JP7377501B1 - 金属溶解保持炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】 坩堝を加熱する輻射式ヒータを適切に冷却し、熱による輻射式ヒータの破損等を回避し得る金属溶解保持炉を提供する。【解決手段】 被溶解金属を収容する坩堝1と、坩堝を囲繞する坩堝収容筐体2と、坩堝の外側面と坩堝収容筐体の内側面の間に位置し、坩堝を加熱する輻射式ヒータ3と、輻射式ヒータの外周と所定間隔を設けて該輻射式ヒータの外周を包囲する管状部材4とを備え、該管状部材は、輻射式ヒータから発せられた輻射熱を透過可能に構成されていると共に、輻射式ヒータを冷却する冷却手段を備えていることを特徴としている。【選択図】 図2

Description

本発明は、金属溶解保持炉に関するものである。
金属を加熱して溶解する金属溶解炉においては、その熱源にガスバーナーを利用するものが広く知られているが、ガスバーナーを熱源とした場合、温室効果ガスの1つである二酸化炭素を発生させてしまうという環境上の問題を有している。すなわち、近年、地球温暖化対策として、工業生産に伴って発生する二酸化炭素の排出量削減が強く叫ばれており、こうした状況に鑑みるならば、二酸化炭素を発生させるガスバーナーの使用は可能な限り回避したいところである。
そこで、前述の環境問題に対応すべく、特許文献1には、金属溶解保持炉の熱源として電気ヒータを活用した技術が開示されている。すなわち、特許文献1には、断熱耐火材よりなる外槽3と、外槽3の間にスペース7を介して配置される断熱耐火材よりなる内槽5と、スペース7内に配置される高出力電気ヒータ8とからなり、内槽5内に搬入されるアルミインゴットを高出力電気ヒータ8の加熱により溶解させるアルミ溶解保持炉に関する発明が示されている。
特開2014-70890号公報
しかしながら、特許文献1に示されている発明は、次のような問題を有している。すなわち、当該発明は、外槽と内槽の間の空間(スペース)に電気ヒータを設けているが、これにより、電気ヒータの寿命を縮めてしまったり、場合によっては、電気ヒータを破損させてしまうおそれがある。より具体的に述べると、電気ヒータから放射される熱によって内槽の温度が上昇すると、内槽から発せられる熱は、内槽の内側のみならず、外側に位置する空間にも伝わってくることになり、次第に電気ヒータが存在する空間の温度も上昇させてしまう。そして、空間の温度が上昇し高温になってくると、必然的に電気ヒータに負荷を掛けることになり、結果として、電気ヒータを短寿命にしてしまったり、破損させてしまうことになる。特に、電気ヒータの端子部分は、比較的熱に弱いことから、なおさら破損の危険性を孕んでいる。他方、電気ヒータが存在する空間の温度上昇を避けるためには、電気ヒータの出力を抑える必要があるが、出力が低すぎれば、金属を溶解できない、あるいは金属の溶解に時間がかかってしまうといった問題が発生する。このような問題を解決するためには、電気ヒータの使用時において、電気ヒータの出力を維持しつつ、何らかの手段を用いて電気ヒータを冷却することが絶対条件になってくる。
そこで、本発明は、上記課題を解決すべく、使用状態にある輻射式ヒータを適切に冷却することで、輻射式ヒータに掛かる負荷を軽減し、ひいては、輻射式ヒータの破損等を回避し得る金属溶解保持炉を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために本発明は、被溶解金属または溶解金属を収容する坩堝と、前記坩堝を囲繞する坩堝収容筐体と、前記坩堝の外側面と前記坩堝収容筐体の内側面の間に位置し、前記坩堝を輻射熱によって加熱する輻射式ヒータと、前記輻射式ヒータの外周と所定間隔を設けて該輻射式ヒータの外周を包囲する管状部材とを備えた金属溶解保持炉であって、前記管状部材は、前記輻射式ヒータから発せられた輻射熱を透過可能に構成されていると共に、前記輻射式ヒータを冷却する冷却機能を備えていることを特徴としている。
また、本発明における前記冷却機能は、前記管状部材と前記輻射式ヒータの間に存在する隙間に気体または液体を流通させ得るようにしてもよい。
さらに、本発明における前記冷却機能は、前記管状部材の両端部のそれぞれを前記坩堝収容筐体の外部に露出させ、該管状部材の一方の端部から取り込んだ気体または液体を該管状部材の他方の端部から排出させるようにして形成してもよい。
本発明によれば、輻射式ヒータを作動させている間、輻射式ヒータを冷却させ続けることができるため、輻射式ヒータに掛かる負荷を軽減し、ひいては、輻射式ヒータの破損等を回避することができる。
架台上に設置した金属溶解保持炉の斜視図。 架台上に設置した金属溶解保持炉の縦断面正面図。 金属溶解保持炉の横断面平面図。 管状部材及び輻射式ヒータの横断平面図。 輻射式ヒータの側面図。 金属溶解保持炉の平面図。 金属溶解保持炉の底面図。 金属溶解保持炉の側面図。 他の実施例の輻射式ヒータの側面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図1は架台上に設置した金属溶解保持炉の斜視図、図2は架台上に設置した金属溶解保持炉の縦断面正面図、図3は金属溶解保持炉の横断面平面図、図4は管状部材及び輻射式ヒータの横断面平面図、図5は輻射式ヒータの側面図である。これら図面に示された本実施形態に係る金属溶解保持炉は、被溶解金属を収容する坩堝1と、坩堝1を囲繞する坩堝収容筐体2と、坩堝1の外側面と坩堝収容筐体2の内側面の間に位置し、坩堝1を輻射熱によって加熱する輻射式ヒータ3と、輻射式ヒータ3の外周と所定間隔を設けて該輻射式ヒータ3の外周を包囲する管状部材4と、管状部材4の外方に設けられた反射板5とによって概略構成されている。なお、この実施形態における金属溶解保持炉は、架台6の上に載置されている。
前記坩堝1は、黒鉛等を圧縮焼成したもので、上下方向に所定の高さを有する有底円筒形状に形成されている。すなわち、この坩堝1は、平面視円形形状の底部の周縁から上方へ起立する周壁部を設けて形成されており、その上部は開口している。そして、底部及び周壁部の内側の空間部に被溶解金属を収容できるようになっている。なお、坩堝1は、後述する坩堝設置台16の上面に図示しない断熱シートを介して載置されている。
前記坩堝収容筐体2は、坩堝1を囲繞して坩堝1を内部に収容するように構成されている。そして、坩堝収容筐体2は、坩堝1を取り囲んで、坩堝1との間の空間部分に外気が流入することを遮断する気密性が保持されるようになっている。ここで、坩堝収容筐体2の構成を具体的に説明すると、坩堝収容筐体2は、坩堝1よりも内径が大きく、また、上部と下部のそれぞれが開口する円筒形状に形成された本体10と、本体10の上部開口を覆って閉塞する上蓋11と、本体10の下部開口を覆って閉塞する下蓋12とによって構成されている。さらに具体的には、本体10は、外側部分が鉄等の金属板により円筒状に形成され、その内側部分に断熱性部材を重合して形成されている。一方、上蓋11及び下蓋12は、いずれも、その縦横辺の長さが本体10の直径よりも大きい正方形であり、且つ所定の厚みを有する板状に形成されている。また、上蓋11及び下蓋12のいずれも、周囲が鉄等の金属板によって形成され、その内部に断熱性部材を収容して形成されている。さらに、上蓋11の中心部には、坩堝1の外法の直径よりも大きな直径の円形状の開口孔13が穿設されている。そして、この開口孔13の上部には、該開口孔13を塞ぐ開閉蓋14が設けられている。なお、開閉蓋14は、開口孔13の直径よりも大きな直径の円板状に形成されており、図示はしないが、一端部が上蓋12とヒンジされていて、開閉蓋14の一端側を上方に移動させることにより、開口孔13を開放することができるようになっている。ちなみに、この開閉蓋14も周囲が鉄等の金属板によって形成され、その内部に断熱性部材を収容して形成されている。一方、下蓋12の中心部には、後述する坩堝設置台16を挿通させるための孔であり、坩堝設置台16の直径と略同じ直径の円形状の台挿通用孔15が穿設されている。また、上蓋11及び下蓋12のそれぞれにおいて、上蓋11は、その開口孔13から外方へやや離れた位置、下蓋12は、その台挿通孔15から外方へやや離れた位置に、これら開口孔13、台挿通孔15を囲むように、管状部材4の外法の直径と略同じ直径の円形状の管状部材挿通用孔17,17・・が等間隔に複数穿設されている。さらに、上蓋11及び下蓋12のそれぞれにおいて、管状部材挿通用孔17,17,・・から外方(坩堝収容筐体2側)位置に円弧状の反射板挿通用スリット18,18,・・が複数穿設されている。この反射板挿通用スリット18,18,・・は、その中央部が管状部材挿通孔17,17,・・の一部と連通している。なお、この実施形態では、上蓋11及び下蓋12のそれぞれに管状部材挿通用孔17、及び反射板挿通用スリット18が12個ずつ穿設されている。さらに、上蓋11及び下蓋12のそれぞれの四隅部には、支持ロッド19を挿通するためのロッド挿通用孔が穿設されている。
前記輻射式ヒータ3は、この実施形態において、赤外線ヒータが用いられている。そして、この赤外線ヒータ3は、図4及び図5に示されているように、不活性ガスが充填されたガラス管25の内部に、長尺薄板状の炭素発熱体26と、この炭素発熱体26の両端部のそれぞれに位置してリード線27を接続させるリード線接続部(端子)28,28とによって形成されている。そして、ガラス管25の外部に導出されたリード線27を介して、赤外線ヒータ3の炭素発熱体26に対し通電可能になっている。なお、この実施形態における赤外線ヒータ3の炭素発熱体26には、長手方向に沿った片側縁から他側縁の手前まで切り込まれた複数のスリット29,29・・が等間隔に設けられていて、これらスリット29,29・・は、隣り合うスリット29,29の切込み始端部が逆向きになるように配置されている。すなわち、あるスリット29が片側縁から切り込まれている場合、その隣に位置するスリット29は他側縁から切り込まれており、これらが交互に連続するようになっている。なお、赤外線ヒータ3の上端部には、管状部材4の上端を当接させて掛止するための当接金具20が装着されている。
前記管状部材4は、赤外線ヒータ3の外周を包囲する管状に形成されており、両端部、すなわち、上端と下端のそれぞれが開口されている。また、管状部材4が赤外線ヒータ3を包囲した状態において、それらの間には周回状の隙間Sが設けられるようになっている。すなわち、管状部材4の内周面が、赤外線ヒータ3の外周面と所定の間隔を設けて位置するようになっていて、この隙間S部分を空気が通過し得るように構成されている(冷却手段)。また、管状部材4は、赤外線ヒータ3が放射した赤外線を透過可能な素材、この実施形態においては、ガラスによって形成されている。
前記反射板5は、管状部材4の外方、具体的には、管状部材4が坩堝1と正対していない側に位置して、赤外線ヒータ3から放射された赤外線を坩堝1側へ反射させる部材であり、円弧状に湾曲する金属板により形成されている。そして、反射板5の内面には、その全体に亘り反射塗料が塗布されている。
前記架台6は、細幅矩形状の4枚の金属板を枠状に形成した上枠30と下枠31を上下に所定の間隔を設けて位置させ、これら上枠30と下枠31の四隅部分のそれぞれに支持板32,32,・・を固着して形成されている。また、上枠30の上端には、正方形の天板33が固着されている。なお、架台6の上枠30と下枠31の縦横寸法は、坩堝収容筐体2の上蓋11及び下蓋12と同一サイズに形成されている。また、天板33の中心から所定距離をおいた位置に、管状部材4の内法の直径と略同じ直径の円形状の空気取入孔34,34・・が等間隔に複数穿設されている。なお、これら空気取入孔34,34,・・は、坩堝収容筐体2の上蓋11及び下蓋12のそれぞれに設けられている管状部材挿通用孔17,17,・・と鉛直な一直線上に位置している。さらに、天板33の四隅部のそれぞれには、支持ロッド19を挿通するためのロッド挿通用孔が穿設されている。また、架台6の下端四隅部のそれぞれには、キャスター35,35,・・が装着されていて、架台6上に設けられた金属溶解保持炉を移動可能にしている。
次に、前述した構成要素からなる金属溶解保持炉の組み付けについて説明する。まず、架台6の天板33の四隅部に穿設されているロッド挿通用孔のそれぞれに支持ロッド19,19,・・を挿入する。なお、支持ロッド19の外周にはネジが螺刻されている。そして、天板33の下面及び上面の双方から支持ロッド19にナットを締付けて支持ロッド19が天板33の上方に起立した状態にする。次いで、支持ロッド19における天板33から上方に所定距離をおいた位置にナットを取着する。そして、坩堝収容筐体2の下蓋12のロッド挿通用孔を支持ロッド19,19,・・の上端から挿通して、下蓋12を支持ロッド19に固定された上に裁置すると共に、下蓋12の上面をナットによって締付けて下蓋12を固定する。次に、下蓋12の中央部に穿設されている台挿通用孔15に坩堝設置台16を挿入し、坩堝設置台16を台挿通用孔15に嵌合させた状態で下蓋12上に裁置する。なお、この時、坩堝設置台16の上端部が、下蓋12の上方に突出した状態になっている。そして、下蓋12の上面に坩堝収容筐体2の本体10を裁置する。次いで、支持ロッド19における下蓋12から上方に所定距離をおいた位置に取着する。そして、坩堝収容筐体2の上蓋11のロッド挿通用孔を支持ロッド19,19,・・の上端から挿通して、上蓋11を支持ロッド19に固定されたナット上に裁置すると共に、上蓋12の上面をナットによって締付けて上蓋11を固定する。この時、本体10の上面と上蓋11の下面に隙間が生じないようにする。次いで、上蓋11の反射板挿通用スリット18,18,・・から反射板5,5,・・を挿入する。これにより、反射板5,5,・・は、本体10内に位置することになる。次に、上蓋11の管状部材挿通用孔17,17,・・から管状部材4,4,・・を挿入し、管状部材4,4,・・の下端を下蓋12の管状部材挿通用孔17,17に挿通させる。なお、架台6の天板33の空気取入孔34は、その直径が管状部材4の外法の直径よりも小さく設定されているので、管状部材4,4,・・の下端が、空気取入孔34,34,・・から抜け落ちることはない。すなわち、管状部材4,4,・・の下端が架台6の天板33の上面に裁置されている状態になる。もっとも、空気取入孔34の直径は、管状部材4の内法の直径と略一致しているため、空気取入孔34,34,・・から管状部材4,4,・・へ外気を流入させることができる。この状態において、管状部材4,4,・・は、その上端部が上蓋11の上方に突出している。次いで、管状部材4,4,・・の内側に赤外線ヒータ3を挿入する。なお、赤外線ヒータ3は、その長手方向の寸法が管状部材4よりも長く設定されていると共に、その上端部に当接金具20が設けられているため、赤外線ヒータ3,3,・・は、その当接金具20によって管状部材4,4,・・に掛止された状態になる。最後に、坩堝収容筐体2の上蓋11の開口孔13から坩堝1を挿入して、坩堝設置台16に坩堝1を載置する。以上により、金属溶解保持炉の組付けが終了する。
次に、以上のように構成された本実施形態に係る金属溶解保持炉を用いて金属を溶解し、いわゆる溶湯を生成する方法について説明する。まず、坩堝収容筐体2の上蓋11に設けられている開閉蓋14を開放し、上蓋11の開口孔13に坩堝1の開口を臨ませる。そして、この開口孔13から被溶解金属、ここではアルミニウム合金のインゴットを投入し、坩堝1内に収容する。この時、坩堝1内に投入するインゴットの量は、坩堝1の容量を考慮して決定する。次いで、坩堝収容筐体2の開閉蓋14を閉止し、坩堝収容筐体2の内部を密閉した状態にした後に、赤外線ヒータ3を作動させる。これにより、赤外線ヒータ3から放射された赤外線は、坩堝1の外周に照射され坩堝1を加熱する。そして、坩堝1が熱を帯びると今度は、坩堝1の熱が坩堝1の内周面に接しているアルミニウム合金に伝導され、アルミニウム合金を溶解する。すなわち、坩堝1の熱が、まず、坩堝1の内面と接触しているアルミニウム合金に伝わり、その接触部分から溶解を始める。そして、アルミニウムが溶解し液状化が進むにつれ、アルミニウムと坩堝1の接触面積が拡大していくため、アルミニウムはどんどん溶解していき、最終的には、アルミニウムが完全に液状化し、いわゆる溶湯が生成されることになる。
ちなみに、前述したアルミニウム合金の溶解過程において、本実施形態の金属溶解保持炉は、次のような作用効果を奏する。すなわち、アルミニウム合金の溶解過程において、赤外線ヒータ3からの輻射熱によって坩堝1の温度が上昇すると、坩堝1から発せられる熱は、坩堝1の外側の空間にも伝わり、次第に坩堝収容筐体2内の温度は上昇していくことになる。そして、坩堝収容筐体2内の温度が上昇すれば、ここに設置されている電気ヒータ3に負荷を掛けてしまい、場合によっては、電気ヒータ3を破損させてしまうことになる。また、電気ヒータを構成するガラス管は、その耐熱温度を越えると、吸湿し白濁してしまうことになるが、この白濁によって電気ヒータから発せられる赤外線がガラス管の内側に反射し、さらに電気ヒータの破損の可能性を高めてしまうことにもなりかねない。この点、本実施形態に係る金属溶解保持炉は、これを避けるべく、赤外線ヒータ3が輻射熱を発するとほぼ同時に、赤外線ヒータ3を冷却し得るようになっている。すなわち、赤外線ヒータ3を作動させると、赤外線ヒータ3自体も熱を持つことになり、その周囲の空気が暖められる。ここで、赤外線ヒータ3の下端部は、坩堝収容筐体2の下端部に露出しているため、必然的に、この露出した赤外線ヒータ3の下端部周囲の外気も暖められる。そして、暖められた外気は自然対流により、赤外線ヒータ3の下端に位置する架台6の天板33の空気取入孔34から流入し、赤外線ヒータ3と管状部材4の間に形成された隙間Sを通過して、管状部材4の上端開口から排出されることになる。従って、赤外線ヒータ3を作動させている間中、空気が隙間Sを流通していることになるため、赤外線ヒータ3は空気によって冷却され続けている状態を維持することができる。特に、坩堝1については、輻射熱によって加熱されるため、その温度を下げず、赤外線ヒータ3のみを冷却できる点はきわめて有益である。また、坩堝1を加熱している間、常に赤外線ヒータ3のみを冷却できるので、赤外線ヒータ3の出力を高く設定できるという利点もある。
なお、以上の説明においては、本発明の金属溶解炉としての側面を示したが、本発明は、金属保持炉としての側面も併せ持つ。すなわち、溶解した液状の金属を坩堝1内に収容し、この溶解状態を保持するための炉として使用することも可能である。
図9は、赤外線ヒータについての他の実施例の側面図である。この実施例に示す赤外線ヒータ50は、2つの炭素発熱体51,52を横並びに配置すると共に、これら炭素発熱体51,52をガラス管53の内部に収容して形成している。このように、炭素発熱体を2つ設けた場合、赤外線ヒータ50の出力を高くすることができると共に、リード線54,54を赤外線ヒータ50の上端にまとめて引き出すことが可能になるという利益を享受できる。
ちなみに、上記実施形態では、輻射式ヒータ(赤外線ヒータ)を冷却する手段として、自然対流を利用して管状部材との隙間に外気を流通させる例を示したが、他の冷却手段を採用することも可能である。例えば、管状部材と輻射式ヒータの間隙部分に圧送ポンプ等を用いて空気を流通させるような手段を採用してもよい。また、それ以外の手段として、管状部材と赤外線ヒータの間隙部分に冷却水や冷却ガスなどの媒体を流通させるような手段を採用することも可能である。さらに、上記実施形態では、管状部材の両端部のそれぞれを坩堝収容筐体の外部に露出させ、ここから外気を流入・排出し得るようにした例を示したが、必ずこのようにしなければならないわけではない。すなわち、管状部材の端部を坩堝収容筐体内に位置させたとしても、当該端部に空気や液体を搬送する手段を別途設ければ、本発明の目的を達成することができる。また、上記実施形態において、坩堝の例として、黒鉛等を圧縮焼成したものを示したが、これに限られず、坩堝が他の素材によって形成されていてもよい。さらに、上記実施形態では、管状部材がガラスによって成形されている例を示したが、輻射式ヒータから発せられた輻射熱が透過し得るようになっているのであれば、別の素材で成形することも可能である。また、上記実施形態において、坩堝収容筐体の例として、本体、上蓋、下蓋という別々の3部材によって構成されている例を示したが、これに限られるわけではなく、例えば、本体、上蓋、下蓋を一体に成型しても本発明の目的は達成できる。また、上記実施形態において、金属溶解保持炉で溶解される金属としてアルミニウムを例として挙げたが、本発明に係る金属溶解保持炉は、もちろん他の金属の溶解にも使用することができる。
1 坩堝1
2 坩堝収容筐体
3 輻射式ヒータ
4 管状部材

Claims (1)

  1. 被溶解金属または溶解金属を収容する坩堝と、
    前記坩堝を囲繞する坩堝収容筐体と、
    前記坩堝の外側面と前記坩堝収容筐体の内側面の間に位置し、前記坩堝を輻射熱によって加熱する輻射式ヒータと、
    前記輻射式ヒータの外周と所定間隔を設けて該輻射式ヒータの外周を包囲する管状部材とを備えた金属溶解保持炉であって、
    前記管状部材は、前記輻射式ヒータから発せられた輻射熱を透過可能に構成されていると共に、その少なくとも下端部が外気を流入させ得るよう前記坩堝収容筐体の外部に露出させて構成され、
    前記輻射式ヒータの作動により外気が暖められると、対流によって前記管状部材の下端部から外気を取り込み該管状部材の他方の端部から排出されるように形成されていることを特徴とする金属溶解保持炉。
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