JP6758452B1 - インバータアセンブリ及び制御装置一体型回転電機 - Google Patents
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Abstract
Description
パワーモジュール間に複数のコンデンサを搭載する場合、パワーモジュール間の隙間にコンデンサを収容する収容面積が必要であるが、コンデンサを収容する面積分をパワーモジュール間の隙間分拡大する必要があり、コンデンサの数量、サイズに依存しインバータ全体が径方向に拡大する為、小型化できなかった。
また、パワーモジュールから離れた箇所にコンデンサを集約して配置すると、スイッチングサージの低減効果が減少するため効率が悪かった。
図1−7に基づき実施の形態1に係る制御装置一体型回転電機について説明する。
図1において、制御装置一体型回転電機1は、大きな構成部品としてモータ部1Aとインバータアセンブリ1Bで構成されている。
モータ部1Aは、界磁巻線2aが巻かれた回転子2、2組の三相固定子巻線3aが巻かれ、回転子2の周りに配置された固定子3、回転子2および固定子3を収容するフロントブラケット4とリヤブラケット5、回転子2の回転状態を検出する磁極位置検出センサー6で構成されている。
インバータアセンブリ1Bは、モータ部1Aのリヤブラケット5側に配置される円板状のヒートシンク19と、このヒートシンク19に配置され、電力を供給するパワーモジュール9及び界磁モジュール10、それらを制御する制御回路を備えた制御基板17、スイッチングサージを吸収するコンデンサ21を収納するコンデンサユニット22で構成されている。
回転子2は、フロントブラケット4とリヤブラケット5に保持された軸受7,8により両端部が回転自在に支持された回転軸11を備えている。
回転軸11の一端部は、フロントブラケット4より突出して、その先端部に図示しない内燃機関と双方向にトルクを授受するためのプーリ12が取り付けられており、ベルトを介して内燃機関と接続されている。
回転子2の界磁巻線2aに界磁電流を供給するためのスリップリング13が、リヤブラケット5よりリヤ側に突き出た回転軸11に設けられている。
スリップリング13と摺接するブラシ16がブラシホルダ16aに保持されて設けられている。
回転子2の界磁鉄心の両端面には冷却風を発生させるためのファン20a,20bが取り付けられている。
磁極位置検出センサー6は、センサーステータ6aとセンサーロータ6bより構成され、センサーステータ6aの内側に鉄心のみのセンサーロータ6bが回転自在に設けられている。
ステータ口出し線3bはリヤブラケット5を貫通して、コネクティングボード18にインサート成形された端子18aと溶接で接合される。
インバータアセンブリ1Bは、駆動時の電機子電流の供給及び発電時の電機子電流の整流を行うためのスイッチング素子を周辺回路とともにまとめた複数のパワーモジュール9と、界磁電流を制御するためのスイッチング素子を周辺回路とともにまとめた界磁モジュール10と、パワーモジュール9と界磁モジュール10が搭載された冷却用のヒートシンク19と、パワーモジュール9と界磁モジュール10を制御するための制御回路が構成された制御基板17と、ヒートシンク19の外周に制御基板17を取り囲むように形成され、各モジュールの電力系の端子と接続される端子を備えたケース14と、スイッチングサージを吸収するコンデンサ21を収納した複数のコンデンサユニット22で構成される。
ブラシホルダ16aはヒートシンク19の中央の回転軸が通る空間に装着され、ケース14にインサート成形された端子を介して界磁モジュール10と接続される。
磁極位置検出センサー6のセンサーステータ6aはヒートシンク19に装着され、その信号配線は制御基板17に接続される。
ヒートシンク19は、モータ部1Aのリヤブラケット側にネジで取り付けられ、パワーモジュール9はヒートシンク19の反リヤブラケット側の取付け面19aに円弧状に配置されている(図3参照)。
ヒートシンク19は、リヤブラケット側の面に冷却フィン19bが放射状に配列されている(図5参照)。
コンデンサユニット22は、パワーモジュール9に対応する2組のコンデンサ21をセットにして一体に収納するよう構成されている(図4参照)。
この実施の形態では、6個のパワーモジュール9に対し、3個のコンデンサユニット22が配置される。
コンデンサ21は、コンデンサユニット22にインサート成形されたコンデンサB端子22aとコンデンサGND端子22bとに溶接或いは半田で接合される。
パワーモジュール9のB端子9aとGND端子9bの溶接個所は、Bライン配線28とGNDライン配線29に制御基板17の下側でそれぞれ接合され、パワーモジュール9の信号端子9cは制御基板17に接続される(図1,3参照)。
ケース14内側に配置された制御基板17、パワーモジュール9、コンデンサユニット22は、充填材27にて一体化される。充填材27は主にエポキシ系樹脂またはゲル状の樹脂で構成される。
そして、垂直方向に伸ばしたBライン端子28a、GNDライン端子29aのうち、いずれか一方(図ではBライン端子28a)がZ形、他方(図ではGNDライン端子29a)はコの字形に折り曲げられ、コンデンサユニット22とねじ止めで接続される(図6参照)。
なお、図ではBライン端子28aがZ形、GNDライン端子29aがコの字形に折り曲げられているが、Bライン端子28aがコの字形、GNDライン端子29aがZ形に折り曲げられていてもよい。
また、パワーモジュール9からの熱影響が大きい場合、パワーモジュール9から任意の距離をあけてコンデンサユニット22を搭載することができる為、熱影響を受けずにコンデンサ21を配置することができる。
更に、従来ヒートシンク下面に突出されていたコンデンサユニットがパワーモジュール上面側に配置されることでヒートシンク下面に空き空間ができ、パワーモジュールで発生する熱をヒートシンク下面に放熱性のフィンを設けることで放熱できる為、インバータアセンブリの放熱性を改善させることができる。
また、ヒートシンクの外周に制御基板を取り囲むように形成されたケースの内側に配置されたパワーモジュール、制御基板、コンデンサユニットを充填材でインバータアセンブリ全体を一体化することで絶縁性の担保、耐振動性の改善、異物混入防止を図ることができる。
図8,9は実施の形態2に係るコンデンサユニット22を示す斜視図、図10はケース14に設けられた嵌合部25を示す要部斜視図、図11はコンデンサユニットとケースとの嵌合状態を示す斜視図、図12は図11においてコンデンサユニットに収納されているコンデンサと電源端子との接続状態を示す斜視図、図13は、コンデンサユニットがケースに装着された状態におけるコンデンサユニットと電源端子との接続状態を示す概略断面図である。
これらの貫通穴23aは充填材27の流動性を良くするため、φ0.8mm以上が好ましい。
図示では複数の貫通穴23aを直線状に配置しているが、直線上から0.1mm以上ずらした直線状以外の配置も有効である。
図示の例では、コンデンサユニット22側に凹状の嵌合部24、ケース14側に凸状の嵌合部25が設けられ、両嵌合部が嵌合され、ねじで接続される。
嵌合部24,25のそれぞれには、位置決め用の突起部24a、切欠き部25aが設けられ、互いに嵌合される(図9−11参照)。
なお、ケース14側の嵌合部25は、Bライン端子28a、GNDライン端子29aを囲むように筒状に形成されている(図10参照)。
また、図示はしていないが、嵌合部24,25は、円筒形状、角形状、テーパ形状の嵌合部であってもよい。
また、充填材硬化後は貫通穴23aを介してコンデンサユニット22のリブ部23の上面側、下面側に充填材27が介在してアンカー部27aを形成することになる為、コンデンサユニット22とケース14の接合が強固になり、機械的強度が増す(図13参照)。
これにより、コンデンサユニット22をケース14に搭載する際の回転・移動及びねじ締結時の回転・移動を抑制し、コンデンサユニット22を正確な位置でケース14に締結することができる
図14は実施の形態3を示すコンデンサユニット22の斜視図である。
コンデンサユニット22の外周側及びリブ部23に波目形状部23bを設けている。波目形状は金型で構成する場合、小さすぎると金型強度が低下し破損に繋がる恐れがあるため、φ1mm以上の円で構成されている。
ケース14と一体化しているコンデンサユニット22の回転移動を抑制ができるので、振動時の揺れの抑制を図ることができる。
図15は実施の形態4を示すコンデンサユニットの斜視図である。
コンデンサユニット22は、充填材27との接触面23cが他の面より大きい表面粗さを有するように形成されている。
これによりコンデンサユニット22と充填材27との接触面23cにおいて充填材27の食らい付きを良くする。
充填材27との接触面23cが、例えば算術平均粗さRa1.6以下のような仕上げ面であると摺動性がよくなり、ひっかかる役割については望ましくなく、接触面23cの表面粗さとしてはRa3.2以上が望ましい。
また図示していないが、接触面23cをローレット形状に構成しても同様の効果がある。
図16は実施の形態5を示すインバータアセンブリの要部断面図である。
この実施の形態5では、コンデンサユニット22のコンデンサB端子22aとコンデンサGND端子22bとの間に段差26が設けられると共に、Bライン端子28aとGNDライン端子29aにも段差が設けられている。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
Claims (11)
- ヒートシンクの取付け面に円弧状に間隔を置いて配置された複数のパワーモジュールと、前記取付け面に設けられ、前記パワーモジュールのそれぞれに接続される電源配線及びグランド配線と、前記パワーモジュールの制御を行う制御回路を備えた制御基板と、前記パワーモジュールのそれぞれに接続され、スイッチングサージを吸収するコンデンサを収納する複数のコンデンサユニットと、を備えたインバータアセンブリにおいて、
前記制御基板は、前記取付け面の側に前記パワーモジュールのそれぞれと離間して保持されると共に、
前記コンデンサユニットが、前記パワーモジュールに対応して前記制御基板の反ヒートシンク側に円弧状に間隔を置いて配置され、
前記電源配線及びグランド配線は、前記取付け面において前記複数のパワーモジュールの内周側に配置され、それらの先端部が隣接する前記パワーモジュール間に対応する位置から前記取付け面と垂直な方向に延伸して前記コンデンサユニットのそれぞれに接続され、
前記ヒートシンクの外周に前記制御基板を取り囲むように形成されたケースの内側において前記パワーモジュール、前記制御基板、及び前記コンデンサユニットは充填材により一体的に固められ、
前記コンデンサユニットのそれぞれは、前記ケースと嵌合部を介して保持された状態で、前記ケースに固定されている
ことを特徴とするインバータアセンブリ。 - 前記電源配線及びグランド配線の前記先端部は、前記制御基板を前記取付け面と垂直な方向に貫通して互いに並行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のインバータアセンブリ。
- 前記電源配線及びグランド配線の前記先端部は、一方がZ形、他方はコの字形に折り曲げられていることを特徴とする請求項1または2記載のインバータアセンブリ。
- 前記コンデンサユニットのそれぞれは、垂直方向の投影面が対応する前記パワーモジュールの垂直方向の投影面と重なる干渉領域を形成するように配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のインバータアセンブリ。
- 前記パワーモジュールは、それぞれ台形状の外形を有し、前記取付け面に対し円弧状に均等配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のインバータアセンブリ。
- 前記コンデンサユニットは、前記ケースに嵌合された状態において前記電源配線の接続部とグランド配線の接続部間を隔離する隔離壁を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のインバータアセンブリ。
- 前記コンデンサユニットは、前記制御基板に対向して形成されたリブ部を有し、前記リブ部に前記ケースへの充填材塗布時に前記充填材が流通を確保する貫通穴を設けていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のインバータアセンブリ。
- 前記コンデンサユニットの外周及び前記リブ部に波目形状部を設けていることを特徴とする請求項7に記載のインバータアセンブリ。
- 前記コンデンサユニットは、前記充填材との接触面が他の面より大きい表面粗さを有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のインバータアセンブリ。
- 前記コンデンサユニットは、前記電源配線の接続部とグランド配線の接続部間に沿面距離を広げる段差を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のインバータアセンブリ。
- 軸受に支持された回転軸により回転自在に保持された回転子と、前記回転子の回りに配置され、固定子巻線を有する固定子と、前記軸受を保持するフロントブラケット及びリヤブラケットと、前記リヤブラケットに一体的に装着され、前記回転軸の回転角度に基づき前記固定子巻線に流す電流を制御するインバータアセンブリを備えた回転電機において、前記インバータアセンブリは、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のインバータアセンブリであることを特徴とする制御装置一体型回転電機。
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