JP2009046714A - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ターゲット22の第1面側に配置された磁気回路30を備え、ターゲット22の第2面側に成膜対象物5を配置して、マグネトロンスパッタ法により成膜を行う成膜装置10において、磁気回路30は、中心磁石31と、中心磁石32の外周を囲むように配置された外周磁石32とを備え、磁気回路30は、成膜対象物5の表面における垂直磁場の絶対値が磁気回路30の幅内で10ガウス以上となる磁場を発生させる。
【選択図】図2
Description
また、磁界がプラズマ密度とスパッタ効率に重要な役割があることが認識され、上述したマグネトロンスパッタ法などの磁気的な手法が使われている。マグネトロンスパッタでは、E×Bドリフトによりプラズマがターゲット近傍で閉じ込められ、プラズマ密度が高くなる。
このように構成することで、磁力線が磁気回路から成膜対象物側へ延び、プラズマ中の電子が磁力線に沿って成膜対象物まで届くため、膜が活性化されて結晶性の高い膜を形成することができる。
このように構成することで、外周磁石と中心磁石との間で閉じた磁力線の他に、中心磁石を基準として発散した磁力線が多く発生し、成膜対象物の表面における中心磁石に対応した位置の垂直磁場の絶対値を大きくすることができる。これにより、プラズマ中の電子が磁力線に沿って成膜対象物まで届くため、膜が活性化されて結晶性の高い膜を形成することができる。
このように構成することで、外周磁石と中心磁石との間で閉じた磁力線の他に、外周磁石を基準として発散した磁力線が多く発生し、成膜対象物の表面における外周磁石に対向した位置付近の垂直磁場の絶対値を大きくすることができる。これにより、プラズマ中の電子が磁力線に沿って成膜対象物まで届くため、膜が活性化されて結晶性の高い膜を形成することができる。
このように成膜対象物とターゲットとの距離を50mm以上とすることで、成膜対象物の位置のばらつきによる影響を低減することができる。また、成膜対象物とターゲットとの距離を200mm以下とすることで、成膜対象物付近での磁場強度を確保することができる。
このように構成することで、反応性スパッタ法による成膜を行うことができる。
このように構成することで、結晶性の高い透明導電膜を成膜することができる。
このように構成することで、非エロージョン領域を減少させることができ、また使用効率を向上させ、投入パワーも増大させることができる。
このように構成することで、成膜対象物に対して均質な成膜をすることができる。
このように構成することで、磁力線が磁気回路から成膜対象物側へ延び、プラズマ中の電子が磁力線に沿って成膜対象物まで届くため、膜が活性化されて結晶性の高い膜を形成することができる。
このように構成することで、外周磁石と中心磁石との間で閉じた磁力線の他に、中心磁石を基準として発散した磁力線が多く発生し、成膜対象物の表面における中心磁石に対応した位置の垂直磁場の絶対値を大きくすることができる。これにより、プラズマ中の電子が磁力線に沿って成膜対象物まで届くため、膜が活性化されて結晶性の高い膜を形成することができる。
このように構成することで、外周磁石と中心磁石との間で閉じた磁力線の他に、外周磁石を基準として発散した磁力線が多く発生し、成膜対象物の表面における外周磁石に対向した位置付近の垂直磁場の絶対値を大きくすることができる。これにより、プラズマ中の電子が磁力線に沿って成膜対象物まで届くため、膜が活性化されて結晶性の高い膜を形成することができる。
このように成膜対象物とターゲットとの距離を50mm以上とすることで、成膜対象物の位置のばらつきによる影響を低減することができる。また、成膜対象物とターゲットとの距離を200mm以下とすることで、成膜対象物付近での磁場強度を確保することができる。
このように構成することで、反応性スパッタ法による成膜を行うことができる。
このように構成することで、結晶性の高い透明導電膜を成膜することができる。
このように構成することで、非エロージョン領域を減少させることができ、また使用効率を向上させ、投入パワーも増大させることができる。
このように構成することで、成膜対象物に対して均質な成膜をすることができる。
(マグネトロンスパッタ装置)
図1は、本実施形態におけるマグネトロンスパッタ装置の概略構成図(正面図)である。
図1に示すように、マグネトロンスパッタ装置(以下、スパッタ装置という)10は、インターバック式のスパッタ装置であって、基板(図示せず)の仕込み/取出し室12と、基板に対する成膜室14とを備えている。仕込み/取出し室12には、ロータリーポンプなどの粗引き排気手段12pが接続され、成膜室14には、ターボ分子ポンプなどの高真空排気手段14pが2台接続されている。本実施形態のスパッタ装置10では、基板を縦型に支持して仕込み/取出し室12に搬入し、粗引き排気手段12pで仕込み/取出し室12を排気する。次に、高真空排気手段14pで高真空排気した成膜室14に基板を搬送し、成膜処理を行う。成膜後の基板は、仕込み/取出し室12を介して外部に搬出するように構成されている。
なお、ターゲット22をZnOまたはSnO2に所定材料を添加したもので構成し、ZnO系膜やSnO2系膜からなる透明導電膜を形成するように構成してもよい。
図4は、磁気回路30の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
磁気回路30は、磁性材料からなるヨーク34上に、該ヨーク34の中央部に位置するように配置された矩形棒状の永久磁石からなる中心磁石31と、中心磁石31の周りを所定間隔あけて取り囲むように矩形枠状に配置された永久磁石からなる外周磁石32とを備えている。
このように設定すると、図5に示すように、外周磁石32から中心磁石31に向けて形成される磁力線は、大きく分けて3通りのパターンが想定される。
図5(b)に示すパターンは、中心磁石31の幅w1が外周磁石32の幅w2の2倍より大きい幅で構成され、外周磁石32から中心磁石31に向かう磁力線の他に、中心磁石31を基準に発散した磁力線が多く発生し、基板5の表面における中心磁石31の中心付近に対応した位置の垂直磁場の絶対値が大きくなるように構成される。また、中心磁石31の幅w1が外周磁石32の幅w2より大きくなればなるほど、基板5の周縁部付近の垂直磁場の絶対値も大きくなるように構成される。
図5(c)に示すパターンは、外周磁石32の幅w2が中心磁石31の幅w1より大きい幅で構成され、外周磁石32から中心磁石31に向かう磁力線の他に、外周磁石32を基準に発散した磁力線が多く発生し、基板表面における外周磁石32に対向した位置付近の垂直磁場の絶対値が大きくなるように構成される。また、外周磁石32の幅w2が中心磁石31の幅w1より大きくなればなるほど、基板5の中央付近の垂直磁場の絶対値も大きくなるように構成される。
また、従来から一般的に使用されているNo.1(中心磁石の幅w1:外周磁石の幅w2=2:1)およびNo.3(w1:w2=1:1)の磁気回路で成膜した場合より、結晶性の高いITO膜を形成するためには、中心磁石の幅w1が外周磁石の幅w2の2倍より大きい幅で構成された磁気回路を使用するか、または外周磁石の幅w2が中心磁石の幅w1より大きい幅で構成された磁気回路を使用して、マグネトロンスパッタを行うことが望ましい。
一方、基板5とターゲット22との距離が200mmを超えると、基板5付近での磁場が弱くなり、磁場に沿って導入される電子が基板5へ衝突する効果が期待できなくなるため、基板5とターゲット22との間は200mm以下が好ましい。
図12(a)に示すように、従来(No.3)の磁気回路では、酸素添加量が0sccmのときに比抵抗は約2.2×103(μΩ・cm)となっているのに対して、酸素添加量が1.0sccmのときに比抵抗は約1.3×103(μΩ・cm)となっており、酸素添加量により膜の比抵抗の値が大きく変動している。特に、酸素添加量が少ないと膜の比抵抗値が高くなっていることが分かる。
一方、図12(b)に示すように、本実施形態(No.5)の磁気回路では、酸素添加量が0sccmのときに比抵抗は約8.0×102(μΩ・cm)となっているのに対して、酸素添加量が1.0sccmのときに比抵抗は約7.8×102(μΩ・cm)となっており、酸素添加量が変化しても膜の比抵抗値の変動量が小さくなっている。更に酸素添加量が少なくても膜の比抵抗値は低く抑えられていることが分かる。
つまり、従来の磁気回路の場合、基板上での反応性が低く、流れてくる酸素の状態の影響が大きかった。一方、本実施形態の磁気回路の場合、負イオンの効果に因って、反応性が高く、少ない酸素分子数でも十分に反応するため、周辺の影響が小さくなる。以上により、本実施形態によれば、比抵抗の酸素依存性が低いITO膜を形成できることが確認された。
このように構成したため、磁力線が磁気回路30から基板5側へ延び、プラズマ中の電子が磁力線に沿って基板5まで届くため、膜が活性化されて結晶性の高い膜を形成することができる。結晶性の向上に伴って、電荷移動度や耐環境性に優れた膜を得ることができる。また、プラズマ中の電子が磁力線に沿って基板5まで届くため、膜表面のみが温度上昇して結晶化される。したがって、ガラス基板にカラーフィルタをコーティングした基板またはフィルム基板へ熱的ダメージを与えることなく、比抵抗の低い導電膜の成膜をすることができる。
このように構成したため、外周磁石32から中心磁石31に向かう磁力線の他に、中心磁石31に向かって発散した磁力線が多く発生し、基板5の表面における中心磁石31の中心位置に対応した位置の垂直磁場の絶対値を大きくすることができる。
このように構成したため、外周磁石32から中心磁石31に向かう磁力線の他に、外周磁石32から基板5の方向に向かって発散した磁力線が多く発生し、基板5の表面における外周磁石32に対向した位置付近の垂直磁場の絶対値を大きくすることができる。
このように基板5とターゲット22との距離を50mm以上とすることで、基板5の位置のばらつきによる影響を低減することができる。また、基板5とターゲット22との距離を200mm以下とすることで、基板5付近での磁場強度を確保することができる。
このように構成したため、反応性スパッタ法による成膜を行うことができる。
このように構成したため、結晶性の高い透明導電膜を成膜することができる。
このように構成したため、ターゲット22のエロージョン領域を分散させることが可能になり、ターゲット22の耐久性を向上させることができる。
このように構成したため、基板5に対して均質な成膜をすることができる。
例えば、本実施形態において、中心磁石および外周磁石の幅を3パターン例示したが、例示した以外のパターンで構成してもよい。
また、本実施形態において、正面視略矩形状の磁気回路を用いて説明したが、正面視円形などの磁気回路を用いてもよい。
Claims (16)
- ターゲットの第1面側に配置された磁気回路を備え、
前記ターゲットの第2面側に成膜対象物を配置して、マグネトロンスパッタ法により成膜を行う成膜装置において、
前記磁気回路は、中心磁石と、該中心磁石の外周を囲むように配置された外周磁石とを備え、
前記磁気回路は、前記成膜対象物の表面における垂直磁場の絶対値が前記磁気回路の幅内で10ガウス以上となる磁場を発生させることを特徴とする成膜装置。 - ターゲットの第1面側に配置された磁気回路を備え、
前記ターゲットの第2面側に成膜対象物を配置して、マグネトロンスパッタ法により成膜を行う成膜装置において、
前記磁気回路は、中心磁石と、該中心磁石の外周を囲むように配置された外周磁石とを備え、
前記中心磁石の幅が、前記外周磁石の幅の2倍より大きい幅で構成されていることを特徴とする成膜装置。 - ターゲットの第1面側に配置された磁気回路を備え、
前記ターゲットの第2面側に成膜対象物を配置して、マグネトロンスパッタ法により成膜を行う成膜装置において、
前記磁気回路は、中心磁石と、該中心磁石の外周を囲むように配置された外周磁石とを備え、
前記外周磁石の幅が、前記中心磁石の幅より大きい幅で構成されていることを特徴とする成膜装置。 - 前記成膜対象物と前記ターゲットとの距離が、50mm以上200mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記成膜対象物と前記ターゲットとの間に反応性ガスを導入する反応性ガス導入手段を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記ターゲットが、In2O3、ZnO、SnO2の少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記磁気回路を前記ターゲットに対して相対的に移動する磁気回路移動手段を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記成膜対象物を前記ターゲットに対して相対的に移動する成膜対象物移動手段を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の成膜装置。
- ターゲットの第1面側に磁気回路を配置し、前記ターゲットの第2面側に成膜対象物を配置して、マグネトロンスパッタ法により成膜を行う成膜方法において、
前記成膜対象物の表面における垂直磁場の絶対値が前記磁気回路の幅内で10ガウス以上となる磁場を前記磁気回路により発生させた状態で、前記ターゲットをスパッタすることを特徴とする成膜方法。 - ターゲットの第1面側に磁気回路を配置し、前記ターゲットの第2面側に成膜対象物を配置して、マグネトロンスパッタ法により成膜を行う成膜方法において、
前記磁気回路は、中心磁石と、該中心磁石の外周を囲むように配置された外周磁石とを備え、
前記中心磁石の幅が、前記外周磁石の幅の2倍より大きい幅で構成された前記磁気回路を使用して磁場を発生させた状態で、前記ターゲットをスパッタすることを特徴とする成膜方法。 - ターゲットの第1面側に磁気回路を配置し、前記ターゲットの第2面側に成膜対象物を配置して、マグネトロンスパッタ法により成膜を行う成膜方法において、
前記磁気回路は、中心磁石と、該中心磁石の外周を囲むように配置された外周磁石とを備え、
前記外周磁石の幅が、前記中心磁石の幅より大きい幅で構成されている前記磁気回路を使用して磁場を発生させた状態で、前記ターゲットをスパッタすることを特徴とする成膜方法。 - 前記成膜対象物と前記ターゲットとの距離が、50mm以上200mm以下であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の成膜方法。
- 前記成膜対象物と前記ターゲットとの間に反応性ガスを導入することを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の成膜方法。
- 前記ターゲットが、In2O3、ZnO、SnO2の少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記磁気回路を前記ターゲットに対して相対的に移動することを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記成膜対象物を前記ターゲットに対して相対的に移動することを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載の成膜装置。
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