以下、実施形態の自動改札機システム、鉄道利用管理システム、およびプログラムを、図面を参照して説明する。なお、実施形態の鉄道利用管理システムは、鉄道の駅における入出場の管理を行うシステムである。
(第1の実施形態)
[全体構成]
図1は、第1の実施形態における鉄道利用管理システム1の構成の一例を示す図である。鉄道利用管理システム1は、例えば、端末装置10と、複数の自動改札機100と、複数の駅務サーバ装置200と、センターサーバ装置300とを備える。各駅には、少なくとも一つの自動改札機100および駅務サーバ装置200が設置される。なお、鉄道利用管理システム1は、自動改札機システムを含む。自動改札機システムは、例えば、端末装置10の利用者が駅構内に入場するために通過する第1の自動改札機と、駅構外に出場するために通過する第2の自動改札機とを備える。図1の例では、A駅を入場駅とし、B駅を出場駅とする。
端末装置10は、利用者によって利用される携帯可能な端末装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等である。端末装置10は、自動改札機100に翳す媒体として利用される。すなわち、鉄道利用管理システム1では、端末装置10が乗車券として利用される。端末装置10の画面上には、端末装置10を乗車券として機能させるための読取画像CDが表示される。この読取画像CDには、駅構内に入場するときに使用する第1の読取画像CD1(第1画像)と、駅構外に出場するときに使用する第2の読取画像CD2(第2画像)とが含まれる。
読取画像CDは、利用者が自動改札機100を通過する際に自動改札機100によって読み取られる。読取画像CDは、例えば、QRコード等の二次元コードや、バーコード等の一次元コード等である。これらの各種コードは、例えば、乗車券としての効力情報、または効力情報とその他情報とを含めた情報がエンコードされたものである。効力情報は、例えば、有効期間、入場駅の識別情報、乗車可能区間(出場駅の識別情報等)、読取画像CDのそれぞれを識別するコード識別情報(コードID)等を含む情報である。また、その他情報は、例えば、端末装置10における設定言語等を含む情報である。なお、読取画像CDは、機械(自動改札機100)によって内容が認識可能であるとともに、人が視認することによって内容が認識できないものであれば如何なる態様であってもよい。
自動改札機100は、例えば、駅の改札口に設けられる。自動改札機100は、端末装置10の表示画面に表示された読取画像CDから情報を読み取ることによって、利用者の通過を許可または禁止する。なお、本実施形態において自動改札機100は、読取画像CDのみを処理可能な装置として説明するがこれに限られない。例えば、自動改札機100は、更に、交通系ICカードや磁気券、コードが印刷された紙券等を並行して処理可能な装置であってもよい。
また、自動改札機100は、駅構内への入場時に、端末装置10とWi−Fi等の近距離無線を用いた通信を行う。また、自動改札機100は、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して駅務サーバ装置200と通信を行う。
駅務サーバ装置200は、自動改札機100から取得した情報を、LANやWAN(Wide Area Network)、セルラー網やWi−Fi網、専用回線、プロバイダ、インターネット等を含む公衆ネットワーク(以下、「ネットワークNW」と称する)を介して、センターサーバ装置300に送信する。更に、駅務サーバ装置200は、センターサーバ装置300から受信した情報を自動改札機100等に送信する。
センターサーバ装置300は、駅務サーバ装置200およびネットワークNWを介して自動改札機100から受信した情報に基づいて、種々の処理を行う。また、センターサーバ装置300は、端末装置10とネットワークNWを介して通信を行う。また、センターサーバ装置300は、端末装置10の利用者による鉄道の利用に対する乗車券の発行や課金を管理する。センターサーバ装置300は、「管理装置」の一例である。
以下、端末装置10、自動改札機100、およびセンターサーバ装置300についてそれぞれ説明する。
[端末装置]
まず、端末装置10について説明を行う。図2は、端末装置10の構成の一例を示す図である。端末装置10は、例えば、操作部11と、表示部12と、端末側通信部13と、乗車券購入処理部14と、画像生成部15と、端末側記憶部30とを備える。操作部11は、例えば、ボタン、キーボード、マウス、マイク、タッチパネル等のユーザインターフェースである。なお、表示部12がタッチパネルである場合、操作部11の一部は表示部12と一体として形成される。操作部11は、利用者の入力操作を受け付ける。入力操作には、読取画像CDを取得するための入力操作や読取画像CDを表示部12に表示させるための入力操作、その他の各種入力操作が含まれる。
表示部12は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示装置を含む。表示部12は、乗車券購入処理部14によって出力される情報に基づいて各種画像を表示する。以下、操作部11と表示部12が一体として形成されたものをタッチパネル部と称して説明する。タッチパネル部およびその他の操作部11の構成は、「受付部」の一例である。
端末側通信部13は、ネットワークNWを用いてセンターサーバ装置300と通信する。また、端末側通信部13は、Wi−FiやBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて自動改札機100と通信する。
乗車券購入処理部14は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが端末側記憶部30に記憶されたプログラム(例えば乗車券購入アプリ31)を実行することにより実現される。プログラムは、例えば、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバ(不図示)からダウンロードされてもよいし、SDカード等の可搬型記憶媒体に格納されたものが端末装置10にインストールされてもよい。また、乗車券購入処理部14の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
図3は、乗車券購入アプリ31が起動された際に、端末装置10のタッチパネル部に乗車券購入のための入力画面が表示された様子を示す図である。この入力画面は、予めユーザ登録をしておき、例えばユーザIDやパスワードを入力してログインした後に、所定の操作をすることで表示される。例えば、乗車券購入アプリ31がタッチ操作される等して起動すると、乗車券購入処理部14は、乗車券購入のための入力画面を表示部12に表示させる。入力画面には、日本語や英語、フランス語、中国語等といった端末装置10の設定言語を設定するための領域A1、乗車区間を指定するための領域A2、乗車券の効力が有効開始となる乗車日を指定するための領域A3、乗車券の発行要求を確定するためのボタンB1等が設けられてよい。端末装置10の設定言語は、乗車券購入アプリ31内での設定言語であってもよいし、端末装置10のOS(Operating System)の設定言語であってもよい。
また、入力画面には、乗車券購入に係る費用の決済方式を指定するための領域(不図示)等が設けられていてもよい。このような入力画面は、乗車券購入アプリ31へのログインが完了した後に表示されてよい。上述した領域に各種情報が入力されて、図中「YES」ボタンが操作されると、乗車券の発行要求が確定する。この場合、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13を用いて、入力された情報を画像要求情報(画像リクエスト)としてセンターサーバ装置300に送信する。
画像生成部15は、端末側通信部13がセンターサーバ装置300から受信した画像要求情報に対するレスポンス情報(乗車券情報)と、端末装置10を識別するための端末識別情報(端末ID)と基づいて、入場用の乗車券表示画面を生成する。また、画像生成部15は、生成した入場用の乗車券表示画面を表示部12に表示させる。図4は、入場用の乗車券の表示画面が表示された様子を示す図である。乗車券表示画面には、乗車区間を表示するための領域A4、乗車券の効力が有効開始となる乗車日または乗車券の効力が終了となる有効期限を表示するための領域A5、入場用の第1の読取画像CD1を表示するための領域A6、メニュー画面等の他の画面に切り替えるためのボタンB2等が設けられてよい。例えば、画像生成部15は、操作部11により「メニュー画面」ボタンが選択されたことを受け付けると、表示部12に表示される画面を予め設定された画面(例えば、ホーム画面)に切り替える。
図4に示す入場用の乗車券表示画面を自動改札機100に翳し、自動改札機100により通過が許可された場合、端末側通信部13は、自動改札機100からWi−Fi等によって入場時通過情報を受信する。入場時通過情報には、入場した駅を識別する情報(入場駅ID)や入場日時等の駅構内への入場に関する情報等が含まれる。
画像生成部15は、センターサーバ装置300から受信した乗車券情報と、自動改札機100から受信した入場時通過情報と、端末IDとに基づいて、出場用の乗車券表示画面を生成する。また、画像生成部15は、生成した出場用の乗車券表示画面を表示部12に表示させる。図5は、出場用の乗車券の表示画面が表示された様子を示す図である。出場用の乗車券表示画面には、出場用の第2の読取画像CD2を表示するための領域A7が設けられる。また、出場用の乗車券表示画面には、図4と同様に、乗車区間を表示するための領域A4、乗車券の効力が有効開始となる乗車日を表示するための領域A5、およびメニュー画面等の他の画面に切り替えるためのボタンB2等が設けられてよい。
端末装置10の利用者は、駅構外への出場時に図5に示す出場用の乗車券表示画面を自動改札機100に翳すことで、乗車券情報と、入場時通過情報とを、自動改札機100に読み取らせることができる。
また、図5に示す出場用の乗車券表示画面を自動改札機100に翳し、自動改札機100により通過が許可された場合、端末側通信部13は、自動改札機100からWi−Fi等によって出場時通過情報を受信する。出場時通過情報には、出場が許可されたことを示す情報や、第1の読取画像CD1および第2の読取画像CD2を削除する要求情報等の駅構外への出場に関する情報が含まれる。画像生成部15は、第1の読取画像CD1および第2の読取画像CD2を削除する要求情報に基づいて、第1の読取画像CD1および第2の読取画像CD2を削除する。これにより、乗車券が複数回、繰り返し利用されるのを防止することができる。
端末側記憶部30は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。端末側記憶部30は、プロセッサが実行する乗車券購入アプリ31等のプログラムを格納する。
[自動改札機]
次に、自動改札機100について説明する。図6は、第1の実施形態における自動改札機100を上方から見た図である。自動改札機100は、例えば、通路を挟んで対向配置される主機110と従機130とを備えてよい。主機110は、例えば、読取部111と、上面表示部112と、正面表示部113と、扉部114および115と、改札機側制御部150とを備える。また、従機130は、読取部131と、上面表示部132と、正面表示部133と、扉部134および135とを備える。
主機110の読取部111は、図6に示すa方向に通過しようとする利用者によって翳された端末装置10により表示された第1の読取画像CD1または第2の読取画像CD2を撮像し、画像データを改札機側制御部150に送信する。
上面表示部112は、読取部111に対して端末装置10が翳された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果、またはセンターサーバ装置300から受信した情報に基づく画像を表示する。正面表示部113は、図6に示すa方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部113の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。
一方、従機130の読取部131は、図6に示すb方向に通過しようとする利用者によって翳された端末装置10に表示された第1の読取画像CD1または第2の読取画像CD2を撮像し、画像データを改札機側制御部150に送信する。上面表示部132は、読取部131に対して端末装置10が翳された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果、またはセンターサーバ装置300から受信した情報に基づく画像を表示する。正面表示部133は、図6に示すb方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部133の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。
改札機側制御部150は、図6に示すa方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部115および135を開放状態に維持するとともに、扉部114および134を開放状態または閉止状態に制御することで、a方向の利用者の通過を許可または禁止する。また、改札機側制御部150は、図6に示すb方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部114および134を開放状態に維持するとともに、扉部115および135を開放状態または閉止状態に制御することで、b方向の利用者の通過を許可または禁止する。
また、自動改札機100の動作モードには、図6に示すa方向の通過とb方向の通過との双方を許可する動作モードが含まれていてもよい。この場合、改札機側制御部150は、例えば、利用者が通過中でなければ正面表示部113と正面表示部133の双方に通過を許可することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。また、改札機側制御部150は、例えば、利用者がa方向およびb方向のいずれかの側から進入し、読取部111と読取部131とのいずれか一方に端末装置10が翳されると、他方の読取部を無効化するとともに、利用者が進入してきていない側の表示部(正面表示部113または正面表示部133)に、通過を禁止することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。
なお、自動改札機100は、上述したように利用者が双方向に通過可能なものに限らず、主機と補機(従機)により構成される、利用者が一方向にのみ通過可能なものであってもよい。
図7は、第1の実施形態における自動改札機100の読取部111を上方から見た図である。読取部111は、例えば、タッチ面表示部PNおよびカメラCAMを備える。タッチ面表示部PNは、例えば、LCDや有機ELディスプレイであり、上方から見てカメラCAMの周囲に配置される。カメラCAMは、利用者によって自機前に翳された物体を撮像する。例えば、表示画面に第1の読取画像CD1または第2の読取画像CD2が表示された端末装置10が利用者によって翳されると、カメラCAMは、端末装置10の表示画面を撮像する。カメラCAMは、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを有する。なお、図7に示す読取部111の構成は、従機130の読取部131にも同様に適用してもよい。すなわち、従機130の読取部131は、タッチ面表示部PNおよびカメラCAMを含む構成であってもよい。
図8は、第1の実施形態における自動改札機100の機能構成の一例を示す図である。自動改札機100は、図6に示す構成の他、例えば、改札機側制御部150の指示に従って音声を出力するスピーカ140と、端末装置10と通信する改札機側第1通信部142と、駅務サーバ装置200等と通信する改札機側第2通信部144と、改札機側制御部種々の情報を格納する改札機側記憶部170とを更に備える。改札機側制御部150は、通信制御部151と、画像処理部152と、通過可否判定部153と、通過制御部154と、入場時通過情報送信制御部155と、出場時通過情報送信制御部156とを備える。上述した読取部111、131と画像処理部152とを合わせたものは、画像から情報を光学的に読み取る「光学読取部」の一例である。
改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、CPU等のプロセッサが改札機側記憶部170に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてよい。また、改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現され、それぞれの機能を実現するための回路構成を有してもよい。また、改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
通信制御部151は、改札機側第1通信部142および改札機側第2通信部144における通信を制御する。例えば、通信制御部151は、改札機側第1通信部142により駅務サーバ装置200を介してセンターサーバ装置300とのデータの送受信を制御する。また、通信制御部151は、改札機側第2通信部144により端末装置10との近距離通信によるデータの送受信を制御する。
画像処理部152は、例えば、読取部111(131)のカメラCAMにより撮像された画像における第1の読取画像CD1または第2の読取画像CD2の部分を解析して配列情報を取得し、配列情報をデコードして、ビット列等で表されるコンピュータが認識可能な電子情報に変換する。
通過可否判定部153は、画像処理部152により取得された情報に基づいて、利用者の通過可否を判定する。
通過制御部154は、通過可否判定部153による判定結果に基づいて、利用者の通過を許可、あるいは禁止する制御を行う。また、通過制御部154は、画像処理部152によって第1の読取画像CD1または第2の読取画像CD2が抽出されない場合、または抽出された第1の読取画像CD1または第2の読取画像CD2がデコードされない、あるいはデコードされた結果が無効な場合、利用者の通過を禁止する制御を行う。
通過制御部154は、通過の許可または禁止の判定に応じて、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PN、またはこれらを組み合わせたものを制御する。なお、通過制御部154は、画像処理部152により取得された情報に、端末装置10(乗車券購入アプリ31)における設定言語の情報が含まれている場合、この設定言語に合わせて各種表示部に表示させる画像データ(またはテキストデータ)やスピーカ140に出力させる音声データを選択してよい。例えば、設定言語が英語の場合、通過制御部154は、改札機側記憶部170に格納された各種データから、英字表記されたテキストデータを選択するとともに、英語音声の音声データを選択する。
入場時通過情報送信制御部155は、通過可否判定部153により端末装置10の利用者を駅構内に入場させることを許可すると判定された場合に、入場時通過情報を生成し、生成した入場時通過情報を、改札機側第1通信部142によって端末装置10に送信させる。なお、入場時通過情報送信制御部155は、入場時通過情報を送信する場合に、例えば現時点でWi−Fi等により近距離無線通信が可能な1以上の端末の端末IDのうち、第1の読取画像CD1に含まれる端末IDと同一の端末IDを有する端末装置10に対して、入場時通過情報を送信する。
出場時通過情報送信制御部156は、通過可否判定部153により端末装置10の利用者を出場させることを許可すると判定された場合に出場時通過情報を生成し、生成した出場時通過情報を、改札機側第1通信部142によって端末装置10に送信させる。
また、出場時通過情報送信制御部156は、第2の読取画像CD2から取得した入場駅IDと、端末装置10の利用者が駅構外に出場する出場駅の識別情報(出場駅ID)と、コードIDとを端末IDに関連付けて、改札機側第2通信部144によってセンターサーバ装置300に送信させる。このとき、出場時通過情報送信制御部156は、入場駅IDと、出場駅IDとの運賃を、運賃テーブル172から取得し、取得した運賃を端末IDに関連付けた情報を、改札機側第2通信部144によってセンターサーバ装置300に送信させてもよい。
改札機側記憶部170は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現されてよい。改札機側記憶部170は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、自機が設置された駅の識別情報(駅ID)や、各種表示部に表示させる画像データやテキストデータ、スピーカ140に出力させる音声データ、運賃テーブル172等を格納する。画像データ、テキストデータ、および音声データは、乗車券購入アプリ31において設定され得る端末装置10の設定言語の数に対応した数だけ用意されてよい。運賃テーブル172は、例えば、駅の区間に対して運賃が対応付けられた情報である。
なお、上記の説明において、自動改札機100は、入場処理と出場処理とを切り替えて実行可能なものとして説明したが、入場処理のみ行うもの、または出場処理のみ行うものであってもよい。入場処理と出場処理とを切り替えて実行する場合、その自動改札機100は、「第1の自動改札機」として機能したり、「第2の自動改札機」として機能したりする。
[センターサーバ装置]
次に、センターサーバ装置300の説明を行う。図9は、第1の実施形態におけるセンターサーバ装置300の機能構成の一例を示す図である。センターサーバ装置300は、例えば、サーバ側通信部310と、サーバ側制御部320と、サーバ側記憶部330とを備える。
サーバ側通信部310は、上述したネットワークNWを介して、端末装置10や自動改札機100と通信を行う。
サーバ側制御部320は、アプリ連携処理部(入場処理部)322と、決済処理部324とを備える。サーバ側制御部320のこれらの構成要素のうち一部または全部は、CPU等のプロセッサがサーバ側記憶部330に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、例えば、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバからダウンロードされてもよいし、SDカード等の可搬型記憶媒体に格納されたものがセンターサーバ装置300にインストールされてもよい。
アプリ連携処理部322は、サーバ側通信部310を用いて、乗車券購入アプリ31が起動された端末装置10と通信を行い、端末装置10の画面に表示させる画像を制御する。例えば、アプリ連携処理部322は、サーバ側通信部310により画像要求情報が受信されると、受信した画像要求情報から効力情報を抽出し、当該効力情報をレコードとして効力情報データベース332に記憶させる。
図10は、効力情報データベース332の一例を示す図である。図示のように、効力情報データベース332は、ユーザIDに対し、端末ID、有効期間、乗車駅に対応する入場駅ID、降車駅に対応する出場駅ID、コードIDといった効力情報が対応付けられた情報である。効力情報データベース332には、例えば、乗車券購入アプリ31が起動された端末装置10により送信された情報が随時、レコードとして追加されてよい。
また、アプリ連携処理部322は、端末装置10の画面に第1の読取画像CD1を表示させるために画像生成情報を生成し、これを画像要求情報に対するレスポンス情報(乗車券情報)として端末装置10に送信する。画像生成情報は、例えば、第1の読取画像CD1の画像データそのもの、あるいは圧縮された画像データであってもよいし、第1の読取画像CD1の元となる効力情報等が文字や数値等に変換されたテキストデータまたはバイナリデータであってもよい。また、画像生成情報は、第1の読取画像CD1を表示するウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。
端末装置10は、画像生成情報をセンターサーバ装置300から受信すると、画像生成情報に基づいて第1の読取画像CD1を表示する。なお、画像生成情報がテキストデータまたはバイナリデータである場合、端末装置10は、それらのデータに基づく効力情報を第1の読取画像CD1にエンコードし、当該第1の読取画像CD1をタッチパネル部に描画(レンダリング)する。
決済処理部324は、出場用の自動改札機100において通過が許可された利用者に対して、入場駅から出場駅までの利用区間の運賃(課金額の一例)を算出する。例えば、決済処理部324は、出場用の自動改札機100から受信した端末IDごとの入場駅IDと出場駅IDとに基づいて利用区間の運賃を算出してよい。そして、決済処理部324は、効力情報データベース332を参照して、端末IDとコードIDとに対応付けられた利用者(ユーザID)を特定し、当該利用者に対して運賃を請求することを決定する。
また、決済処理部324は、例えば決済用情報データベース334を参照して、ユーザIDごとに設定された決済方式を用いて、予め定められた口座から運賃を引き落とし決済する。
図11は、決済用情報データベース334の一例を示す図である。図示のように、決済用情報データベース334は、乗車券購入アプリ31の利用者の識別情報であるユーザIDに対し、乗車券購入に係る費用の決済方式等の情報が対応付けられた情報である。ユーザIDは、例えば、乗車券購入アプリ31のログインIDであってよい。決済用情報データベース334は、例えば、乗車券購入アプリ31が起動された端末装置10により送信された情報を参照することによって随時、レコード(一つのユーザIDに対応するデータ)が追加されてよい。なお、端末装置10の利用者が指定する決済方式や口座番号等を、駅窓口の駅務員や決済代行サービス業者のオペレータ等が専用端末に入力する場合、センターサーバ装置300は、当該専用端末により出力された情報を参照することで決済用情報データベース334を生成してもよい。
なお、実際の決済処理は、クレジット会社や通信キャリア会社の決済サーバ等、外部装置に依頼して行ってもよい。また、決済処理部324による決済処理は、利用者が自動改札機100を通過する度に行われてもよいし、所定期間後に一括して行われてもよい。また、決済処理部324による決済処理は、必ずしも利用者が自動改札機100を通過するタイミングで行われる必要はなく、通過後のいずれかのタイミングで行われてよい。また、決済処理部324は、乗車券購入アプリ31において乗車券が購入された時点、すなわち端末装置10から画像要求情報を受信した時点で運賃の決済を行ってもよい。
サーバ側記憶部330は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。サーバ側記憶部330は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、効力情報データベース332、および決済用情報データベース334を格納する。
[処理の内容]
以下、鉄道利用管理システム1の一連の処理について説明する。図12は、第1の実施形態における鉄道利用管理システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、本シーケンスでは、自動改札機100とセンターサーバ装置300との通信を仲介する駅務サーバ装置200については説明を省略している。
まず、端末装置10は、乗車券購入アプリ31が起動されると入力画面を表示する(ステップS100)。次に、端末装置10は、入力画面に入力された情報を含む画像要求情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS102)。
次に、センターサーバ装置300は、端末装置10から受信した画像要求情報から効力情報を抽出し、当該効力情報をレコードとして効力情報データベース332に記憶させるとともに、効力情報を含む画像生成情報を生成する(ステップS104)。次に、センターサーバ装置300は、生成した画像生成情報を、画像要求情報に対するレスポンスとして端末装置10に送信する(ステップS106)。
次に、端末装置10は、センターサーバ装置300から受信した画像生成情報に基づいて、第1の読取画像CD1の画像を画面に表示する(ステップS108)。これによって、利用者は、第1の読取画像CD1を表示した端末装置10を自動改札機100に翳すことで駅構内に入場することができる。
自動改札機100は、第1の読取画像CD1を表示した端末装置10が翳された場合、端末装置10から第1の読取画像CD1を読み取り、読み取った第1の読取画像CD1から効力情報を取得する(ステップS110)。次に、自動改札機100は、取得した効力情報と、現在の時刻情報と、自機が設置された駅の識別情報(すなわち入場駅の識別情報)と、運賃テーブル172とに基づいて、入場する利用者の通過可否を判定する(ステップS112)。以下では、通過が許可されたものとする。
次に、自動改札機100は、通過を許可すると、第1の読取画像CD1が翳された時刻(入場時刻)や自機が設置された駅の識別情報(入場駅ID)等を含む入場時通過情報を生成し、生成した入場時通過情報を、改札機側第1通信部142によりWi−Fi等の近距離無線通信を用いて端末装置10に送信する(ステップS114)。
端末装置10は、自動改札機100から入場時通過情報を受信すると、画像生成情報と入場時通過情報とに基づいて、第2の読取画像CD2の画像を生成して画面に表示する(ステップS118)。これによって、利用者は、第2の読取画像CD2が表示された端末装置10を自動改札機100に翳すことで駅構外に出場することができる。
自動改札機100は、第2の読取画像CD2が表示された端末装置10が翳された場合、端末装置10から第2の読取画像CD2を読み取り、第2の読取画像CD2から効力情報と入場時通過情報とを取得する(ステップS120)。次に、自動改札機100は、例えば、取得した効力情報および入場時通過情報と、現在の時刻情報と、自機が設置された駅の識別情報(出場駅ID)と、運賃テーブル172とに基づいて、出場する利用者の通過可否を判定する(ステップS122)。以下では、通過が許可されたものとする。
次に、自動改札機100は、通過を許可すると、出場が許可されたことを示す情報や、第1の読取画像CD1および第2の読取画像CD2を削除する要求情報等の出場時通過情報を生成し(ステップS124)、生成した出場時通過情報を、改札機側第1通信部142によりWi−Fi等の近距離無線通信を用いて出場時通過情報に送信する(ステップS126)。次に、端末装置10は、自動改札機100から受信した出場時通過情報に基づいて、読取画像CD1および読取画像CD2を削除する(ステップS128)。また、ステップS128の処理において、端末装置10は、出場が許可されたことを示す情報を表示部12に表示させてもよい。
また、自動改札機100は、上述した端末装置10から取得した効力情報および入場時通過情報とともに、第2の読取画像CD2が翳された時刻(出場時刻)や出場駅ID等を含む情報を、ネットワークNWを介してセンターサーバ装置300に送信する(ステップS130)。
次に、センターサーバ装置300は、自動改札機100から受信した入場駅IDと、出場駅IDとに基づいて、利用区間に係る運賃を算出し、効力情報データベース332を参照して、入場情報または出場情報に含まれるコードIDに対応付けられた利用者(ユーザID)に運賃を請求することを決定する(ステップS132)。なお、センターサーバ装置300は、算出した運賃に関する情報を端末装置10に送信してもよい。この場合、端末装置10は、乗車に要した運賃を表示する。これによって、鉄道利用管理システム1において一人のユーザが入場してから出場するまでの一連の処理が終了する。
以下、鉄道利用管理システム1における端末装置10の処理についてフローチャートを用いて説明する。図13は、第1の実施形態における端末装置10による処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、端末装置10の乗車券購入処理部14は、乗車券購入アプリ31が起動されるまで休止状態であり、乗車券購入アプリ31が起動されると起動し、乗車券購入のための入力画面を表示して購入操作(利用者による入力操作)を受け付ける(ステップS200)。
次に、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13を用いて、入力された情報を含む画像要求情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS202)。次に、画像生成部15は、端末側通信部13が画像生成情報を受信するまで待機し(ステップS204)、画像生成情報が受信されると、受信した画像生成情報から生成した第1の読取画像CD1を表示部12に表示させる(ステップS206)。
次に、画像生成部15は、端末側通信部13が自動改札機100から入場時通過情報を受信するまで待機し(ステップS208)、入場時通過情報が受信されると、受信した入場時通過情報と画像生成情報とに基づいて第2の読取画像CD2を生成し、当該第2の読取画像CD2を表示部12に表示させる(ステップS210)。
次に、画像生成部15は、端末側通信部13が自動改札機100から出場時通過情報を受信するまで待機し(ステップS212)、出場時通過情報が受信されると、第1の読取画像CD1および第2の読取画像CD2を削除する(ステップS214)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以上説明した第1の実施形態によれば、端末装置10は、センターサーバ装置300から得られる乗車券情報に基づいて第1の読取画像CD1を生成し、生成した第1の読取画像CD1を表示部12に表示させる。端末装置10の利用者は、第1の読取画像CD1が表示された端末装置10を自動改札機100に翳すことで、駅構内への入場を行う。自動改札機100は、入場を許可した端末装置10に入場時通過情報を送信する。端末装置10は、入場時通過情報と乗車券情報とから第2の読取画像CD2を生成し、生成した自動改札機100を表示部12に表示させる。端末装置10の利用者は、第2の読取画像CD2が表示された端末装置10を自動改札機100に翳すことで、駅構外への出場を行う。また、自動改札機100は、出場時に読み取った情報をセンターサーバ装置300に送信する。これにより、センターサーバ装置300は、端末装置10の利用者に対する課金等の決済処理を行う。これにより、センターサーバ装置300との通信量を減らすことができ、通信負荷を軽減しつつ業務の継続性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態における鉄道利用管理システムについて説明する。第2の実施形態における鉄道利用管理システムは、第1の動作モードと、第2の動作モードとを切り替えて動作する。第1の動作モードとは、上述した第1の実施形態と同様の動作である。すなわち、第1の動作モードは、端末装置10と自動改札機100との間で通信を行い、自動改札機100から端末装置10に入場時通過情報および出場時通過情報を送信する動作モードである。
第2の動作モードとは、端末装置10の利用者の駅構内への入場が許可された場合、または駅構外への出場が許可された場合であって、且つ、自動改札機100とセンターサーバ装置300との通信が可能である場合に、端末装置10と自動改札機100との間で通信は行わずに、自動改札機100とセンターサーバ装置300との間、およびセンターサーバ装置300と端末装置10との間での通信を行い、センターサーバ装置300から端末装置10に入場時通過情報および出場時通過情報を送信する動作モードである。
そして、第2の実施形態における鉄道利用管理システムは、災害時やネットワークNWの回線エラー等の影響で、自動改札機100がセンターサーバ装置300と通信が行えなくなった場合(所定条件を満たす場合の一例)に、第1の動作モードを実施し、自動改札機100がセンターサーバ装置300と通信が行える場合に、第2の動作モードを実行する。これによって、通常時には、第2の動作モードを用いて駅周辺における通信量をいたずらに増大させることなく運用をすることができ、センターサーバ装置300の通信に異常が生じた際には、第1の動作モードを用いて業務を中断させることなく運用することができる。
以下、第2の実施形態における自動改札機100Aについて説明する。図14は、第2の実施形態における自動改札機100Aの機能構成の一例を示す図である。自動改札機100Aは、上述した鉄道利用管理システム1における自動改札機100に代わって設けられるものである。自動改札機100Aは、第1の実施形態の自動改札機100に示す構成の他、動作モード切替部157を備える。
動作モード切替部157は、入場時通過情報送信制御部155により生成された入場時通過情報を送信する場合、または出場時通過情報送信制御部156により生成された出場時通過情報を送信する場合に、上述した第1の動作モードおよび第2の動作モードのうち、どちらの動作モードで通信を行うかを判定する。例えば、動作モード切替部157は、予め取得しているセンターサーバ装置300のアドレス情報を用いて、センターサーバ装置300に対してネットワークNWの接続確認を行う。ネットワークNWの接続確認は、例えばセンターサーバ装置300に対してpingコマンドを送信し、その返答の有無によって確認することができる。ネットワークNWの接続確認は、周期的に繰り返し実行される。
例えば、センターサーバ装置300にpingコマンドを送信してから所定の時間が経過しても返答がない場合には、災害時やネットワークNWの回線エラーが発生しているか、センターサーバ装置300の負荷が高くなっている可能性が高い。そのため、動作モード切替部157は、第1の動作モードを用いて、改札機側第1通信部142により端末装置10に入場時通過情報または出場時通過情報を送信する。また、動作モード切替部157は、pingコマンドを送信してから所定時間内に返答が来た場合には、第2の動作モードを用いて、改札機側第2通信部144によりセンターサーバ装置300に入場時通過情報または出場時通過情報を送信する。
センターサーバ装置300は、自動改札機100Aから入場時通過情報を受信した場合に、受信した入場時通過情報をサーバ側記憶部330に記憶するとともに、その入場時通過情報を端末装置10に送信する。また、センターサーバ装置300は、自動改札機100Aから出場時通過情報を受信した場合に、受信した出場時通過情報をサーバ側記憶部330に記憶するとともに、その出場時通過情報を端末装置10に送信する。これらの動作により、端末装置10は、センターサーバ装置300から入場時通過情報および出場時通過情報を取得することができる。
なお、動作モードの切り替えは、これに限定されるものではない。例えば、端末装置10には、Wi−Fi等の近距離無線通信を行う機能がない端末装置も存在する。したがって、例えば、動作モード切替部157は、入場時通過情報または出場時通過情報を送信する際に、第1の読取画像CD1または第2の読取画像CD2に含まれる端末IDの端末装置と近距離無線通信が確立されていなかった場合に、第2の動作モードを用いて、センターサーバ装置300に入場時通過情報または出場時通過情報を送信する。
センターサーバ装置300は、自動改札機100Aから入場時通過情報または出場時通過情報を取得した場合に、取得した情報を、端末装置10に送信する。この場合、センターサーバ装置300は、入場時通過情報または出場時通過情報に関する情報を、サーバ側記憶部330に記憶させてよい。
[処理の内容]
以下、第2の実施形態における鉄道利用管理システムの一連の処理について説明する。図15は、第2の実施形態における鉄道利用管理システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、本シーケンスでは、自動改札機100Aとセンターサーバ装置300との通信を仲介する駅務サーバ装置200については説明を省略している。また、本シーケンスでは、第2の動作モードによる処理の流れについて説明する。なお、第1のモードによる処理の流れについては、動作モード切替部分を除き、上述した第1の実施形態と同様であるため、ここでの説明は、省略する。
まず、図15のステップS300〜S308に示す乗車券購入処理については、上述した第1の実施形態におけるステップS100〜S108と同様の処理であるため、ここでの説明は、省略する。
次に、自動改札機100Aは、第1の読取画像CD1を表示した端末装置10が翳された場合、端末装置10から第1の読取画像CD1を読み取り、読み取った第1の読取画像CD1から効力情報を取得する(ステップS310)。次に、自動改札機100Aは、取得した効力情報と、現在の時刻情報と、自機が設置された駅の識別情報(すなわち入場駅の識別情報)と、運賃テーブル172とに基づいて、入場する利用者の通過可否を判定する(ステップS312)。以下では、通過が許可されたものとする。
次に、自動改札機100Aは、通過を許可すると、入場時通過情報を生成する(ステップS314)。次に、自動改札機100Aは、どの動作モードで送信を行うかを判定する(ステップS316)。図15の例では、自動改札機100Aは、第2の動作モードで通信を行う。したがって、自動改札機100Aは、センターサーバ装置300に入場時通過情報を送信する(ステップS318)。
次に、センターサーバ装置300は、自動改札機100Aから入場時通過情報を受信すると、受信した入場時通過情報を、サーバ側記憶部330に記憶するとともに(ステップS320)、端末装置10に送信する(ステップS322)。次に、端末装置10は、センターサーバ装置300から入場時通過情報を受信すると、画像生成情報と入場時通過情報とに基づいて、第2の読取画像CD2の画像を生成して画面に表示する(ステップS324)。これによって、利用者は、第2の読取画像CD2が表示された端末装置10を自動改札機100Aに翳すことで駅構外に出場することができる。
自動改札機100Aは、第2の読取画像CD2が表示された端末装置10が翳された場合、端末装置10から第2の読取画像CD2を読み取り、第2の読取画像CD2から効力情報と入場時通過情報とを取得する(ステップS326)。次に、自動改札機100Aは、例えば、取得した効力情報および入場時通過情報と、現在の時刻情報と、自機が設置された駅の識別情報(出場駅ID)と、運賃テーブル172とに基づいて、出場する利用者の通過可否を判定する(ステップS328)。以下では、通過が許可されたものとする。
次に、自動改札機100Aは、通過を許可すると、出場が許可されたことを示す情報や、第1の読取画像CD1および第2の読取画像CD2を削除する要求情報等の出場時通過情報を生成する(ステップS330)。次に、自動改札機100Aは、どの動作モードで送信を行うかを判定する(ステップS332)。図15の例では、自動改札機100Aは、第2の動作モードで通信を行う。したがって、自動改札機100Aは、出場時通過情報と、上述した端末装置10から取得した効力情報および入場時通過情報と、出場時刻や出場駅ID等を含む情報とを、センターサーバ装置300に送信する(ステップS334)。
次に、センターサーバ装置300は、自動改札機100Aから受信した入場駅IDと、出場駅IDとに基づいて、利用区間に係る運賃を算出し、効力情報データベース332を参照して、入場情報または出場情報に含まれるコードIDに対応付けられた利用者(ユーザID)に運賃を請求することを決定する(ステップS336)。次に、センターサーバ装置300は、決定された請求情報と、自動改札機100Aから受信した出場時通過情報とを端末装置10に送信する(ステップS338)。
次に、端末装置10は、次に、端末装置10は、センターサーバ装置300から受信した出場時通過情報に基づいて、第1の読取画像CD1および第2の読取画像CD2を削除する(ステップS340)。また、ステップS340の処理において、端末装置10は、請求に関する情報を表示部12に表示させてもよい。これによって、第2の実施形態の鉄道利用管理システムにおいて一人のユーザが入場してから出場するまでの一連の処理が終了する。
以下、自動改札機100Aにおける動作モードの切替処理についてフローチャートを用いて説明する。図16は、自動改札機100Aにおける動作モードの切替処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図16の処理では、自動改札機100Aが端末装置10から第1の読取画像CD1または第2の読取画像CD2を読み取って通過の可否を判定し、通過が許可された後の処理を示している。
まず、自動改札機100Aの動作モード切替部157は、改札機側第2通信部144によってセンターサーバ装置300と通信可能か否かを判定する(ステップS400)。なお、ステップS400の処理において、動作モード切替部157は、例えば周期的にセンターサーバ装置300にping等の確認信号等を送信して通信状態を確認し、その結果に基づいて通信可否を判定する。
センターサーバ装置300と通信可能である場合、動作モード切替部157は、第2の動作モードにより、センターサーバ装置300に入場時通過情報または出場時通過情報を送信させる(ステップS402)。また、センターサーバ装置300と通信できない場合、動作モード切替部157は、第1の動作モードにより、端末装置10に入場時通過情報または出場時通過情報を送信する(ステップS404)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以上説明した第2の実施形態によれば、自動改札機100Aは、所定の条件に応じて第1の動作モードと第2の動作モードとを切り替えて通信を行うため、例えば、端末装置10の利用者が、第1の読取画像CD1を用いて入場した後に、ネットワークNWにおける回線エラー等により、センターサーバ装置300と通信できない状態になった場合でも、自動改札機100Aがセンターサーバ装置300の代わりに入場時通過情報や出場時通過情報を端末装置10に送信することができる。これにより、端末装置10の利用者は、駅構外に出場することができる。また、第2の実施形態によれば、センターサーバ装置300に関する通信負荷を軽減しつつ業務の継続性を向上させることができる。
なお、上述した第1の実施形態および第2の実施形態において、自動改札機100(100A)の改札機側第1通信部142は、「第1通信部」または「第4通信部」の一例である。また、自動改札機100(100A)の改札機側第2通信部144は、「第2通信部」または「第3通信部」の一例である。
また、上述した第1の実施形態および第2の実施形態は、各実施形態の全部または一部を他の実施形態と組み合わせもよい。また、上述した第1の実施形態または第2の実施形態は、例えば利用者が鉄道の特定乗継を行う場合にも適用できる。ここで、特定乗継は、第1特定乗継と第2特定乗継を含む。第1特定乗継とは、例えば、鉄道事業者が異なる二つ以上の路線を乗り継ぐ場合において、一度第1の路線の乗車を終えて駅構外に出場し、第2の路線の駅に入場することをいう。第1特定乗継は、「ラッチ外乗車」ともいう。また、第2特定乗継は、他の列車から特急または急行列車に乗り継ぐことをいう。例えば、鉄道事業者によって、上記いずれかの特定乗継の条件を満たしている場合、乗継前の運賃、または乗継後の運賃が割り引かれるサービスが提供されている。このような特定乗継が行われる場合にも、端末装置10は、自動改札機100(100A)から特定乗継に関する情報を含めた入場時通過情報および出場時通過情報を受信することで、駅構内への入場および駅構外への出場を可能にする。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、第1の自動改札機100は、端末装置10により表示された画像から情報を光学的に読み取る読取部111(131)と、読取部111(131)により読み取られた情報に基づいて、端末装置10の利用者の通過の可否を判定する通過可否判定部153と、端末装置10と通信する改札機側第1通信部142と、通過可否判定部153により端末装置10の利用者を駅構内に入場させることを許可すると判定された場合に、端末装置10の利用者の入場駅の識別情報を含む情報を、改札機側第1通信部142によって端末装置10に送信させる入場時通過情報送信制御部155とを備える。また、第2の自動改札機100は、端末装置10により表示された画像から情報を光学的に読み取る読取部111(131)と、読取部111(131)により読み取られた情報に基づいて、端末装置10の利用者の通過の可否を判定する通過可否判定部153と、端末装置10の利用者による鉄道の利用に対する課金を管理するセンターサーバ装置(管理装置)300と通信する改札機側第2通信部144と、通過可否判定部153により端末装置10の利用者を出場させることを許可すると判定された場合に、端末装置10の利用者が駅構内に入場した入場駅の識別情報と、端末装置10の利用者が駅構外に出場する出場駅の識別情報とが関連付けられた情報を、改札機側第2通信部144によってセンターサーバ装置300に送信させる出場時通過情報送信制御部156とを備える。これによって、鉄道利用管理システム1において、通信負荷を軽減しつつ業務の継続性を向上させることができる。
また、以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、自動改札機100は、所定の条件に応じて入場時通過情報または出場時通過情報を端末装置10に送信する第1の動作モードと、入場時通過情報または出場時通過情報をセンターサーバ装置300に送信する第2の動作モードとを切り替える動作モード切替部157を備える。これによって、ネットワークNWにおける回線エラー等により、センターサーバ装置300と通信できない状態でも、自動改札機100がセンターサーバ装置300の代わりに入場時通過情報または出場時通過情報を端末装置10に送信することができる。これにより、端末装置10の利用者は、駅構外に出場することができる。したがって、センターサーバ装置300に関する通信負荷を軽減しつつ、更に業務の継続性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。