JP6720511B2 - 熱処理装置 - Google Patents
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Description
このような問題を解消するためには、ランプ点灯時における発光管の温度を不純ガスが発生しない程度の温度まで冷却させる必要がある。
しかしながら、例えば特許文献1に記載されるような冷却機構では、赤外ランプにおける冷却風が直接的に吹きつけられる部分は冷却することができるものの、赤外ランプ全体を効率的に冷却することが困難である。また、冷却効率を向上させるためには、大量の冷却風を導入することが考えられるが、単に、冷却風の風量を多くしても、十分な冷却効果が得られないことが明らかになった。
前記光放射部は、前記赤外発光ランプの外周面に沿ってランプ長さ方向に延びる冷却風路を形成する外管をさらに備えてなる熱源エレメントを複数備えており、前記複数の熱源エレメントの外管の各々には、前記赤外発光ランプの長さ方向における両端に冷却風入口が形成されていると共に、前記冷却風入口の各々から導入される冷却風が前記赤外発光ランプの長さ方向における中央部から排出されるよう、前記赤外発光ランプの長さ方向における中央部のみに冷却風出口が形成されていることを特徴とする。
前記光放射部は、前記赤外発光ランプの外周面に沿ってランプ長さ方向に延びる冷却風路を形成する外管をさらに備えており、当該外管には、前記赤外発光ランプの長さ方向における一端に冷却風入口が形成されていると共に、他端部側の外周面に冷却風出口が形成されており、
前記赤外発光ランプの長さ方向における当該外管の冷却風出口と前記赤外発光ランプの他端側封止部との間の位置に、遮風部が形成されていることを特徴とする。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の熱処理装置の一例における構成を概略的に示す、赤外発光ランプの中心軸に沿った断面図である。図2は、図1におけるA−A線断面図である。図3は、図1に示す熱処理装置における熱源エレメントの構成の一部を示す斜視図である。
この熱処理装置は、例えば金属板などの被処理物Wに対して赤外光を照射する光放射部10を備えている。
赤外発光ランプ21は、両端が封止された発光管22の内部にフィラメント25が発光管22の軸線に沿って配置されてなるフィラメントランプにより構成されている。
具体例を示すと、冷却風路Fの厚み(発光管22の外周面と外管20の内周面との間の距離)は、例えば0.5〜5mmであることが好ましく、より好ましくは1〜3mmである。
冷却風出口33の軸方向における寸法は、例えば10〜150mmであることが好ましく、より好ましくは30〜100mmである。
外管30は、例えば石英ガラスなどの透光性材料により構成されている。
この例においては、図4にも示すように、ランプ支持部材40として、例えば、赤外発光ランプ21における発光管22の外周面に接して当該赤外発光ランプ21を支持するランプ受容支持部41を有する板状(ブロック状)のものが用いられている。ランプ支持部材40が、外管30の両端部の各々に形成された外周面に開口するランプ支持部材装着用開口部35に装着されることによって、ランプ受容支持部41が外管の内部に露出された状態とされる。これにより、赤外発光ランプ21が外管30に対して位置決めされた状態でランプ支持部材40によって支持される。赤外発光ランプ21は、その中心軸が外管30の管軸上に位置された状態とされている。
また、光放射部10を構成する筐体11の上壁には、各々の熱源エレメント20から排出された冷却風を光放射部10の外部に排出するための排気ダクト16が設けられている。
例えば、赤外発光ランプ21として出力が7kWであるもの用いたときの冷却条件を示すと、冷却風の風量は、例えば250〜1000リットル/分である。また、一端側の冷却風入口31および他端側の冷却風入口31から導入される冷却風の風量は、例えば同じ量である。
図5は、本発明の熱処理装置の光放射部を構成する熱源エレメントの他の例における構成を概略的に示す、赤外発光ランプの中心軸に沿った断面図である。
この熱源エレメント20aにおいては、赤外発光ランプ21が円筒状の長尺な外管30の内部に挿入状態で配置されて構成されており、赤外発光ランプ21の外周面と外管30の内周面との間に冷却風路Fが形成されている。外管30の一端側開口が冷却風入口31とされている。また、外管30の他端部の周面に開口32aが形成されており、当該開口32aが冷却風出口33とされている。赤外発光ランプ21および外管30の支持構造は、上記第1の実施形態に係る熱源エレメント20と同様である。
例えば、熱源エレメントは、図6に示すように、2つの外管30a,30bが、赤外発光ランプ21の長さ方向における途中位置が外部に露出されるよう、離間して配置された構成とされていてもよい。この熱源エレメント20においては、一方の外管30aの一端側開口および他方の外管30bの他端側開口が冷却風入口31とされる。また、一方の外管30aの他端側開口および他方の外管30bの一端側開口が冷却風出口33とされる。
図1および図2に示す構成に従って、本発明に係る熱処理装置を作製した。この熱処理装置における赤外発光ランプの仕様は、ランプ定格電圧が360V、ランプ電力が7kW(電力密度が13W/mm)、発光長が540mm、全長が約800mmである。
発光管の材質は石英ガラスであり、発光管の外径はφ13mm、内径はφ10.5mmである。封止部はピンチシール法によって形成し、金属箔としてはモリブデン箔を用いた。
外管は、全長が950mm、外径がφ23mm、内径がφ20mmである。冷却風出口を構成する開口は、外管の長さ方向における中央位置に形成した。当該開口のランプ長さ方向の寸法は100mm、開口面積は約2000mm2 である。冷却風路の厚みは3.5mmである。熱源エレメントの数は30本である。
赤外発光ランプの冷却機能についての評価は、すべての赤外発光ランプについて、発光管(直管状部分)の最大温度が800℃未満であり、封止部の温度が300℃未満である場合を「○」、いずれかの赤外発光ランプの発光管の最大温度が800℃以上である場合、あるいはいずれかの赤外発光ランプの封止部の温度が300℃以上である場合を「×」とした。発光管についての温度基準は、発光管を構成する石英ガラスから不純ガスが発生するときの温度に基づいて設定されたものである。また、封止部についての温度基準は、封止部の耐熱温度に基づいて設定されたものである。温度測定は、温度測定は各々の測定箇所に熱電対を取り付けて行った。結果を下記表1に示す。
冷却風路を形成する外管を設けなかったことの他は実験例1と同一の構成を有する比較用の熱処理装置を作製した。
この熱処理装置について、赤外発光ランプの点灯時において、冷却風を1300リットル/分の風量で供給したことの他は実験例1と同様にして、冷却風による赤外発光ランプの冷却機能について評価を行った。結果を下記表1に示す。
外管における赤外発光ランプの長さ方向の途中位置に冷却風出口を構成する開口を形成せずに、外管の一端側開口を冷却風入口とし、外管の他端側開口を冷却風出口としたことの他は実験例1と同一の構成を有する比較用の熱処理装置を作製した。
この熱処理装置について、実験例1と同様の方法により、冷却風による赤外発光ランプの冷却機能について評価を行った。結果を下記表1に示す。
一方、冷却風路を形成する外管を有さない比較実験例1に係る熱処理装置においては、大量の冷却風を供給しているにも拘わらず、十分な冷却効果を得ることができないことが確認された。また、外管の他端側開口を冷却風出口とした比較実験例2に係る熱処理装置においては、冷却風出口側に位置される封止部の温度が高くなりすぎ、十分な冷却効果を得ることができないことが確認された。
11 筐体
12 窓部材
15 給気ダクト
16 排気ダクト
20 熱源エレメント
20a 熱源エレメント
21 赤外発光ランプ
22 発光管
23a 封止部
23b 封止部
25 フィラメント
26 金属箔
27 外部リード
30 外管
30a 一方の外管
30b 他方の外管
31 冷却風入口
32 開口
32a 開口
33 冷却風出口
35 ランプ支持部材装着用開口部
40 ランプ支持部材
41 ランプ受容支持部
45 外管支持部材
50 遮風部
51 閉塞部材
F 冷却風路
W 被処理物
Claims (2)
- 両端が封止されたガラス材料よりなる発光管内に当該発光管の軸線に沿ってフィラメントが配置されてなる棒状の赤外発光ランプを備えた光放射部を有する熱処理装置において、
前記光放射部は、前記赤外発光ランプの外周面に沿ってランプ長さ方向に延びる冷却風路を形成する外管をさらに備えてなる熱源エレメントを複数備えており、前記複数の熱源エレメントの外管の各々には、前記赤外発光ランプの長さ方向における両端に冷却風入口が形成されていると共に、前記冷却風入口の各々から導入される冷却風が前記赤外発光ランプの長さ方向における中央部から排出されるよう、前記赤外発光ランプの長さ方向における中央部のみに冷却風出口が形成されていることを特徴とする熱処理装置。 - 両端が封止されたガラス材料よりなる発光管内に当該発光管の軸線に沿ってフィラメントが配置されてなる棒状の赤外発光ランプを備えた光放射部を有する熱処理装置において、
前記光放射部は、前記赤外発光ランプの外周面に沿ってランプ長さ方向に延びる冷却風路を形成する外管をさらに備えており、当該外管には、前記赤外発光ランプの長さ方向における一端に冷却風入口が形成されていると共に、他端部側の外周面に冷却風出口が形成されており、
前記赤外発光ランプの長さ方向における当該外管の冷却風出口と前記赤外発光ランプの他端側封止部との間の位置に、遮風部が形成されていることを特徴とする熱処理装置。
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