の収納ホルダ70では、図8(c)に示すように、胴部71の下面に開口部70bが形成されているため、収納ホルダ70内に塵や水滴が溜まるのを防ぐことができる。
作業時に収納ホルダ70を使用しないときには、第二ベルト76の第一面ファスナー76aを胴部71から取り外した後に、図9(b)に示すように、胴部71を左右方向に折り畳む。さらに、第二ベルト76の第二面ファスナー76bを第一側板71aの外面に取り付けることで、胴部71を折り畳んだ状態に保持することができる。また、胴部71を折り畳むと、底部72(図8(c)参照)も左右方向に折り畳まれる。このようにして、胴部71をコンパクトにすることができる。
さらに、収納ホルダ70を腰ベルト53の延長方向に移動させることができる。これにより、作業時に収納ホルダ70が作業者の手に接触したり、周囲の部材に接触したりするのを防ぐことができる。
なお、本実施形態では、図8(a)に示すように、腰ベルト53の右側部に収納ホルダ70が取り付けられているが、同様にして、腰ベルト53の左側部に収納ホルダ70を取り付けることもできる。
[背負い式電源システムの作用効果]
以上のような本実施形態の背負い式電源システム1では、図1に示すように、バッテリケース10の上部および下部が弾性体のカバー部材60によって覆われているため、背負い式電源システム1が地面に落下したときの衝撃からバッテリケース10を保護することができる。これにより、本実施形態の背負い式電源システム1では、バッテリケース10の強度を最小限にすることができる。
したがって、本実施形態の背負い式電源システム1の耐衝撃性能を高めつつ、バッテリケース10を小型化および軽量化することができる。
本実施形態の背負い式電源システム1では、カバー部材60が上下に分割されており、背負い式電源システム1が地面に落下したときに、バッテリケース10が受ける衝撃が大きくなる部位が効果的に保護されている。この構成では、バッテリケース10全体をカバー部材60によって覆った場合に比べて、カバー部材60の重量を低減するとともに、製造コストを低減することができる。
本実施形態の背負い式電源システム1では、弾性体である上部カバー61および下部カバー62をバッテリケース10の上部および下部に被せる構造であるため、搬送用具50にバッテリケース10を簡単に着脱することができる。
本実施形態の背負い式電源システム1では、図6(a)および(b)に示すように、左右の落下防止用ベルト54,54がバッテリケース10の上部に取り付けられているため、図1に示すバッテリケース10から上部カバー61を外したときや、上部ベルト63aと下部ベルト63bとの連結が外れたときに、バッテリケース10が不用意に地面に落下するのを防ぐことができる。
また、バッテリケース10の上部に上部カバー61を被せると、落下防止用ベルト54(図6(a)および(b)参照)は、上部カバー61に覆われるため、移動時や作業時に周囲の部材が落下防止用ベルト54に引っ掛かるのを防ぐことができる。
本実施形態の背負い式電源システム1では、バッテリケース10の外面の溝部21に上部ベルト63aおよび下部ベルト63bが入り込んでいるため、移動時や作業時に周囲の部材が上部ベルト63aおよび下部ベルト63bに引っ掛かるのを防ぐことができる。
また、背負い式電源システム1が地面に落下したときに、上部ベルト63aと下部ベルト63bとの連結部が破損するのを防ぐことができる。
本実施形態の背負い式電源システム1では、上部カバー61が弾性体であるため、仮に地面に落下した場合でも、上部カバー61によって端子カバー30(図3(a)参照)および電源コード40への衝撃を抑えることができる。したがって、端子カバー30および電源コード40が損傷するのを防ぐことができる。
本実施形態の背負い式電源システム1では、図6(a)および(b)に示すように、バッテリケース10から上部カバー61(図1参照)を取り外すと、端子ケース30が露出する。そして、一方のガイド部32とケース本体20の上面20cとの間から電源コード40を取り外し、他方のガイド部32とケース本体20の上面20cとの間に電源コード40を挟んだ後に、バッテリケース10に上部カバー61を被せる。このようにして、工具を使用しなくても、バッテリケース10から電源コード40を出す方向を簡単に変更することができる。
本実施形態の背負い式電源システム1では、図7(a)および(b)に示すように、上部カバー61の内部からガイド穴61dを通じて外部に電源コード40を直線状に延ばすことができるため、上部カバー61から電源コード40を出し易くなる。
また、上部カバー61を上向きに傾動させると、両側板61b,61bの前縁部が背当てプレート51の後面51bから離れて、ガイド穴61dが開かれるため、ガイド穴61dに対して電源コード40を簡単に着脱させることができる。
本実施形態の背負い式電源システム1のガイド穴61dは、上部カバー61、背当てプレート51および固定用ベルト55によって囲まれた開口部であるため、ガイド穴61dに挿通させた電源コード40を安定させることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、バッテリケース10の形状は限定されるものではなく、円柱状など各種の形状のバッテリケースを用いることができる。この場合には、各種の形状のバッテリケースの上部および下部の形状に合わせて、上部カバーおよび下部カバーが形成される。
本実施形態の背負い式電源システム1では、図1に示すように、バッテリケース10の上部および下部が上部カバー61および下部カバー62によって覆われている。そして、上部カバー61および下部カバー62によってバッテリケース10を覆う領域は限定されるものではない。上部カバー61および下部カバー62の高さや厚さは、衝撃を吸収する性能やバッテリケース10への着脱し易さを考慮して設定される。
本実施形態の背負い式電源システム1では、左右の肩ベルト52,52の他に腰ベルト53が設けられているが、腰ベルト53を設けなくてもよい。
本実施形態では、図4(a)に示すように、端子ケース30の前面30aにコード挿通穴31および両ガイド部32,32が形成されているが、端子ケース30の後面にコード挿通穴31および両ガイド部32,32を形成してもよい。
本実施形態では、図4(a)に示すように、端子ケース30内に差し込み式のコネクタ2a,42が収納されているが、バスバーなどの端子を用いて、バッテリケース10側の制御回路と電源コード40とを電気的に接続してもよい。
1 背負い式電源システム
2 バッテリ
2a バッテリ側コネクタ
10 バッテリケース
20 ケース本体
21 溝部
22 窪み部
23 スイッチ
24 残量表示パネル
25 固定部
26 固定用溝
30 端子ケース
31 コード挿通穴
32 ガイド部
40 電源コード
41 端子アダプタ
42 コード側コネクタ
50 搬送用具
51 背当てプレート
52 肩ベルト
53 腰ベルト
54 落下防止用ベルト
55 固定用ベルト
60 カバー部材
61 上部カバー
61d ガイド穴
62 下部カバー
63a 上部ベルト
63b 下部ベルト
70 収納ホルダ
71 胴部
71a 第一側板
71b 第二側板
72 底部
73 蓋部
74 取付部
75 第一ベルト
76 第二ベルト

Claims (4)

  1. バッテリを内蔵したバッテリケースと、
    前記バッテリケースを着脱自在な搬送用具と、を備え、
    前記搬送用具は、
    背当てプレートと、
    前記背当てプレートに連結された肩ベルトと、
    前記背当てプレートに連結されたカバー部材と、を備え、
    前記カバー部材は、
    前記バッテリケースの上部を覆う上部カバーと、
    前記バッテリケースの下部を覆う下部カバーと、を備え、
    前記上部カバーおよび前記下部カバーは、弾性体によって形成され、
    前記上部カバーおよび前記下部カバーは、上下方向に間隔を空けて配置されており、
    前記背当てプレートには、前記バッテリケースが前記搬送用具から落下するのを防止する落下防止用ベルトが設けられ、
    前記落下防止用ベルトは、前記バッテリケースの上部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする背負い式電源システム。
  2. 請求項1に記載の背負い式電源システムであって、
    前記落下防止用ベルトは、前記上部カバーに覆われていることを特徴とする背負い式電源システム。
  3. バッテリを内蔵したバッテリケースと、
    前記バッテリケースを着脱自在な搬送用具と、を備え、
    前記搬送用具は、
    背当てプレートと、
    前記背当てプレートに連結された肩ベルトと、
    前記背当てプレートに連結されたカバー部材と、を備え、
    前記カバー部材は、
    前記バッテリケースの上部を覆う上部カバーと、
    前記バッテリケースの下部を覆う下部カバーと、を備え、
    前記上部カバーおよび前記下部カバーは、弾性体によって形成され、
    前記上部カバーおよび前記下部カバーは、上下方向に間隔を空けて配置されており、
    前記上部カバーに設けられた上部ベルトと、前記下部カバーに設けられた下部ベルトとが着脱自在に連結されていることを特徴とする背負い式電源システム。
  4. 請求項3に記載の背負い式電源システムであって、
    記バッテリケースの外面には、前記上部ベルトおよび前記下部ベルトが入り込む溝部が形成されていることを特徴とする背負い式電源システム。
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