JP6759983B2 - 加熱用光源ユニット - Google Patents

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本発明は、半導体基板や鋼板などの被処理物を赤外線ランプによって熱処理するための加熱用光源ユニットに関する。
ウエハ等の半導体基板を熱処理する熱処理装置としては、加熱手段として赤外線ランプを具えてなるものが知られている。このような熱処理装置においては、点灯中に発熱する赤外線ランプを冷却するために冷却機構が設けられている。例えば特許文献1には、赤外線ランプをケース内に収容し、このケース内部に冷却用気体を流通させる構成の半導体基板の熱処理装置が開示されている。
また、近年では、金属加工分野においても、加熱手段として赤外線ランプが採用されている。例えば特許文献2には、鋼板などの金属板状体を赤外線ランプによって加熱する技術が開示されている。
而して、赤外線ランプによって鋼板などの金属板状体を加熱する場合には、金属板状体が大面積のものであるため、多数の赤外線ランプが用いられる。
しかしながら、多数の赤外線ランプを備えた熱処理装置において、赤外線ランプを冷却する冷却機構を設ける場合には、装置全体の構造が複雑となるため、赤外線ランプの交換が煩雑となる、という問題がある。
特開2002−110585号公報 特開2010−044875号公報
そこで、本発明の目的は、ランプの交換作業が容易で、しかも、ランプを十分に冷却することが可能な熱処理装置を構成することができる加熱用光源ユニットを提供することにある。
本発明の加熱用光源ユニットは、並設された複数の冷却風流通管、前記複数の冷却風流通管の各々の一端開口に共通に連通するよう形成された冷却風給気部、および前記複数の冷却風流通管の各々の他端開口に共通に連通するよう形成された冷却風排気部を有する第一の冷却風流通システムと、
前記冷却風流通管内に挿通されて、両端が当該冷却風流通管から外部に突出するよう配置され、一端側封止部が前記冷却風給気部に位置すると共に、他端側封止部が前記冷却風排気部を超えて位置するよう設けられた両端封止型の棒状ランプと、
前記棒状ランプの他端側封止部を冷却する第二の冷却風流通システムと
を有することを特徴とする。
本発明の加熱用光源ユニットにおいては、前記冷却風流通管の他端開口から離間した位置に、前記棒状ランプの外周面に接近する内周を有する孔が形成された遮風板が設けられていることが好ましい。
また、前記棒状ランプの他端側封止部から伸びるリード線が、前記第二の冷却風流通システムにおける流路内に配置されていることが好ましい。
本発明の加熱用光源ユニットによれば、第一の冷却風流通システムによる冷却風によって、棒状ランプの一端側封止部および発光部が冷却され、第二の冷却風流通システムによる冷却風によって、棒状ランプの他端側封止部が冷却される。従って、棒状ランプを十分に冷却することができる。
また、熱処理装置に搭載された場合において、ランプ交換の際には加熱用光源ユニットごと交換すればよいため、ランプの交換作業が容易な熱処理装置を構成することができる。
また、冷却風流通管の他端開口から離間した位置には、遮風板が設けられていることにより、冷却風が加熱されることによって生ずる熱風が、第二の冷却風流通システム内に入ることが防止されるため、棒状ランプの他端側封止部を確実に冷却することができる。
また、棒状ランプの他端側封止部から伸びるリード線が、第二の冷却風流通システムにおける流路に配置されているため、第二の冷却風流通システムによる冷却風によって、リード線を冷却することができる。
本発明の加熱用光源ユニットの一例を示す斜視図である。 第一の冷却風流通システムを棒状ランプの長手方向に沿って切断した状態を示す説明用断面図である。 第一の冷却風流通システムにおける冷却風給気口と棒状ランプの一端側封止部との位置関係を示す説明図である。 第二の冷却風流通システムを棒状ランプの長手方向に沿って切断した状態を示す説明用断面図である。
以下、本発明の加熱用光源ユニットの実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の加熱用光源ユニットの一例を示す斜視図である。図2は、第一の冷却風流通システムを棒状ランプの長手方向に沿って切断した状態を示す説明用断面図である。図3は、第一の冷却風流通システムにおける冷却風給気口と棒状ランプの一端側封止部との位置関係を示す説明図である。図4は、第二の冷却風流通システムを棒状ランプの長手方向に沿って切断した状態を示す説明用断面図である。
図1に示す加熱用光源ユニットは、それぞれ平行に並ぶよう配置された複数の棒状ランプ10と、これらの棒状ランプ10を冷却する第一の冷却風流通システム20および第二の冷却風流通システム30を有する。第二の冷却風流通システム30は、第一の冷却風流通システム20における、後述する冷却風排気部25に隣接して配置されている。
棒状ランプ10は、発光部11の両端に一端側封止部12および他端側封止部13が形成された両端封止型のものである。この棒状ランプ10としては、赤外線を放射するもの、例えばハロゲンランプが用いられる。
棒状ランプ10として用いられるハロゲンランプの仕様の一例を示すと、ランプ定格電圧が360V、ランプ電力が8kW、発光長が620mm、全長が約880mm、バルブの直径が13mmである。また、加熱用光源ユニットにおける棒状ランプ10の総数は例えば6本である。
第一の冷却風流通システム20は、棒状ランプ10が並ぶ方向に沿って並設された複数の直管状の冷却風流通管21と、これらの冷却風流通管21の各々の一端開口21aに共通に連通するよう形成された冷却風給気部22と、冷却風流通管21の各々の他端開口21bに共通に連通するよう形成された冷却風排気部25とを有する。
第一の冷却風流通システム20の冷却風流通管21の各々は、棒状ランプ10の外径より大きい内径を有し、全長は棒状ランプ10の全長よりも小さいものである。各冷却風流通管21内には、棒状ランプ10が挿通されて、当該棒状ランプ10の両端が冷却風流通管21から外部に突出するよう配置されている。棒状ランプ10の一端側封止部12は冷却風給気部22内に位置されている。また、棒状ランプ10の他端側封止部13は、冷却風排気部25を超えて、当該冷却風排気部25に隣接する第二の冷却風流通システム30内に位置されている。
冷却風流通管21の内径は、棒状ランプ10の外径の1.1〜1.5倍であることが好ましい。また、棒状ランプ10の外周面と冷却風流通管21の内周面との距離は、例えば1.5〜2.5mmである。
冷却風流通管21を構成する材料としては、棒状ランプ10からの赤外線を透過し得るものが用いられ、その具体例としては、石英ガラスなどが挙げられる。
冷却風流通管21の寸法の一例を示すと、全長が約730mm、内径が17mm、外径が19mmである。
第一の冷却風流通システム20の冷却風給気部22においては、棒状ランプ10の一端側封止部12の下方位置に、冷却風給気口23が形成されている。この冷却風給気口23は、適宜の冷却風供給機構(図示省略)に接続される。
冷却風給気口23は、平面視したときに、棒状ランプ10の一端側封止部12の各々をカバーするよう形成されている。これにより、冷却風給気口23から供給される冷却風が棒状ランプ10の一端側封止部12に直接当たるため、当該一端側封止部12高い効率で冷却することができる。
また、冷却風給気部22には、冷却風流通管21の各々の一端開口21aに連通する複数の供給孔24が形成されている。この供給孔24は、冷却風給気部22の内部に開口する、冷却風流通管21の内径と同等の径を有する小径部分24aと、冷却風給気部22の外部に開口する、冷却風流通管21の外径に適合する径を有する大径部分24bとにより形成されている。供給孔24の大径部分24bには、冷却風流通管21の各々の一端部が挿入されて固定されている。
第一の冷却風流通システム20の冷却風排気部25においては、棒状ランプ10の下方位置に、冷却風排気口26が形成されている。
また、冷却風排気部25には、冷却風流通管21の各々の他端開口21bに連通する複数の排出孔27が形成されている。この排出孔27は、冷却風排気口26の内部に開口する、冷却風流通管21の内径と同等の径を有する小径部分27aと、冷却風排気口26の外部に開口する、冷却風流通管21の外径に適合する径を有する大径部分27bとにより形成されている。排出孔27の大径部分27bには、冷却風流通管21の各々の他端部が挿入されて固定されている。
冷却風流通管21の他端開口21bから離間した位置、具体的には、第一の冷却風流通システム20の冷却風排気部25と第二の冷却風流通システム30との間の位置には、冷却風流通管21の他端開口21bから放出される冷却風R1を遮断する遮風板28が設けられている。この遮風板28には、棒状ランプ10が挿通する孔29が形成されている。この孔29は、棒状ランプ10の外周面に接近する内周を有する。棒状ランプ10の外周面と孔29の内周との距離は、例えば0.1〜0.5mmである。
第二の冷却風流通システム30においては、棒状ランプ10の他端側封止部13の下方位置に、冷却風給気口31が形成されている。この冷却風給気口31は、適宜の冷却風供給機構(図示省略)に接続される。
冷却風給気口31は、第一の冷却風流通システム20の冷却風給気口23と同様に、平面視したときに、棒状ランプ10の他端側封止部13の各々をカバーするよう形成されている。これにより、冷却風給気口31から供給される冷却風R2が棒状ランプ10の他端側封止部13に直接当たるため、当該他端側封止部13を高い効率で冷却することができる。
また、第二の冷却風流通システム30においては、冷却風給気口31の側方位置には、冷却風排気口32が当該冷却風給気口31から離間して形成されている。冷却風給気口31と冷却風排気口32との間には、冷却風流路部材35が設けられている。この冷却風流路部材35によって、冷却風給気口31から冷却風排気口32に至る冷却風の流路が形成されている。
この例では、棒状ランプ10の他端側封止部13から伸びるリード線15が、第二の冷却風流通システム30における流路に沿って配置されている。このリード線15は、電装部40に電気的に接続されている。
上記の加熱用光源ユニットにおいては、点灯中の棒状ランプ10が以下のようにして冷却される。
第一の冷却風流通システム20においては、冷却風供給機構(図示省略)から冷却風給気口23を介して冷却風給気部22の内部に冷却風R1が供給される。この冷却風R1は、棒状ランプ10の一端側封止部12に当たり、これにより、棒状ランプ10の一端側封止部12が冷却される。その後、冷却風R1は、一端開口21aから他端開口21bに向かって冷却風流通管21内を流通し、これにより、棒状ランプ10の発光部が冷却される。そして、冷却風R1は、冷却風流通管21の他端開口21bから冷却風排気部25の内部に排出され、冷却風排気口26から外部に排気される。
一方、第二の冷却風流通システム30においては、冷却風供給機構(図示省略)から冷却風給気口31を介して第二の冷却風流通システム30の内部に冷却風R2が供給される。この冷却風R2は、棒状ランプ10の他端側封止部13に当たり、これにより、棒状ランプ10の他端側封止部13が冷却される。その後、冷却風R2は、冷却風流路部材35によって形成された流路に沿って流通し、これにより、棒状ランプ10の他端側封止部13から伸びるリード線15が冷却される。そして、冷却風R2は、冷却風排気口32から外部に排気される。
以上において、第一の冷却風流通システム20における冷却風給気部22の内部は、冷却風R1が供給されることによって加圧されていることが好ましい。
第一の冷却風流通システム20による冷却風R1の流量は、例えば1〜3m3 /minである。
また、第二の冷却風流通システム30の内部に冷却風R2が供給されることによって、第一の冷却風流通システム20による冷却風R1が加熱されることによって生ずる熱風が、第二の冷却風流通システム30内のランプの他端側封止部13を異常に加熱することを確実に防止することができる。
第二の冷却風流通システム30による冷却風R2の流量は、例えば10〜40L/minである。
このような加熱用光源ユニットによれば、第一の冷却風流通システム20による冷却風R1によって、棒状ランプ10の一端側封止部12および発光部11が冷却され、第二の冷却風流通システム30による冷却風R2によって、棒状ランプ10の他端側封止部13が冷却される。従って、棒状ランプ10を十分に冷却することができる。
また、熱処理装置に搭載された場合において、ランプ交換の際には加熱用光源ユニットごと交換すればよいため、ランプの交換作業が容易な熱処理装置を構成することができる。
また、冷却風流通管21の他端開口21bから離間した位置、具体的には、第一の冷却風流通システム20の冷却風排気部25と第二の冷却風流通システム30との間の位置には、遮風板28が設けられていることにより、冷却風R1が加熱されることによって生ずる熱風が、第二の冷却風流通システム30内に入ることが防止されるため、棒状ランプ10の他端側封止部13を確実に冷却することができる。
また、棒状ランプ10の他端側封止部13から伸びるリード線15が、第二の冷却風流通システム30における流路に配置されているため、第二の冷却風流通システム30による冷却風によって、リード線15を冷却することができる。
10 棒状ランプ
11 発光部
12 一端側封止部
13 他端側封止部
15 リード線
20 第一の冷却風流通システム
21 冷却風流通管
21a 一端開口
21b 他端開口
22 冷却風給気部
23 冷却風給気口
24 供給孔
24a 小径部分
24b 大径部分
25 冷却風排気部
26 冷却風排気口
27 排出孔
27a 小径部分
27b 大径部分
28 遮風板
29 孔
30 第二の冷却風流通システム
31 冷却風給気口
32 冷却風排気口
35 冷却風流路部材
40 電装部
R1,R2 冷却風

Claims (3)

  1. 並設された複数の冷却風流通管、前記複数の冷却風流通管の各々の一端開口に共通に連通するよう形成された冷却風給気部、および前記複数の冷却風流通管の各々の他端開口に共通に連通するよう形成された冷却風排気部を有する第一の冷却風流通システムと、
    前記冷却風流通管内に挿通して、両端が当該冷却風流通管から外部に突出するよう配置され、一端側封止部が前記冷却風給気部に位置すると共に、他端側封止部が前記冷却風排気部を超えて位置するよう設けられた両端封止型の棒状ランプと、
    前記棒状ランプの他端側封止部を冷却する第二の冷却風流通システムと
    を有することを特徴とする加熱用光源ユニット。
  2. 前記冷却風流通管の他端開口から離間した位置に、前記棒状ランプの外周面に接近する内周を有する孔が形成された遮風板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の加熱用光源ユニット。
  3. 前記棒状ランプの他端側封止部から伸びるリード線が、前記第二の冷却風流通システムにおける流路に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱用光源ユニット。
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