JP6760113B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、車両の操舵制御において自動操舵制御モード(駐車支援等の舵角制御モード)及び手動操舵制御モード(アシスト制御モード)の切換機能を有し、モータ電流指令値によりモータを駆動し、車両の操舵系にアシスト力を付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特に自動操舵制御モードの舵角制御における舵角速度指令値を車速に応じてリミット処理すると共にレートリミット処理し、リミッタ値及びレートリミッタ値を高車速になるに従って小さくなるように設定することにより、高車速で舵角及び舵角速度が速い速度で変化することを抑制した電動パワーステアリング装置に関する。
車両のステアリング機構にモータの回転力で操舵補助力(アシスト力)を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル(ステアリングホイール)1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ラック・ピニオン機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵角θrを検出する舵角センサ14及び操舵トルクThを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号IGが入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Vsとに基づいてアシスト制御の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによってモータ20に供給する電流を制御する。なお、舵角センサ14からは操舵角θrが検出されるが、モータ20に連結された回転センサから得ることもできる。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VsはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCUも含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTh及び車速センサ12で検出された(若しくはCANからの)車速Vsは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTh及び車速Vsに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、過熱保護条件で最大電流を制限された電流指令値Iref3が減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差Iref4(=Iref3−Im)が演算され、その偏差Iref4が操舵動作の特性改善のためのPI制御部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。
また、モータ20にはレゾルバ等の回転センサ21が接続されており、実操舵角θsが検出される。加算部32Aには補償部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によってシステム系の補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償部34は、セルフアライニングトルク(SAT)343と慣性342を加算部344で加算し、その加算結果に更に収れん性341を加算部345で加算し、加算部345の加算結果を補償信号CMとしている。
このような電動パワーステアリング装置において、近年自動操舵制御モード(駐車支援等の舵角制御モード)及び手動操舵制御モード(アシスト制御モード)を有し、これら制御モードの切換機能を有する車両が出現して来ており、自動操舵を実現する場合、舵角制御とアシスト制御を独立して保有し、これらの出力を切り換える構成が一般的である。舵角制御には、応答性や外乱抑圧性で優れた性能を持つ位置速度制御が用いられており、位置制御はP(比例)制御、速度制御はPI(比例積分)制御等で構成される。
舵角制御モード及びアシスト制御モードの機能を具備し、操舵制御モードを切り換える機能を有する一般的な電動パワーステアリング装置を図3について説明すると、モータ150にはモータ回転角θsを検出するためのレゾルバ等の回転センサ151が接続されており、モータ150は車両側ECU130及びEPS側ECU140を介して駆動制御される。車両側ECU130は、運転者の意思を示すボタン、スイッチ等に基づいて、舵角制御モード又はアシスト制御モードの切換指令SWを出力する切換指令部131と、カメラ(画像)やレーザレーダなどの信号に基づいて目標操舵角θtを生成する目標操舵角生成部132とを具備している。また、コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)に設けられた舵角センサ14で検出された実操舵角θrは、ECU130を経てEPS側ECU140内の舵角制御部200に入力される。
切換指令部131は、舵角制御モードに入ることを識別する信号、例えば運転者の意思をダッシュボードやハンドル周辺に設けたボタンやスイッチ、或いはシフトに設けた駐車モードなどによる車両状態の信号を基に切換指令SWを出力し、切換指令SWをEPS側ECU140内の切換部142に入力する。また、目標操舵角生成部132は、カメラ(画像)、レーザレーダなどのデータを基に公知の手法で目標操舵角θtを生成し、生成された目標操舵角θtをEPS側ECU140内の舵角制御部200に入力する。
EPS側ECU140は、操舵トルクTh及び車速Vsに基づいて演算されたアシスト制御指令値Itrefを出力するアシスト制御部141と、目標操舵角θt、実操舵角θr及びモータ角速度ωrに基づいて舵角制御のための舵角制御指令値Imrefを演算して出力する舵角制御部200と、切換指令SWによってアシスト制御指令値Itref及び舵角制御指令値Imrefを切り換える切換部142と、切換部142からのモータ電流指令値Iref(=Itref又はImref)に基づいてモータ150を駆動制御する電流制御/駆動部143と、回転センサ151からのモータ回転角θsに基づいてモータ速度を求め、モータ速度とギア比を用いて実舵角速度ωrを演算するモータ角速度演算部144とを具備している。モータ角速度演算部144は、微分相当の演算の後段に高周波ノイズをカットするためのローパスフィルタ(LPF)を備えている。
舵角制御部200は図4に示すように、目標操舵角θtに実操舵角θrを追従させるように舵角速度指令値ωcを出力する位置制御部210と、舵角速度指令値ωcに実舵角速度ωrを追従させるように舵角制御指令値Imrefを出力する速度制御部220とで構成されている。また、切換部142は、車両側ECU130の切換指令部131からの切換指令SWに基づいて、アシスト制御部141によるアシスト制御モード(手動操舵制御)と、舵角制御部200による舵角制御モード(位置/速度制御モード)とを切り換え、アシスト制御ではアシスト制御指令値Itrefを出力し、舵角制御では舵角制御指令値Imrefを出力する。
なお、実舵角速度とモータ角速度は、減速機の比の関係であっても良い。
このような機能を備えた電動パワーステアリング装置において、操舵モードの切換時にスイッチなどにより急に切り換えてしまうとモータ電流指令値Irefが急変動し、ハンドル挙動が不自然になるため、運転者へ違和感を与える。
特許第3912279号公報 特許第5579267号公報
このため、舵角制御指令値とアシスト制御指令値に徐変ゲインを乗じ、徐々に操舵モードを切り換えることによって、モータ電流指令値の急変動を抑制する手法が用いられる。しかし、この手法では、切換中は舵角制御指令値が徐変ゲインで制限されてモータ電流指令値へ出力されるため、舵角制御指令値に対し電流指令値が制限された分だけ出力が小さくなってしまう。この制限により、舵角速度指令値に対し、モータの実舵角速度が遅くなるため、舵角速度指令値と実舵角速度に偏差が発生し、速度制御内のI制御の積分値が蓄積してしまうことで、速度制御から更に大きな舵角制御指令値が出力されてしまう。この結果、徐変ゲインが徐々に大きくなっていく状態では、徐変ゲインによる制限が緩和されていくため、徐変ゲインが大きくなるに従って舵角制御指令値が過剰な値となり、ハンドルが舵角速度指令値に対して過剰に応答し、運転者へ違和感を与えてしまう。
例えば特許第3912279号公報(特許文献1)では、舵角制御開始時に徐々に舵角速度を増加させるよう制御し、開始時のハンドル急変動による運転者への違和感を低減する手法が提案されている。しかし、特許文献1の手法では、徐変が始まると上限値に達するまで増加し続けるため、I制御の積分値が過剰に蓄積してしまう問題がある。
また、特許第5579267号公報(特許文献2)の自動操舵装置では、制限された目標舵角と実舵角の偏差で制御しているが、外乱などで実舵角と目標舵角が大きく乖離した場合などは、実舵角は制限量以上の舵角速度で変化してしまうことを防止することができない。
更に特許文献2の装置では、自動運転で舵角指令値が大きく変わった際には、舵角速度指令値も大きな値になることがある。しかし、車速が高くなるにつれて、同じ舵角速度でも単位時間当たりの車両横移動量は大きくなる。このため、舵角指令値の急変によって舵角速度指令値が大きくなった場合に、車両に発生する挙動(横移動量)が大きくなり、車両挙動が不安定になる恐れがある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、舵角指令値の急変によって舵角速度指令値が大きくなった場合にも、車両に発生する挙動を抑制し、舵角速度指令値に車速に感応するリミッタ及びレートリミッタを設けることにより、舵角偏差が大きくなった場合でも舵角速度が過剰に大きくなることを抑制し、速度制御内の舵角及び舵角速度の急変を抑制し、安全な自動運転を実現する電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、アシスト制御モードと舵角制御モードを切り換える機能を有し、アシスト制御部で演算されたアシスト制御指令値と、舵角制御部で演算された舵角制御指令値とでモータ電流指令値を生成し、前記モータ電流指令値によりモータを駆動して車両の操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記舵角制御部は、目標操舵角及び実操舵角を入力して第1の舵角速度指令値を出力する位置制御部と、前記第1の舵角速度指令値を車速に応じたリミット値で制限するリミッタと、前記リミッタから出力される第2の舵角速度指令値を、前記車速に応じたレートリミット値で制限するレートリミッタと、前記レートリミッタから出力される第3の舵角速度指令値を実舵角速度に基づいて処理し、前記舵角制御指令値を出力する速度制御部とで構成されていることにより、或いは前記リミッタ及び前記レートリミッタの関係が、前記第1の舵角速度指令値を車速に応じたレートリミット値で制限するレートリミッタと、前記レートリミッタから出力される第2の舵角速度指令値を、前記車速に応じたリミット値で制限するリミッタとで構成されていることにより達成される。
本発明の上記目的は、前記リミット値が、前記車速が高くなるに従って小さくなっていることにより、或いは前記レートリミット値が、前記車速が高くなるに従って小さくなっていることにより、或いは前記アシスト制御指令値と前記舵角制御指令値とをミキシングして前記モータ電流指令値を生成するミキシング部が更に設けられていることにより、或いは前記ミキシング部に、前記舵角制御指令値の比率1を徐変する舵角制御徐変ゲインと、前記アシスト制御指令値の比率2を徐変するアシスト制御徐変ゲインとが入力されており、前記比率1及び2の合計値が1.0若しくは100%の関係で、かつ逆の関係で増加減する特性であることにより、或いは前記位置制御部が、前記目標操舵角及び前記実操舵角の位置偏差を求める第1の減算部と、前記位置偏差をゲイン倍して前記第1の舵角速度指令値を出力するゲイン部とで構成されていることにより、或いは前記速度制御部が、前記第3の舵角速度指令値から前記実舵角速度を減算する第2の減算部と、前記第2の減算部の減算結果を積分処理する積分部と、前記実舵角速度を比例処理する比例部と、前記積分部の積分結果から前記比例部の比例結果を減算し、前記舵角制御指令値を出力する第3の減算部で構成されていることにより、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、車速に感応して舵角速度指令値を制限するリミッタ及びレートリミッタを設けているので、安全な自動運転を実現することが可能である。また、車速が高くなるに従ってリミット値及びレートリミット値を小さくしているので、速度制御内の舵角及び舵角速度の急変を抑制することが可能である。
また、本発明では、舵角制御における舵角速度指令値及び舵角制御指令値を舵角制御徐変ゲインで徐変し、アシスト制御指令値をアシスト制御徐変ゲインで徐変するミキシングを行っているので、切換を円滑に行うことができると共に、速度制御内の積分制御の積分値が過剰に蓄積することもなく、モータ電流指令値に対して意図しないハンドルの変動を抑制し、運転者への違和感を低減することができる。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 自動操舵制御モード及び手動操舵制御モードの切換機能有する電動パワーステアリング装置の一例を示すブロック図である。 舵角制御部の構成例を示すブロック図である。 本発明の舵角制御部の構成例を示すブロック図である。 リミット値の特性例を示す特性図である。 レートリミッタの構成例を示すブロック図である。 レートリミッタの動作例を示すタイミングチャートである。 レートリミット値の特性例を示す特性図である。 操舵制御系の全体構成例を示すブロック図である。 ミキシング部の動作例を示すタイミングチャートである。 舵角制御部の詳細構成例を示すブロック図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。 舵角制御部の動作例を示すフローチャートである。
自動運転の舵角制御で舵角指令値が大きく変わった際には、舵角速度指令値も大きな値になることがある。しかし、車速が高くなるに従って、同じ舵角速度でも単位時間当たりの車両横移動量は大きくなるため、舵角指令値の急変によって舵角速度指令値が大きくなった場合に、車両に発生する挙動(横移動量)が大きくなり、車両挙動が不安定になる恐れがある。このため、本発明では、舵角制御指令値の演算において、車速に感応して舵角速度指令値を制限するリミッタと、車速に感応して舵角速度指令値を制限するレートリミッタとを設け、リミット値及びレートリミット値をそれぞれ車速が高くなるに従って小さくしている。これにより、速度制御内の舵角及び舵角速度の急変を抑制し、安全な自動運転を実現することが可能である。
また、本発明では舵角制御指令値に対して舵角制御徐変ゲインを乗じて徐変すると共に、アシスト制御部からのアシスト制御指令値に対してアシスト制御徐変ゲインを乗じて徐変して両者のミキシングを行い、舵角制御徐変ゲインとアシスト制御徐変ゲインを逆の増加減特性としている。つまり、舵角制御徐変ゲインとアシスト制御徐変ゲインは制御モードの切換時に、各比率(舵角制御徐変ゲインは0.0(0%)〜1.0(100%)、アシスト制御徐変ゲインは1.0(100%)〜0.0(%))の合計値が1.0若しくは100%の関係で、かつ逆の関係で増加減(線形若しくは非線形)する特性となっている。これにより、舵角制御モードとアシスト制御モードの切換を円滑に行うことができ、運転者に違和感を与えることもない。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図5は本発明の舵角制御部の構成例を示しており、目標操舵角θt及び実操舵角θrは位置を追従させるための位置制御部210に入力され、位置制御部210からの舵角速度指令値ωcは、上下限値を制限するリミッタ230に入力される。リミッタ230には車速Vsが入力されており、リミッタ230は車速Vsに応じたリミット値で舵角速度指令値ωcの上下限値を制限し、舵角速度指令値ωc1を出力する。リミッタ230のリミット値は図6に示すように、車速Vsが高くなるに従って小さくなる特性である。
リミッタ230で上下限値を制限された舵角速度指令値ωc1はレートリミッタ240に入力され、車速Vsもレートリミッタ240に入力されている。
レートリミッタ240は、舵角速度指令値ωc1が急激に変化した場合に円滑化して出力するものであり、例えば図7に示すような構成となっている。即ち、舵角速度指令値ωc1は減算部241に加算入力され、過去値との減算結果である舵角速度ωc1aが変化分設定部242で変化分ωc1bの設定をされる。変化分設定部242は、保持部(Z−1)244からの過去値と入力(舵角速度指令値ωc1)の差分である角速度ωc1aを設定し、加算部243での変化分ωc1bと過去値との加算結果を新たな舵角速度指令値ωc2として出力する。変化分設定部242は、変化分が設定された上限及び下限を超えないようにするものであり、その特性は演算周期T毎に入力ωc1との差分を求め、変化分設定部242の上限及び下限の範囲外の場合には、差分を上限及び下限で制限し、制限された差分を過去値に加算することを繰返し行うことにより、図8に示すような階段状に出力ωc2を変化させて、最終的に出力ωc2を舵角速度指令値ωc1に一致させる。また、入力ωc1との差分が変化分設定部242の上限及び下限の範囲内の場合には、変化分ωc1b=差分ωc1aを出力し、過去値に加算するので、その結果出力ωc2と入力ωc1は一致する。これらの結果、舵角速度指令値ωc1が急激に変化しても、急激に変化する舵角速度指令値ωc1を滑らかに変化させることができ、急激な電流変化(=急激な操舵)を防止し、運転者に自動運転の不安感を減少させる機能を果たしている。
レートリミッタ240の変化分設定部242には車速Vsが入力されており、車速Vsに応じてレートリミット値が変わるようになっている。即ち、変化分設定部242におけるレートリミット値は、図9に示すように車速Vsが高くなるに従って小さくなる特性である。
レートリミッタ240からの舵角速度指令値ωc2は、実舵角速度ωrと共に速度制御部220に入力され、速度制御部220で舵角制御指令値Imrefが演算される。舵角制御指令値Imrefは、自動操舵制御モードにおける電流指令値となる。
以上が舵角制御部の構成であり、舵角制御部を含む操舵系全体の構成例は図10のようになっている。即ち、舵角制御部からの舵角制御指令値Imrefは乗算部203に入力され、操舵制御徐変ゲインSGで徐変された舵角制御指令値Imrefcが加算部205に入力される。また、アシスト制御部141からのアシスト制御指令値Itrefは乗算部204に入力され、アシスト制御徐変ゲインAGで徐変される。徐変されたアシスト制御指令値Itrefcが加算部205に入力され、舵角制御指令値Imrefcと加算されてモータ電流指令値Irefが生成される。乗算部203及び204と加算部205とで、ミキシング部が構成されている。
舵角制御徐変ゲインSG及びアシスト制御徐変ゲインAGはそれぞれの徐変によりミキシングを行い、舵角制御モード(舵角制御徐変ゲインSG=100%、アシスト制御徐変ゲインAG=0%)とアシスト制御モード(舵角制御徐変ゲインSG=0%、アシスト制御徐変ゲインAG=100%)を相互に切り換える特性を有しており、図11に示すような逆の関係で線形(実線)若しくは非線形(破線)に増加減する。即ち、同一時間内に、舵角制御徐変ゲインSGは100%から徐々に0%に減少し、逆にアシスト制御徐変ゲインAGは0%から徐々に100%まで増加する。図11の時点t〜tがミキシングによる切換時間であり、切換時間は可変であるが、舵角制御徐変ゲインSG及びアシスト制御徐変ゲインAGの間には、常に下記数1の関係がある。
(数1)
SG(%)+AG(%)=100%

また、舵角制御部の詳細は、例えば図12の構成となっており、位置制御部210は、目標操舵角θt及び実操舵角θrの位置偏差θeを求める減算部211と、位置偏差θeをゲイン(Kpp)倍して舵角速度指令値ωcを出力するゲイン部212とで構成されている。また、速度制御部220は、舵角速度指令値ωc2から実舵角速度ωrを減算する減算部221と、減算部221の減算結果である速度偏差Dfを積分処理(Kvi/s)して補償する積分部222と、実舵角速度ωrを比例処理(Kvp)して補償する比例部225と、積分部222の積分結果である舵角制御指令値Ir1から比例部225の比例結果である舵角制御指令値Ir2を減算する減算部223とで構成されている。
このような構成において、全体の動作例を図13のフローチャートを参照して説明する。
最初に目標操舵角θt、実操舵角θr、実舵角速度ωr及び車速Vsが入力され(ステップS1)、次いで舵角制御徐変ゲインSG、アシスト制御徐変ゲインAGが入力される(ステップS2)。これら入力の順序は適宜変更可能である。
舵角制御部は舵角制御指令値Imrefを演算し(ステップS20)、舵角制御徐変ゲインSGを先ず前回値から加算(演算初回の前回値=0%)し(ステップS3)、舵角制御徐変ゲインSGが100%となるように処理する(ステップS4、S5)。舵角制御徐変ゲインSGが100%になると(100%になるまでを含めて)、舵角制御徐変ゲインSGで舵角制御指令値Imrefを徐変し、舵角制御指令値Imrefcを出力する(ステップS6)。
次に、アシスト制御徐変ゲインAGを前回値から加算(演算初回の前回値=100%)し(ステップS40)、アシスト制御徐変ゲインAGが0%となるように処理する(ステップS41、S42)。アシスト制御徐変ゲインAGが0%になると(0%になるまでを含めて)、アシスト制御徐変ゲインAGでアシスト制御指令値Itrefを徐変し、アシスト制御指令値Itrefcを出力する(ステップS43)。
その後、徐変された舵角制御指令値Imrefc及びアシスト制御指令値Itrefcが加算部205で加算され、モータ電流指令値Irefが演算され(ステップS44)、モータ電流指令値Irefによりモータが駆動される。そして、舵角制御徐変ゲインSGの前回値を舵角制御徐変ゲインSGに更新し、アシスト制御徐変ゲインAGの前回値をアシスト制御徐変ゲインAGに更新すると共に、リミット値の前回値をリミット値に更新し、レートリミット値の前回値をレートリミット値に更新する(ステップS45)。
次に、舵角制御部の動作例(図13のステップS20)を図14のフローチャートを参照して説明する。
先ず目標操舵角θt、実操舵角θr及び車速Vsが入力され(ステップS21)、減算部211で目標操舵角θtと実操舵角θrの位置偏差θeが求められ(ステップS22)、位置偏差θeはゲイン部212でゲイン(Kpp)倍されてリミッタ230に入力される(ステップS23)。リミッタ230で、車速Vsに応じて上下限値を制限された舵角速度指令値ωc1が出力され(ステップS24)、舵角速度指令値ωc1はレートリミッタ240に入力される。舵角速度指令値ωc1はレートリミッタ240で車速Vsに応じてレートリミット処理され(ステップS25)、レートリミット処理された舵角速度指令値ωc2は速度制御部220の減算部221に入力される。
減算部221には実舵角速度ωrが入力され(ステップS26)、減算部221において舵角速度指令値ωc2と実舵角速度ωrとの速度偏差Dfが演算され(ステップS30)、速度偏差Dfは積分部222で積分され(ステップS31)、求められた舵角制御指令値Ir1が減算部223に入力される。また、実舵角速度ωrは比例部225で比例処理(Kvp)され(ステップS32)、処理された舵角制御指令値Ir2が減算部223に入力され、減算部223において偏差である舵角制御指令値Imrefが演算される(ステップS33)。
舵角制御徐変ゲインSGが入力され(ステップS34)、舵角制御指令値Imrefは乗算部203で舵角制御徐変ゲインSGと乗算され(ステップS35)、舵角制御指令値Imrefcが出力される(ステップS36)。
上述ではリミッタの後段にレートリミッタを設けているが、逆にレートリミッタの後段にリミッタを設けても良い。また、実舵角速度はモータ速度と減速比から求めても良く、ハンドル舵角センサから求めても良い。
更に、舵角制御徐変ゲインと舵角速度指令値に用いる徐変ゲインを同一としているが、それぞれ独立な徐変ゲインとしても良く、舵角制御徐変ゲインとアシスト制御徐変ゲインは徐変時間や徐変タイミングを任意に変更可能なようにしても良い。徐変部をゲインの入力と乗算部で構成しているが、出力を徐々に変化させることが可能な手段であれば良い。
1 ハンドル(ステアリングホイール)
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
13 バッテリ
14 舵角センサ
20、150 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
33 電流制限部
37 インバータ
130 車両側ECU
140 EPS側ECU
141 アシスト制御部
142 切換部
200 舵角制御部
210 位置制御部
220 速度制御部
230 リミッタ
240 レートリミッタ
242 変化分設定部

Claims (8)

  1. アシスト制御モードと舵角制御モードを切り換える機能を有し、アシスト制御部で演算されたアシスト制御指令値と、舵角制御部で演算された舵角制御指令値とでモータ電流指令値を生成し、前記モータ電流指令値によりモータを駆動して車両の操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記舵角制御部は、
    目標操舵角及び実操舵角を入力して第1の舵角速度指令値を出力する位置制御部と、
    前記第1の舵角速度指令値を車速に応じたリミット値で制限するリミッタと、
    前記リミッタから出力される第2の舵角速度指令値を、前記車速に応じたレートリミット値で制限するレートリミッタと、
    前記レートリミッタから出力される第3の舵角速度指令値を実舵角速度に基づいて処理し、前記舵角制御指令値を出力する速度制御部と、
    で構成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. アシスト制御モードと舵角制御モードを切り換える機能を有し、アシスト制御部で演算されたアシスト制御指令値と、舵角制御部で演算された舵角制御指令値とでモータ電流指令値を生成し、前記モータ電流指令値によりモータを駆動して車両の操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記舵角制御部は、
    目標操舵角及び実操舵角を入力して第1の舵角速度指令値を出力する位置制御部と、
    前記第1の舵角速度指令値を車速に応じたレートリミット値で制限するレートリミッタと、
    前記レートリミッタから出力される第2の舵角速度指令値を、前記車速に応じたリミット値で制限するリミッタと、
    前記リミッタから出力される第3の舵角速度指令値を実舵角速度に基づいて処理し、前記舵角制御指令値を出力する速度制御部と、
    で構成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 前記リミット値が、前記車速が高くなるに従って小さくなっている請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記レートリミット値が、前記車速が高くなるに従って小さくなっている請求項1乃至3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記アシスト制御指令値と前記舵角制御指令値とをミキシングして前記モータ電流指令値を生成するミキシング部が更に設けられている請求項1乃至4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記ミキシング部に、前記舵角制御指令値の比率1を徐変する舵角制御徐変ゲインと、前記アシスト制御指令値の比率2を徐変するアシスト制御徐変ゲインとが入力されており、前記比率1及び2の合計値が1.0若しくは100%の関係で、かつ逆の関係で増加減する特性である請求項5に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記位置制御部が、前記目標操舵角及び前記実操舵角の位置偏差を求める第1の減算部と、前記位置偏差をゲイン倍して前記第1の舵角速度指令値を出力するゲイン部とで構成されている請求項1乃至6のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記速度制御部が、
    前記第3の舵角速度指令値から前記実舵角速度を減算する第2の減算部と、
    前記第2の減算部の減算結果を積分処理する積分部と、
    前記実舵角速度を比例処理する比例部と、
    前記積分部の積分結果から前記比例部の比例結果を減算し、前記舵角制御指令値を出力する第3の減算部と、
    で構成されている請求項1乃至7のいずれかに記載の電動パワーテアリング装置。
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