JP6748914B2 - 柱同士の接合構造の設計方法及び柱同士の接合構造 - Google Patents

柱同士の接合構造の設計方法及び柱同士の接合構造 Download PDF

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Description

本発明は、柱同士の接合構造の設計方法及び柱同士の接合構造に関するものである。
従来から、鉄筋コンクリート柱とコンクリート充填鋼管柱とが鉛直方向に接合されるなど異種構造の柱同士が接合された合成構造建物が知られている。このような合成構造建物として、鉄筋コンクリート造の柱を有する下層部と、下層部の上側に配置された一層分の高さ範囲で設けられた境界層と、境界層の上側に配置され充填鋼管コンクリート造の柱を有する上層部と、を備えたものが提案されている (下記特許文献1参照)。
上記の合成構造建物における境界層には、外殻をなす接合鋼管と、接合鋼管内に挿入された主筋と、接合鋼管内に充填されたコンクリートと、を備えた切替部分(応力切替部)が設けられている。接合鋼管の内周面の上端部及び下端部には、接合鋼管の変形や面外座屈を抑制するために、リブ(接合鋼管面外変形防止材)が接合鋼管の内周面に沿って全周にわたり設けられている。
このような構成によれば例えば地下階一層のみの境界層で上層部の構造と下層部の構造とを切替えることができる。
特開2013−181350号公報
上記の特許文献1に記載の合成構造建物では、コンクリート充填鋼管柱のベースプレートには上方からの軸力が作用するため、接合鋼管のうち応力切替部には側面を面外へ押し広げようとする力が働く。さらに、地震時に水平力が作用すると、終局時には接合鋼管の上端近傍が面外変形するため、これを抑制することができる構造が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水平力が作用した場合でも、接合鋼管の上部の側面の面外変形を抑制することができる柱同士の接合構造の設計方法及び柱同士の接合構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る柱同士の接合構造の設計方法は、鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上方に配置された鉄骨造又は充填鋼管コンクリート造の第二柱と、を応力切替部を介して接合する柱同士の接合構造の設計方法であって、前記応力切替部は、前記第二柱の下部と、該第二柱の下部の外周側に配置され、前記第一柱のコンクリート部から鉛直方向に突出して延びる主筋部と、該主筋部を囲繞するとともに、前記鉛直方向に配置された平面視矩形状の接合鋼管と、該接合鋼管内に充填されたコンクリート部と、を備え、前記接合鋼管の隅角部を除く側壁の内周面における上部及び下部に、リブが前記内周面から内側に突出するように隅肉溶接により設けられ、前記接合鋼管の上部の前記リブは、下記の条件式(1)〜(5)を満足するような形状寸法とすることを特徴とする。
Figure 0006748914
Figure 0006748914
Figure 0006748914
Figure 0006748914
Figure 0006748914
但し、
y1: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
y2: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
RIB: リブの鉛直方向の長さ(mm)
: 接合鋼管の厚さ(mm)
F: 接合鋼管の材料のF値またはリブの材料のF値(N/mm
max:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
: 接合鋼管の幅(mm)
τ: 接合鋼管とリブとの溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm
S: 安全率
: 非溶接部分(隅肉溶接部分間)の長さ(mm)
: 隅肉溶接部分1カ所の長さ(mm)
a: 隅肉溶接部分ののど厚又は0.7s(mm)
s: 隅肉溶接部分の脚長(mm)
RIB: リブの厚さ(mm)である。
また本発明に係る柱同士の接合構造は、鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上方に配置された鉄骨造又は充填鋼管コンクリート造の第二柱と、が応力切替部を介して接合された柱同士の接合構造であって、前記応力切替部は、前記第二柱の下部と、該第二柱の下部の外周側に配置され、前記第一柱のコンクリート部から鉛直方向に突出して延びる主筋部と、該主筋部を囲繞するとともに、前記鉛直方向に配置された平面視矩形状の接合鋼管と、該接合鋼管内に充填されたコンクリート部と、を備え、前記接合鋼管の隅角部を除く側壁の内周面における上部及び下部に、リブが前記内周面から内側に突出するように隅肉溶接により設けられ、前記接合鋼管の上部の前記リブは、下記の条件式(6)〜(10)を満足するような形状寸法とすることを特徴とする。
Figure 0006748914
Figure 0006748914
Figure 0006748914
Figure 0006748914
Figure 0006748914
但し、
y1: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
y2: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
RIB: リブの鉛直方向の長さ(mm)
: 接合鋼管の厚さ(mm)
F: 接合鋼管の材料のF値またはリブの材料のF値(N/mm
max:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
: 接合鋼管の幅(mm)
τ: 接合鋼管とリブとの溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm
S: 安全率
: 非溶接部分(隅肉溶接部分間)の長さ(mm)
: 隅肉溶接部分1カ所の長さ(mm)
a: 隅肉溶接部分ののど厚又は0.7s(mm)
s: 隅肉溶接部分の脚長(mm)
RIB: リブの厚さ(mm)である。
このような発明によれば、応力切替部の平面視矩形状の接合鋼管に、隅角部を除く側壁の内周面における上部及び下部に、リブが隅肉溶接により設けられている。接合鋼管の隅角部は幾何学形状的に剛性が高く、当該隅角部にリブを設ける必要がないことから、リブを容易に形成して接合できる。
そして、接合鋼管に適した形状のリブを、上述のような条件式(1)〜(10)を満たすように、接合鋼管の側壁の内周面に隅肉溶接することで、応力切替部に水平方向の力が作用した場合の終局時における接合鋼管の上部の面外変形を抑止している。ここでは、リブが溶接された接合鋼管の上部の側壁に水平方向の力が作用して接合鋼管の両端部及び中央部の3カ所に降伏ヒンジが形成されるものと考え、接合鋼管とリブとの溶接部分に作用するせん断応力度が許容応力度以下となっていることを確認する。
この結果、本発明によれば、矩形状の接合鋼管の隅角部を除く側壁にリブを溶接することで面外変形を抑制した柱同士の接合構造において、地震等により接合鋼管に水平方向の力が作用しても、終局時に接合鋼管の上部の側壁に生じる面外変形を防止することが可能である。
本発明に係る柱同士の接合構造では、前記主筋部が前記応力切替部の下部に設けられた鉄筋継手により接続されていてもよい。
このように構成された柱同士の接合構造では、第一柱、第二柱及び応力切替部がプレキャスト部材で構成され、第一柱の上部と第二柱の下部とを応力切替部で接続する際、第一柱の上部と第二柱の下部とを所定の位置に配置した後で、第二柱の下部の周りに主筋部を配置することができ、作業効率がよい。
本発明に係る柱同士の接合構造の設計方法及び柱同士の接合構造によれば、異種構造の柱同士が接合される応力切替部に水平方向の力が作用しても、接合鋼管の上部の側壁に面外変形が生じることを防止できる。
(a)は本発明の実施形態に係る柱同士の接合構造を示す概略断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 (a)は応力切替部の水平方向断面図であり、(b)は(a)のB−B線において接合鋼管の側面に作用する応力図である。 (a)はリブの位置における応力切替部の水平方向断面図であり、(b)は応力切替部の鉛直方向断面図である。
本発明の実施形態に係る建築物について、図面を用いて説明する。
図1(a)(b)は、本発明の実施形態に係る柱同士の接合構造を示す概略正面図である。以下の図面において、構成を分かりやすくするために、破線で示すべきところを実線で示している場合がある。
図1に示すように、本実施形態に係る建築物10では、鉄筋コンクリート造の第一柱11が地下一階の床スラブ13まで延びている。充填鋼管コンクリート造の第二柱12は、地上一階の床スラブ14を鉛直方向に貫通するように配置されている。
第一柱11と第二柱12とは、地下一階の床スラブ13と地上一階の床スラブ14との間の一層で、後述する応力切替部15を介して接合されている(柱同士の接合構造)。第一柱11が地下二階の柱とされ、応力切替部15及び第二柱12の下部が地下一階の柱とされている。
なお本実施形態では、第一柱11、第二柱12及び応力切替部15は、それぞれプレキヤストコンクリート部材で構成されていてもよい。
(第一柱)
第一柱11は、詳細な図示は省略しているが、例えば水平方向に所定間隔で配置されて鉛直方向に延びる複数の柱主筋と、複数の柱主筋を束ねる複数の帯筋とが、平面視略矩形状に充填された第一コンクリート部17により覆われて配設されている。
複数の柱主筋は第一コンクリート部17の外周面に沿うように配置されて上方に延び、上端には鉄筋継手19が連結されている。地下一階の床スラブ13より上方に突出した鉄筋継手19には、後述する応力切替部15を構成する主筋部21が接続されている。
本実施形態では、第一柱11の柱主筋は鉄筋継手19にそれぞれ連結されており、鉄筋継手19から上方向に応力切替部15の主筋部21が突出して設けられている。
(第二柱)
第二柱12は、角筒状の角形鋼管23と、角形鋼管23内に充填された第二コンクリート部25とを有している。
第二柱12の各辺が第一柱11の各辺と平行となるように、第二柱12は平面視で第一柱11の内側に配置されている。
角形鋼管23の下端部には、平面視略矩形状のベースプレート27が設けられている。ベースプレート27の平面視の外形は、角形鋼管23の平面視の外形よりも大きく、且つ第一柱11の平面視の外形よりも小さい。またベースプレート27の平面視略中央部分には、コンクリート打設用として鉛直方向に貫通する略円形状のコンクリート打設口29が形成されている。
(応力切替部)
応力切替部15は地下一階の床スラブ13と地上一階の床スラブ14との間となる1層の範囲に配置されている。
応力切替部15は、第二柱12の下部と、第二柱12の下部の外周側に配置されて第一コンクリート部17から鉛直方向に突出して延びる主筋部21と、主筋部21を囲繞するとともに鉛直方向に配置された平面視矩形状の接合鋼管31と、接合鋼管31内に充填されたコンクリート部33と、を備えている。
第二柱12の下部は第二柱12のうち地上一階の床スラブ14から下方へ延びる部分である。主筋部21は応力切替部15の下部に埋め込まれた鉄筋継手19により接続され、第一コンクリート部17の上面から上方に向かって突出して鉛直方向に延びる部分である。主筋部21は、第二柱12の下部の外周側に囲繞するように配置されており、第二柱12の下端部のベースプレート27よりも高く延びている。
接合鋼管31は、鉛直方向に向かって延びる角筒状の鋼管である。この接合鋼管31は、主筋部21及び第二柱12の下部を囲繞するとともに、応力切替部15の鉛直方向全長にわたって配置されている。
接合鋼管31の平面視の外形は、第一柱11の平面視の外形と略同一となっている。接合鋼管31の外周面が第一柱11の外周面と面一になるように第一柱11の上側に当接配置されている。
また接合鋼管31の平面視の外形は第二柱12の平面視の外形よりも大きく、第二柱12の下部が接合鋼管31の内部に配置されている。
接合鋼管31は、第一柱11の上端部から第二柱12の下部にわたって配置されている。
接合鋼管31の上部及び下部には、それぞれ接合鋼管31の側壁35の内周面から内側へ突出するようにリブ37が設けられている。リブ37は接合鋼管31の隅角部39を除く四方の側壁35の内周面のそれぞれに設けられている。
リブ37は、この実施形態では略直方体の平板状に形成されており、後述するように応力切替部15の上部に作用する水平方向の力による曲げやせん断に対して十分な強度を有している。
このリブ37は、接合鋼管31の側壁35の内周面に設けられ、平面視において接合鋼管31の隅角部39には設けられていない。なお、隅角部39は、図1(a)に示すように、例えば冷間成形角形鋼管を採用して平面視においてアールがつくように形成(湾曲形成)されていてもよく、あるいは4枚の平鋼板を角筒状に組み合わせることで直角に形成されていてもよい。
接合鋼管31の上部のリブ37は、リブ37の上端部の位置が接合鋼管31の上端部に揃うように設けられている。接合鋼管31の下部のリブ37は、リブ37の下端部の位置が接合鋼管31の下端部に揃うように設けられている。なおリブ37は、それぞれ接合鋼管31の上部、下部に設けられていればよく、上端部よりも下方、下端部よりも上方に設けられていてもよい。
これらリブ37は、第二柱12からの入カせん断力Qにより接合鋼管31に作用する入カせん断力Qの支圧反力に抗して、接合鋼管31の上部が面外変形することを防止する機能を有している。
コンクリート部33は、接合鋼管31の内部且つ第二柱12の角形鋼管23の外部に、接合鋼管31の全長にわたって充填されたコンクリートである。本実施形態では、繊維補強コンクリートが採用されているが、普通コンクリートであってもよい。繊維補強コンクリートは、合成繊維や鋼繊維等を混合したコンクリート材である。
このような柱同士の接合構造において、リブ37は次のように設計している。
図2(a)は応力切替部の水平方向断面図であり、図2(b)は(a)のB−B線において接合鋼管の側面に作用する応力図である。また図3(a)はリブの位置における応力切替部の水平方向断面図であり、図3(b)は応力切替部の鉛直方向断面図である。
本実施形態では、図2(a)に示すように、応力切替部15には水平方向の力が作用し、接合鋼管31の一辺の側壁35に水平方向の力が作用している。図2(b)に示すように、まず水平方向の力により接合鋼管31の一辺の側壁35において両端部及び中央部が降伏強度に達して当該3カ所に降伏ヒンジが形成された状態を考える。
この場合、接合鋼管31の隅角部39近傍における水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメントMy1は、式(11)のようになる。
Figure 0006748914
但し、
z1: 接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向端部における鉛直方向軸周りの断面係数(mm
y1: 接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
F: 接合鋼管31の材料のF値またはリブ37の材料のF値(N/mm
RIB: リブ37の鉛直方向の長さ(mm)
: 接合鋼管31の厚さ(mm)
一方、接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向中央部における降伏曲げモーメントMy2は式(12)のようになる。
Figure 0006748914
但し、
z2: 接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向中央部における鉛直方向軸周りの断面係数(mm
y2: 接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
F: 接合鋼管31の材料のF値またはリブ37の材料のF値(N/mm
RIB: リブ37の鉛直方向の長さ(mm)
RIB: リブ37の厚さ(mm)
: 接合鋼管の厚さ(mm)
式(11)及び式(12)より、リブ37が断続的に隅肉溶接された状態の接合鋼管31の側壁35に生じる最大せん断力Qmaxは式(13)のようになる。
Figure 0006748914
但し、
max:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
y1: 接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
y2: 接合鋼管31の上部水平方(板厚)向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
: 接合鋼管31の幅(mm)
: 接合鋼管31の厚さ(mm)
安全率Sを考慮して最大せん断力Qmaxを用い、接合鋼管31とリブ37との間の断続隅肉溶接部分に作用するせん断応力度τを式(14)のように算定することができる。本実施形態では安全率Sを例えば1.5としてもよい。
Figure 0006748914
但し、
S: 安全率
τ: 接合鋼管31とリブ37との溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm
max:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
: 非溶接部分(隅肉溶接部分間)の長さ(mm)
: 隅肉溶接部分1カ所の長さ(mm)
a: 隅肉溶接部分ののど厚又は0.7s(mm)
s: 隅肉溶接部分の脚長(mm)
RIB: リブ37の鉛直方向の長さ(mm)
RIB: リブ37の厚さ(mm)
: 接合鋼管31の厚さ(mm)
そして、接合鋼管31とリブ37との間の断続隅肉溶接に必要な非溶接部分の長さL、隅肉溶接部分の長さL、隅肉溶接部分の脚長s、隅肉溶接部分ののど厚aを、式(15)を満足するように決定する。これにより所望の柱同士の接合構造を実現できる。
Figure 0006748914
但し、
τ: 接合鋼管31とリブ37との溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm
F: 接合鋼管31の材料のF値またはリブ37の材料のF値(N/mm
以上のような柱同士の接合構造及びその設計方法によれば、応力切替部15の平面視矩形状の接合鋼管31に、隅角部39を除く側壁35の内周面における上部及び下部に、リブ37が隅肉溶接により設けられている。接合鋼管31の隅角部39は幾何学形状的に剛性が高く、当該隅角部39にリブ37を設ける必要がないことから、リブ37を容易に形成して接合できる。
そして、接合鋼管31に適した形状のリブ37を、上述のような条件式を満たすように、接合鋼管31の側壁の内周面に隅肉溶接している。これにより地震等で、応力切替部15に水平方向の力が作用した場合の終局時における接合鋼管31の上部の面外変形を抑止している。ここでは、リブ37が溶接された接合鋼管31の上部の側壁35に水平力が作用して接合鋼管31の両端部及び中央部の3カ所に降伏ヒンジが形成されるものと考え、接合鋼管31とリブ37との溶接部41に作用するせん断応力度が許容応力度以下となっていることを確認する。
この結果、平面視矩形状の接合鋼管31の隅角部39を除く側壁35にリブ37を溶接することで接合鋼管31の上部の面外変形を抑制することが可能となり、地震等により接合鋼管31に水平方向の力が作用しても、終局時に接合鋼管31の上部の側壁35に生じる面外変形を防止できる。
プレキャスト柱同士の接合構造では、主筋部21が応力切替部15の下部に埋め込まれた鉄筋継手19により接続されている。このため第一柱11の上部と第二柱12の下部とを応力切替部15で接続する際、第一柱11の上部と第二柱12の下部とを所定の位置に配置した後に、第二柱12の下部の周りに主筋部21を配置することができて作業効率がよい。
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、第二柱12が充填鋼管コンクリート造で構成されている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られず、第二柱12が鉄骨造で構成されている場合にも適用可能である。
また、第一柱11が地下二階に設けられ、応力切替部15及び第二柱12が地下一階に設けられている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られず、第一柱11、応力切替部15及び第二柱12が地下の他の階及び地上階に設けられている場合にも適用可能である。
10…建築物
11…第一柱
12…第二柱
13…地下一階の床スラブ
14…地上一階の床スラブ
15…応力切替部
17…第一コンクリート部
19…鉄筋継手
21…主筋部
23…角形鋼管
25…第二コンクリート部
27…ベースプレート
29…コンクリート打設口
31…接合鋼管
33…コンクリート部
35…側壁
37…リブ
39…隅角部
41…溶接部

Claims (3)

  1. 鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上方に配置された鉄骨造又は充填鋼管コンクリート造の第二柱と、を応力切替部を介して接合する柱同士の接合構造の設計方法であって、
    前記応力切替部は、
    前記第二柱の下部と、
    該第二柱の下部の外周側に配置され、前記第一柱のコンクリート部から鉛直方向に突出して延びる主筋部と、
    該主筋部を囲繞するとともに、前記鉛直方向に配置された平面視矩形状の接合鋼管と、
    該接合鋼管内に充填されたコンクリート部と、を備え、
    前記接合鋼管の隅角部を除く側壁の内周面における上部及び下部に、リブが前記内周面から内側に突出するように隅肉溶接により設けられ、前記接合鋼管の上部の前記リブは、下記の条件式(1)〜(5)を満足するような形状寸法とすることを特徴とする柱同士の接合構造の設計方法。
    Figure 0006748914
    Figure 0006748914
    Figure 0006748914
    Figure 0006748914
    Figure 0006748914
    但し、
    y1: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
    y2: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
    RIB: リブの鉛直方向の長さ(mm)
    : 接合鋼管の厚さ(mm)
    F: 接合鋼管の材料のF値またはリブの材料のF値(N/mm
    max:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
    : 接合鋼管の幅(mm)
    τ: 接合鋼管とリブとの溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm
    S: 安全率
    : 非溶接部分(隅肉溶接部分間)の長さ(mm)
    : 隅肉溶接部分1カ所の長さ(mm)
    a: 隅肉溶接部分ののど厚又は0.7s(mm)
    s: 隅肉溶接部分の脚長(mm)
    RIB: リブの厚さ(mm)である。
  2. 鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上方に配置された鉄骨造又は充填鋼管コンクリート造の第二柱と、が応力切替部を介して接合された柱同士の接合構造であって、
    前記応力切替部は、
    前記第二柱の下部と、
    該第二柱の下部の外周側に配置され、前記第一柱のコンクリート部から鉛直方向に突出して延びる主筋部と、
    該主筋部を囲繞するとともに、前記鉛直方向に配置された平面視矩形状の接合鋼管と、
    該接合鋼管内に充填されたコンクリート部と、を備え、
    前記接合鋼管の隅角部を除く側壁の内周面における上部及び下部に、リブが前記内周面から内側に突出するように隅肉溶接により設けられ、前記接合鋼管の上部の前記リブは、下記の条件式(6)〜(10)を満足するような形状寸法とすることを特徴とする柱同士の接合構造。
    Figure 0006748914
    Figure 0006748914
    Figure 0006748914
    Figure 0006748914
    Figure 0006748914
    但し、
    y1: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
    y2: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
    RIB: リブの鉛直方向の長さ(mm)
    : 接合鋼管の厚さ(mm)
    F: 接合鋼管の材料のF値またはリブの材料のF値(N/mm
    max:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
    : 接合鋼管の幅(mm)
    τ: 接合鋼管とリブとの溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm
    S: 安全率
    : 非溶接部分(隅肉溶接部分間)の長さ(mm)
    : 隅肉溶接部分1カ所の長さ(mm)
    a: 隅肉溶接部分ののど厚又は0.7s(mm)
    s: 隅肉溶接部分の脚長(mm)
    RIB: リブの厚さ(mm)である。
  3. 前記主筋部が、前記応力切替部の下部に設けられた鉄筋継手により接続されていることを特徴とする請求項2に記載の柱同士の接合構造。
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