JP6746241B2 - 赤身肉の品質保持剤、赤身肉の品質保持方法、及び赤身肉の品質保持剤の製造のためのニゲロオリゴ糖の使用 - Google Patents

赤身肉の品質保持剤、赤身肉の品質保持方法、及び赤身肉の品質保持剤の製造のためのニゲロオリゴ糖の使用 Download PDF

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本発明は、赤身肉の品質保持剤、赤身肉の品質保持方法、及び赤身肉の品質保持剤の製造のためのニゲロオリゴ糖の使用に関する。
鮪や鰹等の魚肉や、牛肉、豚肉、鶏肉、馬肉、羊肉、家禽類、野禽類等の畜肉は、時間経過とともに鮮赤色から徐々に変色(褐変)していく。この変色の原因は、主にミオグロビンと呼ばれる筋肉内で酸素を貯蔵する役割を持つ色素蛋白質である。ミオグロビンは、枝肉の新鮮な切り口や肉塊の中では暗赤色の還元型ミオグロビンの状態であり、この新鮮な肉を空気にさらすと、還元型ミオグロビンが空気中の酸素と容易に結合して、15〜30分ほどで鮮紅色のオキシミオグロビンになる。この色が消費者に最も好まれる肉の色であるが、更に、長時間空気にさらすと、オキシミオグロビンが酸化されて、褐色のメトミオグロビンに変わる。ミオグロビンのうち30〜40%以上がメトミオグロビンに酸化されると肉の変色が目に見えて分かり、この肉の変色は肉質の低下の目安として判断され、腐敗していなくても消費者の購買意欲はなくなり、生肉としての商品価値は著しく低下する。
そのため、生鮮肉の流通に際しては、この変色を効果的に防止することが望まれており、その変色抑制方法として、例えば、特許文献1には、赤身食肉にロイコアントシアニジン又はプロアントシアニジンを作用させることを特徴とする食肉の色調安定化法が記載されている。また、特許文献2には、トレハロース及び無機塩を含むことを特徴とする食肉のメト化抑制剤が記載されている。また、特許文献3には、ミオグロビン含有生食用赤身魚肉を、還元剤(アスコルビン酸又はエリソルビン酸)を含有する状態で、酸素難透過性包装材料を用いて密封包装した後、冷凍処理することで、解凍後、好ましい鮮紅色の肉食を呈することが記載されている。また、特許文献4には、エノキタケ抽出物を含有する、赤身魚肉若しくは畜肉またはこれらの加工品の変色防止剤が記載されている。また、特許文献5には、アスコルビン酸又はアスコルビン酸ナトリウム、フェルラ酸、pH調整剤の3成分を有効成分として含有することを特徴とする魚肉の退色及び/又は変色抑制剤が記載されている。また、特許文献6には、食肉又は食肉加工品をイミダゾール環含有化合物とメトミオグロビン還元酵素で処理する工程を含む、色調改善方法が記載されている。
更に以下の特許文献においては、特定の成分を配合した飼料を用いることで、肉類の変色を防止することが記載されている。例えば、特許文献7には、ビタミンE及びビタミンCを配合した飼料を給餌することを特徴とするブリ類あるいはタイ類の肉色改善方法が記載されている。また、特許文献8には、アスタキサンチン及びγ-オリザノールを配合した飼料でブリ類を飼育することで血合い肉の変色を防止することが記載されている。また、特許文献9には、ホップ抽出残渣を配合した魚類の肉色改善飼料が記載されている。
しかしながら、いずれの方法においても赤身肉の変色抑制という点で十分ではなく、当業界においては、赤身肉への添加や浸漬により十分な退色・変色抑制効果を奏する、天然由来で安全な成分及びそれを用いた方法の提供が強く求められる一方で、未だ満足できるものは提供されていないのが現状であった。
一方、特許文献10には、ニゲロオリゴ糖の退色防止効果、特にアントシアニン系色素に対して効果を有することが記載されている。
しかしながら、特許文献10に記載されているのは、アントシアニン系色素等の植物由来の色素に対する退色防止効果のみであり、ニゲロオリゴ糖を赤身肉に用いることは何ら記載されていない。
特開平10−004923号公報 特開2002−247967号公報 特開2006−212004号公報 特開2008−228702号公報 特開2011−206042号公報 国際公開第2014/013795号 特開2002−233316号公報 特開2011−036176号公報 特開2013−150575号公報 特開2000−189101号公報
上記従来技術に鑑み、本発明の目的は、赤身肉の退色及び/又は変色を抑えることができる等の品質保持効果に優れた、赤身肉の品質保持剤、赤身肉の品質保持方法、及び赤身肉の品質保持剤の製造のためのニゲロオリゴ糖の使用を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ニゲロオリゴ糖を赤身肉に用いることで優れた品質保持効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の1つは、ニゲロオリゴ糖を有効成分として含有することを特徴とする赤身肉の品質保持剤を提供するものである。
本発明の赤身肉の品質保持剤は、赤身肉の退色及び/又は変色を抑制するために用いることができる。
また、本発明の赤身肉の品質保持剤は、赤身肉のドリップを抑制するために用いることができる。
更に、本発明の赤身肉の品質保持剤は、赤身肉の生臭さ及び/又は不快な味を抑制するために用いることができる。
本発明の赤身肉の品質保持剤は、生の赤身肉に対して特に有効である。
本発明の赤身肉の品質保持剤は、鰹の生肉に対して特に有効である。
本発明のもう1つは、ニゲロオリゴ糖を赤身肉に施与することを特徴とする赤身肉の品質保持方法を提供するものである。
本発明の赤身肉の品質保持方法においては、前記ニゲロオリゴ糖の赤身肉への施与を、該ニゲロオリゴ糖を含有する溶液を該赤身肉に塗布、噴霧、浸漬、注入、及び混合の処理から選ばれたいずれか1種以上の処理により行なうことが好ましい。
本発明の赤身肉の品質保持方法は、赤身肉の退色及び/又は変色を抑制するために適用することができる。
また、本発明の赤身肉の品質保持方法は、赤身肉のドリップを抑制するために適用することができる。
更に、本発明の赤身肉の品質保持方法は、赤身肉の生臭さ及び/又は不快な味を抑制するために適用することができる。
本発明の赤身肉の品質保持方法においては、前記赤身肉が生の赤身肉であることが好ましい。
本発明の赤身肉の品質保持方法においては、前記赤身肉が鰹の生肉であることが好ましい。
本発明の更にもう1つは、赤身肉の品質保持剤の製造のためのニゲロオリゴ糖の使用を提供するものである。
本発明によれば、ニゲロオリゴ糖を赤身肉に用いることで、赤身肉の退色及び/又は変色を抑え、ドリップを抑制し、生臭さ及び/又は不快な味を抑制する等の、優れた品質保持効果が奏される。よって、これにより、赤身肉の品質保持効果に優れた、赤身肉の品質保持剤、赤身肉の品質保持方法、及び赤身肉の品質保持剤の製造のためのニゲロオリゴ糖の使用を提供することができる。
試験例1において各種試験液を施与したときの鰹の色調の経時変化を評価した結果を示す図表である。 試験例1において各種試験液を施与したときの鰹の重量減少率(ドリップ発生率)の経時変化を評価した結果を示す図表である。 試験例1において各種試験液を施与したときの鰹の味質の経時変化を評価した結果を示す図表である。 試験例2において各種糖液を施与したときのミオグロビン抽出液の色調の経時変化を分光色差計により評価した結果を示す図表である。
本発明においては、ニゲロオリゴ糖を赤身肉の品質保持のために用いる。すなわち、ニゲロオリゴ糖を赤身肉に施与して、その品質保持を図るためものである。ここで、「品質保持」とは、赤身肉の経時変化により肉の鮮赤色が鮮明でなくなり、赤褐色、褐色になること、すなわち、退色及び/又は変色を抑制することを含む意味である。また、赤身肉の経時変化により肉から肉汁が流出すること、すなわち、ドリップを抑制することを含む意味である。また、赤身肉の経時変化により肉の生臭さや不快な味を呈するようになること、すなわち、生臭さ及び/又は不快な味を抑制することを含む意味である。
本発明が適用される赤身肉としては、魚肉であってよく、畜肉であってもよい。また、その生鮮品であってよく、その加工品等であってもよい。
魚肉としては、マグロ(ビン長マグロ、メバチマグロ、クロマグロ、インドマグロ)、鯨、鰹、ブリ、サンマ、サバ、イワシ、カンパチ等が挙げられる。また、魚肉は、いわゆる血合部分を含むものであってもよい。魚肉の加工品としては、特にその加工品の形態に制限されることなく、例えば、さしみ、切り身、さく、ネギトロ等の剥き身、すり身等であってよく、あるいは添加剤やその他の食材を含むものなどであってもよい。例えば、テリーヌ、ユッケ、カルパッチョなどが挙げられる。
畜肉としては、牛肉、豚肉、馬肉、七面鳥肉、羊肉、鶏肉、鹿肉、鴨肉、合鴨肉、猪肉、兎肉等が挙げられる。畜肉の加工品としては、特にその加工品の形態に制限されることなく、例えば、スライス、ひき肉等であってよく、あるいは添加剤やその他の食材を含むものなどであってもよい。例えば、ローストビーフ、ユッケ、カルパッチョなどが挙げられる。
本発明に用いるニゲロオリゴ糖は、ニゲロース、ニゲロシルグルコース、ニゲロシルマルトースなどのように、少なくとも分子中に1つ以上のα−1,3グルコシド結合を含むグルコース重合度2以上のオリゴ糖(α−1,3グルコシド結合のみからなるオリゴ糖の他に、α−1,3グルコシド結合とそれ以外の結合(例えば、α−1,1、α−1,2、α−1,4、α−1,6グルコシド結合など)とからなるオリゴ糖を包含する)を意味し、好ましくはグルコース重合度2〜10、より好ましくは重合度2〜7のオリゴ糖である。また、上記ニゲロオリゴ糖を、常法により還元して得られるニゲロオリゴ糖アルコールであってもよい。
本発明におけるニゲロオリゴ糖は、従来公知の任意の方法により製造することができるが、具体的には、下記のような公知の方法によって調製することができる。
例えば、M.Stacey and J.M.Webber:MethodsIn Carbohydrate Chemistry.,I,339−341,Academic Press(1962)には、微生物の生産する多糖類であるニゲラン、エルシナンなどを基質として、酵素或いは酸類などを用いて加水分解して、ニゲロオリゴ糖を製造する方法が記載されている。
また、公知のα−グルコシダーゼの糖転移・縮合反応を用いてニゲロースを調製する方法も知られている(金谷憲一他,日本農芸化学会誌,53,385−390(1979)、H.fujimoto et al.,Agric.Biol.Chem.,52,1345−1351(1988)など)。
更に、澱粉加水分解物に、サイクロデキストリン生成酵素を作用させてニゲロースを製造する方法(特開平3−22958号公報)、α−1,4グルコシド結合したポリサッカライド又はオリゴサッカライドを含む基質に、α−1,3グルコシド結合をもたらす糖転移酵素のうち1種または2種以上、具体的にはAcremonium属に属し、α−1,3結合をもたらす糖転移酵素を生産する真菌、例えばAcremoniumsp. S4G13(FERM BP−4373)を常法に従い、培養することによって調製される糖転移酵素の1種又は2種以上を作用させてニゲロオリゴ糖を製造する方法(特開平7−59559号公報)等が開示されている。
本発明に使用するニゲロオリゴ糖は、上記の方法に限定されず、いずれの方法で調製されたものでもよいが、現在までに知られているニゲロオリゴ糖の製造方法の中で最も経済的な面で優れていると考えられる、特開平7−59559号公報に記載された糖転移酵素(ニゲロオリゴ糖生成酵素)を用いた方法で調製したニゲロオリゴ糖を使用するのが好ましい。
上述したような方法で調製した糖類(シラップ)中には、ニゲロオリゴ糖の他に、グルコースなどの単糖類、α−1,3結合以外の結合からなる各種オリゴ糖(マルトースなど)あるいはデキストリンなどを含有している場合があるが、ニゲロオリゴ糖が含有されていれば、本発明に有効に用いることが可能である。また、ニゲロオリゴ糖が、ニゲロース単独であってもよく、重合度の異なる混合ニゲロオリゴ糖を含むものであってもよく、あるいは、必要に応じて所望の重合度を有するニゲロオリゴ糖を分離(クロマト分画、酵母などによる醗酵処理及び酵素処理など)して用いることもできる。ただし、赤身肉にニゲロオリゴ糖の有効量を施与するという観点からは、ニゲロオリゴ糖の合計量が、固形分中の含量として30質量%以上の組成物であることが好ましく、35質量%以上の組成物であることがより好ましい。
上記赤身肉に対する上記ニゲロオリゴ糖の施与量としては、赤身肉の湿潤重量100質量部に対して、上記ニゲロオリゴ糖をその固形分換算にして0.1〜10質量部施与することが好ましく、0.2〜4質量部施与することがより好ましい。
本発明によれば、1つの観点からは、ニゲロオリゴ糖を有効成分として含有する赤身肉の品質保持剤を提供することができる。すなわち、その品質保持剤を赤身肉に施与することにより、ニゲロオリゴ糖による品質保持の効果を享受することができる。その品質保持剤の形態としては、赤身肉の表面及び/又は内層にニゲロオリゴ糖が存在するようにするのに適した形態であればよく、特に制限はない。上述したような方法で調製した糖類(シラップ)であってシロップ状のもののほか、粉末、微粉、顆粒、結晶、錠剤等の固形物、水溶液、溶液などのいずれの形態でもよい。ただし、赤身肉にニゲロオリゴ糖を満遍なく施与するという観点からは、シラップ状、水溶液、又は溶液の形態が好ましい。
また、本発明による上記品質保持剤は、ニゲロオリゴ糖以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、食品に一般的に用いられる各種調味料、ニゲロオリゴ糖以外の各種糖、アルコール、多糖類、アミノ酸、ペプチド、タンパク、油脂、乳化剤、香料、酸味料、酸化防止剤、無機塩類、着色料等が挙げられる。ただし、赤身肉にニゲロオリゴ糖の有効量を施与するという観点からは、上記品質保持剤中のニゲロオリゴ糖の合計量が、固形分中の含量として30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましい。
一方、本発明による他の観点からは、ニゲロオリゴ糖を赤身肉に施与する赤身肉の品質保持方法を提供することができる。施与方法としては、赤身肉の表面及び/又は内層にニゲロオリゴ糖が存在するようにできればよく、特に制限はない。例えば、ニゲロオリゴ糖を含有する溶液を赤身肉に塗布したり、噴霧したり、浸漬したり、注入したり、混合したり等の処理により行なうことができる。処理は、2種以上の処理を組み合わせて行ってもよい。あるいは、調味のためのタレ類やドレッシング類にニゲロオリゴ糖を添加して赤身肉に掛けたりして、ニゲロオリゴ糖を赤身肉に施与してもよい。
浸漬液として用いる場合を一例として挙げると、ニゲロオリゴ糖を、好ましくは6〜60質量%(w/w)含有する溶液、より好ましくは8〜24質量%(w/w)含有する溶液の形態にして用いて、それを赤身肉に、好ましくは10秒間以上、より好ましくは30秒以上浸漬するのが、上記ニゲロオリゴ糖を赤身肉に作用させやすいため好ましい。
また、赤身肉ミンチに加工するなど、浸漬処理が適切でない場合については、ニゲロオリゴ糖あるいはそれを含有する本発明の品質保持剤を、赤身肉中に直接添加する処理を行ってもよい。添加方法としては、インジェクターなどによるインジェクションや、あるいはミンチ時にニゲロオリゴ糖あるいはそれを含有する本発明の品質保持剤を添加する方法などが例示される。
以下に実施例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試験例1>
冷凍の鰹を流水にて半解凍した後、スライサーにて7〜8mmにカットした。カットした鰹を計量し、下記表1に示す各種試験液にそれぞれ30秒間浸漬し、試験液をボウルの上で5回切った後にペーパータオルで両面を軽く水切りして、重量を測定した。重量測定後、フタ付きパックに入れ、これをチャック付き袋に入れて、冷蔵保存し、0、2、24、48、72時間後に評価を実施した。
評価方法は以下のとおりとした。
(色調)
目視により退色抑制効果の強さを評価した。具体的には、試験液として水道水を使用した試験区1を0点としたときの他の試験区についての評価を、パネラー3名による、±5点(+1:弱めの鮮やかな赤色、+2:やや弱めの鮮やかな赤色、+3:鮮やかな赤色、+4:やや強めの鮮やかな赤色、+5:強めの鮮やかな赤色、−1:やや弱めの変色、−2:弱めの変色、−3:変色、−4:やや強めの変色、−5:強めの変色)の範囲で段階的な点数付けにより鰹サンプル3例について行い、その平均的点数を得た。
(ドリップ)
冷蔵保存0時間の鰹重量を基準とした場合の2及び24時間後の鰹重量の減少率を、ドリップ発生率として評価した。試験は、各条件ごと、鰹サンプル3例について行い、ドリップ発生率として、その平均値を算出した。
(味質)
試食により味質を評価した。具体的には、試験液として水道水を使用した試験区1を0点としたときの他の試験区についての評価を、パネラー4名による、±5点 (+1:本来の鰹の味より甘さが強いが、やや良好、+2:本来の鰹の味より甘さが少し強いが、良好、+3:本来の鰹の味より甘さがやや強いが良好、+4:本来の鰹の味よりほんのり甘く良好、+5:本来の鰹の味に最も近く良好、−1:鰹の味と甘さのバランスがやや悪い、−2:鰹の味と甘さのバランスが悪く、やや生臭い、−3:鰹の味と甘さのバランスが悪く、生臭さ或いは甘さが中程度、−4:鰹の味と甘さのバランスが悪く、生臭さ或いは甘さが強い、−5:鰹の味と甘さのバランスが悪く、生臭さ或いは甘さが大変強い)の範囲で段階的な点数付けにより行い、その平均的点数を得た。
その結果、色調について、表2及び図1に示されるように、試験区2、3、9〜11の色調が鮮やかで良好であり、特に試験区9〜11は鮮やかな色調であった。
また、ドリップ発生率について、表3及び図2に示されるように、試験区1と比較して、試験区4〜6、9〜11はドリップ発生率が少ない結果であった。
また、味質について、表4及び図3に示されるように、試験区2、3、5は甘く、鰹に適さない味質であった。試験区4、8は生臭く、不快な味質であった。試験区6は鰹の味質を損ねず、良好であった。試験区9〜11は濃度が高い程甘さが強く、試験区9では鰹の味質を損ねず、試験区10ではほんのり甘く、試験区11ではやや甘いものの、いずれも良好であった。
以上の試験により、ニゲロオリゴ糖を含有する糖組成物製品は、退色及び/又は変色抑制効果、ドリップ抑制効果、味質維持のいずれに関しても、鰹の赤身肉に良好な効果を及ぼすことから、優れた品質保持効果があることが明らかとなった。
<試験例2>
鰹を流水にて解凍した後、細かく刻み当倍量の水を加えてミキサーにて攪拌混合した。これを遠心分離して上清を回収し、ろ過を行うことで鰹の赤身肉中のミオグロビンを多量に含む抽出液(以下、モデル抽出液)を得た。モデル抽出液に下記表5に示す各種液糖を8%(w/w)添加して100mLずつバイアル瓶に分注し、冷暗所にて冷蔵保存した際の色調の変化を0、24、48、72時間後に目視および分光色差計(SE-2000、日本電色工業製)を用いて評価した。色調の評価方法は、以下のとおりとした。
(目視による評価)
目視によるモデル抽出液の色調の評価は、赤味の程度を1〜5点の5段階で評価し、赤味が強いほど高い点数とし、赤味が弱いものほど低い点数としてパネラー5名による、その平均的点数を得た。
(分光色差計による評価)
分光色差計による評価については、L***表色系(CIE 1976)におけるa*値を用いて行い、冷蔵保存0時間後のモデル抽出液のa*値を100としたときの24、48、72時間後におけるa*値を、赤味の残存率として評価した。試験は、各条件ごと、鰹サンプル3例について行い、その平均値を算出した。
その結果、表6に示されるように、目視による色調評価において、各々時間で試験区15は他の試験区と比べて明らかに赤味の強さが維持されていることが確認された。
また、表7及び図4に示されるように、色差計による評価においても、試験区15は、他の試験区よりもa*値が高い値を維持したまま推移する傾向を示した。
以上の試験により、ニゲロオリゴ糖を含有する糖組成物製品は、鰹の赤身肉の退色及び/又は変色抑制に良好な効果を及ぼすことから、優れた品質保持効果があることが明らかとなった。

Claims (12)

  1. ニゲロオリゴ糖を有効成分として含有することを特徴とする赤身肉の退色及び/又は変色を抑制するための品質保持剤。
  2. 更に赤身肉のドリップを抑制するための請求項1記載の品質保持剤。
  3. 更に赤身肉の生臭さ及び/又は不快な味を抑制するための請求項1又は2記載の品質保持剤。
  4. 前記赤身肉が生の赤身肉である請求項1〜のいずれか1項に記載の品質保持剤。
  5. 前記赤身肉が鰹の生肉である請求項記載の品質保持剤。
  6. ニゲロオリゴ糖を赤身肉に施与することを特徴とする赤身肉の退色及び/又は変色を抑制するための品質保持方法。
  7. 前記ニゲロオリゴ糖の赤身肉への施与を、該ニゲロオリゴ糖を含有する溶液を該赤身肉に塗布、噴霧、浸漬、注入、及び混合の処理から選ばれたいずれか1種以上の処理により行なう請求項記載の品質保持方法。
  8. 更に赤身肉のドリップを抑制するための請求項又は記載の品質保持方法。
  9. 更に赤身肉の生臭さ及び/又不快な味を抑制するための請求項6〜8のいずれか1項に記載の品質保持方法。
  10. 前記赤身肉が生の赤身肉である請求項のいずれか1項に記載の品質保持方法。
  11. 前記赤身肉が鰹の生肉である請求項10記載の品質保持方法。
  12. 赤身肉の退色及び/又は変色を抑制するための品質保持剤の製造のためのニゲロオリゴ糖の使用。
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