JP5754049B2 - セラミック乾燥炉及び未焼成セラミックの乾燥方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水または樹脂バインダーを含有する未焼成セラミックを乾燥させるためのセラミック乾燥炉及び未焼成セラミックの乾燥方法に関するものである。
フェライト、チップコンデンサ等の電子デバイスは、セラミック粉末を樹脂バインダーと混練して成形したうえ焼成して製造されるが、焼成前に乾燥炉に入れて樹脂バインダーや含有水分を除去する必要がある場合がある。また電子部品用のセラミック粉体についても、焼成前に乾燥炉に入れて樹脂バインダーや含有水分を除去する場合がある。またLTCC(低温同時焼成セラミックス)等の構成材として使用されるセラミックグリーンシートにおいても、乾燥時に含有水分等を除却する場合がある。
このための乾燥炉としては、図1に示されるように炉体1の内部に赤外線ヒーター2を備えた赤外線加熱炉が使用されることが多く、その赤外線ヒーター2としては、図1の上部に示すように、中央のフィラメント3の周囲にガラス製の保護管4を配置した構造のもの(例えば特許文献1)が広く使用されている。
上記のような未焼成セラミックが含有する有機バインダーや水分は、分子間に水素結合を有する。このため乾燥工程の生産性を高めるためには、赤外線ヒーターから多くの熱量をワーク(乾燥対象物)である未焼成セラミックに放射し、水またはバインダーの水素結合を切断して速やかに蒸発させることが必要である。
そこで従来は、赤外線ヒーター2のフィラメント3の温度を高め、放射エネルギーを増加させる方法を取るのが普通であった。フィラメント3の温度が高まると放射スペクトルのピークが短波長側に移行することが知られており、特にフィラメント温度を700℃以上とすると、図2に示すように放射スペクトルの主波長が近赤外線領域である3.5μm以下となる。このような近赤外線は蒸発を阻害する分子内の水素結合を切断する能力に優れ、フィラメント温度を高めることはこの点からも効果的である。
ところが、赤外線ヒーター2のフィラメント温度を高めると、次第にその周囲を取り巻く保護管4の温度も上昇し、保護管4自体が放射体となって赤外線を放射することとなる。例えば保護管4の温度が300℃となると、図2に示すように主波長が5μmの赤外線が炉内に放射されることで、ワークと炉壁が加熱される。但しその条件ではねらいとする3.5μm以下の近赤外線領域の輻射エネルギーは微々たる量であるため、前記した水素結合の切断が十分にできない。そこで当該3.5μm以下の輻射エネルギーを増大させようとすると、遠赤外領域の輻射エネルギーも更に増大し、ワークや炉壁を過熱してしまう。その結果、炉内温度が有機バインダー蒸気の着火点を越え、爆発事故に至る可能性がある。このため従来は、炉内温度の上昇を抑制しながら、有機バインダーや水分を含有する未焼成セラミックを効率的に乾燥させることはできなかった。
なお、特許文献2〜特許文献4には流体加熱用の赤外線ヒーターが記載されている。特許文献2のヒーターはハロゲンヒーターであり、透明石英管の中心に挿入されている。この透明石英管には加熱すべき気体の導入口と噴出口とが形成され、その中を流れる気体を加熱するものである。また特許文献3には、タングステンヒーターをシリカガラス管の内部に封入した放射管をシリカガラスからなる冷却管の内部に装入し、放射管と冷却管との間に形成された通路に加熱すべき液体またはガスを流しながら加熱する赤外線エレメントが記載されている。さらに特許文献4には、ハロゲンランプが封入された第2の中空管を、流体の流入部と流出部とを備えた第1の中空管の内部に装入し、第1の中空管内の流体を加熱するようにした液体加熱器が記載されている。しかしこれらは何れもヒーターの周囲の流路を流れる流体を加熱するためのヒーターであり、炉内のワーク加熱用のものではない。
このほか特許文献5には、炉体の中心に石英保護管を設置してその中に加熱対象物を入れ、その周囲に配置した4つの赤外線ヒーターによって2000℃程度の高温に加熱する加熱炉が記載されている。ヒーターの外面を覆う保護管が軟化変形することを防止するために冷却空気が用いられている。しかしこの特許文献5も石英保護管の内容物を加熱するためのものであり、炉内のワーク加熱用のものではないうえ、温度域も全く異なるものである。
さらに特許文献6には、反応室内に二重管式ヒーターを配置した気相成長装置が開示されている。この二重管式ヒーターは外側管と内側管との間を空冷することにより表面温度を下げ、ヒーター表面への反応物の不要堆積を防止するとともに、外側管を構成する石英ガラスの熱応力の緩和を図っている。しかしここに開示されているのはバッチ式の気相成長装置であって、3.5μm以下の電磁波の吸収スペクトルを持ち、水素結合を有する水や有機バインダーを乾燥させる炉ではない。また本気相成長装置では、その炉内壁が間接水冷されており、エネルギー放散が甚大で、特に大型の連続炉では不経済である。このように、出願人が調査した先行技術文献中には、炉内温度の上昇を抑制しながら、水素結合を有する有機バインダーや水分を含有する未焼成セラミックを効率的に乾燥させる技術は開示されていない。
特開2006−294337号公報 特開平8−35724号公報 特開2004−273453号公報 特許第2583159号公報 特開昭58−102482号公報 特開昭62−97324号公報
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、炉内温度の上昇を抑制しながら、分子間の水素結合を切断する能力に優れる近赤外線を集中的に放射し、水または樹脂バインダーを含有する未焼成セラミックを効率よく乾燥することができるセラミック乾燥炉及びこれを用いた未焼成セラミックの乾燥方法を提供することである。
上記の課題を解決するためになされた本発明のセラミック乾燥炉は、3.5μm以下の電磁波の吸収スペクトルを持ち、水素結合を有する水または樹脂バインダーを含有する未焼成セラミックを乾燥させるセラミック乾燥炉であって、炉体の内部に未焼成セラミックの搬送手段と赤外線ヒーターとを備え、該搬送手段は、未焼成セラミックを積載した焼成セラミック製のベースと、その移動手段とからなり、該赤外線ヒーターは、フィラメントの外周が3.5μm以上の赤外線を吸収する内側の管と外側の管とによって2重に覆われ、これらの2重の管の間に赤外線ヒーターの表面温度の上昇を抑制する冷却用流体の流路を形成し、フィラメント温度を700〜1200℃として前記水素結合を切断するに適した3.5μm以下の短波長の赤外線を選択的に放射させつつ、赤外線ヒーターの表面温度を200℃以下に抑制したものであることを特徴とするものである。
また上記の課題を解決するためになされた本発明の未焼成セラミックの乾燥方法は、3.5μm以下の電磁波の吸収スペクトルを持ち、水素結合を有する水または樹脂バインダーを含有する未焼成セラミックを、フィラメントの外周が3.5μm以上の赤外線を吸収する複数の管によって覆われ、これら複数の管の間に赤外線ヒーターの表面温度の上昇を抑制する冷却用流体の流路を形成した構造の赤外線ヒーターが配置された炉体の内部で搬送し、赤外線ヒーターのフィラメント温度を700〜1200℃として前記水素結合を切断するに適した3.5μm以下の短波長の赤外線を選択的に放射して未焼成セラミックを乾燥させつつ、冷却用流体により赤外線ヒーターの表面温度を200℃以下に抑制し、樹脂バインダー蒸気の爆発を防止したことを特徴とするものである。
本発明のセラミック乾燥炉は、フィラメントの外周が3.5μm以上の赤外線を吸収する複数の管によって覆われ、これらの複数の管の間に赤外線ヒーターの表面温度の上昇を抑制する冷却用流体の流路を形成した構造を有する赤外線ヒーターを炉体の内部に備えている。この赤外線ヒーターは、フィラメントを700〜1200℃の高温にして、水または樹脂バインダーの分子中の水素結合を切断するに適した3.5μm以下の短波長の赤外線を選択的に放射し、搬送手段によって炉内を搬送される未焼成セラミックを効率的に乾燥させることができる。また、冷却用流体により赤外線ヒーターの表面温度を200℃以下に抑制するため、波長が3.5μm以上の長波長の赤外線による炉内温度の上昇を抑制することができ、エネルギーの無駄をなくすことができるとともに、前記した樹脂バインダー蒸気の爆発事故を防止することができる。さらに、乾燥対象物である未焼成セラミックの温度上昇を抑制し、温度上昇に伴う製品の熱暴走を防止することができる。
従来の一般的な乾燥炉を示す断面図である。 赤外線ヒーターの放射スペクトルを示すグラフである。 本発明の実施形態の乾燥炉を示す断面図である。 本発明に用いられる赤外線ヒーターの断面図である。 本発明に用いられる赤外線ヒーターの放射スペクトルを示すグラフである。 未焼成セラミックの搬送形態の説明図である。
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
図3は本発明の実施形態の乾燥炉を示す模式的な断面図であり、10はトンネル状の炉体、11はこの炉体10の内部に設けられた搬送手段、12は炉体10の内部に設けられた赤外線ヒーターである。図3では炉体10の内部は4つのゾーンに区画されているが、この点は本発明の要部ではなく、種々の変更が可能である。
搬送手段11は未焼成セラミックを積載した焼成セラミック製のベース13と、その移動手段14とから構成される。この実施形態では焼成セラミック製のベース13はセッターであり、その上部に未焼成セラミックの成形体が搭載されている。また移動手段14は焼成セラミック製の多数のローラであって、炉体10とともにローラハースキルンを構成している。この実施形態ではベース13は移動手段14によって一定速度で右方向に搬送され、その間に赤外線ヒーター12による乾燥が行なわれる。
未焼成セラミックの成形体は水または樹脂バインダーを含有するものであり、この実施形態では、水または樹脂バインダーはセラミック粒子間に介在し成形体の形状を維持している。これらの水または樹脂バインダーは、3.5μm以下の電磁波の吸収スペクトルを持ち、その分子構造中に水素結合を有するものである。未焼成セラミックは例えばフェライト成形体である。
炉体1の内部に設けられた赤外線ヒーター12は、図4に示すようにフィラメント15の外周が3.5μm以上の赤外線を吸収する複数の管16、17によって2重に覆われた構造を持つ。内側の管16はフィラメント15の保護管であり、石英ガラス等の赤外線透過性のガラス管である。また外側の管17は3.5μm以上の赤外線を吸収する石英ガラスやホウケイ酸クラウンガラスなどからなり、ローパスフィルタとして機能するものである。
製品物性に起因する上限温度が定められた乾燥炉内において、水素結合を有する水または樹脂バインダーの蒸発に効果的であると考えられる短波長(3.5μm以下)の赤外線ふく射が支配的になるように制御することは実際には容易ではない。その理由として、プランクの放射法則により、当該波長域を主体とする放射体の温度が最低でも700℃を超える高温になるという点が挙げられる。通常の乾燥炉内において、発火性の樹脂バインダー蒸気と接するヒーターの表面温度が700℃を超えることは防爆の観点から許容されないし、仮に許容されたとしても、放射の理論面から以下のような問題点が推察される。
まず当該高温の放射体からは、たしかに短波長の放射が優先的に放射されるが、一方でステファン・ボルツマンの法則により、単位面積あたりの放射エネルギーも莫大なものになる。そうすると、最終的には炉内各部において必要以上の温度上昇を招き、特に省エネルギー性や、搬送停止時における製品の耐熱性の面から、大量生産目的の乾燥プロセスとして成立させることが不可能であった。
これに対して図4に示した形状のヒーターにおいては、放射体が細いフィラメント形状をなしているため放射面積および熱容量がともに小さく、ヒーター1本あたりで見た場合「短波長の赤外線を少量放射する」という放射源としての特徴を持つことを意味する。すなわち、当該フィラメント自身の温度上昇が容易で、当該フィラメントの温度を変更し、さらにはヒーター設置本数(ピッチ)の調整により、炉内単位体積中での放射面積(総エネルギー生成量)の制御も容易である。また、700℃〜1200℃で通電しているフィラメントは通電を停止すれば瞬時に温度が低下するため、搬送停止時における安全性もきわめて高い。当該特徴に加えさらに管の冷却機構を導入することにより、前述の各問題が解消され、幅広い用途を前提とした乾燥炉内のふく射の波長制御が可能になる。
フィラメント12は700〜1200℃に通電加熱され、図5に示すように波長が3μm付近にピークを持つ赤外線を放射するが、石英ガラスやホウ珪酸クラウンガラスなどは、3.5μm以下の波長の赤外線を透過し、ハッチングで示した3.5μm以上の波長の赤外線を吸収するローパスフィルタとしての機能を有するため、管16および管17はフィラメント15から放射された電磁波のうち、波長が3.5μm未満の赤外線を選択的に透過して炉内に供給する。この波長領域の赤外線エネルギーは水または樹脂バインダーの分子間における水素結合の振動数とも合致するため、未焼成セラミックを効率よく乾燥させることができる。
しかし管16および管17は、3.5μmよりも長波長領域においては逆にふく射の吸収体となり、赤外線エネルギーを吸収することによりそれ自体が昇温する。前述の温度におけるフィラメント12からは3.5μmよりも長波長領域の赤外線も相当量放射されているため、そのままでは管温度(発火性のバインダー蒸気との接点の温度)が上昇する懸念が生ずる。またその結果、管自身も赤外線の放射体となり、主として3.5μmよりも長波長の赤外線を炉内に二次放射することは前述の通りである。このような長波長の赤外線は、3μm付近の赤外線に比較すると乾燥効果への寄与低下が考えられるのみならず、炉内壁における当該赤外線の吸収による壁温度上昇を経由して炉内流体温度をも上昇させ、炉内各部の温度をバインダー蒸気の着火点以上に上昇させる恐れがある。
そこで本発明では管16と管17との間の空間を、赤外線ヒーターの表面温度の上昇を抑制する冷却用流体の流路18とし、冷却用流体を流す。これにより管16および管17に一旦吸収された長波長領域の赤外線のエネルギーを、対流熱伝達の形で変換して冷却流体に伝達し系外に除去することが可能になる。その結果、最終的に炉内に供給される赤外線の波長を短波長域に限定するとともに、フィラメント15が高温で継続的に通電加熱されている状況においても、管16および管17、とりわけ揮発性の有機バインダーと直接接触する管17を安全温度である(着火点以下である)200℃以下、より好ましくは150℃以下に維持することが可能になる。冷却流体は例えば空気、不活性ガスなどであるが、本実施形態では流体供給口19から空気を吹き込み、加熱された空気を流体排出口20から取り出している。なお、流体排出口20から取り出された空気は100℃以上の熱風となる場合もあるから、炉内に供給する等の有効利用を図ることが好ましい。
このような構造の赤外線ヒーター12は、波長が3.5μm未満の赤外線を選択的に炉内に供給することができ、しかも赤外線ヒーター12の表面温度は例えば200℃以下の低温に保たれているので、炉内温度を200℃以下、より好ましくは150℃以下とすることができる。このためのバインダー蒸気の着火や爆発などの恐れがない。また炉体10の内壁を赤外線放射率の小さい反射性材料により構成すれば、炉壁の昇温をより効果的に抑制することができる。そのような材料としては例えば、光沢のあるステンレス鋼板を使用することができる。なお、未焼成セラミックを積載した焼成セラミック製のベース13は水素結合を含まないため、この波長領域の赤外線エネルギーによる影響を受けにくい。
上記した赤外線ヒーター12のほか、炉内には熱風を未焼成セラミックに向かって吹き付けるための熱風スリットを多数配置し、熱風による乾燥を併用することが好ましい。これらの熱風スリットは炉体10の天井面のみならず床面にも形成し、搬送手段11により搬送される未焼成セラミックの上面及び下面から熱風を吹き付けるようにしておくことが好ましい。しかしこの点は本発明の要部ではなく、適宜変更することが可能である。
フェライト成形体の乾燥における代表的なヒーターの設定例を表1に示す。ヒーター表面温度の設定温度としてはフィラメント温度ではなく外側の管17の温度を示す。放射赤外線の主体部分は中心のフィラメントから放射され、管17を透過して外部に出てくるものなので、管17の温度が低くとも加熱効果において全く問題ない。むしろ、前述したようにヒーターの炉内流体との接触部が安全温度以下に保たれていることを示す。実際の運用時には、ヒーターへの通電量(w)、気体流量により制御することも可能である。
Figure 0005754049
上記した実施形態では、図6の上段の図に示すように、未焼成セラミックが成形体であり、焼成セラミック製のベース13がセッターであった。しかし中段の図に示すように、未焼成セラミックが粉体である場合には、焼成セラミック製のベース13を粉体が充填可能な匣鉢とすることができる。また下段の図に示すように、未焼成セラミックがシートである場合は、焼成セラミック製のベース13がセッターである状態で搬送することができる。
上記した実施形態では、移動手段14を焼成セラミック製のローラとしてローラハースキルンを構成したが、移動手段14はローラに限定されるものではなく、移動手段14を台車として台車式トンネル炉を構成したり、移動手段14をベース板としてプッシャー炉を構成することもできる。
フェライト粉末を低温用バインダーであるワックスと混練し所定形状に成形した未焼成セラミックを、従来の赤外線ヒーターを使用した乾燥炉と、本発明の多重管ヒーターを利用した乾燥炉とによって乾燥した。炉はローラハースキルンであり、ワークはアルミナ製のセッターに載せて搬送した。何れの場合にも製品の熱暴走を防止するため、製品表面温度を145℃以下に維持するとの条件下で乾燥を行った。従来の乾燥炉を用いた場合には乾燥完了までに10時間を必要としたが、本発明の乾燥炉では3時間で乾燥を完了させることができた。なお乾燥を促進するため、従来の乾燥炉も本発明の乾燥炉も、130℃の熱風を併用した。このように乾燥時間を短縮できたのは、水素結合を有する水や樹脂バインダーの蒸発に効果的である波長3.5μm以下の赤外線ふく射が支配的になるように制御できた結果であると考えられる。
電子部品用粉体の乾燥を、従来式の熱風乾燥炉と、本発明の多重管ヒーターを利用した乾燥炉によって乾燥した。炉はローラハースキルンであって、粉体はコーディエライト製の匣鉢に充填した。何れの場合にも製品の熱暴走を防止するため、製品表面温度を180℃以下に維持するとの条件下で乾燥を行った。粉体の充填量が50mmの厚みを有する場合は、両者に乾燥の差異は確認できなかった。しかし10mmの厚みとした場合は、乾燥による重量減少で比較した結果、従来の熱風式で1.5Hrであった乾燥時間を0.6Hrに短縮が可能となった。多重管ヒーターから放出される波長3.5μm以下の赤外線ふく射は、充填厚みがある場合は深部まで到達できないので熱風との差異が顕著にならなかったと考えられる。
これらの実施例からも明らかなように、本発明によれば、炉内温度やワーク表面温度の上昇を抑制しながら、分子間の水素結合を切断する能力に優れる近赤外線を集中的に放射し、水または樹脂バインダーを含有する未焼成セラミックを効率よく乾燥することができる。
1 従来技術の炉体
2 赤外線ヒーター
3 フィラメント
4 保護管
10 本発明の炉体
11 搬送手段
12 赤外線ヒーター
13 ベース
14 移動手段
15 フィラメント
16 管
17 管
18 流路
19 流体供給口
20 流体排出口

Claims (7)

  1. 3.5μm以下の電磁波の吸収スペクトルを持ち、水素結合を有する水または樹脂バインダーを含有する未焼成セラミックを乾燥させるセラミック乾燥炉であって、炉体の内部に未焼成セラミックの搬送手段と赤外線ヒーターとを備え、該搬送手段は、未焼成セラミックを積載した焼成セラミック製のベースと、その移動手段とからなり、該赤外線ヒーターは、フィラメントの外周が3.5μm以上の赤外線を吸収する内側の管と外側の管とによって2重に覆われ、これらの2重の管の間に赤外線ヒーターの表面温度の上昇を抑制する冷却用流体の流路を形成し、フィラメント温度を700〜1200℃として前記水素結合を切断するに適した3.5μm以下の短波長の赤外線を選択的に放射させつつ、赤外線ヒーターの表面温度を200℃以下に抑制したものであることを特徴とするセラミック乾燥炉。
  2. 未焼成セラミックが粉体であり、焼成セラミック製のベースが匣鉢であることを特徴とする請求項1記載のセラミック乾燥炉。
  3. 未焼成セラミックがシートであり、焼成セラミック製のベースがセッターであることを特徴とする請求項1記載のセラミック乾燥炉。
  4. 未焼成セラミックが成形体であり、焼成セラミック製のベースがセッターであることを特徴とする請求項1記載のセラミック乾燥炉。
  5. 移動手段が焼成セラミック製のローラであることを特徴とする請求項1記載のセラミック乾燥炉。
  6. 3.5μm以下の電磁波の吸収スペクトルを持ち、水素結合を有する水または樹脂バインダーを含有する未焼成セラミックを、フィラメントの外周が3.5μm以上の赤外線を吸収する複数の管によって覆われ、これら複数の管の間に赤外線ヒーターの表面温度の上昇を抑制する冷却用流体の流路を形成した構造の赤外線ヒーターが配置された炉体の内部で搬送し、赤外線ヒーターのフィラメント温度を700〜1200℃として前記水素結合を切断するに適した3.5μm以下の短波長の赤外線を選択的に放射して未焼成セラミックを乾燥させつつ、冷却用流体により赤外線ヒーターの表面温度を200℃以下に抑制し、樹脂バインダー蒸気の爆発を防止したことを特徴とする未焼成セラミックの乾燥方法。
  7. 前記赤外線ヒーターとして、フィラメントの外周が内側の管と外側の管とによって2重に覆われたものを用いることを特徴とする請求項6記載の未焼成セラミックの乾燥方法。
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