JP6570851B2 - バイポーラ型リチウムイオン電池およびバイポーラ型リチウムイオン電池の製造方法 - Google Patents

バイポーラ型リチウムイオン電池およびバイポーラ型リチウムイオン電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、バイポーラ型リチウムイオン電池およびバイポーラ型リチウムイオン電池の製造方法に関する。
バイポーラ型リチウムイオン電池は、正極層と負極層との間に、バイポーラ電極層を設けた構造を有する電池である。バイポーラ電極層とは、集電体の一方の面に正極活物質層が設けられ、他方の面に負極活物質層が設けられた電極である。バイポーラ型リチウムイオン電池は、高電圧化、部品点数の低減、単位セル同士の電気抵抗の低減、不要空間の削減による高エネルギー密度化等が比較的容易なことから注目を集めている。
以下の特許文献1および2には、バイポーラ型リチウムイオン電池の例が記載されている。
特許文献1(特開2014−116156号)には、固体電解質の一方の面に正極電極層が形成され他方の面に負極正極電極層が形成されてなるリチウム電池の単位セルと、上記単位セルと交互に積層される内部電極層とを含むバイポーラ型の積層電池を複数個有し、 上記複数の積層電池は、正極集電箔および負極集電箔を介して積み重ねられ、かつ並列に電気接続され、さらに、モールド樹脂によって封止されたことを特徴とする全固体電池が記載されている。
特許文献2(特開2008−103285号)には、正極と負極と固体電解質からなる全固体電池であって、正極を構成する正極活物質と負極を構成する負極活物質が1枚の集電体の両側に保持されるバイポーラ型電極を備え、固体電解質がリチウム元素、リン元素および硫黄元素を含有し、該固体電解質の固体31P−NMRスペクトルが、90.9±0.4ppmおよび86.5±0.4ppmの位置に、結晶に起因するピークを有し、上記固体電解質に占める上記結晶の比率が60〜100mol%であることを特徴とする全固体バイポーラ電池が記載されている。
特開2014−116156号公報 特開2008−103285号
従来のバイポーラ型リチウムイオン電池は、まず正極層、バイポーラ電極層、固体電解質層、負極層等の中間体を作製し、その後中間体を組み上げてバイポーラ型リチウムイオン電池としている。しかし、ユーザー毎に異なる電圧仕様に対応するためには、単位セルを複数作製し、得られた単位セルを重ね合わせることによりバイポーラ型リチウムイオン電池を作製する方法の方が好ましい。
しかし、本発明者らの検討によれば、単位セル同士を重ね合わせる方法では、複数の単位セルを積層する際に単位セル同士がズレ易く、単位セル同士のズレが生じた場合、正極層、負極層もしくは電解質層の欠落や崩壊が生じて短絡が起こり易いことが明らかになった。
本発明者らは、単位セル同士のズレが抑制されたバイポーラ型リチウムイオン電池を安定的に提供するため鋭意検討した。その結果、バイポーラ電極集電体として炭素シートを用いることにより、単位セル同士のズレを抑制できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、
バイポーラ型リチウムイオン電池であって、
正極層と、負極層と、上記正極層と上記負極層との間に設けられた一または二以上のバイポーラ電極層と、複数の電解質層と、を備え、
上記正極層と上記バイポーラ電極層との間および上記負極層と上記バイポーラ電極層との間に上記電解質層が設けられており、
上記バイポーラ電極層は、バイポーラ電極集電体と、上記バイポーラ電極集電体の一方の面に設けられた正極活物質層と、上記バイポーラ電極集電体の他方の面に設けられた負極活物質層と、を含み、
上記バイポーラ電極集電体の少なくとも一つは、上記負極活物質層側に位置する第一炭素シートと、上記正極活物質層側に位置する第二炭素シートとが一体化した炭素シートにより構成されているバイポーラ型リチウムイオン電池が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記のバイポーラ型リチウムイオン電池を製造するための製造方法であって、
正極集電体と、第一正極活物質層と、第一電解質層と、第一負極活物質層と、第一炭素シートがこの順番に積層された第一単位セルを作製する工程と、
第二炭素シートと、第二正極活物質層と、第二電解質層と、第二負極活物質層と、負極集電体と、がこの順番に積層された第二単位セルを作製する工程と、
上記第一炭素シートの一面と上記第二炭素シートの一面が重なるように、得られた上記第一単位セルと上記第二単位セルを積層して積層体を作製する工程と、
上記積層体を加圧することにより、上記第一炭素シートと上記第二炭素シートを一体化し、バイポーラ電極層を形成する工程と、
を含むバイポーラ型リチウムイオン電池の製造方法が提供される。
本発明によれば、単位セル同士の積層性に優れたバイポーラ型リチウムイオン電池を実現できる。
本実施形態のバイポーラ型リチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。 本実施形態のバイポーラ型リチウムイオン電池の製造工程の一例を模式的に示した工程断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
[バイポーラ型リチウムイオン電池]
はじめに、本実施形態のバイポーラ型リチウムイオン電池100について説明する。
図1は、本実施形態のバイポーラ型リチウムイオン電池100の構造の一例を模式的に示した断面図である。
本実施形態に係るバイポーラ型リチウムイオン電池100は、正極層101と、負極層103と、正極層101と負極層103との間に設けられた一または二以上のバイポーラ電極層105と、複数の電解質層107(107a、107b)と、を備える。
正極層101とバイポーラ電極層105との間に電解質層107aが設けられている。バイポーラ電極層105と負極層103との間に電解質層107bが設けられている。バイポーラ電極層105は、バイポーラ電極集電体109と、バイポーラ電極集電体109の一方の面に設けられた正極活物質層111bと、バイポーラ電極集電体109の他方の面に設けられた負極活物質層113aと、を含む。そして、バイポーラ電極集電体109の少なくとも一つは炭素シートにより構成されている。
本発明者らの検討によれば、単位セル同士が積層されたバイポーラ型リチウムイオン電池は、複数の単位セルを積層する際に単位セル同士がズレ易いことが明らかになった。
上記事情の元に、本発明者らは、単位セル同士のズレが抑制されたバイポーラ型リチウムイオン電池を安定的に提供するため鋭意検討した。その結果、バイポーラ電極集電体として炭素シートを用いることにより、単位セル同士のズレを抑制できることを見出し、本発明に至った。単位セル同士のズレを抑制できる理由は明らかではないが、各単位セルの炭素シート同士がファンデルワールス力で密着し、単位セル同士を密着させることができるからだと考えられる。
バイポーラ型リチウムイオン電池100は、電解質層107(107a、107b)を介して、正極層101とバイポーラ電極層105と負極層103とがこの順番で積層されている。また、正極活物質層111aと負極活物質層113aとが、電解質層107aを介して対向するように積層されている。また、正極活物質層111bと負極活物質層113bとが、電解質層107bを介して対向するように積層されている。このようにして、正極活物質層111aと電解質層107aと負極活物質層113aにより構成される第1の発電要素と、正極活物質層111bと電解質層107bと負極活物質層113bにより構成される第2の発電要素が形成される。なお、本実施形態では、正極層101と負極層103との間に、1つのバイポーラ電極層105を積層しているが、それに限定されず、バイポーラ型リチウムイオン電池100の供給電圧の設計値に応じて2つ以上のバイポーラ電極層105を積層してもよい。その場合、バイポーラ電極層105とそれに隣り合うバイポーラ電極層105との間にも、電解質層107が配置される。具体的には、2つ以上のバイポーラ電極層105は、所定のバイポーラ電極層105の正極活物質層111bと、別のバイポーラ電極層105の負極活物質層113aとが電解質層107を介して対向するように積層される。
以下、バイポーラ型リチウムイオン電池100の各構成要素について具体的に説明する。
(正極層)
正極層101は特に限定されず、リチウムイオン電池に一般的に用いられている正極を使用することができる。正極層101は、通常、正極活物質層111aと、正極集電体115と、を含む。
正極層101は特に限定されないが、一般的に公知の方法に準じて製造することができる。例えば、正極活物質を含む正極活物質層111aを正極集電体115上に形成することにより得ることができる。
正極層101の厚みや密度は、電池の使用用途等に応じて適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
正極集電体115としては、特に限定されず、リチウムイオン電池に一般的に用いられているものを使用でき、例えば、銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ステンレス鋼箔、炭素シート等が挙げられる。
正極活物質層111aは特に限定されないが、正極活物質以外の成分として、例えば、固体電解質材料、バインダー、導電助剤等から選択される一種または二種以上の材料を含んでもよい。
正極活物質層111a中の各種材料の配合割合は、電池の使用用途等に応じて、適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
正極活物質としては特に限定されず、リチウムイオン電池の正極に使用可能な一般的に公知の正極活物質を用いることができる。例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムマンガン酸化物(LiMn)、固溶体酸化物(LiMnO−LiMO(M=Co、Ni等))、リチウム−マンガン−ニッケル酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)、オリビン型リチウムリン酸化物(LiFePO)等の複合酸化物;ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子;LiS、CuS、Li−Cu−S化合物、TiS、FeS、MoS、Li−Mo−S化合物、Li−Ti−S化合物、Li−V−S化合物等の硫化物系正極活物質;硫黄を含浸したアセチレンブラック、硫黄を含浸した多孔質炭素、硫黄と炭素の混合粉等の硫黄を活物質とした材料;等を用いることができる。これらの正極活物質は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、より高い放電容量密度を有し、かつ、サイクル特性により優れる観点から、硫化物系正極活物質が好ましく、Li−Mo−S化合物、LiTiS化合物、LiS化合物から選択される一種または二種以上がより好ましい。
ここで、Li−Mo−S化合物は構成元素としてLi、Mo、およびSを含んでいるものであり、通常は原料であるモリブデン硫化物および硫化リチウムをメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得ることができる。
また、Li−Ti−S化合物は構成元素としてLi、Ti、およびSを含んでいるものであり、通常は原料であるチタン硫化物と硫化リチウムをメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得ることができる。
Li−V−S化合物は構成元素としてLi、V、およびSを含んでいるものであり、通常は原料であるバナジウム硫化物と硫化リチウムをメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得ることができる。
また、正極活物質は特に限定されないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径d50が、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1μm以上10μm以下である。
正極活物質の平均粒子径d50を上記範囲内とすることにより、良好なハンドリング性を維持すると共に、より一層高密度の正極を作製することができる。
上記固体電解質材料としては特に限定されないが、一般的にリチウムイオン電池に用いられるものを用いることができる。例えば、硫化物系固体電解質材料、酸化物系固体電解質材料、その他のリチウム系無機固体電解質材料等の無機系固体電解質材料;ポリマー電解質等の有機系固体電解質材料を挙げることができる。これらの中でも、硫化物系固体電解質材料が好ましい。これにより、正極活物質との界面抵抗がより一層低下し、出力特性に優れたリチウムイオン電池にすることができる。
上記硫化物系固体電解質材料としては、例えば、LiS−P材料、LiS−SiS材料、LiS−GeS材料、LiS−Al材料、LiS−SiS−LiPO材料、LiS−P−GeS材料、LiS−LiO−P−SiS材料、LiS−GeS−P−SiS材料、LiS−SnS−P−SiS材料等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、リチウムイオン伝導性に優れ、かつ広い電圧範囲で分解等を起こさない安定性を有する点から、LiS−P材料が好ましい。ここで、例えば、LiS−P材料とは、少なくともLiS(硫化リチウム)とPとを含む混合物をメカノケミカル処理等の混合粉砕することにより得られる材料を意味する。
上記酸化物系固体電解質材料としては、例えば、LiTi(PO、LiZr(PO、LiGe(PO等のNASICON型、(La0.5+xLi0.5−3x)TiO等のペロブスカイト型等が挙げられる。
その他のリチウム系無機固体電解質材料としては、例えば、LiPON、LiNbO、LiTaO、LiPO、LiPO4−x(xは0<x≦1)、LiN、LiI、LISICON等が挙げられる。さらに、これらの無機固体電解質の結晶を析出させて得られるガラスセラミックスも固体電解質材料として用いることができる。
上記有機系固体電解質材料としては、例えば、ドライポリマー電解質、ゲル電解質等のポリマー電解質を用いることができる。
ポリマー電解質としては、一般的にリチウムイオン電池に用いられるものを用いることができる。
上記固体電解質材料の形状としては、例えば粒子状を挙げることができる。粒子状の固体電解質材料は特に限定されないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径d50が、好ましくは1μm以上20μm以下であり、より好ましくは1μm以上10μm以下である。
上記固体電解質材料の平均粒子径d50を上記範囲内とすることにより、良好なハンドリング性を維持すると共に、リチウムイオン伝導性をより一層向上させることができる。
上記導電助剤としてはリチウムイオン電池に使用可能な通常の導電助剤であれば特に限定されないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト類;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類;アルミニウム粉等の金属粉末類;酸化亜鉛ウィスカー、導電性チタン酸カリウムウィスカー等の導電性ウィスカー類;酸化チタン等の導電性金属酸化物;フェニレン誘導体等の有機導電性材料;等が挙げられる。これらの導電助剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、粒子径が小さく、価格が安いカーボンブラック類が好ましい。
上記バインダーとしては、ポリマー電解質およびそれ以外のバインダーを使用できる。ポリマー電解質の中でも、ドライポリマー電解質が好ましい。また、ポリマー電解質とそれ以外のバインダーとを組み合わせて使用してもよい。
ポリマー電解質以外のバインダーとしては、リチウムイオン電池で一般的に使用されるバインダーであれば特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ヘキシル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ヘキシル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ポリヘキサフルオロプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらのバインダーは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(負極層)
負極層103は特に限定されず、リチウムイオン電池に一般的に用いられている負極を使用することができる。負極層103は、通常、負極活物質層113bと、負極集電体117と、を含む。
負極層103は特に限定されないが、一般的に公知の方法に準じて製造することができる。例えば、負極活物質を含む負極活物質層113bを負極集電体117上に形成することにより得ることができる。
負極層103の厚みや密度は、電池の使用用途等に応じて適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
負極集電体117としては、特に限定されず、リチウムイオン電池に一般的に用いられているものを使用でき、例えば、銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ステンレス鋼箔、炭素シート等が挙げられる。
負極活物質層113bは特に限定されないが、負極活物質以外の成分として、例えば、固体電解質材料、バインダー、導電助剤等から選択される一種または二種以上の材料を含んでもよい。固体電解質材料、バインダーおよび導電助剤の具体例としては、前述した正極活物質層111aで挙げたものと同様のものを挙げることができる。
負極活物質層113b中の各種材料の配合割合は、電池の使用用途等に応じて、適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
上記負極活物質としては特に限定されず、リチウムイオン電池の負極に使用可能な一般的に公知の負極活物質を用いることができる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、樹脂炭、炭素繊維、活性炭、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素質材料;スズ、スズ合金、シリコン、シリコン合金、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を主体とした金属系材料;ポリアセン、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性ポリマー;金属リチウム;リチウムチタン複合酸化物(例えばLiTi12);Li−Si合金、Li−Sn合金、Li−Al合金、Li−Ga合金、Li−Mg合金、Li−In合金等のリチウム合金;等が挙げられる。これらの負極活物質は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
負極活物質の形状としては、例えば粒子状や箔状を挙げることができる。
本実施形態に係る粒子状の負極活物質は特に限定されないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径d50が、好ましくは1μm以上50μm以下であり、より好ましくは5μm以上30μm以下である。
負極活物質の平均粒子径d50を上記範囲内とすることにより、良好なハンドリング性を維持すると共に、より一層高密度の負極を作製することができる。
(バイポーラ電極層)
バイポーラ電極層105は、バイポーラ電極集電体109と、バイポーラ電極集電体109の一方の面に設けられた正極活物質層111bと、バイポーラ電極集電体109の他方の面に設けられた負極活物質層113aと、を含む。
バイポーラ電極集電体109には、バイポーラ型リチウムイオン電池に一般的に用いられているバイポーラ電極集電体を使用することができる。例えば、ステンレス鋼箔、クラッド材等が挙げられる。クラッド材には、例えば、銅を主成分とする層と、アルミニウムを主成分とする層とを接合した積層材料等が挙げられる。
また、本実施形態において、バイポーラ電極集電体109の少なくとも一つは炭素シートにより構成されており、バイポーラ電極集電体109のすべてが炭素シートにより構成されていることが好ましい。これにより、バイポーラ型リチウムイオン電池100において、単位セル同士の積層性を優れたものにすることができる。
バイポーラ電極集電体109を構成する炭素シートは、通常、第一炭素シート109aと第二炭素シート109bとが積層した構造となっている。
上記炭素シートとしては、炭素シート同士の密着性に優れるか観点から、グラファイトシート、単層グラフェンシート、多層グラフェンシート等のグラフェンシート、非晶質炭素シート、炭素繊維シート等から選択される一種または二種以上が好ましく、炭素シート同士のファンデルワールス力がより効果的に働き、炭素シート同士の密着性により一層優れる観点から、グラファイトシート、グラフェンシートから選択される一種または二種以上がより好ましい。これにより、バイポーラ型リチウムイオン電池100において、単位セル同士の積層性をより一層優れたものにすることができる。
また、バイポーラ電極集電体109の厚みをより一層薄くできる観点から、炭素シートとしてはグラフェンシートが特に好ましい。
上記炭素シートの厚みは、バイポーラ型リチウムイオン電池100の厚みを薄くしながら、正極活物質層111bと負極活物質層113aとの短絡を防ぐ観点から、0.1μm以上200μm以下が好ましく、1μm以上100μm以下がより好ましい。
正極活物質層111bとしては、正極活物質層111aと同様の構成を挙げることができる。また、負極活物質層113aとしては、負極活物質層113bと同様の構成を挙げることができる。
(導電性樹脂層)
本実施形態に係る正極集電体115、負極集電体117、バイポーラ電極集電体109等の集電体において、活物質層が形成される面上には導電性樹脂層が設けられていることが好ましい。これにより、各集電体に対する各活物質層の密着性を高めることができる。
本実施形態に係る導電性樹脂層は特に限定されないが、例えば、樹脂および導電性微粒子を含み、導電性微粒子が導電性樹脂層中に分散している構造が好ましい。
本実施形態に係る導電性樹脂層の厚みは特に限定されないが、通常は5μm以上60μm以下であり、好ましくは10μm以上40μm以下である。
導電性樹脂層の厚みが上記範囲内であると、活物質層と集電体との接着性と、導電性樹脂層の導電性とのバランスが優れる。
本実施形態に係る導電性樹脂層に含まれる導電性微粒子としては導電性を有する微粒子であれば特に限定はされないが、例えば、金、銀、白金、ニッケル、銅、コバルト、モリブデン、アンチモン、鉄、クロム等の金属粒子;アルミニウム・マグネシウム合金、アルミニウム・ニッケル合金等の合金粒子、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物粒子;ニッケル等の金属粒子に金、銀、白金等の貴金属類を被覆した粒子;ガラス、セラミック、プラスチック等の非導電性粒子に金、銀、白金等の貴金属類を被覆した粒子;カーボン粒子等が挙げられる。
本実施形態に係る導電性樹脂層に含まれる樹脂としては導電性微粒子を分散することができ、かつ、粘着性を示す粘着剤が好ましい。例えば、(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂等が挙げられる。ここで、本実施形態では、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルを総称する表現として用いることとする。
本実施形態において、(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する熱可塑性樹脂であり、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、(メタ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能な不飽和結合を有するビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。
(電解質層)
電解質層107は、正極活物質層111aと負極活物質層113aとの間および正極活物質層111bと負極活物質層113bとの間に介在するように配置される層である。電解質層107としては、多孔性セパレーターに非水電解液を含浸させたものや、固体電解質材料を含む固体電解質層が挙げられる。
本実施形態の多孔性セパレーターとしては正極活物質層と負極活物質層を電気的に絶縁させ、リチウムイオンを透過する機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、多孔性膜を用いることができる。
多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が挙げられる。特に、多孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
本実施形態の非水電解液とは、電解質を溶媒に溶解させたものである。
上記電解質としては、公知のリチウム塩がいずれも使用でき、活物質の種類に応じて選択すればよい。例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、CFSOLi、CHSOLi、LiCFSO、LiCSO、Li(CFSON、低級脂肪酸カルボン酸リチウム等が挙げられる。
上記電解質を溶解する溶媒としては、電解質を溶解させる液体として通常用いられるものであれば特に限定されず、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ビニレンカーボネート(VC)等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のオキソラン類;アセトニトリル、ニトロメタン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の有機酸エステル類;リン酸トリエステルやジグライム類;トリグライム類;スルホラン、メチルスルホラン等のスルホラン類;3−メチル−2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン類;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、ナフタスルトン等のスルトン類;等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の固体電解質層は固体電解質材料を含む層である。固体電解質層は特に限定されず、全固体型リチウムイオン電池に一般的に用いられている固体電解質層を使用することができる。固体電解質層は特に限定されないが、一般的に公知の方法に準じて製造することができる。
固体電解質層を構成する固体電解質材料としては、リチウムイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、前述した正極活物質層111aで挙げたものと同様のものを挙げることができる。これらの中でも、硫化物系固体電解質材料が好ましい。これにより、固体電解質材料間の界面抵抗がより一層低下し、出力特性に優れたリチウムイオン電池にすることができる。
本実施形態の固体電解質層における固体電解質材料の含有量は、所望の絶縁性が得られる割合であれば特に限定されるものではないが、例えば、10体積%以上100体積%以下の範囲内、中でも、50体積%以上100体積%以下の範囲内であることが好ましい。
また、本実施形態の固体電解質層は、バインダーを含有していてもよい。バインダーを含有することにより、可撓性を有する固体電解質層を得ることができる。バインダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有結着材を挙げることができる。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm以上1000μm以下の範囲内、中でも、0.1μm以上300μm以下の範囲内であることが好ましい。
固体電解質層の厚みや密度は、電池の使用用途等に応じて適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
バイポーラ型リチウムイオン電池100は電解質層107として、上述した固体電解質層を用いることによって全固体型リチウムイオン電池とすることができる。全固体型リチウムイオン電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性、安全性に優れる。
[バイポーラ型リチウムイオン電池の製造方法]
つぎに、本実施形態のバイポーラ型リチウムイオン電池100の製造方法について説明する。図2は、本実施形態のバイポーラ型リチウムイオン電池100の製造工程の一例を模式的に示した工程断面図である。
バイポーラ型リチウムイオン電池100の製造方法は、例えば、以下の4つの工程を含む。
(1)正極集電体115と、正極活物質層111a(第一正極活物質層)と、電解質層107a(第一電解質層)と、負極活物質層113a(第一負極活物質層)と、第一炭素シート109aがこの順番に積層された第一単位セル100aを作製する工程
(2)第二炭素シート109bと、正極活物質層111b(第二正極活物質層)と、電解質層107b(第二電解質層)と、負極活物質層113b(第二負極活物質層)と、負極集電体117と、がこの順番に積層された第二単位セル100bを作製する工程
(3)第一炭素シート109aの一面と第二炭素シート109bの一面が重なるように、得られた第一単位セル100aと第二単位セル100bを積層して積層体150を作製する工程と、
(4)積層体150を加圧することにより、第一炭素シート109aと第二炭素シート109bを一体化し、バイポーラ電極層105を形成する工程
はじめに、(1)正極集電体115と、正極活物質層111aと、電解質層107aと、負極活物質層113aと、第一炭素シート109aがこの順番に積層された第一単位セル100aを作製する。
第一単位セル100aは、一般的に公知の方法に準じて製造される。例えば、正極集電体115および正極活物質層111aにより構成された正極層と、電解質層107aと、負極活物質層113aおよび第一炭素シート109aにより構成された負極層と、をこの順番に積層することにより得ることができる。
つぎに、(2)第二炭素シート109bと、正極活物質層111bと、電解質層107bと、負極活物質層113bと、負極集電体117と、がこの順番に積層された第二単位セル100bを作製する。
第二単位セル100bは、一般的に公知の方法に準じて製造される。例えば、第二炭素シート109bおよび正極活物質層111bにより構成された正極層と、電解質層107bと、負極活物質層113bおよび負極集電体117とにより構成された負極層と、をこの順番に積層することにより得ることができる。
次いで、(3)第一炭素シート109aの一面と第二炭素シート109bの一面が重なるように、得られた第一単位セル100aと第二単位セル100bを積層して積層体150を作製する。
次いで、(4)積層体150を加圧することにより、第一炭素シート109aと第二炭素シート109bを一体化し、バイポーラ電極層105を形成する。
積層体150を加圧することにより、第一炭素シート109aと第二炭素シート109bがファンデルワールス力で密着しバイポーラ電極集電体109となる。こうすることで、第一単位セル100aと第二単位セル100bが密着し、一体化する。また、積層体150を加圧することにより、各層間のアンカー効果で一定の強度を有するバイポーラ型リチウムイオン電池100になる。
積層体150を加圧する圧力は、例えば、40MPa以上500MPa以下である。
積層体150を加圧する方法は特に限定されず、例えば、平板プレス、ロールプレス等を用いることができる。
また、必要に応じて積層体150を加圧するとともに加熱してもよい。加熱加圧を行えば固体電解質材料同士の融着・結合が起こり、得られる固体電解質層の強度はより一層高くなる。その結果、固体電解質材料の欠落や、固体電解質層表面のひび割れをより一層抑制できる。
積層体150を加熱する温度は、例えば、150℃以上500℃以下である。
本実施形態のバイポーラ型リチウムイオン電池100の製造方法は、使用する装置が簡便であり、生産性に優れている。また、第一炭素シート109aと第二炭素シート109bとの密着性が優れているため、複数の単位セルを積層する際に単位セル同士のズレが起こりにくい。そのため、歩留まり良くバイポーラ型リチウムイオン電池100を得ることができる。すなわち、本実施形態のバイポーラ型リチウムイオン電池100の製造方法によれば、バイポーラ型リチウムイオン電池100の生産性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[1]測定方法
はじめに、以下の実施例、比較例における測定方法を説明する。
(1)粒度分布
レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(マルバーン社製、マスターサイザー3000)を用いて、レーザー回折法により、実施例および比較例で用いた材料の粒度分布を測定した。測定結果から、各材料について、重量基準の累積分布における50%累積時の粒径(d50、平均粒子径)をそれぞれ求めた。
(2)積層性評価
後述の実施例および比較例において、アルミラミネートフィルムによる真空ラミネートの条件を変化させて、バイポーラ型リチウムイオン電池をそれぞれ10個作製し、以下の基準で積層性を評価した。
○:第一単位セルと第二単位セルとの間にズレが生じたバイポーラ型リチウムイオン電池が無かったもの
×:第一単位セルと第二単位セルとの間にズレが生じたバイポーラ型リチウムイオン電池が1個以上あったもの
なお、第一単位セルと第二単位セルとの間のズレは目視で観察し、明らかにズレがあったものを「ズレあり」とした。
(3)短絡防止性評価
後述の実施例および比較例において、アルミラミネートフィルムによる真空ラミネートの条件を変化させて、バイポーラ型リチウムイオン電池をそれぞれ10個作製し、短絡が無い場合の初期の自然電位である2V以上が得られた電池の個数を百分率で評価した。
[2]材料
つぎに、以下の実施例、比較例において使用した材料について説明する。
(1)正極活物質(Li14MoS化合物)の製造
アルゴン雰囲気下で、Al製ポットに、MoS(和光純薬工業社製、745mg、4.7mmol、平均粒子径:10μm)と、LiS(シグマアルドリッチジャパン社製、1497mg、32.5mmol、平均粒子径:5μm)と、を秤量して加え、さらにZrOボールを入れ、Al製ポットを密閉した。
次いで、Al製ポットを、ボールミル回転台に乗せ97rpmで、4日間処理を行い、混合物を得た。
得られたLi−Mo−S化合物は乳鉢により粉砕し、目開き43μmの篩により分級して、平均粒子径d50が2μmのLi−Mo−S化合物を得た。
Moの含有量に対するLiの含有量のモル比(Li/Mo)は14であり、Moの含有量に対するSの含有量のモル比(S/Mo)は9であった。
(2)硫化物系固体電解質材料(Li1112)の製造
硫化物系固体電解質材料であるLi1112を以下の手順で作製した。
原料には、LiS(シグマアルドリッチジャパン製、純度99.9%)、P(関東化学製試薬)を使用した。LiNは、以下の手順で作製した。
まず、窒素雰囲気のグローブボックス中で、Li箔(本城金属社製純度99.8%、厚さ0.5mm)にステンレス製の剣山を使用しφ1mm以下の穴を多数開けた。Li箔は穴の部分から黒紫色に変化し始め、そのまま、常温で24時間放置することでLi箔すべてが黒紫色のLiNに変化した。LiNは、メノウ乳鉢で粉砕後、ステンレス製篩で篩い分けし、75μm以下の粉末を回収し無機固体電解質材料の原料とした。
つづいて、アルゴングローブボックス中で各原料をLiS:P:LiN=67.5:22.5:10.0(モル%)になるように精秤し、これら粉末を20分間メノウ乳鉢で混合した。次いで、混合粉末2gを秤量し、φ10mmのジルコニア製ボール500gとともに、遊星ボールミル(フリッチュ社製、P−7)にて100rpmで1時間混合粉砕した。次いで、400rpmで15時間混合粉砕し、Li1112組成の硫化物系固体電解質材料を得た。
(3)負極活物質(Li22Si)の製造
Li−Si合金であるLi22Siを以下の手順で作製した。
アルゴン雰囲気下、マグネシア坩堝中で、Li箔(本城金属社製、1.04g)とSi粉末(古河機械金属社製、0.96g)を300℃、1時間溶融混合した。次いで、その混合物をアルミナ製ボールミルポットに入れ、さらにZrOボールを入れ、アルミナ製ボールミルポットを密閉した。次いで、アルミナ製ボールミルポットを97rpmで、27時間処理を行い、Li22Si組成のLi−Si合金を得た。
<実施例1>
グラファイトシート(東洋炭素社製パーマフォイルPF−5UHP、厚さ:50μm)、導電性樹脂層(寺岡製作所製7025、厚さ:35μm)、負極活物質層(Li22Si:ケッチェンブラック(KB):Li1112=4:1.5:3(重量%)、厚さ:90μm)、固体電解質層(Li1112、厚さ:200μm)、正極活物質層(Li14MoS:ケッチェンブラック(KB):Li1112=1:0.5:1.2(重量%)、厚さ:45μm)、導電性樹脂層(寺岡製作所製7025、厚さ:35μm)、グラファイトシート(東洋炭素社製パーマフォイルPF−5UHP、厚さ:50μm)をこの順で積層させた。次いで、得られた積層体を80MPaで加圧して第一単位セルを作製した。ここで、第一単位セルの作製と同様の方法で、第一単位セルと同じ構成の第二単位セルを作製した。
次いで、グラファイトシート同士が重なるように、得られた第一単位セルと第二単位セルを積層して積層体を作製し、得られた積層体を80MPaで加圧した。次いで、得られた積層体をアルミラミネートフィルムで真空ラミネートし、バイポーラ型リチウムイオン電池1を得た。このバイポーラ型リチウムイオン電池1について上記積層性評価および短絡防止性評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
<実施例2>
グラファイトシートの代わりに多層グラフェンシート(厚さ:3μm)を用いた以外は実施例1と同様にしてバイポーラ型リチウムイオン電池2を作製した。このバイポーラ型リチウムイオン電池2について上記積層性評価および短絡防止性評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
<比較例1>
グラファイトシートの代わりにステンレス鋼箔(厚さ:10μm)を用いた以外は実施例1と同様にしてバイポーラ型リチウムイオン電池3を作製した。このバイポーラ型リチウムイオン電池3について上記積層性評価および短絡防止性評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
<比較例2>
グラファイトシートの代わりにアルミ箔(厚さ:12μm)を用いた以外は実施例1と同様にしてバイポーラ型リチウムイオン電池4を作製した。このバイポーラ型リチウムイオン電池4について上記積層性評価および短絡防止性評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
Figure 0006570851
表1から、バイポーラ電極集電体に炭素シートを用いた実施例のバイポーラ型リチウムイオン電池は、バイポーラ電極集電体に炭素シート以外の集電体を用いた比較例のバイポーラ型リチウムイオン電池に比べて、単位セル同士の積層性に優れていることが分かった。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
バイポーラ型リチウムイオン電池であって、
正極層と、負極層と、前記正極層と前記負極層との間に設けられた一または二以上のバイポーラ電極層と、複数の電解質層と、を備え、
前記正極層と前記バイポーラ電極層との間および前記負極層と前記バイポーラ電極層との間に前記電解質層が設けられており、
前記バイポーラ電極層は、バイポーラ電極集電体と、前記バイポーラ電極集電体の一方の面に設けられた正極活物質層と、前記バイポーラ電極集電体の他方の面に設けられた負極活物質層と、を含み、
前記バイポーラ電極集電体の少なくとも一つは炭素シートにより構成されているバイポーラ型リチウムイオン電池。
2.
1.に記載のバイポーラ型リチウムイオン電池において、
前記炭素シートがグラファイトシート、グラフェンシート、非晶質炭素シート、炭素繊維シートから選択される一種または二種以上を含むバイポーラ型リチウムイオン電池。
3.
1.または2.に記載のバイポーラ型リチウムイオン電池において、
前記炭素シートの厚みが0.1μm以上200μm以下であるバイポーラ型リチウムイオン電池。
4.
1.乃至3.いずれか一つに記載のバイポーラ型リチウムイオン電池において、
前記電解質層が固体電解質材料を含む固体電解質層であるバイポーラ型リチウムイオン電池。
5.
4.に記載のバイポーラ型リチウムイオン電池において、
全固体型リチウムイオン電池であるバイポーラ型リチウムイオン電池。
6.
1.乃至5.いずれか一つに記載のバイポーラ型リチウムイオン電池を製造するための製造方法であって、
正極集電体と、第一正極活物質層と、第一電解質層と、第一負極活物質層と、第一炭素シートがこの順番に積層された第一単位セルを作製する工程と、
第二炭素シートと、第二正極活物質層と、第二電解質層と、第二負極活物質層と、負極集電体と、がこの順番に積層された第二単位セルを作製する工程と、
前記第一炭素シートの一面と前記第二炭素シートの一面が重なるように、得られた前記第一単位セルと前記第二単位セルを積層して積層体を作製する工程と、
前記積層体を加圧することにより、前記第一炭素シートと前記第二炭素シートを一体化し、バイポーラ電極層を形成する工程と、
を含むバイポーラ型リチウムイオン電池の製造方法。
100 バイポーラ型リチウムイオン電池
100a 第一単位セル
100b 第二単位セル
101 正極層
103 負極層
105 バイポーラ電極層
107 電解質層
107a 電解質層
107b 電解質層
109 バイポーラ電極集電体
109a 第一炭素シート
109b 第二炭素シート
111a 正極活物質層
111b 正極活物質層
113a 負極活物質層
113b 負極活物質層
115 正極集電体
117 負極集電体
150 積層体

Claims (6)

  1. バイポーラ型リチウムイオン電池であって、
    正極層と、負極層と、前記正極層と前記負極層との間に設けられた一または二以上のバイポーラ電極層と、複数の電解質層と、を備え、
    前記正極層と前記バイポーラ電極層との間および前記負極層と前記バイポーラ電極層との間に前記電解質層が設けられており、
    前記バイポーラ電極層は、バイポーラ電極集電体と、前記バイポーラ電極集電体の一方の面に設けられた正極活物質層と、前記バイポーラ電極集電体の他方の面に設けられた負極活物質層と、を含み、
    前記バイポーラ電極集電体の少なくとも一つは、前記負極活物質層側に位置する第一炭素シートと、前記正極活物質層側に位置する第二炭素シートとが一体化した炭素シートにより構成されているバイポーラ型リチウムイオン電池。
  2. 請求項1に記載のバイポーラ型リチウムイオン電池において、
    前記炭素シートがグラファイトシート、グラフェンシート、非晶質炭素シート、炭素繊維シートから選択される一種または二種以上を含むバイポーラ型リチウムイオン電池。
  3. 請求項1または2に記載のバイポーラ型リチウムイオン電池において、
    前記炭素シートの厚みが0.1μm以上200μm以下であるバイポーラ型リチウムイオン電池。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載のバイポーラ型リチウムイオン電池において、
    前記電解質層が固体電解質材料を含む固体電解質層であるバイポーラ型リチウムイオン電池。
  5. 請求項4に記載のバイポーラ型リチウムイオン電池において、
    全固体型リチウムイオン電池であるバイポーラ型リチウムイオン電池。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載のバイポーラ型リチウムイオン電池を製造するための製造方法であって、
    正極集電体と、第一正極活物質層と、第一電解質層と、第一負極活物質層と、第一炭素シートがこの順番に積層された第一単位セルを作製する工程と、
    第二炭素シートと、第二正極活物質層と、第二電解質層と、第二負極活物質層と、負極集電体と、がこの順番に積層された第二単位セルを作製する工程と、
    前記第一炭素シートの一面と前記第二炭素シートの一面が重なるように、得られた前記第一単位セルと前記第二単位セルを積層して積層体を作製する工程と、
    前記積層体を加圧することにより、前記第一炭素シートと前記第二炭素シートを一体化し、バイポーラ電極層を形成する工程と、
    を含むバイポーラ型リチウムイオン電池の製造方法。
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