JP6746921B2 - 歩行補助器 - Google Patents
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Description
また、歩行補助器の操作ハンドルには、力センサが搭載されており、操作ハンドルを押したときあるいは引いたときにかかる力の大きさ及び向きを力センサによって検知し、歩行補助器の移動速度と移動方向とを制御するようにしている。
特許文献1に示す電動アシスト台車は、左右一対の後輪に補助動力を与える左右の電動アシスト用駆動手段と、台車部と握りバーとの間に介在された左右の変形回復部材としてのプレート部材と、左右のプレート部材の各々に取り付けられた左右の力センサとしての歪みゲージセンサと、歪みゲージセンサの出力信号に応じて左右のモータを各々制御するマイクロコンピュータとを備えている。
特許文献2に示すパワーアシスト台車は、操作部に加えられた操作力の大きさと向きを計測する力センサとしての操作力計測手段と、車本体に設けられた障害物センサと、障害物センサの検知出力に基づいて障害物までの距離と障害物の方向を計測する距離計測手段と、距離計測手段が計測した障害物までの距離と方向から、車本体をその障害物から話すための仮想斥力の大きさと向きを演算する演算手段と、車本体の走行をアシストする駆動源と、操作力計測手段が計測した操作力の大きさ及び向きと、演算手段が演算した仮想斥力の大きさ及び向きの合力からアシスト力を算出するアシスト力算出手段と、アシスト力算出手段が算出したアシスト力に基づいて駆動源の駆動力を制御する駆動力制御手段とを具備している。
特許文献3に示す荷物運搬台車は、荷台を前方側及び後方側のそれぞれ一対の車輪を介して走行自在に支持すると共に、操作ハンドルを介して走行させる荷物運搬台車において、操作ハンドルを介して作用する加重の変化を検出する力センサとしての操作力検出手段を取り付け、操作力検出手段での検出信号に基づいて走行用モータを正転又は逆転させるようにしている。
即ち、特許文献1に示す電動アシスト台車の場合、力センサによってハンドル操作部を押したとき及び引いたときに作用する力の大きさ及び向きを検出することができるが、力センサが歪みゲージセンサで構成され、その歪みゲージセンサが台車部から延びるハドル操作部の一部を構成するプレート部材に取り付けされている。このため、歪みゲージゼンサに大きな負荷がかかった場合に当該歪みゲージセンサが大きな負荷に耐えられない。また、ハンドル操作部を、電動アシスト台車を使用しないときに折り畳むことができない。
更に、特許文献3に示す荷物運搬台車の場合、操作力検出手段としてシリンダを有する圧力センサを用いているため、力センサ自体の構造が複雑であるばかりでなく、圧力センサを荷物運搬台車に取り付ける構造が複雑になる。
図1乃至図3には、本発明に係る歩行補助器の実施形態が示されており、歩行補助器1は、電動モータ40によって駆動される駆動輪23及び左右一対の前側従動輪21L,21R、後側従動輪22L,22Rを備えた車体本体10と、車体本体10に取り付けられた操作ハンドル50と、操作ハンドル50に設けられた力センサ80と、カバー91と、荷物収納体92とを備えている。
ここで、メインフレーム60は、図1乃至図6に示す起立位置と、図7に示す折り畳み位置との間を回転可能に、車体本体10に対して取り付けられている。また、メインフレーム60は、メインフレーム60を起立位置及び折り畳み位置の双方で車体本体10にロックするロック機構51によって車体本体10に取り付けられている。メインフレーム60は、図4及び図5に示すように、車体本体10左右幅方向に延びる力センサ第1取付部61と、起立位置にある状態で、力センサ第1取付部61の左右幅方向両端から下方に延びる一対の脚部62とを備えている。各脚部62は、力センサ第1取付部61の幅方向端部から鉛直下方に延びる第1直線状部62aと、第1直線状部62aの下端から前方(図5における左方)に延びる前方延出部62bと、前方延出部62bの前端から下方に延びる第2直線状部62cとを備えている。また、メインフレーム60は、車体本体10の左右幅方向に延び、その左右幅方向の両端部が脚部62の第1直線状部62aに連結された力センサ第2取付部63を備えている。力センサ第1取付部61と力センサ第2取付部63との上下方向の間の間隔は、取り付ける力センサ80によって適宜決定される。
各ロック機構51は、図8に詳細に示されており(図8においては左右幅方向右側のロック機構のみ図示)、車体本体10の後側連結部13上に設けられた操作ハンドル取付部15の左右幅方向端部上に設置されている。各ロック機構51は、2枚の支持板52a,52bを左右幅方向に所定間隔をおいて配置し、それら2枚の支持板52a,52bを支持板固定部53によって操作ハンドル取付部15上に固定している。そして、各脚部62の各第2直線状部62cは、2枚の支持板52a,52b間に配置され、2枚の支持板52a,52bに固定される固定軸54を中心に回転可能に取り付けられている。また、2枚の支持板52a,52bの固定軸54よりも後方(図8における斜め右方)かつ下方には、お互いが対向する位置に上下方向に延びる長穴55が形成されている。そして、これら長穴55には、車体本体10の左右幅方向に延びるストッパ軸56の両端が入り込んでいる。ストッパ軸56の両端近傍には、図8に示すように、Cリング56aが固定され、これらCリング56aによってストッパ軸56の軸方向の抜け止めをしている。従って、ストッパ軸56は、Cリング56aによって軸方向の抜け止めをしつつ、長穴55内を上下方向に移動可能となっている。また、左右幅方向外側の支持板52aの後端上部には、ばね用支軸57が幅方向外側に突出するように設けられている。そして、ばね用支軸57には引張ばね58の一端が支持され、ストッパ軸56の端部には引張ばね58の他端が支持されている。従って、車体本体10の左右幅方向両端にある一対の引張ばね58の引張力によりストッパ軸56は、常時、上方向に付勢されている。
図11(A)に示すように、メインフレーム60がロック機構51によって起立位置にロックされる場合、ストッパ軸56の両端が上方向に付勢されていて長穴55の最上端に位置している。そして、メインフレーム60の第2直線状部62cの前方向(図11(B)における矢印f方向)の回転は、第2直線状部62cの下端がストッパ軸56に当接して阻止される。一方、メインフレーム60の第2直線状部62cの後方向への回転は、第2直線状部62cの下端が図8に示す支持板固定部53に当接して阻止される。
そして、図11(C)に示すように、メインフレーム60を前方向に回転させて折り畳み位置になると、ストッパ軸56が引張ばね58の付勢力によって長穴55の最上端にまで移動する。これにより、メインフレーム60の第2直線状部62cの後方向への回転は、第2直線状部62cの下端がストッパ軸62に当接して阻止され、メインフレーム60がロック機構51によって折り畳み位置にロックされる。
なお、サブフレーム70は、図10に示すように、サブフレーム70の各脚部72をメインフレーム60と一体に構成し、各脚部72のメインフレーム60との接続部分の近傍に幅狭部72aを形成するようにしてもよい。これにより、サブフレーム70の各脚部72がメインフレーム60の各第2直線状部62cに対して幅狭部72aを中心に前方向及び後方向に回転可能となる。
また、歩行補助器1は、図12に示すように、力センサ80の出力信号に基づいて電動モータ40の駆動を制御する制御部100を備えている。制御部100は、力センサ80の出力信号を増幅する増幅部101と、増幅部101で増幅された出力信号に応じて電動モータ40の出力軸のない回転方向及び回転速度を制御するモータ制御部102とを備えている。制御部100は、増幅回路、ゲート駆動回路及びパワー半導体素子等を実装した回路基板(図示せず)を有する。そして、この回路基板は、制御ボックス93内に収容される。
先ず、歩行補助器1を使用する場合には、操作者は、操作ハンドル50のメインフレーム60を、図13(A)に示すように、起立位置にし、メインフレーム60をロック機構51により車体本体1に対してロックしておく。これにより、メインフレーム60とともにサブフレーム70も車体本体10に対して垂直の状態になる。
そして、図13(A)に示すように、前進時に操作者がサブフレーム70の操作部71を矢印Fで示す前方に押すと、サブフレーム70はその押す力に応じて支軸74を中心に前方に回転し、力センサ80のロードボタン82が引っ張られ、力センサ80の起歪体が伸長する方向に歪む。
なお、モータ制御部102が読み込んだ出力信号の大きさが閾値以下の場合には、モータ制御部102は、電動モータ40の出力軸を回転させない。
このとき、サブフレーム70を引く力である起歪体の歪み量とプラスの符号とが力センサ80の出力信号として制御部100の増幅部101に送られる。増幅部101は、その出力信号を増幅し、モータ制御部102に送る。モータ制御部102では、先ず、その出力信号を読み込み、次に、読み込んだ出力信号の大きさが前述の閾値よりも大きいか否かを判定する。そして、読み込んだ出力信号の大きさが閾値よりも大きい場合には、モータ制御部102は、電動モータ40の出力軸をその出力信号の大きさに応じた回転速度で逆転(図13(B)における矢印bの方向)させる。これにより、減速ギヤボックス41内の減速ギヤによって電動モータ40の出力軸の回転速度が減速されて駆動輪23が矢印bで示す方向に逆転し、歩行補助器1後退する。
なお、モータ制御部102が読み込んだ出力信号の大きさが閾値以下の場合には、モータ制御部102は、電動モータ40の出力軸を回転させない。
また、力センサ80は、ロードセルで構成されているので、機器の小型化を図り、重量を軽量化することができる。また、力センサ80として圧力センサを用いる場合のような油漏れの心配はない。
また、メインフレーム60は、メインフレーム60を起立位置及び折り畳み位置の双方で車体本体10にロックするロック機構51によって車体本体10に取り付けられているので、メインフレーム60を起立位置及び折り畳み位置の双方で車体本体10にロックすることができる。
これに対して、本実施形態のように、操作ハンドル50に力センサ80を設ける場合、操作ハンドル50(メインフレーム60)と車体本体10の取り付け部分のがたはもちろんあるが、操作ハンドル50を構成するメインフレーム60とサブフレーム70が一体となって当該がた分だけ移動するため、力センサ80のストロークは小さくて済む。
また、操作ハンドル50をメインフレーム60のみで構成すると、メインフレーム60に加わる力を力センサによって直接測定することになるが、その場合、「歪みゲージ等を用いてメインフレーム60の曲げ歪みを測定する」、「メインフレーム60のグリップ部に力センサを組み込んで操作者の手から伝わる力を測定する」などの方法を用いることになる。歪みゲージを用いる場合には、メインフレーム60への接着工程が必要になり、生産性が低い(接着剤の硬化時間が必要になる)。また、接着剤の経時劣化による歪みゲージの剥がれが問題となる。一方、メインフレーム60のグリップ部に力センサを組み込む場合には、かなり小型の力センサが必要になりセンサの選択肢が限定されるといった問題がある。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、力センサ80は、ロードセルではなく、光学式の力センサ(発光素子と受光素子との間の距離を測定するもの)を用いてもよい。
1 歩行補助器
10 車体本体
21L,21R 前側従動輪(従動輪)
22L,22R 後側従動輪(従動輪)
40 電動モータ
50 操作ハンドル
51 ロック機構
60 メインフレーム
70 サブフレーム
71 操作部
80 力センサ
81 ロードセルの本体
82 ロードセルのロードボタン
100 制御部
40 電動モータ
Claims (3)
- 電動モータによって駆動される駆動輪及び従動輪を備えた車体本体と、該車体本体に取り付けられた操作ハンドルと、該操作ハンドルに設けられ、前記操作ハンドルを前方向に押したとき及び後方向に引いたときに作用する力の大きさ及び向きを検出する力センサと、該力センサの出力信号に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御部とを備え、
前記操作ハンドルは、前記車体本体に対して、起立位置と折り畳み位置との間を回転可能に取り付けられたメインフレームと、該メインフレームに対して前記前方向及び前記後方向に回転可能に取り付けられ、操作者が操作する操作部を有するサブフレームとを備え、
前記メインフレームは、前記車体本体の左右幅方向に延びる力センサ第1取付部と、起立位置にある状態で、前記力センサ第1取付部の左右幅方向両端部から下方に延びる一対のメインフレーム側の脚部と、前記車体本体の左右幅方向に延び、その左右幅方向の両端部が前記一対のメインフレーム側の脚部に連結された力センサ第2取付部とを備え、
前記サブフレームは、前記車体本体の左右幅方向に延びる前記操作部と、前記メインフレームが起立位置にある状態で、前記操作部の左右幅方向両端部から下方に延びる一対のサブフレーム側の脚部と、前記車体本体の左右幅方向に延び、その左右幅方向の両端部が前記一対のサブフレーム側の脚部に連結された力センサ連結部とを備え、
前記力センサは、前記メインフレームの前記力センサ第1取付部及び前記力センサ第2取付部に取り付けられるとともに、前記サブフレームの前記力センサ連結部に連結されていることを特徴とする歩行補助器。 - 前記メインフレームは、該メインフレームを前記起立位置及び前記折り畳み位置の双方で前記車体本体にロックするロック機構によって前記車体本体に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の歩行補助器。
- 前記力センサは、ロードセルによって構成され、該ロードセルの本体側が前記メインフレームに固定され、前記ロードセルのロードボタン側が前記サブフレームに連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歩行補助器。
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