JP2000282235A - マグネトロンスパッタリング方法および装置 - Google Patents
マグネトロンスパッタリング方法および装置Info
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Abstract
の特長を維持しつつ、また、通常のスパッタリング手法
で用いられるのと実質的に同等の大きさの基板面内で、
均一な膜質を確実に得ることのできるマグネトロンスパ
ッタリング技術を確立すること。 【解決手段】 基板上に膜を形成するためのマグネトロ
ンスパッタリング方法であって、基板の全面に垂直磁場
を作用させ、或いは、基板を当該基板面に対し水平な磁
場を形成する位置から外して、スパッタリングを行なう
ことにより、基板面全域で膜質の均一な膜を形成する。
Description
明導電性皮膜、磁気記録皮膜などの成膜に使用されるマ
グネトロンスパッタリング方法および装置に関するもの
である。
や磁気記録媒体、あるいは磁気記録ヘッド、ディスプレ
ーパネル、プリンターヘッドその他の電子部材用の薄
膜、あるいは摺動部材や工具、金型への硬質皮膜、磁気
・光学部品などへの硬質保護膜の形成には、広くスパッ
タリングによる成膜手法が採用されている。スパッタリ
ングを利用した該成膜手法の特徴としては、安定した品
質の膜が再現性よく成膜できること、大面積の基板への
成膜が比較的容易であること、様々の合金や化合物を用
いた成膜が可能であること、等が挙げられる。
トの背後に配置したマグネットによる磁界でターゲット
表面にプラズマを収束させる様にした所謂マグネトロン
カソードを用いたマグネトロンスパッタリング法は、成
膜速度が速く且つ量産性にも優れていることから、一般
に広く採用されている。また、その特徴を更に高めるた
め、ターゲット裏面に配置される永久磁石や電磁石の強
度を高めてターゲット表面の磁場を強くする方法、ター
ゲットに供給される直流電力に高周波電力を印加してプ
ラズマ密度を高めスパッタリングの効率を高める方法な
ど、幾つかの改良研究も進められている。
は、成膜に用いるターゲット材の背面に、逆極性を有す
る2対の磁極からなる永久磁石または電磁石を配置し、
ターゲット全面に漏洩磁場を形成することによってイオ
ン化率を高める所謂マグネトロンスパッタリングカソー
ドを用いており、効率的なイオン化による高密度プラズ
マの形成と高速スパッタリングを可能にしている。通常
のマグネトロンスパッタリングカソードでは上記対向す
る磁極から発生する磁束がちょうど釣り合って、磁力線
がターゲット前面の空間で閉じる様に設計されている。
そしてターゲット面上の空間で発生するプラズマは、こ
の閉じた磁力線によって強くトラップされターゲット面
近傍に収束している。そして、スパッタリングされて基
板上に堆積することにより形成される薄膜は、プラズマ
の分布しているターゲット近傍の領域から離れた場所で
プラズマの影響を受けないで成長させることも可能であ
り、高速でしかも低ダメージの成膜を可能にしている。
リングとは異なった所謂アンバランスドマグネトロンス
パッタリング方法も知られている。この方法は、通常の
マグネトロンスパッタリング法(以下、バランスドマグ
ネトロンスパッタリング法と記す)を用いて成膜する際
に、非平衡な磁場分布を有するマグネトロンカソードを
使用するところに特徴を有している。
ロンカソードとは、図1に略示如く、スパッタリングタ
ーゲット1表面を通る平面のうち、スパッタリングカソ
ードを構成する永久磁石Mまたは電磁石EMの磁極をす
べて含む最小の半無間円柱または角柱領域によって切ら
れる領域での漏洩磁場の、当該平面に対する垂直成分の
積分値がゼロでない値を有するように設計された所謂ア
ンバランスドマグネトロンカソードであり(図中、符号
2は基板、3はバッキングプレート、4は鉄ヨークを示
している)、これまでのバランスドマグネトロンカソー
ドの設計に見られる様な、ターゲット1の面を貫通する
特定の磁極、例えばN極からの磁束とS極への磁束との
釣り合いを意図的に崩したところに特徴を有している。
ードは、例えば「J. Vac.Sci.Techno
l. A4(2),pp186−202,1986」に
も示されている様に、従来は成膜速度の向上や基板バイ
アス印加時のイオン電流の増大を目的として硬質皮膜の
形成などに用いられている。
は、バランスドマグネトロンカソードの外周部に設置し
た電磁石(図1の符号EMなど)を動作させる方法や、
外周部に可動式の永久磁石を設置してその位置を変える
方法などがある。更に、バランスドマグネトロンカソー
ドとして用いられるフェライト磁石の一部を、例えば希
土類−コバルト系或いは希土類−鉄−ホウ素系の如き強
力な磁石に置換する方法もある。
ランスドマグネトロンカソードを用いた場合は、従来の
バランスドマグネトロンカソードにおいて釣り合いが取
られていた磁場のバランスを意図的に崩すことによっ
て、ターゲットから基板方向に向かう磁力線を形成し、
ターゲット近傍で発生したプラズマの磁力線に沿った拡
散を促進することにより、基板近傍でのプラズマ密度を
高めることが可能になる。
子ガスによる基板表面の加熱効果、反応性スパッタリン
グにおける反応の促進、更には、基板に負の電圧を印加
しプラズマ中の正イオンを基板方向に加速して薄膜へ照
射するバイアススパッタリングでのイオン照射の増加、
などの効果を得ることができるので、これまで高温の基
板上での成膜が必要とされていた薄膜形成の低温化、あ
るいは基板バイアス印加による硬質膜形成での膜硬度の
向上、などの効果が期待される。
トロンスパッタリングでは、ターゲット表面近傍で形成
されたプラズマの基板近傍への拡散を促し、基板上に形
成される薄膜に対してプラズマの作用を促進させること
により、従来のバランスドマグネトロン方法では実現す
ることのできない成膜の低温化、あるいはバイアススパ
ッタリングにおける硬質膜の硬度上昇など、所謂プラズ
マアシスト効果を得ることが可能となることは前述の通
りである。
ドで形成される磁場は、バランスドマグネトロンカソー
ドで形成される磁場分布とは異なり、ターゲットから基
板方向に伸びる磁力線が形成されていることが大きな特
長となっている。その結果として、ターゲット表面付近
で形成されたプラズマがこの磁力線に沿って基板方向へ
拡散し、基板近傍でのプラズマ密度の上昇を実現してい
る。
グネトロンカソードにおける最大の特長となっている
が、本発明者らが種々研究を進めるうち、現状のアンバ
ランスドマグネトロンカソードを使用すると大きな問題
を生じることが確認された。即ち、従来のバランスドマ
グネトロンカソードを用いて成膜した場合に問題となら
なかった「基板面内での膜質不均質」の問題がしばしば
生じることである。
ードを用いて成膜されたインジウム錫酸化物透明導電膜
(ITO膜)では、比抵抗が基板面内で不均一になると
いう問題が生じる。また近年、摺動部材、金型、切削工
具類、耐摩耗性機械部品、研磨材、磁気・光学部品の如
き各種部材の保護膜として利用されつつあるダイヤモン
ドライクカーボン膜(DLC膜)では、膜の硬度が基板
面内で不均一な分布を持ってしまうという問題も生じる
ことが分かった。
アンバランスドマグネトロンカソードを用いた場合で
も、例えば基板サイズに対してターゲットサイズを極端
に大きくすることにより緩和できるが、この方法では、
装置サイズを極端に大きくしなければならなくなるばか
りでなく、成膜効率も極端に低下するので実用性を欠
く。
ものであって、その目的は、アンバランスドマグネトロ
ンスパッタリングの前述した特長を維持しつつ、また、
通常のスパッタリング手法で用いられるのと実質的に同
等の大きさの基板面内で、均一な膜質を確実に得ること
のできるマグネトロンスパッタリング方法と装置を提供
することにある。
のできた本発明に係るマグネトロンスパッタリング方法
とは、基板上に膜を形成するためのマグネトロンスパッ
タリング方法であって、基板の全面に垂直磁場を作用さ
せてスパッタリングを行なうところに要旨が存在する。
またこの発明を別の観点からみると、基板上に膜を形成
するためのマグネトロンスパッタリング方法であって、
基板を、当該基板面に対し水平な磁場を形成する位置か
ら外してスパッタリングを行なう方法である点において
もその特徴を見出すことができる。
タリングカソードとしては、非平衡な磁場分布を形成す
るアンバランスドマグネトロンスパッタカソードが好ま
しく、またカソード部に配置される永久磁石または電磁
石の磁極数を3極以上とすれば、本発明をより効率よく
遂行し易くなるので好ましい。
よび膜素材に適用することができ、それらの種類は特に
制限されないが、本発明によってもたらされる膜質の均
一化という特徴を有効に活かす意味から、特に透明導電
性薄膜やダイヤモンドライクカーボン薄膜などの形成に
極めて有効である。
置は、上記方法の実施に有効に利用される装置の構成を
特定するもので、第一の構成は基板上に膜を形成するた
めのマグネトロンスパッタリング装置であって、該スパ
ッタリング装置内の基板配置位置が、当該基板の全面に
垂直磁場が形成される位置に設定され、あるいは、該ス
パッタリング装置内における基板配置位置を、水平磁場
形成位置から外れる位置に設定してなるところに特徴を
有している。
トロンカソードでは、ターゲット近傍で生成したプラズ
マを従来のバランスドマグネトロンカソードの様にター
ゲット近傍に収束させるのではなく、カソードからの磁
場のバランスを意図的に崩すことによって基板近傍にま
で拡散させている。このことが、アンバランスドマグネ
トロンスパッタリング法を採用した成膜の特長であるプ
ラズマアシストを可能にしている。
が基板面内で均一に作用しているという保証はなく、こ
のことが、基板面内で膜質が不均一分布を生じる原因に
なっていると考えられる。このことを図2を用いて説明
すると、図2は一軸対称の円形アンバランスドマグネト
ロンカソードにおけるプラズマの拡散状態を示す右半部
模式図であり、プラズマは、ターゲット1上における漏
洩磁場強度の高い図中のA部分で生成され、生成したプ
ラズマは逐次基板2方向へと拡散していく。
薄膜に及ぼすプラズマアシスト効果は、基板2直近から
の高温電子ガスによる加熱効果、あるいは基板バイアス
を基板1に印加してプラズマ中からイオンを引き込み、
基板2を照射しながら成膜されるときのイオン照射効果
であるため、いずれの場合も、基板2直近でのプラズマ
密度が重要になってくると思われる。
ードを用いた従来法を採用したときに、基板面内で膜質
の不均一分布を生じる原因は、この成膜手法を採用する
際に、基板面内でのプラズマアシスト効果を均一にする
為の手だてが講じられていないためと思われ、こうした
膜質の不均一分布を軽減するには、基板近傍でのプラズ
マの密度を可及的に均一化することが必要と思われる。
マ形成状況の確認を含めて更に詳細に検討を進めた。
ドでは、図中のA領域生成したプラズマは、両極性拡散
と呼ばれる拡散により実線矢印で示した磁力線に沿って
基板近傍にまで拡散していくこと、 2)そしてこの図で説明すると、基板近傍までの拡散パス
として、白抜き矢印で示す如く左右の磁力線に沿った拡
散パスが形成され、その結果、プラズマは基板2面上の
B領域に集中的に拡散していくこと、 3)この様なプラズマの集中は、プラズマの拡散が磁力線
に沿って生じるため、磁力線が基板2面上で収束してい
る場所、つまり基板2面内で磁力線が基板面に平行にな
っている場所、換言すると磁場の基板面に垂直な成分が
ゼロになる領域で生じること、 4)従って、基板2面上でこの様な磁力線の収束領域がで
きない様にすれば、プラズマの集中が回避され、基板面
全域で均一なプラズマアシスト効果が得られること が確認された。
もので、基本的には、図2に示した様に、基板2面上で
磁力線の収束領域ができない様にしてプラズマの集中を
回避し、プラズマアシスト効果を基板面全域に均一に作
用させ得るようにしたところにあり、そのための具体的
な手段として、基板の全面に当該基板面に対して垂直な
磁場を作用させることによって、磁場の基板面に垂直な
成分がゼロになる場所を無くし、言い換えると、基板を
当該基板面に対し水平な磁場を形成する位置から外して
スパッタリングを行なえば、上記の様な磁力線の収束領
域ができなくなり、基板全面に亘って均一な皮膜形成が
可能になることを確認したのである。
になる場所をなくし、基板面の全域に当該基板面に対し
て垂直な磁場を確実に作用させには、スパッタリング装
置を構成するカソード、コイルあるいはその他の永久磁
石や電磁石によって生じる磁力に応じて、当該装置内の
基板配設位置を、当該基板面に対し水平な磁場を形成す
る位置から外れる位置に設定すればよい。
ましい具体策としては、 アンバランスドマグネトロンカソードにおけるN極お
よびS極のいずれか一方の磁力を十分に大きくし、且つ
ターゲットと基板間の距離を適切な値に設定し、あるい
は、 磁極の数を通常の2極から3極以上に増加すると共に
それらの磁力を調整し、且つ基板を適切な位置に配設
し、あるいは 付加コイルを使用し、基板に対して垂直方向への磁場
を印加することにより、基板面内における磁場の垂直方
向成分を一定の方向に偏向させる方法などを採用すれば
よい。
側、つまりターゲットに面していない反対側の面に磁石
またはコイルを配置し、基板面内における磁場の垂直方
向成分を一定の方向に偏向させる方法を採用することも
有効である。
ミックスなどからなる基板や膜形成素材(ターゲット
材)を用いて、上記の様に基板面に形成される膜の全面
に亘る膜質を均一にすることができるので、こうした特
長を活かして様々の用途に幅広く有効に活用できる。具
体的には、各種半導体装置、磁気記録媒体あるいは磁気
記録ヘッド、ディスプレーパネル、プリンターヘッドそ
の他の電気・電子部品を加工する際の薄膜形成、あるい
は摺動部材や工具、金型への硬質皮膜の形成、磁気・光
学部品への硬質保護膜の形成などに幅広く活用できる。
陽電池の透明電極用として使用する際に形成される透明
導電性薄膜には、表面全域で均質な導電性を有する薄膜
が求められ、また、各種金型用耐摩耗保護膜、工具用硬
質膜、磁気記録媒体用保護膜などの表面に形成される硬
質皮膜として最近ダイヤモンドライクカーボン薄膜が注
目されており、該薄膜の特長を活かす上でも高い均質性
が求められるが、本発明は、これら透明導電性薄膜やダ
イヤモンドライクカーボン薄膜などの形成に極めて有効
に活用できる。
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に設計を変更して実施することも可能であり、
それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
る)スパッタリングカソードを用いて透明導電性(IT
O:Indium Tin Oxide)薄膜の形成を行なった。UB
Mスパッタリングカソードとしては、図3に示した標準
のUBMカソードである非平衡マグネトロンカソードA
を用いた。図中、1はターゲット、3は鉄ヨーク、4は
銅製バッキングプレート、5はアースシールドであり、
ターゲット1の上方に所定の間隔を空けて配置される基
板は図面に現われていない。またターゲット1の素材と
しては、高密度の焼結ITOターゲットを使用し、成膜
条件は下記の通りとした。
製)、厚さ0.5mm 基板温度:200℃ 基板加熱法:ランプヒーターによる加熱 基板−ターゲット間距離:75mm ターゲットサイズ:直径6インチ、厚さ5mm 成膜パワー:350WDC放電 ITO膜厚:2,000Å。
図7に示す。また、得られたITO膜の比抵抗の測定結
果を図18に示す。これらの図からも明らかな様にこの
実施例では、本発明で必須の要件として定める基板面内
の全領域で垂直磁場が形成されているため、均一な膜質
のITO膜が形成されている。
上記実施例1と同じ条件でITO膜を形成した。従っ
て、使用したUBMカソードは、図3に示した非平衡マ
グネトロンカソードAである。この時の基板上での垂直
磁場の測定結果を図8に、また得られたITO膜の比抵
抗の測定結果を図19に示す。
ポテンシャル分布図からも明らかな様に、カソード磁石
から伸びてくる磁力線の一部が基板面近傍でループを形
成しており、基板面内の中心から半径約23mm離れた
位置付近で磁場の垂直成分がゼロとなり、「基板全面に
垂直磁場を作用させる」という本発明の要件を満たして
いないため、図19に示す如くITO膜の膜質は直径方
向で不均一になっている。
グネトロンカソードAを使用し、ターゲットしては高密
度の焼結カーボンターゲットを用いてダイヤモンドライ
クカーボン(DLC)膜の形成を行なった。成膜条件は
下記の通りとした。
上での垂直磁場は基板面内の半径約23mm付近で磁場
の垂直成分がゼロになる(図14参照)。即ち、磁場の
垂直成分が基板面内でゼロになってしまう領域が存在し
本発明の要件を満たしていないため、図20に示す如く
DLC膜の膜質が不均一になり、基板上での磁場の垂直
成分がゼロである領域でDLC膜の硬度が高くなってい
る。これは、該領域でプラズマ密度が高くなり、基板バ
イアス印加によるイオン照射の作用が強く働いたためと
考えられる。
トロンカソードB(図中の符号1〜5は前記と同じ意
味、符号6は空芯コイルを表わす)を用いた以外は、前
記比較例1と同じ条件でITO膜を形成した。この非平
衡マグネトロンカソードBでは、図4に示す如く、標準
的UBMカソードの外周部に空芯コイル6を配置し、1
0Aのコイル電流によりターゲット1から基板(図4に
おけるターゲット1の上方50mmの位置に配置されて
いる)に向かって一方向の磁場を加えた。この時の基板
上での垂直磁揚の測定結果を図9に、また、得られたI
TO膜の比抵抗の測定結果を図21に示す。
ンシャル分布からも明らかな様に、空芯コイル6からの
磁場を印加することにより磁力線の分布を修正し、基板
2面内での磁場の垂直成分がゼロになる領域を無くして
いるため、ITO膜の膜質不均一が解消されている。
味を表わす)に示す構造の非平衡マグネトロンカソード
Cを使用した以外は、前記比較例1と同じ条件でITO
膜を形成した。この非平衡マグネトロンカソードCで
は、標準的UBMカソードである前記非平衡マグネトロ
ンカソードAにおけるセンター磁極(図3中でSと記載
されている磁極)を小さくする一方、外周側のリング磁
石(図3中でNと記載されている磁極)を大きくしてい
る。この時の基板上での垂直磁場の測定結果を図10
に、また、得られたITO膜の比抵抗の測定結果を図2
2に示す。
は、S,N磁極の大きさ調整によって前記実施例2と同
様に磁力線の分布が修正され、基板面内での磁場の垂直
成分がゼロになる領域を無くすことにより、得られるI
TO膜の膜質不均一が解消されている。
ロンカソードDを用いてITO膜の形成を行なった。成
膜条件は、前記比較例1と同じにした。
標準的UBMカソードである前記非平衡マグネトロンカ
ソードAにおける磁極を、図6に示す如く2極から3極
に変更し、図中の磁石Ma,Mb,Mcとして夫々Sm
・Co磁石、フェライト磁石、Sm・Co磁石を用い
た。また磁極の向きを内側から順にN,S,Nとなる様
に配置した。このカソードを用いたときの基板上での垂
直磁場の測定結果を図11に、また、得られたITO膜
の比抵抗測定結果を図23に示す。
テンシャル分布からも明らかな様に、カソード磁極を3
極に分割し磁石の配置を適正に調整することによって磁
力線の分布が修正され、基板面内での磁場の垂直成分が
ゼロになる領域を無くしているので、得られるITO膜
の膜質不均一が解消されている。
グネトロンカソードDを使用してITO膜の形成を行な
った。成膜条件は、前記比較例1と同じとした。
の磁石Ma,Mb,Mcとして何れもSm・Co磁石を
用いた。また、磁極の向きを内側から順にN,S,Nと
なる様に配置した。このカソードを用いたときの基板上
での垂直磁場の測定結果を図12に、また、得られたI
TO膜の比抵抗測定結果を図24に示す。
テンシャル分布からも明らかな様に、磁石の配置と強度
が適切でないため磁力線の分布が不適当であり、基板面
内で磁場の垂直成分がゼロになる領域が生じている。し
かも、図17からも明らかな様に基板外周側にプラズマ
が拡散してしまうため、ITO膜の膜質が外周側で大幅
に低下している。
比較例2と同じ条件でDLC膜の形成を行なった。この
とき、前記比較例3と同様に基板上での垂直磁場は、図
12に示す如く基板面内の中心から半径約47mm付近
で磁場の垂直成分がゼロになるため、この領域でのプラ
ズマ密度が高くなってDLC膜の硬度が高くなってい
る。即ちこの比較例でも基板面内の全ての領域で垂直磁
場を作用させるという本発明の要件を満たしていないた
め、均一な膜質のDLC膜を形成できない。
グネトロンカソードDを使用し、DLC膜の形成を行な
った。成膜条件は前記比較例2と同一とした。
の磁石Ma,Mb,Mcとして、それぞれSm・Co磁
石、フェライト磁石、フェライト磁石を使用し、また磁
極の向きが内側から順にN,S,Nとなる様に配置し
た。このカソードを用いたときの基板上での垂直磁場の
測定結果を図13に、また得られたDLC薄膜の硬度測
定結果を図26に示す。
ると共に各磁石の配置位置を適正にすることにより、磁
力線の分布がうまく修正されて基板面内での磁場の垂直
成分がゼロになる領域を無くすことができ、得られるD
LC膜の膜質不均一が解消されている。
意の基板表面に、様々の金属や合金、セラミックスなど
からなる膜質の均一な薄膜を確実に得ることができるの
で、透明導電性薄膜やダイヤモンドライクカーボン薄膜
などをはじめとして、各種半導体装置、磁気記録媒体あ
るいは磁気記録ヘッド、ディスプレーパネル、プリンタ
ーヘッドその他の電気・電子部品を加工する際の薄膜形
成、あるいは摺動部材や工具、金型への硬質皮膜の形
成、磁気・光学部品への硬質保護膜の形成などに幅広く
活用できる。
ドを用いたスパッタリング状況を示す模式図である。
ドを用いたスパッタリング時のプラズマの拡散状態を示
す模式図である。
の構造を示す説明図である。
をの構造を示す説明図である。
の構造を示す説明図である。
の構造を示す説明図である。
す図である。
す図である。
す図である。
示す図である。
示す図である。
示す図である。
示す図である。
テンシャル分布を示す図である。
テンシャル分布を示す図である。
テンシャル分布を示す図である。
テンシャル分布を示す図である。
距離と比抵抗の関係を示すグラフである。
距離と比抵抗の関係を示すグラフである。
距離と硬度の関係を示すグラフである。
距離と比抵抗の関係を示すグラフである。
距離と比抵抗の関係を示すグラフである。
距離と比抵抗の関係を示すグラフである。
距離と比抵抗の関係を示すグラフである。
距離と硬度の関係を示すグラフである。
距離と硬度の関係を示すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 基板上に膜を形成するためのマグネトロ
ンスパッタリング方法であって、基板の全面に垂直磁場
を作用させてスパッタリングを行なうことを特徴とする
マグネトロンスパッタリング方法。 - 【請求項2】 基板上に膜を形成するためのマグネトロ
ンスパッタリング方法であって、基板を、当該基板面に
対し水平な磁場を形成する位置から外してスパッタリン
グを行なうことを特徴とするマグネトロンスパッタリン
グ方法。 - 【請求項3】 スパッタリングカソードとして、非平衡
な磁場分布を形成するアンバランスドマグネトロンスパ
ッタカソードを使用する請求項1または2に記載のマグ
ネトロンスパッタリング方法。 - 【請求項4】 カソード部に配置される永久磁石または
電磁石の磁極数を3極以上とする請求項3に記載のマグ
ネトロンスパッタリング方法。 - 【請求項5】 膜が透明導電性薄膜である請求項1〜4
のいずれかに記載の方マグネトロンスパッタリング方
法。 - 【請求項6】 膜がダイヤモンドライクカーボン薄膜で
ある請求項1〜5のいずれかに記載のマグネトロンスパ
ッタリング方法。 - 【請求項7】 基板上に膜を形成するためのマグネトロ
ンスパッタリング装置であって、該スパッタリング装置
内の基板配置位置が、当該基板の全面に垂直磁場が形成
される位置に設定されていることを特徴とするマグネト
ロンスパッタリング装置。 - 【請求項8】 基板上に膜を形成するためのマグネトロ
ンスパッタリング装置であって、該スパッタリング装置
内における基板配置位置が、水平磁場形成位置から外れ
る位置に設定されていることを特徴とするマグネトロン
スパッタリング装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP08938899A JP3766762B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | マグネトロンスパッタリング方法および装置 |
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ID=13969289
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