JP6755246B2 - 自動車室内用照明装置 - Google Patents
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Description
国際公開第2013/081070号には、発光する発光領域を有し、ドアライニングに用いられる発光オーナメントが開示されている。この発光オーナメントは、発光領域の前方に向けて光を照射する照射体と、該照射体の前方位置にて該照射体から出射された光を透過させる透過体と、表面が露出した状態で透過体の前方位置に形成された光透過可能な加飾層とを備えている。
尚、上述した問題は、ドアライニング用の照明装置に限らず、ルーフトリム用の照明装置等、種々の自動車室内用照明装置について同様に存在する。
前記装飾部の表面に光を照射する第一照射部であって光軸が前記装飾部の一般面に直交する方向からずれた第一照射部と、前記室内とは反対側から前記装飾部の裏面に光を照射する第二照射部であって光軸が前記装飾部の一般面に直交する方向からずれた第二照射部と、を含む複数の照射部を有する光照射部と、を備え、
前記装飾部は、前記光照射部からの光により当該装飾部の表面に陰影が生じる凹凸部を有し、
前記複数の照射部の中から前記装飾部に光を照射する照射部を選択する選択部を備える、態様を有する。
前記装飾部に光を照射する光照射部であって光軸が前記装飾部の一般面に直交する方向からずれた光照射部と、を備え、
前記装飾部の一般面に投影したときの前記光軸の方向を投影面光軸方向とし、
該投影面光軸方向における前記光照射部からの距離を投影面距離とし、
前記光照射部が点灯している時に前記装飾部の表面における前記投影面距離に応じた輝度に現れる極大値及び極小値を前記投影面距離の順に並べたときに隣り合う極大値と極小値との該極小値を分母とする比の最大が1.5以上となるようにされた、態様を有する。
まず、図1〜16に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、図1〜16は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。
本技術の自動車室内用照明装置10は、加飾部材20と光照射部40を備える。前記加飾部材20は、自動車1の室内(例えば車室SP1)から見える装飾部30を有する。前記光照射部40は、前記装飾部30に光LT0を照射する。前記光照射部40の光軸AX0は、前記装飾部30の一般面31に直交する方向D10からずれている。前記装飾部30は、前記光照射部40からの光LT0により当該装飾部30の表面30aに陰影S0が生じる凹凸部35を有する。
加飾は装飾を加えることを意味し、加飾部材は自動車の室内に装飾を加える部材を意味する。
装飾部に光を照射する光照射部は、装飾部の表面に光を照射してもよいし、室内とは反対側から装飾部の裏面に光を照射してもよい。
凹凸は、一様でないさまを意味する。従って、凹凸部には、凹部と凸部の両方が含まれる場合の他、凹部が無くて凸部がある場合、及び、凸部が無くて凹部がある場合も含まれる。
本技術の自動車室内用照明装置は、車室側壁部、車室天井部、車室前部、荷室側壁部、等に設置可能である。
図14等に例示するように、加飾部材(120)は、装飾部30とともに、自動車の室内から見える補助部125であって光照射部からの光が照射されない補助部125を有してもよい。この場合、点灯時に光が照射される装飾部30が補助部125と比べて強調されるので、形状の制約の中で点灯時にさらに深みのある造形を室内に表現可能な自動車室内用照明装置を提供することができる。
図7(a)等に例示するように、前記光照射部40は、前記装飾部30の表面30aに光LT1を照射してもよい。この場合、光軸AX1が装飾部30の一般面31に直交する方向D10からずれた光照射部40からの光LT1が装飾部30の凹凸部35に照射されると、この凹凸部35の陰影S1が当該装飾部30の表面30aに生じる。本態様は、装飾部30の表面30aに光LT1が照射されるので、形状の制約の中で点灯時にさらに深みのある造形を室内に表現可能な自動車室内用照明装置を提供することができる。
本照明装置10は、前記室内(SP1)側に前記加飾部材20を配置した内装部材70を備えてもよい。また、前記光照射部40からの光LT1が前記装飾部30に遮られることによる陰影S3が前記内装部材70の表面70aに生じてもよい。この場合、点灯時に照らされる装飾部30に近い部分の内装部材70の表面70aに陰影S3が生じるので、内装部材70に対して装飾部30が浮かび上がったような演出が可能となる。従って、本態様は、点灯時に装飾部を内装部材に対して浮かび上がらせる演出を表現可能な自動車室内用照明装置を提供することができる。
前記光照射部40は、前記装飾部30の表面30aに光LT1を照射する第一照射部50であって光軸AX1が前記装飾部30の一般面31に直交する方向D10からずれた第一照射部50と、前記室内(SP1)とは反対側から前記装飾部30の裏面30bに光LT2を照射する第二照射部60であって光軸AX2が前記装飾部30の一般面31に直交する方向D10からずれた第二照射部60と、を含む複数の照射部42を有してもよい。図8に例示するように、本照明装置10は、前記複数の照射部42の中から前記装飾部30に光LT0を照射する照射部42を選択する選択部80を備えてもよい。本態様は、装飾部30の表面30aに生じる陰影S0が照射部42の選択に応じた陰影となるので、点灯時にさらに深みのある造形を室内に表現可能な自動車室内用照明装置を提供することができる。例えば、凹凸部35の陰影S0は、装飾部30の表面30aに光LT1を照射する場合と、室内(SP1)とは反対側から装飾部30の裏面30bに光LT2を照射する場合と、で位置関係が逆になる。そこで、装飾部30に光LT0を照射する照射部42を第一照射部50と第二照射部60とで切り替えると、トリックアートのような演出を表現することが可能となる。
ここで、前記複数の照射部42には、前記第一照射部50及び前記第二照射部60とは異なる照射部が含まれてもよい。
前記装飾部30は、拡散透過性を有してもよい。図7(b)等に例示するように、前記光照射部40は、前記室内(SP1)とは反対側から前記装飾部30の裏面30bに光LT2を照射してもよい。この場合、装飾部30に拡散透過性があるので、装飾部30の裏面30bに照射された光LT2が拡散して室内(SP1)側へ出る。また、光軸AX2が装飾部30の一般面31に直交する方向D10からずれた光照射部40からの光LT2が室内(SP1)とは反対側から拡散透過性の装飾部30の凹凸部35に照射されると、この凹凸部35の陰影S2が当該装飾部30の表面30aに生じる。従って、本態様は、形状の制約の中で点灯時にさらに深みのある造形を室内に表現可能な自動車室内用照明装置を提供することができる。
ここで、拡散透過とは、多くの方向に光を拡散する透過を意味する。
図15等に例示するように、前記加飾部材(220)は、前記装飾部30の前記室内(例えば車室SP1)側に配置された導光体(例えば導光層22)を有してもよい。この場合も、光軸AX0が装飾部30の一般面31に直交する方向D10からずれた光照射部40からの光LT0が装飾部30の凹凸部35に照射されると、この凹凸部35の陰影S0が当該装飾部30の表面30aに生じる。この陰影S0は、導光体(22)を通して室内から見える。従って、本態様は、形状の制約の中で点灯時にさらに深みのある造形を室内に表現可能な自動車室内用照明装置を提供することができる。
[態様7]
また、前記加飾部材20は、前記室内(SP1)側に前記装飾部30が積層された導光層22を有してもよい。前記光照射部40は、前記導光層22の縁部23から該導光層22に光LT2を入射させて前記装飾部30の裏面30bに照射してもよい。本態様は、光照射部40からの光LT2を効率的に装飾部30へ導くことができるので、点灯時にさらに深みのある造形を室内に表現可能な自動車室内用照明装置を提供することができる。
前記光照射部40から前記導光層22に入射した光LT2が該導光層22から出射して前記内装部材70の表面70aを照らすようにされてもよい。この態様は、内装部材70の表面70aを照らしながら室内(SP1)に深みのある造形を表現可能な自動車室内用照明装置を提供することができる。
また、図9(a),(b)等に例示するように、本技術の自動車室内用照明装置10は、自動車1の室内(SP1)から見える装飾部30を有する加飾部材20と、
前記装飾部30に光LT0を照射する光照射部40であって光軸AX0が前記装飾部30の一般面31に直交する方向D10からずれた光照射部40と、を備え、
前記装飾部30の一般面31に投影したときの前記光軸AX0の方向を投影面光軸方向D11とし、
該投影面光軸方向D11における前記光照射部40からの距離を投影面距離Zとし、
前記光照射部40が点灯している時に前記装飾部30の表面30aにおける前記投影面距離Zに応じた輝度L(Z)に現れる極大値Li及び極小値Ljを前記投影面距離Zの順に並べたときに隣り合う極大値Liと極小値Ljとの該極小値Ljを分母とする比Li/Ljの最大(例えば点灯時最大比Ron)が1.5以上となるようにされた、態様を有する。
ここで、極大はある関数の値が変数の或る値の近傍で最大となることを意味し、極大値はその値を意味する。極小はある関数の値が変数の或る値の近傍で最小となることを意味し、極小値はその値を意味する。
図1は、自動車室内用照明装置10を取り付けた自動車の内装の例を側面部の図示が省略された状態で示している。これらの図中、FRONT、REAR、UP、DOWNは、それぞれ、前、後、上、下を示す。左右の位置関係は、自動車1の前を見る方向を基準とする。また、符号D1は加飾部材20の長手方向を示し、符号D2は自動車1の前後方向を示し、符号D3は上下方向を示す。
図1に示す自動車1は、道路上で使用されるように設計及び装備された路上走行自動車とされ、図2に示すような車体パネル2が車室SP1(自動車の室内)を囲んで車体を形成している。車体パネル2は、例えば、鋼板といった金属で形成される。本自動車1は、前席7aとセカンドシート7bとサードシート7cの3列シートを備えるワゴンタイプの乗用自動車とされている。むろん、本技術を適用可能な自動車には、いわゆるステーションワゴンやワンボックスカー等の他、セダンタイプ等の自動車も含まれ、2列シートタイプといった3列シートタイプ以外の自動車も含まれる。
図2(a)は、照明装置10を取り付けたサイドドアトリム4aの車室SP1側を示している。図2(a)に示すドアトリム4aは、主要部を構成するトリムロア(内装部材70)、ドアトリム4aの上縁部に配置されたトリムアッパー(覆い部75)、照明装置10、を備えている。トリムロア(70)には、アームレスト71、ポケット72、等が取り付けられている。内装部材70及び覆い部75には、熱可塑性樹脂といった樹脂材料を射出成形等により成形した成形品、樹脂材料を発泡させながら射出成形等により成形した成形品、樹脂材料の内装基材に不織布、織物、編物、といった表皮材を積層したもの、等を用いることができる。前記樹脂材料には、ポリプロピレン(PP)樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、これらの合成樹脂にエラストマーを添加した改質樹脂、これらの樹脂に着色剤や充てん材といった添加剤を添加した材料、等を用いることができる。
照明装置10は、車室SP1に面する装飾部30を有する加飾部材20、及び、図2(b),(c)に示すように光LT0を装飾部30に照射する光照射部40を備えている。装飾部30は、車室SP1から見える。加飾部材20における長手方向D1の両端部25にはホルダー28が取り付けられ、これらのホルダー28がトリムロア(70)とトリムアッパー(75)に取り付けられている。
図3に示すように、光照射部40は、車室SP1側から装飾部30の表面30aに光LT1を照射する第一照射部50、及び、車室SP1とは反対側(車外側)から装飾部30の裏面30bに光LT2を照射する第二照射部60を有する。尚、第一照射部50が車室SP1(室内)側から装飾部30の表面30aに光LT1を照射するとは、第一照射部50が装飾部30に対して裏面30b側ではなく表面30a側にあることを意味する。また、第二照射部60が車室SP1(室内)とは反対側から装飾部30の裏面30bに光LT2を照射するとは、第二照射部60が装飾部30に対して表面30a側ではなく裏面30b側にあることを意味する。第一照射部50の光軸AX1は、装飾部30において凹凸部35を除く一般面31に直交する方向D10からずれている。第二照射部60の光軸AX2も、装飾部30において凹凸部35を除く一般面31に直交する方向D10からずれている。従って、両照射部50,60の光軸AX0は、いずれも、装飾部30の一般面31に直交する方向D10からずれている。
図3に示す装飾部30は、加飾部材20において室内(車室SP1)から普通に見える範囲内で室内(車室SP1)に面する部位とする。図3に例示するように加飾部材20から室内(車室SP1)側に遮光性の覆い部75が配置される場合、加飾部材20において覆い部75で覆われず室内(車室SP1)に面する部位とする。図3と図4(a)に示す加飾部材20の装飾部30は、最上点P1を起点として最下点P2までの部位となる。
一般面31が曲面である場合、一般面31に直交する方向D10は、一般面31の平均的な傾きを表す平面に直交する方向とする。例えば、図3と図4(a)に示すように垂直断面において一般面31が曲線となる場合、一般面31に直交する方向D10は、最上点P1と最下点P2とを通る平面に直交する方向とする。
導光層22には、透明材料を射出成形といった公知の方法により成形した透明の成形品等を用いることができる。前記透明材料には、アクリル(PMMA)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、シリコーン(SI)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、といった透明性を有する樹脂材料等を用いることができる。
図3等に示す凹凸部35は、車室SP1側へ凸とされた凸部36を有している。この凸部36の曲率半径は、衝突時に乗員への危害を低減させる観点から、3.5mm以上とされている。むろん、凹凸部35は、車室SP1とは反対側へ凹とされた凹部を有してもよい。凹凸部35の凹凸形状、一般面31の曲面形状、光照射部40の配置、等により、陰影S1,S2の形状を任意に変えることができる。
内装部材70には、ホルダー28のボス28eを通すための挿通穴70cが形成されている。例えば、ホルダー28のボス28eを内装部材70の挿通穴70cに通してホルダー28の裏面28bを内装部材70の表面70aに当て、溶着手段によりボス28eの先端部を溶着することにより、加飾部材端部25に取り付けられたホルダー28が内装部材70に固定される。
本技術は、原理的に加飾部材20の大きさによらず、各構成部品の位置関係により陰影効果を発現し成立するものである。照明装置10が自動車室内用であることを考慮した場合、加飾部材20の大きさは、例えば、長手方向D1における長さを2000mm以下、高さ(上下方向D3における長さ)を1500mm、及び、厚み(幅方向D4における長さ)を200mm以下としてもよい。
尚、導光体52,62の各面(面52a,52b,52c,62a,62b,62c等)は、平面のみならず、一部又は全部が曲面に形成されてもよい。また、導光体52,62は、直線状に延びた形状のみならず、一部又は全部が曲線状に延びた形状でもよい。
図8に示す制御部80Uには、スイッチSW1,SW2を含む各種スイッチ、光源51,61を含む各種光源、等が接続されている。スイッチSW1,SW2には、乗員からの操作を受け付ける操作スイッチ、ドアが開いているか否かに応じて切り替わるドア開検出スイッチ、ドアがロックされているか否かに応じて切り替わるドアロック検出スイッチ、イグニッションがオンであるか否かに応じて切り替わるイグニッションスイッチ、これらの組合せ、等を適用することができる。スイッチSW1,SW2及び制御部80Uは、選択部80を構成する。
ここで、照射部50,60の一方が点灯している時に装飾部30の表面30aにおける投影面距離Zに応じた輝度L(Z)に現れる極大値Li及び極小値Ljを投影面距離Zの順に並べたときに隣り合う極大値Liと極小値Ljとの該極小値Ljを分母とする比Li/Ljの最大を点灯時最大比Ronとする。一方、両照射部50,60が消灯している時に装飾部30の表面30aにおける輝度L(Z)に極大値Li及び極小値Ljが生じる場合において、極大値Li及び極小値Ljを投影面距離Zの順に並べたときに隣り合う極大値Liと極小値Ljとの該極小値Ljを分母とする比Li/Ljの最大を消灯時最大比Roffとする。点灯時最大比Ronは、消灯時最大比Roffよりも大きくなる。尚、点灯時最大比Ronは、1.5以上が好ましい。
車外からフロントウィンドウやサイドウィンドウ等を介して入射する環境光には、一般面31に直交する方向D10とのなす角度(θh1に相当)が0°以上45°未満の向きを含む様々な向きの成分が含まれている。従って、装飾部30の表面30aにおける輝度L(Z)に極大値Li及び極小値Ljが生じても、通常、消灯時最大比Roffは最大でも1.25程となる。
図9(b)に示すように、第一照射部50が消灯し第二照射部60が点灯している時において、投影面距離Zが大きくなる順に、極小値L4、極大値L5(0<L4<L5)が現れたとする。極小値L4は図7(b)で示した陰影S2に生じる極小値であり、極大値L5は図7(b)で示した高輝度部分H2に生じる極大値である。この場合、隣り合う極小値L4と極大値L5との該極小値L4を分母とする比L5/L4が点灯時最大比Ronである。
尚、図9(c)に示すように、両照射部50,60が消灯している時において、投影面距離Zが大きくなる順に、極小値Lj=L6、極大値Li=L7、極小値Lj=L8(0<L8<L6<L7)が現れたとする。この場合、隣り合う極小値L6と極大値L7との該極小値L6を分母とする比L7/L6は、隣り合う極小値L8と極大値L7との該極小値L8を分母とする比L7/L8よりも小さい。従って、消灯時最大比Roffは、L7/L8である。
次に、照明装置10の作用、及び、効果を説明する。
第二照射部60が消灯して第一照射部50が点灯している時、図7(a)等に示すように、光軸AX1が装飾部30の一般面31に直交する方向D10からずれた第一照射部50からの光LT1が車室SP1側から装飾部30の表面30aに照射される。これにより、図2(b)及び図7(a)に示すように、凸部36を起点とした下側において表面30aに陰影S1が生じ、凸部36を起点とした上側において表面30aに高輝度部分H1が生じる。
また、第一照射部50からの光LT1が装飾部30に遮られることによる陰影S3が内装部材70の表面70aにおいて加飾部材20の下に生じるので、内装部材70に対して装飾部30が浮かび上がったような立体的な演出が車室SP1に表現される。
また、導光層22の下縁部24からの出射光LT2による高輝度部分H3が内装部材70の表面70aにおいて加飾部材20の下に生じるので、本照明装置10は、内装部材70の表面70aを照らしながら車室SP1に深みのある造形を表現可能である。
以上説明したように、本技術は、陰影効果を表現として用いることで、自動車内装部品としての形状の制約を守りながら、特に夜間において、彫りの深いシャープな造形という、これまでにないデザイン性、及び、演出を表現可能な照明装置を提供することができる。
尚、本技術は、種々の変形例が考えられる。
本技術を適用可能な自動車室内用照明装置は、図1を参照して説明すると、ドアトリム4aのための照明装置10A以外の照明装置10B〜10F等にも適用可能である。本技術の装飾部は、図3等で示した位置P1,P2の間隔が比較的小さい方が陰影の発現位置を制御し易い点で好ましいものの、ルーフトリム6aといった比較的大きい面積の内装材に設置することも可能である。例えば、本技術の照明装置をルーフトリム6aに設置する場合、曲率半径50mm以上であっても上述した陰影効果が発現され、昼夜の見映えの違いという観点では点灯時の陰影のインパクトを非点灯時よりも大きく与えることができる。
図10(a)に示すように、凹部37の上側から第一照射部50が光LT1を装飾部30の表面30aに照射することにより、凹部37を起点とした上側において表面30aに陰影S1が生じ、凹部37を起点とした下側において表面30aに高輝度部分H1が生じる。凹部37による陰影S1と高輝度部分H1との位置関係は、凸部36による陰影S1と高輝度部分H1との位置関係の逆となる。この場合も、形状の制約の中で点灯時に深みのある造形が車室SP1に表現される。また、内装部材70から車室SP1側に加飾部材20が配置されているので、第一照射部50からの光LT1が装飾部30に遮られることによる陰影S3が内装部材70の表面70aにおいて加飾部材20の下に生じる。従って、内装部材70に対して装飾部30が浮かび上がったような立体的な演出が車室SP1に表現される。
尚、導光体52の凹部53は、断面三角形のライン状の溝等でもよいが、当該凹部の形状の映り込みを抑制するため、レーザー加工による直径が50〜500μmほどの微細なドットパターンが好ましい。
また、第一照射部50は、図3等で示したように光源51からの光LT1を直接、装飾部30に照射してもよい。
第二照射部60が消灯して第一照射部50が点灯している時、図16(a)に示すように、光軸AX1が装飾部30の一般面31に直交する方向D10からずれた第一照射部50からの光LT1が導光層22を通って車室SP1側から拡散反射性の装飾部30の表面30aに照射される。これにより、図2(b)にも示すように、凸部36を起点とした下側において表面30aに陰影S1が生じ、凸部36を起点とした上側において表面30aに高輝度部分H1が生じる。また、光LT1が装飾部30に遮られることによる陰影S3が内装部材70の表面70aにおいて加飾部材20の下に生じるので、内装部材70に対して装飾部30が浮かび上がったような立体的な演出が車室SP1に表現される。
また、上述した全ての例において、第一照射部50と第二照射部60の一方しか無くても、本技術の基本的な効果が得られる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、形状の制約の中で点灯時に深みのある造形を室内に表現可能な自動車室内用照明装置等の技術を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
3…前部用内装材、3a…インストルメントパネル内装材、
4…側面部用内装材、4a…ドアトリム、
4b…ピラーガーニッシュ、4c…デッキサイドトリム、
5…後部用内装材、5a…後部ドアトリム、
6…天井用内装材、6a…ルーフトリム、
10…照明装置、
20,120,220…加飾部材、22…導光層、23,24…縁部、25…端部、
28…ホルダー、28b…裏面、28c…上縁部、28d…凹部、
28e…ボス、28f…延出部、28g…挿通穴、
30…装飾部、30a…表面、30b…裏面、
31…一般面、
35…凹凸部、36…凸部、37…凹部、
40…光照射部、42…照射部、
50…第一照射部、51…光源、52…導光体、53…凹部、
60…第二照射部、61…光源、62…導光体、63…凹部、
70…内装部材、70a…表面、70c…挿通穴、
71…アームレスト、72…ポケット、
75…覆い部、75b…裏面、76…ボス、76b…台座部、
80…選択部、
125…補助部、126…境界部、
AX0,AX1,AX2…光軸、
D1…長手方向、D2…前後方向、D3…上下方向、D4…幅方向、
D10…一般面に直交する方向、
D11…投影面光軸方向、
LT0,LT1,LT2…光、
S0,S1,S2,S3,S4…陰影、
SP1…車室(自動車の室内)、SP2…荷室(自動車の室内)、
Z…投影面距離、
L(Z)…輝度、Li…極大値、Lj…極小値、
Ron…点灯時最大比。
Claims (2)
- 自動車の室内から見える装飾部を有する加飾部材と、
前記装飾部の表面に光を照射する第一照射部であって光軸が前記装飾部の一般面に直交する方向からずれた第一照射部と、前記室内とは反対側から前記装飾部の裏面に光を照射する第二照射部であって光軸が前記装飾部の一般面に直交する方向からずれた第二照射部と、を含む複数の照射部を有する光照射部と、を備え、
前記装飾部は、前記光照射部からの光により当該装飾部の表面に陰影が生じる凹凸部を有し、
前記複数の照射部の中から前記装飾部に光を照射する照射部を選択する選択部を備える、自動車室内用照明装置。 - 自動車の室内から見える装飾部を有する加飾部材と、
前記装飾部に光を照射する光照射部であって光軸が前記装飾部の一般面に直交する方向からずれた光照射部と、を備え、
前記装飾部の一般面に投影したときの前記光軸の方向を投影面光軸方向とし、
該投影面光軸方向における前記光照射部からの距離を投影面距離とし、
前記光照射部が点灯している時に前記装飾部の表面における前記投影面距離に応じた輝度に現れる極大値及び極小値を前記投影面距離の順に並べたときに隣り合う極大値と極小値との該極小値を分母とする比の最大が1.5以上となるようにされた、自動車室内用照明装置。
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