JP6759669B2 - シラノール縮合触媒組成物およびシラン架橋ポリエチレン - Google Patents
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Description
一方、有機スズ化合物に代わるシラノール縮合触媒として、特許文献1には、トリオレイルホスファイト等の亜リン酸エステル化合物を用いることが記載されている。
本発明のシラノール縮合触媒組成物は、ポリエチレンと、下記式(1)で表されるシラノール縮合触媒とを含み、かつ該シラノール縮合触媒の含有量がポリエチレン100重量部に対して0.01〜15重量部であることを特徴とする。
本発明のシラノール縮合触媒組成物に用いるポリエチレンは、エチレン単位を50重量%以上含有するものであればその種類は特に制限されない。ただし、このポリエチレンは後述するシラン変性ポリエチレンは含まれず、これとは区別して用いるものとする。
本発明のシラノール縮合触媒組成物は、下記式(1)で表されるシラノール縮合触媒を含む。本発明のシラノール縮合触媒組成物において、下記式(1)で表されるシラノール縮合触媒がシラン架橋ポリエチレンを得る際のシラノール縮合反応における触媒成分として作用する。
なお、ここでRの炭素数とは、Rが置換基を有する場合、その置換基の炭素数も含めた合計の炭素数をさす。
本発明において、前記式(1)で表されるシラノール縮合触媒は、中和剤の存在下において、触媒性能が低下し難いという効果を奏するため、中和剤を含むシラノール縮合触媒組成物として好適に用いることができる。中和剤は通常、ポリエチレンの製造工程において含まれるものであるが、前述のポリエチレンに含まれるものであってもよく、このような場合に該当する例として、後述するシラン架橋ポリエチレンに含まれる成分として含有される場合が挙げられる。
〔M2+ 1−xM3+ x(OH)2〕(Ax/n・mH2O) (2)
本発明のシラノール縮合触媒組成物において、シラン変性ポリエチレンを配合し、後に詳述するように架橋反応を進行させることによりシラン架橋ポリエチレンを得ることができる。
R2Si(R3)3 (3)
本発明のシラノール縮合触媒組成物には、以上に挙げた成分以外に本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、各種目的に応じて以下の添加剤やポリエチレン以外の樹脂(以下、「その他の樹脂」と称する。)等の任意成分を配合することができる。
本発明のシラノール縮合触媒組成物において、前述のシラン変性ポリエチレンを配合して架橋反応させることによりシラン架橋ポリエチレンを得ることができる。この架橋反応は通常、シラン変性ポリエチレンを含むシラノール縮合触媒組成物を押出成形、射出成形、プレス成形等の各種成形方法により成形した後、水雰囲気中に曝すことにより、シラノール基間の架橋反応を進行させることにより実施することができる。水雰囲気中に曝す方法は、各種の条件を採用することができ、水分を含む空気中に放置する方法、水蒸気を含む空気を送風する方法、水浴中に浸漬する方法、温水を霧状に散水させる方法等が挙げられる。
本発明のシラノール縮合触媒組成物及びそれを用いて得られるシラン架橋ポリエチレンは前述の通り、押出成形、射出成形、プレス成形等の各種成形方法により成形体とすることができる。この成形体は電線・ケーブル被覆材、パイプ、ホース、チューブ、各種容器、シーリング材、フィルム、シート等の各種形状、態様で好適に用いることができる。
<原料>
以下の原料を用いた。
(シラノール縮合触媒)
・シラノール縮合触媒−1(城北化学工業社製 JP‐524R(テトラコシルアシッドホスフェート、式(1)おいて、nが1又は2の混合物であり、R1が−C24H49であるもの))
・シラノール縮合触媒−2(比較例用)(城北化学工業社製 DBP(ジブチルホスフェート、式(1)において、nが2、R1が−C4H9であるもの))
・シラノール縮合触媒−3(比較例用)(城北化学工業社製 JPE‐208(ビス(2−エチルヘキシル)ハイドロゲンホスファイト、下記式(4)で表される化合物)
・ポリエチレン−1:日本ポリエチレン社製「LD400」
・酸化防止剤−1:BASF社製 RA1010
・酸化防止剤−2:BASF社製 MD1024
・酸化防止剤−3:住友化学社製 スミライザー(登録商標)WXRC
・滑剤−1:デュポン社製 バイトン(登録商標)フリーフローSCPL100
上記の各原料を表−1に示す配合割合で、内容量1.0Lの加圧ニーダーへ挿入し、加圧ニーダーの設定温度120℃で混練し、せん断発熱による自己発熱で樹脂温度が150℃になった時点で混練を終了した。得られた混合物をロールによりシート化した後、ペレタイザーでペレット化してシラノール縮合触媒マスターバッチを製造した。
<原料>
以下の各原料を用いた。
・シラン変性ポリエチレン(三菱化学社製、リンクロン(登録商標)XCF800N)
・シラノール縮合触媒マスターバッチ(実施例1−1、比較例1−1及び比較例1−2のそれぞれにおいて製造したもの)
・ステアリン酸カルシウム(日東化成工業社製)
・ハイドロタルサイト類化合物DHT−4A(登録商標)(協和化学工業社製、Mg4.3Al2(OH)12.6CO3・mH2O)
上記原料を用い、表−2に示す配合割合で混合したものを20mmφ押出機で温度210℃にて押出し、厚み1mmの押出しシートを作成した。得られた押出しシートを80℃の温水に所定時間浸漬することにより架橋処理を行い、シラン架橋ポリエチレンを得た。得られたシラン架橋ポリエチレンの押出しシートを用いてゲル分率の測定を行った。これらの結果を表−2に示す。
表−2のゲル分率の値から明らかなとおり、実施例2−1と比較例2−1、2−2、2−3のそれぞれにおいて、ステアリン酸カルシウム、またはハイドロタルサイト類化合物を配合していない場合には、ゲル分率の値は同等であり、いずれのシラン架橋ポリエチレンもシラノール縮合反応が同程度の触媒活性で進行して得られたものであることがわかる。一方、ステアリン酸カルシウムまたはハイドロタルサイト類化合物を配合した場合について比較すると、実施例2−1、2−2と比べて比較例2−1〜2−3ではいずれもゲル分率の値が大きく低下しており、シラノール縮合反応の進行が不十分であることがわかる。即ち、シラノール縮合触媒組成物にステアリン酸カルシウムまたはハイドロタルサイト類化合物を配合した場合、比較例2−1、2−2、2−3では触媒活性が大きく低下するのに対し、実施例2−1,2−2では触媒活性の低下が低いことがわかる。
Claims (6)
- 前記中和剤が脂肪酸金属塩及び/又はハイドロタルサイト類化合物である、請求項1に記載のシラノール縮合触媒組成物。
- シラン変性ポリエチレンを含み、シラン変性ポリエチレン100重量部に対して前記ポリエチレンと前記シラノール縮合触媒を合計0.1〜30重量部含む、請求項1又は2に記載のシラノール縮合触媒組成物。
- 請求項3に記載のシラノール縮合触媒組成物中の前記シラン変性ポリエチレンを前記シラノール縮合触媒で架橋反応させてなるシラン架橋ポリエチレンであって、前記ポリエチレンと前記中和剤と前記シラノール縮合触媒とを含むシラン架橋ポリエチレン。
- 以下の方法で測定される前記シラン架橋ポリエチレンのゲル分率が65%以上である、請求項4に記載のシラン架橋ポリエチレン。
<ゲル分率の測定方法>
架橋処理で得られたシラン架橋ポリエチレンのシート(厚さ1mm)を144℃の沸騰キシレン中で10時間ソックスレー抽出を行い、次いで、溶解しなかった樹脂を乾燥後に重量を測定し、ソックスレー抽出前のサンプル重量に対する割合(%)として算出する。 - 請求項4又は5に記載のシラン架橋ポリエチレンを成形してなる成形体。
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