JP6747276B2 - マグネトロンスパッタ装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

マグネトロンスパッタ装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マグネトロンスパッタ装置および半導体装置の製造方法に関する。
スパッタリング法は薄膜の形成手段として広く知られた技術であり、半導体、液晶表示素子、あるいは磁気ヘッドなど電子部品の製造分野で用いられている。スパッタ装置として、2極バイアススパッタ装置、RFスパッタ装置、DCマグネトロンスパッタ装置などが知られている。スパッタ装置は、半導体分野および液晶分野におけるデバイスの電極および配線形成の用途に広く使用されている。特に、DCマグネトロンスパッタ装置は、薄膜形成が速いという利点があり産業用途で広く使われている。
特許文献1には、マグネトロンスパッタ装置が開示されている。このマグネトロンスパッタ装置は、ターゲットの裏面に配置された磁石装置を備える。磁石装置は、リング状の外側磁石と、外側磁石の内側を移動する内側磁石を備える。これにより、ターゲットの消耗度合の面内バラツキを改善している。
特開2012−136780号公報
しかしながら、特許文献1に示されるマグネトロンスパッタ装置は、主に半導体分野で使用されているターゲット裏側でマグネットを回転運動させるスパッタ装置を対象にしたものである。このため、主に液晶分野で広く使用されているターゲット裏側でマグネットを往復運動または揺動運動させるスパッタ装置に対しては適用することはできない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、ターゲットの寿命を延ばすことができるマグネトロンスパッタ装置および半導体装置の製造方法を得ることを目的とする。
本発明に係るマグネトロンスパッタ装置は、真空槽と、該真空槽の内部に設けられ、上面に処理対象を搭載するステージと、該真空槽の内部に設けられ、該ステージの該上面と対向する第1面と、該第1面の反対側の面である第2面と、を有するターゲットと、該ターゲットの該第2面側に設けられ、該第1面側に磁場を発生させる複数の電磁石と、該複数の電磁石の各々が発生させる磁場を制御する制御部と、を備え、該制御部は、該複数の電磁石のうち複数の第1電磁石が発生させる磁場が該複数の電磁石のうち複数の第2電磁石が発生させる磁場よりも強い状態から、該複数の第1電磁石が発生させる磁場が該複数の第2電磁石が発生させる磁場よりも弱い状態に切り替え、該複数の第1電磁石は、該ターゲットの第1方向の両端部の直上に設けられ、該複数の第2電磁石は、該ターゲットの該第1方向と直交する第2方向の両端部の直上に設けられ、該複数の電磁石の位置は、該ターゲットに対して固定されている。

第1の発明に係るマグネトロンスパッタ装置では、ターゲットがマグネット部の往復運動の方向に対して回転する。このため、ターゲットの消耗が大きい部分と、ターゲットの消耗の少ない部分の位置を置き換えることができる。従って、ターゲットの寿命を延ばすことができる。
第2の発明に係るマグネトロンスパッタ装置では、複数の電磁石の各々が発生させる磁場は、制御部によって制御される。このため、ターゲットの消耗が大きい部分に小さい磁場を発生させることができる。従って、ターゲットの寿命を延ばすことができる。
第3の発明に係る半導体装置の製造方法では、ターゲットをマグネット部の往復運動の方向に対して回転させる。このため、ターゲットの消耗が大きい部分と、ターゲットの消耗の少ない部分の位置を置き換えることができる。従って、ターゲットの寿命を延ばすことができる。
実施の形態1に係るマグネトロンスパッタ装置の断面図である。 実施の形態1に係るマグネット部およびターゲットの斜視図である。 実施の形態1の比較例に係るマグネトロンスパッタ装置の断面図である。 実施の形態1の比較例に係るターゲットの消耗度合いを説明する図である。 実施の形態1に係るターゲットの平面図である。 実施の形態1に係るターゲットの回転後の状態を示す平面図である。 実施の形態2に係るマグネット部の断面図である。 実施の形態3に係るマグネット部の斜視図である。
本発明の実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置および半導体装置の製造方法について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るマグネトロンスパッタ装置の断面図である。本実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置100は、真空槽1を備える。真空槽1の内部には、ステージ3が設けられる。ステージ3の上面63には、処理対象である基板2が搭載される。基板2は矩形である。基板2は円形であっても良い。基板2は半導体基板またはガラス基板である。真空槽1の内部には、ターゲット6が設けられる。ターゲット6は、ステージ3の上面63と対向する第1面61と、第1面61の反対側の面である第2面62とを有する。
マグネトロンスパッタ装置100は回転機構30を備える。回転機構30は、バッキングプレート9と回転軸31とを備える。ターゲット6の第2面62はバッキングプレート9の下面に取り付けられている。ターゲット6は、バッキングプレート9にインジウムなどでロウ付けされている。バッキングプレート9の上面には回転軸31の一端が取り付けられている。回転軸31の他端は、真空槽1に固定されている。回転機構30は回転軸31を中心に回転する。従って、回転機構30は、ステージ3の上面63と平行な面内においてターゲット6を回転させる。
ターゲット6の第2面62側には、マグネット部7が設けられる。マグネット部7が発生させる磁場は、第1面61側に漏洩する。マグネット部7はターゲット6の第1面61側に磁場を発生させる。マグネット部7には、S極とN極が交互に並ぶように複数のマグネットが配置されている。複数のマグネットは永久磁石である。マグネット部7によって、第1面61側には、N極から隣接するS極に向かう磁力線アーチ8が形成される。図1においてマグネット部7は4個のマグネットを備える。マグネット部7が備えるマグネットの数はこれに限らない。
矢印20に示されるように、マグネット部7はターゲット6に対して、第2面62と平行に往復運動する。マグネット部7は、ターゲット6の第2面62側において、ターゲット6の一端から他端までの範囲を往復運動または揺動運動する。また、本実施の形態では、マグネット部7は真空槽1の外側に設けられる。この変形例として、マグネット部7は真空槽1の内部に設けられても良い。
ステージ3とターゲット6との間にはDC電源4が接続される。マグネトロンスパッタ装置100において、ターゲット6は陰極となり、ステージ3は陽極となる。本実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置100は、DCマグネトロンスパッタ装置である。また、マグネトロンスパッタ装置100は、防着板5を備える。防着板5により、スパッタされ、ターゲット6から飛散した粒子がステージ3および真空槽1の内壁に付着することを防止できる。
図2は、実施の形態1に係るマグネット部およびターゲットの斜視図である。マグネット部7の往復運動の方向は、矢印20に示されるように、ターゲット6の側面と平行である。マグネット部7の往復運動に伴い、矢印21に示すように磁力線アーチ8も第1面61側を移動する。回転機構30は、ターゲット6をマグネット部7の往復運動の方向に対して角度θだけ回転させる。本実施の形態では角度θは90度である。なお、図2において真空槽1は省略されている。
次に、マグネトロンスパッタ装置100における薄膜形成のメカニズムを説明する。まず、ステージ3上に基板2が搭載され、高い真空度に保たれた真空槽1において、不活性ガスを封入する。不活性ガスは例えばArである。次に、ターゲット6とステージ3との間に電圧を印加することで、不活性ガスに放電を発生させ、プラズマを発生させる。放電により不活性ガスイオンが生成される。この不活性ガスイオンは、陰極であるターゲット6に衝突する。ターゲット6は母材とも呼ばれる。
不活性ガスの衝突のエネルギーによりターゲット6から粒子が飛散する。この粒子は、ターゲット6を構成する物質が原子レベルまたは原子の集合したクラスター状態で飛散したものである。ターゲット6から飛散した粒子は、ターゲット6に対向して置かれた基板2上に堆積する。この結果、基板2の上面に薄膜が形成される。この方法によれば、基板2に微細かつ緻密な薄膜を形成できる。
また、磁力線アーチ8により、電子をターゲット6の第1面61の近傍にトラップできる。この結果、不活性ガスイオンの生成量が増大する。このため、ターゲット6から飛散する粒子が増加する。従って、薄膜の形成速度を向上できる。
また、マグネトロンスパッタ装置100ではマグネット部7が往復運動する。これにより、ターゲット6の第1面61における磁場の強い領域が、第1面61の全域を移動する。この結果、基板2上に形成される薄膜の厚さの均一性を改善できる。
ここで、ターゲット6から飛散する粒子は、基板2に対して垂直に入射するのみではなく、様々な方向に飛散する。基板2は、基板2の中心とターゲット6の中心とが一致するように配置される。この時、基板2の中心部には、様々な方向から粒子が入射し、堆積する。これに対し、基板2の端部の近傍では、ターゲット6との位置関係上、粒子の飛来する方向が限定される場合がある。このため、マグネット部7の往復運動の速度が一定である場合、基板2の端部における薄膜の形成速度は、中心部と比べて低くなることが考えられる。この時、基板2の上面内における膜厚分布が大きくなる可能性がある。
これに対し、本実施の形態では、マグネット部7の往復運動の速度は、往復運動の範囲の中心部よりも端部において小さい。つまり、基板2の端部に近い位置においてマグネット部7の移動速度を低下させている。この結果、一定時間内に基板2の端部に入射する粒子が増加する。このため、基板2の端部における薄膜の形成速度を向上できる。従って、基板2の上面内における膜厚分布を小さくできる。
この変形例として、マグネット部7は、往復運動の折り返し地点において一定時間停止するものとしても良い。また、マグネット部7の往復運動の速度は一定であり、マグネット部7が発生させる磁場は、マグネット部7の往復運動の範囲の中心部よりも端部において大きいものとしても良い。つまり、基板2の端部に近い位置においてマグネット部7の磁束密度が大きくなる。このため、基板2の端部における薄膜の形成速度を向上できる。従って、基板2の上面内における膜厚分布を小さくできる。
図3は、実施の形態1の比較例に係るマグネトロンスパッタ装置の断面図である。比較例に係るマグネトロンスパッタ装置800は、回転機構30を備えない。その他の構成は、実施の形態1と同様である。比較例に係るマグネトロンスパッタ装置800においても、マグネット部7の速度は、往復運動の範囲の中心部よりも端部において小さい。
図4は、実施の形態1の比較例に係るターゲットの消耗度合いを説明する図である。ターゲット6のうちマグネット部7の速度が低下する領域の直下に位置する部分では、一定時間内に強い磁場が印加される期間が、ターゲット6の他の部分と比較して長い。よって、ターゲット6の消耗の進行は、マグネット部7の速度が低下する領域の直下に位置する部分において、ターゲット6の他の部分よりも速くなる。従って、ターゲット6の消耗度合いの面内バラツキが発生する。消耗度合いは、エロージョンとも呼ばれる。
図4は、使用済みターゲット6の断面形状の一例を示す図である。図4に示すように、ターゲット6の中央部の両側には、中央部よりも消耗の大きい領域810が形成される。ターゲット6の中央部では、ターゲット6の消耗が遅くターゲット6が厚いのに対して、ターゲット6の中央部の両側では、ターゲット6は大きく削り取られている。
一般に、ターゲットの交換時には、使用済みターゲットをバッキングプレートから剥離し、回収する。この作業を容易に実行するために、ターゲットの厚さが初期の厚さの2割程度に到達した時点でターゲットを交換する必要がある。つまり、図4に示される消耗の大きい領域810の厚さが、初期の厚さの2割になった時点で、ターゲット6を交換する必要がある。この時、ターゲット6の他の部分は厚さが大きい。これにも関わらず、消耗の大きい領域810の消耗度合によりターゲット6の寿命が決まる。このため、ターゲット6の使用効率が低下する。
図5は、実施の形態1に係るターゲットの平面図である。本実施の形態では、ターゲット6は、角の丸い四角形である。ターゲット6の形状はこれに限らない。ターゲット6は、矩形、正方形、四角形、多角形、円形または楕円形でも良い。ターゲット6の互いに対向する一組の側面は、矢印20に示される往復運動の方向と平行に配置される。本実施の形態においても、矢印20に示される往復運動の範囲の両端部付近において、ターゲット6の第1面61には、ターゲット6の中央部よりも消耗の大きい第1部分10が形成される。第1部分10の長手方向は、往復運動の方向と垂直である。第1部分10の長手方向の長さは、マグネット部7の長さに対応する。
ここで、本実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置100は、回転機構30を備える。このため、本実施の形態では、ターゲット6を回転させることにより、第1部分10の位置を移動させることができる。図6は、実施の形態1に係るターゲットの回転後の状態を示す平面図である。ターゲット6は、矢印22に示すθ方向に回転する。本実施の形態では、ターゲット6を90度回転させる。これにより、第1部分10の位置が移動し、回転前に第1部分10が配置されていた位置に、消耗の少ない第2部分11が配置される。
本実施の形態においてターゲット6は角の丸い四角形である。このため、ターゲット6を90度回転させることにより、消耗の大きい部分を消耗の少ない部分と置き換えることができる。ターゲット6の回転角度は90度以外でも良い。ターゲット6の回転角度はマグネトロンスパッタ装置100の種類、ターゲット6の種類、ターゲット6の形状に応じて適切な値を設定することが望ましい。
比較例に係るマグネトロンスパッタ装置800では、ターゲット6の消耗の大きい領域810の厚さによってターゲット6の寿命が決められていた。これに対し、本実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置100では、ターゲット6を回転させ、回転前に第1部分10が配置されていた位置に、消耗の少ない第2部分11を配置する。従って、ターゲット6の寿命を延ばすことができる。よって、ターゲット6の利用効率を向上できる。
ここで、マグネット部7の長手方向の長さは、第1部分10同士の間隔よりも小さく設定される。また、マグネット部7の長手方向の長さは、往復運動の範囲の長さよりも短く設定されるものとしても良い。これにより、消耗の大きい第1部分10が、ターゲット6の回転後に、再び消耗の大きい領域に含まれることを防止できる。従って、消耗の大きい第1部分10における更なるターゲット6の消耗を抑制できる。
次に、本実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置100を用いた半導体装置の製造方法を説明する。まず、マグネトロンスパッタ装置100を準備する。次に、搭載工程を実施する。搭載工程では、ステージ3の上面63に基板2を搭載する。次に、成膜工程を実施する。成膜工程では、ターゲット6に対して第2面62と平行にマグネット部7を往復運動させながら、ターゲット6をスパッタリングする。スパッタリングされたターゲット6は、基板2上に成膜される。次に、ターゲット6をステージ3の上面63と平行な面内において90度回転させる。次に、他の基板について搭載工程と成膜工程を実施する。
ターゲット6は、第1部分10の厚みが閾値に到達した時点で回転するものとしても良い。ここで閾値は、使用済みターゲット6をバッキングプレート9から剥離し回収することが可能な厚さよりも大きい値に設定される。例えば、閾値はターゲット6の使用前の厚さの2割よりも大きい値に設定される。また、処理対象となる基板2を交換する工程毎に、ターゲット6を回転させるものとしても良い。この場合、処理対象の交換ごとに、ターゲット6の消耗の多い領域に第1部分10と第2部分11が交互に配置されることになる。このため、第1部分10と第2部分11が均等に消耗され、ターゲット6の寿命を延ばすことができる。
本実施の形態の変形例として、回転機構30は、ターゲット6に供給された積算電力量が閾値よりも大きくなると、ターゲット6を回転させるものとしても良い。ターゲット6の消耗度合を知る尺度として、ターゲット6に印加された積算電力量がある。積算電力量は、ターゲット6の使用開始時からターゲット6に印加された電力量である。積算電力量が大きい程、ターゲット6の消耗が大きい。積算電力量は、DC電源4からマグネトロンスパッタ装置100に供給された電力を測定することで得ることができる。
積算電力量が増加し閾値を超えると、回転機構30は自動でターゲット6を回転させる。これにより、ターゲット6を回転させるための装置オペレーターの労力および手間を削減できる。また、本実施の形態では、回転機構30がターゲット6を回転させるものとした。これに対し、マグネトロンスパッタ装置100は回転機構30を備えなくても良い。この場合、ターゲット6の回転は手動で行われる。
また、本実施の形態では、回転機構30が回転軸31を中心に回転することで、バッキングプレート9に取り付けられたターゲット6が回転する。回転機構30の構造はこれに限らず、ターゲット6をステージ3の上面63と平行な面内において回転させることができれば別の構造でも良い。
これらの変形は以下の実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置および半導体装置の製造方法について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置および半導体装置の製造方法については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係るマグネット部の断面図である。本実施の形態では、マグネット部207の構造が実施の形態1と異なる。その他の構造は実施の形態1と同様である。本実施の形態に係るマグネット部207は、複数のマグネット212を備える。マグネット部207はマグネット212を3組備える。マグネット212の数はこれに限らない。複数のマグネット212の各々は、矢印223に示される方向に回転する。複数のマグネット212の各々は、第2面62と平行な面内で回転する。
マグネット212は、回転マグネットユニットである。マグネット部207は、複数の回転マグネットユニットから成る構造体である。この場合、マグネット212の作る磁力線アーチ208は、ターゲット6の第2面62と平行な面内で回転しながらターゲット6の第1面61側を往復運動する。磁力線アーチ208の回転によって、磁場の強い部分がターゲット6の第1面61において平均化される。よって、ターゲット6の消耗度合いがターゲット6の第1面61内で平均化される。本実施の形態では、実施の形態1と比較して、ターゲット6の消耗の大きい部分が発生し難くなる。従って、更にターゲット6の寿命を伸ばし利用効率を向上できる。
本実施の形態では、各々のマグネット212はS極とN極の中点を中心に回転する。これに対し、各々のマグネット212はS極またはN極を中心に回転しても良い。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係るマグネット部の斜視図である。本実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置300には、マグネット部7の代わりに、複数の電磁石313が設けられる。複数の電磁石313は、ターゲット6の第2面62側に設けられる。複数の電磁石313は、ターゲット6の第1面61側に磁場を発生させる。
また、本実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置300は、制御部340を備える。制御部340は、複数の電磁石313の各々が発生させる磁場を制御する。制御部340は、各々の電磁石313が適切なタイミングで適切な強度の磁場を発生させるよう制御する。また、制御部340は、複数の電磁石313の各々が発生させる磁束密度を制御するものとしても良い。
図8において、便宜上、真空槽1、基板2、ステージ3および防着板5は省略されている。また、本実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置300は回転機構30を備えない。その他の構造は、実施の形態1と同様である。図8において、マグネトロンスパッタ装置300は12個の電磁石313を備える。電磁石313の数はこれに限らない。
複数の電磁石313は、第1方向324および第1方向324と直交する第2方向325に並ぶ。ここで、第1方向324の両端に配置される電磁石313を第1電磁石341とする。本実施の形態では、第1電磁石341は、第1方向324の両端に2つずつ配置される。また、第2方向325の両端に配置される電磁石313を第2電磁石342とする。本実施の形態では、第2電磁石342は、第2方向325の両端に3つずつ配置される。
制御部340は、ターゲット6に供給された積算電力量を測定する。制御部340は、積算電力量が閾値以下の場合に、第1電磁石341が発生させる磁場が、第2電磁石342が発生させる磁場よりも強くなるように制御する。また、制御部340は、積算電力量が閾値よりも大きい場合に、第1電磁石341が発生させる磁場が、第2電磁石342が発生させる磁場よりも弱くなるように制御する。
本実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置300を使用した半導体装置の製造方法を説明する。搭載工程までは実施の形態1と同様である。次に、成膜工程を実施する。成膜工程では、第1電磁石341が発生させる磁場を、第2電磁石342が発生させる磁場よりも強く設定した状態で、ターゲット6をスパッタリングする。この時、処理対象である基板2において、ターゲット6との位置関係からスパッタリングされた粒子の飛来する方向が限定され、薄膜の形成速度が遅くなり易い部分を、第1電磁石341の下方に配置する。これにより、粒子の飛来する方向が限定される部分において、薄膜の形成速度が向上する。従って、基板2の上面内における膜厚分布を小さくできる。
次に、積算電力量が閾値を超えた時点で、第1電磁石341が発生させる磁場が、第2電磁石342が発生させる磁場よりも弱くなるように設定する。さらに、処理対象においてスパッタリングされた粒子の飛来する方向が限定される部分を、第2電磁石342の下方に配置する。これにより、処理対象の上面内における膜厚分布を小さくできる。
本実施の形態では、ターゲット6に印加された積算電力量に応じて、ターゲット6において強い磁場が印加される箇所が切り替わる。制御部340は、積算電力量が閾値以下の場合に、第1電磁石341が発生させる磁場が、第2電磁石342が発生させる磁場よりも強くなるように制御する。これにより、第1電磁石341の直下において、ターゲット6の消耗が速くなる。
積算電力量が閾値よりも大きくなると、制御部340は、第2電磁石342が発生させる磁場が、第1電磁石341が発生させる磁場よりも強くなるように制御する。つまり、マグネトロンスパッタ装置300では、自動でターゲット6の消耗の大きい部分に弱い磁場が形成されることになる。この結果、第1電磁石341の直下において、ターゲット6の消耗が遅くなる。これにより、ターゲット6の消耗の大きい部分における更なる消耗の進行が抑制される。
また、積算電力量が閾値よりも大きくなると、ターゲット6の消耗の少ない部分に、強度の高い磁場が印加される。つまり、ターゲット6の消耗の少ない部分が、粒子の飛来する方向が限定される部分における薄膜の形成速度の向上に寄与する。以上から、ターゲット6の寿命を伸ばし、利用効率を向上させることができる。電磁石313の発生させる磁場の制御は、制御部340が自動で行う。このため、装置オペレーターの労力および手間を低減できる。
本実施の形態に係るマグネトロンスパッタ装置300では、実施の形態1のようにマグネット部7を往復運動させる駆動部が必要ない。このため、駆動部の劣化による装置故障のリスクを低減できる。また、マグネトロンスパッタ装置300は回転機構30を備える必要がない。このため、マグネトロンスパッタ装置300を小型化できる。
本実施の形態では、積算電力量が閾値を越えると、強い磁場を発生させる電磁石313を第1電磁石341から第2電磁石342に切り替える。この変形例として、処理対象が交換される毎に、強い磁場を発生させる電磁石313を、第1電磁石341および第2電磁石342の一方から他方に切り替えるものとしても良い。
また、本実施の形態では、第1電磁石341は第1方向324の両端に配置されるものとした。また、第2電磁石342は、第2方向325の両端に配置されるものとした。ここで、第1電磁石341と第2電磁石342の配置は、第1電磁石341と第2電磁石342が別の電磁石313であれば、これに限らない。例えば、第1方向324に並んだ4列の電磁石313のうち、1列目と3列目の電磁石313が第1電磁石341であり、2列目と4列目の電磁石313が第2電磁石342であってもよい。第1電磁石341および第2電磁石342は、基板2の形状、マグネトロンスパッタ装置300の形状およびターゲット6の形状に応じて選択する。
また、本実施の形態では、電磁石313は第1方向324および第2方向325に並ぶ。電磁石313の配置はこれに限らず、例えば千鳥配置でも良い。電磁石313の配置は、マグネトロンスパッタ装置300の種類、ターゲット6の種類およびターゲット6の形状に応じて適切なものを設定することが望ましい。なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
100、300 マグネトロンスパッタ装置、1 真空槽、2 基板、3 ステージ、6 ターゲット、7、207 マグネット部、30 回転機構、61 第1面、62 第2面、63 上面、212 マグネット、313 電磁石、324 第1方向、325 第2方向、340 制御部、341 第1電磁石、342 第2電磁石

Claims (3)

  1. 真空槽と、
    前記真空槽の内部に設けられ、上面に処理対象を搭載するステージと、
    前記真空槽の内部に設けられ、前記ステージの前記上面と対向する第1面と、前記第1面の反対側の面である第2面と、を有するターゲットと、
    前記ターゲットの前記第2面側に設けられ、前記第1面側に磁場を発生させる複数の電磁石と、
    前記複数の電磁石の各々が発生させる磁場を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記複数の電磁石のうち複数の第1電磁石が発生させる磁場が前記複数の電磁石のうち複数の第2電磁石が発生させる磁場よりも強い状態から、前記複数の第1電磁石が発生させる磁場が前記複数の第2電磁石が発生させる磁場よりも弱い状態に切り替え
    前記複数の第1電磁石は、前記ターゲットの第1方向の両端部の直上に設けられ、
    前記複数の第2電磁石は、前記ターゲットの前記第1方向と直交する第2方向の両端部の直上に設けられ、
    前記複数の電磁石の位置は、前記ターゲットに対して固定されていることを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。
  2. 前記制御部は、前記ターゲットに供給された積算電力量が閾値以下の場合に、前記複数の第1電磁石が発生させる磁場が、前記複数の第2電磁石が発生させる磁場よりも強くなるように制御し、前記積算電力量が前記閾値よりも大きい場合に、前記複数の第1電磁石が発生させる磁場が、前記複数の第2電磁石が発生させる磁場よりも弱くなるように制御することを特徴とする請求項1に記載のマグネトロンスパッタ装置。
  3. 前記複数の電磁石は、前記第1方向および前記第2方向に並び、
    前記複数の第1電磁石は、前記第1方向の両端に配置され、
    前記複数の第2電磁石は、前記第2方向の両端に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のマグネトロンスパッタ装置。
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