JP6754593B2 - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池は、一般的に、携帯電話やノートパソコン等の小型携帯機器の電源として使用されている。また、最近では小型携帯機器以外に、電気自動車や電力貯蔵等の電源としてもリチウムイオン電池は使用され始めている。
現在市販されているリチウムイオン電池には、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されている。一方、電解液を固体電解質に変えて、電池を全固体化したリチウムイオン電池(以下、全固体型リチウムイオン電池とも呼ぶ。)は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている(例えば、特許文献1、2)。
特開2011−175904号公報 特開2011−175905号公報
ところが、全固体型リチウムイオン電池は、電解液を用いる従来のリチウムイオン電池に比べたら充放電時の電池の変形量が大きく信頼性に劣り、まだまだ満足するものではなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電池充放電時の変形が抑制されたリチウムイオン電池を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した。その結果、リチウムイオン電池本体の変形を繊維強化樹脂部材により抑え込むことにより、電池充放電時の変形が抑制されたリチウムイオン電池が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、
正極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、負極層と、がこの順に積層されることにより構成された発電素子のみからなる電池本体と、
繊維強化樹脂により構成され、上記電池本体の変形を抑える繊維強化樹脂部材と、
を備え、
上記繊維強化樹脂部材が前記電池本体に接着しているリチウムイオン電池が提供される。
本発明によれば、電池充放電時の変形が抑制されたリチウムイオン電池を提供することができる。
第1の実施形態に係るリチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。 第2の実施形態に係るリチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。 第3の実施形態に係るリチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。 第4の実施形態に係るリチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。 第5の実施形態に係るリチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。 第6の実施形態に係るリチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。 第7の実施形態に係るリチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態に係るリチウムイオン電池100の構造の一例を模式的に示した断面図である。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、正極層11と、リチウムイオン伝導性を有する電解質層12と、負極層13と、がこの順に積層されることにより構成された発電素子14を1つ以上含む電池本体15と、繊維強化樹脂により構成され、電池本体15の変形を抑える繊維強化樹脂部材20と、を備えている。
本実施形態の場合、電池本体15の少なくとも一部は、強度に優れた繊維強化樹脂部材20により覆われている。これより、電池充放電時の変形が抑制され、リチウムイオン電池100の信頼性を向上させることができる。
ここで、充放電で生じる電極の体積変化により電池本体が変形し、電池本体の一部に亀裂が発生しやすくなると考えられる。この亀裂が発生すると、例えば正極と負極が接触して短絡等が起こり、リチウムイオン電池の電池特性が悪化してしまう。
これに対し、本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、強度に優れた繊維強化樹脂部材20により、充放電が行われる電池本体15が覆われている。そのため充放電時における電池本体15の変形が抑えられ、電池本体15に亀裂が発生し難くなり、正極と負極との接触等による電池特性の悪化が抑制されると考えられる。以上の理由から、本実施形態によれば、電池特性に優れる本実施形態に係るリチウムイオン電池100を実現できる。
本実施形態の場合、電池本体15の少なくとも一部を繊維強化樹脂部材20により覆ってよいし、電池本体15の全体を繊維強化樹脂部材20により覆ってもよい。
また、リチウムイオン電池100がシート型の場合、その上下の両面の一部を繊維強化樹脂部材20により覆うことが好ましく、その上下の両面の全体を繊維強化樹脂部材20により覆うことがより好ましい。
繊維強化樹脂部材20において、繊維強化樹脂を構成する樹脂としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂およびメタクリル樹脂から選択される一種または二種以上を用いることができる。
上記繊維強化樹脂を構成する樹脂としては、例えば、材料強度や耐久性、取り扱い性、常温で硬化できる等観点からエポキシ樹脂を用いることがより好ましい。
繊維強化樹脂部材20において、繊維強化樹脂を構成する繊維としては特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、およびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選択される一種または二種以上を用いることができる。これらの中でも、安価で、入手しやすく、薄いクロスが製造可能なガラス繊維または炭素繊維を使用することが好ましい。
繊維強化樹脂部材20の形状は特に限定されないが、電池本体15の覆いやすさの観点から、シート状であることが好ましい。
本実施形態に係る電池本体15は、発電素子14を2つ以上積層させることにより、バイポーラ型リチウムイオン電池とすることもできる。
本実施形態の場合、電池本体15は、例えば、2つの積層された発電素子14のみによって構成されている。
発電素子14は、例えば、正極層11、電解質層12および負極層13をこの順に積層し、これらをプレス成形等によって互いに一体化することにより、薄板状に形成されている。
発電素子14の平面形状は、任意の形状とすることができる。例えば、円形であってもよいし、その他の形状(例えば矩形状等)であってもよい。
電池本体15は、正極端子および負極端子とからなる電極端子50を備えることが好ましい。
正極端子は電池本体15の一端側の正極層11に対して電気的に接続し、負極端子は、電池本体15の他端側の負極層13に対して電気的に接続している。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、電池本体15を封入する外装体30をさらに備えることが好ましい。外装体30は、金属層を少なくとも有するラミネートフィルムにより構成されていることが好ましい。金属層は水蒸気バリア性に優れるため、金属層を有するラミネートフィルムにより外装体30を構成することにより、リチウムイオン電池100の内部に水分が浸入することを防止することができる。
本実施形態に係る金属層を有するラミネートフィルムは、金属層の少なくとも一方の面に樹脂層をさらに有していてもよい。これにより、金属層を有するラミネートフィルムにヒートシール性を付与することができる。
上記金属層を構成する金属は、特に限定されないが、例えば、ステンレス(SUS)、アルミニウム、銅等を用いることができる。
上記樹脂層を構成する樹脂材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を用いることができる。
本実施形態の場合、外装体30は、例えば、その内部に電池本体15を真空パックしたものであり、外装体30の内部は陰圧となっている。
すなわち、2つの外装体30の間に電池本体15が配置された状態で、2つの外装体30の周縁部どうしがシール(ヒートシール等)されることにより、2つの外装体30の間に電池本体15が封入されている。
なお、2つの外装体30が相互にシールされた部分をシール部と称する。シール部においては、2つの外装体30が相互に接合されている。
また、本実施形態の場合、外装体30は繊維強化樹脂部材20の内側に配置され、電池本体15のみを封入する構成となっているが、外装体30は繊維強化樹脂部材20の外側に配置され、電池本体15と繊維強化樹脂部材20の両方を封入する構成となっていてもよい。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100において、電池本体15を保護する保護枠40をさらに備えることが好ましい。保護枠40としては、例えば、樹脂製の枠体であって、その表裏を貫通する貫通孔が形成され、貫通孔内に電池本体15を収容できる構成が挙げられる。
これにより、電池本体15が保護枠40によって保護されているので、リチウムイオン電池100を安定的な構造のものとすることができる。
具体的には、枠体に形成された貫通孔内に電池本体15が収容されている。これにより、電池本体15の周囲が保護枠40によって保護された構造が実現されている。こうした構造により、発電素子14間や発電素子14内での短絡をより一層抑制することができる。
また、電池本体15が貫通孔の内周壁面に対して非接合な状態で、貫通孔内に収容されている。これにより、少なくとも電池本体15は、貫通孔の内周壁面によって強固には拘束されておらず、貫通孔内においてある程度自由に移動することができる。このため、電池本体15に不要な応力が加わってしまうことを抑制できるので、リチウムイオン電池100の品質を容易に安定させることができる。
つまり、リチウムイオン電池100を、生産性に優れ、かつ、品質を容易に安定させることが可能な構造のものとすることができる。
枠体は、例えば、絶縁性樹脂製の薄板からなる。枠体の平面形状(外形形状)は、任意の形状とすることができ、例えば、角丸の矩形状等が挙げられる。
枠体には、その表裏を貫通する貫通孔が形成されている。貫通孔の平面形状は、電池本体15の平面形状と同等である。貫通孔は、電池本体15をほぼ隙間無く収容する寸法に設定されていることが好ましい。枠体の厚さは、電池本体15の厚さと同等である。
枠体を構成する樹脂材料は、貫通孔の内部に電池本体15を収容保持するのに十分な強度を確保できる材料であれば特に限定されない。一例として、枠体は、PET、塩化ビニル等のフィルムにより構成することができる。
枠体の貫通孔は、例えば、パンチング等によって形成することができる。
次に、電池本体15の各構成要素の例を説明する。
(正極層)
正極層11は特に限定されず、リチウムイオン電池に一般的に用いられている正極を使用することができる。正極層11は、通常、正極活物質層と、正極集電体と、を含む。
正極層11は特に限定されないが、一般的に公知の方法に準じて製造することができる。例えば、正極活物質を含む正極活物質層を正極集電体上に形成することにより得ることができる。
正極層11の厚みや密度は、電池の使用用途等に応じて適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
正極集電体としては、特に限定されず、リチウムイオン電池に一般的に用いられているものを使用でき、例えば、銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ステンレス鋼箔、炭素シート等が挙げられる。価格や入手容易性、電気化学的安定性等の観点から、正極集電体としてはアルミニウム箔が好ましい。
正極活物質層は特に限定されないが、正極活物質以外の成分として、例えば、固体電解質材料、バインダー、導電助剤等から選択される一種または二種以上の材料を含んでもよい。
正極活物質層中の各種材料の配合割合は、電池の使用用途等に応じて、適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
本実施形態に係る正極活物質としては特に限定されず、リチウムイオン電池の正極に使用可能な一般的に公知の正極活物質を用いることができる。例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムマンガン酸化物(LiMn)、固溶体酸化物(LiMnO−LiMO(M=Co、Ni等))、リチウム−マンガン−ニッケル酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)、オリビン型リチウムリン酸化物(LiFePO)等の複合酸化物;ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子;LiS、CuS、Li−Cu−S化合物、TiS、FeS、MoS、Li−Mo−S化合物、Li−Ti−S化合物、Li−V−S化合物等の硫化物系正極活物質;硫黄を含浸したアセチレンブラック、硫黄を含浸した多孔質炭素、硫黄と炭素の混合粉等の硫黄を活物質とした材料;等を用いることができる。これらの正極活物質は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、より高い放電容量密度を有し、かつ、サイクル特性により優れる観点から、硫化物系正極活物質が好ましく、Li−Mo−S化合物、LiTiS化合物、LiS化合物から選択される一種または二種以上がより好ましい。
ここで、Li−Mo−S化合物は構成元素としてLi、Mo、およびSを含んでいるものであり、通常は原料であるモリブデン硫化物および硫化リチウムをメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得ることができる。
また、Li−Ti−S化合物は構成元素としてLi、Ti、およびSを含んでいるものであり、通常は原料であるチタン硫化物と硫化リチウムをメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得ることができる。
Li−V−S化合物は構成元素としてLi、V、およびSを含んでいるものであり、通常は原料であるバナジウム硫化物と硫化リチウムをメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得ることができる。
上記固体電解質材料としては特に限定されないが、一般的にリチウムイオン電池に用いられるものを用いることができる。例えば、硫化物系固体電解質材料、酸化物系固体電解質材料、その他のリチウム系無機固体電解質材料等の無機系固体電解質材料;ポリマー電解質等の有機系固体電解質材料を挙げることができる。これらの中でも、硫化物系固体電解質材料が好ましい。これにより、正極活物質との界面抵抗がより一層低下し、出力特性に優れたリチウムイオン電池にすることができる。
上記硫化物系固体電解質材料としては、例えば、LiS−P材料、LiS−SiS材料、LiS−GeS材料、LiS−Al材料、LiS−SiS−LiPO材料、LiS−P−GeS材料、LiS−LiO−P−SiS材料、LiS−GeS−P−SiS材料、LiS−SnS−P−SiS材料等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、リチウムイオン伝導性に優れ、かつ広い電圧範囲で分解等を起こさない安定性を有する点から、LiS−P材料が好ましい。ここで、例えば、LiS−P材料とは、少なくともLiS(硫化リチウム)とPとを含む混合物をメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得られる材料を意味する。
上記酸化物系固体電解質材料としては、例えば、LiTi(PO、LiZr(PO、LiGe(PO等のNASICON型、(La0.5+xLi0.5−3x)TiO等のペロブスカイト型等が挙げられる。
その他のリチウム系無機固体電解質材料としては、例えば、LiPON、LiNbO、LiTaO、LiPO、LiPO4−x(xは0<x≦1)、LiN、LiI、LISICON等が挙げられる。さらに、これらの無機固体電解質の結晶を析出させて得られるガラスセラミックスも固体電解質材料として用いることができる。
上記有機系固体電解質材料としては、例えば、ドライポリマー電解質、ゲル電解質等のポリマー電解質を用いることができる。
ポリマー電解質としては、一般的にリチウムイオン電池に用いられるものを用いることができる。
上記導電助剤としてはリチウムイオン電池に使用可能な通常の導電助剤であれば特に限定されないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト類;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類;アルミニウム粉等の金属粉末類;酸化亜鉛ウィスカー、導電性チタン酸カリウムウィスカー等の導電性ウィスカー類;酸化チタン等の導電性金属酸化物;フェニレン誘導体等の有機導電性材料;等が挙げられる。これらの導電助剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、粒子径が小さく、価格が安いカーボンブラック類が好ましい。
上記バインダーとしては、ポリマー電解質およびそれ以外のバインダーを使用できる。ポリマー電解質の中でも、ドライポリマー電解質が好ましい。また、ポリマー電解質とそれ以外のバインダーとを組み合わせて使用してもよい。
ポリマー電解質以外のバインダーとしては、リチウムイオン電池で一般的に使用されるバインダーであれば特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ヘキシル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ヘキシル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ポリヘキサフルオロプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらのバインダーは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(負極層)
負極層13は特に限定されず、リチウムイオン電池に一般的に用いられている負極を使用することができる。負極層13は、通常、負極活物質層と、負極集電体と、を含む。
負極層13は特に限定されないが、一般的に公知の方法に準じて製造することができる。例えば、負極活物質を含む負極活物質層を負極集電体上に形成することにより得ることができる。
負極層13の厚みや密度は、電池の使用用途等に応じて適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
負極集電体としては、特に限定されず、リチウムイオン電池に一般的に用いられているものを使用でき、例えば、銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ステンレス鋼箔、炭素シート等が挙げられる。価格や入手容易性、電気化学的安定性等の観点から、負極集電体としては銅箔が好ましい。
負極活物質層は特に限定されないが、負極活物質以外の成分として、例えば、固体電解質材料、バインダー、導電助剤等から選択される一種または二種以上の材料を含んでもよい。固体電解質材料、バインダーおよび導電助剤の具体例としては、前述した正極活物質層で挙げたものと同様のものを挙げることができる。
負極活物質層中の各種材料の配合割合は、電池の使用用途等に応じて、適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
上記負極活物質としては特に限定されず、リチウムイオン電池の負極に使用可能な一般的に公知の負極活物質を用いることができる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、樹脂炭、炭素繊維、活性炭、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素質材料;スズ、スズ合金、シリコン、シリコン合金、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を主体とした金属系材料;ポリアセン、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性ポリマー;金属リチウム;リチウムチタン複合酸化物(例えばLiTi12);Li−Si合金、Li−Sn合金、Li−Al合金、Li−Ga合金、Li−Mg合金、Li−In合金等のリチウム合金;等が挙げられる。これらの負極活物質は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
負極活物質の形状としては、例えば微粒子状や箔状を挙げることができる。
(電解質層)
電解質層12は、正極層11と負極層13との間に介在するように配置される層である。電解質層12としては、多孔性セパレーターに非水電解液を含浸させたものや、固体電解質材料を含む固体電解質層が挙げられる。
本実施形態の多孔性セパレーターとしては正極層11と負極層13を電気的に絶縁させ、リチウムイオンを透過する機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、多孔性膜を用いることができる。
多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が挙げられる。特に、多孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
本実施形態の非水電解液とは、電解質を溶媒に溶解させたものである。
上記電解質としては、公知のリチウム塩がいずれも使用でき、活物質の種類に応じて選択すればよい。例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、CFSOLi、CHSOLi、LiCFSO、LiCSO、Li(CFSON、低級脂肪酸カルボン酸リチウム等が挙げられる。
上記電解質を溶解する溶媒としては、電解質を溶解させる液体として通常用いられるものであれば特に限定されず、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ビニレンカーボネート(VC)等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のオキソラン類;アセトニトリル、ニトロメタン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の有機酸エステル類;リン酸トリエステルやジグライム類;トリグライム類;スルホラン、メチルスルホラン等のスルホラン類;3−メチル−2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン類;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、ナフタスルトン等のスルトン類;等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る固体電解質層は固体電解質材料により構成された層である。固体電解質層は特に限定されず、全固体型リチウムイオン電池に一般的に用いられている固体電解質層を使用することができる。固体電解質層は特に限定されないが、一般的に公知の方法に準じて製造することができる。
固体電解質層を構成する固体電解質材料としては、リチウムイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、前述した正極活物質層で挙げたものと同様のものを挙げることができる。これらの中でも、硫化物系固体電解質材料が好ましい。これにより、固体電解質材料間の界面抵抗がより一層低下し、出力特性に優れたリチウムイオン電池にすることができる。
本実施形態に係る固体電解質層における固体電解質材料の含有量は、所望の絶縁性が得られる割合であれば特に限定されるものではないが、例えば、10体積%以上100体積%以下の範囲内、中でも、50体積%以上100体積%以下の範囲内であることが好ましい。
また、本実施形態の固体電解質層は、バインダーを含有していてもよい。バインダーを含有することにより、可撓性を有する固体電解質層を得ることができる。バインダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有結着材を挙げることができる。
固体電解質層の厚みや密度は、電池の使用用途等に応じて適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
電池本体15は電解質層12として、上述した固体電解質層を用いることによって全固体型リチウムイオン電池とすることができる。全固体型リチウムイオン電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性、安全性に優れる。
[リチウムイオン電池の製造方法]
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、外装体30に封入された電池本体15を繊維強化樹脂部材20で覆うことにより作製することができる。例えば、半硬化状態のシート状の繊維強化樹脂部材20を2枚用意し、外装体30に封入された電池本体15を2枚の繊維強化樹脂部材20で挟み込む。そして、繊維強化樹脂部材20を硬化させることにより、電池本体15が繊維強化樹脂部材20で覆われたリチウムイオン電池100を得ることができる。
ここで、積層体を加圧することにより、各層間のアンカー効果で一定の強度を有するリチウムイオン電池100になる。
積層体を加圧する圧力は、例えば、40MPa以上500MPa以下である。積層体を加圧する方法は特に限定されず、例えば、平板プレス、ロールプレス等を用いることができる。
また、半硬化状態のシート状の繊維強化樹脂部材20を電池本体15に圧着させながら硬化させることにより、繊維強化樹脂部材20を電池本体15により密着させることができる。
本実施形態に係る電池本体15は、一般的に公知の方法に準じて製造される。例えば、正極層11と、電解質層12と、負極層13とを重ねた、1つ以上の発電素子14を、円筒型、コイン型、角型、フィルム型、シート型、その他任意の形状に形成することにより作製される。
〔第2の実施形態〕
次に、図2を用いて、第2の実施形態に係るリチウムイオン電池100を説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、外装体30を使用せずに電池本体15を直接繊維強化樹脂部材20で封入している点が上記の第1の実施形態に係るリチウムイオン電池100と相違しているが、その他の構造については、上記の第1の実施形態に係るリチウムイオン電池100と同様に構成されている。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、外装体30を使用しないため、上記の第1の実施形態に係るリチウムイオン電池100よりも薄いリチウムイオン電池を実現することができる。
また、以上のような第2の実施形態によっても、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
〔第3の実施形態〕
次に、図3を用いて、第3の実施形態に係るリチウムイオン電池100を説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、1枚の繊維強化樹脂部材20を折り曲げ、電池本体15を挟み込んでいる点が上記の第1の実施形態に係るリチウムイオン電池100と相違しているが、その他の構造については、上記の第1の実施形態に係るリチウムイオン電池100と同様に構成されている。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、1枚の繊維強化樹脂部材20を折り曲げ、電池本体15を挟み込んでいるため、見た目がキレイであり、さらに電池の使い勝手に優れている。
以上のような第3の実施形態によっても、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
〔第4の実施形態〕
次に、図4を用いて、第4の実施形態に係るリチウムイオン電池100を説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、1枚の繊維強化樹脂部材20を折り曲げ、電池本体15を挟み込んでいる点が上記の第2の実施形態に係るリチウムイオン電池100と相違しているが、その他の構造については、上記の第2の実施形態に係るリチウムイオン電池100と同様に構成されている。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、1枚の繊維強化樹脂部材20を折り曲げ、電池本体15を挟み込んでいるため、見た目がキレイになる。
以上のような第4の実施形態によっても、上記の第2の実施形態と同様の効果が得られる。
〔第5の実施形態〕
次に、図5を用いて、第5の実施形態に係るリチウムイオン電池100を説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、保護枠40の幅を大きくしている点が上記の第4の実施形態に係るリチウムイオン電池100と相違しているが、その他の構造については、上記の第4の実施形態に係るリチウムイオン電池100と同様に構成されている。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、保護枠40の幅を大きくしているため、リチウムイオン電池100をより安定的な構造のものとすることができる。
以上のような第5の実施形態によっても、上記の第4の実施形態と同様の効果が得られる。
〔第6の実施形態〕
次に、図6を用いて、第6の実施形態に係るリチウムイオン電池100を説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、2枚の繊維強化樹脂部材20を保護枠40の表面に接着させている点が上記の第5の実施形態に係るリチウムイオン電池100と相違しているが、その他の構造については、上記の第5の実施形態に係るリチウムイオン電池100と同様に構成されている。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、2枚の繊維強化樹脂部材20を保護枠40の表面に接着させることで、より整った形状とすることができる。
以上のような第6の実施形態によっても、上記の第5の実施形態と同様の効果が得られる。
〔第7の実施形態〕
次に、図7を用いて、第7の実施形態に係るリチウムイオン電池100を説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、水蒸気バリア性を高めるためアルミ箔やステンレス箔等の金属層60を繊維強化樹脂部材20の外側に貼り付けている点が上記の第6の実施形態に係るリチウムイオン電池100と相違しているが、その他の構造については、上記の第6の実施形態に係るリチウムイオン電池100と同様に構成されている。
本実施形態に係るリチウムイオン電池100は、繊維強化樹脂部材20の外側に金属層60を備えているため、リチウムイオン電池100の水蒸気バリア性を向上させることができる。
以上のような第7の実施形態によっても、上記の第6の実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜12および比較例1)
表1に示す電池構造を有する2セル積層のバイポーラ型の全固体型リチウムイオン電池をそれぞれ作製し、1サイクル目充電(正極から負極にリチウムイオンが移動)した後の湾曲変形の度合いを下記手法で調べた。
なお、表1に示すシート状のガラス繊維強化樹脂または炭素繊維強化樹脂で電池本体15を挟み込み、さらにその上下にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)板を重ね、手動プレス機で2MPaの圧力を掛けながらガラス繊維強化樹脂および炭素繊維強化樹脂を硬化させ、電池本体15に圧着させた。また、PTFE板を使用したが、ガラス繊維強化樹脂および炭素繊維強化樹脂に使用する樹脂が接着しない材質であれば、この材質以外も使用することができる。例えば樹脂がエポキシ樹脂であればポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等でも使用可能である。
なお、比較例1の電池構造は、図1に示すリチウムイオン電池100から繊維強化樹脂部材20を取り除いた構造である。
(電池の変形量の評価)
2セル積層のバイポーラ型の全固体型リチウムイオン電池の作製後に、厚さ0.1mmのAl板2枚が並行になるように2枚のAl板で電池を挟み、Al板を含む全体の厚さからAl板2枚の厚さを引くことで電池の初期状態の厚さ(μm)を測定した。
次に、電流密度65μA/cmの条件で充電終止電位4.5Vまで充電した後に初期状態と同様の手順で厚さを測定し、充電後の厚さ(μm)とした。充電後の厚さから初期状態の厚さを引いた値を変形量(μm)とした。得られた結果を表1に示す。
充電後の厚さが初期状態の厚さとほぼ同等であれば、充放電に伴う変形の繰り返しで起こる疲労破壊は抑制できると考えられる。
なお、各実施例および比較例で使用した電池本体15は以下のものを用いた。
導電性銅箔導電テープ(寺岡製作所製8313 0.03、外寸法:25.0mm×25.0mm、粘着剤層面に黒鉛(日本黒鉛工業社製、CGC−20、8mg)を付着)、負極活物質層(インジウム箔、ニラコ社製、23.0mm×23.0mm)、固体電解質層(Li1112)、正極活物質層(Li14MoS:ケッチェンブラック(KB):Li1112=1:0.5:1.2(質量比))、導電性銅箔導電テープ(寺岡製作所製8313 0.03、粘着剤層面に銅粉(高純度化学研究所社製、325メッシュ、30mg)を付着)をこの順で積層させた。次いで、得られた積層体を320MPaで加圧して第一発電素子を作製した。ここで、第一発電素子の作製と同様の方法で、第一発電素子と同じ構成の第二発電素子を作製した。
次いで、中央に直径15mmの円形状の貫通孔を形成した粘着性樹脂層(日東電工社製、極薄両面テープNo.5600、層構成:アクリル系粘着剤層/PETフィルム基材/アクリル系粘着剤層)を介して、得られた第一発電素子と第二発電素子を積層して積層体を作製し、得られた積層体を320MPaで加圧し、電池本体15を得た。
繊維強化樹脂部材20を用いる電池構造では、繊維強化樹脂部材20としては、表1に示す繊維および樹脂からなる繊維強化樹脂をそれぞれ用いた。
また、外装体30を用いる電池構造では、外装体30としてはアルミラミネートフィルムを用いた。
また、保護枠40を用いる電池構造では、保護枠40としては硬質のポリ塩化ビニル製の樹脂枠を用いた。
また、金属層60を用いる電池構造では、金属層60としてはステンレス箔を用いた。
また、使用した正極活物質(Li14MoS化合物)および硫化物系固体電解質材料(Li1112)は以下の方法で製造した。
(1)正極活物質(Li14MoS化合物)の製造
アルゴン雰囲気下で、Al製ポットに、MoS(和光純薬工業社製、745mg、4.7mmol、平均粒子径:10μm)と、LiS(シグマアルドリッチジャパン社製、1497mg、32.5mmol、平均粒子径:5μm)と、を秤量して加え、さらにZrOボールを入れ、Al製ポットを密閉した。
次いで、Al製ポットを、ボールミル回転台に乗せ120rpmで、4日間処理を行い、混合物を得た。
得られたLi−Mo−S化合物は乳鉢により粉砕し、目開き43μmの篩により分級して、平均粒子径d50が2μmのLi−Mo−S化合物を得た。
Moの含有量に対するLiの含有量のモル比(Li/Mo)は14であり、Moの含有量に対するSの含有量のモル比(S/Mo)は9であった。
(2)硫化物系固体電解質材料(Li1112)の製造
硫化物系固体電解質材料であるLi1112を以下の手順で作製した。
原料には、LiS(シグマアルドリッチジャパン製、純度99.9%)、P(関東化学製試薬)を使用した。LiNは、以下の手順で作製した。
まず、窒素雰囲気のグローブボックス中で、Li箔(本城金属社製純度99.8%、厚さ0.5mm)にステンレス製の剣山を使用しφ1mm以下の穴を多数開けた。Li箔は穴の部分から黒紫色に変化し始め、そのまま、常温で24時間放置することでLi箔すべてが黒紫色のLiNに変化した。LiNは、メノウ乳鉢で粉砕後、ステンレス製篩で篩い分けし、75μm以下の粉末を回収し無機固体電解質材料の原料とした。
つづいて、アルゴングローブボックス中で各原料をLiS:P:LiN=67.5:22.5:10.0(モル%)になるように精秤し、これら粉末を20分間メノウ乳鉢で混合した。次いで、混合粉末2gを秤量し、φ10mmのジルコニア製ボール500gとともに、遊星ボールミル(フリッチュ社製、P−7)にて100rpmで1時間混合粉砕した。次いで、400rpmで15時間混合粉砕し、Li1112組成の硫化物系固体電解質材料を得た。
Figure 0006754593
実施例で得られたバイポーラ型の全固体型リチウムイオン電池は、比較例で得られたバイポーラ型の全固体型リチウムイオン電池に比べて変形量が少なかった。
以上から、本実施形態に係るリチウムイオン電池によれば、電池充放電時の変形が抑制されることが確認できた。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
正極層と、リチウムイオン伝導性を有する電解質層と、負極層と、がこの順に積層されることにより構成された発電素子を1つ以上含む電池本体と、
繊維強化樹脂により構成され、前記電池本体の変形を抑える繊維強化樹脂部材と、
を備えるリチウムイオン電池。
2.
1.に記載のリチウムイオン電池において、
前記電池本体を封入する外装体をさらに備えるリチウムイオン電池。
3.
2.に記載のリチウムイオン電池において、
前記外装体は金属層を少なくとも有するラミネートフィルムを含むリチウムイオン電池。
4.
2.または3.に記載のリチウムイオン電池において、
前記外装体は、前記電池本体のみを封入する、または、前記電池本体と前記繊維強化樹脂部材の両方を封入するリチウムイオン電池。
5.
1.乃至4.のいずれか一つに記載のリチウムイオン電池において、
前記繊維強化樹脂を構成する樹脂が、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂およびメタクリル樹脂から選択される一種または二種以上を含むリチウムイオン電池。
6.
5.に記載のリチウムイオン電池において、
前記繊維強化樹脂を構成する樹脂がエポキシ樹脂を含むリチウムイオン電池。
7.
1.乃至6.のいずれか一つに記載のリチウムイオン電池において、
前記繊維強化樹脂を構成する繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、およびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選択される一種または二種以上を含むリチウムイオン電池。
8.
1.乃至7.のいずれか一つに記載のリチウムイオン電池において、
前記電解質層が固体電解質層であり、
前記電池本体が全固体型リチウムイオン電池であるリチウムイオン電池。
9.
1.乃至8.のいずれか一つに記載のリチウムイオン電池において、
前記電池本体が前記発電素子を2つ以上含むバイポーラ型リチウムイオン電池であるリチウムイオン電池。
11 正極層
12 電解質層
13 負極層
14 発電素子
15 電池本体
20 繊維強化樹脂部材
30 外装体
40 保護枠
50 電極端子
60 金属層
100 リチウムイオン電池

Claims (9)

  1. 正極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、負極層と、がこの順に積層されることにより構成された発電素子のみからなる電池本体と、
    繊維強化樹脂により構成され、前記電池本体の変形を抑える繊維強化樹脂部材と、
    を備え、
    前記繊維強化樹脂部材が前記電池本体に接着しているリチウムイオン電池。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン電池において、
    前記電池本体を封入する外装体をさらに備えるリチウムイオン電池。
  3. 請求項2に記載のリチウムイオン電池において、
    前記外装体は金属層を少なくとも有するラミネートフィルムを含むリチウムイオン電池。
  4. 請求項2または3に記載のリチウムイオン電池において、
    前記外装体は、前記電池本体と前記繊維強化樹脂部材の両方を封入するリチウムイオン電池。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池において、
    前記繊維強化樹脂を構成する樹脂が、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂およびメタクリル樹脂から選択される一種または二種以上を含むリチウムイオン電池。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオン電池において、
    前記繊維強化樹脂を構成する樹脂がエポキシ樹脂を含むリチウムイオン電池。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池において、
    前記繊維強化樹脂を構成する繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、およびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選択される一種または二種以上を含むリチウムイオン電池。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池において、
    前記電解質層が固体電解質層であり、
    前記電池本体が全固体型リチウムイオン電池であるリチウムイオン電池。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池において、
    前記電池本体が前記発電素子を2つ以上含むバイポーラ型リチウムイオン電池であるリチウムイオン電池。
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