(第1の実施形態)
以下、搬送パレットを具体化した第1の実施形態を図1〜図18にしたがって説明する。
図1に示すように、搬送パレット10は、長四角枠状の基部11を有している。基部11は、基部11の長手方向に延びる細長四角柱状の一対の第1枠形成部12と、基部11の短手方向に延びる細長四角柱状の一対の第2枠形成部13と、を有している。一対の第1枠形成部12は、互いに平行に延びている。一対の第2枠形成部13は、互いに平行に延びている。各第1枠形成部12の一端部同士は、一対の第2枠形成部13の一方によって接続されている。一対の第2枠形成部13の一方の両端は、各第1枠形成部12の一端部における基部11の短手方向で互いに対向する面それぞれに連結されている。各第1枠形成部12の他端部同士は、一対の第2枠形成部13の他方によって接続されている。一対の第2枠形成部13の他方の両端は、各第1枠形成部12の他端部における基部11の短手方向で互いに対向する面それぞれに連結されている。
搬送パレット10は、載置板14を有している。載置板14は、四角薄板状である。載置板14は、互いに平行に延びる一対の第1側部14aと、互いに平行に延びる一対の第2側部14bと、を有している。各第1側部14aの一端部同士は、一対の第2側部14bの一方によって接続されている。各第1側部14aの他端部同士は、一対の第2側部14bの他方によって接続されている。
一対の第1側部14aの一方は、一対の第1枠形成部12の一方の上面に載置された状態で一対の第1枠形成部12の一方に取り付けられるとともに、一対の第1側部14aの他方は、一対の第1枠形成部12の他方の上面に載置された状態で一対の第1枠形成部12の他方に取り付けられている。したがって、載置板14は、一対の第1枠形成部12に架け渡された状態で一対の第1枠形成部12に対して設けられている。一対の第1側部14aは、一対の第1枠形成部12それぞれに沿って延びるように一対の第1枠形成部12にそれぞれ取り付けられている。一対の第2側部14bは、一対の第2枠形成部13に沿って延びている。一対の第2側部14bの一方は、第2枠形成部13の一方に対して基部11の長手方向で所定距離だけ離れた位置に配置されている。一対の第2側部14bの他方は、第2枠形成部13の他方に対して基部11の長手方向で所定距離だけ離れた位置に配置されている。
搬送パレット10は、一対の載置部15を有している。一対の載置部15は、互いに平行に延びる細長四角筒状である。一対の載置部15の長手方向は、基部11の短手方向に一致している。一対の載置部15は、基部11の長手方向で載置板14を挟んだ両側にそれぞれ配置されている。各載置部15の一端部は、一対の第1枠形成部12の一方の上面に載置された状態で一対の第1枠形成部12の一方にそれぞれ取り付けられている。各載置部15の他端部は、一対の第1枠形成部12の他方の上面に載置された状態で一対の第1枠形成部12の他方にそれぞれ取り付けられている。したがって、各載置部15は、一対の第1枠形成部12に架け渡された状態で一対の第1枠形成部12に対して設けられている。各載置部15は、一対の第2枠形成部13に沿って延びている。
各載置部15の一端部には、円棒状の第1目印部16がそれぞれ立設されている。各第1目印部16における各載置部15の一端部からの立設方向は同一方向である。各第1目印部16は互いに平行に延びている。各第1目印部16は、基部11の長手方向で互いに対向している。また、各載置部15の中央部には、円棒状の第2目印部17がそれぞれ立設されている。各第2目印部17における各載置部15の中央部からの立設方向は同一方向である。各第2目印部17は互いに平行に延びている。各第2目印部17は、基部11の長手方向で互いに対向している。各第1目印部16における各載置部15からの立設方向と、各第2目印部17における各載置部15からの立設方向とは同一方向である。各第1目印部16及び各第2目印部17は、各載置部15から重力方向上側に延びている。各載置部15において、第1目印部16と第2目印部17とは、基部11の短手方向で対向している。
各載置部15には、滑り止め部15aがそれぞれ設けられている。各滑り止め部15aはゴム製の細長シート状である。各滑り止め部15aは、各載置部15の上面において、各載置部15の一端部から中央部を僅かに越えた位置まで延びるように載置された状態で各載置部15にそれぞれ設けられている。各滑り止め部15aの長手方向の長さは、各載置部15における第1目印部16と第2目印部17との間の距離よりも長い。
基部11の四隅には、細長四角柱状の支柱18がそれぞれ立設されている。各支柱18における基部11からの立設方向は同一方向である。各支柱18は、基部11から重力方向上側に延びている。各支柱18における基部11からの立設方向の長さはそれぞれ同じである。基部11の短手方向で対向配置されている一対の支柱18同士は、細長四角柱状の接続部19によってそれぞれ接続されている。各接続部19は、基部11の短手方向で対向配置されている一対の支柱18における基部11とは反対側であって、且つ各支柱18の立設方向に位置する端縁同士をそれぞれ接続している。各支柱18における基部11の長手方向で載置部15とは反対側に位置する側面と、接続部19における基部11の長手方向で載置部15とは反対側に位置する側面とは同一面上に位置している。
各接続部19の一端部には、第1支持部材21がそれぞれ設けられている。各第1支持部材21は、L字状の細長円棒状である。各第1支持部材21は、各接続部19の上面に対して回転可能に支持される円棒状の第1回転部21aと、第1回転部21aの一端部に連続するとともに第1回転部21aに対して直交する方向に延びる円棒状の第1支持部21bと、を有している。各第1支持部材21は、各第1回転部21aの回転軸線が各接続部19の長手方向に延びるように各接続部19にそれぞれ取り付けられている。そして、第1支持部21bは、第1回転部21aの回転に伴って、第1回転部21aの回転軸線を回動中心として各接続部19に対して回動可能である。各第1支持部材21は、基部11の長手方向で対向している。各第1支持部材21は、各第1回転部21aの回転に伴って、各第1支持部21bが重力方向上側に延びる状態と、各第1支持部21bが水平方向であって、且つ互いに向き合う方向に延びる状態と、に切り替え可能である。
各接続部19の他端部には、第2支持部材22がそれぞれ設けられている。各第2支持部材22は、L字状の細長円棒状である。各第2支持部材22は、各接続部19の上面に対して回転可能に支持される円棒状の第2回転部22aと、第2回転部22aの一端部に連続するとともに第2回転部22aに対して直交する方向に延びる円棒状の第2支持部22bと、を有している。各第2支持部材22は、各第2回転部22aの回転軸線が各接続部19の長手方向に延びるように各接続部19にそれぞれ取り付けられている。そして、第2支持部22bは、第2回転部22aの回転に伴って、第2回転部22aの回転軸線を回動中心として各接続部19に対して回動可能である。各第2支持部材22は、基部11の長手方向で対向している。各第2支持部材22は、各第2回転部22aの回転に伴って、各第2支持部22bが重力方向上側に延びる状態と、各第2支持部22bが水平方向であって、且つ互いに向き合う方向に延びる状態と、に切り替え可能である。各第2支持部22bの長さは、各第1支持部21bの長さよりも短い。
搬送パレット10は、一対の保持機構23を備えている。各保持機構23は、搬送パレット10において、基部11の長手方向の両側にそれぞれ設けられている。なお、一対の保持機構23それぞれの構成は同じであるため、以下の説明では、一対の保持機構23の一方の構成について詳細に説明し、一対の保持機構23の他方の構成の詳細な説明を省略する。なお、一対の保持機構23の他方を正面視したときの一対の保持機構23の他方に関する構成の位置関係は、一対の保持機構23の一方を正面視したときの一対の保持機構23の一方に関する構成の位置関係に対して左右反転している。
保持機構23は、保持部24と、保持部24の位置を切り替える位置切替機構25と、を備えている。位置切替機構25は、ロックレバー26、保持解除レバー27、水平移動部材28、水平移動変換機構29、及びラチェット機構30を含む。
なお、以下の説明において、基部11の短手方向で対向配置されている一対の支柱18の一方を「第1支柱181」と記載し、基部11の短手方向で対向配置されている一対の支柱18の他方を「第2支柱182」と記載する。
図2、図3及び図4に示すように、第1支柱181には、細長四角筒状の第1取付土台部31が設けられている。第2支柱182には、細長四角筒状の第2取付土台部32が設けられている。第1取付土台部31及び第2取付土台部32は同一形状である。第1取付土台部31は、第1支柱181における基部11の長手方向で載置部15とは反対側に位置する側面と、接続部19における基部11の長手方向で載置部15とは反対側に位置する側面とに跨った状態で配置されている。第1取付土台部31は、第1支柱181における基部11とは反対側の端部に取り付けられている。また、第2取付土台部32は、第2支柱182における基部11の長手方向で載置部15とは反対側に位置する側面と、接続部19における基部11の長手方向で載置部15とは反対側に位置する側面とに跨った状態で配置されている。第2取付土台部32は、第2支柱182における基部11とは反対側の端部に取り付けられている。
保持機構23は、接続部19及び第2支柱182に支持されるラチェット支持部材33を備えている。
図4及び図5に示すように、ラチェット支持部材33は、第1延在部33a、第2延在部33b、及び第3延在部33cを有している。第1延在部33aは、真っ直ぐに延びる細長薄板状である。第1延在部33aの一端部は、接続部19に取り付けられている。第1延在部33aの他端部には、円孔状の螺子挿通孔33dが形成されている。第2延在部33bは、第1延在部33aの側縁に連続するとともに第1延在部33aの延在方向に対して直交する方向に延びる細長薄板状である。第2延在部33bにおける第1延在部33aとは反対側の端部は、第2支柱182に取り付けられている。第3延在部33cは、第2延在部33bの側縁に連続するとともに第2延在部33bの延在方向に対して直交する方向に延びる細長薄板状である。第3延在部33cは、第2延在部33bから第1延在部33aの螺子挿通孔33dに接近する方向に延びている。第1延在部33aと第3延在部33cとは互いに平行に延びている。第3延在部33cにおける第2延在部33bとは反対側の端部には、円孔状の螺子挿通孔33eが形成されている。第1延在部33aにおける第2延在部33bとは反対側の側縁には、ばね取付部33fが突設されている。ばね取付部33fは、薄板状である。ばね取付部33fは、第2延在部33bにおける第1延在部33aとの接続部位よりも第1延在部33aの一端部寄りに位置している。ばね取付部33fには、円孔状のばね係止孔33gが形成されている。第1延在部33a、第2延在部33b、第3延在部33c、及びばね取付部33fそれぞれの厚み方向は同一方向である。
図2、図3及び図4に示すように、接続部19には、四角筒状のレバー挿通部34が取り付けられている。レバー挿通部34は、接続部19における基部11の長手方向で載置部15とは反対側に位置する側面において、第1取付土台部31及び第2取付土台部32のうち、第1取付土台部31寄りに取り付けられている。さらに、第1取付土台部31とレバー挿通部34とは、細長薄板状のレバー案内部35によって接続されている。レバー案内部35は、接続部19に対して離間した状態で接続部19に沿って延びている。レバー案内部35の長手方向は、基部11の短手方向に一致している。レバー案内部35の厚み方向は、基部11の長手方向に一致している。
第1支柱181には、解除レバー用ブラケット36が設けられている。解除レバー用ブラケット36は、第1支柱181における第2支柱182と対向する面から突出している。解除レバー用ブラケット36は、第1支柱181における基部11寄りに位置している。解除レバー用ブラケット36には、螺子挿通孔36aが形成されている。
図4及び図6に示すように、保持解除レバー27は、第1支柱181に対して、解除レバー用ブラケット36を介して取り付けられている。保持解除レバー27は、解除レバー操作部37、解除レバー延設部38、及び解除レバー湾曲部39を有している。解除レバー操作部37は、細長薄板状である。解除レバー延設部38は、解除レバー操作部37に連続するとともに真っ直ぐに延びる細長薄板状である。解除レバー湾曲部39は、解除レバー延設部38における解除レバー操作部37とは反対側の端部に連続するとともに弧状に湾曲して延びる細長薄板状である。解除レバー湾曲部39における解除レバー延設部38とは反対側の端部には、円孔状の螺子挿通孔39aが形成されている。
そして、保持解除レバー27は、解除レバー湾曲部39の螺子挿通孔39a及び解除レバー用ブラケット36の螺子挿通孔36aを通過した螺子40aに対してナット40bが螺合されることにより、解除レバー用ブラケット36に対して取り付けられている。保持解除レバー27は、解除レバー用ブラケット36との固定箇所を揺動中心として解除レバー用ブラケット36に対して揺動可能である。保持解除レバー27の揺動軸線は、基部11の長手方向に延びている。保持解除レバー27は、解除レバー湾曲部39が第1支柱181に向けて凸となるように湾曲した状態で、解除レバー用ブラケット36に対して取り付けられている。
図2に示すように、解除レバー延設部38の一部は、解除レバー延設部38の厚み方向がレバー案内部35の厚み方向に一致した状態で接続部19とレバー案内部35との間を通過している。解除レバー延設部38の一部、及び解除レバー操作部37は、接続部19よりも上方に突出している。保持解除レバー27は、接続部19及びレバー案内部35に案内されながら解除レバー用ブラケット36との固定部分を揺動中心として解除レバー用ブラケット36に対して揺動する。
図4及び図6に示すように、ロックレバー26は、ロックレバー操作部41及びロックレバー延設部42を有している。ロックレバー操作部41は、円棒状である。ロックレバー延設部42は、ロックレバー操作部41の一端部に連続するとともにロックレバー操作部41の軸線方向に対して直交する方向に延びる細長薄板状である。ロックレバー延設部42におけるロックレバー操作部41とは反対側の端部には、円孔状の螺子挿通孔42aが形成されている。図2に示すように、ロックレバー延設部42の一部は、レバー挿通部34内を通過している。ロックレバー延設部42の一部、及びロックレバー操作部41は、接続部19よりも上方に突出している。
図4及び図6に示すように、位置切替機構25は、ロックレバー26に取り付けられるリンク部材43を備えている。リンク部材43は、リンク部44及び連結支持部45を有している。リンク部44は、細長薄板状である。リンク部44の一端部には、螺子挿通孔44aが形成されている。連結支持部45は、リンク部44の他端部に連結されている。連結支持部45は、平面視L字状の平板状である。連結支持部45は、連結支持部45の厚み方向がリンク部44の厚み方向に対して直交した状態でリンク部44の一端部に連結されている。連結支持部45には、一対の貫通孔45a、及びばね係止孔45bが形成されている。
位置切替機構25は、レバー位置復帰用ばね46を備えている。レバー位置復帰用ばね46の一端部は、ばね取付部33fのばね係止孔33gに係止された状態でばね取付部33fに取り付けられている。レバー位置復帰用ばね46の他端部は、連結支持部45のばね係止孔45bに係止された状態で連結支持部45に取り付けられている。レバー位置復帰用ばね46は、リンク部材43を上方に向けて付勢する引っ張り力をリンク部材43に付与する。
位置切替機構25は、リンク部材43に係合する解除用移動部材47を備えている。解除用移動部材47は、移動本体部48、移動案内部49、及び移動接触部50を有している。移動本体部48は、有底円筒状であり、移動本体部48の軸線方向の一端側が開口している。
移動案内部49は、介在板51を介して移動本体部48の外周面における移動本体部48の開口側の部位に連結される細長薄板状である。なお、介在板51の厚みは、連結支持部45の厚みよりも厚い。移動案内部49は、移動本体部48の外周面に対して移動本体部48の底部とは反対側へ延在している。移動案内部49の長手方向は、移動本体部48の軸線方向に一致している。移動案内部49には、長四角孔状の案内孔49aが形成されている。案内孔49aは、移動案内部49を厚み方向に貫通している。案内孔49aの長手方向は、移動案内部49の長手方向に一致している。
移動接触部50は、移動本体部48の外周面における移動本体部48の底部側の部位に連結される薄板円板状である。移動接触部50は、移動本体部48の軸線方向から見ると、移動案内部49に対して移動本体部48の周方向で90度ずれた位置に配置されている。移動接触部50の厚み方向は、移動案内部49の厚み方向に対して直交する方向である。
案内孔49a内には、リンク部44が挿通されている。そして、案内孔49a内に挿通されるリンク部44は、リンク部44の螺子挿通孔44a及びロックレバー延設部42の螺子挿通孔42aを通過した螺子52aに対してナット52bが螺合されることにより、ロックレバー延設部42に対して取り付けられている。これにより、リンク部材43がロックレバー26に取り付けられている。そして、リンク部材43は、ロックレバー延設部42との固定部分を揺動中心としてロックレバー延設部42に対して揺動する。
リンク部44がロックレバー延設部42に取り付けられた状態において、移動本体部48は、ロックレバー延設部42からリンク部44及び移動案内部49を介して解除レバー湾曲部39に向けて延びている。そして、移動本体部48の底部は、解除レバー湾曲部39に当接している。また、移動接触部50は、解除レバー湾曲部39に面接触している。
図2及び図7に示すように、接続部19における基部11の長手方向で載置部15とは反対側に位置する側面には、一対のばね取付部53が設けられている。各ばね取付部53は、薄板平板状である。各ばね取付部53には、ばね取付部53の厚み方向に貫通するばね係止孔53aがそれぞれ形成されている。一対のばね取付部53の一方は、接続部19の側面における第1取付土台部31とレバー挿通部34との間の部位に取り付けられている。一対のばね取付部53の他方は、接続部19の側面における第1延在部33aの一端部と第2取付土台部32との間の部位に取り付けられている。各ばね取付部53の厚み方向は、基部11の長手方向に一致している。
図5及び図8に示すように、ラチェット機構30は、歯車54、歯止め爪55、ブレーキレバー部材56、及びワイヤ57を有している。
歯車54は、板状である。歯車54には、厚み方向に貫通する第1螺子挿通孔54a及び第2螺子挿通孔54bがそれぞれ形成されている。歯車54は、ラチェット支持部材33の第1延在部33aの螺子挿通孔33d、及び歯車54の第1螺子挿通孔54aを通過した螺子58aに対してナット58bが螺合されることにより、ラチェット支持部材33の第1延在部33aに取り付けられている。また、歯車54は、ラチェット支持部材33の第3延在部33cの螺子挿通孔33e、及び歯車54の第2螺子挿通孔54bを通過した螺子59aに対してナット59bが螺合されることにより、ラチェット支持部材33の第3延在部33cに取り付けられている。これにより、歯車54がラチェット支持部材33を介して接続部19及び第2支柱182に支持されている。
図8に示すように、歯車54の側面の一部分は円弧部54cになっている。円弧部54cには、複数の歯54dが形成されている。複数の歯54dは、円弧部54cに周方向に並んで配置されている。図3に示すように、歯車54は、円弧部54cがロックレバー26及び保持解除レバー27に向いた状態でラチェット支持部材33に取り付けられている。したがって、複数の歯54dは、円弧部54cからロックレバー26及び保持解除レバー27に向けて突出している。
図8に示すように、ブレーキレバー部材56は、歯止め爪55を保持する一対の爪保持板61と、一対の爪保持板61から延びるブレーキレバー62と、を有している。一対の爪保持板61は、歯止め爪55を挟んだ状態で保持している。歯止め爪55は、複数の歯54dに噛合可能である。一対の爪保持板61及びブレーキレバー62は一体形成されている。
図3、図4及び図5に示すように、ブレーキレバー62における一対の爪保持板61とは反対側の端部には、解除ボタン63が設けられている。ブレーキレバー62における一対の爪保持板61とは反対側の端部は、解除用移動部材47の移動本体部48内に挿入されている。ブレーキレバー部材56は、解除ボタン63が押下されると、歯止め爪55と複数の歯54dとの噛合が解除されるように構成されている。
図2、図3、図4及び図5に示すように、ブレーキレバー部材56とリンク部材43とは、U字ボルト64を介して一体化されている。U字ボルト64は、ブレーキレバー62の周囲に延びるとともに両端部の雄ねじ64aが連結支持部45の一対の貫通孔45aに挿通された状態で両雄ねじ64aにナット64bがそれぞれ螺合されることにより、ブレーキレバー部材56とリンク部材43とを連結している。したがって、ブレーキレバー部材56は、U字ボルト64を介してリンク部材43と一体的に移動可能になっている。
図3及び図7に示すように、第1支柱181における第2支柱182と対向する面には、第1昇降案内部65が設けられている。第1昇降案内部65は、長四角筒状である。第1昇降案内部65は、第1昇降案内部65の長手方向が第1支柱181の立設方向に一致した状態で第1支柱181に設けられている。第2支柱182における第1支柱181と対向する面には、第2昇降案内部66が設けられている。第2昇降案内部66は、長四角筒状である。第2昇降案内部66は、第2昇降案内部66の長手方向が第2支柱182の立設方向に一致した状態で第2支柱182に設けられている。第1昇降案内部65及び第2昇降案内部66は、同一形状である。第1昇降案内部65及び第2昇降案内部66は、基部11の短手方向で対向している。
図4及び図9に示すように、水平移動変換機構29は、昇降部材67、一対の引張ばね68、動力伝達部材69、及び3つの蝶番70を備えている。
昇降部材67は、昇降部71、3つの蝶番接続部72、及びワイヤ接続部73を有している。昇降部71は、細長薄板状である。昇降部71の両端部には、円柱状の案内柱71fがそれぞれ取り付けられている。昇降部71の一端部は、第1昇降案内部65内に案内柱71fと共に挿入されている。また、昇降部71の他端部は、第2昇降案内部66内に案内柱71fと共に挿入されている。したがって、昇降部材67は、第1昇降案内部65及び第2昇降案内部66に架け渡されている。
また、昇降部71には、一対のばね係止孔71aが形成されている。一対のばね係止孔71aは、昇降部71を厚み方向に貫通している。そして、各引張ばね68の一端部は、各ばね取付部53のばね係止孔53aに係止された状態で各ばね取付部53にそれぞれ取り付けられるとともに、各引張ばね68の他端部は、昇降部71の各ばね係止孔71aに係止された状態で昇降部71にそれぞれ取り付けられている。一対の引張ばね68は、昇降部71を上方に向けて付勢する引っ張り力を昇降部71に付与する。
3つの蝶番接続部72はそれぞれ細長薄板状である。3つの蝶番接続部72は、昇降部71に対して昇降部71の長手方向で等間隔置きに配置された状態で設けられている。3つの蝶番接続部72の厚み方向は、昇降部71の厚み方向に一致している。3つの蝶番接続部72は、各々の長手方向が、昇降部71の長手方向に対して直交する方向となるように、昇降部71に対して設けられている。
ワイヤ接続部73は、細長薄板状である。ワイヤ接続部73の厚み方向は、昇降部71の厚み方向に一致している。ワイヤ接続部73は、ワイヤ接続部73の長手方向が、昇降部71の長手方向に対して直交する方向となるように、昇降部71に対して設けられている。ワイヤ接続部73には、厚み方向に貫通するワイヤ接続孔73aが形成されている。
ワイヤ57の一端部には、ワイヤブラケット74が設けられている。ワイヤブラケット74には螺子挿通孔74aが形成されている。そして、ワイヤ57は、ワイヤブラケット74の螺子挿通孔74a及びワイヤ接続部73のワイヤ接続孔73aを通過した螺子75aに対してナット75bが螺合されることにより、昇降部71に連結されている。また、図5に示すように、ワイヤ57の他端部は、雄ねじ部57aになっている。そして、図8に示すように、ワイヤ57の雄ねじ部57aが、ブレーキレバー部材56に取り付けられているブラケット56aに対して、ナット57bを用いて取り付けられることにより、ワイヤ57がブレーキレバー部材56に連結されている。
図9に示すように、動力伝達部材69は、四角筒状の筒部材76と、筒部材76を貫通するとともに両端部が筒部材76の両端部から突出する軸部材77と、を有している。軸部材77は、円柱状である。筒部材76は4つの外面を有している。筒部材76の4つの外面のうちの1つの外面には、一対の動力伝達部78が設けられている。各動力伝達部78は、L字状の細長円棒状である。各動力伝達部78は、筒部材76の外面に沿って筒部材76の軸線方向に対して直交する方向に延びながら筒部材76の外面から突出した後、互いに接近する方向へ屈曲して互いに接近しながら延びている。
図4及び図9に示すように、動力伝達部材69は、水平移動部材28を、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部15側に向けて押し出し可能であるとともに、水平移動部材28を、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部15とは反対側に向けて引き戻して、水平移動部材28を押し出す前の位置に復帰させる。したがって、動力伝達部材69における水平移動部材28を押し出す方向、及び動力伝達部材69における水平移動部材28を引き戻す方向は、基部11の長手方向に一致している。
各蝶番70は、一対の連結板70aと、一対の連結板70aを回動可能に支持する支持軸70bと、を有している。各蝶番70の一対の連結板70aの一方は、各蝶番接続部72に接続されている。各蝶番70の一対の連結板70aの他方は、筒部材76の4つの外面のうち、各動力伝達部78が設けられている外面と連続している外面であって、且つ、各動力伝達部78における筒部材76の外面からの突出方向とは反対側に位置する外面に接続されている。
図4及び図10に示すように、水平移動部材28は、本体壁79及び一対の案内壁80を有している。本体壁79は、細長薄板平板状である。本体壁79の厚み方向の一方の面には、動力伝達部材69が水平移動部材28を押し出す際に、各動力伝達部78が当接する四角筒状の第1被当接部81がそれぞれ設けられている。また、本体壁79には、動力伝達部材69が水平移動部材28を水平方向において押し出す前の位置に向けて引き戻す際に、各動力伝達部78が当接する鉤状の第2被当接部82がそれぞれ設けられている。
本体壁79の厚み方向の他方の面には、細長薄板状の緩衝材24aを介して保持部24が取り付けられている。保持部24は、細長板状のゴム製である。緩衝材24a及び保持部24は、緩衝材24a及び保持部24の長手方向が、本体壁79の長手方向に一致した状態で本体壁79に取り付けられている。緩衝材24a及び保持部24の長手方向の長さは、本体壁79の長手方向の長さと同じである。
一対の案内壁80は、細長薄板平板状である。一対の案内壁80は、本体壁79の両長側縁から本体壁79の厚み方向に起立している。一対の案内壁80における本体壁79からの起立方向は、保持部24が位置する側とは反対側の方向である。一対の案内壁80は、互いに平行に延びている。各案内壁80の長手方向は、本体壁79の長手方向に一致している。各案内壁80の長手方向の長さは同じである。各案内壁80の長手方向の長さは、本体壁79の長手方向の長さよりも長い。各案内壁80の長手方向の両端部は、本体壁79の長手方向の両端部よりも突出している。各案内壁80の両端部には、螺子挿通孔80aがそれぞれ形成されている。各案内壁80に形成された螺子挿通孔80aは、一対の案内壁80の対向方向で互いに重なる位置に配置されている。
位置切替機構25は、一対の案内部材83を備えている。各案内部材83は、長四角筒状である。各案内部材83は、第1支柱181における第2支柱182と対向する面、及び第2支柱182における第1支柱181と対向する面にそれぞれ設けられている。各案内部材83は、各案内部材83の長手方向が第1支柱181及び第2支柱182の立設方向に一致した状態で第1支柱181及び第2支柱182にそれぞれ設けられている。
各案内部材83における第1支柱181又は第2支柱182とは反対側に位置する面には、四角筒状の軸受部84がそれぞれ突設されている。各軸受部84には、動力伝達部材69の軸部材77の両端部がそれぞれ挿入されている。そして、各軸受部84は、軸部材77を回転可能に支持している。したがって、動力伝達部材69は、軸部材77の軸線を回転中心として回転可能である。
案内部材83の長手方向の長さは、一対の案内壁80の間の長さよりも短い。一対の案内壁80の一方は、各案内部材83における長手方向の両側に位置する両壁部83aの一方の外面に沿って延びるとともに、一対の案内壁80の他方は、両壁部83aの他方の外面に沿って延びている。
各案内部材83の両壁部83aには、長孔83bがそれぞれ形成されている。長孔83bの長手方向は、基部11の長手方向に一致している。そして、両壁部83aの一方の長孔83b、各案内壁80の一方の螺子挿通孔80a、各案内壁80の他方の螺子挿通孔80a、及び両壁部83aの他方の長孔83bを通過した螺子85aに対してナット85bが螺合されることにより、水平移動部材28が一対の案内部材83に連結されている。水平移動部材28は、各螺子85aが各長孔83bに沿って案内されることにより、各案内部材83に対して水平方向に案内されながら移動可能になっている。
図1及び図2に示すように、搬送パレット10は、一対のストッパ部86を備えている。各ストッパ部86は、各接続部19の上面における第2支柱182寄りにそれぞれ取り付けられている。各ストッパ部86は、各接続部19の上面に取り付けられる四角箱状のストッパ本体部86aと、ストッパ本体部86aから突出する円棒状のストッパレバー部86bと、を有している。ストッパレバー部86bは、ストッパ本体部86aに対して重力方向上側に延びる第1切替状態と、ストッパ本体部86aに対して水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部15側に向けて延びる第2切替状態と、に切り替え可能である。各ストッパレバー部86bは、各第2支持部材22よりも各第1支持部材21寄りにそれぞれ配置されている。両ストッパ部86は、基部11の長手方向で互いに対向している。
搬送パレット10は、一対の当接部87を備えている。各当接部87は、各載置部15における各第2目印部17よりも他端部寄りの部位から基部11の長手方向で互いに離間する方向に延びた後、重力方向上側に延びるL字円棒状である。
次に、上記構成の搬送パレット10に収納されるパネル1について説明する。
図11に示すように、パネル1は、略四角薄平板状の本体部2を有している。本体部2は、平面視すると、略長方形状である。また、パネル1は、本体部2の長手方向の両側に位置する一対の側縁2aから立設される一対の立設部3を有している。一対の立設部3は、薄板平板状であるとともに各側縁2aから互いに同一方向に平行に延びている。また、パネル1は、各立設部3における各側縁2aとは反対側の端部から外方にそれぞれ延びるフランジ部4を有している。
図12に示すように、一対の立設部3の一方には、本体部2とは反対側の面である外面3aに凹部3bを形成することにより、本体部2側の面である内面3cから突出する凸部5が複数形成されている。各凸部5は、バーリング加工により形成されている。凸部5には、円孔状の穴6がそれぞれ形成されている。したがって、各凸部5に形成された穴6は、バーリング加工により形成された凸部5のバーリング穴である。
次に、第1の実施形態の作用について、搬送パレット10におけるパネル1の収納方法と共に説明する。
図13、図14及び図15に示すように、搬送パレット10には、パネル1の本体部2の厚み方向が基部11の短手方向に一致するように、複数のパネル1が各載置部15上に載置される。なお、各パネル1における各載置部15上への搬送作業は、図示しないロボットにより行われる。したがって、各パネル1における各載置部15上への搬送作業は自動化されている。
各パネル1を各載置部15上へ載置する際には、搬送パレット10において、まず、各第1支持部材21を重力方向上側に延びた状態とするとともに、各第2支持部材22を水平方向であって、且つ互いに向き合う方向に延びた状態とする。そして、パネル1の本体部2の厚み方向が基部11の短手方向に一致した状態で、パネル1が、基部11の短手方向における各第1支持部材21側から搬送される。このとき、各第1支持部材21が重力方向上側に延びた状態であるため、各第1支持部材21がパネル1における各載置部15上への搬送作業の妨げになることが回避されている。
そして、搬送パレット10には、パネル1が本体部2の厚み方向に複数並設された状態で各載置部15上に載置される。したがって、複数のパネル1の並設方向は、基部11の短手方向に一致している。よって、各保持部24は、複数のパネル1の並設方向に延びている。複数のパネル1は、各載置部15上において、各第1目印部16と各第2目印部17との間に位置するように載置される。各パネル1は、各立設部3における各側縁2aからの立設方向が一致した状態で、各載置部15上に載置されている。各パネル1は、各立設部3における各側縁2aからの立設方向が、各第1支持部材21から各第2支持部材22に向かう方向となるように、各載置部15上に載置される。したがって、各パネル1の各凸部5の位置は、基部11の長手方向の一端寄りに位置している。
各パネル1における各載置部15上への搬送作業が完了すると、各第1支持部材21を水平方向であって、且つ互いに向き合う方向に延びた状態とする。このとき、各第2目印部17は、各載置部15の中央部に位置しているため、各載置部15上において、各第1目印部16と各第2目印部17との間に位置するように載置された複数のパネル1は、各第2支持部材22に寄り掛かった状態になっている。
そして、作業者は、手作業により、各第2支持部材22に寄り掛かった状態の複数のパネル1を各第1支持部材21に向けて移動させる。これにより、複数のパネル1が各第2支持部材22から離間するとともに各第1支持部材21に支持された状態となる。このとき、各第1目印部16は、各載置部15の一端部に設けられており、各第1支持部材21は各接続部19の一端部に設けられている。したがって、複数のパネル1の並設方向における各第1支持部材21側の端部に位置するパネル1は、各第1支持部材21に接触することで垂直状態になっている。なお、作業者は、手作業により、複数のパネル1が各第2支持部材22から離間した状態を維持している。
次に、一対のストッパ部86のうち、基部11の長手方向の他端側に位置するストッパ部86のストッパレバー部86bを、第1切替状態から第2切替状態に切り替える。そして、作業者は、手作業により、複数のパネル1を各第2支持部材22に向けて移動させる。これにより、複数のパネル1の並設方向における各第2支持部材22側の端部に位置するパネル1がストッパ部86のストッパレバー部86bに接触する。このとき、基部11の長手方向の他端側に位置するストッパ部86のストッパレバー部86bが、第2支持部材22よりも第1支持部材21寄りに配置されている。このため、複数のパネル1が各第2支持部材22に寄り掛かった状態である場合に比べて、複数のパネル1の並設方向における各第1支持部材21側の端部に位置するパネル1が垂直状態に保持され易くなっている。したがって、ストッパ部86は、複数のパネル1のうち並設方向の端部に位置するパネル1を垂直状態に保持する。
図15に示すように、一対の当接部87は、複数のパネル1の並設方向における各第2支持部材22側の端部に位置するパネル1の一対の立設部3の内面3cに対して、基部11の長手方向で対向している。したがって、一対の当接部87は、一対の立設部3の内面3cに当接可能になっている。
図16に示すように、作業者は、一対の保持機構23の一方において、ロックレバー26のロックレバー操作部41を把持し、ロックレバー26を押し下げる。すると、移動本体部48の底部と解除レバー湾曲部39との当接、及び移動接触部50と解除レバー湾曲部39との面接触が行われながら、リンク部材43を介して解除用移動部材47及びブレーキレバー部材56が、レバー位置復帰用ばね46の引っ張り力に抗して一体的に下方に移動する。そして、ブレーキレバー部材56の下方への移動に伴い、ラチェット機構30において、歯止め爪55が複数の歯54dに噛合する。これにより、作業者が、ロックレバー操作部41に対する把持を解除しても、レバー位置復帰用ばね46の引っ張り力により、解除用移動部材47及びブレーキレバー部材56がリンク部材43を介してロックレバー26と共に上方へ移動してしまうことが回避されている。
図17に示すように、ブレーキレバー部材56が下方へ移動すると、ワイヤ57を介して昇降部71が一対の引張ばね68の引っ張り力に抗して下降し、各蝶番接続部72及び各蝶番70を介して、動力伝達部材69の筒部材76が軸部材77の軸線を回転中心として、図17において矢印R1で示す方向へ回転する。これにより、各動力伝達部78が各第1被当接部81に当接しながら軸部材77の周囲を回動し、水平移動部材28が、各動力伝達部78によって、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部15側に向けて押し出される。水平移動部材28は、各螺子85aが各長孔83bに沿って案内されることにより、各案内部材83に対して水平方向に案内されながら移動する。
そして、水平移動部材28の移動によって、保持部24が、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部15側に向けて移動し、保持部24が、水平方向の両側の一方側から複数のパネル1を押圧することにより複数のパネル1に密着した状態となる。このとき、例えば、パネル1が水平方向へ移動したとしても、立設部3の内面3cが当接部87に当接することにより、パネル1が水平方向へそれ以上移動してしまうことが回避されている。なお、一対の保持機構23の他方についても、一対の保持機構23の一方と同じ手順を行うことで、一対の保持機構23の他方の保持部24を複数のパネル1に密着させる。これにより、各保持部24が、複数のパネル1に密着し、複数のパネル1の移動を規制した状態に複数のパネル1を保持する保持位置に切り替わり、複数のパネル1が、水平方向の両側から各保持部24によって保持された状態になる。
次に、保持部24における複数のパネル1の保持を解除する際には、まず、作業者は、一対の保持機構23の一方において、保持解除レバー27の解除レバー操作部37を把持して、保持解除レバー27を、図16において矢印F1で示すように、ロックレバー26に接近する方向へ揺動させる。このように、保持解除レバー27が、接続部19及びレバー案内部35に案内されながら解除レバー用ブラケット36との固定部分を揺動中心として解除レバー用ブラケット36に対して、ロックレバー26に向けて揺動すると、解除レバー湾曲部39が移動本体部48を押圧する。これにより、案内孔49aがリンク部44に案内されながら、移動本体部48が一対の爪保持板61に向けて移動し、ブレーキレバー部材56の解除ボタン63が押下される。その結果、ラチェット機構30において、歯止め爪55と複数の歯54dとの噛合が解除される。
そして、作業者による解除レバー操作部37の把持を解除すると、レバー位置復帰用ばね46の引っ張り力により、解除用移動部材47及びブレーキレバー部材56がリンク部材43を介してロックレバー26と共に上方へ移動し、ロックレバー26が押し下げられる前の元の位置にそれぞれ復帰する。このとき、移動本体部48の底部と解除レバー湾曲部39との当接、及び移動接触部50と解除レバー湾曲部39との面接触が行われながら、解除用移動部材47及びブレーキレバー部材56が上方に移動することにより、保持解除レバー27が、ロックレバー26に接近する方向へ揺動する前の元の位置に復帰する。
図18に示すように、ブレーキレバー部材56が上方へ移動することにより、ワイヤ57を介して昇降部71が一対の引張ばね68の引っ張り力により上昇する。これにより、各蝶番接続部72及び各蝶番70を介して、動力伝達部材69の筒部材76が軸部材77の軸線を回転中心として、図18において矢印R2で示すように、昇降部71が下降したときとは逆方向へ回転する。これにより、各動力伝達部78が各第2被当接部82に当接しながら軸部材77の周囲を回動し、水平移動部材28が、各動力伝達部78によって、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部15とは反対側に向けて引き戻され、各動力伝達部78によって押し出される前の元の位置に復帰する。
そして、水平移動部材28の移動によって、保持部24が、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部15とは反対側に向けて移動し、保持部24が、複数のパネル1から離間した状態となる。なお、一対の保持機構23の他方についても、一対の保持機構23の一方と同じ手順を行うことで、一対の保持機構23の他方の保持部24を複数のパネル1から離間させる。これにより、各保持部24が複数のパネル1に対する保持を解除する解除位置に切り替わり、複数のパネル1における水平方向の両側から各保持部24によって保持された状態が解除される。
このように、各保持部24は、複数のパネル1の並設方向に延びるとともに、複数のパネル1の並設方向に対して直交する水平方向の両側から複数のパネル1を押圧することにより密着し、複数のパネル1の移動を規制した状態に複数のパネル1を保持する。位置切替機構25は、保持部24を水平方向に移動させることにより、保持部24が複数のパネル1を保持する保持位置と、保持部24における複数のパネル1に対する保持を解除する解除位置と、に保持部24の位置を切り替える。
第1の実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1−1)複数のパネル1の並設方向に延びる各保持部24を、複数のパネル1に密着させて、複数のパネル1の移動を規制した状態に複数のパネル1を各保持部24によって保持する。そして、位置切替機構25によって、保持部24が複数のパネル1を保持する保持位置と、保持部24における複数のパネル1に対する保持を解除する解除位置と、に保持部24の位置を切り替える。これによれば、複数のパネル1の並設方向で隣り合うパネル1同士が干渉した状態において、位置切替機構25によって保持部24を解除位置から保持位置に切り替えることにより、保持部24によって、複数のパネル1を、隣り合うパネル1同士が干渉した状態で、複数のパネル1の移動を規制した状態に保持することができる。そして、この状態で、搬送パレット10が運搬されたとしても、複数のパネル1が移動してしまうことが保持部24によって抑制されているため、隣り合うパネル1同士が干渉した状態であっても、パネル1の損傷を抑えることができる。よって、隣り合うパネル1同士の間に生じる空間において、パネル1の収納スペースとして活用されていない空間を極力少なくすることができるため、パネル1の損傷を抑えつつも、パネル1の収納効率を向上させることができる。
(1−2)複数のパネル1のうち複数のパネル1の並設方向の端部に位置するパネル1を、ストッパ部86によって垂直状態に保持する。これによれば、複数のパネル1のうち、複数のパネル1の並設方向の両端部にそれぞれ位置するパネル1に対して、その他の全てのパネル1が寄り掛かってしまうことを回避し易くすることができる。その結果、複数のパネル1のうち、複数のパネル1の並設方向の両端部にそれぞれ位置するパネル1に対して、その他の全てのパネル1の重量が加わってしまうことを抑制することができ、複数のパネル1のうち、複数のパネル1の並設方向の両端部にそれぞれ位置するパネル1の損傷を抑えることができる。
(1−3)搬送パレット10は、一対の立設部3の内面3cに当接可能な当接部87を備えている。これによれば、例えば、パネル1が、複数のパネル1の並設方向に対して直交する水平方向へ移動したとしても、立設部3の内面3cが当接部87に当接することにより、パネル1が水平方向へそれ以上移動してしまうことを回避することができる。
(1−4)各保持部24によって複数のパネル1を押圧することにより複数のパネル1を保持する。これによれば、各保持部24によって複数のパネル1を押圧するだけで、複数のパネル1を保持することができるため、複数のパネル1を容易に保持することができる。
(1−5)位置切替機構25は、保持部24を水平方向に移動させることにより、保持位置と解除位置とに保持部24の位置を切り替える。これによれば、保持部24における保持位置と解除位置との間の移動距離を極力小さくすることができるため、保持部24の移動スペースを最小限にすることができ、搬送パレット10の小型化を図ることができる。
(1−6)位置切替機構25は、ラチェット機構30を含む。これによれば、ラチェット機構30を用いることにより、保持部24が複数のパネル1を保持する保持位置と、保持部24における複数のパネル1に対する保持を解除する解除位置と、に保持部24の位置を容易に切り替えることができる。
(第2の実施形態)
以下、搬送パレットを具体化した第2の実施形態を図19〜図29にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
図19及び図20に示すように、搬送パレット10Aは、一対の載置部90を有している。一対の載置部90は、互いに平行に延びる細長四角柱状である。一対の載置部90の長手方向は、基部11の短手方向に一致している。各載置部90の上面には、下端受け凹部91が複数形成されている。したがって、搬送パレット10Aは、下端受け凹部91を複数備えている。下端受け凹部91は、水平方向に延びる凹部底面91aと、凹部底面91aにおける載置部90の長手方向の両側に位置する両縁部から互いに離間しながら斜め上方に延びる一対の凹部斜面91bと、から形成されている。
搬送パレット10Aは、各第1枠形成部12からそれぞれ立設される第1受け部材92及び第2受け部材93を有している。第1受け部材92及び第2受け部材93は、細長薄板L字形状である。第1受け部材92は、一対の第1枠形成部12の一方において、基部11の長手方向の一方側に位置する第1支柱181と載置部90との間に位置している。第2受け部材93は、一対の第1枠形成部12の他方において、基部11の長手方向の一方側に位置する第2支柱182と載置部90との間に位置している。第1受け部材92と第2受け部材93とは、基部11の短手方向において互いに対向している。第1受け部材92と第2受け部材93とは互いに平行に延びている。第1受け部材92における第1枠形成部12からの立設方向の長さと、第2受け部材93における第1枠形成部12からの立設方向の長さとは同じである。第1受け部材92における第1枠形成部12からの立設方向の長さは、第1支柱181における第1枠形成部12からの立設方向の長さよりも短い。第2受け部材93における第1枠形成部12からの立設方向の長さは、第2支柱182における第1枠形成部12からの立設方向の長さよりも短い。
第1受け部材92における第1枠形成部12とは反対側の端部と第1支柱181とは、第1接続部材94によって接続されている。第2受け部材93における第1枠形成部12とは反対側の端部と第2支柱182とは、第2接続部材95によって接続されている。第1接続部材94及び第2接続部材95は、細長薄板L字形状である。第1接続部材94及び第2接続部材95は、基部11の長手方向に互いに平行に延びている。第1接続部材94と第2接続部材95とは、基部11の短手方向において互いに対向している。
搬送パレット10Aは、凸部用受け部96を備えている。凸部用受け部96は、細長平板状である。凸部用受け部96は、凸部用受け部96の長手方向が基部11の短手方向に延びるとともに、第1受け部材92における第1枠形成部12とは反対側の端部と第2受け部材93における第1枠形成部12とは反対側の端部とに架け渡されるように設けられている。したがって、第1受け部材92及び第2受け部材93は、凸部用受け部96を支持している。凸部用受け部96は、凸部用受け部96の上面が、水平方向に対して斜交した状態で第1受け部材92及び第2受け部材93に支持されている。具体的には、凸部用受け部96の上面は、載置部90に対して基部11の長手方向の一方側へ離間するにつれて重力方向上側に上がる斜面になっている。なお、凸部用受け部96の上面には、滑り止め部96aが設けられている。滑り止め部96aはゴム製の細長シート状である。滑り止め部96aは、凸部用受け部96の上面全体を覆うように設けられている。
搬送パレット10Aは、保持機構23Aを備えている。保持機構23Aは、搬送パレット10Aにおいて、基部11の長手方向の一方側に設けられている。したがって、本実施形態の搬送パレット10Aは、基部11の長手方向の他方側には、保持機構23Aは設けられていない。
保持機構23Aは、保持部24Aと、保持部24Aの位置を切り替える位置切替機構25Aと、を備えている。位置切替機構25Aは、一対の操作レバー97、レバー連結部材98、一対の案内部材99、移動案内部材100、及び一対の連繋部材101を備えている。
図20に示すように、一対の操作レバー97は、接続部19の上面に対して回転可能に支持される円棒状の回転部97aと、回転部97aの一端部に連続するとともに回転部97aに対して直交する方向に延びる円棒状の操作部97bと、を有している。各操作レバー97は、回転部97aの回転軸線が接続部19の長手方向に延びるように接続部19にそれぞれ取り付けられている。各操作レバー97の回転部97aの外周面には、円棒状の回転規制部97cが取り付けられている。
そして、操作部97bは、回転部97aの回転に伴って、回転部97aの回転軸線を回動中心として接続部19に対して回動可能である。各操作レバー97は、回転部97aの回転に伴って、回転規制部97cが接続部19に当接することにより、操作部97bが重力方向上側に延びる状態に切り替え可能である。また、各操作レバー97は、回転部97aの回転に伴って、操作部97bにおける回転部97a側の端部が接続部19に当接することにより、操作部97bが水平方向であって、且つ載置部90側へ延びる状態に切り替え可能である。一対の操作レバー97の一方は、接続部19における第1支柱181側の端部に配置されるとともに、一対の操作レバー97の他方は、接続部19における第2支柱182側の端部に配置されている。
レバー連結部材98は、一対の操作レバー97同士の間で架け渡されるように基部11の短手方向に延びて、一対の操作レバー97同士を連結している。したがって、一対の操作レバー97の各操作部97bは、レバー連結部材98を介して互いに同期して各回転部97aの回転軸線を回動中心として接続部19に対して回動する。そして、一対の各操作部97bの回動に追従して、レバー連結部材98も各回転部97aの回転軸線周りを回動する。
一対の案内部材99は、第1接続部材94の上面及び第2接続部材95の上面にそれぞれ設けられている。各案内部材99は、一部分に切欠部99aを有する非環状部材である。各案内部材99は、切欠部99aが第1接続部材94の上面又は第2接続部材95の上面に連続した状態で、第1接続部材94の上面及び第2接続部材95の上面にそれぞれ設けられている。
移動案内部材100は、細長円棒状である。移動案内部材100の両端部は、各案内部材99の内側に配置されている。したがって、移動案内部材100は、一対の案内部材99同士の間で架け渡されるように基部11の短手方向に延びている。
一対の連繋部材101は、細長薄板状のクランク形状である。各連繋部材101の一端部には、円筒状の滑り軸受部材101aがそれぞれ取り付けられている。そして、各連繋部材101の一端部は、各滑り軸受部材101aの内側をレバー連結部材98が挿通されることにより、レバー連結部材98に接続されている。各連繋部材101の他端部は、移動案内部材100に接続されている。一対の連繋部材101の一方は、第1支柱181寄りに位置するとともに、一対の連繋部材101の他方は、第2支柱182寄りに位置している。レバー連結部材98は、各滑り軸受部材101aの内側で回転可能である。
保持部24Aは、保持取付部102と、複数の突起103と、を有している。保持取付部102は、細長四角柱状である。保持取付部102は、各連繋部材101に取り付けられている。保持取付部102の長手方向は、基部11の短手方向に一致している。複数の突起103は、保持取付部102における各連繋部材101とは反対側の面から突出している。各突起103は、ゴム製である。各突起103は、保持取付部102から離間するにつれて先細る形状である。本実施形態の保持部24Aはブラシ型である。複数の突起103は、保持取付部102における各連繋部材101とは反対側の面全体において、保持取付部102の長手方向及び短手方向に所定の間隔を置いて配列されている。
次に、上記構成の搬送パレット10Aに収納されるパネル200について説明する。
図21に示すように、パネル200は、略四角薄平板状の本体部201を有している。本体部201は、平面視すると、略長方形状である。本体部201を平面視すると、本体部201の四隅のうちの一箇所は、本体部201の長手方向の両側に位置する一対の側縁201aの一方から他方に向けて凹む湾曲縁201eになっている。
パネル200は、一対の側縁201aから立設される一対の立設部202を有している。一対の立設部202は、薄板平板状であるとともに各側縁201aから互いに同一方向に延びている。一対の立設部202のうち、湾曲縁201eを有する側縁201aから立設された立設部202は、湾曲縁201eに沿って延びる湾曲立設部202aと、湾曲立設部202aに連続するとともに湾曲立設部202aよりも外方に突出する突出立設部202bと、を有している。また、パネル200は、各立設部202における各側縁201aとは反対側の端部から外方にそれぞれ延びるフランジ部203を有している。一対のフランジ部203のうち、湾曲立設部202aを有する立設部202から延びるフランジ部203は、湾曲立設部202aに沿って延びるフランジ湾曲部203aを有している。
図22に示すように、一対の立設部202のうち、湾曲立設部202aを有する立設部202には、本体部201とは反対側の面である外面202cに凹部202dを形成することにより、本体部201側の面である内面202eから突出する凸部204が複数形成されている。各凸部204は、突出立設部202bに形成されている。各凸部204は、バーリング加工により形成されている。凸部204には、円孔状の穴205がそれぞれ形成されている。したがって、各凸部204に形成された穴205は、バーリング加工により形成された凸部204のバーリング穴である。
次に、第2の実施形態の作用について、搬送パレット10におけるパネル1の収納方法と共に説明する。
図23、図24、図25及び図26に示すように、搬送パレット10Aには、パネル200の本体部201の厚み方向が基部11の短手方向に一致するように、複数のパネル200が各載置部90上に載置される。なお、各パネル200における各載置部90上への搬送作業は、図示しないロボットにより行われる。したがって、各パネル200における各載置部90上への搬送作業は自動化されている。
各パネル200は、フランジ湾曲部203aが凸部用受け部96に載置された状態で、各載置部90上に載置されている。凸部用受け部96は、各パネル200を各凸部204の下方から受ける。そして、凸部用受け部96によって、各パネル200を各凸部204の下方から受けることにより、各パネル200が自立し易くなっている。また、複数のパネル200は、各下端受け凹部91に2枚ずつ収容されている。したがって、各下端受け凹部91は、複数のパネル200を2つずつ分ける。
図27に示すように、各下端受け凹部91に収容された2つのパネル200は、2つのパネル200のうちの一方の一対の立設部202が2つのパネル200のうちの他方の一対の立設部202の内側に配置されて2つのパネル200のうちの一方の各凹部202dに2つのパネル200のうちの他方の各凸部204が嵌め込まれた状態になっている。したがって、各下端受け凹部91は、2つのパネル200のうちの一方の一対の立設部202が2つのパネル200のうちの他方の一対の立設部202の内側に配置されて2つのパネル200のうちの一方の各凹部202dに2つのパネル200のうちの他方の各凸部204が嵌め込まれた状態で、2つのパネル200それぞれの下端を収容する。
そして、搬送パレット10Aには、パネル200が本体部201の厚み方向に複数並設された状態で各載置部90上に載置される。したがって、複数のパネル200の並設方向は、基部11の短手方向に一致している。よって、保持部24Aは、複数のパネル200の並設方向に延びている。
図28に示すように、作業者は、一対の操作レバー97の一方の操作部97bを把持して、回転部97aの回転に伴って、操作部97bにおける回転部97a側の端部が接続部19に当接するまで操作部97bを回動させ、操作部97bを、水平方向であって、且つ載置部90側へ延びる状態に切り替える。これにより、一対の操作レバー97の各操作部97bは、レバー連結部材98を介して互いに同期して各回転部97aの回転軸線を回動中心として接続部19に対して回動する。
そして、一対の各操作部97bの回動に追従して、レバー連結部材98も各回転部97aの回転軸線周りを回動する。これにより、一対の滑り軸受部材101aもレバー連結部材98と一体的に各回転部97aの回転軸線周りに回動し、一対の滑り軸受部材101aの回動に伴って、一対の連繋部材101が載置部90側に向けて移動しようとする。このとき、移動案内部材100が一対の案内部材99に案内されるとともに切欠部99aに向けて移動し、一対の連繋部材101が、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部90側に向けて押し出される。移動案内部材100は、一対の案内部材99上から切欠部99aを介して第1接続部材94の上面に載置される。
そして、保持部24Aが、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部90側に向けて移動し、複数の突起103が、複数のパネル200の並設方向に対して直交する水平方向の一方側から複数のパネル200の並設方向で隣り合うフランジ部203同士の間に差し込まれて隣り合うフランジ部203それぞれに密着する。これにより、保持部24Aが、複数のパネル200に密着し、複数のパネル200の移動を規制した状態に複数のパネル200を保持する保持位置に切り替わり、複数のパネル200が、水平方向の一方側から保持部24Aによって保持された状態になる。
図29に示すように、保持部24Aにおける複数のパネル200の保持を解除する際には、作業者は、一対の操作レバー97の一方の操作部97bを把持して、回転部97aの回転に伴って、回転規制部97cが接続部19に当接するまで操作部97bを回動させ、操作部97bを、重力方向上側に延びる状態に切り替える。これにより、一対の操作レバー97の各操作部97bは、レバー連結部材98を介して互いに同期して各回転部97aの回転軸線を回動中心として接続部19に対して回動する。
そして、一対の各操作部97bの回動に追従して、レバー連結部材98も各回転部97aの回転軸線周りを回動する。これにより、一対の滑り軸受部材101aもレバー連結部材98と一体的に各回転部97aの回転軸線周りに回動し、一対の滑り軸受部材101aの回動に伴って、一対の連繋部材101が載置部90とは反対側に向けて移動しようとする。
このときのレバー連結部材98及び一対の滑り軸受部材101aにおける各回転部97aの回転軸線を回動中心とした回動方向は、一対の連繋部材101が、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部90側に向けて押し出されたときの回動方向とは逆方向である。したがって、一対の連繋部材101が、一対の滑り軸受部材101aの回動に伴って、載置部90とは反対側に向けて移動しようとする。このとき、移動案内部材100が切欠部99aを介して一対の案内部材99上に乗り上がり、一対の案内部材99に案内されながら、載置部90とは反対側に向けて移動する。これにより、一対の連繋部材101が、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部90とは反対側に向けて引き戻される。
そして、保持部24Aが、水平方向であって、且つ基部11の長手方向で載置部90とは反対側に向けて移動し、複数の突起103が、複数のパネル200から離間した状態となる。これにより、保持部24Aが複数のパネル200に対する保持を解除する解除位置に切り替わり、複数のパネル200における水平方向の一方側から保持部24Aによって保持された状態が解除される。
このように、保持部24Aは、複数のパネル200の並設方向に延びるとともに、複数のパネル200の並設方向に対して直交する水平方向の一方側から複数のパネル200の並設方向で隣り合うフランジ部203同士の間に差し込まれて隣り合うフランジ部203それぞれに密着し、複数のパネル200の移動を規制した状態に複数のパネル200を保持する。位置切替機構25Aは、保持部24Aを水平方向に移動させることにより、保持部24Aが複数のパネル200を保持する保持位置と、保持部24Aにおける複数のパネル200に対する保持を解除する解除位置と、に保持部24Aの位置を切り替える。
第2の実施形態では以下の効果を得ることができる。
(2−1)複数のパネル200の並設方向に延びる保持部24Aを、複数のパネル200に密着させて、複数のパネル200の移動を規制した状態に複数のパネル200を保持部24Aによって保持する。そして、位置切替機構25Aによって、保持部24Aが複数のパネル200を保持する保持位置と、保持部24Aにおける複数のパネル200に対する保持を解除する解除位置と、に保持部24Aの位置を切り替える。これによれば、複数のパネル200の並設方向で隣り合うパネル200同士が干渉した状態において、位置切替機構25Aによって保持部24Aを解除位置から保持位置に切り替えることにより、保持部24Aによって、複数のパネル200を、隣り合うパネル200同士が干渉した状態で、複数のパネル200の移動を規制した状態に保持することができる。そして、この状態で、搬送パレット10Aが運搬されたとしても、複数のパネル200が移動してしまうことが保持部24Aによって抑制されているため、隣り合うパネル200同士が干渉した状態であっても、パネル200の損傷を抑えることができる。よって、隣り合うパネル200同士の間に生じる空間において、パネル200の収納スペースとして活用されていない空間を極力少なくすることができるため、パネル200の損傷を抑えつつも、パネル200の収納効率を向上させることができる。
(2−2)搬送パレット10Aは、下端受け凹部91を複数備えている。各下端受け凹部91は、複数のパネル200を2つずつ分ける。そして、各下端受け凹部91は、2つのパネル200のうちの一方の一対の立設部202が2つのパネル200のうちの他方の一対の立設部202の内側に配置されて2つのパネル200のうちの一方の各凹部202dに2つのパネル200のうちの他方の各凸部204が嵌め込まれた状態で、2つのパネル200それぞれの下端を収容する。これによれば、各下端受け凹部91に下端が収容された2つのパネル200同士は、2つのパネル200のうちの一方の各凹部202dに2つのパネル200のうちの他方の凸部204が嵌め込まれた状態であるため、互いに位置決めされている。よって、2つのパネル200のうちの一方の一対の立設部202が2つのパネル200のうちの他方の一対の立設部202の内側に配置されるように、隣り合うパネル200同士が干渉した状態であっても、2つのパネル200のうちの一方の立設部202の外面202cが、2つのパネル200のうちの他方の凸部204によって損傷してしまうことを抑制することができる。したがって、パネル200の損傷を抑えつつも、パネル200の収納効率をさらに向上させることができる。
(2−3)搬送パレット10Aは、各パネル200を各凸部204の下方から受ける凸部用受け部96を備えている。これによれば、凸部用受け部96によって、各パネル200を凸部204の下方から受けることにより、各パネル200が自立し易くなるため、複数のパネル200のうち、複数のパネル200の並設方向の両端部にそれぞれ位置するパネル200に対して、その他の全てのパネル200が寄り掛かってしまうことを回避し易くすることができる。その結果、複数のパネル200のうち、複数のパネル200の並設方向の両端部にそれぞれ位置するパネル200に対して、その他の全てのパネル200の重量が加わってしまうことを抑制することができ、複数のパネル200のうち、複数のパネル200の並設方向の両端部にそれぞれ位置するパネル200の損傷を抑えることができる。
(2−4)保持部24Aは、複数のパネル200の並設方向で隣り合うフランジ部203同士の間に差し込まれて隣り合うフランジ部203それぞれに密着することにより複数のパネル200を保持する。これによれば、保持部24Aは、複数のパネル200の並設方向で隣り合うフランジ部203同士の間に差し込まれて隣り合うフランジ部203それぞれに密着するだけで、複数のパネル200を保持することができるため、複数のパネル200を容易に保持することができる。
(2−5)位置切替機構25Aは、保持部24Aを水平方向に移動させることにより、保持位置と解除位置とに保持部24Aの位置を切り替える。これによれば、保持部24Aにおける保持位置と解除位置との間の移動距離を極力小さくすることができるため、保持部24Aの移動スペースを最小限にすることができ、搬送パレット10Aの小型化を図ることができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 第1の実施形態において、搬送パレット10は、基部11の長手方向の一方側のみに保持機構23を備えた構成であってもよい。そして、複数のパネル1の並設方向に延びる保持部24を、複数のパネル1の並設方向に対して直交する水平方向の一方側から複数のパネル1に密着させて、複数のパネル1を保持部24によって保持するようにしてもよい。要は、搬送パレット10は、複数のパネル1の並設方向に延びるとともに、複数のパネル1の並設方向に対して直交する水平方向の両側の少なくとも一方側から複数のパネル1に密着した状態で複数のパネル1を保持する保持部24を備えていればよい。
○ 第1の実施形態において、搬送パレット10は、ストッパ部86を備えていない構成であってもよい。
○ 第1の実施形態において、搬送パレット10は、当接部87を備えていない構成であってもよい。
○ 第1の実施形態において、搬送パレット10は、第2の実施形態のような下端受け凹部91を備えた構成であってもよい。
○ 第1の実施形態において、搬送パレット10は、第2の実施形態のような凸部用受け部96を備えた構成であってもよい。
○ 第1の実施形態において、各保持部24は、例えば、複数のパネル1に対して上方から複数のパネル1を押圧することにより密着し、複数のパネル1の移動を規制した状態に複数のパネル1を保持する構成であってもよい。要は、各保持部24における複数のパネル1に対する移動方向は特に限定されるものではない。
○ 第2の実施形態において、保持部24Aは、例えば、複数のパネル200に対して上方から複数のパネル200の並設方向で隣り合うフランジ部203同士の間に差し込まれて隣り合うフランジ部203それぞれに密着し、複数のパネル200の移動を規制した状態に複数のパネル200を保持する構成であってもよい。要は、保持部24Aにおける複数のパネル200に対する移動方向は特に限定されるものではない。
○ 上記各実施形態において、位置切替機構25,25Aは、保持部24,24Aを水平方向に移動させることにより、保持位置と解除位置とに保持部24,24Aの位置を切り替えたが、これに限らず、保持位置と解除位置とに保持部24,24Aの位置を切り替える際の保持部24,24Aの移動方向は特に限定されるものではない。
○ 上記各実施形態において、搬送パレット10,10Aは、各凸部5,204が形成されていないパネル1,200を収納するものであってもよい。
○ 上記各実施形態において、搬送パレット10,10Aは、一対の立設部3,202の一方のみを有しているパネル1,200を収納するものであってもよい。
○ 上記各実施形態において、搬送パレット10,10Aは、一対の立設部3,202を有していないパネル1,200を収納するものであってもよい。要は、搬送パレット10,10Aは、本体部2,201を少なくとも有するパネル1,200を収納するものであればよい。
○ 上記各実施形態において、搬送パレット10,10Aは、本体部2,201が平板状ではなく、例えば、一部分が湾曲した板状の本体部2,201を有するパネル1,200を収納するものであってもよい。要は、搬送パレット10,10Aは、板状の本体部2,201を少なくとも有するパネル1,200を収納するものであればよい。