JP6759299B2 - 成形体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、成形体の製造方法及び製造装置に関し、より詳しくは、ワークの端部を折り曲げ加工して、端部が折り曲げ加工された成形体を製造する方法及び装置に関する。
自動車等の車両におけるルーフパネルの室内面側には、天井に貼る内装材(天井内張り)として、樹脂シート等のシート材を含む成形体で形成された成形天井が装着されていることが多い。この成形天井は、ルーフパネルの室内面側を覆う寸法及び形状に形成されることから、サンルーフを備える車両に装着される成形天井の場合には、サンルーフを設けるための開口部が形成されている。その成形天井の開口部の周縁部の下方側は、室内に露出するため、意匠性の観点から、折り曲げ加工等の処理を施すことが行われている。
例えば特許文献1には、ワークの端部を加熱手段により加熱する加熱工程と、第1ブロックが押圧することにより前記ワークの端部を略垂直に折り曲げる1次折曲工程と、第2ブロックが押圧することにより前記略垂直に折り曲げられた部位を更に折り曲げて折り返す2次折曲工程と、を備えた成形体の製造方法に関する発明が開示されている。特許文献1では、上記加熱手段として、ヒータブロックのようにワークに直接接触して加熱する加熱部材が記載されている。
また、例えば特許文献2には、所定構成の積層成形品の開口周縁部に沿って設けられた巻き込み条片の裏面側に対して、熱風ノズルから所定温度の熱風を吹き付けた後、巻き込み条片を巻き込み駒の動作により裏面側に巻き込む、積層成形品の端末処理方法に関する発明が開示されている。
特開2010−52400号公報 特開2013−52563号公報
上述の特許文献1及び2に開示されたような技術によって、綺麗な仕上がりにて折り曲げ加工(以下、巻き込み加工も含む)が施された端部を有する成形体を製造することができる。一方、ワークの端部を折り曲げ加工して、端部が折り曲げ加工された成形体を製造する技術においては、さらに効率良く製造することができる技術が望まれている。
そこで本発明は、端部が折り曲げ加工された成形体をさらに効率良く製造することが可能な技術を提供しようとするものである。
本発明は、ワークの端部を折り曲げ加工して、前記端部が折り曲げ加工された成形体を製造する方法であって、前記ワークの折り曲げ位置に、前記ワークにおける前記端部以外の部分が加熱されることを抑制する遮熱板を当接させる遮熱板の配置工程と、前記遮熱板が当接した前記ワークの前記端部を、熱風ヒーターで加熱しつつ、赤外線ヒーターで加熱する加熱工程と、加熱された前記ワークの前記端部を折り曲げ加工する折り曲げ工程と、を含む、成形体の製造方法を提供する。
また、本発明は、ワークの端部を折り曲げ加工して、前記端部が折り曲げ加工された成形体を製造する装置であって、前記ワークの前記端部を加熱する加熱ユニットと、前記加熱ユニットによる加熱時に前記ワークの折り曲げ位置に当接して前記ワークにおける前記端部以外の部分が加熱されることを抑制する遮熱板を含む遮熱ユニットと、を備えており、前記加熱ユニットは、前記遮熱板が当接した前記ワークの前記端部を加熱する熱風ヒーターと、前記熱風ヒーターによる加熱と並行して前記ワークの前記端部を加熱する赤外線ヒーターとを含む、成形体の製造装置を提供する。
本発明によれば、端部が折り曲げ加工された成形体をさらに効率良く製造することが可能な技術を提供することができる。
本発明の一実施形態の製造装置の一例の概略構成を示す説明図である。 図1に示す製造装置における加熱ユニットの概略構成を示す説明図である。 図1に示す製造装置の動作を説明するための図であり、ワークの端部を加熱する際の状態を表す図である。 図3Aに示す状態の後の製造装置の動作を説明するための図であり、加熱されたワークの端部を折り曲げようとしている状態を表す図である。 図3Bに示す状態の後の製造装置の動作を説明するための図であり、ワークの端部を遮熱板に支持させて折り曲げている状態を表す図である。 図3Cに示す状態の後の製造装置の動作を説明するための図であり、折り曲げられた端部をさらに折り曲げて折り返している状態を表す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
<製造方法>
本発明の一実施形態の成形体の製造方法(以下、「本実施形態の製造方法」と記載することがある。)は、ワークの端部を折り曲げ加工して、端部が折り曲げ加工された成形体を製造する方法である。本実施形態の製造方法は、遮熱板を配置する工程(遮熱板の配置工程)と、ワークの端部を加熱する工程(加熱工程)と、加熱されたワークの端部を折り曲げ加工する工程(折り曲げ工程)とを含む。
「ワーク」とは、本実施形態の製造方法における加工対象物を意味し、本実施形態の製造方法によって得られる成形体の折り曲げ加工される前の状態の物である。ワークは、その端部が加熱工程によって軟化して折り曲げ加工されやすい状態になるものであれば特に限定されない。好適なワークとしては、合成樹脂を含むシート材を挙げることができる。シート材にはフィルムも含まれ、シート材の厚さは、例えば0.05mm〜10mm程度のものを使用することができる。
より好適なワークとしては、例えば、自動車等の車両におけるルーフパネルの室内面側に設けられる成形天井や、車両におけるラゲージトリム及びドアトリム等に用いられるシート材を挙げることができる。そのようなシート材として、基材層と、基材層の表面側(室内面側)に設けられた表皮層とを含む積層シート材がさらに好適である。基材層としては、ウレタン樹脂が好ましく、ウレタン樹脂層の両面にガラス繊維マットを積層した構成のものがより好ましい。表皮層としては、クロスシート、不織布シート、及び熱可塑性樹脂シート等の表皮材、並びにそれらの表皮材の裏面にポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、及びポリプロピレンフォーム等のクッション層を裏打ちした積層表皮材等を挙げることができる。また、上記積層シート材は、基材層の裏面側(室外面側)に不織布(裏面不織布)が設けられたものがさらに好ましく、裏面不織布としては、ポリエステル繊維不織布が好適である。
遮熱板の配置工程では、ワークの折り曲げ位置に、ワークにおける端部以外の部分が加熱されることを抑制する遮熱板を当接させる。本実施形態の製造方法は、遮熱板の配置工程を含むため、この工程の後に行われる加熱工程における熱風ヒーター及び赤外線ヒーターを併用した熱によって、ワークの端部以外の部分が変形するのを抑制することができる。また、遮熱板をワークの折り曲げ位置に当接させるため、加熱工程の後の折り曲げ工程において、遮熱板をワークの折り曲げ位置に当接させた状態としておくことにより、遮熱板をワークの折り曲げ支持板としても機能させることができる。
加熱工程では、遮熱板が当接したワークの端部を、熱風ヒーターで加熱しつつ、赤外線ヒーターで加熱する。ワークの折り曲げ位置に遮熱板が当接した状態で加熱工程を行うことにより、ワークにおける端部以外の部分が加熱されることを抑制しつつ、ワークの端部を加熱することができる。ワークの端部の折り曲げ加工に先立って、ワークの端部を加熱することにより、ワークの端部を軟化させることができ、ワークの端部を折り曲げ加工しやすい状態にすることができる。
また、本実施形態の製造方法では、熱風ヒーター及び赤外線ヒーターを併用することによって、特許文献1に開示されたようなヒータブロックのみによる加熱や、特許文献2に開示されたような熱風のみによる加熱に比べて、ワークの端部をより効率良く加熱することができる。したがって、本実施形態の製造方法では、上述した従来技術における加熱手法や赤外線ヒーターのみによる加熱手法に比べて、ワークの端部の加熱時間を短縮することができ、ワークの端部を折り曲げ加工しやすくするのに十分な熱を短時間で付与することができる。それにより、本実施形態の製造方法は、ワークの端部を折り曲げ加工するのに要するサイクルタイムの短縮化にも貢献することができる。
ワークの端部を「熱風ヒーターで加熱しつつ、赤外線ヒーターで加熱する」ことは、熱風ヒーターによる加熱と、赤外線ヒーターによる加熱とが同時に行われる状態を含むことを意味する。したがって、熱風ヒーターによる加熱と赤外線ヒーターによる加熱の開始及び終了のタイミングがずれていてもよい。本実施形態の製造方法では、遮熱板が当接したワークの端部を、赤外線ヒーターで加熱する前に熱風ヒーターで加熱し、その熱風ヒーターで加熱している間に赤外線ヒーターで加熱することが好ましい。これにより、ワークの端部をより効率良く加熱することができ、加熱時間のさらなる短縮化、ひいては、サイクルタイムのさらなる短縮化に貢献することができる。
熱風ヒーター及び赤外線ヒーターの大きさ、形状、及び設置数等は、特に限定されないが、熱風ヒーターの吹き出し口及び赤外線ヒーターを、ワークの端部における折り曲げ加工が施される領域に沿って配置して、加熱工程を行うことが好ましい。これによって、ワークの端部における折り曲げ加工が施される領域の長さ方向の全長にわたって、略均一に加熱することができ、加熱ムラを抑制することができる。
ここで、ヒーターをワークの端部における折り曲げ加工が施される領域に沿って配置する場合、その領域の大きさ(長さ)に対応したヒーターを作製するよりも、その領域の大きさに比して小さい既存製品のヒーターを複数個並べて配置する方が、ヒーターの調達にかかるコスト面で良い場合がある。そのような観点から、複数の赤外線ヒーターをワークの端部における折り曲げ加工が施される領域に沿って並べて配置し、その複数の赤外線ヒーターのみでワークの端部を加熱すると、赤外線ヒーターの継ぎ目部分での隙間に起因して、加熱ムラが生じやすい。そのような場合に生じる加熱ムラも、熱風ヒーターを併用することで、抑制することができる。
また、ワークの端部における折り曲げ加工が施される領域の一部に加熱ムラが生じると、製造された成形体における折り曲げ加工された端部において段差が生じることがある。そのような段差の発生も、熱風ヒーターの吹き出し口及び赤外線ヒーターを、ワークの端部における折り曲げ加工が施される領域に沿って配置して加熱工程を行うことにより、抑制することができる。さらに、上記段差がある成形体を、車両のルーフパネルにおける成形天井等に用いると、段差による影響で光漏れが生じることがあるが、そのような光漏れ発生の抑制にも貢献することができる。
加熱工程で用いる赤外線ヒーターは、発熱体に電流を流して赤外線を放射させることを利用したヒーターである。好適な赤外線ヒーターとしては、発熱体としてのハロゲンランプから発生される放射熱を利用したハロゲンヒーター;発熱体として炭素繊維を用いたカーボンヒーター;発熱体としてセラミックスを用いたセラミックヒーター等を挙げることができる。これらのなかでも、ハロゲンヒーターがより好ましい。
加熱工程では、赤外線ヒーターによる熱をワークの端部へ向けて反射する反射材をさらに用いることが好ましい。このような反射材を用いることにより、赤外線ヒーターから発生する熱をワークの端部へ向かう方向に集中させやすくなることから、ワークの端部をさらに効率良く加熱することができる。反射材としては、赤外線ヒーターとは別体の反射板及び反射傘、並びに赤外線ヒーターに一体的に設けられた反射板及び反射膜等を挙げることができる。反射材の材質としては、例えば、セラミックス(例えばTiO、Ta、及びSiO等の1種又は2種以上)、及びアルミニウム等を挙げることができる。
加熱工程における加熱温度及び加熱時間は、前述のワークの材質、厚さ、及び大きさ等に応じて適宜決定し得る。例えば、ワークとして、前述の車両の成形天井に好適なシート材が用いられる場合では、そのシート材(ワーク)の表面温度が180〜300℃(より好ましくは200〜280℃、さらに好ましくは220〜250℃)となる加熱温度に設定することが好ましい。この場合、熱風ヒーター及び赤外線ヒーターの併用による加熱温度は、熱風ヒーターの吹き出し口(出口)付近において、350〜600℃であることが好ましく、400〜570℃であることがより好ましく、420〜550℃であることがさらに好ましい。また、この場合の熱風ヒーター及び赤外線ヒーターの併用による加熱時間は、2〜20秒であることが好ましく、5〜15秒であることがより好ましく、5〜10秒であることがさらに好ましい。
折り曲げ工程では、加熱工程によって加熱されたワークの端部を折り曲げ加工する。この折り曲げ工程によって、ワークの端部が折り曲げ加工された成形体を得ることができる。折り曲げ加工においても、前述の遮熱板をワークの折り曲げ位置に当接させた状態に維持しておくことが好ましい。それにより、遮熱板をワークの折り曲げ支持板として用いることもできる。すなわち、折り曲げ工程は、ワークの折り曲げ位置から、ワークの端部を遮熱板に支持させて遮熱板の面に沿って折り曲げる工程を含むことが好ましい。遮熱板をそのままワークの折り曲げ支持板としても利用することで、遮熱と折り曲げの支持とを一度の動作で行うことが可能となり、生産効率の向上、ひいては製造コストの削減に寄与することができる。
折り曲げ工程では、ワークの端部を押圧するブロックを用いることが好ましい。そのブロックにより、まず、ワークの折り曲げ位置から、端部を遮熱板に支持させて遮熱板の面に沿って折り曲げる工程(1次折り曲げ工程)を行うことが好ましい。そして、その1次折り曲げ工程後、遮熱板を後退させ、1次折り曲げ工程で折り曲げられた端部を、ブロックでさらに折り曲げて折り返す工程(2次折り曲げ工程)を行うことが好ましい。このような1次折り曲げ工程と2次折り曲げ工程とを含む折り曲げ工程によって、綺麗な仕上がりで折り曲げ加工が施された端部を有する成形体をさらに効率良く得ることができる。
2次折り曲げ工程は、1次折り曲げ工程で折り曲げられた端部の根元である角部(ワークの折り曲げ位置に生じた角部)に規制部材を押し当てた状態で行われることが好ましい。これにより、2次折り曲げ工程において、さらに折り曲げて折り返す際に、規制部材が折り曲げられた部位の角部を押さえ、角部の高さが規制されることにより、製造される成形体における角部の高さを一定にすることができ、品質のばらつきを抑えることができる。ブロック及び規制部材は互いに着脱可能とすることができる。この場合、加熱工程及び1次折り曲げ工程においては、これらが一体化しており、一体に移動させることができ、かつ、2次折り曲げ工程においては、規制部材がブロックから分離して別体化し、それぞれ個別に移動させることができる。
<製造装置>
次に、上述の本実施形態の製造方法の実行に好適な本発明の一実施形態の成形体の製造装置(以下、「本実施形態の製造装置」と記載することがある。)について説明する。
本実施形態の製造装置は、ワークの端部を折り曲げ加工して、端部が折り曲げ加工された成形体を製造する装置である。この製造装置は、ワークの端部を加熱する加熱ユニットと、加熱ユニットによる加熱時にワークの折り曲げ位置に当接してワークにおける端部以外の部分が加熱されることを抑制する遮熱板を含む遮熱ユニットとを備える。また、加熱ユニットは、遮熱板が当接したワークの端部を加熱する熱風ヒーターと、熱風ヒーターによる加熱と並行してワークの端部を加熱する赤外線ヒーターとを含む。
本実施形態の製造装置は、遮熱板を含む遮熱ユニットを備えるため、加熱ユニットにおける熱風ヒーター及び赤外線ヒーターを併用した熱によって、ワークの端部以外の部分が変形するのを抑制することができる。また、遮熱板をワークの折り曲げ位置に当接させるため、ワークの端部を加熱した後に折り曲げる際に、遮熱板をワークの折り曲げ位置に当接させた状態としておくことにより、遮熱板にワークの折り曲げ支持板としての役割も持たせることができる。
本実施形態の製造装置は、遮熱板が当接したワークの端部を加熱する熱風ヒーターと、熱風ヒーターによる加熱と並行してワークの端部を加熱する赤外線ヒーターを含む加熱ユニットを備えるため、ワークの端部をより効率良く加熱することができる。熱風ヒーター及び赤外線ヒーターの併用によって、特許文献1に開示されたようなヒータブロックのみによる加熱や、特許文献2に開示されたような熱風のみによる加熱、さらには赤外線ヒーターのみによる加熱に比べて、ワークの端部の加熱時間を短縮することができる。
上記ヒータブロックによる加熱の場合では、高温のヒータブロックをワークの端部に接触させることから、温度が高すぎることに起因して生じ得るワークの炭化を抑制するために、ヒータブロックの温度をワークの材質に応じて可能な限り低くすることが望ましい。しかし、そうすると、加熱時間が長くなる傾向にある。また、ワークの端部にヒータブロックを押し当てる際にワークをヒータブロックとともに挟持する支持部材が必要となり、動作も複雑になりやすい。さらに、加熱の効率を高める観点から、ヒータブロックとワークの端部とを隙間無く接触させることが望ましいが、そのためにはヒータブロック及び支持部材をワークの形状に合致した三次元形状に加工する必要がある。これに対し、本実施形態の製造装置では、熱風ヒーター及び赤外線ヒーターを併用した加熱ユニットにより、加熱ユニットがワークに非接触の状態で、ワークの端部をより効率良く加熱することができる。そのため、ワークの端部の炭化を抑制でき、また、上述の支持部材を必要としないことから、動作の簡略化及び装置コストの抑制にも貢献することができる。
上記熱風のみによる加熱の場合も、加熱の効率に改善の余地があり、また、消費電力が高く、ワーク1つ当たりに使用するエネルギー量が高くなる傾向にある。これに対し、本実施形態の製造装置では、熱風ヒーター及び赤外線ヒーターを併用した加熱ユニットにより、ワークの端部をより効率良く加熱することができ、ワークの端部の加熱時間を短縮することができる。そのため、結果として、ワーク1つ当たりに使用するエネルギー量の低減に貢献することができる。
本実施形態の製造装置では、加熱ユニットにおける熱風ヒーターの吹き出し口と赤外線ヒーターとが、ワークの端部における折り曲げ加工が施される領域に沿って配置可能に並べて設けられていることが好ましい。これによって、ワークの端部における折り曲げ加工が施される領域の長さ方向の全長にわたって、均一に加熱することができ、加熱ムラを抑制することができる。また、加熱ムラの抑制によって、前述の通り、製造された成形体における折り曲げ加工された端部での段差の発生も抑制することができ、さらに、段差がある状態の成形体を成形天井に用いる場合に生じ得る光漏れ発生の抑制にも貢献することができる。
加熱ユニットにおける赤外線ヒーターとしては、前述の通り、ハロゲンヒーター、カーボンヒーター、及びセラミックヒーター等が好ましい。これらのなかでも、加熱ユニットは、赤外線ヒーターとして、ハロゲンヒーターを含むことがより好ましい。
また、上述の通り、加熱効率を高める観点から、加熱ユニットは、赤外線ヒーターによる熱をワークの端部へ向けて反射する反射材を含むことが好ましい。加熱ユニットは、赤外線ヒーターにおけるワークの端部側とは反対側に、例えば、赤外線ヒーターとは別体(外付け)の反射材(例えば反射板及び反射傘等)や、赤外線ヒーターに一体的に設けられた反射材(例えば内面が鏡面処理された石英管;石英管内に設けられた反射板;石英管の外表面にコーティングされた反射膜等)を備えることができる。部品点数を抑える観点から、加熱ユニットにおける赤外線ヒーターとしては、反射材としての反射膜が設けられた赤外線ヒーターがより好ましく、反射膜が設けられたハロゲンヒーター(反射膜付きハロゲンヒーター)がさらに好ましい。
本実施形態の製造装置では、上述した加熱ユニット及び遮熱ユニットのほか、加熱ユニットで加熱されたワークの端部を押圧することにより折り曲げるブロックを含む折り曲げユニットをさらに備えることが好ましい。この折り曲げユニットにおけるブロックの動作により、前述の製造方法で説明した1次折り曲げ工程及び2次折り曲げ工程を実行することが可能であり、それにより、綺麗な仕上がりで折り曲げ加工が施された端部を有する成形体をさらに効率良く得ることができる。
以下、車両の成形天井に適用される成形体の製造例を主に挙げて、本実施形態の製造装置のさらに好ましい構成及び動作等の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、各図においては、図面の見易さの観点から、一部の符号の図示を省略した箇所がある。
図1は、本実施形態の製造装置の一例の概略構成を示す説明図であり、その一例の製造装置10の初期状態を表す図である。図2は、図1に示す製造装置10における加熱ユニット20の概略構成を示す説明図であり、加熱ユニット20におけるヒーター駆動シリンダ23側から見た赤外線ヒーター22及び熱風ヒーター21の概略平面図である。図3A〜D(これらをまとめて図3と記載することがある。)は、図1に示す製造装置10の動作を説明するための図である。以下の説明では、ワーク70を載置する受け台60が固定された設置台61の面に略平行な面方向(図1及び図3の左右方向及び図面垂直方向に沿う面方向、並びに図2の図面垂直方向及び左右方向に沿う面方向)を「水平方向」と記載することがある。また、設置台61の面に対して略垂直な方向(図1〜3の上下方向)を「鉛直方向」と記載することがある。
図1に示す製造装置10は、ワーク70の端部71を加熱する加熱ユニット20と、加熱ユニット20による加熱時にワーク70の折り曲げ位置71aに当接する遮熱板31を含む遮熱ユニット30とを備える。加熱ユニット20は、遮熱板31が当接したワーク70の端部71を加熱する熱風ヒーター21と、熱風ヒーター21による加熱と並行してワーク70の端部71を加熱する赤外線ヒーター22とを含む。
本実施形態の製造装置における加熱ユニット及び遮熱ユニットは、上昇及び下降移動可能に構成されていることが好ましい。図示を省略するが、図1に示す製造装置10においては、加熱ユニット20及び遮熱ユニット30は、移動機構によって鉛直方向に上昇及び下降移動可能な可動台(図1における加熱ユニット20の上方に配置される)に取り付け具等を介して取り付けられている。これにより、加熱ユニット20及び遮熱ユニット30は、鉛直方向(図1の上下方向)に上昇及び下降移動可能となっている。
また、本実施形態の製造装置における加熱ユニットは、熱風ヒーター及び赤外線ヒーターが遮熱板に近づく方向及び遮熱板から離れる方向に移動可能に構成されていることが好ましい。具体的には、それらの方向に熱風ヒーター及び赤外線ヒーターを移動させることが可能な駆動シリンダ(ヒーター駆動シリンダ)が加熱ユニットに設けられていることがより好ましい。図1に示す製造装置10では、加熱ユニット20にヒーター駆動シリンダ23が設けられている。ワーク70の端部71を加熱する際には、ヒーター駆動シリンダ23の駆動によって、熱風ヒーター21及び赤外線ヒーター22を遮熱板31やワーク70側に近づく鉛直方向(図1及び図3の下方向)に下降させ、ワーク70の端部71に近い位置で加熱することができる(図3A参照)。また、加熱されたワーク70の端部71を折り曲げ加工する際には、ヒーター駆動シリンダ23の駆動によって、熱風ヒーター21及び赤外線ヒーター22を遮熱板31やワーク70から離れる鉛直方向(図1及び図3の上方向)に上昇させることができる(図3B参照)。
一方、本実施形態の製造装置における遮熱ユニットは、遮熱板をワークの端部の折り曲げ位置に進行する方向及び折り曲げ位置から離れる方向に移動可能に構成されていることが好ましい。具体的には、それらの方向に遮熱板を移動させることが可能な駆動シリンダ(遮熱板駆動シリンダ)が遮熱ユニットに設けられていることがより好ましい。図1に示す製造装置10では、遮熱ユニット30に遮熱板駆動シリンダ32が設けられている。ワーク70の端部71の加熱時等には、遮熱板駆動シリンダ32の駆動によって、遮熱板31をワーク70の折り曲げ位置71aに進行する水平方向(図1及び図3の左方向)に移動させ、折り曲げ位置71aに当接させて配置することができる(図3A参照)。また、ワーク70の端部71をさらに折り曲げて折り返す際や折り曲げ加工が終了した際には、遮熱板駆動シリンダ32の駆動によって、遮熱板31をワーク70の折り曲げ位置から離れる水平方向(図1及び図3の右方向)に移動させることができる(図3D参照)。
加熱ユニット20は、図2に示すように、熱風が流れる配管21a、熱風を吹き出すノズル部21b及びその吹き出し口21cを備える熱風ヒーター21と、熱風ヒーター21におけるノズル部21b側に配置された赤外線ヒーター22とを備える。加熱ユニット20における熱風ヒーター21の吹き出し口21cと赤外線ヒーター22とは、ワーク70の端部71における折り曲げ加工が施される領域(図2の左右方向)に沿って配置可能に並べて設けられていることが好ましい。これによって、ワーク70の端部71における折り曲げ加工が施される領域の長さ方向(図2の左右方向)の全長にわたって、略均一に加熱することができ、ワーク70の端部71の加熱ムラを抑制することができる。
赤外線ヒーター22は、L字型や、図2に示すようなコの字型(横長U字型)の形状に形成されたものが好ましい。これらのような形状の赤外線ヒーターによれば、その赤外線ヒーターの端部側に設けられることの多い封止部及びリード線等の部品を熱風ヒーター21の吹き出し口21cからある程度離すことができる。また、コの字型の赤外線ヒーター22は、長さ方向に沿う水平方向の部分にフィラメント等の熱源を備えていることで、上述のように、ワーク70の端部71における折り曲げ加工が施される領域に沿って配置可能に構成することができる。
さらに、図2に示す赤外線ヒーター22には、前述の反射膜付きハロゲンヒーターを用いることが好ましい。この反射膜付きハロゲンヒーターとしては、例えば、フィラメントや不活性ガス等が封入された石英管の外表面における、ワーク70の端部71側に配置される面とは反対側の面(半面程度)に反射膜を形成したハロゲンヒーターを用いることができる。このような反射膜付きハロゲンヒーターを用いることによって、そのハロゲンヒーターから発生する熱をワーク70の端部71へ向かう方向に集中させ、ワーク70の端部71をさらに効率良く加熱することができる。
なお、図2においては、5つの熱風ヒーター21の各吹き出し口21cと2つの赤外線ヒーター22が、略平行に並べて設けられているが、熱風ヒーター21及び赤外線ヒーター22の大きさ、形状、及び設置数等は、図2に示されるような態様に限定されない。
本実施形態の製造装置は、加熱ユニット及び遮熱ユニットとともに、ワークの押さえ部材を備えることが好ましく、上昇及び下降移動可能に構成された押さえ部材を備えることがより好ましい。図1に示す製造装置10は、ワーク70の押さえ部材41、及び棒状の取り付け具42を含む押さえユニット40を備えている。この押さえユニット40における押さえ部材41は、棒状の取り付け具42等により、上述した可動台(不図示)に取り付けられており、加熱ユニット20及び遮熱ユニット30とともに、鉛直方向に上昇及び下降(図1の上下方向)移動可能となっている。押さえ部材41を備える製造装置10によって、押さえ部材41でワーク70を抑えることができるため、ワーク70の端部71を加熱及び折り曲げ加工する際に、ワーク70の位置ずれを防止することができ、品質の安定した成形体を製造することができる。なお、図面の見易さの観点から、後述する図3A〜Dにおいては、取り付け具42の図示を省略する。
本実施形態の製造装置は、折り曲げ加工される前のワークを載置する受け台を備えることが好ましい。図1に示す製造装置10は、設置台61に固定された受け台60を備えており、その受け台60にワーク70を載置することができる。
本実施形態の製造装置は、上述の加熱ユニットで加熱されたワークの端部を押圧することにより折り曲げるブロックを含む折り曲げユニットをさらに備えることが好ましい。図1に示す製造装置10は、設置台61上に設けられた折り曲げユニット50を備えている。この折り曲げユニット50は、ブロック51と、板状の規制部材52と、ブロック51及び規制部材52を水平方向(図1の左右方向)に移動させる第1シリンダ53と、ブロック51を鉛直方向(図1の上下方向)に移動させる第2シリンダ54とを備えている。このような折り曲げユニット50によって、前述した1次折り曲げ工程と2次折り曲げ工程とを含む折り曲げ工程を容易に実行することができる。
本実施形態の製造装置は、加熱ユニットにおける熱風ヒーター及び赤外線ヒーターに対して加熱を実行及び停止させ、それらヒーターの作動を制御する制御部(制御盤)を備えることが好ましい。また、制御部は、前述した移動機構(可動台)や各シリンダに対して動作を実行及び停止させ、それらの駆動を制御することが好ましい。制御部は、さらに、各ヒーターによる加熱の温度及び時間等、並びに移動機構や各シリンダの移動量及び動作のタイミング等の制御を行うことが好ましい。図1に示す製造装置10も、そのような制御部(不図示)を備えている。制御部は、例えば、電源ユニット、CPUユニット、入力ユニット、出力ユニット、及び記憶ユニット等を備えることができる。制御部は、電源に接続され、制御部によって制御する対象部品とはケーブルで接続され、それらに電気や信号を送ることができる。
次に、図1に示す製造装置10の好ましい動作態様について、図1及び図3A〜Dを参照しながら説明する。
図1に示す初期状態から、前述の可動台(それに取り付けられた押さえユニット40、加熱ユニット20、及び遮熱ユニット30)を、受け台60に載置させたワーク70に向かって、押さえ部材41がワーク70を押さえるまで鉛直方向に下降させる。次いで、遮熱ユニット30における遮熱板駆動シリンダ32を駆動させて遮熱板31をワーク70の端部71の折り曲げ位置71aに進行する水平方向に移動させ、遮熱板31をワーク70の端部71の折り曲げ位置71aに当接させて配置する。このようにして、前述の遮熱板31の配置工程が実行される。また、加熱ユニット20におけるヒーター駆動シリンダ23を駆動させて、熱風ヒーター21及び赤外線ヒーター22を遮熱板31に近づく鉛直方向に下降させる。これらの動作により、製造装置10は図3Aに示すような状態となる。
図3Aに示す状態において、ワーク70の端部71を熱風ヒーター21で加熱しつつ、赤外線ヒーター22で加熱する工程(前述の加熱工程)を行う。このとき、遮熱板31は、ワーク70の折り曲げ位置71aに当接しているため、ワーク70における端部71以外の部分72が加熱されることを抑制することができる。また、加熱ユニット20によりワーク70の端部71を加熱する際には、ヒーター駆動シリンダ23により各ヒーター21、22を下降させる前(図3Aに示す状態となる前)に、予め熱風ヒーター21を作動させておき、各ヒーター21、22を下降させてから(図3Aに示す状態で)、赤外線ヒーター22を作動させることが好ましい。そのような動作により、ワーク70の端部71をより効率良く加熱することができる。その観点から、製造装置10の作動時においては、熱風ヒーター21の温度を常に高めた状態としておき、ヒーター駆動シリンダ23による各ヒーター21、22の下降、赤外線ヒーター22の点灯及び消灯、並びにヒーター駆動シリンダ23による各ヒーター21、22の上昇(図3B参照)という順に繰り返し行うことがより好ましい。
加熱ユニット20でワーク70の端部71を加熱することにより、ワーク70の端部71が軟化し、折り曲げ加工しやすい状態となった後、ヒーター駆動シリンダ23を駆動させ、熱風ヒーター21及び赤外線ヒーター22を遮熱板31から離れる鉛直方向(図3の上方向)に移動させる。また、それと同時又はその直後に、折り曲げユニット50における第2シリンダ54を駆動させてブロック51を上昇させる。これらの動作により、製造装置10は図3Bに示すような状態となる。上述のように、熱風ヒーター21及び赤外線ヒーター22を遮熱板31から離れる鉛直方向(図3の上方向)に移動させ、かつ、折り曲げユニット50におけるブロック51を鉛直方向に上昇移動させることにより、ワーク70の端部71を折り曲げ加工する動作(前述の折り曲げ工程)に素早く移行することができる。
次いで図3Cに示すように、第2シリンダ54の駆動により上昇したブロック51と、板状の規制部材52とを、折り曲げユニット50における第1シリンダ53の駆動によって、ワーク70に近づく水平方向であってワーク70を折り曲げる方向(図3の右方向)に移動させる。これにより、ワーク70の端部71を折り曲げる工程(前述の1次折り曲げ工程)を実行することができる。このとき、遮熱板31をワーク70の折り曲げ位置71aに当接させた状態に維持させておくことにより、ワーク70の端部71を遮熱板31に支持させて遮熱板31の面に沿って折り曲げることができる。また、規制部材52もブロック51とともにワーク70側に前進させることにより、折り曲げられた端部71の根元である角部(ワークの折り曲げ位置に生じた角部)71bに規制部材52を押し当てた状態にすることができる。
そして、図3Dに示すように、遮熱板駆動シリンダ32を駆動させて遮熱板31をワーク70の端部71の折り曲げ位置から後退する水平方向(図3Dの右方向)に移動させるとともに、ワーク70側に前進したブロック51をさらに第2シリンダ54の駆動によって、規制部材52とは分離させた状態で鉛直方向に下降させる。これにより、前述の2次折り曲げ工程が実行され、折り曲げられた端部71をさらに折り曲げて折り返すことができ、綺麗な仕上がりで折り曲げ加工が施された端部71を有する成形体をさらに効率良く得ることができる。このとき、1次折り曲げ工程で折り曲げられた端部71の根元である角部71bを規制部材52が押さえているため、角部71bの高さが規制されることにより、製造される成形体における角部71bの高さを一定にすることができ、品質のばらつきを抑えることができる。
ワーク70の端部71を折り返した後、第2シリンダ54を駆動させて、ブロック51を鉛直方向に上昇させた後、第1シリンダ53を駆動させてブロック51及び規制部材52をワーク70から離れる水平方向(図3の左方向)に移動させ、再度、第2シリンダ54を駆動させてブロック51を鉛直方向に下降させる。このようにして、折り曲げユニット50が初期状態に戻る。そして、前述の可動台をワーク70から離れる鉛直方向(図3の上方向)に上昇させ、可動台に取り付けられた押さえユニット40、加熱ユニット20、及び遮熱ユニット30が初期状態に戻る。最後に、ワーク70を受け台60から取り外し、端部71が綺麗な仕上がりで折り曲げ加工された成形体を得ることができる。
以上詳述した本実施形態の製造方法及び製造装置によれば、熱風ヒーター及び赤外線ヒーターの併用と、遮熱板の使用によって、ワークにおける端部以外の部分の加熱による変形を抑制しつつ、ワークの端部をより効率良く加熱することができる。したがって、本実施形態の製造方法及び製造装置によれば、従来技術に比べて、加熱時間及びサイクルタイムを短縮することができ、端部が折り曲げ加工された成形体をさらに効率良く製造することが可能である。
具体的には、赤外線ヒーター22として前述の反射膜付きハロゲンヒーターを備えた図1に示す製造装置10、並びにその製造装置10と比べて、赤外線ヒーターを備えていないことのみで相違する装置(すなわち、ワークの端部を熱風ヒーターのみで加熱する装置;「比較装置A」と称する)、及び加熱ユニット20の代わりに前述のヒータブロックを備えた装置(「比較装置B」と称する)を用いて比較試験を行った。その結果、比較装置Aでは、加熱時間が17〜25秒かかり、サイクルタイムが57秒であり、比較装置Bでは、加熱時間が50秒かかり、サイクルタイムが120秒であった。これに対し、製造装置10では、加熱時間が7〜10秒で、サイクルタイムが39秒であり、比較装置A及びBに比べて、加熱時間及びサイクルタイムが短く、端部が折り曲げ加工された成形体をさらに効率良く製造できたことが確認された。ここで、上記サイクルタイムは、ワーク70を受け台60に載置してから、端部71の折り曲げ加工が完了したワーク70を受け台60から取り出すまでにかかった時間である。
以上の通り、本発明の一実施形態の製造方法及び製造装置は、次のような構成を採ることが可能である。
[1]ワークの端部を折り曲げ加工して、前記端部が折り曲げ加工された成形体を製造する方法であって、前記ワークの折り曲げ位置に、前記ワークにおける前記端部以外の部分が加熱されることを抑制する遮熱板を当接させる遮熱板の配置工程と、前記遮熱板が当接した前記ワークの前記端部を、熱風ヒーターで加熱しつつ、赤外線ヒーターで加熱する加熱工程と、加熱された前記ワークの前記端部を折り曲げ加工する折り曲げ工程と、を含む、成形体の製造方法。
[2]前記熱風ヒーターの吹き出し口及び前記赤外線ヒーターを、前記ワークの前記端部における折り曲げ加工が施される領域に沿って配置して、前記加熱工程を行う上記[1]に記載の成形体の製造方法。
[3]前記赤外線ヒーターにハロゲンヒーターを用いる上記[1]又は[2]に記載の成形体の製造方法。
[4]前記赤外線ヒーターによる熱を前記ワークの前記端部へ向けて反射する反射材をさらに用いる上記[1]〜[3]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[5]前記折り曲げ工程は、前記ワークの前記折り曲げ位置から、前記端部を前記遮熱板に支持させて前記遮熱板の面に沿って折り曲げる工程を含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[6]前記折り曲げ工程は、前記ワークの前記端部を押圧するブロックにより、前記ワークの前記折り曲げ位置から、前記端部を前記遮熱板に支持させて前記遮熱板の面に沿って折り曲げる1次折り曲げ工程と、前記1次折り曲げ工程後、前記遮熱板を後退させ、前記1次折り曲げ工程で折り曲げられた前記端部を、前記ブロックでさらに折り曲げて折り返す2次折り曲げ工程と、を含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[7]ワークの端部を折り曲げ加工して、前記端部が折り曲げ加工された成形体を製造する装置であって、前記ワークの前記端部を加熱する加熱ユニットと、前記加熱ユニットによる加熱時に前記ワークの折り曲げ位置に当接して前記ワークにおける前記端部以外の部分が加熱されることを抑制する遮熱板を含む遮熱ユニットと、を備えており、前記加熱ユニットは、前記遮熱板が当接した前記ワークの前記端部を加熱する熱風ヒーターと、前記熱風ヒーターによる加熱と並行して前記ワークの前記端部を加熱する赤外線ヒーターとを含む、成形体の製造装置。
[8]前記加熱ユニットにおける前記熱風ヒーターの吹き出し口と前記赤外線ヒーターとが、前記ワークの前記端部における折り曲げ加工が施される領域に沿って配置可能に並べて設けられている上記[7]に記載の成形体の製造装置。
[9]前記加熱ユニットは、前記赤外線ヒーターとして、ハロゲンヒーターを含む上記[7]又は[8]に記載の成形体の製造装置。
[10]前記加熱ユニットは、前記赤外線ヒーターによる熱を前記ワークの前記端部へ向けて反射する反射材を含む上記[7]〜[9]のいずれかに記載の成形体の製造装置。
[11]前記加熱ユニットは、前記赤外線ヒーターとして、前記反射材としての反射膜が設けられたハロゲンヒーターを含む上記[10]に記載の成形体の製造装置。
[12]前記加熱ユニットで加熱された前記ワークの前記端部を押圧することにより折り曲げるブロックを含む折り曲げユニットをさらに備える上記[7]〜[11]のいずれかに記載の成形体の製造装置。
10 成形体の製造装置
20 加熱ユニット
21 熱風ヒーター
22 赤外線ヒーター
23 ヒーター駆動シリンダ
30 遮熱ユニット
31 遮熱板
32 遮熱板駆動シリンダ
40 押さえユニット
41 押さえ部材
42 取り付け具
50 折り曲げユニット
51 ブロック
52 規制部材
53 第1シリンダ
54 第2シリンダ
60 受け台
70 ワーク
71 端部

Claims (12)

  1. ワークの端部を折り曲げ加工して、前記端部が折り曲げ加工された成形体を製造する方法であって、
    熱風ヒーター及び赤外線ヒーター、並びに前記熱風ヒーター及び前記赤外線ヒーターを前記ワークに近づく鉛直方向及び前記ワークから離れる鉛直方向に移動させる駆動シリンダを含むとともに前記熱風ヒーターの吹き出し口と前記赤外線ヒーターとが並べて設けられた加熱ユニットと、前記ワークにおける前記端部以外の部分が加熱されることを抑制する遮熱板を含む遮熱ユニットとを備える装置を用い、
    前記ワークの折り曲げ位置に前記遮熱板を当接させる遮熱板の配置工程と、
    前記駆動シリンダにより、前記熱風ヒーター及び前記赤外線ヒーターを前記遮熱板に近づく鉛直方向に移動させることで、前記熱風ヒーターの吹き出し口及び前記赤外線ヒーターを前記ワークの前記端部における折り曲げ加工が施される領域に沿って配置し、前記遮熱板が当接した前記ワークの前記端部を、前記熱風ヒーターで加熱しつつ、前記赤外線ヒーターで加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程後、前記駆動シリンダにより、前記熱風ヒーター及び前記赤外線ヒーターを前記遮熱板から離れる鉛直方向に移動させた後、加熱された前記ワークの前記端部を折り曲げ加工する折り曲げ工程と、を含む、成形体の製造方法。
  2. 前記加熱工程における加熱温度は、前記ワークの表面温度が180〜300℃となる温度であり、前記加熱工程における加熱時間は、2〜20秒である請求項1に記載の成形体の製造方法。
  3. 前記赤外線ヒーターにハロゲンヒーターを用いる請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
  4. 前記赤外線ヒーターによる熱を前記ワークの前記端部へ向けて反射する反射材をさらに用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  5. 前記折り曲げ工程は、前記ワークの前記折り曲げ位置から、前記端部を前記遮熱板に支持させて前記遮熱板の面に沿って折り曲げる工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  6. 前記折り曲げ工程は、前記ワークの前記端部を押圧するブロックにより、前記ワークの前記折り曲げ位置から、前記端部を前記遮熱板に支持させて前記遮熱板の面に沿って折り曲げる1次折り曲げ工程と、
    前記1次折り曲げ工程後、前記遮熱板を後退させ、前記1次折り曲げ工程で折り曲げられた前記端部を、前記ブロックでさらに折り曲げて折り返す2次折り曲げ工程と、
    を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  7. ワークの端部を折り曲げ加工して、前記端部が折り曲げ加工された成形体を製造する装置であって、
    前記ワークの前記端部を加熱する加熱ユニットと、
    前記加熱ユニットによる加熱時に前記ワークの折り曲げ位置に当接して前記ワークにおける前記端部以外の部分が加熱されることを抑制する遮熱板を含む遮熱ユニットと、を備えており、
    前記加熱ユニットは、前記遮熱板が当接した前記ワークの前記端部を加熱する熱風ヒーターと、前記熱風ヒーターによる加熱と並行して前記ワークの前記端部を加熱する赤外線ヒーターと、前記熱風ヒーター及び前記赤外線ヒーターを前記ワークに近づく鉛直方向及び前記ワークから離れる鉛直方向に移動させる駆動シリンダと、を含むとともに、前記熱風ヒーターの吹き出し口と前記赤外線ヒーターとが、前記ワークの前記端部における折り曲げ加工が施される領域に沿って配置可能に並べて設けられている、成形体の製造装置。
  8. 前記熱風ヒーター及び前記赤外線ヒーターの作動を制御するとともに、前記駆動シリンダの駆動を制御する制御部を備える請求項7に記載の成形体の製造装置。
  9. 前記加熱ユニットは、前記赤外線ヒーターとして、ハロゲンヒーターを含む請求項7又は8に記載の成形体の製造装置。
  10. 前記加熱ユニットは、前記赤外線ヒーターによる熱を前記ワークの前記端部へ向けて反射する反射材を含む請求項7〜9のいずれか1項に記載の成形体の製造装置。
  11. 前記加熱ユニットは、前記赤外線ヒーターとして、前記反射材としての反射膜が設けられたハロゲンヒーターを含む請求項10に記載の成形体の製造装置。
  12. 前記加熱ユニットで加熱された前記ワークの前記端部を押圧することにより折り曲げるブロックを含む折り曲げユニットをさらに備える請求項7〜11のいずれか1項に記載の成形体の製造装置。
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