JP6748914B2 - 柱同士の接合構造の設計方法及び柱同士の接合構造 - Google Patents
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Description
このような構成によれば例えば地下階一層のみの境界層で上層部の構造と下層部の構造とを切替えることができる。
すなわち、本発明に係る柱同士の接合構造の設計方法は、鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上方に配置された鉄骨造又は充填鋼管コンクリート造の第二柱と、を応力切替部を介して接合する柱同士の接合構造の設計方法であって、前記応力切替部は、前記第二柱の下部と、該第二柱の下部の外周側に配置され、前記第一柱のコンクリート部から鉛直方向に突出して延びる主筋部と、該主筋部を囲繞するとともに、前記鉛直方向に配置された平面視矩形状の接合鋼管と、該接合鋼管内に充填されたコンクリート部と、を備え、前記接合鋼管の隅角部を除く側壁の内周面における上部及び下部に、リブが前記内周面から内側に突出するように隅肉溶接により設けられ、前記接合鋼管の上部の前記リブは、下記の条件式(1)〜(5)を満足するような形状寸法とすることを特徴とする。
My1: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
My2: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
hRIB: リブの鉛直方向の長さ(mm)
tp: 接合鋼管の厚さ(mm)
F: 接合鋼管の材料のF値またはリブの材料のF値(N/mm2)
Qmax:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
Bp: 接合鋼管の幅(mm)
τw: 接合鋼管とリブとの溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm2)
S: 安全率
Ln: 非溶接部分(隅肉溶接部分間)の長さ(mm)
Lw: 隅肉溶接部分1カ所の長さ(mm)
a: 隅肉溶接部分ののど厚又は0.7s(mm)
s: 隅肉溶接部分の脚長(mm)
tRIB: リブの厚さ(mm)である。
My1: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
My2: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
hRIB: リブの鉛直方向の長さ(mm)
tp: 接合鋼管の厚さ(mm)
F: 接合鋼管の材料のF値またはリブの材料のF値(N/mm2)
Qmax:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
Bp: 接合鋼管の幅(mm)
τw: 接合鋼管とリブとの溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm2)
S: 安全率
Ln: 非溶接部分(隅肉溶接部分間)の長さ(mm)
Lw: 隅肉溶接部分1カ所の長さ(mm)
a: 隅肉溶接部分ののど厚又は0.7s(mm)
s: 隅肉溶接部分の脚長(mm)
tRIB: リブの厚さ(mm)である。
このように構成された柱同士の接合構造では、第一柱、第二柱及び応力切替部がプレキャスト部材で構成され、第一柱の上部と第二柱の下部とを応力切替部で接続する際、第一柱の上部と第二柱の下部とを所定の位置に配置した後で、第二柱の下部の周りに主筋部を配置することができ、作業効率がよい。
図1(a)(b)は、本発明の実施形態に係る柱同士の接合構造を示す概略正面図である。以下の図面において、構成を分かりやすくするために、破線で示すべきところを実線で示している場合がある。
図1に示すように、本実施形態に係る建築物10では、鉄筋コンクリート造の第一柱11が地下一階の床スラブ13まで延びている。充填鋼管コンクリート造の第二柱12は、地上一階の床スラブ14を鉛直方向に貫通するように配置されている。
なお本実施形態では、第一柱11、第二柱12及び応力切替部15は、それぞれプレキヤストコンクリート部材で構成されていてもよい。
第一柱11は、詳細な図示は省略しているが、例えば水平方向に所定間隔で配置されて鉛直方向に延びる複数の柱主筋と、複数の柱主筋を束ねる複数の帯筋とが、平面視略矩形状に充填された第一コンクリート部17により覆われて配設されている。
複数の柱主筋は第一コンクリート部17の外周面に沿うように配置されて上方に延び、上端には鉄筋継手19が連結されている。地下一階の床スラブ13より上方に突出した鉄筋継手19には、後述する応力切替部15を構成する主筋部21が接続されている。
本実施形態では、第一柱11の柱主筋は鉄筋継手19にそれぞれ連結されており、鉄筋継手19から上方向に応力切替部15の主筋部21が突出して設けられている。
第二柱12は、角筒状の角形鋼管23と、角形鋼管23内に充填された第二コンクリート部25とを有している。
第二柱12の各辺が第一柱11の各辺と平行となるように、第二柱12は平面視で第一柱11の内側に配置されている。
応力切替部15は地下一階の床スラブ13と地上一階の床スラブ14との間となる1層の範囲に配置されている。
応力切替部15は、第二柱12の下部と、第二柱12の下部の外周側に配置されて第一コンクリート部17から鉛直方向に突出して延びる主筋部21と、主筋部21を囲繞するとともに鉛直方向に配置された平面視矩形状の接合鋼管31と、接合鋼管31内に充填されたコンクリート部33と、を備えている。
接合鋼管31の平面視の外形は、第一柱11の平面視の外形と略同一となっている。接合鋼管31の外周面が第一柱11の外周面と面一になるように第一柱11の上側に当接配置されている。
また接合鋼管31の平面視の外形は第二柱12の平面視の外形よりも大きく、第二柱12の下部が接合鋼管31の内部に配置されている。
接合鋼管31の上部及び下部には、それぞれ接合鋼管31の側壁35の内周面から内側へ突出するようにリブ37が設けられている。リブ37は接合鋼管31の隅角部39を除く四方の側壁35の内周面のそれぞれに設けられている。
リブ37は、この実施形態では略直方体の平板状に形成されており、後述するように応力切替部15の上部に作用する水平方向の力による曲げやせん断に対して十分な強度を有している。
このリブ37は、接合鋼管31の側壁35の内周面に設けられ、平面視において接合鋼管31の隅角部39には設けられていない。なお、隅角部39は、図1(a)に示すように、例えば冷間成形角形鋼管を採用して平面視においてアールがつくように形成(湾曲形成)されていてもよく、あるいは4枚の平鋼板を角筒状に組み合わせることで直角に形成されていてもよい。
これらリブ37は、第二柱12からの入カせん断力QDにより接合鋼管31に作用する入カせん断力QDの支圧反力に抗して、接合鋼管31の上部が面外変形することを防止する機能を有している。
図2(a)は応力切替部の水平方向断面図であり、図2(b)は(a)のB−B線において接合鋼管の側面に作用する応力図である。また図3(a)はリブの位置における応力切替部の水平方向断面図であり、図3(b)は応力切替部の鉛直方向断面図である。
本実施形態では、図2(a)に示すように、応力切替部15には水平方向の力が作用し、接合鋼管31の一辺の側壁35に水平方向の力が作用している。図2(b)に示すように、まず水平方向の力により接合鋼管31の一辺の側壁35において両端部及び中央部が降伏強度に達して当該3カ所に降伏ヒンジが形成された状態を考える。
Zz1: 接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向端部における鉛直方向軸周りの断面係数(mm3)
My1: 接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
F: 接合鋼管31の材料のF値またはリブ37の材料のF値(N/mm2)
hRIB: リブ37の鉛直方向の長さ(mm)
tp: 接合鋼管31の厚さ(mm)
Zz2: 接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向中央部における鉛直方向軸周りの断面係数(mm3)
My2: 接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
F: 接合鋼管31の材料のF値またはリブ37の材料のF値(N/mm2)
hRIB: リブ37の鉛直方向の長さ(mm)
tRIB: リブ37の厚さ(mm)
tp: 接合鋼管の厚さ(mm)
Qmax:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
My1: 接合鋼管31の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
My2: 接合鋼管31の上部水平方(板厚)向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
Bp: 接合鋼管31の幅(mm)
tp: 接合鋼管31の厚さ(mm)
S: 安全率
τw: 接合鋼管31とリブ37との溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm2)
Qmax:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
Ln: 非溶接部分(隅肉溶接部分間)の長さ(mm)
Lw: 隅肉溶接部分1カ所の長さ(mm)
a: 隅肉溶接部分ののど厚又は0.7s(mm)
s: 隅肉溶接部分の脚長(mm)
hRIB: リブ37の鉛直方向の長さ(mm)
tRIB: リブ37の厚さ(mm)
tp: 接合鋼管31の厚さ(mm)
τw: 接合鋼管31とリブ37との溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm2)
F: 接合鋼管31の材料のF値またはリブ37の材料のF値(N/mm2)
11…第一柱
12…第二柱
13…地下一階の床スラブ
14…地上一階の床スラブ
15…応力切替部
17…第一コンクリート部
19…鉄筋継手
21…主筋部
23…角形鋼管
25…第二コンクリート部
27…ベースプレート
29…コンクリート打設口
31…接合鋼管
33…コンクリート部
35…側壁
37…リブ
39…隅角部
41…溶接部
Claims (3)
- 鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上方に配置された鉄骨造又は充填鋼管コンクリート造の第二柱と、を応力切替部を介して接合する柱同士の接合構造の設計方法であって、
前記応力切替部は、
前記第二柱の下部と、
該第二柱の下部の外周側に配置され、前記第一柱のコンクリート部から鉛直方向に突出して延びる主筋部と、
該主筋部を囲繞するとともに、前記鉛直方向に配置された平面視矩形状の接合鋼管と、
該接合鋼管内に充填されたコンクリート部と、を備え、
前記接合鋼管の隅角部を除く側壁の内周面における上部及び下部に、リブが前記内周面から内側に突出するように隅肉溶接により設けられ、前記接合鋼管の上部の前記リブは、下記の条件式(1)〜(5)を満足するような形状寸法とすることを特徴とする柱同士の接合構造の設計方法。
My1: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
My2: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
hRIB: リブの鉛直方向の長さ(mm)
tp: 接合鋼管の厚さ(mm)
F: 接合鋼管の材料のF値またはリブの材料のF値(N/mm2)
Qmax:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
Bp: 接合鋼管の幅(mm)
τw: 接合鋼管とリブとの溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm2)
S: 安全率
Ln: 非溶接部分(隅肉溶接部分間)の長さ(mm)
Lw: 隅肉溶接部分1カ所の長さ(mm)
a: 隅肉溶接部分ののど厚又は0.7s(mm)
s: 隅肉溶接部分の脚長(mm)
tRIB: リブの厚さ(mm)である。 - 鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上方に配置された鉄骨造又は充填鋼管コンクリート造の第二柱と、が応力切替部を介して接合された柱同士の接合構造であって、
前記応力切替部は、
前記第二柱の下部と、
該第二柱の下部の外周側に配置され、前記第一柱のコンクリート部から鉛直方向に突出して延びる主筋部と、
該主筋部を囲繞するとともに、前記鉛直方向に配置された平面視矩形状の接合鋼管と、
該接合鋼管内に充填されたコンクリート部と、を備え、
前記接合鋼管の隅角部を除く側壁の内周面における上部及び下部に、リブが前記内周面から内側に突出するように隅肉溶接により設けられ、前記接合鋼管の上部の前記リブは、下記の条件式(6)〜(10)を満足するような形状寸法とすることを特徴とする柱同士の接合構造。
My1: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向端部の降伏曲げモーメント(N・mm)
My2: 接合鋼管の上部の水平(板厚)方向中央部の降伏曲げモーメント(N・mm)
hRIB: リブの鉛直方向の長さ(mm)
tp: 接合鋼管の厚さ(mm)
F: 接合鋼管の材料のF値またはリブの材料のF値(N/mm2)
Qmax:接合鋼管に隅肉溶接されたリブに生じ得る最大せん断力(N)
Bp: 接合鋼管の幅(mm)
τw: 接合鋼管とリブとの溶接部分に作用するせん断応力度(N/mm2)
S: 安全率
Ln: 非溶接部分(隅肉溶接部分間)の長さ(mm)
Lw: 隅肉溶接部分1カ所の長さ(mm)
a: 隅肉溶接部分ののど厚又は0.7s(mm)
s: 隅肉溶接部分の脚長(mm)
tRIB: リブの厚さ(mm)である。 - 前記主筋部が、前記応力切替部の下部に設けられた鉄筋継手により接続されていることを特徴とする請求項2に記載の柱同士の接合構造。
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