JP7186655B2 - 柱梁接合構造の構築方法 - Google Patents

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Description

本開示は、コンクリート柱と鉄骨梁との接合構造、より詳細には、RCコンクリートからなる柱本体部と、鋼管アセンブリの内部にコンクリートが充填された仕口部とを含むコンクリート柱と鉄骨梁との接合構造及び、その構築方法に関する。
大型物流倉庫のように、10~12m程度のロングスパンの梁を有し、15kN~20kN/m程度の大きな積載荷重を負担する建造物には、鉄骨構造が適している。しかしながら、鉄骨は価格変動が激しい。そこで、製造コストを安定させるため、価格変動の少ない鉄筋コンクリート(RC)を柱に用い、鉄骨(S)を梁に用いる混合構造(以下、「柱RC梁S構造」という)が採用されるケースが多い。
図17及び図18に示すのは、このような柱RC梁S構造の例であって、出願人によって開発されたものである(非特許文献1)。これらは、梁貫通型と呼ばれる形態で、鉄骨の梁103が鉄筋コンクリート柱102を貫通している。図17に示すように、鉄筋コンクリート柱102との接合部において、梁103が十字状に交差している。鉄筋コンクリート柱102の主筋104は、梁103によって区分された4隅に配置されている。4つのふさぎ板105の各々が、梁103との溶接により一体化し、鉄筋コンクリート柱102を取り囲むように配置されている。図18は、図17に示されたものとは異なる従来技術を示す。この従来技術では、図17のふさぎ板105の代わりに、鉄筋コンクリート柱102の中に配置されるせん断補強筋106と、梁103に溶接されて鉄筋コンクリート柱102に当接することになる支圧板107とが用いられている。
特許文献1には、上下1対の水平ダイアフラムが鉄骨梁の梁成に合わせた長さの鋼管で連結され、この鋼管が鉄筋コンクリート柱と一体に結合されたコンクリート柱と鉄骨梁との仕口部の構造が提案されている。この構造では、各ダイアフラムの中央にはコンクリート充填孔が形成され、外周部には柱主筋の貫通孔が形成されている。鉄骨梁は各ダイアフラムにおける柱外周突出部及び鋼管の外側面に接合されている。
特開平3-281844号公報
[online]、平成21年7月3日、[平成31年3月11日検索]、インターネット〈URL:https://www.smcon.co.jp/topics/2009/0703922/〉
近年、鉄骨部材の製作にロボット溶接機によるロボット溶接が多く活用されている。ところが、図17及び図18に示すような従来の仕口構造では、H形鋼同士の複雑な形状の溶接が多く、ロボット溶接機によって溶接をするのが難しい。一方、特許文献1記載の仕口構造では、鋼管とダイアフラムやH形鋼との比較的簡単な形状の溶接が多いため、ロボット溶接機による溶接を多用でき、製造コストの低減が見込める。
ここで、柱RC梁S構造における鉄骨製造コスト低減のために、特許文献1記載の仕口部の構造を採用することが考えられる。しかしながら、特許文献1記載の仕口構造は、柱の両側方に配置されるH形鋼が互いに連続せず、それぞれ鋼管に接合しているため、柱に応力が発生しやすい。また、仕口部と柱部との接続部においては断面形状が変化することから応力が集中しやすい。したがって、所定の地震耐力を確保するためには柱の断面積を大きくする必要が生じる。一方、柱の断面積が大きくなると、材料コストや施工コストが上昇する。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、施工性がよく、十分な地震耐力を確保でき、且つ製造及び施工のコストを低減できる柱梁接合構造及びその構築方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明のある実施形態に係る柱梁接合構造は、鉛直方向に継ぎ合わされる複数の柱主筋(4)及びコンクリート(6)を有するコンクリート柱(2)と、ウェブ(7)、下フランジ(8)及び上フランジ(9)を有する鉄骨梁(3)との接合構造であって、前記コンクリート柱は、RCコンクリートからなる柱本体部(11、51)と、外周部に配置された鋼管アセンブリ(20)及び前記鋼管アセンブリの内部に充填されたコンクリートを有し、前記鉄骨梁との接合部をなす仕口部(12)とを含み、前記鉄骨梁は、材軸方向の中間部をなす梁本体部(14)と、前記鋼管アセンブリに溶接によって一体に形成され、前記梁本体部の材軸方向の端部に継手板(15)を介して接合された梁端部(13)とを含み、前記柱本体部は複数の前記柱主筋及び複数の前記柱主筋を取り囲む複数の帯筋(5)を有し、前記鋼管アセンブリは、前記鉄骨梁の前記下フランジ及び前記上フランジの高さにてそれぞれ水平に延在し、前記柱主筋を挿通するための複数の鉄筋挿通孔(27)及びコンクリート充填用孔(26)が形成された鋼板からなる下ダイアフラム(21)及び上ダイアフラム(22)と、前記下ダイアフラムの上面及び前記上ダイアフラムの下面に接合された鋼管からなる仕口本体部(23)と、前記下ダイアフラムの下面から下方へ延出する鋼管からなる下側延出部(24)とを有し、前記下側延出部の高さ寸法(H2)が前記鉄骨梁の梁成(H1)よりも大きい。
この構成によれば、鋼管アセンブリが鉄骨梁の梁成よりも大きい高さ寸法の下側延出部を有するため、コンクリート柱に発生する応力が分散される。したがって、十分な地震耐力を確保した上でコンクリート柱の断面積を小さくすることができる。これにより、材料コスト及び施工コストを低減することができる。また、鋼管アセンブリを、比較的簡単な形状の溶接によって製造できるため、鉄骨製造コストを低減することもできる。
上記構成において、前記柱本体部(11、51)がPCaコンクリートからなるとよい。
この構成によれば、コンクリート柱がPCa(プレキャスト)コンクリートからなる柱本体部と仕口部とにより構成されるため、施工性がよく、工期の短縮が可能である。また、鋼管アセンブリが下側延出部及び上側延出部を有するため、柱本体部の長さを短くすることができる。上記断面積の低下及び長さの短縮により、柱本体部が軽量化されるため、揚重機のコストや運搬コストを低減することもできる。
上記構成において、前記柱本体部(11、51)が、前記柱主筋(4)の下端に配置された鉄筋継手部材(17)を更に有し、前記柱本体部に埋設された前記柱主筋が、当該柱本体部の上面から上方へ延出しており、前記仕口部(12)を貫通して上層階の前記柱本体部の前記鉄筋継手部材に接続されているとよい。
この構成によれば、鋼管アセンブリの内部に柱主筋の継手を設ける必要がなく、施工性を向上させることができる。
上記構成において、前記下側延出部(24)の下部の内面に、前記柱主筋(4)を挿通させる複数の下端鉄筋ガイド孔(37)及び下端コンクリート充填用孔(38)が形成された鉄筋ガイドプレート(36)が接合されているとよい。
この構成によれば、鋼管アセンブリを建て込むときに、複数の柱主筋が下端鉄筋ガイド孔によってガイドされるため、鋼管アセンブリの位置決めが容易になり、複数の柱主筋を下ダイアフラムの鉄筋挿通孔に挿入しやすくなる。
上記構成において、前記下側延出部(24)の下端の外面に、前記柱本体部(11、51)の上端に対して水平方向の位置を決めるためのガイド部材(39)が設けられているとよい。
この構成によれば、鋼管アセンブリを建て込むときに、鋼管アセンブリの水平方向の位置決めを容易に行うことができる。また、鋼管アセンブリの内部にコンクリートを打設しているときに、鋼管アセンブリが水平方向位置へずれることを防止することができる。
上記構成において、前記上ダイアフラムの上面から上方へ延出する鋼管からなる上側延出部(25)を更に有し、前記上側延出部の高さ寸法(H3)が前記鉄骨梁の梁成(H1)よりも大きいとよい。
この構成によれば、コンクリート柱に発生する応力が一層分散される。したがって、十分な地震耐力を確保した上でコンクリート柱の断面積をより小さくすることができる。
上記構成において、前記上側延出部(25)の上部の内面に、前記柱主筋(4)を挿通させる複数の上端鉄筋ガイド孔(32)及び上端コンクリート充填用孔(33)が形成された鉄筋保持プレート(31)が接合されているとよい。
この構成によれば、鋼管アセンブリが鉄骨梁の梁成よりも大きい高さ寸法の上側延出部を有していても、上側延出部の上部において複数の柱主筋を適切な位置に配置、保持することができる。
上記構成において、前記鋼管アセンブリ(20)が、前記梁端部(13)の前記下フランジ(8)と前記下側延出部(24)とに接合された下側ブレース取付板(41)と、前記梁端部の前記上フランジ(9)と前記上側延出部(25)とに接合された上側ブレース取付板(42)との少なくとも一方を更に有するとよい。
この構成によれば、コンクリート柱の外部にブレース取付板を高い取付剛性をもって取り付けることができる。また、ブレースの延長線がコンクリート柱と鉄骨梁との交点(軸線の交点)を通過する効果的な位置にブレースを取り付けることができる。
上記構成の柱梁接合構造の構築方法は、PCaコンクリートからなる複数の前記柱本体部(11)と、前記鋼管アセンブリ(20)と、前記梁本体部(14)とを用意するステップと、所定の位置に前記柱本体部を建て込むステップ(図10(A))と、建て込まれた前記柱本体部の上に前記鋼管アセンブリを建て込むステップ(図10(B))と、建て込まれた前記鋼管アセンブリの前記梁端部(13)に前記継手板(15)によって前記梁本体部を接合するステップ(図10(C))と、前記梁本体部が接合された前記鋼管アセンブリの内部にコンクリート(6)を打設し、前記仕口部(12)を構築するステップ(図11(D))と、構築された前記仕口部の上に上層階の前記柱本体部を建て込むステップ(図11(E))と、前記仕口部と上層階の前記柱本体部との間にグラウトを充填するステップ(図11(F))とを含むとよい。
この構成によれば、階層ごとに鋼管アセンブリの内部へのコンクリート打設が行われる。そのため、上層階の躯体構築時に躯体剛性が不足することがなく、安全に施工することができる。
上記構成の柱梁接合構造の構築方法は、鉛直方向に貫通する中空孔(52)が形成されたPCaコンクリートからなる複数の前記柱本体部(51)と、複数の前記鋼管アセンブリ(20)と、複数の前記梁本体部(14)とを用意するステップと、所定の位置に配置された前記鋼管アセンブリの上に前記柱本体部を建て込む第1ステップ(図14(A))と、建て込まれた前記柱本体部の上に前記鋼管アセンブリを建て込む第2ステップ(図14(B))と、建て込まれた前記鋼管アセンブリの前記梁端部(13)に前記継手板(15)によって前記梁本体部を接合する第3ステップ(図14(C))と、前記第1ステップ、前記第2ステップ及び前記第3ステップを繰り返すステップ(図15(D))と、鉛直方向に連続する、複数の前記柱本体部の前記中空孔及び複数の前記鋼管アセンブリの内部にコンクリート(6)を打設するステップ(図15(E))と、下層階の前記柱本体部に設けられた前記柱主筋(4)を上層階の前記柱本体部に設けられた前記柱主筋に継ぎ合わせるステップ(図15(F))とを含むとよい。
この構成によれば、複数階にわたって同時に鋼管アセンブリの内部にコンクリートを打設できるため、施工性を向上させることができる。
このように本発明によれば、施工性を向上できる柱梁接合構造及びその構築方法を提供することができる。
第1実施形態に係る柱RC梁S構造の斜視図 図1に示す柱RC梁S構造の正面図 図2中のIII-III断面図 図2中のIV-IV断面図 図2中のV-V断面図 図1に示す仕口部の上部の縦断面図 図1に示す仕口部の下部の縦断面図 変形例に係る柱RC梁S構造の要部正面図 図1に示す柱RC梁S構造の建物の要部を示す概略正面図 図9に示す柱RC梁S構造の施工方法を示す概略図 図9に示す柱RC梁S構造の施工方法を示す概略図 第2実施形態に係る柱RC梁S構造の正面図 図12中のXIII-XIII断面図 図12に示す柱RC梁S構造の施工方法を示す概略図 図12に示す柱RC梁S構造の施工方法を示す概略図 第3実施形態に係る柱RC梁S構造の正面図 従来技術の斜視図 従来技術の斜視図
以下、本発明に係るコンクリート柱2と鉄骨梁3との接合構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、図1~図11を参照して本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る柱RC梁S構造1の斜視図である。図1に示すように、第1実施形態に係る柱RC梁S構造1は、コンクリート柱2と、コンクリート柱2に接合する複数の鉄骨梁3とを備えている。コンクリート柱2は、プレキャストコンクリート又は現場打コンクリートによって構成されるRC造の四角柱形状の部材である。コンクリート柱2は、鉛直方向に継ぎ合わされる複数の柱主筋4と、これらの柱主筋4を取り囲む帯筋5(図2)と、これらの鉄筋を内部に埋め込むコンクリート6とを有している。鉄骨梁3は、ウェブ7、下フランジ8及び上フランジ9を有するH形鋼からなる部材である。
コンクリート柱2は、RCコンクリート又はPCaコンクリートからなる柱本体部11と、鉄骨梁3との接合部をなす仕口部12とを含んでおり、これらを交互に積み重ねて構成されている。柱本体部11は、PCaコンクリートからなる部材であってもよく、現場打コンクリートによって構築されてもよい。以下の説明では、柱本体部11がPCaコンクリートからなるものとする。
鉄骨梁3は、コンクリート柱2の仕口部12に溶接によって一体に形成される1対の梁端部13と、1対の梁端部13の間の部分、即ち材軸方向の中間部をなす梁本体部14とを含んでいる。梁本体部14は材軸方向の両端部にて継手板15(スプライスプレート)を介して梁端部13に接合される。この例では、4本の鉄骨梁3がコンクリート柱2の各側面に接合されている。他の例では、1本や2本、3本の鉄骨梁3がコンクリート柱2の側面に接合されていてもよい。
図2は、図1に示す柱RC梁S構造1の正面図であり、図3~図5は、図2中のIII-III断面図、IV-IV断面図及びV-V断面図である。なお、図2では、柱本体部11に配置された鉄筋はコンクリート6を透視したかのように実線で示されており、仕口部12に配置された鉄筋は示されていない。鉄骨梁3の上には、想像線で示されるようにスラブ16が構築される。
図2及び図3に示すように、柱本体部11は、鉛直方向に延在する複数の柱主筋4及びこれらの柱主筋4を取り囲む帯筋5を備える。柱本体部11は、階高から仕口部12の高さを減じた値よりも若干小さな長さ(高さ)に形成されている。柱本体部11に埋設された柱主筋4は、柱本体部11の下端に配置された鉄筋継手部材17を下端に備え、柱本体部11の上端から上方へ延出しており、仕口部12を貫通して上層階の柱本体部11の鉄筋継手部材17に接続されている。即ち、上下方向に互いに隣接する柱本体部11に設けられた柱主筋4は、鉄筋継手部材17によって鉛直方向に継ぎ合わされ、連続した鉄筋を構成している。
図1、図2に示すように、仕口部12は、コンクリート柱2の外周部に配置される鋼管アセンブリ20と、鋼管アセンブリ20の外面に溶接により接合された複数(この例では4本)の梁端部13とを備えている。鋼管アセンブリ20の内部には、複数の柱主筋4が貫通しており、帯筋5は設けられていない。鋼管アセンブリ20の内部に鋼管アセンブリ20の内部にコンクリート6が充填されることにより、仕口部12が構築される。即ち、仕口部12は、CFT(Concrete Filled Steel Tube;コンクリート充填鋼管構造)に類似する鉄筋内蔵CFTとなっている。
図9に併せて示すように、仕口部12の上には上層階の柱本体部11が積み重ねられ、更にその上には上層階の仕口部12が積み重ねられる。したがって、柱RC梁S構造1は、柱主筋4が鉛直方向に連続するRC構造と、柱主筋4を内蔵する鉄筋内蔵CFTとが繰り返される構成となっている。
図1、図2、図4及び図5に示すように、鋼管アセンブリ20は、複数の梁端部13の下フランジ8が外周面に溶接された下ダイアフラム21と、複数の梁端部13の上フランジ9が外周面に溶接された上ダイアフラム22とを備えている。下ダイアフラム21及び上ダイアフラム22は、同じ板厚の鋼板からなり、四角形の外輪郭を有する同一形状を有して互いに平行に水平に延在している。
また、鋼管アセンブリ20は、下ダイアフラム21の上面及び上ダイアフラム22の下面に溶接された仕口本体部23と、下ダイアフラム21の下面の溶接された下側延出部24と、上ダイアフラム22の上面に溶接された上側延出部25とを更に備えている。仕口本体部23、下側延出部24及び上側延出部25は、同じ板厚の角筒状の鋼管からなり、同じ断面形状を有している。下側延出部24は下ダイアフラム21の下面から下方へ延出しており、上側延出部25は上ダイアフラム22の上面から上方へ延出している。仕口本体部23の側面には梁端部13のウェブ7が溶接により接合されている。
仕口本体部23の高さは鉄骨梁3のウェブ7の高さと略同一であり、下ダイアフラム21の下面及び上ダイアフラム22の上面間の高さは、鉄骨梁3の梁成H1(図2)と略同一である。下側延出部24の高さ寸法H2及び上側延出部25の高さ寸法H3は、仕口本体部23の高さよりも大きく、且つ鉄骨梁3の梁成H1よりも大きい。下ダイアフラム21及び上ダイアフラム22は、仕口本体部23、下側延出部24及び上側延出部25の断面よりも若干大きな外輪郭を有している。下側延出部24は下ダイアフラム21の下面に溶接により接合されており、上側延出部25は上ダイアフラム22の上面に溶接により接合されている。
図5に示すように、下ダイアフラム21及び上ダイアフラム22の中央には、コンクリート充填用孔26が形成されている。コンクリート充填用孔26は円形であってよく、四角形であってもよい。下ダイアフラム21及び上ダイアフラム22の外周部には、柱主筋4を挿通するための複数の鉄筋挿通孔27が形成されている。
図6は、図1に示す仕口部12の上部の縦断面図である。図1及び図6に示すように、上側延出部25の上部の内面には、鉄筋保持プレート31が溶接により接合されている。鉄筋保持プレート31には、柱主筋4を挿通させる複数の上端鉄筋ガイド孔32及び上端コンクリート充填用孔33が形成されている。鉄筋保持プレート31の下方には複数の支持部材34が溶接されており、鉄筋保持プレート31はこれらの支持部材34によって支持された状態で上側延出部25に溶接される。
図7は、図1に示す仕口部12の下部の縦断面図である。図7に示すように、下側延出部24の下部の内面には鉄筋ガイドプレート36が溶接により接合されている。鉄筋ガイドプレート36には、柱主筋4を挿通させる複数の下端鉄筋ガイド孔37及び下端コンクリート充填用孔38が形成されている。
下側延出部24の下端には、下方の柱本体部11の上端に対して水平方向の位置を決めるためのガイド部材39が設けられている(図1や図2等では図示省略)。ガイド部材39は、下側延出部24の側面に溶接によって接合されてもよく、着脱可能なバンドとして構成されてもよい。また、ガイド部材39は、下側延出部24の側面に全周にわたって形成されてもよく、側面に部分的に設けられる複数個の部材によって構成されてもよい。或いは、柱本体部11の上端に下側延出部24に対応する環状の切欠が形成され、下側延出部24の下端がガイド部材39として機能してもよい。
柱本体部11の上面にはコッター29が形成されている。コッター29は、図示されるように下方に凹む凹形状に形成されてもよく、上方に突出する凸形状に形成されてもよい。柱本体部11の上面にコッター29が形成されることにより、柱本体部11と仕口部12との一体性が高まる。
図8は、変形例に係る柱RC梁S構造1の要部正面図である。この例では、鋼管アセンブリ20が下側ブレース取付板41と上側ブレース取付板42とを更に備えている。下側ブレース取付板41及び上側ブレース取付板42の一方のみを鋼管アセンブリ20が備えていてもよい。下側ブレース取付板41は、梁端部13の下フランジ8の下面と下側延出部24の側面とに溶接により接合されている。下フランジ8の下面と下側延出部24の側面とは互いに直交しているため、下側ブレース取付板41は高い取付剛性をもって取り付けられる。上側ブレース取付板42は、梁端部13の上フランジ9の上面と上側延出部25の側面とに溶接により接合されている。上フランジ9の上面と上側延出部25の側面とは互いに直交しているため、上側ブレース取付板42は高い取付剛性をもって取り付けられる。
下側ブレース取付板41には、対応する階層(下層階)に設けられるブレース43の一端がボルトにより接合される。上側ブレース取付板42には、上層階に設けられるブレース43の一端がボルトにより接合される。下側ブレース取付板41及び上側ブレース取付板42が設けられることにより、これらのブレース43は、その延長線がコンクリート柱2と鉄骨梁3との交点(軸線の交点)を通過する効果的な位置に取り付けられる。
柱RC梁S構造1の柱梁接合構造は以上のように構成されている。図2及び図9に示すように、鋼管アセンブリ20は、仕口本体部23に加えて下側延出部24を有しており、下側延出部24の高さ寸法H2が鉄骨梁3の梁成H1よりも大きい。そのため、コンクリート柱2に発生する応力が分散される。したがって、十分な地震耐力を確保した上でコンクリート柱2の断面積を小さくすることが可能である。これにより、材料コスト及び施工コストが低減される。また、比較的簡単な形状の溶接によって鋼管アセンブリ20を製造することができるため、鉄骨製造コストが低減する。
また鋼管アセンブリ20は上側延出部25を更に有しており、上側延出部25の高さ寸法H3が鉄骨梁3の梁成H1よりも大きい。そのため、コンクリート柱2に発生する応力が一層分散される。したがって、十分な地震耐力を確保した上でコンクリート柱2の断面積をより小さくすることが可能である。
また本実施形態では、コンクリート柱2がPCaコンクリートからなる柱本体部11と仕口部12とにより構成される。そのため、後述するように施工性がよく、工期の短縮が可能である。また、鋼管アセンブリ20が下側延出部24及び上側延出部25を有するため、柱本体部11の長さが短くなる。上記断面積の低下及び長さの短縮により、柱本体部11が軽量化されるため、揚重機のコストや運搬コストも低減する。
次に、柱RC梁S構造1の構築方法について図10及び図11を参照して説明する。ここでは、最下層よりも上層の1階層分の施工手順を説明する。なお、最下層の階では柱本体部11は基礎の上に建て込まれる。そのため、階高が他の階層と同じであっても、他の階のものよりも長い柱本体部11が用いられる。現場での施工に先立ち、複数の柱本体部11と、鋼管アセンブリ20と、梁本体部14とを用意する。柱本体部11は工場にてプレキャスト部材として製作される。鋼管アセンブリ20は工場にてロボット溶接により製作される。
次に、図10(A)に示すように、所定の位置、即ち下層階の仕口部12の上に柱本体部11を建て込む。柱本体部11の固定方法については後に詳述するため、ここでは説明を割愛する。
次に、図10(B)に示すように、柱本体部11の上に鋼管アセンブリ20を建て込む。柱本体部11の上面から上方へ延出する複数の柱主筋4は、鉄筋ガイドプレート36の下端鉄筋ガイド孔37(図4、図7)、下ダイアフラム21及び上ダイアフラム22の鉄筋挿通孔27(図5)、及び、鉄筋保持プレート31の上端鉄筋ガイド孔32(図6、図1)を順に通過する。複数の柱主筋4は、鋼管アセンブリ20を貫通して鋼管アセンブリ20の上端から更に上方に延出する。
図4及び図7に示すように、下側延出部24の下部に鉄筋ガイドプレート36が設けられているため、鋼管アセンブリ20を建て込むときに、複数の柱主筋4が下端鉄筋ガイド孔37によってガイドされる。そのため、鋼管アセンブリ20の位置決めが容易であり、複数の柱主筋4を下ダイアフラム21の鉄筋挿通孔27に容易に挿入することができる。また、図1及び図2に示すように、上側延出部25の上部に鉄筋保持プレート31が設けられているため、鋼管アセンブリ20が鉄骨梁3の梁成H1よりも大きい高さ寸法H3の上側延出部25を有していても、上側延出部25の上部において複数の柱主筋4が適切な位置に配置、保持される。更に、図7に示すように、下側延出部24の下端にガイド部材39が設けられているため、鋼管アセンブリ20を建て込むときに、鋼管アセンブリ20を水平方向に容易に位置決めすることができる。
次に、図10(C)に示すように、鋼管アセンブリ20の梁端部13に継手板15によって梁本体部14を接合する。梁本体部14は、互いに隣接する1対のコンクリート柱2の鋼管アセンブリ20に両端を接合される。
次に、図11(D)に示すように、鋼管アセンブリ20の内部にコンクリート6を打設する。これにより、仕口部12が構築される。コンクリート6は、鉄筋保持プレート31の上端コンクリート充填用孔33(図1)、上ダイアフラム22及び下ダイアフラム21のコンクリート充填用孔26(図5)、及び、鉄筋ガイドプレート36の下端コンクリート充填用孔38(図4、図7)を通って(或いは、これらを通るホースによって)打設される。
図7に示すように、下側延出部24の下端にガイド部材39が設けられているため、鋼管アセンブリ20の内部にコンクリート6を打設しているときに、鋼管アセンブリ20が水平方向位置へずれることが防止される。また、図1及び図2に示すように、上側延出部25の上部に鉄筋保持プレート31が設けられているため、鋼管アセンブリ20の内部にコンクリート6を打設しているときに、柱主筋4が水平方向位置へずれることが防止される。
次に、図11(E)に示すように、構築された仕口部12の上に上層階の柱本体部11を建て込む。仕口部12の上面から上方へ延出している複数の柱主筋4は、図1及び図2に示すように、上層階の柱本体部11の下端に設けられた鉄筋継手部材17に挿入される。仕口部12の上面と柱本体部11の下面との間には、スペーサ部材等を配置することによってグラウト注入用の隙間44が形成される。
最後に、図11(F)に示すように、仕口部12と上層階の柱本体部11との隙間44及び、鉄筋継手部材17の内部にグラウト45を充填する。これにより、上層階の柱本体部11が仕口部12に固定される。また複数の柱主筋4が鉛直方向に継ぎ合わされて連続した鉄筋となる。以上により、1階層分の柱RC梁S構造1の構築が完了する。上記手順を繰り返すことにより、複数階層分の柱RC梁S構造1を構築することができる。
上記のように下層階の柱本体部11に埋設された柱主筋4は、柱本体部11の上面から上方へ延出して仕口部12を貫通して上層階の柱本体部11の鉄筋継手部材17に接続される。そのため、鋼管アセンブリ20の内部に柱主筋4の継手を設ける必要がなく、鉄筋継手作業の施工性が向上する。
このように本実施形態では、階層ごとに鋼管アセンブリ20の内部へのコンクリート打設が行われるため、上層階の躯体構築時に躯体剛性が不足することがなく、安全な施工が可能である。また、コンクリート柱2がPCaコンクリートからなるため、施工性がよく、工期の短縮が可能である。
<第2実施形態>
次に、図12~図15を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は類似する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図12は、本発明の第2実施形態に係る柱RC梁S構造1の正面図である。本実施形態の柱RC梁S構造1は、PCaコンクリートからなる柱本体部51の構成及び施工手順において第1実施形態と異なっている。なお、図12では、柱本体部51に配置された鉄筋は、図示されていないが、図2と同様にコンクリート6の内部に配置されている。図13は、図12中のXIII-XIII断面図である。図12及び図13に示すように、柱本体部51の軸線上には鉛直方向に貫通する中空孔52が形成されている。
次に、柱RC梁S構造1の構築方法について図14及び図15を参照して説明する。ここでは、最下層よりも上層の複数階層分の施工手順を説明する。現場での施工に先立ち、中空孔52が形成された複数の柱本体部51と、複数の鋼管アセンブリ20と、複数の梁本体部14とを用意する。柱本体部51は工場にてプレキャスト部材として製作される。
次に、図14(A)に示すように、所定の位置、即ち下層階の鋼管アセンブリ20或いは仕口部12の上に柱本体部51を建て込む。柱本体部51の固定方法については後に詳述するため、ここでは説明を割愛する。次に、図14(B)に示すように、柱本体部51の上に鋼管アセンブリ20を建て込む。次に、図14(C)に示すように、鋼管アセンブリ20の梁端部13に継手板15によって梁本体部14を接合する。
次に、図15(D)に示すように、図14(A)~(C)に示される作業を少なくとも1回繰り返す。これにより、複数の柱本体部51の中空孔52及び複数の鋼管アセンブリ20の内部空間が鉛直方向に連続する。
次に、図15(E)に示すように、鉛直方向に連続する、複数の柱本体部51の中空孔52及び複数の鋼管アセンブリ20の内部にコンクリート6を打設する。これにより、柱本体部51は中実になり、鋼管アセンブリ20にコンクリート6が充填されることによって仕口部12が構築される。コンクリート6は、打設領域の下部から注入されてもよく、上部から挿入されたホースを上方へ移動させながら下部から順に打設されてもよい。
次に、図15(F)に示すように、下層階の柱本体部51に設けられた複数の柱主筋4を、上層階の柱本体部51に設けられた柱主筋4に継ぎ合わせる。継ぎ合わせの手法は、第1実施形態と同様に、上層階の柱本体部51の下端に設けられた鉄筋継手部材17に対するグラウト45の注入によって行われてよい。これにより、仕口部12が柱本体部51に固定され、上層階の柱本体部51が仕口部12に固定される。また複数の柱主筋4が鉛直方向に継ぎ合わされて連続した鉄筋となる。
このように本実施形態では、複数階にわたって同時に鋼管アセンブリ20の内部にコンクリート6が打設されるため、施工性が向上する。また、コンクリート柱2がPCaコンクリートからなるため、施工性がよく、工期の短縮が可能である。
<第3実施形態>
次に、図16を参照して本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は類似する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図16は、本発明の第3実施形態に係る柱RC梁S構造1の正面図である。本実施形態の柱RC梁S構造1は、鋼管アセンブリ20及びこれに接合する複数の鉄骨梁3の構成が第1実施形態と異なっている。具体的には、コンクリート柱2には、第1実施形態の鉄骨梁3よりも小さな梁成を有する第1鉄骨梁3Aと、第1実施形態の鉄骨梁3と同様の、第1鉄骨梁3Aよりも大きな梁成を有する第2鉄骨梁3Bとが接合している。第1鉄骨梁3Aは、コンクリート柱2の仕口部12に溶接によって一体に形成される1対の第1梁端部13Aと、1対の梁端部13の間の中間部をなす第1梁本体部14Aとを含んでいる。同様に第2鉄骨梁3Bは、コンクリート柱2の仕口部12に溶接によって一体に形成される1対の第2梁端部13Bと、1対の梁端部13の間の中間部をなす第2梁本体部14Bとを含んでいる。第1鉄骨梁3Aと第2鉄骨梁3Bとは、互いの上フランジ9の高さが整合するようにコンクリート柱2に接合される。
鋼管アセンブリ20は、第1鉄骨梁3Aの下フランジ8が外周面に溶接された第1下ダイアフラム21Aと、第2鉄骨梁3Bの下フランジ8が外周面に溶接された第2下ダイアフラム21Bと、第1鉄骨梁3A及び第2鉄骨梁3Bの上フランジ9が外周面に溶接された上ダイアフラム22とを備えている。第1下ダイアフラム21A及び第2下ダイアフラム21Bは、互いに平行に水平に延在しており、第1実施形態の下ダイアフラム21や上ダイアフラム22と同じ構成とされている(図5参照)。
また、鋼管アセンブリ20は、第1下ダイアフラム21Aの上面及び上ダイアフラム22の下面に溶接された第1仕口本体部23Aと、第2下ダイアフラム21Bの上面及び第1下ダイアフラム21Aの下面に溶接された第2仕口本体部23Bとを備えている。第1仕口本体部23A及び第2仕口本体部23Bは、第1実施形態の仕口本体部23と同じ断面形状を有している。
第1仕口本体部23Aの高さは第1鉄骨梁3Aのウェブ7の高さと略同一であり、第1仕口本体部23A、第1下ダイアフラム21A及び第2仕口本体部23Bの合計高さは第2鉄骨梁3Bのウェブ7の高さと略同一である。第1下ダイアフラム21Aの下面及び上ダイアフラム22の上面間の高さは、第1鉄骨梁3Aの梁成H4と略同一である。第2下ダイアフラム21Bの下面及び上ダイアフラム22の上面間の高さは、第2鉄骨梁3Bの梁成H1と略同一である。第1鉄骨梁3Aに関しては、第2仕口本体部23Bが下側延出部24と同様に応力を分散する機能を果たす。即ち、第1鉄骨梁3Aに関しては、第1下ダイアフラム21Aの下面から下側延出部24の下端までの高さ寸法H5の部分が下側延出部24であると言える。この高さ寸法H5及び下側延出部24の高さ寸法H2は共に、第2鉄骨梁3Bの梁成H1よりも大きい。したがって、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、鋼管アセンブリ20が上側延出部25を備えているが、鋼管アセンブリ20が上側延出部25を備えていなくてもよい。また、上側延出部25の板厚は、仕口本体部23及び下側延出部24の板厚と同一にされているが、これらの板厚よりも薄くてもよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。また、上記実施形態は適宜組み合わせることができる。
1 柱RC梁S構造
2 コンクリート柱
3 鉄骨梁、 3A 第1鉄骨梁、 3B 第2鉄骨梁
4 柱主筋
5 帯筋
6 コンクリート
7 ウェブ
8 下フランジ
9 上フランジ
11 柱本体部
12 仕口部
13 梁端部、 13A 第1梁端部、 13B 第2梁端部
14 梁本体部、 14A 梁本体部、 14B 梁本体部
15 継手板
16 スラブ
17 鉄筋継手部材
20 鋼管アセンブリ
21 下ダイアフラム、 21A 第1下ダイアフラム、 21B 第2下ダイアフラム
22 上ダイアフラム
23 仕口本体部
24 下側延出部
25 上側延出部
26 コンクリート充填用孔
27 鉄筋挿通孔
29 コッター
31 鉄筋保持プレート
32 上端鉄筋ガイド孔
33 上端コンクリート充填用孔
34 支持部材
36 鉄筋ガイドプレート
37 下端鉄筋ガイド孔
38 下端コンクリート充填用孔
39 ガイド部材
41 下側ブレース取付板
42 上側ブレース取付板
43 ブレース
51 柱本体部
51 中空孔
H1 鉄骨梁3の梁成、第2鉄骨梁3Bの梁成
H2 下側延出部24の高さ寸法
H3 上側延出部25の高さ寸法
H4 第1鉄骨梁3Aの梁成
H5 第1鉄骨梁3Aにとっての下側延出部24の高さ寸法

Claims (8)

  1. 鉛直方向に継ぎ合わされる複数の柱主筋及びコンクリートを有するコンクリート柱と、ウェブ、上フランジ及び下フランジを有する鉄骨梁との接合構造の構築方法であって、
    前記コンクリート柱は、RCコンクリートからなる柱本体部と、外周部に配置された鋼管アセンブリ及び前記鋼管アセンブリの内部に充填されたコンクリートを有し、前記鉄骨梁との接合部をなす仕口部とを含み、
    前記鉄骨梁は、材軸方向の中間部をなす梁本体部と、前記鋼管アセンブリに溶接によって一体に形成され、前記梁本体部の材軸方向の端部に継手板を介して接合された梁端部とを含み、
    前記柱本体部は複数の前記柱主筋及び複数の前記柱主筋を取り囲む複数の帯筋を有し、
    前記鋼管アセンブリは、
    前記鉄骨梁の前記下フランジ及び前記上フランジの高さにてそれぞれ水平に延在し、前記柱主筋を挿通するための複数の鉄筋挿通孔及びコンクリート充填用孔が形成された鋼板からなる下ダイアフラム及び上ダイアフラムと、
    前記下ダイアフラムの上面及び前記上ダイアフラムの下面に接合された鋼管からなる仕口本体部とを有し、
    当該構築方法は、
    PCaコンクリートからなる複数の前記柱本体部と、前記鋼管アセンブリと、前記梁本体部とを用意するステップと、
    所定の位置に前記柱本体部を建て込むステップと、
    建て込まれた前記柱本体部の上に前記鋼管アセンブリを建て込むステップと、
    建て込まれた前記鋼管アセンブリの前記梁端部に前記継手板によって前記梁本体部を接合するステップと、
    前記梁本体部が接合された前記鋼管アセンブリの内部にコンクリートを打設し、前記仕口部を構築するステップと、
    構築された前記仕口部の上に上層階の前記柱本体部を建て込むステップと、
    前記仕口部と上層階の前記柱本体部との間にグラウトを充填するステップとを含むことを特徴とする柱梁接合構造の構築方法。
  2. 前記柱本体部が、前記柱主筋の下端に配置された鉄筋継手部材を更に有し、
    前記柱本体部に埋設された前記柱主筋が、当該柱本体部の上面から上方へ延出しており、前記仕口部を貫通して上層階の前記柱本体部の前記鉄筋継手部材に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の柱梁接合構造の構築方法。
  3. 前記鋼管アセンブリは、前記下ダイアフラムの下面から下方へ延出する鋼管からなる下側延出部を更に有し、
    前記下側延出部の高さ寸法が前記鉄骨梁の梁成よりも大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の柱梁接合構造の構築方法。
  4. 前記下側延出部の下部の内面に、前記柱主筋を挿通させる複数の下端鉄筋ガイド孔及び下端コンクリート充填用孔が形成された鉄筋ガイドプレートが接合されていることを特徴とする請求項3に記載の柱梁接合構造の構築方法。
  5. 前記下側延出部の下端の外面に、前記柱本体部の上端に対して水平方向の位置を決めるためのガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の柱梁接合構造の構築方法
  6. 前記上ダイアフラムの上面から上方へ延出する鋼管からなる上側延出部を更に有し、
    前記上側延出部の高さ寸法が前記鉄骨梁の梁成よりも大きいことを特徴とする請求項3~請求項5のいずれかに記載の柱梁接合構造の構築方法。
  7. 前記上側延出部の上部の内面に、前記柱主筋を挿通させる複数の上端鉄筋ガイド孔及び上端コンクリート充填用孔が形成された鉄筋保持プレートが接合されていることを特徴とする請求項6に記載の柱梁接合構造の構築方法。
  8. 前記鋼管アセンブリが、前記梁端部の前記下フランジと前記下側延出部とに接合された下側ブレース取付板と、前記梁端部の前記上フランジと前記上側延出部とに接合された上側ブレース取付板との少なくとも一方を更に有することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の柱梁接合構造の構築方法。
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