JP6747908B2 - バッファ吸取装置及びがん解析システム - Google Patents

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Description

本発明は、線虫を用いたがん検査に用いられるバッファ吸取装置及びがん解析システムの技術に関する。
線虫ががん患者の尿に対して誘引行動をし、健常者の尿に対して忌避行動を示すことを利用したがん検査が提案されている。
特許文献1には、線虫の嗅覚を用いたがん検出方法が記載されている。
国際公開第2015/088039号
現在、線虫を用いたがん検査では、以下のような手順で検査が行われている。
(1)検査者が、プレートに尿検体をプロットするとともに、線虫の麻酔剤としてのアジ化ナトリウムをプロットする。
(2)検査者が、線虫をプレートにプロットする。ここで、線虫は、チューブ内にバッファとともに保管されており、プロットされる際、線虫はバッファごとプロットされる。
(3)検査者が、市販の紙製ウェスでバッファを吸い取る。これは、線虫がバッファ中に存在したままだと、線虫の動きが鈍化し、検査精度を低下させるためである。
(4)線虫が、所定時間、走性される。尿検体ががん患者のものであれば、線虫は尿検体に対して誘引行動を行い、尿検体ががん患者のものでなければ、線虫は尿検体に対して忌避行動を行う。
(5)所定時間後、誘引行動を行った線虫の数、及び、忌避行動を行った線虫の数をカウントし、カウントした各数を基に走性指数を算出する。
(6)算出した走性指数を基に、がんの陽性・陰性を判定する。
ここで、紙製ウェスでバッファを吸い取る際((3)の手順)、紙製ウェスが線虫に触れると、線虫を傷つけてしまったり、線虫にストレスを与えてしまったりする。この結果、線虫の行動が鈍化し、検査精度を低下させてしまうことがある。
特に、大量の検査を行うために、機械による自動化を導入しようとすると、(3)の手順のような繊細な作業を機械で行うことが困難である。
しかし、このような紙製ウェスでバッファを吸い取る作業は、線虫によるがん検査では一般的に行われているものである。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、線虫を用いたがん検査において、線虫が含まれたバッファの簡便な除去を行うことを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、線虫がバッファとともにプロットされているプレートを載置する載置部と、前記載置部を傾斜させる傾斜部と、前記傾斜部によって傾斜させられた前記載置部に載置されている前記プレートの下部に溜まっている前記バッファを吸い取る吸取部と、を有することを特徴とする。
その他の解決手段については、実施形態中において記載される。
本発明によれば、線虫を用いたがん検査において、線虫が含まれたバッファの簡便な除去を行うことができる。
本実施形態に係るバッファ吸取装置の外形を示す図である。 プレート載置部が傾斜していない状態のバッファ吸取装置を示す図である。 プレート載置部が傾斜している状態のバッファ吸取装置を示す図である。 傾斜によるバッファの動きを示す図である。 本実施形態に係るがん解析システムの構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態で用いられる解析装置の構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態で用いられる撮像装置の外観斜視図である。 本実施形態で用いられる撮像装置の外観側面図である。 本実施形態で用いられる撮像装置の断面概略図である。 本実施形態でのがん検査のための詳細な手順の一例を示す図である。 第2−1実施形態に係るがん解析システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。 カメラによって撮像された画像の模式図である。 第2−1実施形態で用いられるピクセルの結合処理を示す図である。 ピクセルの結合処理の結果を示す図である。 本実施形態に係るバッファ吸取装置でバッファを吸い取ったプレートで線虫を走性させた際における輝度分布の変化を示す図(プロット直後)である。 本実施形態に係るバッファ吸取装置でバッファを吸い取ったプレートで線虫を走性させた際における輝度分布の変化を示す図(プロット所定時間後)である。 本実施形態に係るバッファ吸取装置によってバッファを吸い取ったプレートにおける輝度的重心の時間変換を示す図である。 これまでの手法でバッファを吸い取ったプレートにおける輝度的重心の時間変化を示す図である。 線虫の選定を示す模式図である。 第2−2実施形態で用いられる解析装置の構成を示す機能ブロック図である。 第2−2実施形態で用いられる解析装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。 第2−2実施形態で用いられるピクセル除外処理の手法を説明するための図である。 ピクセル除外処理が行われる前(未処理)の結合後ピクセルの模式図である。 ピクセル除外処理が行われた後の結合後ピクセルの模式図である。 第2−3実施形態で用いられる解析装置の構成を示す機能ブロック図である。 第2−3実施形態で用いられる解析装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。 第2−4実施形態で用いられる解析装置の構成を示す機能ブロック図である。 第2−4実施形態で用いられる解析装置が行う処理の手順を示すフローチャート(その1)である。 第2−4実施形態で用いられる解析装置が行う処理の手順を示すフローチャート(その2)である。 第2−4実施形態で用いられるプレート除外処理の模式的な説明図である。 第3実施形態で用いられる解析装置の構成を示す機能ブロック図である。 第3実施形態で用いられるDR値の説明をするための図である。 第3実施形態で用いられる解析装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。 DR値の時間変化を示す図(健常者)である。 DR値の時間変化を示す図(がん患者)である。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
<第1実施形態:システム>
まず、本発明の第1実施形態として、バッファ吸取装置を備えたがん検査システムについて説明する。
[バッファ吸取装置]
図1は、本実施形態に係るバッファ吸取装置の外形を示す図である。
バッファ吸取装置5は、プレート載置部(載置部)501、傾斜部502、駆動部503、台座部504、吸取部505を有している。
プレート載置部501には、線虫がプロットされているプレートPが載置される。傾斜部502は、プレート載置部501を所定角度傾斜させる。台座部504は、プレート載置部501や、傾斜部502等を支持する。吸取部505は、傾斜部502によって傾斜されたプレートPの下部に溜まったバッファを吸い取る。バッファの吸い取りについては後記する。なお、プレート載置部501にはプレートPの大きさの窪み又は孔が設けられており、この窪み又は孔にプレートPが設置・保持される。
図2は、プレート載置部が傾斜していない状態のバッファ吸取装置を示す図であり、図3は、プレート載置部が傾斜している状態のバッファ吸取装置を示す図である。
図2及び図3において、図1と同じ構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、図2及び図3において、吸取部505を図示省略している。
まず、図2のようにプレート載置部501が水平な状態で、プレートPがプレート載置部501に載置される。プレートPには寒天培地が予め設置されている。
その後、プレートPの寒天培地に線虫がバッファごとプロットされる。プロットされる箇所はプレートPの中央が一般的であるが、これに限らない。
そして、駆動部503及び傾斜部502がプレート載置部501を傾斜させることにより、図4に示すように、線虫のプロット点601からバッファがプレートPの下部に向けて(矢印方向)に流れ、プレートPの下部に溜まる。このとき、ほとんどの線虫は、寒天培地にはりついた状態となってバッファとともに流れず、プロット点601に留まる。なお、傾斜角度は60°くらいが望ましい。なお、符号602は、尿検体及びアジ化ナトリウムのプロット予定点である。
そして、図1に示すように、傾斜しているプレートPの下部に溜まったバッファを吸取部505が吸い取る。
このようなバッファ吸取装置5とすることにより、線虫に触れたり、傷つけたりするおそれなくバッファを吸い取ることができる。
そして、プレート載置部501を傾斜させて、プレートPの下部に溜まったバッファを吸い取ることにより、バッファの吸い取りを機械化することが可能となる。
これまで行われていた紙製ウェスでバッファを吸い取ることを機械に行わせようとすると、線虫がプロットされた箇所を画像認識しなければならない等、複雑な処理が必要となる。本実施形態に係るバッファ吸取装置5によれば、プレートPを傾けるだけであるので、画像認識等の複雑な処理を必要とせず、非常に簡便な構成でバッファを吸い取ることができる。
吸取部505によるバッファの吸い取りが完了すると、傾斜部502はプレート載置部501を水平に戻す。その後、尿検体及びアジ化ナトリウムがプレートPの培地上にプロットされる。そして、プレートPは撮像装置2(図5)に移され、セットされる。
[システム構成]
図5は、本実施形態に係るがん解析システムの構成を示す機能ブロック図である。図5において、破線矢印はプレート、線虫、尿検体、アジ化ナトリウム等の動きを示し、実線矢印は情報の流れを示す。
がん解析システムZは、解析装置(解析部)1、撮像装置(撮像部)2、分注装置3、搬送装置4及びバッファ吸取装置5を有する。
撮像装置2は、線虫及び尿検体がプロットされたプレートを撮像し、撮像した画像を解析装置1へ送信する。
解析装置1は、撮像装置2から送られた画像を基に輝度情報を取得し、取得した輝度情報から線虫の走性指数を算出し、算出した走性指数を基に、がんの陽性・陰性を判定する。
分注装置3は、プレートに線虫、尿検体、アジ化ナトリウムをプロットする。
搬送装置4は、プレートをバッファ吸取装置5にセットしたり、バッファ吸取装置5から撮像装置2にプレートをセットしたりする。
バッファ吸取装置5は、図1〜図4で説明したように、プレートを傾斜させて、バッファをプレートの下方向に流れさせ、プレートの下方にたまったバッファを吸い取る。
[解析装置]
図6は、本実施形態で用いられる解析装置の構成を示す機能ブロック図である。
解析装置1は、PC(Personal Computer)等により構成されており、メモリ11、CPU(Central Processing Unit)12、記憶装置13、入力装置14、出力装置15及び送受信装置16を有する。
メモリ11には、記憶装置13に格納されているプログラムがロードされ、このロードされたプログラムがCPU12によって実行されることで、処理部100及び処理部100を構成する画像取得部101、ピクセル結合部102、輝度情報取得部103、輝度的重心算出部104、走性指数算出部105及び検査判定部106が具現化している。
画像取得部101は、撮像装置2から画像を取得する。
ピクセル結合部102は、撮像装置2から取得した画像のピクセルを結合する。ピクセルの結合については後記する。
輝度情報取得部103は、ピクセル結合部102で結合されたピクセル(結合後ピクセルと称する)から、各結合後ピクセルにおける輝度情報を取得する。
輝度的重心算出部104は、輝度情報取得部103が取得した輝度情報に基づいて、輝度的重心を算出する。輝度的重心については後記する。
走性指数算出部105は、輝度的重心算出部104が算出した輝度的重心を基に、線虫の走性指数を算出する。走性指数については後記する。
検査判定部106は、走性指数算出部105が算出した走性指数に基づいて、がんの陽性、陰性を判定する。
入力装置14は、キーボードや、マウス等である。
出力装置15は、ディスプレイや、プリンタ等である。
送受信装置16は、NIC(Network Interface Card)等である。
[撮像装置]
図7は、本実施形態で用いられる撮像装置の外観斜視図であり、図8は、本実施形態で用いられる撮像装置の外観側面図であり、図9は、本実施形態で用いられる撮像装置の断面概略図である。
図7及び図8に示すように、撮像装置2には、基部201の上に光源部202が備えられている。光源部202は、拡散板付きリングLED(Light Emission Diode)光源221である。拡散板付きリングLED光源221はリング状のLED光源であり、リングの内側に図9に示すように拡散板241が備えられているものである。
そこで、本実施形態の撮像装置2では、図7及び図8に示すように、光源部202の上には、プレートPがセットされるための台座203が備えられている。台座203にはプレートPがセットされるための孔が設けられており、この孔にプレートPが嵌着されることでプレートPが撮像装置2にセットされる。
そして、図7及び図8に示すように、基部201には棒状の第1支持部204が備えられ、この第1支持部204には、第1支持部204に沿って上下方向(Z方向)に可動である第2支持部205が備えられている。
第2支持部205の先端にはプレートPを撮像するためのカメラ(撮像部)206が備えられている。
さらに、図8に示すようにカメラ206の上方には、蛍光灯等といった部屋の照明を遮蔽する遮蔽板222が設けられている(図7では遮蔽板222を図示省略してある)。
なお、図8において、遮蔽板222は、第1支持部204に備えられているが、これに限らない。例えば、遮蔽板222は、プレートPに部屋の照明があたらないようにすればよく、例えば、部屋に備えられるようにしてもよい。
光源部202からの光が直接プレートPに照射されると、明るすぎたり、プレートPの縁等、プレートPにおける特定の箇所が光ってしまったりする等の理由で画像のS/N(Signal/Noise)比が悪くなるという問題がある。
図7〜図9に示すように、光源部202として拡散板付きリングLED光源221を設けることで、LED光源から照射される光を拡散させることができ、適度な光がプレートPに照射される。これにより、撮像される画像のS/N比の向上を図ることができ、後記する画像解析が困難になることを防ぐことができる。
また、カメラ206の上方に遮蔽板222が設けられることで、蛍光灯等といった部屋の照明を遮ることができ、部屋の照明によってプレートPの培地表面が光ってしまうことを防ぐことができる。
次に、図9を参照して、カメラ206で撮像された画像が光源部202による影響を受けないための条件、すなわち、画像面において照度むらが小さくなるための条件を説明する。
光源部202(拡散板付きリングLED光源221)の特性によって、プレートPに照射される光の照度分布が良好となる照明距離Z2が存在する場合、以下の第1条件及び第2条件とが満たされるとき、照度分布が良好となる。ここで、照明距離Z2は、図9に示すように、照明面と、撮像対称面(ここでは、プレートPの培地表面)との距離である。
また、第1条件は、f1、Z1が、以下の式(1)の条件を満たすことである。f1及びZ1については後記する。また、第2条件は、光源位置における画角半径Y2に対して、拡散板付きリングLED光源221の内半径Rが大きいことである。第1条件及び第2条件が満たされる場合、カメラ206で撮像された画像が光源部202による影響を受けない。これにより、後記する輝度情報の取得が容易となる。
Y1=(Z1×Y0)/f1 ・・・ (1)
ちなみに、式(1)において、f1は撮像レンズ231と、前側焦点233との距離である前側焦点距離である。また、Z1は前側焦点233と、撮像対象面(ここでは、プレートPにおける培地表面)との距離である。そして、Y0はカメラ206における撮像素子232の大きさである。さらに、Y1は撮像対象の大きさである。
第1条件及び第2条件が満たされることで、画像における照度むらを減少させることができ、画像のS/N比を向上させることができる。
[検査工程]
図10は、本実施形態でのがん検査のための詳細な手順の一例を示す図である。ステップS101〜S141は培養工程を示す図であり、ステップS201〜S215はがん検査工程を示す図である。適宜、図5を参照する。
図10に示すように、まず、プレート作成者が、培養プレートを作成する(S101)。そして、必要に応じて、プレート作成者が、線虫植継ぎ作業を行うことで(S111)、新たな培養プレートを作成する(S112)。さらに、プレート作成者は、ステップS111で作成した培養プレートを基に、線虫植継ぎ作業を行うことで(S121)、新たな培養プレートを作成する(S122)。
そして、ステップS101,S112,S122で作成された培養プレートにおいて、線虫が培養された後、培養された線虫を用いて検査者ががん検査を行う(S141〜S143)。
ステップS201〜S215は、ステップS141〜S143の処理の詳細を示すものである。なお、ステップS201〜S215は、ステップS141〜S143のそれぞれで行われる。
図10に示すように、がん検査において、まず、プレート作成者が、解析用のプレートを作成する(S201)。
続いて、分注装置3が、解析用のプレートに線虫をプロットする(S203)。具体的には、分注装置3は、所定時間静置されていたチューブから線虫をバッファごと吸入し、プレート上の所定の位置(例えば、中央)にプロットする。吸入量は、例えば4μLである。分注装置3による線虫のプロットが完了すると、搬送装置4がプレートをバッファ吸取装置5の載置部に載置する。なお、ここでは、線虫がプレートにプロットされた後、バッファ吸取装置5にセットされているが、バッファ吸取装置5にプレートがセットされた後、線虫がプロットされてもよい。
そして、バッファ吸取装置5の傾斜部502が、プレート載置部501を傾斜させる(S204)。この際、バッファ吸取装置5は、例えば、30秒かけて60°プレート載置部501を傾斜させる。これにより、前記したように、バッファのみがプレートの下方に流れ、線虫の多くはプロットされたところに留まる。
そして、バッファ吸取装置5の吸取部505が、プレートの下方に溜まったバッファを吸い取る(バッファ吸取:S205)。
その後、バッファ吸取装置5は、プレート載置部501を水平に戻すと、分注装置3が尿検体(例えば、2μL)及びアジ化ナトリウムをプレートの所定位置にプロットする(S206)。なお、尿検体と、アジ化ナトリウムは同じ場所にプロットされるとよい。アジ化ナトリウムは線虫に対しては無臭であるので、尿検体とアジ化ナトリウムとが同じ場所にプロットされても問題はない。
続いて、搬送装置4がプレートを撮像装置2(図5)にセットする(S211)。
なお、ここでは、バッファ吸取装置5にセットされているプレートに尿検体及びアジ化ナトリウムをプロットしているが、撮像装置2にプレートがセットされた後に、尿検体及びアジ化ナトリウムがプロットされてもよい。このように、線虫、尿検知及びアジ化ナトリウムがプロットされたプレートを解析用のプレートと適宜称する。
すると、撮像装置2が、解析用のプレートを撮像する(S212)。
撮像装置2が撮像した画像は、解析装置1(図5)に送られる。解析装置1は、送られた画像に基づいて走性解析処理を行う(S213)。場合によっては、再び、撮像が行われ(S212)、その撮像によって得られた画像に対して走性解析が行われる(S213)ことが繰り返される。
そして、解析装置1は、ステップS213の走性解析の結果に基づいて、がんの陽性、陰性を判定する検査判定処理を行う(S214)。
そして、解析装置1は、ステップS215の処理の結果を記憶装置13(図6)に格納する(S215)。
<第2実施形態:輝度的重心>
次に、第2実施形態として輝度的重心による走性解析について説明する。
《第2−1実施形態》
[フローチャート]
図11は、第2−1実施形態に係るがん解析システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。適宜、図5〜図7を参照する。
まず、撮像装置2のカメラ206がプレートPの撮像を行う(S301)。
そして、解析装置2の画像取得部101が撮像装置2から画像を取得する画像取得処理を行う(S302)。
次に、ピクセル結合部102がピクセル結合処理を行う(S303)。ピクセル結合処理については後記する。
そして、輝度情報取得部103が、ステップS303で結合されたピクセル(結合後ピクセル)から輝度情報を取得する輝度情報取得処理を行う(S304)。
その後、輝度的重心算出部104が、ステップS304で取得された輝度情報を基に、輝度的重心を算出する輝度的重心算出処理を行う(S305)。輝度的重心については後記する。
次に、処理部100は、ステップS301〜S305の処理が2回行われたか否かを判定する(S311)。
ステップS311の結果、ステップS301〜S305の処理が2回行われていない場合(S311→No)、処理部100は、ステップS305の処理が終了してから所定時間(例えば、15分)経過したか否かを判定する(S312)。
ステップS312の結果、ステップS305の処理が終了してから所定時間経過していない場合(S312→No)、処理部100はステップS312へ処理を戻す。
ステップS312の結果、ステップS305の処理が終了してから所定時間経過している場合(S312→Yes)、処理部100はステップS301へ処理を戻し、撮像装置2にプレートPの撮像を指示する。
ステップS311の結果、ステップS301〜S305の処理が2回行われている場合(S311→Yes)、走性指数算出部105が、ステップS305で算出された輝度的重心を基に、走性指数を算出する走性指数算出処理を行う(S321)。
続いて、検査判定部106が、ステップS321で算出された走性指数を基に、がんの陽性、陰性を判定する検査判定処理を行う(S322)。
ちなみに、図11のステップS301が図10のステップS212に相当し、図11のステップS302〜S321が図10のステップS213に相当し、図11のステップS322が図10のステップS214に相当する。
[輝度的重心による走性解析]
次に、図12〜図14を参照して、第2−1実施形態に係る輝度的重心による線虫の走性解析を説明する。
(画像)
図12は、カメラによって撮像された画像の模式図を示す。この画像は、図11のステップS302で取得される画像である。
図12では、図面をみやすくするため、培地が白くなっており、線虫Eが黒くなっているが、実際には、培地は黒く写り、線虫Eは白く写る。
(ピクセル結合処理)
図13は、第2−1実施形態で用いられるピクセルの結合処理を示す図である。この処理は、図11のステップS303に相当する処理である。
ピクセル結合部102は、撮像された画像におけるピクセルを所定数結像することで、図13に示すように13×13程度のピクセルにまとめる。なお、13×13のピクセルにまとめることは一例であり、これ以外のピクセル数にまとめてもよい。
(輝度情報取得処理)
図14は、ピクセルの結合処理の結果を示す図である。
図14に示すように、ピクセルを結合した結果、結合後のピクセル(結合後ピクセル)において線虫が多いところほど白いピクセルとなり、線虫が少ないところほど黒に近くなる。すなわち、結合後ピクセルでは、線虫が多いピクセルほど輝度が高くなる。図14では、結合後ピクセルにおける線虫の数の大小を5段階のドットで示しているが、実際には、例えば、256段階の輝度で示される。
図11のステップS304において、輝度情報取得部103は、図14に示すような結合後ピクセルにおける輝度情報を取得する。x軸及びy軸については後記する。
(輝度的重心算出処理)
そして、図11のステップS305において、輝度的重心算出部104は、図14に示す結合後のピクセルにおける輝度から輝度的重心を算出する。輝度的重心とは、以下の式(2)によって算出される、ピクセル結合処理後の画像における輝度の重心である。

式(2)において、図14の左からi番目の結合後ピクセルにおけるx座標をxとし、そのピクセルにおける輝度をBxとする。同様に、図14において、下からj番目の結合後ピクセルにおけるy座標をyとし、そのピクセルにおける輝度をByとする。ここで、x座標及びy座標は、図14のx軸及びy軸に基づくものである。また、式(2)において、n,mは、結合後ピクセルのx軸方向及びy軸方向の数である。図14の例では、n=13、m=13となる。
ここで、Bxは、xに属する結合後ピクセルの輝度をy軸方向について累積した値であり、Byは、yに属する結合後ピクセルの輝度をx軸方向について累積した値である。
つまり、(i,j)の位置における(つまり、図14において、左からi番目、下からj番目に位置する)結合後ピクセルの輝度をBijとすると、式(2)におけるBxi,Byjは、以下の式(3)及び式(4)で定義される。

算出した(x,y)の位置における(つまり、図14において、左からx番目、下からy番目に位置する)結合後ピクセルの輝度的重心を(C,C)とする。また、時刻tでの輝度的重心を(Cxt,Cyt)とする。
(走性指数算出処理)
図11のステップS321において、走性指数算出部105が、以下に示す手法で、輝度的重心を用いた走性指数CIを算出する。走性指数CIの算出方法は、以下の式(5)による方法と、式(6)による方法との2通りがある。なお、(Cx0,Cy0)は、時刻t=0、すなわち、プロット直後における輝度的重心を示す。
CI=Cx0−Cxt ・・・ (5)

式(5)は、x軸方向における輝度的重心の時間変化を算出しており、式(6)は、x軸方向及びy軸方向における輝度的重心の時間変化を算出している。なお、tとしては、例えば、15分であるが、これに限らない。
そして、検査判定部106は、算出した走性指数CIを基に、被検者におけるがんの陽性・陰性を判定する。
図15及び図16は、本実施形態に係るバッファ吸取装置でバッファを吸い取ったプレートで線虫を走性させた際における輝度分布の変化を示す図である。
なお、図15及び図16において、x軸及びy軸は、撮像装置2(図5)から送られた画像を示し、図15及び図16のグリッドは結合後ピクセルを示している。そして、図15及び図16において縦軸は輝度を示している。また、図15及び図16において、プロット直後の輝度的重心を原点としている。これは、バッファ吸取装置5(図1)によって、プレートが傾斜されるため、所定範囲に線虫が広がり、培地上における線虫のプロット点が検査毎に異なってしまうためである。座標変位は、プロット直後の輝度的重心と、所定時間後の輝度的重心とから算出される。すなわち、プロット直後の輝度的重心をスタート点としている。これにより、プレートの傾斜によるプロット点のゆらぎを解消することができる。
そして、図15は、尿検体をプロットした直後における輝度分布を示し、図16は、尿検体をプロットした後、15分間、線虫の走性を行った際の輝度分布を示している。なお、図15及び図16では、x軸の紙面左側にがん患者の尿検体がプロットされており、線虫が尿検体に対して誘引行動を示している。
図15及び図16に示すように、本実施形態に係るバッファ吸取装置5でバッファを吸い取ったプレートにおける線虫の走性行動は概ね問題ないようにみえる。
次に、図17及び図18を参照して、本実施形態に係るバッファ吸取装置5によってバッファを吸い取ったプレートにおける線虫の走性行動と、これまでの手法でバッファを吸い取ったプレートにおける線虫の走性行動とを比較する。
なお、これまでの手法とは、プレートを水平状態のまま市販の紙製ウェスによってバッファを手作業で吸い取る手法である。
図17は、本実施形態に係るバッファ吸取装置によってバッファを吸い取ったプレートにおける輝度的重心の時間変換を示す図である。また、図18は、これまでの手法でバッファを吸い取ったプレートにおける輝度的重心の時間変化を示す図(比較例)である。
なお、図17及び図18において、横軸は時間を示し、縦軸は輝度的重心のx座標値(輝度的重心x座標)を示す。
図17における線611〜615は、プレート毎における輝度的重心の時間変換を示している。このうち、線615は、健常者の尿検体(忌避物質)をプロットした場合における輝度的重心の時間変化を示し、その他の線611〜614は、がん患者の尿検体(誘引物質)をプロットした場合における輝度的重心の時間変化を示している。
また、図18における線621〜623は、いずれもがん患者の尿検体(誘引物質)をプロットした場合における輝度的重心の時間変化を示している。
図17の線614及び図18の線623が明確な誘引行動を示していないが、それ以外の線611〜613(図17)と、線621〜622(図18)とを比較すると、明らかに線611〜613の方が線虫の走性行動が活発であることを示している。また、線615に示されるように、本実施形態に係るバッファ吸取装置5を用いたプレートは、忌避行動も活発であることが示されている。
これは、これまでの手法では、紙製ウェスでバッファを吸い取った際、線虫に触れることで、線虫を傷つけたり、ストレスを与えたりしてしまっているのに対し、本実施形態に係るバッファ吸取装置5では、線虫にふれることなくバッファを吸い取ることができるためである。
また、バッファ吸取装置5でバッファを吸い取ることにより、線虫を傷つけたり、ストレスを与えたりすることがないので、安定かつ再現性の高いデータを得ることができる。
また、第2−1実施形態によれば、輝度を基に走性指数を算出することで、個々の線虫をカウントすることなく、簡便なアルゴリズムで走性指数を算出することができ、撮像装置1で撮像された画像の解析を効率的に行うことができる。
また、図19に示すように、培養条件を均一にして線虫Eが幼虫の状態(符号E1)から、成虫の線虫E(符号E2)になるまで培養しても、すべての線虫の状態を良好にすることはできない。従って、状態のよい線虫E(符号E3)を選別する必要がある。ここで、状態のよい線虫E3とは、動きが活発な線虫Eである。
しかしながら、個々の線虫Eの動きを計測することは、アルゴリズム的に煩雑になる。第2−1実施形態に係るがん解析システムZであれば、画像において線虫Eが多くいる箇所が明るくなるという性質を利用した輝度的重心を用いることで、計算負荷を軽減することができる。
また、前記したようにバッファ吸取装置5においてプレートが傾斜され、バッファが吸い取られるため、線虫をプロットした箇所は広がりをもつことになり、プロット点は正確に原点となるとは限らない。式(1)及び式(2)に示すように、線虫のプロット直後の輝度的重心と、所定時間後の輝度的重心との差を走性指数とすることで、プロット点のずれの問題が解消され、2次元的広がりを有することの問題も解消される。
つまり、線虫のプロット直後における輝度的重心を原点として考えることで、走性指数を正しく評価することができる。
さらに、ピクセル結合処理を行うことで、ピクセル数を減少させることができ、画像の容量を減少させることができ、大量の画像を保存することが可能となる。例えば、500万画素で15分間撮像を行うと、1GB程度の容量が必要となるが、第2−1実施形態のようにピクセル結合処理を行うことで、画像の容量を大幅に減少させることができる。
また、ピクセル結合処理を行うことで、ゴミ等のノイズを平均化することができ、その影響を除くことができる。
なお、特許文献1には、線虫に蛍光タンパク質遺伝子を導入し、線虫の傾向強度を測定することが記載されている。特許文献1に記載の技術は、線虫を蛍光させることで、画像のS/N比を向上させているが、個々の線虫をカウントしているため、前記した問題点を解決することはできない。第2−1実施形態に係る技術は、画像における輝度を基に線虫の量を推測している点で、特許文献1に記載の技術とは異なっている。
第2−1実施形態では、プロット直後の輝度的重心と、所定時間後の輝度的重心との差から走性指数を算出しているが、所定時間後の輝度的重心と、プレートの中心位置との差から走性指数が算出されてもよい。
また、第2−1実施形態では、精細な撮像画像のピクセルを結合させているが、これに限らない。例えば、画素数の少ないカメラ206(図7〜図9)で撮像することで、ピクセル結合処理が省略されてもよい。このように、画素数の少ないカメラ206を用いることによって、コストの大幅な削減も可能となる。
《第2−2実施形態》
[解析装置]
図20は、第2−2実施形態で用いられる解析装置の構成を示す機能ブロック図である。
図20に示す解析装置1aにおいて、図6に示す解析装置1と異なる点は、処理部100aが、結合後ピクセルにおける中心付近のピクセルを除外するピクセル除外部107を有している点である。
[フローチャート]
図21は、第2−2実施形態で用いられる解析装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。適宜、図20を参照する。
図21において、図11に示すフローチャートと異なる点は、ステップS304の後に、ピクセル除外部107が、ピクセル除外処理(S331)を行っている点である。ピクセル除外処理については後記する。
(ピクセル除外処理)
次に、図22〜図23を参照して図21のステップS331におけるピクセル除外処理を説明する。
図22は、第2−2実施形態で用いられるピクセル除外処理の手法を説明するための図である。
図22に示すピクセルは結合後ピクセルを示している。
図22に示すように、ピクセル除外部107は、走性開始から所定時間後における結合後画像の中心(符号301)から所定範囲の結合後ピクセル(斜線領域)を除外する。これは、状態のよくない線虫は、中心領域(すなわち、線虫がプロットされた場所)から動かないことによる。ピクセル除外処理を行うことで、状態のよくない線虫による影響を除外することができ、輝度的重心の精度及び走性指数の精度を向上させることができる。
削除領域は、例えば、
(A1)(線虫プロット後からの経過時間×遅い線虫の速度)を直径とする円(図22における破線円302)にかかる結合後ピクセル
(A2)作業員が設定する領域の結合後ピクセル
等がある。
図23は、ピクセル除外処理が行われる前(未処理)の結合後ピクセルの模式図を示し、図24は、ピクセル除外処理が行われた後の結合後ピクセルの模式図を示す。
図23及び図24では、図14と同様、結合後ピクセルの輝度を5段階のドットで示す。
図23は、図14に示すものと同様のものであるため、ここでの説明を省略する。そして、ピクセル除外部107が、ピクセル結合処理後の画像の中心領域において、図23で破線円がかかっている結合後ピクセルを除外することによって、図24に示すような結合後画像が得られる。なお、図23の破線円は図22における破線円302と同様のものである。
状態のよい線虫、すなわち、動きが活発な線虫は動く速度が速いため、個々の線虫の動きを計測することで、状態のよい線虫を選別することは可能である。
第2−2実施形態によれば、中心から所定範囲を除外することにより、状態の悪い(動きの悪い)線虫の影響を除外することができる。これにより、走性指数の精度を向上させることができる。このような中心領域のピクセル除外は、所定範囲の結合後ピクセルの輝度を0にするだけでよいので、非常に簡便な処理で行うことができる。
《第2−3実施形態>
[解析装置]
図25は、第2−3実施形態で用いられる解析装置の構成を示す機能ブロック図である。
図25に示す解析装置1bにおいて、図20に示す解析装置1aと異なる点は、処理部100bが、輝度的重心の時間変化が所定の条件を満たす時、輝度的重心の算出を停止する撮像停止判定処理部108を有している点である。
[フローチャート]
図26は、第2−3実施形態で用いられる解析装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。適宜、図7及び図25を参照する。
図26において、図21の処理と異なる点は、以下の点である。
ステップS305において、輝度的重心算出部104が輝度的重心を算出した後、撮像停止判定処理部108は、輝度的重心の時間変位Dtを算出する時間変位算出処理を行う(S341)。輝度的重心の時間変位Dtは、現在の輝度的重心と、1つ前の輝度的重心との差分値である。なお、プレートPの中心に対して、尿検体がプロットされている方向をx軸方向とした場合、輝度的重心の時間変位Dtはx軸方向のみを考えればよいが、x軸方向に加えて、y軸方向を考慮してもよい。
そして、撮像停止判定処理部108は、ステップS341で算出した輝度的重心の時間変位と、1つ前の輝度的重心の時間変位の符号との符号が逆転しているか、又は、ステップS341で算出した(現在の)輝度的重心の時間変位Dtと、1つ前の輝度的重心の時間変位Dtpとの差の絶対値(|Dt−Dtp|)が所定の値(e)未満であるか否かを判定する(S342)。なお、ステップS342において、ステップS341で算出した輝度的重心の時間変位Dtと、1つ前の輝度的重心の時間変位Dtpとの差の絶対値(|Dt−Dtp|)が所定の値(e)未満であるか否かの条件は省略されてもよい。
ここで、輝度的重心の時間変位と、1つ前の輝度的重心の時間変位の符号との符号が逆転しているかは、線虫がこれまでと逆方向に進みはじめているか否かを判定している。そして、輝度的重心の時間変位Dtと、1つ前の輝度的重心の時間変位Dtpとの差の絶対値(|Dt−Dtp|)が所定の値(e)未満であるか否かは、線虫の動きが鈍くなってきているか否かを判定している。
ステップS342の結果、ステップS341で算出した輝度的重心の時間変位と、1つ前の輝度的重心の時間変位の符号との符号が逆転しているか、又は、ステップS341で算出した輝度的重心の時間変位Dtと、1つ前の輝度的重心の時間変位Dtpと差の絶対値(|Dt−Dtp|)が所定の値(e)未満である場合(S342→Yes)、処理部100bはステップS345へ処理を進める。
ステップS342の結果、ステップS341で算出した輝度的重心の時間変位と、1つ前の輝度的重心の時間変位の符号との符号が逆転しておらず、かつ、ステップS341で算出した輝度的重心の時間変位Dtと、1つ前の輝度的重心の時間変位Dtpとの差の絶対値(|Dt−Dtp|)が所定の値(e)以上である場合(S342→No)、処理部100bは、走性開始から所定時間(例えば、15分)経過したか否かを判定する(S343)。
ステップS343の結果、走性開始から所定時間経過していない場合(S343→No)、撮像停止判定処理部108は、撮像間隔時間(例えば、1分)経過したか否かを判定する(S344)。
ステップS344の結果、撮像間隔時間経過していない場合(S344→No)、撮像停止判定処理部108はステップS344へ処理を戻す。
ステップS344の結果、撮像間隔時間経過している場合(S344→Yes)、処理部100bはステップS301へ処理を戻し、撮像装置2にプレートPの撮像を指示する。
一方、ステップS343の結果、走性開始から所定時間経過している場合(S343→Yes)、撮像停止判定処理部108は撮像装置2に撮像停止を指示する(S345)。撮像停止を指示された撮像装置2は撮像を停止する。
そして、走性指数算出部105は、直近で算出された輝度的重心を基に、走性指数を算出する走性指数算出処理を行う(S321a)。
線虫の動きが鈍ってきたり、線虫が、これまでと判定方向に進みはじめたりすると、これ以上、線虫を走性させても、あまり意味がないといえる。
そこで、撮像停止判定処理部108は、所定時間毎における輝度的重心を監視し、線虫の動きが鈍くなるか、輝度的重心が原点側(線虫のプロット点)に戻ると、そこで撮像を打ち切る。
そして、走性指数算出部105は、撮像を打ち切った時点より1つ前の輝度的重心を用いて、走性指数を算出する。
第2−3実施形態によれば、これ以上、線虫を走性させても、あまり意味がないといえる時点で撮像を打ち切るので、検査時間を短くすることができる。
また、第2−3実施形態によれば、最も+側もしくは−側に線虫が走性した時点の輝度的重心を基に、走性指数を算出するため、走性指数の精度を向上させることができる。
なお、第2−3実施形態において、図26のステップS331のピクセル除外処理が省略されてもよい。
第2−3実施形態では、検査毎に輝度的重心の時間変化を監視し、輝度的重心が原点側に戻ったときの輝度的重心で走性指数を算出しているが、これに限らない。例えば、予め、実験によって輝度的変化が原点側に戻る時間の平均値等を算出しておき、この時間だけ線虫の走性を行わせてもよい。すなわち、第2−1実施形態や、第2−2実施形態における所定時間を、実験によって算出された輝度的変化が原点側に戻る時間の平均値としてもよい。このようにすることで、検査時間の短縮を図ることができる。
そして、尿検体のにおい物質が蒸発することで、線虫が原点側に戻ってしまうという事態が発生しても、第2−3実施形態によれば、尿検体のにおい物質の蒸発前における輝度的重心を基に走性指数を算出することができる。これにより、走性指数の精度を向上させることができる。
<第2−4実施形態>
[解析装置]
図27は、第2−4実施形態で用いられる解析装置の構成を示す機能ブロック図である。
図27に示す解析装置1cにおいて、図25に示す解析装置1bと異なる点は、処理部100cが、輝度的重心の時間変化がみられないプレートP(図7)を除外プレートとして選択するプレート除外処理部109を有している点である。
[フローチャート]
図28及び図29は、第2−4実施形態に係る解析装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。適宜、図7及び図27を参照する。
図28及び図29において、図26に示す処理と異なる点は、以下の点である。
すなわち、ステップS305において、輝度的重心算出部104が輝度的重心を算出した後、プレート除外処理部109は、走性開始から第1時間(例えば、2分)経過したか否かを判定する(図28のS351)。
ステップS351の結果、走性開始から第1時間経過していない場合(S351→No)、処理部100cは、撮像間隔時間(例えば、1分)経過したか否かを判定する(S352)。
ステップS352の結果、撮像間隔時間経過していない場合(S352→No)、処理部100cはステップS352へ処理を戻す。
ステップS352の結果、撮像間隔時間経過している場合(S352→Yes)、処理部100cはステップS301へ処理を戻し、撮像装置2にプレートPの撮像を指示する。
ステップS351の結果、走性開始から第1時間経過している場合(S351→Yes)、プレート除外処理部109がプレート除外処理を行った(S353)後、処理部100cがステップS361へ処理を進める。
ステップS353において、プレート除外処理部109は、第1時間経過しても、線虫のプロット直後の輝度的重心との変位が所定値以下であるプレートPを検査対象から除外するよう指示する。プレートPの除外指示は、解析装置1cの出力装置15において出力されてもよいし、撮像装置2の近傍等に表示装置(不図示)を設置し、その表示装置に表示させてもよい。あるいは、搬送装置4(図5)が除外してもよい。
ステップS361〜S366は、ステップS301〜ステップS305と同様の処理であるので、ここでの説明を省略する。ステップS366の後、処理部100cはステップS341へ処理を進める。ステップS341,S342の処理は、図26に示すステップS341,S342の処理と同様の処理であるため、ここでの説明を省略する。
そして、ステップS342の処理において、「No」が判定されると、撮像停止判定処理部108は、第1時間が経過後、第2時間(例えば、13分)経過したか否かを判定する(図29のS371)。
ステップS371の結果、第2時間経過している場合(S371→Yes)、撮像停止判定処理部108は、ステップS345へ処理を進める。
ステップS371の結果、走性開始から第2時間経過していない場合(S371→No)、処理部100cは、撮像間隔時間(例えば、1分)経過したか否かを判定する(S372)。
ステップS372の結果、撮像間隔時間経過していない場合(S372→No)、処理部100cはステップS372へ処理を戻す。
ステップS372の結果、撮像間隔時間経過している場合(S372→Yes)、処理部100cはステップS361へ処理を戻し、撮像装置2にプレートPの撮像を指示する。
図30は、第2−4実施形態で用いられるプレート除外処理の模式的な説明図である。
図30では、1つの培養プレートPzから4つの解析用のプレートPa〜Pdが生成される例を示している。ここで、培養プレートPzとは、線虫が培養されているプレートP(図7)であり、解析用のプレートPa〜Pdとは尿検体と線虫が載置され、撮像装置2(図5)にセットされるプレートPである。
図30に示すように、同じ培養プレートPzで培養されていた線虫が、4つの解析用のプレートPa〜Pdに分注される。
4つの解析用のプレートPa〜Pdは、撮像装置2にセットされ、撮像、解析され、廃棄される。ここで、解析とは、輝度的重心の算出及び走性指数の算出である。
このうち、線虫のプロット直後における輝度的重心と、所定時間後の輝度的重心の位置との距離が、所定値以下の解析用のプレートPcは、線虫が弱っている可能性があり、検査対象としてふさわしくないので除外される。
第2−4実施形態によれば、所定時間過ぎても輝度的重心の変化が少ないプレートを除外することで、検査判定の精度を向上させることができる。
なお、第2−4実施形態は、第2−3実施形態にプレート除外処理を加えた形式となっている。すなわち、第2−4実施形態は、所定間隔(例えば、1分)毎に輝度的重心を求めている形式となっているが、これに限らない。例えば、第2−1実施形態や、第2−2実施形態のように、線虫のプロット直後と、所定時間後(例えば、15分後)とで撮像を行い、プロット直後と、所定時間後とにおける輝度的重心の差が所定値以下のプレートを除外するようにしてもよい。
なお、第1〜4実施形態では、輝度的重心に基づいて、走性指数を求めているが、カメラ206によって撮像された画像における輝度に関する情報であれば、輝度的重心に限らない。例えば、結合後ピクセルにおいて、線虫のプロット直後において最も輝度の高い結合後ピクセルと、走性開始後、所定時間後において最も輝度の高い結合後ピクセルとの距離を基に、走性指数が算出されてもよい。
また、図15〜図17に示すようなグラフや、表や、輝度的重心の時間遷移を示すものが、出力装置15に出力(表示)されてもよい。
<第3実施形態>
次に、図31〜図34を参照して、DR(Density Ratio)値による走性解析について説明する。
DR法は、輝度的重心に代わって用いられる走性解析手法である。
[解析装置]
図31は、第3実施形態で用いられる解析装置の構成を示す機能ブロック図である。
図20に示す解析装置1dにおいて、図6に示す解析装置1と異なる点は、図6の処理部100における輝度的重心算出部104及び走性指数算出部105が、処理部100dではDR値算出部110となっている点である。
[DR値]
図32は、第3実施形態で用いられるDR値の説明をするための図である。
図32は、撮像装置によって撮像された画像を示し、符号631に示すようにプレートPの中央に線虫がプロットされ、符号632に示す点に尿検体がプロットされている。
そして、画像が図32に示すように、画像を所定の大きさをもった区画に分割する。図32の例では、12×12に分割されている。これらの区画は、ピクセルが結合された結合後ピクセルである。
この区画のうち、尿検体のプロット点632の周囲の所定の範囲を選択する。図32の例では、尿検体の周囲3×4の範囲641が選択されている。
そして、走性指数算出部105は、範囲641中の各区画の輝度の合算値を基に、DR値を算出する。
範囲641中の各区画の輝度の合算値をS1、範囲641以外の各区画の輝度の合算値をS2とすると、DR値の算出は、以下の式(11)で表わされる方法と、式(12)で表わされる方法との2通りがある。
DR=S1 ・・・ (11)
DR=S1/S2 ・・・ (12)
[フローチャート]
図33は、第3実施形態で用いられる解析装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。適宜、図31を参照する。また、図33では、図11と異なる処理を中心に説明を行う。
まず、処理部100dが線虫の走性開始から所定時間経過したか否かを判定する(S381)。
ステップS381の結果、所定時間経過していない場合(S381→No)、処理部100dは、ステップS381へ処理を戻す。
ステップS381の結果、所定時間経過している場合(S381→Yes)、カメラ206、画像取得部101、ピクセル結合部102がステップS301〜S303のそれぞれの処理を行う。
その後、輝度情報取得部103が、ステップS303で結合されたピクセル(結合後ピクセル)から輝度情報を取得する輝度情報取得処理を行う(S304a)。
このとき、DR値を式(11)にて算出する場合、輝度情報取得部103は図32の範囲641中の結合後ピクセル(区画)それぞれの輝度情報を取得する。
また、DR値を式(12)にて算出する場合、輝度情報取得部103は、図32の範囲641中の結合後ピクセルそれぞれの輝度情報と、範囲641以外の結合後ピクセルそれぞれの輝度情報とを取得する。
そして、DR値算出部110が式(11)又は式(12)に従ってDR値を算出する(S382)。
続いて、検査判定部106が、ステップS382で算出されたDR値を基に、がんの陽性、陰性を判定する検査判定処理を行う(S322a)。
このとき、検査判定部106は、算出されたDR値が、予め設定されている閾値以上であれば陽性と判定し、閾値未満であれば陰性と判定する。
ちなみに、図33のステップS301が図10のステップS212に相当し、図33のステップS302〜S382が図10のステップS213に相当し、図33のステップS322aが図10のステップS214に相当する。
図34及び図35は、DR値の時間変化を示す図であり、図34は健常者の尿検体(忌避物質)をプロットした場合を示し、図35はがん患者の尿検体(誘引物質)をプロットした場合を示す。なお、使用したDR値は式(12)によるものである。
なお、図34及び図35では、横軸が時間を示し、縦軸はDR値を示している。
図34では、忌避物質がプロットされているため、図32の範囲641に線虫が存在しない。そのため、図34の線651に示すように、DR値は、ほぼ0となっている。
これに対し、図35では、誘引物質がプロットされているため、図32の範囲641に線虫が多く存在する。そのため、図35の線652に示すように、DR値が大きな値となっている。
このように、忌避物質(健常者の尿検体)がプロットされている場合、DR値は、ほぼ0となる。実際の検査では線虫が尿検体に誘引されているか否かがわかればよいため、忌避物質(健常者の尿検体)がプロットされている場合、DR値は0となっても問題はない。
このようなDR値を用いた解析では、所定の閾値を設け、DR値がこの閾値を超えたら陽性と判定する。
なお、DR値による解析は、バッファ吸取装置5を備えたがん解析システム以外にも適用可能である。
このように、DR値を用いた手法は、輝度的重心よりシンプルに算出できるため、処理負荷を軽減することが可能となる。このため、効率的な解析が可能となる。特に、式(11)による算出手法では、尿検体の周辺のみを撮像すればよいので、カメラ206の設定が容易となる。
なお、このようなDR値は、図7〜図9に示す撮像装置2でプレートPが撮像されることによって算出可能である。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した各構成、機能、各部100〜110、各記憶装置部41〜47等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、図25で示すように、前記した各構成、機能等は、CPU等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、図25に示すようにHD204に格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1,1a〜1d 解析装置(解析部)
2 撮像装置(撮像部)
3 分注装置
4 搬送装置
5 バッファ吸取装置
100,100a〜100d 処理部
101 画像取得部
102 ピクセル結合部
103 輝度情報取得部
104 輝度的重心算出部
105 走性指数算出部
106 検査判定部
107 ピクセル除外部
108 撮像停止判定処理部
109 プレート除外処理部
110 DR値算出部
201 基部
202 光源部
203 台座
204 第1支持部
205 第2支持部
206 カメラ(撮像部)
221 拡散板付きリングLED光源
222 遮蔽板
231 撮像レンズ
232 撮像素子
233 前側焦点
241 拡散板
301 結合後画像の中心
302 破線円
401,411 原点(プロット直後の輝度的重心)
402,412 線虫の動きが鈍る点
501 プレート載置部(載置部)
502 傾斜部
503 駆動部
504 台座部
505 吸取部
E,E1〜E3 線虫
P プレート
Pz 培養プレート
Pa〜Pc 解析用のプレート
Z がん解析システム

Claims (15)

  1. 寒天培地が充填され、前記寒天培地上に線虫がバッファとともにプロットされているプレートを載置する載置部と、
    前記載置部を傾斜させることにより、前記寒天培地上の前記バッファが前記プレートの下部に流れるように構成される傾斜部と、
    前記傾斜部によって傾斜させられた前記載置部に載置されている前記プレートの下部に溜まっている前記バッファを吸い取る吸取部と、
    を有することを特徴とするバッファ吸取装置。
  2. 寒天培地が充填され、前記寒天培地上に線虫がバッファとともにプロットされているプレートを載置する載置部と、
    前記載置部を傾斜させることにより、前記寒天培地上の前記バッファが前記プレートの下部に流れるように構成される傾斜部と、
    前記傾斜部によって傾斜させられた前記載置部に載置されている前記プレートの下部に溜まっている前記バッファを吸い取る吸取部と、
    前記吸取部によるバッファの吸い取り後のプレートについて、前記線虫の走性解析を行う解析部と、
    を有することを特徴とするがん解析システム。
  3. 前記線虫及び尿検体がプロットされている前記プレートを下方から照射する光源部と、
    前記光源部によって照射された前記プレートを、撮像する撮像部と、
    を有し、
    前記解析部は、
    前記撮像部で撮像された画像における輝度に関する情報を基に、前記走性解析を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載のがん解析システム。
  4. 前記輝度に関する情報は、前記画像における輝度分布の重心である輝度的重心である
    ことを特徴とする請求項3に記載のがん解析システム。
  5. 前記走性解析は、前記線虫の走性に関する評価値である走性指数に基づいて行われ、前記走性指数は、以下の式(1)に基づく
    ことを特徴とする請求項4に記載のがん解析システム。
    CI=Cx0−Cxt ・・・ (1)
    ここで、CIは走性指数を示し、Cx0は、プロット直後における前記輝度的重心のx座標を示し、Cxtは、前記線虫の走性開始から時間tが経過した後における前記輝度的重心のx座標を示す。なお、前記プレートの中心に対し、前記尿検体がプロットされている方向をx座標の方向とする。
  6. 前記走性解析は、前記線虫の走性に関する評価値である走性指数に基づいて行われ、前記走性指数は、以下の式(2)に基づく
    ことを特徴とする請求項4に記載のがん解析システム。
    ここで、CIは走性指数を示し、(Cx0,Cy0)は、プロット直後における前記輝度的重心のx座標及びy座標を示し、(Cxt,Cyt)は、前記線虫の走性開始から時間tが経過した後における前記輝度的重心のx座標及びy座標を示す。なお、前記プレートの中心に対し、前記尿検体がプロットされている方向をx座標の方向とし、該x座標に直交する方向をy座標の方向とする。
  7. 前記解析部は、
    前記輝度的重心の時間毎における前記輝度的重心の位置変化を観測し、
    前記輝度的重心が戻りかけたら解析を停止する
    ことを特徴とする請求項4に記載のがん解析システム。
  8. 前記輝度的重心の位置変化は、前記線虫のプロット直後における輝度的重心と、所定時間後の輝度的重心とから算出される
    ことを特徴とする請求項7に記載のがん解析システム。
  9. 前記解析部は、
    所定時間経過しても、前記輝度的重心の変化が一定量以下である前記プレートを、前記走性解析の対象から除外する
    ことを特徴とする請求項4に記載のがん解析システム。
  10. 前記解析部は、
    前記画像のピクセルを所定数結合した後、前記輝度に関する情報を算出する
    ことを特徴とする請求項3に記載のがん解析システム。
  11. 前記解析部は、
    前記画像の中心から、一定距離にある画像を前記輝度に関する情報の算出対象から除外する
    ことを特徴とする請求項3に記載のがん解析システム。
  12. 前記解析部は、
    前記尿検体がプロットされている点から所定の範囲における輝度に関する情報を基に、前記線虫の走性解析を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載のがん解析システム。
  13. 前記輝度に関する情報は、
    前記尿検体がプロットされている点から所定の範囲における輝度に関する情報である
    ことを特徴とする請求項12に記載のがん解析システム。
  14. 前記所定の範囲における輝度に関する情報は、
    前記尿検体がプロットされている点から所定の範囲における輝度の合算値である
    ことを特徴とする請求項13に記載のがん解析システム。
  15. 前記輝度に関する情報は、
    前記尿検体がプロットされている点から所定の範囲における輝度の合算値を、前記所定の範囲以外における輝度の合算値で除したものである
    ことを特徴とする請求項13に記載のがん解析システム。
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