JP6746363B2 - アルミニウム塗装材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム基材に透明塗料で塗装されたアルミニウム塗装材およびその関連技術に関する。
なお、本明細書において、「アルミニウム」の語は、AlおよびAl合金を含む意味で用いる。
アルミニウムは軽量で加工性および耐食性に優れていることから、車両、建材、家庭用品等の広範囲で用いられている。また、アルミニウムは美しい金属光沢を有していることから、アルミニウム素地を外観に現して使用されることがある。このような金属光沢を生かしたアルミニウム材として、陽極酸化皮膜を形成して耐食性を高め、さらにクリア樹脂で塗装したアルミニウム塗装材が知られている(特許文献1、2参照)。
上記文献においては、陽極酸化皮膜と樹脂塗膜との密着性を高めるために、陽極酸化皮膜の微細孔を処理した上で透明塗料で塗装することが提案されている。特許文献1には、陽極酸化皮膜の微細孔処理方法として、pH5.5〜8の処理浴で中和処理して微細孔内に残留した酸を除去し、湯洗後に強制乾燥する処理が記載されている。特許文献2には、70℃〜80℃の高圧蒸気または熱湯で湯洗処理して微細孔の孔径を10nm〜30nmに半封する封孔処理が記載されている。
また、特許文献3においては、陽極酸化処理による下地処理を行うことなく、アルミニウム材の表面を酸またはアルカリで洗浄して接触角が30°以下になるように処理した上でシリコン元素を含む塗料で塗装すると高い密着性が得られることが記載されている。
特開2003−3295号公報(請求項1、段落番号0011〜0013) 特開2006−111894号公報(段落番号0015、0016) 特開2004−283824号公報(請求項1、段落番号0011)
しかし、特許文献1、2に記載された方法で陽極酸化皮膜を処理しても塗膜の密着性は十分ではない。
しかも、特許文献1の中和処理および特許文献2の半封処理を実施するための設備が必要であるから既存の設備の変更や追加が必要である。特に特許文献2の半封処理では規定範囲内の孔径に半封するための条件設定が必要であり、処理後にも半封した微細孔の孔径管理が必要である。また、陽極酸化皮膜の微細孔は通常の環境下で自然封孔するので、ねらいどおりの孔径で塗装するには陽極酸化処理工程と塗装工程を分離することができない。そのため、工場内の工程設計やレイアウト設計に大きな制約を受ける。
特許文献3のシリコン元素含有塗料による塗装は陽極酸化皮膜の無いアルミニウム材の塗装であるため、屋外で使用される自動車のルーフレール等のように耐食性が求められる用途には適さない。また、酸処理やアルカリ処理によって表面の接触角を30°以下に調整しても自然環境下で放置すると接触角が上昇するので、高い密着性を得るには接触角調整後直ぐに塗装しなければならない。そのため、工場内の工程設計やレイアウト設計に大きな制約を受ける。
本発明は、上記の背景技術に鑑み、陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム基材に対して密着性の高い透明塗膜を簡単な工程で形成する方法を提供する。
即ち、本発明は下記の[1]〜[10]に記載の構成を有する。
[1]アルミニウム基材の表面に陽極酸化皮膜を有し、該陽極酸化皮膜がアクリル樹脂およびシランカップリング剤を含有する透明塗膜で被覆されていることを特徴とするアルミニウム塗装材。
[2]前記シランカップリング剤は有機官能性基に炭素原子間の二重結合を有している前項1に記載のアルミニウム塗装材。
[3]前記有機官能性基がメタクリル基である前項2に記載のアルミニウム塗装材。
[4]前記透明塗膜は、アクリル樹脂とシランカップリング剤とを重量比で50:50〜95:5の割合で含有している前項1〜3のうちのいずれか1項に記載のアルミニウム塗装材。
[5]前記アルミニウム塗装材は車両のルーフパネルの外面に取り付けられるルーフレール材である前項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム塗装材。
[6]アルミニウム基材の表面に陽極酸化処理を施して陽極酸化皮膜を形成する陽極酸化処理工程と、
前記陽極酸化皮膜の表面にアクリル樹脂およびシランカップリング剤を含有する塗料組成物を塗布して透明塗膜を形成する塗装工程と
を行うことを特徴とするアルミニウム塗装材の製造方法。
[7]前記陽極酸化処理工程に続いて陽極酸化皮膜の封孔処理を行い、その後に塗装工程を行う前項6項に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
[8]前記封孔処理は水和封孔処理である前項7に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
[9]前記塗装工程において、アクリル樹脂とシランカップリング剤とが共重合した塗料組成物をアルミニウム基材に塗布する前項6〜8のうちのいずれか1項に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
[10]前記塗料組成物は、さらに硬化触媒を含有する前項6〜9のうちのいずれか1項に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
[1]に記載のアルミニウム塗装材は、透明塗膜に含まれるシランカップリング剤がアクリル樹脂とアルミニウム基材の陽極酸化皮膜の両方と結合しているので、アルミニウム基材に対する透明塗膜の密着性が高い。また、アクリル樹脂を用いたことにより耐候性が良い。
[2]に記載のアルミニウム塗装材は、シランカップリング剤が有機官能性基に炭素原子間の二重結合を有し、アクリル樹脂モノマーとシランカップリング剤とが共重合し易いので透明塗膜の強度が高い。
[3]に記載のアルミニウム塗装材は、シランカップリング剤の有機官能性基がメタクリル基であり、アクリル樹脂モノマーとシランカップリング剤とが共重合し易いので透明塗膜の強度が高い。
[4]に記載のアルミニウム塗装材は、透明塗膜を構成するアクリル樹脂とシランカップリング剤の配合比率により高い密着性が得られる。
[5]に記載のアルミニウム塗装材は、ルーフレール材において上記の効果が得られる。
[6]に記載のアルミニウム塗装材の製造方法によれば、塗料組成物に含まれるシランカップリング剤がアクリル樹脂とアルミニウム基材の陽極酸化皮膜の両方と結合するので。密着性の高い透明塗膜を形成することができる。高い密着性は塗料組成物の組成によるものであるから、既存の設備の変更や追加を必要としない。
[7]に記載のアルミニウム塗装材の製造方法によれば、封孔処理がなされた陽極酸化皮膜に塗料組成物を塗布するので、陽極酸化皮膜の耐食性が向上する。また、封孔によって防汚性が向上するので、搬送時や保管時の汚損を防ぐことができる。このため、工場内において陽極酸化処理工程および封孔処理工程と塗装工程とを分離したレイアウト設計や工程設計が可能である。また、封孔処理で陽極酸化皮膜の防汚性が向上したことによって外観品質の良い塗装材を安定して製造することができる。
[8]に記載のアルミニウム塗装材の製造方法によれば、水和封孔処理によって陽極酸化皮膜表面にアルミナ水和物を形成して水酸基を豊富に存在させ、これらの水酸基が塗料組成物に含まれるシランカップリング剤の加水分解性基と結合することによって透明塗膜の密着性を向上させることができる。
[9]に記載のアルミニウム塗装材の製造方法によれば、アクリル樹脂とシランカップリング剤とが共重合した塗料組成物をアルミニウム基材に塗布することで、塗装後は短時間で塗膜強度が得られ、一度の塗装、あるいは少ない塗装回数装で所期する塗膜強度を得ることができる。
[10]に記載のアルミニウム塗装材の製造方法によれば、塗料組成物に硬化触媒が配合されているので、塗布した透明塗膜の硬化が促進される。
アルミニウム塗装材の断面図である。 実施例のアルミニウム基材として用いたルーフレール材の断面図である 曲げ加工したルーフレール材の曲げ量を示す説明図である。
図1に示すように、本発明のアルミニウム塗装材1は、アルミニウム基材11の表面に陽極酸化皮膜12を有し、陽極酸化皮膜12は透明塗膜13に覆われている。以下に、前記アルミニウム塗装材1の製造方法について材料とともに詳述する。
[アルミニウム基材]
アルミニウム基材11の組成は限定されず、純アルミニウムおよび各種アルミニウム合金を用いることができる。また、アルミニウム基材11の形状も限定されない。アルミニウムは成形性が良好であることから、押出材や押出材に曲げ加工等の塑性加工を施したアルミニウム基材を用いることも好ましい。例えば、車両のルーフパネルに取り付けられるルーフレール材の作製には、強度と成形性の観点から6000系アルミニウム合金の中空押出材をルーフパネルの曲面に沿うように曲げ加工したアルミニウム基材が好ましく用いられる。
また、押出材は表面平滑性が必ずしも高くないので、陽極酸化処理前に、研磨して光沢度を高めておくことで美しい金属光沢をもつアルミニウム塗装材1を作製できる。研磨方法は限定されず、バフ研磨、化学研磨、電解研磨等周知の方法により行い、2種以上の方法を組み合わせて研磨しても良い。
[陽極酸化処理工程]
上記のアルミニウム基材11に対して、要すれば洗浄し、その後陽極酸化処理を行う。陽極酸化処理条件は限定されず、アルミニウム塗装材1の用途に応じて適宜設定する。例えば、鉛板、黒鉛板等を陰極とし、電解液として硫酸、シュウ酸、クロム酸、リン酸、あるいは混合酸液等を用いて直流またはパルス波形にて電気分解を行い、電解後は水で洗浄する。前記陽極酸化皮膜12の厚さにも制限はなく、アルミニウム塗装材1の用途に応じて適宜設定する。例えば、耐食性が求められる自動車用ルーフレールでは厚さ5μm〜20μmの皮膜を形成することが好ましい。
[封孔処理]
陽極酸化処理後の皮膜組織は表面に開口する微細孔を有しているので、封孔処理を行って微細孔の開口部を閉じることが好ましい。陽極酸化皮膜12の微細孔を閉じることにより、陽極酸化皮膜12の強度が耐食性、耐酸性を向上させることができる。また、封孔により防汚性が向上するので、未塗装材の保管時や搬送時の汚損を防ぐことができる。このため、前記封孔処理は陽極酸化処理工程に続いて行い、未封孔処理材の移動時間および移動距離をできる限り短くすることが好ましい。
封孔処理方法は限定されないが、加圧水蒸気処理、沸騰処理、クロム酸塩処理、ニッケル塩処理等の水和封孔処理が好ましい。金属塩処理の場合は処理後に水洗する。前記封孔処理により陽極酸化皮膜12表面にベーマイト、バイヤライトといったアルミナ水和物を形成して水酸基が豊富に存在すると、これらの水酸基が塗料組成物に含まれるシランカップリング剤の加水分解性基Xと結合して透明塗膜13の密着性が向上する。
上記の封孔処理は周知の処理であり、微細孔の孔径を規定範囲に半封するといった特殊な条件設定を行う必要はない。
[塗装工程]
陽極酸化皮膜12を形成したアルミニウム基材11に塗布する塗料組成物はアクリル樹脂およびシランカップリング剤を含有している。
アクリル樹脂は透明であり、かつ耐候性が優れている。
シランカップリング剤は、樹脂等の有機物に対して反応性の高い有機官能性基Rと、金属等の無機物に対して親和性の高い加水分解性基Xとを有し、一般式:R−SiXで表される。前記樹脂にシランカップリング剤を添加することで、有機官能性基Rがアクリル樹脂に結合する一方で加水分解性基Xと陽極酸化皮膜13の水酸基とが結合し、陽極酸化皮膜12に対して高い密着性を有する透明塗膜13が形成される。
前記シランカップリング剤は、有機官能性基Rとして、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、グリジドキシ基、メルカプト基等と有していることが好ましく、特に炭素原子間の二重結合(C=C)を有する基が好ましい。アクリル樹脂モノマーとシランカップリング剤が共重合すると高強度の透明塗膜13が形成されるが、有機官能性基Rに二重結合(C=C)を有していると共重合し易いので、強度の高い透明塗膜13を得やすい。炭素原子間の二重結合を有する有機官能性基Rとしてメタクリル基を推奨できる。メタクリル基は、アクリル樹脂モノマーのメタクリル酸メチルやメタクリル酸ブチルと共重合し易いので強度の高い透明塗膜13を形成することができる。また、加水分解性基Xとして塩素、エトキシ基やメトキシ基等のアルコキシ基を例示できる。以上の条件を満たすシランカップリング剤としてγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシランを挙げることができ、汎用性が高く入手が容易である点でも推奨できる。
塗料組成物中のアクリル樹脂とシランカップリング剤との配合比率は、重量比でアクリル樹脂:シランカップリング剤=50:50〜95:5の範囲が好ましい。50:50よりもアクリル樹脂が少なくなると透明塗膜の耐薬品性が低下し、浸透した酸やアルカリが、陽極酸化被膜を変質させ、外観を劣化させることになり、95:5よりもシランカップリング剤が少なくなると陽極酸化皮膜12に対する密着性向上効果が小さくなる。特に好ましいアクリル樹脂とシランカップリング剤の配合比率は60:40〜80:20である。
また、塗料組成物には、塗膜の特性を損なわない限り他の成分を配合することができる。例えば、塗布した塗料組成物の促進するために硬化触媒を配合することが好ましい。前記硬化触媒は金属元素を含む触媒が好ましく、陽極酸化皮膜12中のアルミニウムと親和性の良いアルミニウム(III)アセチルアセナート等のアルミニウムキレート化合物を推奨できる。硬化触媒の配合量は、樹脂およびシランカップリング剤の合計量に対し質量比で60:40〜95:5が好ましく、さらに75:25〜85:15が好ましい。
塗装に供する塗料組成物は、塗装の直前にアクリル樹脂とシランカップリング剤とを混合して調製することも、あらかじめ樹脂モノマーとシランカップリング剤を混合して共重合させておき共重合物として調製することもできる。前者の塗料組成物は塗装後にアクリル樹脂とシランカップリング剤とが共重合して徐々に塗膜強度が発現する。後者の塗料組成物は既に共重合しているので塗装後は短時間で塗膜強度が得られ、一度の塗装、あるいは前者の塗料組成物よりも少ない塗装回数装で所期する塗膜強度を得ることができる。
これらは、希釈溶剤に溶かして液状で塗装に使用されるが、希釈溶剤としてはプロピレングリコール類が好ましく、具体的にはプロピレングルコールモノメチルエーテルやプロピレングリコールモノエチルエーテル等が例示できるが、塗料やインキ用途であれば、これに限られない。
前記塗料組成物の塗布方法は限定されず、電着塗装、スプレー塗装等の方法で行う。塗装後、要すれば焼付けて乾燥させる。乾燥後の透明塗膜13の厚さは1μm〜10μmの範囲が好ましく、さらに2〜8μmの範囲が好ましい。
本発明のアルミニウム塗装材の製造方法は、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム基材にシランカップリング剤を配合した塗料組成物を塗布することで密着性の高い透明塗膜を形成することができる。高い密着性は塗料組成物の組成によるものであるから、既存の設備の変更や追加を必要としない。また、陽極酸化皮膜を封孔することで陽極酸化皮膜の防汚性が向上するので、搬送時や保管時の汚損を防ぐことができる。このため、工場内において陽極酸化処理工程および封孔処理工程と塗装工程とを分離したレイアウト設計や工程設計が可能である。また、透明塗膜による塗装材では塗装前の下地が透けて見えるので陽極酸化皮膜の外観は塗装材の外観品質を左右する要因であるが、封孔処理で陽極酸化皮膜の防汚性が向上したことによって外観品質の良い塗装材を安定して製造することができる。
A6063を用い、図2に示す断面台形の中空のルーフレール材11を押出成形した。前記ルーフレール材11は200℃×3時間のエージング後に長さ2,000mmに切断し、図3に示すように、曲げ量W60mmの曲げ加工を施し、さらに全外周面をバフ研磨し、さらに化学研磨し、これを各例共通のアルミニウム基材11とした。
前記アルミニウム基材11に陽極酸化処理を施して膜厚10μmの陽極酸化皮膜12を形成した。この陽極酸化処理の処理条件は、電解浴組成:180g/L硫酸水溶液、浴温:20℃、電流密度:1.0A/dm、電解時間:30分である。その後アルミニウム基材11を水洗し、続いて80℃の温水浸漬により封孔処理を行った。
陽極酸化皮膜12を封孔したアルミニウム基材11に対し、以下の塗装を行った。
(実施例1〜4)
塗料組成物は、アクリル樹脂とシランカップリング剤のγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシランとを表1に示す割合で配合し、さらに硬化触媒としてアルミニウム(III)アセチルアセナートを樹脂およびシランカップリング剤の合計重量に対して1/4の量を加えて調製した。
これらはプロピレングリコールモノエチルエーテルとプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶かし、液状で用いられ、プロピレングリコールモノエチルエーテル:プロピレングリコールモノメチルエーテル:シランカップリング剤を含むアクリル樹脂を5:2:3の重量比で調整した。
アルミニウム基材11に前記塗料組成物を静電スプレー法により塗装し、150℃で20分間焼き付けて図1に参照されるアルミニウム塗装材1を作製した。焼き付け後の透明塗膜13の厚さは表1に示すとおりである。
(比較例1)
塗料組成物にシランカップリング剤を配合しなかったこと以外は実施例1〜4と同じ方法で透明塗膜13を形成し、アルミニウム塗装材1を作製した。
(密着性)
アルミニウム塗装材1を50℃の温水に240時間浸漬した後に、透明塗膜13に1mm間隔の切り込みを縦横に入れて100マスの碁盤目を形成し、セロハン粘着テープを貼り付けた後、テープを引き剥がし、剥がれなかったマス目の数で評価した。
(塗膜強度)
JISK5600−5−4に準拠する方法で鉛筆硬度試験を行い、これを塗膜強度とした。
Figure 0006746363
表1より、塗料組成物にシランカップリング剤を配合することにより密着性および強度の高い透明塗膜を形成できることを確認した。
本発明は、アルミニウムの金属光沢が外観に表されたアルミニウム塗装材の製造に適用できる。
1…アルミニウム塗装材
11…アルミニウム基材(ルーフレール材)
12…陽極酸化皮膜
13…透明塗膜

Claims (7)

  1. アルミニウム基材の表面に陽極酸化皮膜を有し、該陽極酸化皮膜がアクリル樹脂および、有機官能性基がメタクリル基であるシランカップリング剤を含有する透明塗膜で被覆され
    前記透明塗膜は、アクリル樹脂とシランカップリング剤とを重量比で60:40〜80:20の割合で含有していることを特徴とするアルミニウム塗装材。
  2. 前記アルミニウム塗装材は車両のルーフパネルの外面に取り付けられるルーフレール材である請求項に記載のアルミニウム塗装材。
  3. アルミニウム基材の表面に陽極酸化処理を施して陽極酸化皮膜を形成する陽極酸化処理工程と、
    前記陽極酸化皮膜の表面にアクリル樹脂および、有機官能性基がメタクリル基であるシランカップリング剤を重量比で60:40〜80:20の割合で含有する塗料組成物を塗布して透明塗膜を形成する塗装工程と
    を行うことを特徴とするアルミニウム塗装材の製造方法。
  4. 前記陽極酸化処理工程に続いて陽極酸化皮膜の封孔処理を行い、その後に塗装工程を行う請求項に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
  5. 前記封孔処理は水和封孔処理である請求項に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
  6. 前記塗装工程において、アクリル樹脂とシランカップリング剤とが共重合した塗料組成物をアルミニウム基材に塗布する請求項3〜5のうちのいずれか1項に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
  7. 前記塗料組成物は、さらに硬化触媒を含有する請求項3〜6のうちのいずれか1項に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
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