JP6760004B2 - ステアリングギヤユニット用ハウジング及びステアリングギヤユニット - Google Patents
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Description
但し、ラックハウジング10とピニオンハウジング11との結合部及びその周辺部分、並びに、ラックハウジング10のうちで前記ラックブッシュを支持する部分(ブッシュ支持部)は、ラック軸7とピニオン軸6との噛合部に作用する噛み合い反力などが加わる部分である為、肉厚を薄くする事は難しい。
そこで、それ以外の部分の肉厚、具体的には、ラックハウジング10のうちで、このラックハウジング10の軸方向中央位置Oと前記ラックブッシュを支持する部分(ブッシュ支持部)の軸方向一端縁が存在する位置との間に挟まれた軸方向範囲X(本発明の実施の形態の第1例を示す図1参照)内の肉厚を薄くする事が考えられる。
しかしながら、この軸方向範囲X内の肉厚を全体的に薄くすると、ハウジング9(ラックハウジング10)に課される強度要求に応えられなくなる可能性がある。
このうちのラックハウジングは、軸方向両端が開口した筒状で、内側に、ラック軸を軸方向の変位可能に支持する。
又、前記ピニオンハウジングは、前記ラックハウジングの軸方向一端寄り部分に設けられ、内側に、前記ラック軸と噛合するピニオン軸を回転自在に支持する。
又、前記ブッシュ支持部は、前記ラックハウジングの内周面の軸方向他端寄り部分に設けられ、前記ラック軸の外周面に摺接させる内周面を有するラックブッシュを支持する。
又、前記ラックハウジングのうちで、このラックハウジングの軸方向中央位置と前記ブッシュ支持部の軸方向一端縁が存在する位置との間に挟まれた軸方向範囲X内に、周囲の部分に比べて径方向の肉厚が大きくなった厚肉部が部分的に設けられている。
更に、本発明のステアリングギヤユニット用ハウジングの第1の態様では、前記厚肉部は、前記軸方向範囲X内のうち、使用時に前記ラック軸の軸方向他端部に連結されるタイロッドから前記ラック軸に逆入力荷重が加わる事により前記ラック軸が前記ラックブッシュを支点として弾性的に曲げ変形した場合に、前記ラック軸の外周面のうちで前記ラック軸の湾曲した中心軸の頂部と同じ軸方向位置及び円周方向位置を含む部分が前記ラックハウジングの内周面にぶつかり得る軸方向範囲Y内(例えば、この軸方向範囲Yの全体)に、全周に亙り連続する状態で設けられている。
これに対し、本発明のステアリングギヤユニット用ハウジングの第2の態様では、前記厚肉部は、使用時に前記ラック軸の軸方向他端部に連結されるタイロッドから前記ラック軸に逆入力荷重が加わる事により前記ラック軸が前記ラックブッシュを支点として弾性的に曲げ変形した場合に、前記ラック軸の外周面のうちで前記ラック軸の湾曲した中心軸の頂部と同じ軸方向位置及び円周方向位置を含む部分が前記ラックハウジングの内周面にぶつかった場合にも前記ラックハウジングに損傷が発生するのを防止する用途で、前記ラック軸に対する前記タイロッドの傾斜方向と同位相となる円周方向位置を含む部分に設けられている。
このうちのハウジングは、ラックハウジング及びピニオンハウジングを有する。
又、前記ラック軸は、前記ラックハウジングの内側に軸方向の変位可能に支持されている。
又、前記ピニオン軸は、前記ラック軸に噛合させた状態で、前記ピニオンハウジングの内側に回転可能に支持されている。
又、前記ラックブッシュは、前記ラックハウジングの内周面に設けられたブッシュ支持部に支持された状態で、内周面を前記ラック軸の外周面に摺接させている。
特に、本発明のステアリングギヤユニットの場合には、前記ハウジングが、本発明のステアリングギヤユニット用ハウジングである。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜3により説明する。
本例のラックピニオン式のステアリングギヤユニット5aは、前記図9に示した構造と同様に、ステアリング装置に組み込まれて使用される。ステアリング装置は、ステアリングホイール1の回転を、ステアリングシャフト2、自在継手3a、3b及び中間シャフト4を介してステアリングギヤユニット5aに入力し、このステアリングギヤユニット5aにより回転運動を直線運動に変換した後、左右の操舵輪に舵角を付与する。
本発明者は、この場合のラック軸7aの挙動に就いて研究を行ったところ、前記荷重Fによってラック軸7aに弾性的な曲げ変形が生じる事が分かった。具体的には、このラック軸7aがラックブッシュ17を支点として弾性的に曲げ変形する(図1に誇張して示す様に、ラック軸7aの中心軸が直線Lrの状態から曲線△Lrの状態に弾性的に変化する)事が分かった。その結果、このラック軸7aの一部(このラック軸7aの外周面のうち、湾曲した中心軸△Lrの頂部Pと同じ軸方向位置及び円周方向位置を含む部分)がラックハウジング10aの内周面にぶつかる場合がある事が分かった。
又、この様にラック軸7aの一部がラックハウジング10aの内周面にぶつかる軸方向位置(前記頂部Pの軸方向位置)は、前記荷重Fが加わった時点での、操舵輪に付与されている舵角(ラックハウジング10a内でのラック軸7aの軸方向位置)によって変化するが、この変化が生じる軸方向範囲{使用時にラック軸7aの軸方向他端部に連結されるタイロッド8bから、このラック軸7aに(逆入力)荷重Fが加わった場合に、このラック軸7aの一部がラックハウジング10aの内周面にぶつかり得る軸方向範囲}Yは、殆どの場合、図1に例示する様に、前記軸方向範囲X内に収まる事が分かった。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図5により説明する。
本例の場合には、ハウジング9aを構成するラックハウジング10bのうちで、前記軸方向範囲X(図1参照)内に位置する部分の軸方向一部分に厚肉部24aを設ける為に、この厚肉部24aの内周面を、この厚肉部24aの周囲に存在する部分(この厚肉部24aの軸方向両側に隣接する部分)の内周面よりも径方向内側に膨出させている。尚、本例の場合、厚肉部24aの外周面は、この厚肉部24aの周囲に存在する部分(この厚肉部24aの軸方向両側に隣接する部分)の外周面よりも径方向外側に膨出していない(この厚肉部24aの軸方向両側に隣接する部分の外周面と面一になっている)。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図6により説明する。
本例の場合には、ハウジング9aを構成するラックハウジング10cのうちで、前記軸方向範囲X(図1参照)内に位置する部分の軸方向一部分のうち、円周方向一部分にのみ、厚肉部24bを設けている。これにより、厚肉部をラックハウジング10cの全周に亙り連続する状態で設ける場合に比べて、ハウジング9aの更なる軽量化を図れる様にしている。又、図示は省略するが、本例の場合、厚肉部24bの径方向外側(図6の上側)から見た形状は、矩形又は円形である。
一方、上述の様にラック軸7aの一部がラックハウジング10cの内周面にぶつかる円周方向位置{前記頂部P(図1参照)の円周方向位置}は、ラック軸7aに対する軸方向他側のタイロッド8b(図1参照)の傾斜方向と同位相となる円周方向位置{図1及び図6(b)の下端位置}となる。
ここで、自動車の運転時に、ラック軸7aに対する軸方向他側のタイロッド8bの傾斜方向は、例えば、この軸方向他側のタイロッド8bの先端部に連結された、懸架装置を構成するナックルアーム(軸方向他側の操舵輪)の、車体に対する上下方向変位に伴って変化する。
従って、上述の様にラック軸7aの一部がラックハウジング10cの内周面にぶつかる円周方向位置も、車体に対する軸方向他側の操舵輪の上下方向変位などに伴って、図6の(b)に例示する様な円周方向範囲Z内で変化する事が分かる。尚、この円周方向範囲Zは、実験や解析によって求められる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図7により説明する。
本例の場合には、ハウジング9aを構成するラックハウジング10dのうちで、前記軸方向範囲X(図1参照)内に位置する部分の軸方向一部分のうち、円周方向一部分にのみ設ける厚肉部24cの形状が、上述した実施の形態の第3例の場合と異なる。即ち、本例の場合には、この厚肉部24cを、ラックハウジング10dの外周面の一部(α部)を中心とする円周方向複数箇所にそれぞれ放射方向に形成されたリブ25、25により構成されている。そして、この様な構成を採用する事により、厚肉部24cを構成する肉の量をより少なくして、ハウジング9aの更なる軽量化を図れる様にしている。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第3例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図8により説明する。
本例の場合には、ハウジング9aを構成するラックハウジング10eのうちで、前記軸方向範囲X(図1参照)内の軸方向複数箇所(図示の例では2箇所)に厚肉部24、24を設けている。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
又、前記厚肉部を設ける軸方向位置及び軸方向範囲は、適宜決定する事ができる。
又、前記厚肉部を円周方向に関して部分的に設ける場合には、この厚肉部を設ける円周方向位置及び円周方向範囲は、適宜決定する事ができる。
又、前記厚肉部の径方向厚さは、適宜決定する事ができる。
又、前記厚肉部の径方向厚さは、軸方向や円周方向に関して一定にする事もできるし、軸方向や円周方向に関して連続的に若しくは段階的に変化させる事もできる。
又、前記厚肉部の径方向から見た形状は、適宜の形状を採用する事ができる。
2 ステアリングシャフト
3a、3b 自在継手
4 中間シャフト
5、5a ステアリングギヤユニット
6、6a ピニオン軸
7、7a ラック軸
8、8a、8b タイロッド
9、9a ハウジング
10、10a〜10e ラックハウジング
11、11a ピニオンハウジング
12 押圧機構
13 シリンダ部
14 取付フランジ部
15 取付孔
16 ブッシュ支持部
17 ラックブッシュ
18 ピニオン歯
19 ラック歯
20 押圧ブロック
21 蓋体
22 コイルばね
23a、23b 球面継手
24、24a〜24c 厚肉部
25 リブ
Claims (6)
- 軸方向両端が開口した筒状で、内側に、ラック軸を軸方向の変位可能に支持するラックハウジングと、
前記ラックハウジングの軸方向一端寄り部分に設けられ、内側に、前記ラック軸と噛合するピニオン軸を回転自在に支持するピニオンハウジングと、
前記ラックハウジングの内周面の軸方向他端寄り部分に設けられ、前記ラック軸の外周面に摺接させる内周面を有するラックブッシュを支持するブッシュ支持部と、を備え、
前記ラックハウジングのうちで、このラックハウジングの軸方向中央位置と前記ブッシュ支持部の軸方向一端縁が存在する位置との間に挟まれた軸方向範囲X内に、周囲の部分に比べて径方向の肉厚が大きくなった厚肉部が部分的に設けられている、
ステアリングギヤユニット用ハウジングであって、
前記厚肉部は、前記軸方向範囲X内のうち、使用時に前記ラック軸の軸方向他端部に連結されるタイロッドから前記ラック軸に逆入力荷重が加わる事により前記ラック軸が前記ラックブッシュを支点として弾性的に曲げ変形した場合に、前記ラック軸の外周面のうちで前記ラック軸の湾曲した中心軸の頂部と同じ軸方向位置及び円周方向位置を含む部分が前記ラックハウジングの内周面にぶつかり得る軸方向範囲Y内に、全周に亙り連続する状態で設けられている、
ステアリングギヤユニット用ハウジング。 - 前記厚肉部は、前記軸方向範囲Yの全体に設けられている、
請求項1に記載したステアリングギヤユニット用ハウジング。 - 軸方向両端が開口した筒状で、内側に、ラック軸を軸方向の変位可能に支持するラックハウジングと、
前記ラックハウジングの軸方向一端寄り部分に設けられ、内側に、前記ラック軸と噛合するピニオン軸を回転自在に支持するピニオンハウジングと、
前記ラックハウジングの内周面の軸方向他端寄り部分に設けられ、前記ラック軸の外周面に摺接させる内周面を有するラックブッシュを支持するブッシュ支持部と、を備え、
前記ラックハウジングのうちで、このラックハウジングの軸方向中央位置と前記ブッシュ支持部の軸方向一端縁が存在する位置との間に挟まれた軸方向範囲X内に、周囲の部分に比べて径方向の肉厚が大きくなった厚肉部が部分的に設けられている、
ステアリングギヤユニット用ハウジングであって、
前記厚肉部は、使用時に前記ラック軸の軸方向他端部に連結されるタイロッドから前記ラック軸に逆入力荷重が加わる事により前記ラック軸が前記ラックブッシュを支点として弾性的に曲げ変形した場合に、前記ラック軸の外周面のうちで前記ラック軸の湾曲した中心軸の頂部と同じ軸方向位置及び円周方向位置を含む部分が前記ラックハウジングの内周面にぶつかった場合にも前記ラックハウジングに損傷が発生するのを防止する用途で、前記ラック軸に対する前記タイロッドの傾斜方向と同位相となる円周方向位置を含む部分に設けられている、
ステアリングギヤユニット用ハウジング。 - 前記厚肉部の外周面は、前記ラックハウジングのうち前記厚肉部の軸方向両側に隣接する部分の外周面よりも径方向外側に膨出している、
請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリングギヤユニット用ハウジング。 - 前記厚肉部の外周面は、前記ラックハウジングの中心軸と平行な直線形状の母線形状を有している、
請求項4に記載したステアリングギヤユニット用ハウジング。 - ラックハウジング及びピニオンハウジングを有するハウジングと、
前記ラックハウジングの内側に軸方向の変位可能に支持されたラック軸と、
前記ラック軸に噛合させた状態で、前記ピニオンハウジングの内側に回転可能に支持されたピニオン軸と、
前記ラックハウジングの内周面に設けられたブッシュ支持部に支持された状態で、内周面を前記ラック軸の外周面に摺接させたラックブッシュと、
を備えたステアリングギヤユニットであって、
前記ハウジングが、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したステアリングギヤユニット用ハウジングである事を特徴とする
ステアリングギヤユニット。
Priority Applications (1)
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JP2016225191A JP6760004B2 (ja) | 2016-11-18 | 2016-11-18 | ステアリングギヤユニット用ハウジング及びステアリングギヤユニット |
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JP2016225191A JP6760004B2 (ja) | 2016-11-18 | 2016-11-18 | ステアリングギヤユニット用ハウジング及びステアリングギヤユニット |
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JP2018079893A JP2018079893A (ja) | 2018-05-24 |
JP6760004B2 true JP6760004B2 (ja) | 2020-09-23 |
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Family Applications (1)
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JP2016225191A Active JP6760004B2 (ja) | 2016-11-18 | 2016-11-18 | ステアリングギヤユニット用ハウジング及びステアリングギヤユニット |
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