JP2003277157A - 焼成炉 - Google Patents
焼成炉Info
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Abstract
の熱歪みを抑制することができる焼成炉を提供する。 【解決手段】 焼成室15を区画する主隔壁14は、マ
イクロ波によって自己発熱する発熱層14aと該発熱層
14aの外側を包囲する断熱性及びマイクロ波透過性を
有する断熱層14bからなる。この主隔壁14は、マイ
クロ波によって自己発熱する発熱層16aを含んだ補助
隔壁16によって外側を包囲されている。
Description
インセラミックス材料などで形成された被焼成体をマイ
クロ波によって焼成して焼成体を製造する焼成炉に関す
るものである。
先に次のようなものを提案している。すなわち、発熱層
と該発熱層の外側を包囲する断熱層とからなる隔壁によ
り区画された焼成室を備え、その焼成室内に配置される
被焼成体に対してマイクロ波を照射して被焼成体を焼成
するというものである。前記発熱層は被焼成体とほぼ等
価なマイクロ波吸収特性を有する材料から形成され、前
記断熱層は断熱性及びマイクロ波透過性を有する材料か
ら形成されている。
マイクロ波による発熱量がほぼ等しくなるため、被焼成
体と発熱層の内側表面の間に熱平衡が成立する。このた
め、放射冷却によって被焼成体に熱勾配が発生するのを
抑制することができ、前記熱勾配に起因する熱歪みを抑
制することができる。
は、例えばファインセラミックス材料で形成された被焼
成体を焼成した場合など比較的高温度で焼成を行なった
ときに、焼成体に大きな熱歪みが発生して割れが生じる
ことがあった。これは、焼成温度が上昇するにつれて断
熱層の熱伝導率が大きくなるために、発熱層の熱エネル
ギーが断熱層を介し外部へ失われやすくなって、その結
果、被焼成体と発熱層の内側表面の間の熱平衡が崩れる
ことに起因すると考えられる。
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、比較的高温度で焼成を行なう場合でも焼成
体の熱歪みを抑制することができる焼成炉を提供するこ
とにある。
めに、請求項1に記載の発明は、マイクロ波によって自
己発熱する発熱層と該発熱層の外側を包囲する断熱性及
びマイクロ波透過性を有する断熱層とを含む隔壁により
区画された焼成室を備え、その焼成室内に配置される被
焼成体に対してマイクロ波を照射して被焼成体を焼成す
る焼成炉であって、前記発熱層よりも外側に加熱源が設
けられたことを要旨とする。
の焼成炉において、前記加熱源が、前記発熱層とは別に
設けられたマイクロ波によって自己発熱する他の発熱層
であることを要旨とする。
の焼成炉において、前記加熱源が、電熱ヒータであるこ
とを要旨とする。請求項4に記載の発明は、請求項1に
記載の焼成炉において、前記加熱源が、加熱媒体の流路
であることを要旨とする。
の焼成炉において、前記発熱層には、焼成室に向かって
開口する通孔が前記加熱媒体の流路と連通して設けられ
たことを要旨とする。
具体化した第1実施形態について図1及び図2を参照し
て説明する。
概略平断面図である。同図に示す焼成炉は、陶磁器材料
又はファインセラミックス材料を所定形状に成形してな
る被焼成体10を焼成して焼成体を製造するためのもの
である。
を備えている。チャンバ11の内面は、マイクロ波を反
射する材料で形成されている。前記マイクロ波を反射す
る材料の具体例としては、ステンレス鋼などの金属が挙
げられるが、反射効率が向上することからチャンバ11
の内面には銅メッキを施すことが望ましい。
してのマイクロ波発振器12が導波管13を介して接続
されている。そして、マイクロ波発振器12から出力さ
れるマイクロ波は、導波管13を経由してチャンバ11
内に入射されるようになっている。マイクロ波の周波数
は0.9〜100GHzが好ましく、0.9〜10GH
zがより好ましく、特に2.45GHzが好ましい。周
波数が0.9GHz未満では、波長が長くなりすぎると
ともにマイクロ波の吸収率が低下するため好ましくな
い。逆に100GHzを超える場合には、高価なマイク
ロ波発振器12が必要となるため好ましくない。マイク
ロ波発振器12から出力されるマイクロ波を2.45G
Hzとした場合には、マイクロ波発振器12を比較的小
型で低価格なもので済ますことができる。本実施形態の
場合、2.45GHzのマイクロ波を出力するマイクロ
波発振器12(出力1.5kW)が6台(図1では4台
のみ示す。)使用されている。
て区画された焼成室15がある。図2は、その焼成室1
5を示す概略平断面図である。焼成室15の容積は、
0.3〜0.6m3が好ましい。
層14aの外側を包囲する断熱層14bからなる二層構
造になっている。発熱層14aは、マイクロ波によって
自己発熱する材料で形成されている。前記マイクロ波に
よって自己発熱する材料の具体例としては、ムライト系
材料、窒化ケイ素系材料、アルミナなど、被焼成体10
とほぼ等価なマイクロ波吸収特性を有する材料が挙げら
れる。一方、断熱層14bは、断熱性及びマイクロ波透
過性を有する材料で形成されている。前記断熱性及びマ
イクロ波透過性を有する材料の具体例としては、アルミ
ナファイバー、発泡アルミナ、レンガなどが挙げられ
る。
壁16によって外側を包囲されている。補助隔壁16
は、主隔壁14と同様、発熱層16aと該発熱層16a
の外側を包囲する断熱層16bからなる二層構造になっ
ている。発熱層16aはマイクロ波によって自己発熱す
る材料で形成され、断熱層16bは断熱性及びマイクロ
波透過性を有する材料で形成されている。補助隔壁16
の発熱層16aを構成するマイクロ波によって自己発熱
する材料並びに断熱層16bを構成する断熱性及びマイ
クロ波透過性を有する材料の具体例はそれぞれ、主隔壁
14の発熱層14a及び断熱層14bのそれと同じであ
る。なお、補助隔壁16は、主隔壁14に対し所定のク
リアランスCをもって設けられている。
たマイクロ波を攪拌するためのマイクロ波攪拌手段を備
えている。マイクロ波攪拌手段は、チャンバ11の内面
に内側に向かって延設された回転軸17と、回転軸17
に支持された攪拌羽根18と、攪拌羽根18を回転軸1
7を中心にして積極回転させる駆動モータ19とから構
成されている。
造方法について説明する。焼成体を製造する場合には、
陶磁器材料又はファインセラミックス材料を所定形状に
成形して被焼成体10を作製し、その被焼成体10を焼
成室15内に配置する。そして、マイクロ波発振器12
を作動させて、マイクロ波をチャンバ11に入射させ
る。チャンバ11に入射したマイクロ波は、断熱層14
b,16bを透過して発熱層14a,16a及び被焼成
体10に吸収されて熱エネルギーに変換され、その結
果、被焼成体10が加熱焼成される。
て、以下に記載する。 ・ 補助隔壁16を省いて焼成炉を構成した場合(従来
の焼成炉の場合)、比較的高温度で焼成を行なったとき
に特に、発熱層14aの熱エネルギーが断熱層14bを
介し外部に失われやすいために、被焼成体10と発熱層
14aの内側表面の間の熱平行が崩れやすくなる。しか
し、本実施形態の焼成炉によれば、主隔壁14の外側を
包囲するように設けられた補助隔壁16の発熱層16a
がマイクロ波によって自己発熱することによって、発熱
層14aから外部へ向かう熱流束が抑制され、その結
果、発熱層14aの熱損失が抑制される。このため、被
焼成体10と発熱層14aの内側表面の間の熱平衡の崩
れに起因する焼成体の熱歪みを抑制することができる。
従って、陶磁器材料で形成された被焼成体10を焼成す
るときのような焼成温度が比較的低い場合はもちろん、
ファインセラミックス材料で形成された被焼成体10を
焼成するときのような焼成温度が比較的高い場合であっ
ても、焼成体の熱歪みを抑制することができる。
を抑えるべく主隔壁14の断熱層14bの厚みを増大さ
せるのでなく、発熱層16aを含む補助隔壁16を主隔
壁14の外側に包囲させることによって、焼成体の熱歪
みの抑制を実現している。このため、断熱層14bの厚
みを増大させることなく焼成体の熱歪みを抑制すること
ができ、断熱層14bの厚みの増大に伴う炉の大型化・
高コスト化のおそれがない。
外側を断熱層16bによって包囲されているので、マイ
クロ波による発熱層16aの自己発熱に基づく主隔壁1
4の熱損失抑制効果をより確実に発揮させることがで
き、ひいては焼成体の熱歪みの抑制効果を向上させるこ
とができる。
たクリアランスCは、特に1000℃以下の低温域に設
けた場合には、主隔壁14と補助隔壁16の間を断熱す
るように働くため、主隔壁14の熱損失をさらに抑制す
ることができ、ひいては焼成体における熱歪みの抑制効
果を向上させることができる。
ロ波攪拌手段の働きでマイクロ波の反射方向が時間的に
変化される結果、チャンバ11内におけるマイクロ波の
電界分布は一様に近い状態となる。このため、焼成ムラ
を抑制して均一に焼成することが可能である。
た第2実施形態について図3を参照して説明する。な
お、この第2実施形態においては、第1実施形態の構成
と同一又は相当する構成については同一の符号を付して
その説明を省略し、第1実施形態と異なる点を中心に説
明する。
概略平断面図である。同図に示すように、本実施形態で
は、第1実施形態における補助隔壁16が省略され、そ
れに代わって、電熱ヒータ20(加熱源)が主隔壁14
の外側に設けられている。
合には、マイクロ波発振器12を作動させると同時に電
熱ヒータ20も作動させるようにする。本実施形態の焼
成炉によれば、主隔壁14の外側に設けられた電熱ヒー
タ20から発せられる熱によって、発熱層14aから外
部へ向かう熱流束が抑制され、その結果、発熱層14a
の熱損失が抑制される。このため、被焼成体10と発熱
層14aの内側表面の間の熱平衡の崩れに起因する焼成
体の熱歪みを抑制することができる。
を調節することによって自在に調節できるので、被焼成
体10の材質や焼成温度等に応じて電熱ヒータ20の発
熱量の最適化を図ることで、発熱層14aの内側表面温
度と被焼成体10の温度を実質的に同一とし、より確実
に焼成体の熱歪みを抑制することができる。
構成することもできる。 ・ 前記第1実施形態において、補助隔壁16を複数備
えた構成としてもよい。そして、主隔壁14を補助隔壁
16で二重、三重、あるいはそれ以上に包囲するように
構成してもよい。このように構成すれば、焼成に際して
の主隔壁14の熱損失をさらに抑制することができ、焼
成体の熱歪みをさらに抑制することができる。また、二
重、三重と補助隔壁16の数を増やすほど、より高い焼
成温度の場合にも対応することができる。
16の断熱層16bを省いて構成してもよい。 ・ 前記第1実施形態の補助隔壁16の構成を次のよう
に変更してもよい。すなわち、断熱層16bの外側に発
熱層16aが位置したり、断熱層16bの中間部に中間
層として発熱層16aが位置したりしてもよい。
ンスCを省いて構成してもよい。すなわち、補助隔壁1
6を主隔壁14に接するようにして設けてもよい。 ・ 前記第1実施形態において、主隔壁14と補助隔壁
16の間のクリアランスCを加熱媒体の流路として利用
するようにしてもよい。すなわち、クリアランスCに加
熱媒体を出入りさせることができるように補助隔壁16
に導入口と導出口を形成し、クリアランスCに加熱媒体
を流通させるようにしてもよい。加熱媒体の例として
は、加熱空気などの加熱ガスが好ましい。なお、クリア
ランスCを加熱媒体の流路として利用する場合には、補
助隔壁16の発熱層16aを省いてもよい。
流通する加熱媒体から発せられる熱によって、発熱層1
4aから外部へ向かう熱流束が抑制され、その結果、発
熱層14aの熱損失が抑制される。このため、被焼成体
10と発熱層14aの内側表面の間の熱平衡の崩れに起
因する焼成体の熱歪みを抑制することができる。
から発せられる熱エネルギーの量は、加熱媒体の温度や
流量を調節することによって自在に調節することができ
る。従って、被焼成体10の材質や焼成温度等に応じて
加熱媒体の温度や流量の最適化を図ることで、発熱層1
4aの内側表面温度と被焼成体10の温度を実質的に同
一とし、より確実に焼成体の熱歪みを抑制することがで
きる。
4の断熱層14bに厚さ方向に貫通する貫通孔を設ける
ようにしてもよい。このように構成すれば、補助隔壁1
6の発熱層16aから発せられる熱によって主隔壁14
の発熱層14aが加熱されることで、発熱層14aのマ
イクロ波吸収特性、すなわち発熱量が変化するようにな
る。従って、被焼成体10の材質や焼成温度等に応じて
補助隔壁16の発熱層16aを適切なものに置き換える
ことによって主隔壁14の発熱層14aの発熱量を調節
し、発熱層14aの内側表面温度と被焼成体10の温度
を実質的に同一にすることで、多様な被焼成体の焼成に
も対応することができる。
リアランスCを加熱媒体の流路として利用した場合にお
いては、加熱媒体から発せられる熱によって主隔壁14
の発熱層14aが加熱されることで、発熱層14aのマ
イクロ波吸収特性、すなわち発熱量が変化するようにな
る。従って、被焼成体10の材質や焼成温度等に応じて
加熱媒体の温度や流量を調節することによって主隔壁1
4の発熱層14aの発熱量を調節し、発熱層14aの内
側表面温度と被焼成体10の温度を実質的に同一にする
ことで、多様な被焼成体の焼成にも対応することができ
る。
4に厚さ方向に貫通する貫通孔(焼成室15に向かって
開口する通孔)を設けるようにしてもよい。このように
構成すれば、補助隔壁16の発熱層16aから発せられ
る熱によって主隔壁14の発熱層14aが加熱されるこ
とで、発熱層14aのマイクロ波吸収特性、すなわち発
熱量が変化するようになる。従って、被焼成体10の材
質や焼成温度等に応じて補助隔壁16の発熱層16aを
適切なものに置き換えることによって主隔壁14の発熱
層14aの発熱量を調節し、発熱層14aの内側表面温
度と被焼成体10の温度を実質的に同一にすることで、
多様な被焼成体の焼成にも対応することができる。
リアランスCを加熱媒体の流路として利用した場合にお
いては、加熱媒体から発せられる熱によって主隔壁14
の発熱層14aが加熱されることで、発熱層14aのマ
イクロ波吸収特性、すなわち発熱量が変化するようにな
る。従って、被焼成体10の材質や焼成温度等に応じて
加熱媒体の温度や流量を調節することによって主隔壁1
4の発熱層14aの発熱量を調節し、発熱層14aの内
側表面温度と被焼成体10の温度を実質的に同一にする
ことで、多様な被焼成体の焼成にも対応することができ
る。
助隔壁16の発熱層16aから発せられる熱あるいは加
熱媒体から発せられる熱によって、主隔壁14の発熱層
14aがその外側表面からだけでなく前記貫通孔の内周
面からも加熱されることになるので、発熱層14aの温
度制御が容易ともなる。
4の断熱層14bに厚さ方向に貫通する貫通孔を設ける
ようにしてもよい。このように構成すれば、電熱ヒータ
20から発せられる熱によって主隔壁14の発熱層14
aが加熱されることで、発熱層14aのマイクロ波吸収
特性、すなわち発熱量が変化するようになる。従って、
被焼成体10の材質や焼成温度等に応じて電熱ヒータ2
0への通電量を調節することによって主隔壁14の発熱
層14aの発熱量を調節し、発熱層14aの内側表面温
度と被焼成体10の温度を実質的に同一にすることで、
多様な被焼成体の焼成にも対応することができる。
4に厚さ方向に貫通する貫通孔(焼成室15に向かって
開口する通孔)を設けるようにしてもよい。このように
構成すれば、電熱ヒータ20から発せられる熱によって
主隔壁14の発熱層14aが加熱されることで、発熱層
14aのマイクロ波吸収特性、すなわち発熱量が変化す
るようになる。従って、被焼成体10の材質や焼成温度
等に応じて電熱ヒータ20への通電量を調節することに
よって主隔壁14の発熱層14aの発熱量を調節し、発
熱層14aの内側表面温度と被焼成体10の温度を実質
的に同一にすることで、多様な被焼成体の焼成にも対応
することができる。しかも、このように構成した場合に
は、電熱ヒータ20から発せられる熱によって、主隔壁
14の発熱層14aがその外側表面からだけでなく前記
貫通孔の内周面からも加熱されることになるので、発熱
層14aの温度制御が容易ともなる。
タ20を、主隔壁14の発熱層14aと断熱層14bの
間に設けるように変更してもよい。このように構成すれ
ば、電熱ヒータ20から発せられる熱によって主隔壁1
4の発熱層14aが加熱されることで、発熱層14aの
マイクロ波吸収特性、すなわち発熱量が変化するように
なる。従って、被焼成体10の材質や焼成温度等に応じ
て電熱ヒータ20への通電量を調節することによって主
隔壁14の発熱層14aの発熱量を調節し、発熱層14
aの内側表面温度と被焼成体10の温度を実質的に同一
にすることで、多様な被焼成体の焼成にも対応すること
ができる。
4bの間にクリアランスを設けるようにし、そのクリア
ランスを加熱媒体の流路として用いてもよい。このよう
に構成すれば、加熱媒体から発せられる熱によって主隔
壁14の発熱層14aが加熱されることで、発熱層14
aのマイクロ波吸収特性、すなわち発熱量が変化するよ
うになる。従って、被焼成体10の材質や焼成温度等に
応じて加熱媒体の温度や流量を調節することによって発
熱層14aの発熱量を調節し、発熱層14aの内側表面
温度と被焼成体10の温度を実質的に同一することで、
多様な被焼成体の焼成にも対応することができる。
4bの間にクリアランスを設けるようにし、そのクリア
ランスを加熱媒体の流路として用いるとともに、前記発
熱層14aに厚さ方向に貫通する貫通孔(焼成室15に
向かって開口する通孔)を設けるようにしてもよい。こ
のように構成すれば、加熱媒体から発せられる熱によっ
て主隔壁14の発熱層14aが加熱されることで、発熱
層14aのマイクロ波吸収特性、すなわち発熱量が変化
するようになる。従って、被焼成体10の材質や焼成温
度等に応じて加熱媒体の温度や流量を調節することによ
って主隔壁14の発熱層14aの発熱量を調節し、発熱
層14aの内側表面温度と被焼成体10の温度を実質的
に同一にすることで、多様な被焼成体の焼成にも対応す
ることができる。しかも、このように構成した場合に
は、加熱媒体から発せられる熱によって、主隔壁14の
発熱層14aがその外側表面からだけでなく前記貫通孔
の内周面からも加熱されることになるので、発熱層14
aの温度制御が容易ともなる。
ロ波発振器12から出力されるマイクロ波の周波数がい
ずれも同じ(2.45GHz)であったが、複数あるマ
イクロ波発振器12のうち一部の発振器12から出力さ
れるマイクロ波の周波数がそれ以外の発振器12から出
力されるマイクロ波の周波数と異なってもよい。このよ
うに構成すればチャンバ11内での定在波の発生を抑制
することができ、焼成ムラを抑制してより均一に焼成す
ることができる。
12から出力されるマイクロ波の周波数が常に一定
(2.45GHz)で不変であったが、発振器12から
出力されるマイクロ波の周波数を時間的に変化させても
よい。このように構成した場合も定在波の発生を抑制す
ることができ、焼成ムラを抑制してより均一に焼成する
ことができる。
材料を所定形状に成形してなる成形体を素焼きしたも
の、成形体に施釉をしたもの、あるいは成形体を素焼き
してさらに施釉したものを被焼成体10として用いるよ
うにしてもよい。
らに具体的に説明する。 (実施例1)純度99.5%のアルミナで形成された被
焼成体10(重量580g)を図1に示す第1実施形態
の焼成炉を使って焼成した。ただし、本例においては、
純度95%のアルミナで発熱層14aを形成し、金属酸
化物を添加したムライトで発熱層16aを形成し、アル
ミナファイバーボードで断熱層14b,16bを形成し
た。発熱層14a,16aの厚さは2mm、断熱層14
b,16bの厚さは40mmである。
第1実施形態の焼成炉を使って、実施例1と同様にして
被焼成体10を焼成した。
第1実施形態の焼成炉を使って、純度99.5%のアル
ミナで形成された被焼成体10(重量50g)を焼成し
た。ただし、本例においては、純度95%のアルミナで
発熱層14aを形成し、アルミナファイバーボードで断
熱層14bを形成した。発熱層14aの厚さは2mm、
断熱層14bの厚さは200mmである。
たところ、実施例1及び比較例2で得られた焼成体には
いずれも熱歪みが認められなかったが、比較例1で得ら
れた焼成体には熱歪みが認められた。以上の結果から、
補助隔壁16がない場合には主隔壁14の断熱層14b
を厚くしないと熱歪みを抑制することができないが、補
助隔壁16を設けた場合には主隔壁14の断熱層14b
を厚くすることなく熱歪みを抑制できることが示され
た。
思想について以下に記載する。 ・ 前記他の発熱層の外側に、同他の発熱層の外側を包
囲する断熱性及びマイクロ波透過性を有する断熱層が設
けられたことを特徴とする請求項2に記載の焼成炉。こ
のように構成すれば、他の発熱層による隔壁の熱損失抑
制効果をより確実に発揮させることができ、ひいては焼
成体の熱歪みの抑制効果を向上させることができる。
ほぼ等価なマイクロ波吸収特性を有する材料で形成した
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項
に記載の焼成体の製造方法。このように構成すれば、被
焼成体と発熱層の内側表面の間に熱平衡を容易に成立さ
せることができる。
に記載の焼成炉を用いて被焼成体を焼成し焼成体を製造
する焼成体の製造方法。
ため、次のような効果を奏する。各請求項に記載の発明
によれば、発熱層よりも外側に設けられた加熱源から発
せられる熱によって、発熱層から外部へ向かう熱流束が
抑制され、発熱層の熱損失が抑制されることから、被焼
成体と発熱層の内側表面の間の熱平衡の崩れに起因する
焼成体の熱歪みを抑制することができる。従って、比較
的高温度で焼成を行なう場合でも焼成体の熱歪みを抑制
することができる。
面図。
面図。
発熱層、14b…断熱層、15…焼成室、16a…加熱
源としての発熱層、20…加熱源としての電熱ヒータ。
Claims (5)
- 【請求項1】 マイクロ波によって自己発熱する発熱層
と該発熱層の外側を包囲する断熱性及びマイクロ波透過
性を有する断熱層とを含む隔壁により区画された焼成室
を備え、その焼成室内に配置される被焼成体に対してマ
イクロ波を照射して被焼成体を焼成する焼成炉であっ
て、 前記発熱層よりも外側に加熱源が設けられたことを特徴
とする焼成炉。 - 【請求項2】 前記加熱源が、前記発熱層とは別に設け
られたマイクロ波によって自己発熱する他の発熱層であ
ることを特徴とする請求項1に記載の焼成炉。 - 【請求項3】 前記加熱源が、電熱ヒータであることを
特徴とする請求項1に記載の焼成炉。 - 【請求項4】 前記加熱源が、加熱媒体の流路であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の焼成炉。 - 【請求項5】 前記発熱層には、焼成室に向かって開口
する通孔が前記加熱媒体の流路と連通して設けられたこ
とを特徴とする請求項4に記載の焼成炉。
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---|---|---|---|
JP2002076383A JP3799454B2 (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | 焼成炉 |
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JP2002076383A JP3799454B2 (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | 焼成炉 |
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