JP6760246B2 - 鉄鋼スラグの処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄工程で発生した鉄鋼スラグをセメント原料や製鉄原料などとして利材化するために、鉄鋼スラグを利材化に適した状態に処理するための処理方法に関する。
製鉄所の製鋼工場において、転炉や溶銑予備処理炉などの精錬炉から発生する製鋼スラグは、精錬プロセスによって脱炭スラグ、脱珪スラグ、脱硫スラグ、脱燐スラグなど様々な種類がある。通常、これらの製鋼スラグには20〜50質量%程度の金属鉄が含まれており、スラグをそのまま処分すると製鉄プロセスでの鉄歩留りが低下するため、スラグ分(Ca、Si、Alなど)と金属鉄に分離し、金属鉄を製銑や製鋼工程でリサイクルすることが行われており、従来、そのリサイクル方法に関して数多くの提案がなされている。
鉄鋼スラグから金属鉄を分離し、製鉄原料として利材化する方法として、例えば、特許文献1には、製鋼工程で発生するスラグから磁力選別により回収された細粒状の磁着物に、セメントなどの結合材と水を加えて混練し、この混練物を水和硬化させた後、破砕処理及び分級処理して塊状の高炉用原料とする方法が提案されている。
一方、金属鉄を分離したスラグには石灰が遊離した形(以下、遊離CaOという)で残存しており、そのまま道路用材や土木用材に利用した場合には、遊離CaOの水酸化により膨張が起こる問題がある。そこで、一般には製鋼スラグを自然冷却し、破砕した後に屋外で山積みするか、人為的に水蒸気と接触させることで遊離CaOを安定化させるエージング処理が行われている。しかし、このエージング処理は非常に長い処理時間を要することがあり、また製鉄所内に広いスペースが必要となる。また、製鋼スラグの多くは微粉を多く含んでおり、そのままでは路盤材としてほとんど利用することができない。
製鋼スラグのリサイクル方法として、特許文献2、3には、脱硫スラグを溶銑脱硫材としてリサイクルする方法が提案されている。しかし、これらの方法は、遊離CaOのリサイクルとなるが、Sもリサイクルすることになるため、リサイクル回数に限界があるという問題がある。
一方、特許文献4には、製鋼スラグをセメント原料として利材化するための処理方法が提案されている。この処理方法は、製鋼スラグを処理ヤードで散水冷却してから、スラグの大きい塊を破砕して地金を除去した後、スラグを一旦積み付け、スラグに含有されたCaOの反応熱により水分を10重量%以下にしてからスラグを破砕し、このスラグに含まれる金属鉄(粒鉄)を選別して除去するものである。
特開2012−72424号公報 特開昭63−219514号公報 特開2007−262511号公報 特開2001−48605号公報
しかし、特許文献1に記載の方法は、混練物を水和固化させるために3〜6日程度の日数を要するとともに、硬化体の破砕後さらに2〜5日程度の養生が必要であり、高炉用原料の製造に相当の日数が必要である。また、製造する際にはセメント添加、水添加、打設、混練など非常に多くの工程が必要となる。このため高炉用原料の製造方法として効率的なものとは言い難い。また、セメントを添加するため、高炉においてスラグ量が増加し、通気性等に悪影響を与えるおそれもある。
また、金属鉄(粒鉄)が残存したスラグをセメント原料化した場合、金属鉄に起因した鉄さびが発生する懸念があるため、スラグ中の金属鉄残存率は極力低いことが望ましいが、特許文献4の実施例の記載をみると、製品スラグ中の金属鉄の残存率が8質量%程度もあり、高品質なセメント原料とはいえない。また、CaOの含有量が多いスラグは粉末状で存在するため、搬送性能が低いなどハンドリング性に課題があるが、特許文献4では、そのようなスラグのハンドリング性についての課題を解決していない。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、製鉄工程で発生した鉄鋼スラグをセメント原料、製鉄原料などとして利材化するために、鉄鋼スラグを利材化に適した状態に効率的に処理することができる処理方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、鉄鋼スラグをセメント原料や製鉄原料などとして利材化するのに適した状態に効率的に処理することができる新たな処理方法を見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]製鉄工程で発生した鉄鋼スラグを回収して篩分けする分級工程(A)と、
分級工程(A)の篩下の鉄鋼スラグを磁力選別して磁着物(x)と非磁着物(y)に分別する磁力選別工程(B)と、
磁力選別工程(B)で分別された非磁着物(y)を造粒する造粒工程(C)と、
磁力選別工程(B)で分別された磁着物(x)を塊成化する塊成化工程(D)を有し、
磁力選別工程(B)で磁力選別される鉄鋼スラグは、水分含有量が30質量%以下であることを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[2]上記[1]の処理方法において、さらに、分級工程(A)で篩分けする前の鉄鋼スラグを破砕する破砕工程(E)を有することを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[3]上記[1]又は[2]の処理方法において、分級工程(A)では、鉄鋼スラグを篩目1〜5mmで篩分けすることを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの処理方法において、分級工程(A)の篩下の鉄鋼スラグは、粒径1mm以下の粒子の割合が30質量%以上であることを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの処理方法において、磁力選別工程(B)では、磁力強度が1000〜3000ガウスの磁力選別手段で磁力選別を行うことを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの処理方法において、磁力選別工程(B)では、ベルトコンベアを構成する1つのプーリ(1)が磁場印加手段を内蔵するプーリ式磁力選別機であって、前記磁場印加手段がプーリ本体に対して独立して回転駆動する磁石ロール(2)からなり、該磁石ロール(2)は、その外周に沿って所定の間隔をおいて配置される複数の磁極(3)を備えるとともに、ロール周方向で隣接する磁極(3)が異なる極性を有する磁力選別機を用いて鉄鋼スラグを磁力選別することを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[7]上記[6]の処理方法において、下記(1)式で定義される磁石ロール(2)の磁場変化周波数F(Hz)が10〜500Hzであることを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
F=(x・P)/60 …(1)
ここで x:磁石ロール(2)の回転数(rpm)
P:磁石ロール(2)が周方向で備える磁極数(但し、N極・S極のペアで1磁極とする)
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの処理方法において、造粒工程(C)では、非磁着物(y)を平均粒径5〜15mmの造粒物に造粒することを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかの処理方法において、造粒工程(C)では、パン皿の表面に撥水性の表面処理が施された皿形造粒機を用いて非磁着物(y)を造粒することを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[10]上記[9]の処理方法において、パン皿の表面処理がフッ素樹脂コーティングであることを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかの処理方法において、塊成化工程(D)では、磁着物(x)を圧縮成型することにより塊成化することを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[12]上記[2]〜[11]のいずれかの処理方法において、所定量の鉄鋼スラグをバッチ式で処理する際に、分級工程(A)の篩上の鉄鋼スラグを破砕工程(E)で再破砕した後、分級工程(A)で再分級し、該再破砕・再分級を1回以上行った後の篩上材を粒鉄含有量が高い粗粒材(z)として回収し、該粗粒材(z)を塊成化工程(D)において磁着物(x)に配合して、磁着物(x)とともに塊成化することを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[13]上記[12]の処理方法において、塊成化工程(D)では、中心側に粗粒材(z)が配され、外側に磁着物(x)が配された塊成化物を得ることを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[14]上記[13]の処理方法において、塊成化工程(D)では、
周面に複数の成型用の凹部(35)が形成され、水平方向で並列した状態で対向するとともに、対向する外周部分が下向きに回転する回転方向を有する1対の成型用ロール(30a),(30b)と、
1対の成型用ロール(30a),(30b)間に上方から磁着物(x)を案内して供給するホッパー(31)と、
ホッパー(31)内の磁着物(x)を成型用ロール(30a),(30b)間に押し込むためのスクリュー(36)を備えるとともに、軸体(37)に材料供給用の軸孔(38)が貫設され、ホッパー(31)内の上下方向に沿って配置されるスクリュー軸(32)と、
スクリュー軸(32)を回転駆動させる駆動装置(33)と、
スクリュー軸(32)の軸孔(38)内に粗粒材(z)を供給するホッパー(34)を備え、
回転する1対の成型用ロール(30a),(30b)の対向する凹部(35)間で材料を圧縮成型して塊成化物とする成型機を用い、
ホッパー(31)内に装入された磁着物(x)をスクリュー軸(32)で1対の成型用ロール(30a),(30b)間に押し込みつつ、1対の成型用ロール(30a),(30b)の対向する凹部(35)間で材料が圧縮成型されるのに合せて、軸孔(38)を通じてスクリュー軸(32)の先端から1対の成型用ロール(30a),(30b)間に間欠的に粗粒材(z)を供給することにより、該粗粒材(z)とその外側の磁着物(x)が1対の成型用ロール(30a),(30b)の対向する凹部(35)間で圧縮成型され、中心側に粗粒材(z)が配され、外側に磁着物(x)が配された塊成化物が得られるようにしたことを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[15]上記[12]〜[14]のいずれかの処理方法において、磁着物(x)の粒子径が2mm未満であり、粗粒材(z)の粒子径が2〜10mmであることを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[16]上記[12]〜[15]のいずれかの処理方法において、塊成化工程(D)で得られる塊成化物は、粗粒材(z)の割合が50質量%未満であることを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[17]上記[1]〜[16]のいずれかの処理方法において、鉄鋼スラグが製鋼スラグであることを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
[18]上記[1]〜[17]のいずれかの処理方法における造粒工程(C)で得られた造粒物をセメント原料として用いることを特徴とする鉄鋼スラグの利材化方法。
[19]上記[1]〜[17]のいずれかの処理方法における塊成化工程(D)で得られた塊成化物を製鉄原料として用いることを特徴とする鉄鋼スラグの利材化方法。
[20]上記[1]〜[17]のいずれかの処理方法によりセメント原料となる非磁着物(y)の造粒物を得ることを特徴とするセメント原料の製造方法。
[21]上記[1]〜[17]のいずれかの処理方法により製鉄原料となる磁着物(x)の塊成化物を得ることを特徴とする製鉄原料の製造方法。
本発明によれば、鉄鋼スラグをセメント原料、製鉄原料などとして利材化するに当たり、鉄鋼スラグを利材化に適した状態に効率的に処理することができる。すなわち、本発明法によって鉄鋼スラグを処理することにより、金属鉄濃度が低く且つ搬送性が良好であり、セメント原料などとして利材化が可能なスラグ材料(造粒物)と、金属鉄などの金属濃度が高く且つ搬送性が良好であり、製鉄原料などとして利材化が可能な材料(塊成化物)を得ることができる。
本発明の一実施形態の処理フローを示す説明図 本発明の磁力選別工程で用いるプーリ式磁力選別機の一実施形態とその使用状況を示す説明図 本発明の磁力選別工程で用いるプーリ式磁力選別機の他の実施形態とその使用状況を示す説明図 本発明の磁力選別工程で磁力選別される鉄鋼スラグの水分含有量と磁力選別工程で選別された非磁着物の金属鉄含有量(M.Fe濃度)との関係を示すグラフ 本発明の造粒工程において、パン皿の表面にフッ素樹脂コーティングを施したパン型ペレタイザーと、そのようなコーティングを施さないパン型ペレタイザーをそれぞれ用いて非磁着物を造粒した場合において、所定時間造粒した後の原料(非磁着物)全投入量に対する粒径5mm以上の造粒物の質量比率を示すグラフ 本発明の他の実施形態の処理フローを示す説明図 本発明の塊成化工程で用いる塊成化装置の一実施形態を示す説明図 本発明において磁着物xに粒鉄含有量が高い粗粒材zを配合したものを塊成化して得られた塊成化物について、塊成化物中での粗粒材zの割合と塊成化物のTI強度との関係を示すグラフ 本発明の一実施形態の処理フローと各工程での産物重量を示す説明図
本発明は、製鉄工程で発生した鉄鋼スラグを回収して篩分けする分級工程(A)と、この分級工程(A)の篩下の鉄鋼スラグを磁力選別して磁着物xと非磁着物yに分別する磁力選別工程(B)と、この磁力選別工程(B)で分別された非磁着物yを造粒する造粒工程(C)と、磁力選別工程(B)で分別された磁着物xを塊成化する塊成化工程(D)を有する。また、必要に応じて、分級工程(A)で篩分けする前の鉄鋼スラグを破砕する破砕工程(E)を有することができる。
図1は、本発明の一実施形態の処理フローを示しており、以下、この実施形態を例に本発明の詳細を説明する。
分級工程(A)では、精錬工程で発生した鉄鋼スラグ(スラグ塊)を篩分けし、粗粒と次工程で磁力選別を行う細粒の選別を行う。使用される篩目はスラグの種類にもよるが、本発明者らの調査によれば1〜5mm程度が好ましいことが分かった。篩目が1mm未満では、篩目が小さいため材料の目詰まりの発生が顕著となり、操業安定性が阻害されやすい。一方、5mmを超えると、後工程である磁力選別工程(B)において供給側の層厚を大きく設定する必要が生じるが、磁力選別において供給側の層厚を大きくすると、磁石との距離が離れてしまうため、非磁着物yへの金属鉄の混入量が増加しやすくなる。
また、分級工程(A)の篩下の鉄鋼スラグ、すなわち、磁力選別工程(B)で磁力選別される鉄鋼スラグは、磁力選別で磁着物xと非磁着物yの高い選別性を得るために、粒径1mm以下の粒子の割合が30質量%以上であることが好ましい。粒径1mm以下の粒子の割合が30質量%未満では、スラグの水分含有量が少ない条件下でもスラグどうしの固着により、磁力選別における磁着物xと非磁着物yの高い選別性が得られにくくなる。
また、分級工程(A)の篩上の鉄鋼スラグは、金属鉄濃度が比較的高いので、そのまま製鉄原料として利材化してもよい。
また、精錬工程で発生した鉄鋼スラグ(スラグ塊)は、必要に応じて、分級工程(A)で篩分けする前に破砕工程(E)で所定の粒径に破砕処理してもよい。破砕粒径は鉄鋼スラグの種類によっても異なるが、含まれている金属(主に金属鉄であるので、以下「金属鉄」という)の単体分離が十分に促進される粒径が好ましい。破砕粒径は、通常1〜100mm程度であるが、破砕後の処理工程でより高精度な分離を行うためには1〜6mm程度とすることが好ましい。破砕機は、ジョークラッシャー、コーンクラッシャー、ハンマークラッシャー、インパクトクラッシャー、ロールクラッシャーなどを用いることができ、また、ボールミル、ロッドミル等の粉砕機を用いてもよい。
分級装置としては、振動篩、回転式円筒篩、篩面が波状に振動する波動式スクリーン、ジャンピングスクリーンなどを用いることができる。この分級工程の篩上の鉄鋼スラグについては、上述したようにそのまま製鉄原料とすることができるが、上述した破砕工程(E)がある場合には、再度破砕工程(E)で処理を施し、分級処理を実施することもでき、破砕、分級工程を複数回実施する(繰り返し実施する)ことにより、スラグ中に含有されている金属鉄の単体分離をより精度良く行うことができる。また、このように破砕、分級工程を複数回実施した後に篩上となるものについては、金属鉄主体の塊であると判断してそのまま製鉄原料化することが好ましい。なお、破砕、分級工程を複数回実施する場合は、基本的に鉄鋼スラグをバッチ式に処理することになる。
磁力選別工程(B)では、分級工程(A)の篩下の鉄鋼スラグを磁力選別し、金属鉄を主体とする磁着物xとスラグ分を主体とする非磁着物yに分別する。磁力選別手段の磁力強度は、スラグの種類にもよるが、本発明者らの調査によれば1000〜3000ガウス程度が好ましく、1500〜2500ガウス程度がより好ましいことが分かった。磁力強度が1000ガウス未満では、非磁着物yへの金属鉄の混入量が増加し、磁着物x側の回収歩留りが低下するとともに、非磁着物y側の金属鉄濃度が増加してしまうため、非磁着物yをリサイクル原料として利用する上で不利な条件となる。一方、磁力強度が3000ガウスを超えると、磁着物x側への非磁着物の混入が顕著となり、磁着物x側の金属鉄濃度が低下し、磁着物xをリサイクル原料として利用する上で不利な条件となる。
磁力選別機としては、プーリ式(ドラム式)、ベルト吊り下げ式などを用いることができるが、ベルト吊り下げ式は、金属鉄間にスラグを巻き込みやすく、金属鉄の取りこぼしが多くなり、歩留りの低下を生じやすいので、金属鉄の取りこぼしを防ぐためにはプーリ式(ドラム式)の方が好ましい。
また、磁力選別機のなかでも、以下のような構造を有するプーリ式磁力選別機が特に好ましい。このプーリ式磁力選別機は、ベルトコンベアを構成するプーリの1つが磁場印加手段を内蔵した磁力選別機(当該プーリは「回転ドラム」と呼ばれることもある)であって、前記磁場印加手段がプーリ本体に対して独立して回転駆動する磁石ロールからなり、この磁石ロールは、その外周に沿って所定の間隔をおいて配置される複数の磁極を備えるとともに、ロール周方向で隣接する磁極が異なる極性を有するようにした磁力選別機である。
図2は、そのようなプーリ式磁力選別機の一実施形態とその使用状況を示す説明図である。図において、10はプーリ式の磁力選別機、20は磁力選別される鉄鋼スラグ(以下、単に「スラグa」という)を磁力選別機10に搬送するための搬送コンベア(ベルトコンベア)であり、磁力選別機10は、搬送コンベア20の上方に位置し、搬送コンベア20で搬送されてきたスラグaから磁力により磁着物粒子を上方に吸引して分離する。
磁力選別機10において、1は磁場印加手段を内蔵したコンベア始端部11側のプーリ(ベルトガイドロール)、4はコンベア終端部12側のプーリ(ベルトガイドロール)、5はコンベアベルトであり、このコンベアベルト5がプーリ1、4間に張設されることで、ベルトコンベアが構成される。なお、本実施形態では、プーリ1はプーリ4よりも大径に構成され、プーリ4の回転軸がプーリ1の回転軸よりも上方に位置することにより、コンベアベルト5の上面(プーリ1、4間の上部ベルト部分)はほぼ水平状となっている。
搬送コンベア20において、21はコンベアベルト、22はコンベア始端部13側のプーリ(ベルトガイドロール)、23はコンベア終端部14側のプーリ(ベルトガイドロール)であり、コンベアベルト21がプーリ22、23間に張設されることで、ベルトコンベアが構成される。また、搬送コンベア20の上方であって、コンベア始端部13寄りの位置には、コンベアベルト21上にスラグaを供給する供給装置24が配置されている。
搬送コンベア20と磁力選別機10は、コンベアベルト21、5の移動方向が逆向きであり、搬送コンベア20のコンベア終端部14の上方(真上)に磁力選別機10のコンベア始端部11が近接して位置している。
磁力選別機10は、プーリ1、プーリ4のいずれが駆動ロールであってもよいが、通常、プーリ4が駆動ロール、プーリ1(プーリ本体6)が非駆動ロールとなる。プーリ1のプーリ本体6は、内部が中空のスリーブ体で構成され、回転可能に支持されている。
プーリ1のプーリ本体6の内側には、磁場印加手段である磁石ロール2が配置されている。この磁石ロール2は、その外周に沿って所定の間隔をおいて配置される複数の磁極3(永久磁石)を備えるとともに、ロール周方向で隣接する磁極3は異なる極性(N極,S極)を有している。すなわち、ロール周方向で極性(N極,S極)が異なる磁極3が所定の間隔をおいて交互に配置されている。
磁石ロール2は、プーリ本体6に対して独立して回転駆動し、且つプーリ本体6よりも高速で回転する。磁石ロール2の回転方向は、(i)コンベアベルト5の進行方向(プーリ本体6の回転方向)と逆方向、(ii)コンベアベルト5の進行方向(プーリ本体6の回転方向)と同一方向、のいずれでもよい。磁着物粒子には、回転する磁石ロール2の磁場の作用で磁石ロール2の回転方向と逆方向へ動かそうとする運搬力が働くので、上記(i)の場合には、磁場による磁着物粒子の運搬力とコンベヤベルト5の摩擦力(送り力)が同一方向となる。一方、上記(ii)の場合には、磁場による磁着物粒子の運搬力とコンベヤベルト5の摩擦力(送り力)が逆方向となる。ただし、この場合には、ベルトコンベア5の摩擦力の方が勝つので、合力としては磁着物粒子はコンベヤベルト5の進行方向へ運搬されていく。以上の(i)と(ii)を較べると、(ii)の場合は、磁場による磁着物粒子の運搬力とコンベヤベルト5の摩擦力(送り力)が逆方向となるので、磁着物粒子がコンベアベルト5上に滞留することがあるが、スラグa中での磁着物粒子の撹拌性は良好である。一方(i)の場合は、スラグa中での磁着物粒子の撹拌性は(ii)の場合よりも小さいが、磁着物粒子がコンベアベルト5上に滞留することはなく、粒子をスムーズに運搬できる利点がある。
この磁力選別機10は、所定の間隔で配置される複数の磁極3と、隣接する磁極3間の間隙部により、磁石ロール2の回転時に磁場がN→ゼロ→S→ゼロ→N→・・・と瞬時に切り替わり、スラグ層中の磁着物粒子に対して吸引→解放→吸引→解放→・・・の作用が繰り返される点に特徴がある。したがって、ロール周方向で隣接する磁極3間の間隙部の広さに特別な制限はないが、スラグ層中の磁着物粒子が磁場から解放されるような磁場:ゼロの状態が適切に生じ、一方において、磁場がゼロの状態があまり長く続きすぎないようにするため、通常、1〜50mm程度が適当である。
なお、回転する磁石ロール周辺の部材は、変化する磁場による渦電流効果の影響を受け、金属部材は非磁性物であっても渦電流によって過熱していく。このため、通常、磁力選別機10のコンベアベルト5とプーリ1のプーリ本体6は、樹脂、セラミックなどの非金属で構成される。
この磁力選別機10は、搬送コンベア20で搬送されてきたスラグa(スラグ層ax)に、コンベア始端部11側のプーリ1に内蔵された磁石ロール2の磁場を作用させ、スラグa中の磁着物粒子を吸引して磁力選別機10の下面側に移行させ、磁着物粒子を分離するものである。したがって、搬送コンベア20のコンベア終端部14と磁力選別機10のコンベア始端部11との間隔は、磁石ロール2の磁力がスラグa中の磁着物粒子に十分作用する大きさであればよいが、一般には、搬送コンベア20のコンベアベルト21で搬送されるスラグ層axの上面が磁力選別機10のコンベア始端部11と接触する(すなわち、スラグ層axが搬送コンベア20のコンベア終端部14と磁力選別機10のコンベア始端部11の間に噛み込まれる)ような大きさとすることが好ましい。
また、磁力選別機10側に吸引保持された磁着物粒子は、コンベアベルト5で搬送された後、コンベア終端部12から払い出されるので、そのコンベア終端部12の下方には、磁着物回収部25が設けられている。また、非磁着物粒子は、磁力選別機10のコンベア始端部11の下方に落下するので、その位置に非磁着物回収部26が設けられている。
以上のような磁力選別機10によるスラグaの磁力選別では、供給装置24からスラグaが搬送コンベア20のコンベアベルト21上に適度な層厚(粒子が多層状に積層した層厚)で供給され、このスラグa(スラグ層a)はコンベア終端部14まで搬送され、払い出される。コンベアベルト21で搬送されるスラグ層axは、コンベア終端部14付近でその上面が磁力選別機10のコンベア始端部11の下面に接触し(すなわち、スラグ層axが搬送コンベア20のコンベア終端部14と磁力選別機10のコンベア始端部11の間に噛み込まれる)、コンベアベルト21上のスラグ層aがコンベア終端部14から払い出される際に、磁力選別機10の磁石ロール2の磁場が及ぼされる。
これにより、磁石ロール2の磁力によってスラグ層ax内の磁着物粒子が吸引され、この磁着物粒子が非磁着物粒子を抱き込むような形でスラグ層ax(又はその一部)が磁力選別機10の下面側に付着して(保持されて)コンベアベルト5で運ばれる。スラグ層ax中の磁着物粒子は、磁石ロール2が備える磁極3の磁力の作用を受けるが、磁石ロール2の回転により、磁場がN→ゼロ→S→ゼロ→N→・・・と瞬時に切り替わって行くため(磁場の強度及び極性が高速で変化する)、スラグ層ax中の磁着物粒子に対しても吸引→解放→吸引→解放→・・・の作用が繰り返される。
マクロな視野で観察すると、スラグ層axが磁場によって強力に撹拌されているように見え、各粒子の動きをミクロに観察すると、磁極3の切替りとともに磁着物粒子が転動しながら非磁着物粒子(スラグ層ax)の中に潜り込んでいく。何度も吸引・解放が繰り返されていくうちに、スラグ層axの遠い側(上層側)に存在していた磁着物粒子が次第に磁石ロール2側へ移動していき、磁着物粒子に抱き込まれやすい非磁着物粒子は磁石ロール2から遠い側へと排除されていく。
つまり、スラグ層axに作用する磁場の強度及び極を高速に変化させることで、磁着物粒子の吸引と解放が極めて短時間繰り返される現象を発生させ、磁着物粒子による非磁着物粒子の挟み込み・抱き込み現象を解消しつつ、磁着物粒子を磁力選別することができる。
磁力選別機10のコンベア始端部11において、スラグ層axはコンベアベルト5の移動に伴ってプーリ1の円弧に沿って送られるが、プーリ1の円弧の下端からみて1/4回転の領域までに、非磁着物粒子は重力に引かれて自由落下する。一方、磁着物粒子は上記のように吸引・解放が繰り返されるが、この動作が極めて高速に行われるため、少々コンベアベルト5から落下方向に外れてもすぐに吸引される。こうして磁着物粒子はコンベアベルト5の進行方向に送られ、1/2回転以上して磁場エリアから外れ、最終的にコンベア終端部12から払い出される。そして、コンベア始端部11で下方に落下した非磁着物粒子が非磁着物回収部26に回収され、コンベア終端部12から払い出された磁着物粒子は磁着物回収部25に回収される。このように磁着物粒子の払い出しエリアと非磁着物粒子の落下エリアが全く異なっているため、回収物が混ざり合うことはない。
図3は、プーリ式磁力選別機の他の実施形態とその使用状況を示す説明図である。この実施形態の磁力選別機10は、コンベア終端部12側のプーリ1が磁場印加手段である磁石ロール2を内蔵し、コンベアベルト8上に供給されたスラグaがコンベア終端部12から払い出される際に、磁石ロール2の磁力により磁着物粒子を吸引して非磁着物粒子から分離するようにしたものである。
すなわち、磁力選別機10において、1は磁場印加手段を内蔵したコンベア終端部12側のプーリ(ベルトガイドロール)、7はコンベア始端部11側のプーリ(ベルトガイドロール)、8はコンベアベルトであり、このコンベアベルト8がプーリ1、7間に張設されることで、ベルトコンベアが構成される。
また、コンベアベルト8の上方であって、コンベア始端部11寄りの位置には、コンベアベルト8上にスラグaを供給する供給装置24が配置されている。
磁力選別機10は、プーリ1、プーリ7のいずれが駆動ロールであってもよいが、通常、プーリ7が駆動ロール、プーリ1(プーリ本体6)が非駆動ロールとなる。プーリ1のプーリ本体6は、内部が中空のスリーブ体で構成され、回転可能に支持されている。
磁石ロール2を備えたプーリ1の構造・機能、プーリ1のプーリ本体6やコンベアベルト8の材質などは、図2の実施形態と同様である。なお、本実施形態の磁力選別機10では、プーリ1に内蔵された磁石ロール2は、コンベアベルト1の進行方向(プーリ本体6の回転方向)とは逆方向に回転する。
プーリ1の下方(直下)には、コンベアベルト幅方向に沿った仕切板9が配置されるとともに、この仕切板9の上端部とコンベアベルト8(プーリ1で移動方向が反転したコンベアベルト部分)との間に、被選別物の一部(磁着物粒子)を通過させるための隙間Sを設けている。このような形態で仕切板9を設けるのは、非磁着物粒子の落下エリアと磁着物粒子の落下エリアが隣接するため、両粒子が落下中に混じり合わないようにするためである。
また、コンベアベルト移動方向において仕切板9を挟んだ位置に磁着物回収部25と非磁着物回収部26が設けられる。すなわち、仕切板9を挟んでコンベア始端部11側の位置(磁着物粒子の落下エリア)に磁着物回収部25が、コンベア終端部12側の位置(非磁着物粒子の落下エリア)に非磁着物回収部26が、それぞれ設けられている。
以上のような磁力選別機10によるスラグaの磁力選別では、供給装置24からスラグaがコンベアベルト8上に適度な層厚(粒子が多層状に積層した層厚)で供給され、このスラグa(スラグ層a)はコンベア終端部12(プーリ1の位置)まで搬送される。そして、コンベアベルト8上のスラグ層aがコンベア終端部12から払い出される際に、スラグ層ax内の磁着物粒子は、磁石ロール2が備える磁極3の磁力の作用を受けるが、図2の実施形態と同様、磁石ロール3の回転により磁場の強度及び極が高速に変化することで、磁着物粒子の吸引と解放が極めて短時間繰り返され、これにより磁着物粒子による磁着物粒子の挟み込み・抱き込み現象が解消される。
ここで、磁着物粒子には、回転する磁石ロール2の磁場の作用で磁石ロール2の回転方向と逆方向へ動かそうとする運搬力が働き、この運搬力により磁着物粒子は一方向に転動するが、磁石ロール2の回転方向がコンベアベルト8の進行方向(プーリ本体6の回転方向)と逆方向であるため、磁着物粒子はコンベアベルト8の進行方向に転動する。そして、このように磁着物粒子の転動する方向がコンベアベルト8の進行方向と同じであることにより、スラグ層ax中で磁着物粒子をスムーズに磁石ロール2側へと移行させ、取りこぼしすることなく回収することができる。これに対して、磁石ロール2の回転方向がコンベアベルト8の進行方向(プーリ本体6の回転方向)と同一方向である場合には、磁着物粒子はコンベアベルト8の反進行方向に転動するため、磁着物粒子がスラグ層ax中をスムーズに磁石ロール2側へと移行できず、滞留してしまい、適切な回収ができなくなる。
コンベア終端部12において、スラグ層axはコンベアベルト8の移動に伴ってプーリ1の円弧に沿って送られるが、1/4回転〜1/2回転の領域で非磁着物粒子は重力に引かれて自由落下する。一方、磁着物粒子は上記のように吸引・解放が繰り返されるが、この動作が極めて高速に行われるため、少々コンベアベルト8から落下方向に外れてもすぐに吸引される。こうして磁着物粒子はコンベアベルト8の進行方向に送られ、1/2回転以上して磁場エリアから外れると自由落下する。そして、さきに落下した非磁着物粒子が非磁着物回収部26に回収され、その後に落下した磁着物粒子が磁着物回収部25に回収される。この際、仕切板9により非磁着物粒子と磁着物粒子とが混じり合うことが防止される。なお、コンベアベルト8の送り速度やスラグaの落下挙動に応じて、仕切板9の位置を調整するとよい。
図2や図3に示されるような、プーリ1が磁石ロール2を内蔵したプーリ式磁力選別機10では、磁石ロール2によりできるだけ高速な磁場変化(磁場の強度及び極性の高速変化)が生じることが好ましい。具体的には、下記(1)式で定義される磁石ロール2の磁場変化周波数F(Hz)が10〜500Hzであることが好ましく、50〜500Hzであることがより好ましく、150〜500Hzであることが特に好ましい。
F=(x・P)/60 …(1)
ここで x:磁石ロール2の回転数(rpm)
P:磁石ロール2が周方向で備える磁極数(但し、N極・S極のペアで1磁極とする)
磁場変化周波数Fが10Hz未満では、スラグaに作用する磁場の強度及び極の高速変化を十分に生じさせることができない。一方、磁石ロール2の回転数には機械的な上限があり、また磁場変化周波数Fを大きくしても磁場変化の効果が飽和してしまうため500Hz程度が事実上の上限となる。
例えば、周方向で12極(N極・S極のペアで1磁極と数える)の磁石(例えば、ネオジウム磁石)を配設した場合には、磁石ロール2の回転速度を1000rpmとすると、磁場変化周波数Fは200Hzとなる。また、周方向で24極(N極・S極のペアで1磁極と数える)の磁石を配置して、同じように磁場変化周波数Fを200Hzとする場合、磁石ロール2の回転速度は500rpmでよい。
磁力選別工程(B)で磁力選別される鉄鋼スラグの水分含有量が高すぎると、スラグ粒子の磁力選別部への付着やスラグ粒子どうしの凝集などにより、適切な磁力選別ができなくなる。このため本発明では、磁力選別工程(B)で磁力選別される鉄鋼スラグは、水分含有量を30質量%以下とする必要がある。
図2に示すような磁力選別機を用い、水分含有量が異なる鉄鋼スラグ(製鋼スラグ)について磁力選別を行い、選別された非磁着物yの金属鉄含有量を調べた。この試験では、磁力強度を1500ガウスとし、磁場変化周波数Fが200Hzとなるように磁石ロール2の回転数を設定した。
図4に、磁力選別される鉄鋼スラグの水分含有量と選別された非磁着物yの金属鉄含有量(M.Fe濃度)との関係を示す。これによれば、鉄鋼スラグの水分含有量が30質量%以下であれば、非磁着物yの金属鉄含有量を3.5質量%以下にでき、磁着物xと非磁着物yの高い選別性が得られることが判った。鉄鋼スラグの水分含有量が30質量%超では、スラグ粒子の磁力選別部への付着やスラグ粒子どうしの凝集などが顕著となり、分離後の非磁着物中の金属鉄含有量が高くなるものと考えられる。
ここで、磁力選別工程(B)で磁力選別される鉄鋼スラグの水分含有量を調整する方法に特別な制限はないが、例えば、水冷処理したスラグを一定期間自然乾燥させる、水冷処理の際に冷却水の供給量を調整する、などの方法が挙げられる。
造粒工程(C)では、磁力選別工程(B)で分別された非磁着物yを造粒し、造粒物とする。金属鉄を分離したスラグ(非磁着物y)は多くが微粉であり、そのままでは粉の飛散など周囲環境への影響が大きく、搬送性能が低い状態にある。造粒処理を施すことで搬送性が向上し、処理後はリサイクル原料(セメント原料など)としての処理が容易となる。
造粒物の平均粒径は5〜15mmが望ましい。平均粒径が5mm未満では、粒子径が細かいため造粒後の搬送中に割れや粒子どうしの衝突による摩耗等が発生した場合、造粒物から欠落した粒子が微粉化しやすく、搬送性が低下しやすい。一方、平均粒径が15mmを超えると、造粒物の強度を確保しにくくなり、搬送中に割れが発生しやすくなって微粉化し、この場合も搬送性が低下しやすい。
造粒処理は、ドラム型、皿形、波型振動コンベアなどを用いた転動造粒法、乾式の圧縮造粒法、混練造粒法などで行うことができる。造粒物の機械的強度を高めるために、(i)非磁着物yにバインダーとして粘結材や水溶性の物質を添加して造粒する、(ii)造粒物を焼成する、などを行ってもよいが、添加物としては水のみを用いるのが製造コストの観点からより経済的である。通常、非磁着物yはCa分を比較的多く含んでいるため、バインダーを添加しなくても水和化して固結し、必要な強度が得られる。造粒された造粒物は、一定期間自然乾燥させるのが好ましい。
また、例えば、造粒処理に皿形造粒機(パン型ペレタイザー)を用いる場合、パン皿の表面に撥水性の表面処理を施すことで、粉体がパン皿表面に付着するのが防止され、造粒工程での歩留りが向上する。表面処理方法としては、フッ素樹脂コーティングを施す方法(例えば、フッ素樹脂製のコーティング剤を塗布し、乾燥処理を施す方法、樹脂製フィルムを貼り付ける方法など)、テフロン(登録商標)製の容器を用いる方法、チタンコーティングする方法、セラミックを溶射する方法などが挙げられ、特に制限はないが、フッ素樹脂コーティングを施す方法が簡便で且つ効果が高いため、特に好ましい。皿形造粒機以外のドラム型、波型振動コンベアなどを用いる場合でも、粉体との接触部に撥水性を付与することは、歩留り向上の観点から有効である。
また、造粒処理は、皿形造粒機などを用いる転動造粒法や乾式の圧縮造粒法以外に、混練造粒法によっても実施可能であり、同様の効果が得られる。
図1に示す処理フローに従い、鉄鋼スラグ(製鋼スラグ)を篩目2mmの振動篩を用いて篩分けし、篩下スラグを磁力強度が200ガウスのプーリ式磁力選別機を用いて磁力選別して磁着物xと非磁着物yに分別し、この分別された非磁着物に対して非磁着物量の15質量%の水を添加し、パン型ペレタイザーを用いて造粒(目標造粒径5mm以上)を行った。パン型ペレタイザーとしては、パン皿の表面にフッ素樹脂コーティングを施したものと、そのようなコーティングを施さないものを使用し、所定時間造粒した後の原料(非磁着物y)全投入量に対する粒径5mm以上の造粒物の質量比率を調べた。その結果を図5に示す。これによると、パン皿の表面にフッ素樹脂コーティングを施したパン型ペレタイザーを用いた場合、そのようなコーティングを施さないパン型ペレタイザーを用いた場合に較べて、造粒物比率が大幅に向上していることが判る。
塊成化工程(D)では、磁力選別工程(B)で分別された磁着物xを塊成化し、塊成化物とする。金属鉄を主体とする磁着物xは粒径1mm未満の微粉の割合が比較的多く、そのままでは粉の飛散など周囲環境への影響が大きく、搬送性能が低い状態にある。塊成化処理を施すことで搬送性が向上し、処理後はリサイクル原料(例えば、高炉原料などの製鉄原料)としての処理が容易となる。
塊成化工程(D)において磁着物x(但し、後述する粗粒材zを配合する場合は「磁着物x+粗粒材z」。以下同様)を塊成化する方法や装置は任意であるが、圧縮成型により塊成化する方法が簡便且つ経済的であるため好ましく、その場合の塊成化装置としては、回転する1対の成型ロール間で材料を圧縮成型する、いわゆるブリケット成型機などが好ましい。この場合のブリケット化時の圧縮荷重は、線圧換算で2.5〜6.0t/cm程度とすることが望ましい。線圧が2.5t/cm未満では、圧縮力が低すぎるため十分な強度の成型物が得られないおそれがある。一方、6.0t/cmを超えると、圧縮力が大きすぎるため成型物に微小なクラックが多数発生し、この場合も十分な強度が得られなくなるおそれがある。
ブリケット成型機などによる圧縮成型で得られる塊成化物は、磁着物xにバインダーを添加しなくても必要な強度が得られるが、必要に応じて有機系などのバインダー(例えば澱粉)を添加してもよい。圧縮成型で得られた塊成化物は、例えば、製鋼スラグの場合には相当量のCa成分が含まれ、これがバインダーとしての効果を有するため、圧縮成型ままで必要な強度が得られる。
塊成化物の形状は任意であり、例えば、ビロー形、アーモンド形、レンズ形、フィンガー形などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
磁力選別工程(B)で分別された粒径が2mm未満の磁着物xを化学分析した結果では、Fe含有量が50質量%程度であり、この磁着物xのみを塊成化した場合には、その程度のFe含有量の塊成化物になる。一方、所定量の製鋼スラグをバッチ式で処理する際に、分級工程(A)の篩上の鉄鋼スラグを破砕工程(E)で再破砕した後、分級工程(A)で再分級し、この再破砕・再分級を1回以上行った後の篩上材を、粒鉄含有量が高い粗粒材zとして回収できることが判った。この粗粒材zは大部分(少なくとも過半)が粒鉄であり、化学分析した結果ではFe含有量は90質量%程度であった。したがって、磁着物xに粗粒材zを加えて塊成化すれば、塊成化物のFe含有量が高くなり、原料としての付加価値を高めることができる。
このため本発明では、所定量の鉄鋼スラグをバッチ式で処理する際に、分級工程(A)の篩上の鉄鋼スラグを破砕工程(E)で再破砕した後、分級工程(A)で再分級し、この再破砕・再分級を1回以上行った後の篩上材を粒鉄含有量が高い粗粒材zとして回収し、この粗粒材zを塊成化工程(D)において磁着物xに配合して、磁着物xとともに塊成化することが好ましい。図6は、そのような実施形態の処理フローを示している。
また、このように粗粒材zを磁着物xに加えて塊成化する場合には、粗粒材zが磁着物xに混合された状態で塊成化してもよいが、粗粒材zが塊成化物の表面に配置された場合、粗粒材zの界面を起点に亀裂が生じやすくなり、塊成化物の強度に影響を及ぼすおそれがあるため、中心側に粗粒材zが配され、外側に磁着物xが配されるように塊成化することが好ましい。
図7は、そのような塊成化物を得るための塊成化装置(ブリケット成形機)を示している。
この装置は、1対の成型用ロール30a,30bと、この成型用ロール30a,30b間に磁着物xを供給するホッパー31と、成型用ロール30a,30bに対する磁着物xの押し込み機能と粗粒材zの供給機能を備えるスクリュー軸32と、このスクリュー軸32を回転駆動させる駆動装置33と、スクリュー軸32の内部を通じて成型用ロール30a,30b間に粗粒材zを供給するホッパー34を備えている。
前記1対の成型用ロール30a,30bは、外周面に複数の成型用の凹部35(ポケット)が形成され、水平方向で並列した状態で対向するとともに、対向する外周部分が下向きに回転する回転方向を有している。両成型用ロール30a,30bは、回転する際に互いの凹部35が対称的な位置関係になるように構成され、これにより両成型用ロール30a,30bの凹部35が対向した際に協働して材料を圧縮成型することができる。すなわち、回転する1対の成型用ロール30a,30bの対向する凹部35間で材料を圧縮成型して塊成化物とする。
前記ホッパー31は、磁着物xを貯留して供給するための手段であり、1対の成型用ロール30a,30b間の真上に設置され、1対の成型用ロール30a,30b間に上方から磁着物xを案内して供給する。
前記スクリュー軸32は、ホッパー31内の磁着物xを成型用ロール30a,30b間に押し込むためのスクリュー36を備えるとともに、このスクリュー36が設けられた軸体37に材料(粗粒材z)供給用の軸孔38が貫設され、ホッパー31内の上下方向に沿って配置されている。
前記ホッパー34は、粗粒材zを貯留して供給するための手段であり、その払出管39がスクリュー軸32の軸孔38に接続され、この軸孔38内に粗粒材zを供給する。このホッパー34からの粗粒材zの供給は間欠的になされるものであり、このため払出管39などに開閉弁(図示せず)が設けられ、その開閉により粗粒材zの供給がON−OFF制御される。
このような塊成化装置では、ホッパー31内に装入された磁着物xを回転するスクリュー軸32で1対の成型用ロール30a,30b間に押し込みつつ、1対の成型用ロール30a,30bの対向する凹部35間で材料が圧縮成型されるのに合せて、ホッパー34内の粗粒材zを軸孔38を通じてスクリュー軸32の先端から1対の成型用ロール30a,30b間に間欠的に供給する。これにより、供給された粗粒材zとその外側の磁着物xが1対の成型用ロール30a,30bの対向する凹部35間に噛み込み、両凹部35により圧縮成型され、中心側に粗粒材zが配され、外側に磁着物xが配された塊成化物が得られる。
ここで、塊成化物の強度などの観点から、磁着物xは粒径が2mm未満、粗粒材zは粒径が2〜10mmであることが好ましい。特に、粗粒材zの粒径が10mmを超えると、塊成化物中での粒鉄比率が増加することにより、粒鉄間の境界を起点とした割れの発生が顕著となり、塊成化物の強度が得られにくくなる。また、以上の観点からより好ましい粒鉄材zの粒径は2〜5mmである。
また、塊成化物は、粗粒材zの割合が50質量%未満であることが好ましい。図8に塊成化物中での粗粒材zの割合(質量比率)と塊成化物のTI強度指数との関係を調べた結果を示す。この試験では、本発明法に従い各工程での処理を行い、粗粒材zを加えた磁着物xを図7に示す塊成化装置により圧縮成型して塊成化し、アーモンド形の塊成化物を作成した(分級工程での篩目:2mm、磁選工程での磁力強度:2500ガウス、粗粒材zの粒径範囲:2〜5mm、塊成化装置による圧縮成型時の線圧:4.5t/cm)。この塊成化物について、JIS M8712に記載のTI強度を測定した。高炉装入用の原料として必要なTI強度指数は、高炉装入時の粉化を回避するため75%以上とされている。図8によれば、塊成化物中での粗粒材zの割合が50質量%以上ではTI強度指数が75%未満となり、強度を確保するためには粗粒材zの割合を50質量%未満とすることが好ましいことが判る。
以上述べた本発明の処理方法により得られた非磁着物yの造粒物はセメント原料などに好適なものであり、また、磁着物xの塊成化物は製鉄原料(高炉原料など)などに好適なものであり、したがって、本発明の処理方法によれば、鉄鋼スラグを有価物であるセメント原料及び製鉄原料として適切に利材化することができ、換言すれば鉄鋼スラグからセメント原料及び製鉄原料を適切に製造することができる。
本発明で処理対象となる製鉄工程で発生する鉄鋼スラグとしては、脱燐スラグ、脱硫スラグ、転炉脱炭スラグ、脱珪スラグ、電気炉スラグなどの製鋼スラグや、溶融還元スラグ、高炉スラグ(高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグ)などが挙げられ、これらの1種以上を処理対象とすることができる。
[実施例1]
図1に示す処理フローに従い、Fe含有量が26.5質量%の製鋼スラグ(脱硫スラグ)をジャンピングスクリーンで篩分けし(分級工程)、その篩下スラグを図2に示すプーリ式磁力選別機を用いて磁力選別し(磁力選別工程)、磁着物xと非磁着物yに分別した。得られた非磁着物yを造粒処理し(造粒工程)、平均粒径が5mm以上の造粒物を得た。この造粒処理では、非磁着物yに非磁着物量の24質量%の水だけを添加し、パン型ペレタイザーを用いて造粒を行った。この造粒物を造粒後1日間、自然乾燥させた。また、得られた磁着物xを一般的なブリケット成形機で塊成化処理し(塊成化工程)、塊成化物を得た。
また、比較例として、上記の分級工程、磁力選別工程、造粒工程、塊成化工程の1つ以上を実施しない処理を行った。
磁力選別で分別された磁着物と非磁着物について、それぞれ金属鉄濃度を測定した。この測定では、対象物(磁着物、非磁着物)から無作為に10個のサンプルを採取し、臭素メタノール溶解原子吸光分析法(AAS法)によりそれぞれの金属鉄濃度を測定し、全サンプルの平均値を金属鉄濃度とした。
造粒物と造粒処理しない非磁着物の搬送性を、ベルトコンベアによる搬送時の粉塵発生の有無を目視で確認することにより評価した。
また、造粒物の強度は、圧壊強度試験機を用い、JIS Z8841に準拠して測定した。代表サンプルを10個採取し、それらの強度測定値の平均値を造粒物の強度とした。
表1に、本発明例及び比較例の処理条件と、得られた造粒物と塊成化物の構成・性能・評価を示す。
非磁着物のセメント原料化の可否については下記基準で評価した。
○:非磁着物の造粒処理がなされた場合であって、非磁着物の金属鉄濃度が3.5質量%未満、造粒物強度が35N以上、搬送性の評価が“○”の場合
△:非磁着物の造粒処理がなされた場合であって、下記(i)〜(iv)のいずれかに該当する場合
(i)非磁着物の金属鉄濃度が3.5質量%以上6.0質量%未満、造粒物強度が35N以上、搬送性の評価が“○”の場合
(ii)非磁着物の金属鉄濃度が3.5質量未満、造粒物強度が20N以上35N未満、搬送性の評価が“○”の場合
(iii)非磁着物の金属鉄濃度が3.5質量%以上6.0質量%未満、造粒物強度が20N以上35N未満、搬送性の評価が“○”の場合
(iv)非磁着物の金属鉄濃度が6.0質量%未満、造粒物強度が20N以上、搬送性の評価が“△”の場合
×:下記(i)〜(iv)のいずれかに該当する場合
(i)造粒処理がなされない場合
(ii)非磁着物の金属鉄濃度が6.0質量%以上の場合
(iii)造粒物強度が20N未満の場合
(iv)搬送性の評価が“×”の場合
磁着物の製鉄原料化の可否については、磁着物の金属鉄濃度(但し、小数点以下を四捨五入した金属鉄濃度)が60質量%以上の場合を“○”、60質量%未満の場合を“×”とした。
搬送性については、ベルトコンベア搬送時の目視による確認で、粉塵発生が認められなかった場合を“○”、少量の粉塵発生が認められた場合を“△”、多量の粉塵発生が認められた場合を“×”とした。
表1に示すように、本発明例では、セメント原料として利用可能なスラグ材料(造粒物)と製鉄原料として利用可能な材料(塊成化物)を得ることができる。これに対して、比較例では、セメント原料及び/又は製鉄原料として利用可能な材料を得ることができない。
Figure 0006760246
代表的な本発明例の処理フローと各工程での産物重量を図9に示す。この例では、1tの製鋼スラグを篩目1mmの振動篩を用いて分級処理し、その篩下スラグをプーリ式磁力選別機を用いて磁力強度1500ガウスで磁力選別したところ、磁着物が396kg、非磁着物が429kg得られた。この非磁着物を造粒処理し、粒径5mm以上の造粒物が515kg得られた。また、磁着物を塊成化処理し、塊成化物が356kg得られた。また、分級工程で篩上となったスラグ(製鉄原料化)は175kgとなった。
[実施例2]
本実施例では、破砕工程、分級工程及び磁力選別工程を経て得られた磁着物xに分級工程の篩上材である粗粒材zを配合し、これを塊成化して特定の構造の塊成化物を得た。
図6に示す処理フローに従い、Fe含有量が26.5質量%の製鋼スラグ(脱硫スラグ)1000kgをバッチ式で処理するに当たり、製鋼スラグをロッドミルで破砕した後(破砕工程)、振動篩で篩分けし(分級工程)、その篩下スラグを図2に示すプーリ式磁力選別機を用いて磁力選別し(磁力選別工程)、磁着物xと非磁着物yに分別した。また、分級工程の篩上スラグを粒鉄含有量が高い材料として回収し、これを粒度調整して粗粒材zとした。この粗粒材zを磁着物xに配合して図7に示す塊成化装置を用いて塊成化し、中心側に粗粒材zが配され、外側に磁着物xが配された塊成化物とした(塊成化工程)。
以上のようにして得られた塊成化物の金属鉄濃度を測定した。この測定では、塊成化物から無作為に10個のサンプルを採取し、臭素メタノール溶解原子吸光分析法(AAS法)によりそれぞれの金属鉄濃度を測定し、全サンプルの平均値を金属鉄濃度とした。
粒鉄含有量が高い粗粒材zの粒径範囲は、粗粒材zを無作為にサンプリングし、JIS Z8801に規定する試験用ふるいを用いて篩処理を実施した際のふるいに残存した粒径範囲とした。例えば、篩目2mmと4mm間に材料が残存している場合の粒径範囲は2〜4mmとした。
塊成化物の強度については、JIS M8712に準拠した方法でTI強度を測定した。
表2に、本発明例の処理条件と、得られた塊成化物の構成・性能・評価を示す。
塊成化物の高炉原料化の可否については、下記基準で評価した。
○:塊成化物の金属鉄濃度が70質量%以上で、且つTI強度指数が75%以上の場合
△:塊成化物が下記(i)〜(iii)のいずれかに該当する場合
(i)塊成化物の金属鉄濃度が50質量%以上70質量%未満で、且つTI強度指数が75%以上の場合
(ii)塊成化物の金属鉄濃度が70質量%以上で、且つTI強度指数が70%以上75%未満の場合
(iii)塊成化物の金属鉄濃度が50質量%以上70質量%未満で、且つTI強度指数が70%以上75%未満の場合
×:下記(i)〜(iii)のいずれかに該当する場合
(i)塊成化物の金属鉄濃度が50質量%未満の場合
(ii)TI強度指数が70%未満の場合
(ii)塊成化処理がなされなかった場合
表2に示すように、本発明例では、高炉原料として利用可能な材料(塊成化物)を得ることができる。
Figure 0006760246
1 プーリ
2 磁石ロール
3 磁極
4 プーリ
5 コンベアベルト
6 プーリ本体
7 プーリ
8 コンベアベルト
9 仕切板
10 磁力選別機
11 コンベア始端部
12 コンベア終端部
13 コンベア始端部
14 コンベア終端部
20 搬送コンベア
21 コンベアベルト
22,23 プーリ
24 供給装置
25 磁着物回収部
26 非磁着物回収部
30a,30b 成型用ロール
31 ホッパー
32 スクリュー軸3
33 駆動装置
34 ホッパー
35 凹部
36 スクリュー
37 軸体
38 軸孔
39 払出管
a スラグ
x スラグ層
S 隙間

Claims (19)

  1. 製鉄工程で発生した鉄鋼スラグを回収して篩分けする分級工程(A)と、
    分級工程(A)の篩下の鉄鋼スラグを磁力選別して磁着物(x)と非磁着物(y)に分別する磁力選別工程(B)と、
    磁力選別工程(B)で分別された非磁着物(y)を造粒する造粒工程(C)と、
    磁力選別工程(B)で分別された磁着物(x)を塊成化する塊成化工程(D)と、
    分級工程(A)で篩分けする前の鉄鋼スラグを破砕する破砕工程(E)を有し、
    磁力選別工程(B)で磁力選別される鉄鋼スラグは、水分含有量が30質量%以下であり、
    所定量の鉄鋼スラグをバッチ式で処理する際に、分級工程(A)の篩上の鉄鋼スラグを破砕工程(E)で再破砕した後、分級工程(A)で再分級し、該再破砕・再分級を1回以上行った後の篩上材を粒鉄含有量が高い粗粒材(z)として回収し、該粗粒材(z)を塊成化工程(D)において磁着物(x)に配合して、磁着物(x)とともに塊成化することを特徴とする鉄鋼スラグの処理方法。
  2. 分級工程(A)では、鉄鋼スラグを篩目1〜5mmで篩分けすることを特徴とする請求項に記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  3. 分級工程(A)の篩下の鉄鋼スラグは、粒径1mm以下の粒子の割合が30質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  4. 磁力選別工程(B)では、磁力強度が1000〜3000ガウスの磁力選別手段で磁力選別を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  5. 磁力選別工程(B)では、ベルトコンベアを構成する1つのプーリ(1)が磁場印加手段を内蔵するプーリ式磁力選別機であって、前記磁場印加手段がプーリ本体に対して独立して回転駆動する磁石ロール(2)からなり、該磁石ロール(2)は、その外周に沿って所定の間隔をおいて配置される複数の磁極(3)を備えるとともに、ロール周方向で隣接する磁極(3)が異なる極性を有する磁力選別機を用いて鉄鋼スラグを磁力選別することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  6. 下記(1)式で定義される磁石ロール(2)の磁場変化周波数F(Hz)が10〜500Hzであることを特徴とする請求項に記載の鉄鋼スラグの処理方法。
    F=(x・P)/60 …(1)
    ここで x:磁石ロール(2)の回転数(rpm)
    P:磁石ロール(2)が周方向で備える磁極数(但し、N極・S極のペアで1磁極とする)
  7. 造粒工程(C)では、非磁着物(y)を平均粒径5〜15mmの造粒物に造粒することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  8. 造粒工程(C)では、パン皿の表面に撥水性の表面処理が施された皿形造粒機を用いて非磁着物(y)を造粒することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  9. パン皿の表面処理がフッ素樹脂コーティングであることを特徴とする請求項に記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  10. 塊成化工程(D)では、磁着物(x)を圧縮成型することにより塊成化することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  11. 塊成化工程(D)では、中心側に粗粒材(z)が配され、外側に磁着物(x)が配された塊成化物を得ることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  12. 塊成化工程(D)では、
    周面に複数の成型用の凹部(35)が形成され、水平方向で並列した状態で対向するとともに、対向する外周部分が下向きに回転する回転方向を有する1対の成型用ロール(30a),(30b)と、
    1対の成型用ロール(30a),(30b)間に上方から磁着物(x)を案内して供給するホッパー(31)と、
    ホッパー(31)内の磁着物(x)を成型用ロール(30a),(30b)間に押し込むためのスクリュー(36)を備えるとともに、軸体(37)に材料供給用の軸孔(38)が貫設され、ホッパー(31)内の上下方向に沿って配置されるスクリュー軸(32)と、
    スクリュー軸(32)を回転駆動させる駆動装置(33)と、
    スクリュー軸(32)の軸孔(38)内に粗粒材(z)を供給するホッパー(34)を備え、
    回転する1対の成型用ロール(30a),(30b)の対向する凹部(35)間で材料を圧縮成型して塊成化物とする成型機を用い、
    ホッパー(31)内に装入された磁着物(x)をスクリュー軸(32)で1対の成型用ロール(30a),(30b)間に押し込みつつ、1対の成型用ロール(30a),(30b)の対向する凹部(35)間で材料が圧縮成型されるのに合せて、軸孔(38)を通じてスクリュー軸(32)の先端から1対の成型用ロール(30a),(30b)間に間欠的に粗粒材(z)を供給することにより、該粗粒材(z)とその外側の磁着物(x)が1対の成型用ロール(30a),(30b)の対向する凹部(35)間で圧縮成型され、中心側に粗粒材(z)が配され、外側に磁着物(x)が配された塊成化物が得られるようにしたことを特徴とする請求項11に記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  13. 磁着物(x)の粒子径が2mm未満であり、粗粒材(z)の粒子径が2〜10mmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  14. 塊成化工程(D)で得られる塊成化物は、粗粒材(z)の割合が50質量%未満であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  15. 鉄鋼スラグが製鋼スラグであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の鉄鋼スラグの処理方法。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の処理方法における造粒工程(C)で得られた造粒物をセメント原料として用いることを特徴とする鉄鋼スラグの利材化方法。
  17. 請求項1〜15のいずれかに記載の処理方法における塊成化工程(D)で得られた塊成化物を製鉄原料として用いることを特徴とする鉄鋼スラグの利材化方法。
  18. 請求項1〜15のいずれかに記載の処理方法によりセメント原料となる非磁着物(y)の造粒物を得ることを特徴とするセメント原料の製造方法。
  19. 請求項1〜15のいずれかに記載の処理方法により製鉄原料となる磁着物(x)の塊成化物を得ることを特徴とする製鉄原料の製造方法。
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