JP6756490B2 - 電流ヒューズ - Google Patents

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Description

本発明は、電流経路上に実装され、定格を超える電流が流れた時の自己発熱により溶断し電流経路を遮断する電流ヒューズに関する。
従来、電子・電気機器等の電気回路の安全装置として、図16(A)(B)に示すように、いわゆるつめ付きヒューズと称される、一対のつめ型端子91,91間を半田等の接続媒体93によって線状又は帯状の溶断部92で接続してなる電流ヒューズ90が用いられている。なお、図16(A)は従来の電流ヒューズの一例を示す平面図であり、図16(B)は図16(A)のA−A’断面図である。
この種の電流ヒューズ90は、つめ型端子91として一般に銅端子が用いられ、溶断部92として一般に鉛に少量のSn,Ag等を加えた線状又は帯状の溶けやすい合金からなる溶断部材が用いられ、その電気回路に規定容量以上の過電流が流れたときに溶断部92が瞬時に溶断して機器の安全性を保つようになっている。
特開2002−352686号公報
従来のつめ付ヒューズは、鉛合金等を溶断部材として用いた溶断部92の両端につめ型端子91,91を接続したもの、もしくは亜鉛合金によって溶断部92及びつめ型端子91,91を一体成形したものが提供されている。しかし、鉛合金は環境負荷が高い有害金属であり、カドミニウム,水銀あるいはこれらの合金等とともに、削減が強く求められている。
鉛代替材料のSn合金は、つめ型端子91との接続において、はんだ付けの際にSn合金が溶融してしまう為、溶断部材として採用することは困難である。また、亜鉛合金は、融点が約400℃と鉛合金よりも100℃近く高く、比抵抗が約6μΩ・cmと鉛合金の約21μΩ・cmに対し1/3以上低い為、溶断時のつめ型端子91の温度が高温となり、つめ付ヒューズが接続された回路基板の端子部等の周辺部材や機器本体あるいはユーザへ熱影響を与えるリスクがある。その為、溶断部92を局部的に細らせる等の加工が必要となるが、抵抗値が高めになり高い電流定格に対応しづらい傾向にある。
そこで、本発明は、端子部への接続性を改善するとともに、抵抗値の上昇を招くことなく電流定格の向上に対応可能であり、また溶断時における端子部の異常な過熱を抑制することができる電流ヒューズを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記に加え、環境規制の強化にも対応可能な鉛フリーの電流ヒューズを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る電流ヒューズは、2つの係合端子部と、上記係合端子部間に設けられた溶断部とを有し、上記溶断部は、低融点金属と上記低融点金属よりも融点の高い第1の高融点金属を積層した可溶導体により形成され、上記可溶導体に、変形を規制する変形規制部が設けられ、上記変形規制部は、上記低融点金属に設けられた1又は複数の孔の側面の少なくとも一部が、上記第1の高融点金属と連続する第2の高融点金属によって被覆されてなるものである。
また、本発明に係る電流ヒューズは、2つの係合端子部と、上記係合端子部間に設けられた溶断部とを有し、上記溶断部は、低融点金属と上記低融点金属よりも融点の高い第1の高融点金属を積層した可溶導体により形成され、上記可溶導体に、変形を規制する変形規制部が設けられ、上記変形規制部は、上記低融点金属よりも融点の高い第2の高融点粒子を、上記低融点金属に圧入させてなるものである。
また、本発明に係る電流ヒューズは、2つの係合端子部と、上記係合端子部間に設けられた溶断部とを有し、上記溶断部は、低融点金属と上記低融点金属よりも融点の高い第1の高融点金属を積層した可溶導体により形成され、上記可溶導体に、変形を規制する変形規制部が設けられ、上記変形規制部は、上記低融点金属よりも融点の高い第2の高融点粒子が、上記第1の高融点金属と上記低融点金属の積層体に圧入させてなるものである。
本発明によれば、可溶導体は低融点金属と第1の高融点金属とが積層された積層体であることから、係合端子部へのハンダ接続時等において低融点金属が溶融した場合にも、第1の高融点金属に被覆されることで溶断することがなく、ハンダ接続が可能である。
また、可溶導体は、第1の高融点金属よりも融点の低い低融点金属が積層されているため、過電流による自己発熱により、低融点金属の融点から溶融を開始し、第1の高融点金属を浸食し始め、第1の高融点金属が自身の融点よりも低い温度で溶融する。したがって、本発明によれば、係合端子部の過熱を防止するとともに、低融点金属による第1の高融点金属の溶食作用を利用して速やかに可溶導体が溶断して電流経路を遮断することができる。
図1(A)は本発明が適用された電流ヒューズの平面図であり、図1(B)は図1(A)のA−A’断面図である。 図2(A)は溶断部に変形規制部が設けられた電流ヒューズの平面図であり、図2(B)は図2(A)のA−A’断面図である。 図3(A)は、非貫通孔を形成した可溶導体の加熱前における断面図であり、図3(B)は、図3(A)に示す可溶導体の加熱後における断面図である。 図4(A)は、貫通孔内が第2の高融点金属によって充填された可溶導体を示す断面図であり、図4(B)は、非貫通孔内が第2の高融点金属によって充填された可溶導体を示す断面図である。 図5(A)は、断面が矩形状の貫通孔を設けた可溶導体を示す断面図であり、図5(B)は、断面が矩形状の非貫通孔を設けた可溶導体を示す断面図である。 図6は、孔の開口端側の上側まで第2の高融点金属を設けた可溶導体を示す断面図である。 図7(A)は、非貫通孔を対向して形成した可溶導体を示す断面図であり、図7(B)は、非貫通孔を対向させずに形成した可溶導体を示す断面図である。 図8は、低融点金属に第1の高融点粒子を配合した可溶導体を示す断面図である。 図9(A)は、低融点金属に低融点金属の厚さよりも粒子径の小さい第1の高融点粒子を配合した可溶導体の加熱前における断面図であり、図9(B)は、図9(A)に示す可溶導体の加熱後における断面図である。 図10は、低融点金属に第2の高融点粒子を圧入した可溶導体を示す断面図である。 図11は、第1の高融点金属及び低融点金属に第2の高融点粒子を圧入した可溶導体を示す断面図である。 図12は、第2の高融点粒子の両端に突縁部を形成した可溶導体を示す断面図である。 図13(A)は溶断部に溝を形成した変形規制部を設けた電流ヒューズの加熱前における平面図であり、図13(B)は図13(A)のA−A’断面図である。 図14(A)は係合端子部及び溶断部を可溶導体により形成した電流ヒューズを示す平面図であり、図14(B)は図14(A)のA−A’断面図である。 図15(A)は、係合端子部及び溶断部を変形規制部が設けられた可溶導体により形成した電流ヒューズを示す平面図であり、図15(B)は図15(A)のA−A’断面図である。 図16(A)は従来の電流ヒューズの一例を示す平面図であり、図16(B)は図16(A)のA−A’断面図である。
以下、本発明が適用された電流ヒューズについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[電流ヒューズ]
図1に示すように、本発明が適用された電流ヒューズ1は、2つの係合端子部2,2と、係合端子部2,2間に設けられた溶断部3とを有する。電流ヒューズ1は、2つの係合端子部2,2が電気回路の端子部間に係合されねじ止め等されることにより、当該電気回路の電流経路上に組み込まれる。そして、電流ヒューズ1は、その電気回路に規定容量以上の過電流が流れたときに溶断部3が瞬時に溶断して一対の係合端子部2,2間の電流経路を遮断し、機器の安全性を保つものである。
[係合端子部]
係合端子部2は、一部が開放されたつめ形状や中央が開口された略円盤形状等、図示しない電気回路の端子部に対して係合可能な公知の形状を有し、例えばボルトやビス等によって着脱自在に接合される。係合端子部2の材質としては適度な剛性を有し、かつ良導電性であれば特に限定されるものでなく、銅、銅‐ニッケル合金等が好適に用いられる。
電流ヒューズ1は、一対の係合端子部2,2間にはんだ等の接続材7によって溶断部3が接続され、溶断部3を介して導通されている。なお、接続材7は、ハンダに限らず、係合端子部2と溶断部3とを導通接続可能ないずれの材料も用いることができる。
[溶断部]
溶断部3は、規定容量以上の過電流が流れたときに溶断し、一対の係合端子部2,2間にわたる電流経路を遮断するものである。溶断部3は、低融点金属4と低融点金属4よりも融点の高い第1の高融点金属5を積層した可溶導体6により形成されている。
第1の高融点金属5は、例えば、Ag、Cu又はAg若しくはCuを主成分とする合金が好適に用いられ、係合端子部2への接続時や電流ヒューズ1を回路基板の端子部にハンダ実装を行う場合における加熱温度でも溶融しない高い融点を有する。また、第1の高融点金属5は、鉛を含有させる場合にも含有率をRoHS指令の1000ppm以下とすることが好ましい。
低融点金属4は、過電流によって温度が上昇し所定の温度に達した時に溶断するような温度を融点とする金属であれば、特に限定されるものでなく、例えばSn又はSnを主成分とする合金で「Pbフリーハンダ」と一般的に呼ばれる材料が好適に用いられる。低融点金属4の融点は、必ずしもハンダ接続の温度よりも高い必要はなく、200℃程度で溶融してもよい。また、低融点金属4は、さらに低い120℃〜140℃程度で溶融するBi、In又はBi若しくはInを含む合金を用いてもよい。低融点金属4は、これらの金属の選択あるいはそれらを所定の割合で合金化することによって所望の融点温度を自由に設定することができる。また、低融点金属4は、鉛を含有させる場合にも含有率をRoHS指令の1000ppm以下とすることが好ましい。
可溶導体6は、少なくとも低融点金属4の表裏両面に第1の高融点金属5を積層した積層体であり、好ましくは低融点金属4が内層を構成し、第1の高融点金属5が外層を構成する積層構造を有する。したがって、可溶導体6は、係合端子部2へのハンダ接続時等において低融点金属4が溶融した場合にも、第1の高融点金属5に被覆されることで溶断することがなく、ハンダ接続が可能で従来と同様の工程で製造することができる。
また、可溶導体6は、第1の高融点金属5よりも融点の低い低融点金属4が積層されているため、過電流による自己発熱により、低融点金属4の融点から溶融を開始し、第1の高融点金属5を浸食し始める。例えば、低融点金属4をSn‐Bi系合金やIn‐Sn系合金などで構成した場合、可溶導体6は、140℃や120℃前後という低温度から溶融を開始する。そして、電流ヒューズ1は、低融点金属4による第1の高融点金属5の浸食作用(ハンダ食われ)を利用することにより、第1の高融点金属5が自身の融点よりも低い温度で溶融する。したがって、可溶導体6は、係合端子部2の過熱を防止するとともに、低融点金属4による第1の高融点金属5の溶食作用を利用して速やかに溶断して電流経路を遮断することができる。
また、可溶導体6は、高融点金属被覆されていることで溶断温度を従来のCu等の高融点金属からなる電流ヒューズよりも大幅に低減することができることから、溶断部を局所的に細くする等の加工も不要であり、定格を上げて大電流に対応可能となる。また、従来の鉛系高融点ハンダを用いた可溶導体に比べ、導体抵抗を大幅に低減することができ、同一サイズの従来の電流ヒューズ等に比して、電流定格を大幅に向上させることができる。また、同じ電流定格をもつ従来の電流ヒューズよりも小型化、薄型化を図ることができる。
なお、可溶導体6は、電流ヒューズ1が組み込まれた電気系統に異常に高い電圧が瞬間的に印加されるサージへの耐性(耐パルス性)を向上することができる。すなわち、可溶導体6は、例えば100Aの電流が数msec流れたような場合にまで溶断してはならない。この点、極短時間に流れる大電流は導体の表層を流れることから(表皮効果)、可溶導体6は、外層として抵抗値の低いAgメッキ等の第1の高融点金属5が設けられているため、サージによって印加された電流を流しやすく、自己発熱による溶断を防止することができる。したがって、可溶導体6は、従来のハンダ合金からなるヒューズに比して、サージに対する耐性を向上させることができる。
なお、環境汚染を考慮した場合、可溶導体6に用いられる材料としては、鉛やカドミニウム,水銀あるいはこれらの合金等の有害金属は極力使用を控えたことが望ましい。現在ツメ付きヒューズにおいて可溶導体は電気用品安全法で定められた材料(鉛、すず、亜鉛またはこれらを主成分とする合金)となっている。上述したように、すず系材料は溶融温度が低く銅端子とのハンダ接続性に難点があり、亜鉛系は比較的高融点のため溶断時の熱影響の課題がある。また、鉛系はそれらの課題は解決しやすく、かつ現在は環境規制(改正RoHS指令)対象除外となっているが、将来は社会的要請から削減対象となりえる材料である。
この点、本発明が適用された電流ヒューズ1によれば、鉛系の有害金属を用いることなく可溶導体6を形成することで、環境規制の強化にも対応可能となる。また、上述したように、可溶導体6を、低融点金属4が内層を構成し、第1の高融点金属5が外層を構成する積層構造とすることで、銅の係合端子部2とのハンダ接続においても形状を維持でき、かつ溶断時においても、低い温度で溶融され、係合端子部2の過熱を防止するとともに、速やかに溶断して電流経路を遮断することができる。
可溶導体6は、低融点金属4の表面に第1の高融点金属5を電解メッキ法等の成膜技術を用いることにより製造できる。例えば、可溶導体6は、所定の形状に成形されたハンダ箔の表面にAgメッキを施すことにより効率よく製造できる。そして、ハンダ等の接続材7によって係合端子部2に接続される。
なお、可溶導体6は、係合端子部2と溶接により接続してもよい。これによっても、一対の係合端子部2,2が可溶導体6を介して電気的に接続される。
また、可溶導体6は、低融点金属4の体積を、第1の高融点金属5の体積よりも多く形成することが好ましい。可溶導体6は、自己発熱によって低融点金属4が溶融することにより第1の高融点金属5を溶食し、これにより速やかに溶融、溶断することができる。したがって、可溶導体6は、低融点金属4の体積を第1の高融点金属5の体積よりも多く形成することにより、この溶食作用を促進し、速やかに一対の係合端子部2,2間を遮断することができる。
[変形規制部]
また、可溶導体6は、ハンダ接続時等に溶融した低融点金属4の流動を抑え、変形を規制する変形規制部9を形成してもよい。
変形規制部9は、図2に示すように、低融点金属4に設けられた1又は複数の孔10の側面10aの少なくとも一部が、第1の高融点金属5と連続する第2の高融点金属11によって被覆されてなる。孔10は、例えば低融点金属4に針等の先鋭体を突き刺し、或いは低融点金属4に金型を用いてプレス加工を施す等により形成することができる。また、孔10は、所定のパターン、例えば四方格子状あるいは六方格子状に低融点金属4の全面にわたって一様に形成されている。
第2の高融点金属11を構成する材料は、第1の高融点金属5を構成する材料と同様に、ハンダ接続温度によっては溶融しない高い融点を有する。また、第2の高融点金属11は、第1の高融点金属5と同じ材料で、第1の高融点金属5の形成工程において合わせて形成されることが製造効率上、好ましい。
このような可溶導体6は、図2に示すように、一対の係合端子部2,2間に、ハンダ等の接続材7を介して、あるいは溶接により接続される。このとき、可溶導体6は、低融点金属4に外層として接続温度においても溶融しない第1の高融点金属5を積層するとともに変形規制部9を設けることにより、高温環境下に曝された場合にも、可溶導体6の変形を溶断特性のばらつきを抑える一定の範囲内に抑えることができる。したがって、可溶導体6は、大面積化された場合にも溶断特性の変動を抑えることができ、容易に電流ヒューズ1の定格を向上することができる。
すなわち、可溶導体6は、低融点金属4に孔10を開口するとともに、孔10の側面10aを第2の高融点金属11で被覆した変形規制部9を備えることにより、ハンダ接続等の外部熱源によって低融点金属4の融点以上の高熱環境に短時間曝された場合にも、孔10の側面10aを被覆する第2の高融点金属11によって、溶融した低融点金属4の流動が抑制されるとともに外層を構成する第1の高融点金属5が支持される。したがって、可溶導体6は、張力によって溶融した低融点金属4が凝集して膨張し、あるいは溶融した低融点金属4が流出して薄くなり、局所的に潰れや膨れが発生することを抑制することができる。
これにより、可溶導体6は、ハンダ接続時等の温度において局所的に潰れや膨れ等の変形に伴う抵抗値の変動を防止し、所定の温度や電流で所定の時間で溶断する溶断特性を維持することができる。また、可溶導体6は、電流ヒューズ1が搭載された回路基板上に他の表面実装部品がリフロー実装される、あるいは回路基板がさらに他の回路基板上にリフロー実装されるなど、リフロー温度下に繰り返し曝された場合にも、変形規制部9により変形が抑制され、溶断特性を安定化することができるとともに、実装効率を向上させることができる。
また、後述するように、可溶導体6が大判のエレメントシートから切り出されて製造される場合には、可溶導体6の側面から低融点金属4が露出されるとともに、当該側面が、係合端子部2とハンダ等の接続材7を介して接触されている。この場合も、可溶導体6は、変形規制部9によって溶融した低融点金属4の流動を抑制しているため、当該側面から溶融したハンダ等の接続材7を吸い込むことにより低融点金属4の体積が増えて局部的に抵抗値が下がることもない。
また、可溶導体6は、変形規制部9を備えることにより、過電流によるジュール熱発熱当初における低融点金属4の溶融段階での所定外の変形を抑制することができる。したがって、可溶導体6は、変形規制部9により発熱中における変形が抑制され、溶断特性を安定化させることができる。
[貫通孔・非貫通孔]
ここで、孔10は、図2(B)に示すように、低融点金属4を厚さ方向に貫通する貫通孔として形成してもよく、あるいは図3(A)(B)に示すように、非貫通孔として形成してもよい。孔10を貫通孔として形成した場合、孔10の側面10aを被覆する第2の高融点金属11は、低融点金属4の表裏面に積層された第1の高融点金属5と連続される。なお、孔10の形状は特に限定はなく、円形の他、楕円形、角丸長方形又は方形であってもよい。
また、孔10を非貫通孔として形成した場合、図3(A)に示すように孔10は、底面10bまで第2の高融点金属11によって被覆されていることが好ましい。可溶導体6は、孔10を非貫通孔として形成し、加熱により低融点金属4が流動した場合でも、孔10の側面10aを被覆する第2の高融点金属11によって流動が抑制されるとともに外層を構成する第1の高融点金属5が支持されるため、図3(B)に示すように、可溶導体6の厚さの変動は軽微であり、溶断特性が変動することにはならない。
[高融点金属の充填]
また、孔10は、図4(A)(B)に示すように、第2の高融点金属11によって充填されていてもよい。孔10が第2の高融点金属11によって充填されることにより、可溶導体6は、外層を構成する第1の高融点金属5を支持する変形規制部9の強度を向上させ可溶導体6の変形をより抑制できるとともに、低抵抗化によって定格を向上させることができる。
後述するように、第2の高融点金属11は、例えば孔10が開口された低融点金属4に第1の高融点金属5を電解メッキする等により形成する際に、同時に形成することができ、孔径やメッキ条件を調整することにより孔10内を第2の高融点金属11によって埋めることができる。
[断面形状]
また、孔10は、図2(B)や図3、図4に示すように、断面テーパ状に形成してもよい。孔10は、例えば低融点金属4に針等の先鋭体を突き刺して開口させることにより、当該先鋭体の形状に応じて断面テーパ状に形成することができる。また、孔10は、図5(A)(B)に示すように、断面矩形状に形成してもよい。可溶導体6は、例えば低融点金属4に断面矩形状の孔10に応じた金型を用いてプレス加工を行う等により断面矩形状の孔10を開口することができる。
[高融点金属の一部被覆]
なお、変形規制部9は、孔10の側面10aの少なくとも一部が第1の高融点金属5と連続する第2の高融点金属11によって被覆されていればよく、図6に示すように、側面10aの上側まで第2の高融点金属11によって被覆されていてもよい。また、変形規制部9は、低融点金属4と第1の高融点金属5との積層体を形成した後、第1の高融点金属5の上から先鋭体を突き刺すことにより孔10を開口若しくは貫通するとともに、第1の高融点金属5の一部を孔10の側面10aに押し込むことにより第2の高融点金属11としてもよい。
図6に示すように、孔10の側面10aの開口端側の一部に第1の高融点金属5と連続する第2の高融点金属11を積層することによっても、孔10の側面10aに積層された第2の高融点金属11によって溶融した低融点金属4の流動を抑制するとともに、開口端側の第1の高融点金属5を支持し、可溶導体6の局所的な潰れや膨張の発生を抑制することができる。
また、図7(A)に示すように、変形規制部9は、孔10を非貫通孔として形成するとともに、低融点金属4の一方の面及び他方の面に互いに対向させて形成してもよい。また、図7(B)に示すように、変形規制部は、孔10を非貫通孔として形成するとともに、低融点金属4の一方の面及び他方の面に互いに対向させずに形成してもよい。非貫通の孔10を低融点金属4の両面に互いに対向又は非対向に形成することによっても、各孔10の側面10aを被覆する第2の高融点金属11によって溶融した低融点金属4の流動が規制されるとともに、外層を構成する第1の高融点金属5が支持される。したがって、可溶導体6は、張力によって溶融した低融点金属4が凝集して膨張し、あるいは溶融した低融点金属4が流出して薄くなり、局所的に潰れや膨れが発生することを抑制することができる。
なお、変形規制部9は、孔10の側面10aに電解メッキによって第2の高融点金属11を被覆するためにメッキ液が流入可能な孔径を備えていることが製造効率上好ましく、例えば孔の最小径が50μm以上とされ、より好ましくは70〜80μmとされている。なお、孔10の最大径は第2の高融点金属11のメッキ限界や可溶導体6の厚さ等との関係で、適宜設定することができるが、孔径が大きいと初期抵抗値が上がる傾向がある。
また、変形規制部9は、孔10の深さを低融点金属4の厚さの50%以上とすることが好ましい。孔10の深さがこれよりも浅いと、溶融した低融点金属4の流動を抑制することが出来ず、可溶導体6の変形に伴って溶断特性の変動を招く恐れがある。
また、変形規制部9は、低融点金属4に形成される孔10を所定の密度、例えば15×15mmあたり1個以上の密度で形成されていることが好ましい。
また、変形規制部9は、孔10を、過電流時に可溶導体6が溶断する部位に形成されていることが好ましい。可溶導体6の溶断部位は、電流ヒューズ1の一対の係合端子部2,2によって支持されておらず、相対的に剛性が低い部位であるため、当該部位において低融点金属4の流動による変形が生じやすい。そのため、可溶導体6の溶断部位に孔10を開口するとともに側面10aを第2の高融点金属11によって被覆することにより、溶断部位における低融点金属4の流動を抑制し変形を防止することができる。
また、変形規制部9は、孔10を少なくとも可溶導体6の中央部に設けることが好ましい。可溶導体6は両端部が一対の係合端子部2,2に支持され、外周から最も遠い距離にある中央部は、最も剛性が低く変形が生じやすい。そのため、可溶導体6は、当該中央部に、側面10aが第2の高融点金属11によって被覆された孔10を設けることにより、当該中央部の剛性を高め、変形を効果的に防止することができる。
また、変形規制部9は、可溶導体6の中心を通る線の両側における孔10の数量差もしくは密度差を50%以下としてもよい。すなわち、変形規制部9は、複数の孔10を可溶導体6に分散配置させるとともに、可溶導体6の全面にわたって略均等に変形規制部9の効果を作用させるため、可溶導体6の中心を通る線の両側における数量差又は密度差を50%以内とする。例えば、3点支持でバランスを取るように3つの孔10を可溶導体6の全面に均等配置した場合、可溶導体6の中心を通る線の両側における孔10の数量差もしくは密度差は50%となる。ヒューズエレメントの中心を通る線の両側の孔10の数量差もしくは密度差が50%以下とすることによっても、可溶導体6全体の剛性を高め、変形を効果的に防止することができる。
[可溶導体の製造方法]
可溶導体6は、低融点金属4に変形規制部9を構成する孔10を開口した後、低融点金属4に高融点金属をメッキ技術を用いて成膜することにより製造できる。可溶導体6は、例えば、長尺状のハンダ箔に所定の孔10を開口した後、表面にAgメッキを施すことによりエレメントリボンを製造し、使用時には、サイズに応じて切断することで、効率よく製造でき、また容易に用いることができる。
ここで、従来の低融点金属と高融点金属との積層構造のみからなる可溶導体では、切断面からのハンダ等の接続材7の流入や低融点金属4の流出が懸念されることから、切断面と接続材7との接触を避けるために両端部を屈曲させる等の加工を検討する必要もあり、製造工数の増加や、電流ヒューズ1の小型化を阻害する等の不都合が生じる。
この点、可溶導体6は、切断面から低融点金属4が露出されていても、変形規制部9によって溶融した低融点金属4の流動が抑制されているため、切断面からの接続材7の流入や低融点金属4の流出を抑制でき、厚みの変動に伴う抵抗値のばらつき及び溶断特性の変動を防止することができる。したがって、切断面が露出する両端部の屈曲といった加工も不要で、製造効率の向上や電流ヒューズ1の小型化を図ることができる。
その他、可溶導体6は、蒸着等の薄膜形成技術や、他の周知の積層技術を用いることによっても、低融点金属4と第1の高融点金属5とが積層された可溶導体6を形成することができる。
なお、可溶導体6は、外層を構成する第1の高融点金属5の表面に図示しない酸化防止膜を形成してもよい。可溶導体6は、外層の第1の高融点金属5がさらに酸化防止膜によって被覆されることにより、例えば第1の高融点金属5としてCuメッキ層を形成した場合にも、Cuの酸化を防止することができる。したがって、可溶導体6は、Cuの酸化によって溶断時間が長くなる事態を防止することができ、短時間で溶断することができる。
また、可溶導体6は、第1の高融点金属5としてCu等の安価だが酸化しやすい金属を用いることができ、Ag等の高価な材料を用いることなく形成することができる。
第1の高融点金属5の酸化防止膜は、低融点金属4と同じ材料を用いることができ、例えばSnを主成分とするPbフリーハンダを用いることができる。また、酸化防止膜は、第1の高融点金属5の表面に錫メッキを施すことにより形成することができる。その他、酸化防止膜は、Auメッキやプリフラックスによって形成することもできる。
[エレメントシート]
また、可溶導体6は、大判のエレメントシートから、所望のサイズに切り出してもよい。すなわち、全面にわたって一様に変形規制部9が形成された低融点金属4と第1の高融点金属5との積層体からなる大判のエレメントシートを形成し、任意のサイズの可溶導体6を複数切り出すことにより形成してもよい。エレメントシートから切り出された可溶導体6は、変形規制部9が全面にわたって一様に形成されているため、切断面から低融点金属4が露出されていても、変形規制部9によって溶融した低融点金属4の流動が抑制されているため、切断面からのハンダ等の接続材7の流入や低融点金属4の流出を抑制でき、厚みの変動に伴う抵抗値のばらつき及び溶断特性の変動を防止することができる。
また、上述した長尺状のハンダ箔に所定の孔10を開口した後、表面に電解メッキを施すことによりエレメントリボンを製造し、これを所定の長さに切断する製法では、可溶導体6のサイズがエレメントリボンの幅で規定されてしまい、サイズ毎にエレメントリボンを製造する必要があった。
しかし、大判のエレメントシートを形成することにより、可溶導体6を所望のサイズで切り出すことができ、サイズの自由度が高くなる。
また、長尺状のハンダ箔に電解メッキを施すと、電界が集中する長手方向にわたる側縁部に第1の高融点金属5が厚くメッキされ、均一な厚みの可溶導体6を得ることが困難であった。そのため、電流ヒューズ1において、可溶導体6の当該肉厚部位の配置によって溶断特性が変わることから配置上の制約も生じている。
しかし、大判のエレメントシートを形成することにより、可溶導体6を、当該肉厚部位を避けて切り出すことができ、全面にわたって均一な厚みの可溶導体6を得ることができる。したがって、エレメントシートから切り出された可溶導体6は、配置によって溶断特性が変わることもなく、配置の自由度が高く、溶断特性の安定化を図ることができる。
[高融点粒子]
また、可溶導体6は、図8に示すように、変形規制部9を、低融点金属4よりも融点の高い第1の高融点粒子13を低融点金属4に配合することにより形成してもよい。第1の高融点粒子13は、ハンダ接合温度でも溶融しない高い融点を有する物質が用いられ、例えばCu、Ag、Ni等の金属やこれらを含む合金からなる粒子、ガラス粒子、セラミック粒子等を用いることができる。また、第1の高融点粒子13は、球状、鱗片状等、その形状は問わない。なお、第1の高融点粒子13は、金属や合金等を用いた場合、ガラスやセラミックに比して比重が大きいことから馴染みが良く分散性に優れる。
変形規制部9は、低融点金属材料に第1の高融点粒子13を配合した後、リボン状に成型する等により第1の高融点粒子13が単層で分散配置された低融点金属4を形成し、その後、第1の高融点金属5が積層されることにより形成される。また、変形規制部9は、第1の高融点金属5の積層後に可溶導体6を厚さ方向にプレスすることにより、第1の高融点粒子13を第1の高融点金属5に密着させてもよい。これにより、変形規制部9は、第1の高融点金属5が第1の高融点粒子13によって支持され、加熱によって低融点金属4が溶融した場合にも、第1の高融点粒子13によって低融点金属4の流動を抑制するとともに第1の高融点金属5を支持し、可溶導体6の局部的な潰れや膨張の発生を抑制することができる。
また、変形規制部9は、図9(A)に示すように、低融点金属4の厚さよりも小さい粒子径の第1の高融点粒子13を低融点金属4に配合してもよい。この場合も、図9(B)に示すように、変形規制部9は、第1の高融点粒子13によって溶融した低融点金属4の流動を抑制するとともに、第1の高融点金属5を支持し、可溶導体6の局部的な潰れや膨張の発生を抑制することができる。
また、可溶導体6は、図10に示すように、変形規制部9を、低融点金属4よりも融点の高い第2の高融点粒子15を、低融点金属4に圧入させることにより形成してもよい。第2の高融点粒子15は、上述した第1の高融点粒子13と同様の物質を用いることができる。
変形規制部9は、低融点金属4に第2の高融点粒子15を圧入することにより埋め込み、その後、第1の高融点金属5を積層することにより形成される。このとき、第2の高融点粒子15は、低融点金属4を厚さ方向に貫通することが好ましい。これにより、変形規制部9は、第1の高融点金属5が第2の高融点粒子15によって支持され、加熱によって低融点金属4が溶融した場合にも、第2の高融点粒子15によって低融点金属4の流動を抑制するとともに第1の高融点金属5を支持し、可溶導体6の局部的な潰れや膨張の発生を抑制することができる。
また、可溶導体6は、図11に示すように、変形規制部9を、低融点金属4よりも融点の高い第2の高融点粒子15を、第1の高融点金属5と低融点金属4とに圧入させることにより形成してもよい。
変形規制部9は、低融点金属4と第1の高融点金属5との積層体に第2の高融点粒子15を圧入し低融点金属4内に埋め込むことにより形成される。このとき、第2の高融点粒子15は、低融点金属4及び第1の高融点金属5を厚さ方向に貫通することが好ましい。これにより、変形規制部9は、第1の高融点金属5が第2の高融点粒子15によって支持され、加熱によって低融点金属4が溶融した場合にも、第2の高融点粒子15によって低融点金属4の流動を抑制するとともに第1の高融点金属5を支持し、可溶導体6の局部的な潰れや膨張の発生を抑制することができる。
なお、変形規制部9は、低融点金属4に孔10を形成するとともに、第2の高融点金属11を積層し、さらに当該孔10内に第2の高融点粒子15を挿入してもよい。
また、変形規制部9は、図12に示すように、第2の高融点粒子15に、第1の高融点金属5に接合する突縁部16を設けてもよい。突縁部16は、例えば、第1の高融点粒子13を第1の高融点金属5と低融点金属4とに圧入させた後、可溶導体6を厚さ方向にプレスし、第2の高融点粒子15の両端を潰すことにより形成することができる。これにより、変形規制部9は、第1の高融点金属5が第2の高融点粒子15の突縁部16と接合されることによってより強固に支持され、加熱によって低融点金属4が溶融した場合にも、第2の高融点粒子15によって低融点金属4の流動を抑制するとともに、突縁部16によって第1の高融点金属5を支持し、可溶導体6の局部的な潰れや膨張の発生をより抑制することができる。
[変形例1]
なお、上述した変形規制部9は、図13(A)(B)に示すように、低融点金属4に1又は複数の溝17を設け、当該溝17の側面17aの少なくとも一部を、第1の高融点金属5と連続する第2の高融点金属11によって被覆してもよい。溝17は、例えば低融点金属4に金型を用いてプレス加工を施す等により形成することができる。また、溝17は、図13(A)に示すように、可溶導体6の通電方向に沿って形成してもよく、あるいは通電方向と直交又は斜交する方向に形成してもよい。
第2の高融点金属11によって被覆された溝17からなる変形規制部9によっても、溶融した低融点金属4の流動を抑え、可溶導体6の局所的な潰れや膨れを防止し、溶断特性を安定化させることができる。
[変形例2]
なお、上述した電流ヒューズ1では、溶断部3を構成する可溶導体6によって形成し、係合端子部2,2間に接続させたが、本発明が適用された電流ヒューズは、図14(A)(B)に示すように、一対の係合端子部2,2及び溶断部3を可溶導体6によって形成してもよい。図14に示す電流ヒューズ20は、例えばハンダ箔等の低融点金属4によって一対の係合端子部2,2及び溶断部3が一体に形成された形状に打ち抜き、その後Agメッキを施すことにより形成することができる。
電流ヒューズ20は、係合端子部2,2が電気回路の端子部に対して係合されるとともに、例えばボルトやビス等によって接合されることにより、相対的に溶断部3よりも低抵抗化され、且つ電気回路の端子部への放熱により係合端子部2,2が冷却されるため、過電流が流れると、溶断部3が溶断する。
また、電流ヒューズ20は、図15(A)(B)に示すように、可溶導体6に上述した変形規制部9を設けてもよい。電流ヒューズ20に設けられる変形規制部9は、上記電流ヒューズ1に形成した変形規制部9と同様に種々の変形例を含むものである。係合端子部2,2を変形規制部9が設けられた可溶導体6によって形成することにより、係合端子部2,2がボルトやビス等によって回路基板に接合される場合にも、ネジ締め圧力による変形を抑制することができ、抵抗値や溶断時間の変動を抑え、溶断特性を安定化させることができる。
また、電流ヒューズ20は、可溶導体6により係合端子部2,2及び溶断部3が一体成形されているため、可溶導体6の溶融温度が例えば300℃程度と低いことから溶融時における係合端子部2,2の温度を低く抑える事ができ、係合端子部2,2の過熱対策として溶断部3の局部的に狭小化させる必要性もなく、低抵抗化による大電流対応も容易となる。なお、電流ヒューズ20においても、抵抗値を調整する目的で溶断部の幅を調整することできる。
なお、電流ヒューズ20は、低融点金属4と第1の高融点金属5との積層体を形成した後、図14又は図15に示す所定のヒューズ形状に打ち抜くことにより形成することができるが、切断面から低融点金属4が露出することから、当該工法による場合は、図15に示すように、変形規制部9を形成しておくことが好ましい。
1 電流ヒューズ、2 係合端子部、3 溶断部、4 低融点金属、5 第1の高融点金、6 可溶導体、7 接続材、9 変形規制部、10 孔、10a 側面、10b 底面、11 第2の高融点金属、13 第1の高融点粒子、15 第2の高融点粒子、16 突縁部、17 溝、20 電流ヒューズ

Claims (16)

  1. 2つの係合端子部と、
    上記係合端子部間に設けられた溶断部とを有し、
    上記溶断部は、低融点金属と上記低融点金属よりも融点の高い第1の高融点金属を積層した可溶導体により形成され
    上記可溶導体に、変形を規制する変形規制部が設けられ、
    上記変形規制部は、上記低融点金属に設けられた1又は複数の孔の側面の少なくとも一部が、上記第1の高融点金属と連続する第2の高融点金属によって被覆されてなる電流ヒューズ。
  2. 2つの係合端子部と、
    上記係合端子部間に設けられた溶断部とを有し、
    上記溶断部は、低融点金属と上記低融点金属よりも融点の高い第1の高融点金属を積層した可溶導体により形成され
    上記可溶導体に、変形を規制する変形規制部が設けられ、
    上記変形規制部は、上記低融点金属よりも融点の高い第2の高融点粒子を、上記低融点金属に圧入させてなる電流ヒューズ。
  3. 2つの係合端子部と、
    上記係合端子部間に設けられた溶断部とを有し、
    上記溶断部は、低融点金属と上記低融点金属よりも融点の高い第1の高融点金属を積層した可溶導体により形成され
    上記可溶導体に、変形を規制する変形規制部が設けられ、
    上記変形規制部は、上記低融点金属よりも融点の高い第2の高融点粒子が、上記第1の高融点金属と上記低融点金属の積層体に圧入させてなる電流ヒューズ。
  4. 上記可溶導体と上記2つ係合端子部とが、接続媒体により接続されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の電流ヒューズ。
  5. 上記接続媒体は、はんだである請求項に記載の電流ヒューズ。
  6. 上記可溶導体と上記2つの係合端子部とが、溶接により接続されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の電流ヒューズ。
  7. 上記係合端子部と上記溶断部とが、上記可溶導体により形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の電流ヒューズ。
  8. 上記可溶導体は、少なくとも上記低融点金属の表裏両面に上記第1の高融点金属を積層した積層体である請求項1〜のいずれか1項に記載の電流ヒューズ。
  9. 上記可溶導体は、上記低融点金属の体積が上記第1の高融点金属の体積よりも多い請求項1〜のいずれか1項に記載の電流ヒューズ。
  10. 上記低融点金属はSnまたはSnを主成分とする合金であり、上記第1の高融点金属はAg、Cu又はAg若しくはCuを主成分とする合金である請求項1〜のいずれか1項に記載の電流ヒューズ。
  11. 上記孔は、貫通孔又は非貫通孔である請求項記載の電流ヒューズ。
  12. 上記孔は、上記第2の高融点金属によって充填されている請求項又は11に記載の電流ヒューズ。
  13. 上記孔の形状は、円形、楕円形、角丸長方形、又は方形である請求項1,11,12のいずれか1項に記載の電流ヒューズ。
  14. 上記変形規制部は、上記低融点金属よりも融点の高い第1の高融点粒子が上記低融点金属に配合されてなる請求項1〜13記載の電流ヒューズ。
  15. 上記変形規制部は、上記可溶導体と上記係合端子部との接続において、上記可溶導体の溶融した上記低融点金属の流動を抑え、上記可溶導体の変形と抵抗値変動を抑制する請求項1〜14のいずれか1項に記載の電流ヒューズ。
  16. 上記変形規制部は、上記可溶導体の一部に成形された2つの上記係合端子部のネジ締め圧力による変形を抑制する請求項1〜14のいずれか1項に記載の電流ヒューズ。
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